JP4371641B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に関し、特に、液晶パネルに接続されたフレキシブル配線基板の不用意な損傷防止を図った液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の液晶表示装置は、例えば図5に示すように、大きくは、底壁1a及びこの底壁1aの縁部から折曲した側壁1bを有する板金ケース1と、この板金ケース1の側壁1bの内面に沿って配設された樹脂フレーム2と、この樹脂フレーム2に縁部が支持された液晶パネル3と、この液晶パネル3に対向し板金ケース1の底壁1aの外面に配設されたプリント回路基板4と、液晶パネル3及びプリント回路基板4を相互に接続し、互いの端部から側方に突出しつつ板金ケース1の側壁1bの外側で湾曲したフレキシブル配線基板5と、を備えている。
【0003】
ここで板金ケース1は、アルミニウムやステンレス等の金属平板からプレス加工されてなるものであって、先ず打ち抜き工程を経て輪郭すなわち側壁1bの先端が形成され、次いで折り曲げ工程を経て底壁1a及び側壁1bが形成される。樹脂フレーム2は、ポリカーボネートやアクリル等の樹脂から成型されてなる。
【0004】
液晶パネル3は、一対のガラス基板間に液晶が封入されてなるものであって、一方のガラス基板上に形成された電極端子に、フレキシブル配線基板5上の配線の一端が接続されている。プリント回路基板4は、液晶パネル3の表示を駆動させるものであって、その一方の面に形成された電極端子に、フレキシブル配線基板5上の配線の他端が接続されている。フレキシブル配線基板5は、厚みが薄く可撓性を有するテープ状のものであって、その内面5aに、上記した液晶パネル3及びプリント回路基板4の各電極端子に接続される配線が形成されている。
【0005】
なお、6はバックライトとして液晶表示の光源となる照明装置であって、板金ケース1の底壁1aの内面上に液晶パネル3と対向して配され、樹脂フレーム2で保持されている。
【0006】
ところで、板金ケース1は、上記したようにプレス加工において打ち抜き工程を経ることから、側壁1bの先端角度に30〜50μm程度のバリ1c(打ち抜きの進行方向に突出する余分な突起)が生じ、このバリ1cは、折り曲げ工程を経て最終的に側方に向けて残存する場合がある。この場合、液晶表示装置内のフレキシブル基板5は、板金ケース1の側壁1bの外側を湾曲して設けられているものの、主として液晶表示装置を小型化する観点から、設置スペースに十分な余裕がなく、特に板金ケースの側壁1bにおける外面の先端角度に残存するバリ1cとフレキシブル配線基板5の内面5aとが、近接又は接触する状況におかれる。
【0007】
そうすると、このような液晶表示装置が携帯情報端末や携帯電話機といった小型の電子機器に搭載された場合、持ち運びをする時等に頻繁に生じる外部からの振動や衝撃等により、フレキシブル配線基板5の内面5aが板金ケース1の側壁1bのバリ1cと擦れ合って不用意に損傷し、ひいてはその内面5a上の配線が断線に至るという問題がある。
【0008】
そこで、現状ではこのような問題を防止する改善策として、バリ1cを除去したり、更に板金ケース1の側壁1bにおける外面の先端角度を面取りしたり、或いは、板金ケース1の側壁1bを先端側に延伸させてこの側壁1bにフレキシブル配線基板5を貫通させる貫通孔を設け、この貫通孔の周縁部のうちのフレキシブル配線基板5の内面5aと接触する部分にテーパ部を形成したり(例えば、特許文献1参照)している。このような改善策によれば、フレキシブル配線基板5の内面5aは過大に擦れ合うことがなくなるため、フレキシブル配線基板5における断線を含めた不用意な損傷を一応は防止できる。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−150385号公報(第3頁、第1図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の改善策では、いずれも板金ケース1を成形するに際し、プレス加工に加えて、バリ1cの除去加工や、面取り加工や、テーパ部の形成加工といった追加工が欠かせないことから、板金ケース1の生産効率の悪化や製造コストの増大を招く。また、フレキシブル配線基板5の内面5aが、フレキシブル配線基板5よりも著しく硬い板金ケース1と擦れ合う状況下にあることには変わりはないため、フレキシブル配線基板5の不用意な損傷防止の確実性に課題が残る。
【0011】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、液晶パネルに接続されたフレキシブル配線基板の不用意な損傷を簡単かつ確実に防止し得る液晶表示装置を提供することを目的とするものである。
【0012】
上記目標を達成するため、本発明による液晶表示装置は、プレス加工されて底壁及びこの底壁の縁部から折曲した側壁を有する板金ケースと、この板金ケースの側壁の内面に沿って配設された樹脂フレームと、この樹脂フレームに縁部が支持された液晶パネルと、この液晶パネルに対向し前記板金ケースの底壁の外面に配設されたプリント回路基板と、前記液晶パネル及び前記プリント回路基板を相互に接続し、前記液晶パネルと前記プリント回路基板との各端部から側方に突出しつつ前記板金ケースの側壁の外側で湾曲したフレキシブル配線基板と、を備えた液晶表示装置において、前記樹脂フレームには、前記板金ケースの側壁の外面よりも側方に突出する突出部が形成され、前記突出部は、その先端が折れ曲がり且つ前記板金ケースの側壁における先端部の外側面と近接する突片部を有し、前記突出部および前記突片部はさらに、前記板金ケースの前記側壁における前記先端部を覆っている。
【0013】
これにより、板金ケースの側壁における外面の先端角部に側方に向けてバリが残存していても、フレキシブル配線基板の内面は、そのバリとは全く接触することなく、比較的軟らかい樹脂フレームの突出部と近接又は接触する状況下におかれる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳述する。先ず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態の液晶表示装置の一例を示す分解斜視図、図2はその液晶表示装置の要部縦断面図、図3は図1の液晶表示装置における樹脂フレームの突起部の形成範囲を変形した一例を示す組立斜視図である。なお、図中で図5と同じ名称で同じ機能を果たす部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。後述する第2実施形態においても同様とする。
【0015】
これらの図に示すように、本実施形態の液晶表示装置は、バックライトを適用した従来の液晶表示装置(図5参照)と同様に、板金ケース1と、樹脂フレーム2と、液晶パネル3と、プリント回路基板4と、フレキシブル配線基板5と、照明装置6と、を備えている。これらは、液晶パネル3、樹脂フレーム2、照明装置6、板金ケース1、及びプリント回路基板4の順に配置されて組み付けられ、フレキシブル配線基板5が、液晶パネル3及びプリント回路基板4各々の端部から側方に突出しつつ、板金ケース1の側壁1bの外側で湾曲した状態で配設される。その際、板金ケース1と樹脂フレーム2とは、板金ケース1の各側壁1bに設けられた角孔1dと、これら角孔1dに対応して樹脂フレーム2の外側面に設けられた凸部2aとの係合により固定される。
【0016】
ここで、本実施形態の特徴部分である樹脂フレーム2について詳述する。樹脂フレーム2においてフレキシブル配線基板5が位置する側には、板金ケース1の側壁1bの先端を覆いながらその外面よりも側方に突出する突出部2bが一体的に形成されている。この突出部2bは、フレキシブル配線基板5と対向してこれとほぼ同じ幅の範囲で形成されている(図1参照)。但し、この範囲で複数の突出部2bが連なるように間隔を空けて形成されるようにしてもよい。
【0017】
このような樹脂フレーム2を備えた液晶表示装置においては、プレス加工で生じた板金ケース1の側壁1bにおける外面の先端角部のバリ1cが側方に向けて残存していても、フレキシブル配線基板5の内面5aは、そのバリ1cとは全く接触することなく、樹脂フレーム2の突出部2bと近接又は接触する状況下におかれることになる。従って、フレキシブル配線基板5の内面5aとバリ1cとが擦れ合う状況は完全になくなるため、フレキシブル配線基板5における断線を含めた不用意な損傷を確実に防止できる。
【0018】
ちなみに、フレキシブル配線基板5の内面5aは、突出部2bと不用意に擦れ合うことがあるが、突出部2bが樹脂フレーム2と同じく比較的軟らかい樹脂であることから、その内面5aに与えられる摩擦抵抗は極めて小さく、フレキシブル配線基板5の損傷にはほとんど影響しない。
【0019】
なお、本実施形態では、板金ケース1には何ら追加工を施す必要がないことから、板金ケース1に関しては生産効率の悪化や製造コストの増大は全くない。勿論、樹脂フレーム2に突出部2bを形成する必要があるものの、これらを一体成型することにより、製造コストの増大等は格段に抑えられる。
【0020】
また、突出部2bの形成範囲は、上記のようなフレキシブル配線基板5の幅に応じた範囲に限らず、図3に示すように、フレキシブル配線基板5の幅よりも十分に広い範囲となるよう端から端まで形成されても構わない。この場合、あらゆる幅のフレキシブル配線基板5に即対応可能であることから、汎用性がある点で優位である。
【0021】
次に、本発明の第2実施形態について図4を参照しながら説明する。図4は、第2実施形態の液晶表示装置の要部縦断面図である。本第2実施形態の特徴は、第1実施形態における樹脂フレーム2の突出部2bの縦断面形状を変形した点にある。
【0022】
つまり、樹脂フレーム2の突出部2bは、図4に示すように、先端が折れ曲がり板金ケース1の側壁1bにおける先端部の外面と近接する突片部2cを有している。このような樹脂フレーム2を備えた液晶表示装置においては、凸片部2cが障壁となり、外部で浮遊する埃や塵といった異物が照明装置6の配置されている内部に侵入するのを防止できる。
【0023】
なお、フレキシブル配線基板5の内面5aと近接又は接触する様相にある突出部2bの先端部を、角張らせずに、フレキシブル配線基板5の湾曲に沿って面取り状にしてもよい(図4参照)。この場合、フレキシブル配線基板5の湾曲の起点を内側すなわち液晶パネル3側に位置させることが可能となることから、これに伴って最も側方に突出するフレキシブル配線基板5の湾曲部を内側に位置させることができ、液晶表示装置全体としての幅が抑えられる。
【0024】
その他本発明は上記の各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、プレス加工されて底壁及びこの底壁の縁部から折曲した側壁を有する板金ケースと、この板金ケースの側壁の内面に沿って配設された樹脂フレームと、この樹脂フレームに縁部が支持された液晶パネルと、この液晶パネルに対向し前記板金ケースの底壁の外面に配設されたプリント回路基板と、前記液晶パネル及び前記プリント回路基板を相互に接続し、互いの端部から側方に突出しつつ前記板金ケースの側壁の外側で湾曲したフレキシブル配線基板と、を備えた液晶表示装置において、前記樹脂フレームには、前記板金ケースの側壁の外面よりも側方に突出する突出部が形成されているので、板金ケースの側壁における外面の先端角部に側方に向けてバリが残存していても、フレキシブル配線基板の内面は、そのバリとは全く接触することなく、比較的軟らかい樹脂フレームの突出部と近接又は接触する状況下におかれる。従って、フレキシブル配線基板の内面がそのバリと擦れ合う状況は完全になくなるため、フレキシブル配線基板における断線を含めた不用意な損傷を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の液晶表示装置の一例を示す分解斜視図である。
【図2】 第1実施形態の液晶表示装置の要部縦断面図である。
【図3】 図1の液晶表示装置における樹脂フレームの突起部の形成範囲を変形した一例を示す組立斜視図である。
【図4】 本発明の第2実施形態の液晶表示装置の要部縦断面図である。
【図5】 従来の液晶表示装置の要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 板金ケース
1a 底壁
1b 側壁
1c バリ
1d 角孔
2 樹脂フレーム
2a 凸部
2b 突出部
2c 突片部
3 液晶パネル
4 プリント回路基板
5 フレキシブル配線基板
5a 内面
6 照明装置
Claims (2)
- プレス加工されて底壁及びこの底壁の縁部から折曲した側壁を有する板金ケースと、
この板金ケースの側壁の内面に沿って配設された樹脂フレームと、
この樹脂フレームに縁部が支持された液晶パネルと、
この液晶パネルに対向し前記板金ケースの底壁の外面に配設されたプリント回路基板と、
前記液晶パネル及び前記プリント回路基板を相互に接続し、前記液晶パネルと前記プリント回路基板との各端部から側方に突出しつつ前記板金ケースの側壁の外側で湾曲したフレキシブル配線基板と、を備えた液晶表示装置において、
前記樹脂フレームには、前記板金ケースの側壁の外面よりも側方に突出する突出部が形成され、
前記突出部は、その先端が折れ曲がり且つ前記板金ケースの側壁における先端部の外側面と近接する突片部を有し、
前記突出部および前記突片部はさらに、前記板金ケースの前記側壁における前記先端部を覆うことを特徴とする液晶表示装置。 - 前記フレキシブル配線基板の内面に対向する前記突出部の先端部近傍の外面は、前記フレキシブル配線基板の内面の形状に沿う形状になるべく面取りされていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
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