JP4371609B2 - 繊維強化プラスチック廃棄物の処理方法および該方法により回収された強化繊維の再利用方法 - Google Patents

繊維強化プラスチック廃棄物の処理方法および該方法により回収された強化繊維の再利用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4371609B2
JP4371609B2 JP2001154648A JP2001154648A JP4371609B2 JP 4371609 B2 JP4371609 B2 JP 4371609B2 JP 2001154648 A JP2001154648 A JP 2001154648A JP 2001154648 A JP2001154648 A JP 2001154648A JP 4371609 B2 JP4371609 B2 JP 4371609B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
reinforced plastic
matrix
reinforcing
plastic waste
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001154648A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002307046A (ja
Inventor
實 三輪
明義 武野
輝之 横井
淳多 細川
良崇 新明
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nakashima Kogyo Corp
Original Assignee
Nakashima Kogyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nakashima Kogyo Corp filed Critical Nakashima Kogyo Corp
Priority to JP2001154648A priority Critical patent/JP4371609B2/ja
Publication of JP2002307046A publication Critical patent/JP2002307046A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4371609B2 publication Critical patent/JP4371609B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
    • B29B17/00Recovery of plastics or other constituents of waste material containing plastics
    • B29B17/02Separating plastics from other materials
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
    • B29B17/00Recovery of plastics or other constituents of waste material containing plastics
    • B29B17/02Separating plastics from other materials
    • B29B17/0206Selectively separating reinforcements from matrix material by destroying the interface bound before disintegrating the matrix to particles or powder, e.g. from tires or belts
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2105/00Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped
    • B29K2105/06Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped containing reinforcements, fillers or inserts
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2707/00Use of elements other than metals for preformed parts, e.g. for inserts
    • B29K2707/04Carbon
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2709/00Use of inorganic materials not provided for in groups B29K2703/00 - B29K2707/00, for preformed parts, e.g. for inserts
    • B29K2709/08Glass
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Disintegrating Or Milling (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、繊維強化プラスチック廃棄物の処理方法および該方法により分離・回収された強化繊維の再利用方法に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、ガラス繊維強化プラスチック等の繊維強化プラスチック廃棄物中の強化繊維とプラスチックとを分離して強化繊維を回収する方法と該方法により分離・回収された強化繊維を再度有効利用する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
力学的性質の優れた繊維材料を強化材とし、熱硬化性プラスチックをマトリックスとして複合した繊維強化プラスチック(FRP)は、軽量で、高強度であり、錆びたり腐食したりしない耐久性を有する優れた材料である。
繊維強化プラスチックには、複合される繊維材料により、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、アラミド繊維強化プラスチック(AFRP)等各種のものがあり、それぞれの特性に応じ、各種の用途に使用されている。とりわけ、GFRPは、ガラス繊維が安価であって、高い引張強さを有していることから、船舶を始め、建設材料、自動車、住宅設備器材等として広範囲に、しかも、大量に使用されてきている。
【0003】
これらFRPは、耐用年数が過ぎると廃棄、または、リサイクルされることになるが、FRPの優れた特性が廃棄、リサイクルにとって不利に働くことになる。すなわち、FRPをそのまま焼却して廃棄処理しようとすると、マトリックスであるプラスチックが、黒煙、悪臭を生じたり、有害ガスを生成したりすることになる。埋立処理では、プラスチックの不朽性により処分場の寿命を短縮することになる。さらには、不法投棄による環境悪化の問題が生ずる。
FRPのリサイクルにおいては、再使用に耐えるFRPは、再度、部品等として利用することが望ましい。そのためには、再使用を考慮に入れた製品設計が必要となるが、再使用できる部品等を予め設計することは困難である。
【0004】
図7に、現在のFRPのリサイクルの概念図を示す。図7に示されているように、FRPのリサイクルとしては、粉砕等したFRPを樹脂やセメントのフィラーとして利用するマテリアルリサイクル、マトリックスを化学的に分解し、モノマーやオイルとして回収するケミカルリサイクル、燃焼させてマトリックスの高い燃焼熱を利用するエネルギーリサイクル等がある。
FRP製品は大型のものが多いことから、再使用またはいずれのリサイクルにおいても、準備工程として、解体、粉砕等が必要であるが、粉砕等の準備工程により、強化繊維は損傷を受けたり、短繊維化した成分を多く含んだりすることになる。
【0005】
このように準備工程によって得られたFRPの粉砕物は、マテリアルリサイクルにおいては、単なるフィラーとしての利用の域をでるものではない。ケミカルリサイクルによってマトリックスから分離・回収された強化繊維は、FRP製品への強化繊維としては、品質、等級が低下することになり、再利用の対象範囲が限定されることになる。なお、エネルギーリサイクルは、燃焼による廃棄処理と同様、生成ガス等の問題があり、プラスチックの燃焼により、強化繊維、例えば、ガラス繊維は溶融して残渣となり、再利用することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記のような実情に鑑み鋭意研究の結果創案されたもので、FRPのリサイクルにおいて、強化繊維の損傷や、短繊維化がなく、マトリックスのみを破壊し、強化繊維とマトリックスとを効率よく分離し、強化繊維を回収でき、FRP製品の製造に再利用するのに有効な繊維強化プラスチック廃棄物の処理方法と該方法によって回収された強化繊維の再利用方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための繊維強化プラスチック廃棄物の処理方法の発明は、熱硬化性プラスチックをマトリックスとし、強化繊維を強化材とする繊維強化プラスチック廃棄物を、温水浸漬処理し、次いで、高温、高圧の水蒸気によって加温、加圧した後、圧力を瞬時に開放して水蒸気爆砕処理することで、強化繊維とマトリックスとを分離させ、少なくとも強化繊維を回収することを特徴とする。
以下、繊維強化プラスチック廃棄物とは、熱硬化性プラスチックをマトリックスとし、強化繊維を強化材とする繊維強化プラスチックの廃棄物を意味するものとして使用している。
【0008】
温水浸漬処理を施すことで、繊維強化プラスチック廃棄物中の強化繊維とマトリックスとの界面が劣化し、水蒸気爆砕処理での強化繊維の損傷や短繊維化がなく、マトリックスを破壊でき、マトリックスと分離された強化繊維を回収することができる。水蒸気爆砕処理は、必要であれば、複数回繰り返して行うようにすればよい。繊維強化プラスチック廃棄物を温水浸漬処理することで、強化繊維とマトリックスとの界面が劣化するのは、強化繊維とマトリックスの熱膨張係数の差によって発生する熱応力によって、強化繊維とマトリックスとの界面の接着力が低下することで界面再編成が生じ、さらに、界面の剥離が生じ、剥離した界面の間へ温水が浸透することによるものと考えられる。そして、この状態において、高温、高圧の水蒸気によって加温、加圧すると、強化繊維とマトリックスの間に水蒸気が浸入し界面剥離がさらに進行し、圧力を瞬時に開放して水蒸気爆砕処理することで、マトリックスのみが破壊されるものと考えられる。
これによれば、強化繊維の損傷や短繊維化がなく、効率よく、しかも確実にマトリックスのみを破壊し、マトリックスと分離された強化繊維を回収することができる。
【0009】
そして、この発明の前記繊維強化プラスチック廃棄物の処理方法により回収された強化繊維の再利用方法としては、それを熱硬化性プラスチックをマトリックスとする繊維強化プラスチックの強化材として再利用することを特徴とする。
これによれば、繊維強化プラスチック廃棄物から回収した強化繊維は、損傷や短繊維化が少ないことから、繊維強化ブラスチックの強化材として有効活用することで、繊維強化プラスチックを安価に提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示し、さらに詳しくこの発明について説明する。もちろんこの発明は以下の実施の形態によって限定されるものではない。
図1は、この発明の繊維強化プラスチック廃棄物の処理方法の概略を示し、その内容は、前記した記載、および、図面から明らかなことから説明は省略する
【0011】
この発明において、繊維強化プラスチック廃棄物のマトリックスと分離・回収される強化繊維としては、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、アラミド繊維等の有機繊維が例示できるが、これに限られるものではない。
この発明において、繊維強化プラスチック廃棄物が大型の場合は、準備工程において、解体し、適宜の大きさに切断等し、これを使用すればよい。
この発明における水蒸気爆砕処理には、木材などに高温、高圧で水を導入し、繊維間に高温、高圧の水を浸透させた後、急激に常圧に戻すことで、水を気化させ、そのときの力で粉砕するのに使用されると同様なバッチ式の水蒸気爆砕処理装置、または、連続式の水蒸気爆砕処理装置が使用できる。バッチ式の水蒸気爆砕処理装置は、水蒸気爆砕処理を複数回繰り返し行うことができる利点がある。
【0012】
繊維強化プラスチック廃棄物の温水浸漬処理における液温、浸漬時間等の条件は、繊維強化プラスチック廃棄物等(すなわち、強化繊維の種類、繊維長、径、マトリックスの種類、硬化剤の種類及びこれらの割合、硬化条件等)によって適宜決定されるものである。また、水蒸気爆砕処理における温度、圧力、および、これらの温度、圧力の保持時間等の条件も、繊維強化プラスチック廃棄物等(すなわち、強化繊維の種類、繊維長、径、マトリックスの種類、硬化剤の種類及びこれらの割合、硬化条件等)によって適宜決定されるものである。
【0013】
そして、この発明の繊維強化プラスチック廃棄物の処理方法によって分離・回収された強化繊維を、繊維強化プラスチックの強化材として再利用するに際しては、適当な長さの繊維長のものを選別して使用することが好ましい。
【0014】
【実施例】
次に、実施例を示しさらに詳しく説明する。
(参考例1)
強化繊維としてガラスロービング(ER2310 MA859X、旭ファイバーグラス(株)製)を使用した。該ガラスロービングは、密度2.50g/cm、直径12.73μm、ヤング率87.5GPa、引張強度3.68GPa、繊維と平行な方向の線熱膨張係数6.61×10−6−1、繊維と直交する方向の線熱膨張係数5.00×10−6−1である。このガラスロービングを定長切断機(LB−120、三木プーリ(株)製)にて繊維長約3.5mmに切断し、抄紙器を用いて繊維が二次元ランダムに配向したマットを作成した。次に、真空注型装置(Type8022−24、蛇の目電機(株)製)中にシリコーン樹脂製の型に入れたランダムマットをセットし、減圧(約4,000Pa)し、それにマトリックス樹脂としてエポキシ樹脂(エピコート828、油化シェルエポキシ(株)製)100phr、硬化剤(S−Cure661、化薬アクゾ(株)製)10phrを混合したものを注入し、硬化温度80℃で17時間硬化させ、ガラス繊維が二次元ランダムに配向した気泡のないガラス繊維強化エポキシ樹脂複合板(EP−GFRP)を作製した。得られたEP−GFRPの繊維の体積分率は約10%である。このEP−GFRPを参考例1とした。
図2に参考例1の表面の顕微鏡写真(倍率約70倍)を示す。
【0015】
また、参考例1を図3に示すようにガラス強化繊維の配向方向と平行に切断したものを試料とし、引張試験に供した。
引張試験は、引張試験機(テンシロンUTM−I−2500、オリエンテック(株)製)を用い、ゲージ長50mm、クロスヘッドスピード20mm/min、チャートスピード1000mm/minで行った。
引張試験によって得られた破断強度は、110.96MPaであった。
【0016】
(参考例2)
参考例1におけると同様の二次元ランダムマットを用い、真空注型装置(Type8022−24、蛇の目電機(株)製)中にシリコーン樹脂製の型に入れたランダムマットをセットし、減圧(約4,000Pa)し、それにマトリックス樹脂として不飽和ポリエステル樹脂(リゴラック2004WM−2、昭和高分子(株)製)100phr、促進剤硬化剤(リゴラック促進剤E、昭和高分子(株)製)0.5phr、過酸化物触媒(カヤメックA、化薬アクゾ(株)製)0.5phrを混合したものを注入し、硬化温度60℃で17時間硬化させ、ガラス繊維が二次元ランダムに配向した気泡のないガラス繊維強化不飽和ポリエステル樹脂複合板(UP−GFRP)を作製した。得られたUP−GFRPの繊維の体積分率は約10%である。このUP−GFRPを参考例2とした。
図4に参考例2の表面の顕微鏡写真(倍率約70倍)を示す。
【0017】
また、参考例1と同様にガラス強化繊維の配向方向と平行に切断したものを試料とし、同様の引張試験を行った。
引張試験によって得られた破断強度は、87.16MPaであった。
【0018】
(参考例3)
参考例1のマトリックス樹脂用のエポキシ樹脂(エピコート828、油化シェルエポキシ(株)製)100phr、硬化剤(S−Cure661、化薬アクゾ(株)製)10phrを混合したものを真空注型装置(Type8022−24、蛇の目電機(株)製)中に設置したシリコーン樹脂製の型内に注入し、参考例1と同様に硬化温度80℃で17時間硬化させエポキシ樹脂板(EP)を作製した。
【0019】
得られたエポキシ樹脂板を図3と同様に切断したものを試料とし、参考例1と同様の引張試験を行った。
引張試験によって得られた破断強度は、77.66MPaであった。
【0020】
得られたエポキシ樹脂板の線熱膨張係数を、熱機械分析計(THERMOFLEX TMA8140、理学電機(株)製)によって常圧下で測定した。得られた線熱膨張係数を表1に示す。
【0021】
(参考例4)
参考例2のマトリックス樹脂用の不飽和ポリエステル樹脂(リゴラック2004WM−2、昭和高分子(株)製)100phr、促進剤硬化剤(リゴラック促進剤E、昭和高分子(株)製)0.5phr、過酸化物触媒(カヤメックA、化薬アクゾ(株)製)0.5phrを混合したものを真空注型装置(Type8022−24、蛇の目電機(株)製)中に設置したシリコーン樹脂製の型内に注入し、硬化温度60℃で17時間硬化させ不飽和ポリエステル樹脂板(UP)を作製した。
【0022】
得られた不飽和ポリエステル樹脂板を図3と同様に切断したものを試料とし、参考例1と同様の引張試験を行った。
引張試験によって得られた破断強度は、12.37MPaであった。
【0023】
得られた不飽和ポリエステル樹脂板の線熱膨張係数を、参考例3と同様にして測定した。得られた線熱膨張係数を表1に示す。
【0024】
【表1】
Figure 0004371609
【0025】
(実施例1)
参考例1から切り出した立方体の試験片を70℃の温水中に1週間浸漬し、次いで、バッチ式爆砕処理装置(HISAKA WORKS(株)製)中に入れ、圧力約2.7MPa、温度約230℃の水蒸気で30分加温、加圧した後、圧力を瞬時に開放して水蒸気爆砕処理した。
試験片は、角付近が全体の約10%程度破壊し、その表面にはむき出しとなったガラス繊維が多数観察できた。破壊の程度は、試験片の水蒸気爆砕処理前後での写真を平面的に面積比較することにより求めた。水蒸気爆砕処理後の試験片の顕微鏡観察によれば、ガラス繊維の損傷はみられなかった。図5に水蒸気爆砕処理後の試験片の破壊部の顕微鏡写真(倍率約70倍)を示す。
【0026】
70℃の温水中に1週間浸漬した試験片は、強化繊維とマトリックス樹脂との界面に水が浸透したと考えられる白濁が観察された。そこで、温水浸漬処理の作用を確認するために、参考例1からガラス強化繊維の配向方向と平行に切り出した引張試験用に試料について、70℃の温水中に1週間浸漬した後、参考例1と同様にして引張試験を行った。引張試験によって得られた破断強度は、85.50MPaであり、参考例1と比べ破断強度が約23%低下している。
【0027】
温水に浸漬したことによる引張強度の大幅な低下や白濁は、70℃程度の温度では、ガラス繊維の劣化とは考えにくく、また、マトリックス樹脂の劣化だけでは説明が困難であり、ここで使用したガラス繊維の線熱膨張係数(6.61×10−6−1)とエポキシ樹脂の70℃での線熱膨張係数(12.53×10−5−1)の大きな差によって発生する熱応力によって、強化繊維とマトリックスとの界面の接着力が低下することで界面再編成が生じ、さらに、界面の剥離が生じ、剥離した界面の間へ温水が浸透し、強化繊維とマトリックス樹脂との分離がし易くなったことによると考えられる。なお、エポキシ樹脂の線熱膨張係数は、参考例3に基づく測定値である。
そして、この状態において、高温、高圧の水蒸気によって加温、加圧することで、強化繊維とマトリックスの間に水蒸気が浸入し界面剥離がさらに進行し、圧力を瞬時に開放して水蒸気爆砕処理することで、強化繊維の損傷や短繊維化がなく、マトリックスのみが破壊されたものと考えられる。
【0028】
(実施例2)
参考例2から切り出した立方体の試験片を、70℃の温水中に1週間浸漬し、次いで、実施例1に使用したバッチ式爆砕処理装置中に入れ、圧力約2.7MPa、温度約230℃の水蒸気で4分加温、加圧した後、圧力を瞬時に開放して水蒸気爆砕処理した。
試験片は、角付近が全体の約15%程度破壊し、その表面にはむき出しとなったガラス繊維が多数観察できた。破壊の程度は、実施例1と同様にして求めた。水蒸気爆砕処理後の試験片の顕微鏡観察によれば、ガラス繊維の損傷はみられなかった。図6水蒸気爆砕処理後の試験片の破壊部の顕微鏡写真(倍率約70倍)を示す。
【0029】
70℃の温水中に1週間浸漬した試験片は、強化繊維とマトリックス樹脂との界面に水が浸透したと考えられる白濁が観察された。白濁の程度は、実施例1の試験片よりも大きいと確認できた。そこで、参考例2からガラス強化繊維の配向方向と平行に切り出した引張試験用に試料について、70℃の温水中に1週間浸漬した後、参考例1と同様にして引張試験を行った。引張試験によって得られた破断強度は、30.68MPaであり、参考例2と比べ破断強度が約35%低下している。
【0030】
温水に浸漬したことによる引張強度の大幅な低下や白濁等の根拠等は、実施例1と同様と考えられることから、説明は省略する。なお、70℃での不飽和ポリエステル樹脂の線熱膨張係数は、参考例4における測定によれば、16.51×10−5−1であり、白濁の程度がEP−FRPのそれより大きいことの主要因と考えられる。
【0031】
【発明の効果】
この発明は、以上詳しく説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、この発明の繊維強化プラスチック廃棄物の処理方法は、温水浸漬処理と、水蒸気爆砕処理とを採用することによってはじめて、強化繊維の損傷や、短繊維化がなく、マトリックスのみを破壊することができ、強化繊維とマトリックスとを効率よく分離し、強化繊維を確実にしかも安価に回収できることになる。
また、この発明の繊維強化プラスチック廃棄物の処理方法によって回収された強化繊維は、FRP製品の製造に有効に再利用することができる。
そして、強化繊維と分離されたマトリックスは、ケミカルリサイクル、エネルギーリサイクル等に有効に使用することができる。
これらのことから、環境汚染を減らし、廃棄物処分場の寿命を延ばすことにも寄与することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の繊維強化プラスチック廃棄物の処理方法を示す概略工程図である。
【図2】参考例1の表面の顕微鏡写真を示す。
【図3】引張試験に使用する試料をガラス繊維強化プラスチック板から切り出す方法の説明図である。
【図4】参考例2の表面の顕微鏡写真を示す。
【図5】実施例1における水蒸気爆砕処理後の試験片の顕微鏡写真を示す。
【図6】実施例2における水蒸気爆砕処理後の試験片の顕微鏡写真を示す。
【図7】従来のFRPのリサイクルの概念図を示す。

Claims (2)

  1. 熱硬化性プラスチックをマトリックスとし、強化繊維を強化材とする繊維強化プラスチック廃棄物を、温水浸漬処理し、次いで、高温、高圧の水蒸気によって加温、加圧した後、圧力を瞬時に開放して水蒸気爆砕処理することで、強化繊維とマトリックスとを分離させ、少なくとも強化繊維を回収することを特徴とする繊維強化プラスチック廃棄物の処理方法。
  2. 請求項1記載の繊維強化プラスチック廃棄物の処理方法によって分離・回収された強化繊維を、熱硬化性プラスチックをマトリックスとする繊維強化プラスチックの強化材として再利用することを特徴とする強化繊維の再利用方法。
JP2001154648A 2001-04-15 2001-04-15 繊維強化プラスチック廃棄物の処理方法および該方法により回収された強化繊維の再利用方法 Expired - Fee Related JP4371609B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001154648A JP4371609B2 (ja) 2001-04-15 2001-04-15 繊維強化プラスチック廃棄物の処理方法および該方法により回収された強化繊維の再利用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001154648A JP4371609B2 (ja) 2001-04-15 2001-04-15 繊維強化プラスチック廃棄物の処理方法および該方法により回収された強化繊維の再利用方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002307046A JP2002307046A (ja) 2002-10-22
JP4371609B2 true JP4371609B2 (ja) 2009-11-25

Family

ID=18998955

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001154648A Expired - Fee Related JP4371609B2 (ja) 2001-04-15 2001-04-15 繊維強化プラスチック廃棄物の処理方法および該方法により回収された強化繊維の再利用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4371609B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005281600A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Eiwa:Kk 高分子樹脂の分解処理方法及び分解処理装置並びに分解処理生成物
JP4452740B2 (ja) * 2007-12-07 2010-04-21 トヨタ自動車株式会社 繊維強化プラスチックのリサイクル方法
JP2010162498A (ja) * 2009-01-16 2010-07-29 Nippon Oil Corp 改質バイオマスの製造方法
DE102010001787A1 (de) * 2010-02-10 2011-08-11 Sgl Carbon Se, 65203 Verfahren zur Herstellung eines Formteils aus einem Kohlenstoffwerkstoff unter Verwendung von wiederverwerteten Carbonfasern
US8863809B2 (en) * 2011-11-14 2014-10-21 The Boeing Company Methods and systems for recycling of laminated materials
DE102013200482A1 (de) * 2013-01-15 2014-07-17 Siemens Aktiengesellschaft Verfahren zur Wiedergewinnung von Verstärkungsfasern aus faserverstärkten Kunststoffen
CN106140774A (zh) * 2015-03-08 2016-11-23 福建省泉州海丝船舶评估咨询有限公司 一种玻璃钢废弃物再生利用的方法及系统
CN106140775A (zh) * 2015-03-08 2016-11-23 福建省泉州海丝船舶评估咨询有限公司 一种基于玻璃钢废弃物的3d成型材料制造方法及系统
EP3181346A1 (en) 2015-12-14 2017-06-21 Habasit AG Sheet material and punching tape containing same
US10632728B2 (en) * 2016-08-25 2020-04-28 Dennis Martin Collins Separating polymer from composite structures
CN115044097B (zh) * 2022-06-24 2023-08-01 中国科学院过程工程研究所 一种废弃纤维增强复合材料的回收方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2679477B2 (ja) * 1991-09-26 1997-11-19 日本電気株式会社 繊維強化複合材料と繊維強化複合材料廃棄物の処理方法および再生利用方法
JP2695560B2 (ja) * 1992-01-24 1997-12-24 工業技術院長 Frp廃棄物の処理装置
JPH05259934A (ja) * 1992-03-12 1993-10-08 Sony Corp 送受信装置
JP3401865B2 (ja) * 1993-10-25 2003-04-28 東レ株式会社 炭素繊維塊およびその製造方法
JP2846278B2 (ja) * 1996-02-19 1999-01-13 和歌山県 硬化不飽和ポリエステル樹脂廃棄物の再利用法
JP2000034363A (ja) * 1998-07-21 2000-02-02 Toray Ind Inc ナイロン6製品類のリサイクル方法
JP2000080199A (ja) * 1998-09-07 2000-03-21 Toray Ind Inc ガラス繊維含有ポリアミド成形品からのポリアミドとガラス繊維との分離方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002307046A (ja) 2002-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Yu et al. Carbon fiber reinforced thermoset composite with near 100% recyclability
JP4371609B2 (ja) 繊維強化プラスチック廃棄物の処理方法および該方法により回収された強化繊維の再利用方法
Goud et al. Effect of fibre content and alkali treatment on mechanical properties of Roystonea regia-reinforced epoxy partially biodegradable composites
US6537341B2 (en) Process for recycling fiber composite materials
Miwa et al. Effects of fibre length on tensile strength of carbon/glass fibre hybrid composites
Balaji et al. Mechanical characterization of coir fiber and cotton fiber reinforced unsaturated polyester composites for packaging applications
US20240083073A1 (en) Recycling of Fibre Reinforced Polymer Materials
Ben et al. Examination of heat resistant tensile properties and molding conditions of green composites composed of kenaf fibers and PLA resin
Muslimin et al. The Effect of Liquid Smoke Treatment on Physical Stability and Impact Toughness Chicken Feather Fibre (CFF) as Reinforcement in Composites
Fernandes et al. Preparation and characterization of polymeric composites assembled from fiberglass fabric waste from the wind blades manufacturing process
KR20200049033A (ko) 비응축성 용매를 활용한 섬유강화 복합 소재의 해중합 및 재활용 방법
Ogi Influence of thermal history on transverse cracking in a carbon fiber reinforced epoxy composite
Sugiman et al. Water absorption and impact strength of alkali-treated bamboo fiber/polystyrene-modified unsaturated polyester composites
Venkatakrishnan et al. The effect of e-waste particle on mechanical behavior of particulate reinforced epoxy matrix composite
Chinnapalanichamy et al. Effect of mechanical properties on banana macro particle reinforced epoxy composites
JP3761161B2 (ja) 複合材の特性改善方法
Sanchez et al. Evaluation of methodology for the carbon fibre recycling
Yuyan et al. Method of recovering the fibrous fraction of glass/epoxy composites
JP2679477B2 (ja) 繊維強化複合材料と繊維強化複合材料廃棄物の処理方法および再生利用方法
JP3307629B2 (ja) 複合材の細分化方法
Thomason et al. Recover: Regenerating the strength of glass fibres thermally recycled from end-of-life
Ballout et al. High Performance Recycled CFRP Composites Based on Reused Carbon Fabrics Through Mild Solvolysis Route
Hadigheh et al. Characterisation of carbon fibre recovered by pyrolysis using thermal gravimetric analysis (TGA)
Tanaka et al. Development of a pleasure boat using bamboo fiber reinforced plastics
Magyar et al. Comparison of different interfacial engineering methods to achieve pseudo-ductile behaviour of carbon fibre reinforced polymer composites

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090526

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090818

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090901

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120911

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130911

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees