JP3307629B2 - 複合材の細分化方法 - Google Patents

複合材の細分化方法

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JP3307629B2
JP3307629B2 JP2000170295A JP2000170295A JP3307629B2 JP 3307629 B2 JP3307629 B2 JP 3307629B2 JP 2000170295 A JP2000170295 A JP 2000170295A JP 2000170295 A JP2000170295 A JP 2000170295A JP 3307629 B2 JP3307629 B2 JP 3307629B2
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秀光 小林
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Sumitomo Precision Products Co Ltd
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    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Disintegrating Or Milling (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マトリックス樹脂
と強化材とを複合して形成される複合材を好適に処理す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】航空機および宇宙機の機体には、繊維強
化材にマトリックス樹脂を含浸した後硬化させて複合さ
れる複合材が用いられている。この複合材は、繊維強化
材およびマトリックス樹脂の種類を選択するなどして、
機械的強度など必要とされる所定の特性が得られるよう
にされている。またこのような複合材の細分化方法に
は、埋め立て、溶融、焼却および粉砕などがある。これ
らの方法のうち粉砕は、減容化することができるだけで
なく、粉砕された複合材はリサイクル性に優れており、
原料としての再利用が容易であり、種々の複合材に対し
て、粉砕して原料として利用するリサイクルシステムが
実用化されている。
【0003】特許第953560(特公昭53−356
66:特開昭51−24972)のゴムの粉砕処理方法
がある。このゴムの粉砕処理方法では、密閉容器内に加
硫されたゴムを入れるとともに、密閉容器内に加硫され
たゴムにくり返し剪断圧潰力および撹拌力を作用せしめ
る機構が設けられ、この機構によってゴムに前述の機械
的外力を与えながら、密閉容器内にオゾンと空気の混合
気体を送入して、加硫された状態にあるゴムを、オゾン
と空気の混合気体の雰囲気中で、機械的外力を作用させ
て、加硫ゴムを粉砕している。
【0004】また実開平5−18654のゴム廃棄物の
処理装置がある。この処理装置は、密閉形のタンクと、
タンク内にオゾンを発生させるオゾン発生器と、タンク
内に収納したゴム廃棄物を加振する装置とよりなり、タ
ンク内の架台上にゴム廃棄物を束ねて載置し、これらを
吊り材に連結し、タンク内にオゾンを発生させた状態
で、加振装置によってゴム廃棄物に振動を与える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】複合材は廃棄処理とし
て粉砕することが好ましいけれども、航空機および宇宙
機などに用いられる複合材は、特有の厳しい軽量化およ
び高性能化の要求に応えるために、高比強度および高比
剛性に形成されており、粉砕が困難であって時間を要す
るだけでなく、大きな騒音を発生するうえ、粉砕に費や
されるエネルギも膨大であり、かつ設備の摩耗が大きく
なってしまう。したがって複合材を容易に粉砕すること
ができず、好適な廃棄処理をすることができなかった。
【0006】
【0007】特許第953560および実開平5−18
654の技術は、複合材の廃棄処理のための技術でな
く、ゴムの廃棄処理のための技術であって、この処理方
法をそのまま複合材の廃棄処理に適用しても廃棄処理す
ることができない。具体的には、上述のように高比強度
および高比剛性の複合材では、オゾンに曝露しながら揉
むまたは振動させるようにしても、その複合材を粉砕す
ることができない。
【0008】
【0009】本発明の目的は、複合材を容易に粉砕する
ことができる複合材の細分化方法を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、マトリックス樹脂と強化材とが複合される複合材
に、マトリックス樹脂を劣化させる劣化処理をして、ク
ラックを発生させ、クラックが形成された複合材を、破
砕および粉砕処理する複合材の細分化方法であって、前
記劣化処理は、オゾンを含む雰囲気中に複合材を放置す
るオゾン曝露処理であることを特徴とする複合材の細分
化方法である。
【0011】本発明に従えば、複合材は、マトリックス
樹脂を劣化させる劣化処理がされて、マトリックス樹脂
にクラックが発生されるので、複合材が全体として脆弱
化して剪断強度が低下する。このようにクラックの発生
によって剪断強度が低下した状態で、複合材が破砕およ
び粉砕処理される。これによって複合材を容易に破砕お
よび粉砕して細分化することができ、複合材が航空機お
よび宇宙機などに用いられる高比強度および高比剛性の
複合材であっても、容易に細分化することができ、短時
間で、大きな騒音を発生することなく破砕および粉砕す
ることができ、しかも破砕および粉砕に要するエネルギ
も少なく、かつ設備の摩耗も小さくなる。また複合材
は、オゾンを含む雰囲気中に放置するオゾン曝露処理さ
れて、マトリックス樹脂が劣化されるので、放置するだ
けの簡単な作業によって、複合材の全体に、むら無くほ
ぼ均一に分散するようにクラックを発生させることがで
きる。しかも複合材が複雑な形状であってもむら無く劣
化処理できる。したがって破砕および粉砕処理すること
によって、ほぼ均一な大きさの細かい小片に容易に細分
化することができる。しかも破砕および粉砕処理は、オ
ゾン曝露処理後、オゾンを含む雰囲気から取り出して処
理することができ、破砕および粉砕処理に用いる装置お
よび機器などがオゾン曝露されることがないので、その
装置および機器などの取扱いが容易である。
【0012】請求項2記載の本発明は、マトリックス樹
脂と強化材とが複合される複合材に、マトリックス樹脂
を劣化させる劣化処理をして、クラックを発生させ、ク
ラックが形成された複合材を、破砕および粉砕処理する
複合材の細分化方法であって、前記劣化処理は、オゾン
を含む雰囲気中に複合材を放置するとともに、複合材に
紫外線を照射するオゾンおよび紫外線曝露処理であるこ
とを特徴とする複合材の細分化方法である。
【0013】本発明に従えば、複合材は、マトリックス
樹脂を劣化させる劣化処理がされて、マトリックス樹脂
にクラックが発生されるので、複合材が全体として脆弱
化して剪断強度が低下する。このようにクラックの発生
によって剪断強度が低下した状態で、複合材が破砕およ
び粉砕処理される。これによって複合材を容易に破砕お
よび粉砕して細分化することができ、複合材が航空機お
よび宇宙機などに用いられる高比強度および高比剛性の
複合材であっても、容易に細分化することができ、短時
間で、大きな騒音を発生することなく破砕および粉砕す
ることができ、しかも破砕および粉砕に要するエネルギ
も少なく、かつ設備の摩耗も小さくなる。また複合材
は、オゾンを含む雰囲気中に放置するとともに紫外線を
照射するオゾンおよび紫外線曝露処理されて、マトリッ
クス樹脂が劣化されるので、放置するだけの簡単な作業
によって、複合材の全体に、むら無くほぼ均一に分散す
るようにクラックを発生させることができる。しかも複
合材が複雑な形状であっても、むら無く劣化処理でき
る。したがって破砕および粉砕処理することによって、
ほぼ均一な大きさの細かい小片に容易に細分化すること
ができる。しかも紫外線によって、複合材の表面付近の
マトリックス樹脂の分子鎖を直接切断でき、より短時間
により多くのクラックを発生させることができる。さら
に破砕および粉砕処理は、オゾンおよび紫外線曝露処理
後、オゾンを含む雰囲気および紫外線照射領域から取り
出して処理することができ、破砕および粉砕処理に用い
る装置および機器などがオゾンおよび紫外線曝露される
ことがないので、その装置および機器などの取扱いが容
易である。
【0014】請求項3記載の本発明は、劣化処理した複
合材に吸湿させる吸湿処理をし、破砕および粉砕処理す
ることを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、複合材は、劣化処理後
に、複合材に吸湿させる吸湿処理され、破砕および粉砕
処理される。このように劣化処理された後、破砕および
粉砕処理される前に、複合材は、吸湿処理されてクラッ
ク内に水が浸入する。このようにクラック内に水が浸入
することによって、複合材のマトリックス樹脂の劣化を
さらに促進して、クラックを進展させることができる。
したがってさらに破砕および粉砕処理を容易にすること
ができる。この吸湿処理は、複合材全体に施してもよ
く、また局所的に施してもよく、吸湿処理を施した部分
のクラックを進展させることができる。
【0016】請求項4記載の本発明は、吸湿処理した複
合材に氷点以下の温度に冷却する凍結処理をし、破砕お
よび粉砕処理することを特徴とする。
【0017】本発明に従えば、複合材は、吸湿処理後
に、氷点下の温度に冷却される凍結処理され、破砕およ
び粉砕処理される。このように劣化処理されてかつ吸湿
処理された後、破砕および粉砕処理される前に、複合材
は、凍結処理されてクラック内に浸入した水が凍結す
る。このようにクラック内の水が凍結することによっ
て、水が膨張して体積を増加させ、クラックを拡大させ
ることができる。したがってさらに破砕および粉砕処理
を容易にすることができる。凍結処理は、複合材全体に
施してもよく、また局所的にほどこしてもよく、凍結処
理を施した部分のクラックを拡大させることができる。
【0018】請求項5記載の本発明は、マトリックス樹
脂と強化材とが複合される複合材に、マトリックス樹脂
を劣化させる劣化処理をして、クラックを発生させ、ク
ラックが形成された複合材を、破砕および粉砕処理する
複合材の細分化方法であって、劣化処理した複合材に吸
湿させる吸湿処理をし、破砕および粉砕処理することを
特徴とする複合材の細分化方法である。
【0019】本発明に従えば、複合材は、マトリックス
樹脂を劣化させる劣化処理がされて、マトリックス樹脂
にクラックが発生されるので、複合材が全体として脆弱
化して剪断強度が低下する。このようにクラックの発生
によって剪断強度が低下した状態で、複合材が破砕およ
び粉砕処理される。これによって複合材を容易に破砕お
よび粉砕して細分化することができ、複合材が航空機お
よび宇宙機などに用いられる高比強度および高比剛性の
複合材であっても、容易に細分化することができ、短時
間で、大きな騒音を発生することなく破砕および粉砕す
ることができ、しかも破砕および粉砕に要するエネルギ
も少なく、かつ設備の摩耗も小さくなる。また複合材
は、劣化処理後に、複合材に吸湿させる吸湿処理され、
破砕および粉砕処理される。このように劣化処理された
後、破砕および粉砕処理される前に、複合材は、吸湿処
理されてクラック内に水が浸入する。このようにクラッ
ク内に水が浸入することによって、複合材のマトリック
ス樹脂の劣化をさらに促進して、クラックを進展させる
ことができる。したがってさらに破砕および粉砕処理を
容易にすることができる。この吸湿処理は、複合材全体
に施してもよく、また局所的に施してもよく、吸湿処理
を施した部分のクラックを進展させることができる。
【0020】請求項6記載の本発明は、吸湿処理した複
合材に氷点以下の温度に冷却する凍結処理をし、破砕お
よび粉砕処理することを特徴とする請求項5記載の複合
材の細分化方法である。
【0021】本発明に従えば、複合材は、吸湿処理後
に、氷点下の温度に冷却される凍結処理され、破砕およ
び粉砕処理される。このように劣化処理されてかつ吸湿
処理された後、破砕および粉砕処理される前に、複合材
は、凍結処理されてクラック内に浸入した水が凍結す
る。このようにクラック内の水が凍結することによっ
て、水が膨張して体積を増加させ、クラックを拡大させ
ることができる。したがってさらに破砕および粉砕処理
を容易にすることができる。凍結処理は、複合材全体に
施してもよく、また局所的にほどこしてもよく、凍結処
理を施した部分のクラックを拡大させることができる。
【0022】請求項7記載の本発明は、前記劣化処理
は、マトリックス樹脂が変質しない温度範囲内で複合材
の加熱および冷却を繰り返す熱サイクル処理であること
を特徴とする。
【0023】本発明に従えば、複合材は、加熱および冷
却を繰り返す熱サイクル処理されてマトリックス樹脂が
劣化されるので、複合材にクラックを発生させることが
できる。この熱サイクル処理は、複合材の全体に施すこ
とが可能であるだけでなく、局所的に施すことが可能で
ある。したがって複合材の全体を熱サイクル処理するこ
とによって全体にほぼ均一にクラックを発生させること
ができ、局所的に熱サイクル処理することによって局所
的にクラックを発生させることができる。このように熱
サイクル処理した後、破砕および粉砕処理することによ
って、熱サイクル処理に応じて複合材を細分化すること
ができる。さらに破砕および粉砕処理は、熱サイクル処
理後、熱サイクル処理とは別途に処理することができ、
破砕および粉砕処理に用いる装置および機器などが加熱
および冷却を繰り返されることがないので、その装置お
よび機器などの取扱いが容易である。
【0024】請求項8記載の本発明は、前記劣化処理
は、マトリックス樹脂が変質しない温度範囲内で複合材
を加熱した後に急冷する急冷処理であることを特徴とす
る急冷処理であることを特徴とする。
【0025】本発明に従えば、複合材は、加熱した後に
急冷する急冷処理されてマトリックス樹脂が劣化され
る。この急冷処理は、複合材の全体に施すことが可能で
あるだけでなく、局所的に施すことが可能である。した
がって複合材の全体を急冷処理することによって全体に
ほぼ均一にクラックを発生させることができ、局所的に
急冷処理することによって局所的にクラックを発生させ
ることができる。このように急冷処理した後、破砕およ
び粉砕処理することによって、急冷処理に応じて複合材
を細分化することができる。さらに破砕および粉砕処理
は、急冷処理後、急冷処理とは別途に処理することがで
き、破砕および粉砕処理に用いる装置および機器などが
加熱および冷却を繰り返されることがないので、その装
置および機器などの取扱いが容易である。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
複合材の細分化方法を示すフローチャートであり、図2
は、細分化方法によって処理される複合材1の一例を示
す断面図である。本実施の形態の細分化方法は、マトリ
ックス樹脂2と強化材3とが複合される複合材1を、好
適に細分化するための方法である。複合材1は、たとえ
ば航空機および宇宙機の機体を構成する高比強度および
高比剛性の複合材であり、たとえば強化材3にマトリッ
クス樹脂2を含浸して硬化させて形成されている。
【0039】強化材3は、繊維4を所定の方向に配向さ
せて構成される繊維材である。繊維は、たとえば炭素繊
維、炭化ケイ素繊維およびアルミナ繊維であってもよい
し、その他の繊維であってもよい。また繊維の配向は、
同一の方向に引揃えられてもよいし、同一面内で複数の
方向に延びてもよいし、立体的に組織されてもよい。ま
たマトリックス樹脂2は、熱可塑性樹脂であってもよ
く、たとえばビスマレイミド系樹脂、具体的にはイミド
化オリゴマの付加重合型熱可塑性ビスマレイミド樹脂で
あってもよいし、熱硬化性樹脂であってもよく、たとえ
ばエポキシ系樹脂であってもよいし、例示した樹脂以外
の樹脂であってもよい。
【0040】このような複合材1を細分化する細分化方
法は、オゾン曝露処理工程と、吸湿処理工程と、凍結処
理工程と、破砕および粉砕処理工程とを含む。この細分
化方法に従う細分化処理は、細分化すべき複合材1が生
じたときにステップa0で開始され、まずステップa1
のオゾン曝露処理工程が行われる。このオゾン曝露処理
は、複合材1のマトリックス樹脂2を劣化させる劣化処
理であって、オゾンを含む雰囲気中に複合材1を放置し
てオゾンに曝露させる操作である。
【0041】このオゾン曝露は、所定の条件下で、所定
時間行われ、たとえば密閉容器に空気とオゾンとの混合
気を満たし、この容器内に複合材1を放置する。密閉容
器内の混合気は、たとえば常温および常圧であり、オゾ
ン濃度が6μg/l以上120mg/l以下(5ppm
以上100000ppm以下)である。常温とは、人為
的に加熱および冷却しない温度であり、常圧とは、人為
的に加圧および減圧しない圧力(大気圧)である。曝露
時間は、たとえば24時間以上100時間以下である。
【0042】このようなオゾン曝露処理によって、複合
材1のマトリックス樹脂2に微細クラック5を発生(導
入)させる。この微細なクラック5を発生させることに
よって、マトリックス樹脂2に微細な空隙が形成され
る。
【0043】このステップa1のオゾン曝露処理後、ス
テップa2の吸湿処理工程に移行する。吸湿処理は、複
合材1に吸湿、換言すれば水を吸収させる操作である。
この吸湿処理は、所定の条件で、高湿度の雰囲気中に複
合材1を放置し、または水中に複合材1を浸漬して、複
合材1に吸湿させる操作である。本実施の形態では、複
合材1を高湿度の空気中に複合材を放置して行われ、た
とえば密閉容器に、温度90℃かつ相対湿度100%の
空気を満たし、この容器内に複合材1を放置する。この
容器内に放置する吸湿時間は、たとえば約24時間であ
る。このようにして複合材1に吸湿させることによっ
て、オゾン曝露処理によって形成されたクラック5によ
る空隙に水を浸入させることができる。このように空隙
への水の浸入によってさらにマトリックス樹脂2が劣化
され、クラック5を進展させることができる。
【0044】このステップa2の吸湿処理後、ステップ
a3の凍結処理工程に移行する。凍結処理は、複合材1
に氷点以下の温度に冷却する操作である。たとえば吸湿
した複合材1を液体窒素中に投入して浸漬する。これに
よって複合材1とともに、クラック5内の水が氷点下の
温度に冷却されて凍結する。このようにクラック5内の
水を凍結させることによって、この水が膨張して体積を
増加させるので、クラック5を拡大させることができ
る。
【0045】このステップa3の凍結処理後、ステップ
a4の破砕および粉砕処理工程に移行する。破砕および
粉砕処理は、複合材に、機械的に外力を与えて、複合材
1を細かく砕く操作である。この破砕および粉砕は、た
とえば、一般に市販される粉砕装置を用いて行われる。
粉砕装置には、破砕機、中間粉砕機および微粉砕機など
があり、これら装置は、回転刃によって細かく砕く装
置、回転ハンマによって細かく砕く装置、ローラによっ
て細かく砕く装置および媒体と一緒に撹拌して細かく砕
く装置などがある。このような装置を適宜選択して用
い、複合材1が破砕および粉砕され、たとえば10mm
程度の大きさの小片に細分化される。このステップa4
の破砕および粉砕処理が終了すると、ステップa5に移
行して、複合材1の細分化処理が終了する。
【0046】図3は、複合材の生成から廃棄までの流れ
を示すフローチャートである。複合材は、ステップb0
で複合材成形部品の需要が生じると、ステップb1で製
造され、この複合材を用いて成形部品が製造される。複
合材の成形部品は、まずプリプレグを製造し、このプリ
プレグを裁断し、裁断したプリプレグを積層および硬化
して成形するとともに、必要に応じて機械加工を施して
製造される。このようにステップb1で製造された成形
部品は、ステップb2において運用される。この運用中
に、成形部品は、たとえば老化および外力の作用などに
よって破損する場合があり、修理が不可能な状態となっ
た成形部品は、ステップb3で運用寿命に到達し、廃棄
または再利用をしなければならない廃棄物の状態にな
る。このように運用寿命に達した成形部品を形成する複
合材は、ステップb4で廃棄物としての処理が行われ、
ステップb5で複合材の運用に係る処理が終了する。
【0047】またステップb1で成形部品を製造すると
き、製造されたプリプレグが裁断されることによって生
じたプリプレグの端材は、ステップb6で不要品とな
る。この硬化前のプリプレグは、ステップb7で埋め立
ておよび焼却などのうちの少なくとも処理がされて、ス
テップb5に移行して複合材の運用に係る処理が終了す
る。
【0048】またたとえばステップb1で成形部品を製
造される成形部品のうち、不良品などの運用に適さない
成形部品は、ステップb8でスクラップ、したがって不
要品としての扱いがされるとともに、またステップb1
での成形時に生じるトリム代、したがって金型の隙間な
どによって生じるバリは、機械加工(トリミング)され
て除去され、ステップb8で不要品となる。このような
不要品としての扱いがされる成形部品および除去された
バリは、ステップb4に移行して同様に処理される。
【0049】またステップb2の運用中に、成形部品が
破損しても、修理が可能な成形部品は、ステップb9で
修理され、再びステップb2に戻って再運用される。ま
たステップb2で運用されていた成形部品が、運用寿命
に達していないけれども、その成形部品が不要になる場
合があり、この場合には、成形部品がステップb10で
スクラップ、したがって不要品として廃棄物の扱いがさ
れる。このようにステップb10で不要品としての扱い
がされると、ステップb4に移行して同様に処理され
る。
【0050】このような複合材の運用に係る一連の処理
のうち、ステップb4の廃棄物処理として、図1を参照
して上述した本発明の複合材の細分化方法が用いられ
る。換言すれば、本発明の細分化方法は、複合材の廃棄
物の処理方法として実施することができる。本実施の形
態では、複合材1をたとえば粒径が数十μm以下の小片
に細分化することができ、このように複合材の廃棄物を
細分化することによって、たとえば原料、その他の材料
として再利用するにあたっても取扱いが容易になり、再
利用しやすくなり、複合材のリサイクル化を促すことが
できる。また廃棄物を再利用しないにしても、たとえば
粒径が15cm以下の小片に細分化することが容易であ
り、減容化(嵩を低く)することができ、たとえば埋め
立てなどの後続処理が容易になる。
【0051】図4は、一条件下でオゾン曝露処理された
複合材1を示す断面図である。図4には、図2と同様の
符号を付して示す。本件発明者は、オゾン曝露処理の有
用性を確認するためにオゾン曝露処理後の複合材1の内
部構造を観察した。図4に示す複合材1は、炭素繊維4
から成る強化材3にビスマレイミド樹脂から成るマトリ
ックス樹脂2を含浸して形成される厚さ3mm程度の硬
化後の複合材(川崎重工業製、商品番号:G400−8
00/5260)であり、オゾン濃度が0.12mg/
l(100ppm)のオゾンと空気の混合気中に96時
間放置した複合材である。
【0052】図4に示す内部の様子から明らかなよう
に、複合材1には、その厚み方向両側の表面6付近の外
表部はもちろん、この外表部だけでなく内部にも、微細
なクラック5が発生していることが確認された。複合材
1では、マトリックス樹脂2と強化材3とを複合してい
るので、成形後の硬化されたマトリックス樹脂2には、
内部応力が発生している。これによってオゾン曝露する
ことによる作用と内部応力とによって、機械的外力を作
用させなくても、オゾンを含む雰囲気中に放置するだけ
で、マトリックス樹脂2にクラック5を発生させること
ができる。しかも図4に示すように、内部においてもク
ラック5を発生させることが可能であり、複合材1の全
体にわたってほぼ均一に、クラック5を発生させること
ができる。
【0053】図5は、図4とは異なる他の条件下でオゾ
ン曝露処理された複合材1を示す断面図であって、図5
(1)はオゾン曝露処理前の断面を示し、図5(2)は
オゾン曝露処理後の断面を示す。図6は、図4および図
5とは異なるさらに他の条件下でオゾン曝露処理された
複合材1を示す断面図であって、図6(1)はオゾン曝
露処理前の断面を示し、図6(2)はオゾン曝露処理後
の断面を示す。図5および図6には、図2と同様の符号
を付して示す。本件発明者は、オゾン曝露処理のさらな
る有用性を確認するために図4とは異なる他の2つの条
件下でそれぞれオゾン曝露処理し、各複合材1の内部構
造をそれぞれ観察した。
【0054】図5に示す複合材1は、図4に示す複合材
と同様の構成の複合材であり、オゾン濃度が0.06m
g/l(50ppm)のオゾンと空気の混合気中に96
時間放置した複合材である。また図6に示す複合材1
は、炭素繊維4から成る強化材3にエポキシ樹脂から成
るマトリックス樹脂2を含浸して形成される厚さ1mm
の硬化後の複合材(住友精密製、商品番号:T800−
6K−8H/PR500)でありオゾン濃度が0.06
mg/l(50ppm)のオゾンと空気の混合気中に9
6時間放置した複合材である。
【0055】図5に示す内部の様子から明らかなよう
に、図5の複合材1を処理した条件下でも、複合材1の
全体にほぼ均一にクラックが発生していることが確認さ
れた。図5のオゾン曝露処理は、図4のオゾン曝露処理
に対して、オゾン濃度が異なるが、このようにオゾン濃
度が異なっても、複合材1の全体にほぼ均一にクラック
5を発生させることが明らかとなった。
【0056】図6に示す内部の様子から明らかなよう
に、図6の複合材1を処理した条件下でも、複合材1の
全体にほぼ均一にクラックが発生していることが確認さ
れた。図6のオゾン曝露処理は、図5のオゾン曝露処理
に対して、複合材1のマトリックス樹脂2の種類が異な
るが、このようにマトリックス樹脂2が異なっても、複
合材1の全体にほぼ均一にクラック5を発生させること
が明らかとなった。
【0057】図4〜図6に示した観察結果は、複合材1
へのオゾン曝露の有用性の確認のために本件発明者が行
った観察試験の観察結果の一例である。本件発明者は、
例示した観察試験を含め、板厚が3mm程度であり、レ
ジントランスファーモールディング(略称:RTM)成
形およびオートクレーブ成形のいずれかによって成形さ
れ、マトリックス樹脂2がエポキシ樹脂およびビスマレ
イミド樹脂から成る複合材1を、常温および常圧であ
り、オゾン濃度が6μg/l以上120mg/l以下
(5ppm以上100000ppm以下)のオゾンを含
む雰囲気中に、24時間以上100時間以下の時間、複
合材1を放置して、内部構造を観察する試験を行った。
これらの試験の観察結果から、複合材1の成形方法およ
びマトリックス樹脂2の種類に拘らず、複合材1の全体
にほぼ均一に1μm以上のクラックを発生させることが
できることを確認した。
【0058】またオゾン濃度が上記範囲内にあるときに
は、複合材1の全体に均一にクラックを発生させること
ができるだけでなく、オゾン濃度を高くすると発生する
クラックが多くなり、かつオゾン濃度を低くすると発生
するクラックが少なくなることが確認された。またオゾ
ン濃度が、上記範囲よりも低いとクラックが発生しにく
く、上記範囲よりも高いと濃度を高くしても発生するク
ラックがほとんど増加せず、上記範囲内に選ぶことによ
って、常温および常圧下で、クラックを好適にかつ容易
に発生させられることが確認された。
【0059】また曝露時間が上記範囲内にあるときに
は、複合材1の全体に均一にクラックを発生させること
ができるだけでなく、曝露時間を長くすると発生するク
ラックが多くなり、かつ曝露時間を短くすると発生する
クラックが少なくなることが確認された。また曝露時間
が、上記範囲よりも短いとクラックが発生しにくく、上
記範囲よりも長いと時間を長くしても発生するクラック
がほとんど増加せず、上記範囲内に選ぶことによって、
常温および常圧下で、クラックを好適にかつ容易に発生
させられることが確認された。このようにオゾン曝露の
条件を選択することによって、クラック5の発生のさせ
方を調節することができることが確認された。
【0060】さらに本件発明者は、オゾン曝露による複
合材1の劣化評価を行った。この劣化評価は、上述のオ
ゾン曝露の有用性の確認のための観察に用いた複合材
(川崎重工製)と同様の複合材を用い、オゾン処理曝露
前の複合材1と、常温および常圧のオゾン濃度が0.0
6mg/l(50ppm)のオゾンおよび空気の混合気
中に96時間放置してオゾン曝露した複合材1とを、常
温下でそれぞれ曲げ試験を行った。この曲げ試験の結
果、オゾン曝露処理によって、曲げ強度が約15%低下
するとともに、破壊形態が脆性的な破壊形態となり、よ
り容易に破砕および粉砕ができることが確認された。
【0061】本実施の形態の細分化方法によれば、複合
材1は、劣化処理がされて、マトリックス樹脂2にクラ
ック5が発生されるので、複合材1が全体として脆弱化
して剪断強度が低下する。この劣化処理は、複合材をオ
ゾンを含む雰囲気中に放置するオゾン曝露処理であり、
放置するだけの簡単な作業によって、複合材1の全体
に、ほぼ均一にクラック5を発生させることができ、全
体的にほぼ均一に脆弱化することができる。さらにこの
ような劣化処理後、吸湿処理されてクラック5内に水が
浸入する。このようにクラック5内に水が浸入すること
によって、複合材1のマトリックス樹脂2の劣化をさら
に促進して、クラック5を進展させ、複合材1がさらに
脆弱化される。またさらに吸湿処理後、凍結処理されて
クラック5内に浸入した水が凍結する。このようにクラ
ック5内の水が凍結することによって、水が膨張して体
積を増加させ、クラック5を拡大させることができ、複
合材1がさらに脆弱化される。
【0062】このようにクラック5の発生によって脆弱
化され、剪断強度が低下した状態で、複合材1が破砕お
よび粉砕処理される。これによって複合材を容易にかつ
ほぼ均一な微細な小片に破砕および粉砕することがで
き、複合材が航空機および宇宙機などに用いられる高比
強度および高比剛性の複合材であっても、容易に破砕お
よび粉砕することができ、短時間で、大きな騒音を発生
することなく破砕および粉砕することができ、しかも破
砕および粉砕に要するエネルギも少なく、かつ設備の摩
耗も小さくなる。したがってたとえば航空機および宇宙
機の機体として利用された複合材1の廃棄物を、容易に
破砕および粉砕し、原料として再利用しやすくすること
ができる。このような細分化処理は、複合材1を、リサ
イクル性の高い再利用しやすい状態に処理する廃棄処理
とすることができる。
【0063】さらに破砕および粉砕処理は、オゾン曝露
処理、吸湿処理および凍結処理後、これら各処理とは別
途に、オゾンを含む雰囲気から取り出して処理すること
ができ、破砕および粉砕処理に用いる装置および機器な
どがオゾン曝露されることがないうえ、吸湿処理および
凍結処理されることがなく、破砕および粉砕のための装
置および機器などの取扱いが容易である。したがって破
砕および粉砕の作業性に優れているうえ、メンテナンス
性および耐久性にも優れている。破砕および粉砕処理の
ための装置だけでなく、オゾン曝露処理、吸湿処理およ
び凍結処理のための装置の構造も簡単になる。
【0064】図7は、本発明の実施の他の形態の複合材
の細分化方法を示すフローチャートである。図7に示す
細分化方法は、図1に示す細分化方法と類似しており、
複合材1に関する符号は、同一の符号を付す。図7に示
す細分化方法は、ステップc0で細分化処理が開始さ
れ、ステップc1でオゾンおよび紫外線曝露処理され、
ステップc2で吸湿処理され、ステップc3で凍結処理
され、ステップc4で破砕および粉砕処理され、ステッ
プc5で細分化処理が終了する。これら各ステップc0
〜c5のうち、ステップc0,c2〜c5は、図1のス
テップa0,a2〜a5と同一の処理である。したがっ
て図7の細分化方法は、図1の細分化方法におけるオゾ
ン曝露処理を、オゾンおよび紫外線曝露処理に代えた方
法である。
【0065】ステップc2のオゾンおよび紫外線曝露処
理は、オゾンを含む雰囲気中に複合材1を放置するとと
もに、複合材1に紫外線を照射する操作である。オゾン
を含む雰囲気中に複合材1を放置するオゾン曝露処理
は、図1の細分化方法におけるオゾン曝露処理と同様の
処理である。このオゾン曝露処理に加えて、複合材1に
紫外線を照射する紫外線曝露処理をする。
【0066】紫外線曝露は、所定の条件下、所定時間行
われる。たとえば常温および常圧下で、かつ紫外線照射
環境下に、複合材1を放置する。紫外線照射は、たとえ
ば波長が253.7nmの強度が5.62mw/cm2
である紫外線、または波長が184.9nmの強度が
1.12mw/cm2である紫外線を、24時間以上1
00時間以下照射する。また紫外線照射は、例示した波
長および強度の紫外線を照射するようにしてもよい。
【0067】本件発明者は、オゾンおよび紫外線曝露処
理の有用性を確認するためにオゾンおよび紫外線曝露処
理後の複合材1の内部構造を観察した。上述のオゾン曝
露処理における観察試験と同様の複合材1を用い、オゾ
ン濃度が60μg/l(50ppm)のオゾンと空気の
混合気中に、波長が253.7nmの強度が5.62m
w/cm2である紫外線、または波長が184.9nm
の強度が1.12mw/cm2である紫外線を照射しな
がら複合材1を24時間放置した。これらの観察結果か
ら、上述したオゾン曝露によるクラックの発生に加え
て、紫外線照射によって表面付近のマトリックス樹脂2
の分子鎖を直接切断することができ、また表面マトリッ
クス樹脂を除去することができ、より短時間により多く
のクラック5を発生させられることが確認された。
【0068】本実施の形態によれば、図1の細分化方法
と同様に複合材を容易に細分化することができる。また
オゾンおよび紫外線曝露処理によって、複合材の全体
に、ほぼ均一に分散するようにクラックを発生させ、複
合材を容易に細分化することができる。しかもクラック
は、オゾンおよび紫外線の両方によって、より短時間に
より多く発生されるので、複合材を破砕および粉砕する
までの作業をより短時間にかつより容易に行うことがで
きる。また破砕および粉砕処理に用いる装置および機器
などの取扱いが容易であり、破砕および粉砕の作業性に
優れているうえ、メンテナンス性および耐久性にも優れ
ている。破砕および粉砕処理のための装置だけでなく、
オゾンおよび紫外線曝露処理のための装置の構造も簡単
になる。
【0069】図8は、本発明の実施のさらに他の形態の
複合材の細分化方法を示すフローチャートである。図8
に示す細分化方法は、図1に示す細分化方法と類似して
おり、複合材1に関する符号は、同一の符号を付す。図
8に示す細分化方法は、ステップd0で細分化処理が開
始され、ステップd1で熱サイクル処理され、ステップ
d2で吸湿処理され、ステップd3で凍結処理され、ス
テップd4で破砕および粉砕処理され、ステップd5で
細分化処理が終了する。これら各ステップd0〜d5の
うち、ステップd0,d2〜d5は、図1のステップa
0,a2〜a5と同一の処理である。したがって図8の
細分化方法は、図1の細分化方法におけるオゾン曝露処
理を、熱サイクル処理に代えた方法である。
【0070】ステップd2の熱サイクル処理は、マトリ
ックス樹脂が変質しない温度範囲内で複合材1の加熱お
よび冷却を繰り返す操作である。具体的には、温度が8
0℃の雰囲気、たとえば空気中に複合材を20分間放置
する加熱操作と、温度が−54℃の雰囲気、たとえば空
気中に複合材を20分放置する操作とを、10サイクル
以上100サイクル以下程度繰返す。これによってマト
リックス樹脂にクラックを発生させることができる。こ
のようなサイクルを繰返すことによって、複合材を内部
まで均一な温度に加熱および冷却する熱サイクル操作を
短時間に行うことができる。また繰返しのサイクル数に
よって、クラックの発生量を容易に調整することができ
る。
【0071】本実施の形態によれば、劣化処理がオゾン
曝露処理であることによる効果を除いて図1の方法と同
様の効果を達成し、同様に複合材1を容易に細分化する
ことができる。また熱サイクル処理した部分に、クラッ
ク1を発生させ、この部分を細かい小片に容易に細分化
することができる。このように複合材1を細分化しやす
くすることができ、生成される小片の原料としての取扱
いがさらに容易になり、さらに再利用しやすくすること
ができる。また破砕および粉砕処理に用いる装置および
機器などの取扱いが容易であり、破砕および粉砕の作業
性に優れているうえ、メンテナンス性および耐久性にも
優れている。破砕および粉砕処理のための装置だけでな
く、熱サイクル処理のための装置の構造も簡単になる。
【0072】図9は、本発明の実施のさらに他の形態の
複合材の細分化方法を示すフローチャートである。図9
に示す細分化方法は、図1に示す細分化方法と類似して
おり、複合材1に関する符号は、同一の符号を付す。図
9に示す細分化方法は、ステップe0で細分化処理が開
始され、ステップe1で急冷処理され、ステップe2で
吸湿処理され、ステップe3で凍結処理され、ステップ
e4で破砕および粉砕処理され、ステップe5で細分化
処理が終了する。これら各ステップe0〜e5のうち、
ステップe0,e2〜e5は、図1のステップa0,a
2〜a5と同一の処理である。したがって図9の細分化
方法は、図1の細分化方法におけるオゾン曝露処理を、
急冷処理に代えた方法である。
【0073】ステップe2の急冷処理は、マトリックス
樹脂が変質しない温度範囲内で複合材を加熱した後に急
冷する操作である。この急冷処理は、マトリックス樹脂
が変質しない程度の高温、たとえば温度80℃程度に保
持したオーブン中に複合材1を所定時間、たとえば0.
5時間放置し、複合材が炉内温度と等しい温度になった
後、その複合材1を液体窒素中に投入し、急激に冷却す
る。
【0074】本実施の形態によれば、劣化処理がオゾン
曝露処理であることによる効果を除いて図1の方法と同
様の効果を達成し、同様に複合材1を容易に細分化する
ことができる。また急冷処理した部分に、クラック5を
発生させ、この部分を細かい小片に容易に細分化するこ
とができる。このように複合材1を細分化しやすくする
ことができ、生成される片の原料としての取扱いがさら
に容易になり、さらに再利用しやすくすることができ
る。また破砕および粉砕処理に用いる装置および機器な
どの取扱いが容易であり、破砕および粉砕の作業性に優
れているうえ、メンテナンス性および耐久性にも優れて
いる。破砕および粉砕処理のための装置だけでなく、急
冷処理のための装置の構造も簡単になる。
【0075】図10は、本発明に関連する劣化処理を用
いた複合材の特性改善方法を示すフローチャートであ
る。複合材1に関する符号は、上述の各実施の形態と同
一の符号を付す。図10に示す特性改善方法は、特性を
改善すべき複合材が得られた時点でステップf0で特性
改善処理が開始され、ステップf1でオゾン曝露処理さ
れ、ステップf2で吸湿処理され、ステップf3で凍結
処理され、ステップf4で充填処理され、ステップf5
で特性改善処理が終了する。これら各ステップf0〜f
5のうち、ステップf0〜f3,f5は、図1のステッ
プa0〜a3,a5と同一の処理である。したがって図
10の特性改善方法は、図1の細分化方法における破砕
および粉砕処理を、充填処理に代えた方法である。
【0076】ステップf4の充填処理は、クラック5内
に所定の機能を与えるための充填物を充填する操作であ
る。この充填物はたとえば熱可塑性合成樹脂などであ
る。具体的には、クラック5が形成(導入)された複合
材をチャンバー、したがって仕切られた空間に入れ、こ
の空間を真空引きした後、空間内に流動状態にある充填
物を供給するとともに、窒素ガスなどにより、0.5M
Pa(5kg重/cm2)程度に充填物を加圧する。こ
れによって、複合材1の内部、したがってクラック内に
充填物を充填することができる。上記条件で充填操作す
ることによって、充填物が充填されずに残ってしまうク
ラックを無くして、全てのクラックに確実に充填物を充
填することができる。またこの充填操作をするとき、複
合材および充填物が変質しない温度範囲内において、複
合材および充填物を加熱して、充填物の流動性を高く
し、充填作業を容易にするようにしてもよい。このよう
に充填物を充填後、加熱および/または乾燥などの操作
を行い充填物を硬化させることによって、複合材と充填
物とを一体化させて、特性を改善することができる。
【0077】充填物は、複合材が変質しない温度におい
て、液体、または溶媒に分散させる固体の状態に存在
し、充填後に複合材を変質させない加熱などの操作で硬
化できる物質であればよい。たとえば、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、シリコーン樹脂および珪素樹脂などで
あってもよい。
【0078】このような充填処理をした複合材は、充填
物の特性に応じた特性改善をすることができる。たとえ
ば、マトリックス樹脂がエポキシ樹脂である複合材に、
高靭性の樹脂を充填することによって、靭性を高くし
て、機能的特性の改善を図ることができる。
【0079】上述の特性改善方法によれば、複合材1
は、劣化処理がされて、マトリックス樹脂2にクラック
5が発生され、マトリックス樹脂2に充填物を充填する
ことができる微細な空隙を形成することができる。この
劣化処理は、複合材をオゾンを含む雰囲気中に放置する
オゾン曝露処理であり、放置するだけの簡単な作業によ
って、複合材1の全体に、ほぼ均一にクラック5を発生
させることができる。さらにこのような劣化処理後、吸
湿処理されてクラック5内に水が浸入する。このように
クラック5内に水が浸入することによって、複合材1の
マトリックス樹脂2の劣化をさらに促進して、クラック
5を進展させる。またさらに吸湿処理後、凍結処理され
てクラック5内に浸入した水が凍結する。このようにク
ラック5内の水が凍結することによって、水が膨張して
体積を増加させ、クラック5を拡大させることができ
る。
【0080】このようにクラック5をさせた後、複合材
1が充填処理される。これによって空隙に充填する充填
物を選択することによって、この充填物に応じた特性が
複合材に得られる。このようにマトリックス樹脂2が硬
化された後の複合材1のマトリックス樹脂2内に充填物
を充填することができ、複合材の特性を変更することが
できる。したがって用途に応じた要求を満たすことがで
きるように、特性を改善することができる。このように
マトリックス樹脂2が硬化された後の複合材1の特性を
改善することができるので、成形後の複合材1から成る
成形品の特性を改善、たとえば強度および弾性係数など
を向上することが可能であり、複合材1を用いた構造部
材、たとえば航空機および宇宙機の機体などの設計およ
び設計変更が容易になる。またたとえば既存の構造部材
の特性を改善することも可能である。
【0081】またオゾン曝露処理によってクラック5を
発生させることができ、クラック5を複合材1の全体に
ほぼ均一に発生させることができ、複合材の全体をむら
無く特性改善することができる。したがって特性むらの
無い複合材の成形品を得ることができる。
【0082】さらに充填処理は、オゾン曝露処理、吸湿
処理および凍結処理後、これら各処理とは別途に、オゾ
ンを含む雰囲気から取り出して処理することができ、充
填処理に用いる装置および機器などがオゾン曝露される
ことがないうえ、吸湿処理および凍結処理されることが
なく、充填のための装置および機器などの取扱いが容易
である。したがって充填の作業性に優れているうえ、メ
ンテナンス性および耐久性にも優れている。充填のため
の装置だけでなく、オゾン曝露処理、吸湿処理および凍
結処理のための装置の構造も簡単になる。
【0083】図11は、本発明に関連する劣化処理を用
いた複合材の他の特性改善方法を示すフローチャートで
ある。図11に示す特性改善方法は、図10に示す特性
改善方法と類似しており、複合材1に関する符号は、同
一の符号を付す。図11に示す特性改善方法は、ステッ
プg0で特性改善処理が開始され、ステップg1でオゾ
ンおよび紫外線曝露処理され、ステップg2で吸湿処理
され、ステップg3で凍結処理され、ステップg4で破
砕および粉砕処理され、ステップg5で特性改善処理が
終了する。これら各ステップg0〜g5のうち、ステッ
プg0,g2〜g5は、図10のステップf0,f2〜
f5と同一の処理であり、ステップg1は、図7のステ
ップc1と同一の処理である。したがって図11の特性
改善方法は、図10の特性改善方法におけるオゾン曝露
処理を、オゾンおよび紫外線曝露処理に代えた方法であ
る。
【0084】上述の特性改善方法によれば、図10の特
性改善方法と同様に複合材の特性を改善することができ
る。またオゾンおよび紫外線曝露処理によって、複合材
の全体に、ほぼ均一に分散するようにクラックを発生さ
せ、複合材を容易にかつ均一に特性を改善することがで
きる。しかもクラックは、オゾンおよび紫外線の両方に
よって、より短時間により多く発生されるので、複合材
1に充填物を充填するまでの作業をより短時間にかつよ
り容易に行うことができる。また充填処理に用いる装置
および機器などの取扱いが容易であり、充填の作業性に
優れているうえ、メンテナンス性および耐久性にも優れ
ている。充填処理のための装置だけでなく、オゾンおよ
び紫外線曝露処理のための装置の構造も簡単になる。
【0085】図12は、本発明に関連する劣化処理を用
いた複合材のさらに他の特性改善方法を示すフローチャ
ートである。図12に示す特性改善方法は、図10に示
す特性改善方法と類似しており、複合材1に関する符号
は、同一の符号を付す。図10に示す特性改善方法は、
ステップh0で特性改善処理が開始され、ステップh1
で熱サイクル処理され、ステップh2で吸湿処理され、
ステップh3で凍結処理され、ステップh4で充填処理
され、ステップh5で特性改善処理が終了する。これら
各ステップh0〜h5のうち、ステップh0,h2〜h
5は、図10のステップf0,f2〜f5と同一の処理
であり、ステップh1は、図8のステップd1と同一の
処理である。したがって図12の特性改善方法は、図1
0の特性改善方法におけるオゾン曝露処理を、熱サイク
ル処理に代えた方法である。
【0086】上述の特性改善方法によれば、劣化処理が
オゾン曝露処理であることによる効果を除いて図10の
方法と同一の効果を達成し、同様に複合材1を容易に特
性改善することができる。また熱サイクル処理した部分
に、クラック1を発生させ、この部分の特性を容易に改
善することができる。したがって必要な部分の特性が改
善された複合材の成形品を得ることができる。また充填
処理に用いる装置および機器などの取扱いが容易であ
り、充填作業の作業性に優れているうえ、メンテナンス
性および耐久性にも優れている。充填処理のための装置
だけでなく、熱サイクル処理のための装置の構造も簡単
になる。
【0087】図13は、本発明に関連する劣化処理を用
いた複合材のさらに他の特性改善方法を示すフローチャ
ートである。図13に示す特性改善方法は、図10に示
す細分化方法と類似しており、複合材1に関する符号
は、同一の符号を付す。図13に示す細分化方法は、ス
テップi0で特性改善処理が開始され、ステップi1で
急冷処理され、ステップi2で吸湿処理され、ステップ
i3で凍結処理され、ステップi4で充填処理され、ス
テップi5で特性改善処理が終了する。これら各ステッ
プi0〜i5のうち、ステップi0,i2〜i5は、図
10のステップf0,f2〜f5と同一の処理であり、
ステップi1は、図9のステップe1と同一の処理であ
る。したがって図13の特性改善方法は、図10の特性
改善方法におけるオゾン曝露処理を、急冷処理に代えた
方法である。
【0088】上述の特性改善方法によれば、劣化処理が
オゾン曝露処理であることによる効果を除いて図10の
方法と同一の効果を達成し、同様に複合材1を容易に特
性改善することができる。また急冷処理した部分に、ク
ラック1を発生させ、この部分の特性を容易に改善する
ことができる。したがって必要な部分の特性が改善され
た複合材の成形品を得ることができる。また充填処理に
用いる装置および機器などの取扱いが容易であり、充填
作業の作業性に優れているうえ、メンテナンス性および
耐久性にも優れている。充填処理のための装置だけでな
く、急冷処理のための装置の構造も簡単になる。
【0089】上述の各実施の形態は、本発明の例に過ぎ
ず、構成を変更することができる。たとえば上述の各実
施の形態の細分化方法および各特性改善方法において、
凍結処理を省略するようにしてもよいし、また吸湿処理
および凍結処理を省略するようにしてもよい。これによ
って処理を簡潔にすることができる。また上述の各実施
の形態の細分化方法および各特性改善方法において、吸
湿処理は、複合材を水中に浸漬して吸湿させるようにし
てもよい。このときの浸漬条件は、たとえばクラックが
発生された複合材を温度が20℃以上80℃以下程度の
水中に1時間以上2時間以下程度浸漬し、クラック内に
水を浸透させる。この後、上述の凍結処理によってさら
にクラックが拡大される。このような吸湿処理であって
も上述の吸湿処理と同様の効果が得られる。また複合材
を水中に浸漬するとき、水分浸透を促進するために、ク
ラック内を減圧させ、または水を0.5MPa(5kg
重/cm2)程度加圧するようにしてもよい。
【0090】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、複合材
は、クラックの発生によって剪断強度が低下した状態
で、破砕および粉砕処理されるので、高比強度および高
比剛性の複合材であっても、容易に破砕および粉砕して
細分化することができる。したがってたとえば航空機お
よび宇宙機の機体として利用された複合材などの複合材
の廃棄物を、容易に破砕および粉砕して細分化し、原料
として再利用しやすくすることができる。このように複
合材を、リサイクル性の高い再利用しやすい状態に処理
することができる。またオゾン曝露処理によって、複合
材の全体に、ほぼ均一に分散するようにクラックを発生
させ、ほぼ均一な大きさの細かい小片に容易に細分化す
ることができる。したがって生成される小片の原料とし
ての取扱いがさらに容易になり、さらに再利用しやすく
することができる。また破砕および粉砕処理に用いる装
置および機器などの取扱いが容易であり、破砕および粉
砕の作業性に優れているうえ、メンテナンス性および耐
久性にも優れている。破砕および粉砕処理のための装置
だけでなく、オゾン曝露処理のための装置の構造も簡単
になる。
【0091】請求項2記載の本発明によれば、複合材
は、クラックの発生によって剪断強度が低下した状態
で、破砕および粉砕処理されるので、高比強度および高
比剛性の複合材であっても、容易に破砕および粉砕して
細分化することができる。したがってたとえば航空機お
よび宇宙機の機体として利用された複合材などの複合材
の廃棄物を、容易に破砕および粉砕して細分化し、原料
として再利用しやすくすることができる。このように複
合材を、リサイクル性の高い再利用しやすい状態に処理
することができる。またオゾンおよび紫外線曝露処理に
よって、複合材の全体に、ほぼ均一に分散するようにク
ラックを発生させ、ほぼ均一な大きさの細かい小片に容
易に細分化することができる。したがって生成される小
片の原料としての取扱いがさらに容易になり、さらに再
利用しやすくすることができる。しかもクラックは、オ
ゾンおよび紫外線の両方によって、より短時間により多
く発生されるので、複合材を破砕および粉砕するまでの
作業をより短時間にかつより容易に行うことができる。
また破砕および粉砕処理に用いる装置および機器などの
取扱いが容易であり、破砕および粉砕の作業性に優れて
いるうえ、メンテナンス性および耐久性にも優れてい
る。破砕および粉砕処理のための装置だけでなく、オゾ
ンおよび紫外線曝露処理のための装置の構造も簡単にな
る。
【0092】請求項3記載の本発明によれば、複合材
は、吸湿処理されてクラック内に水が浸入することによ
って、マトリックス樹脂の劣化をさらに促進して、クラ
ックを進展させることができる。したがってさらに破砕
および粉砕処理を容易にすることができる。
【0093】請求項4記載の本発明によれば、複合材
は、吸湿処理後に凍結処理され、クラック内に浸入した
水が凍結することによって、水が膨張して体積を増加さ
せ、クラックを拡大させることができる。したがってさ
らに破砕および粉砕処理を容易にすることができる。
【0094】請求項5記載の本発明によれば、複合材
は、クラックの発生によって剪断強度が低下した状態
で、破砕および粉砕処理されるので、高比強度および高
比剛性の複合材であっても、容易に破砕および粉砕して
細分化することができる。したがってたとえば航空機お
よび宇宙機の機体として利用された複合材などの複合材
の廃棄物を、容易に破砕および粉砕して細分化し、原料
として再利用しやすくすることができる。このように複
合材を、リサイクル性の高い再利用しやすい状態に処理
することができる。また複合材は、吸湿処理されてクラ
ック内に水が浸入することによって、マトリックス樹脂
の劣化をさらに促進して、クラックを進展させることが
できる。したがってさらに破砕および粉砕処理を容易に
することができる。
【0095】請求項6記載の本発明によれば、複合材
は、吸湿処理後に凍結処理され、クラック内に浸入した
水が凍結することによって、水が膨張して体積を増加さ
せ、クラックを拡大させることができる。したがってさ
らに破砕および粉砕処理を容易にすることができる。
【0096】請求項7記載の本発明によれば、熱サイク
ル処理した部分に、クラックを発生させ、この部分を細
かい小片に容易に細分化することができる。このように
複合材を細分化しやすくすることができ、生成される小
片の原料としての取扱いがさらに容易になり、さらに再
利用しやすくすることができる。また破砕および粉砕処
理に用いる装置および機器などの取扱いが容易であり、
破砕および粉砕の作業性に優れているうえ、メンテナン
ス性および耐久性にも優れている。破砕および粉砕処理
のための装置だけでなく、熱サイクル処理のための装置
の構造も簡単になる。
【0097】請求項8記載の本発明によれば、急冷処理
した部分に、クラックを発生させ、この部分を細かい小
片に容易に細分化することができる。このように複合材
を細分化しやすくすることができ、生成される片の原料
としての取扱いがさらに容易になり、さらに再利用しや
すくすることができる。また破砕および粉砕処理に用い
る装置および機器などの取扱いが容易であり、破砕およ
び粉砕の作業性に優れているうえ、メンテナンス性およ
び耐久性にも優れている。破砕および粉砕処理のための
装置だけでなく、急冷処理のための装置の構造も簡単に
なる。
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の複合材の細分化方法を
示すフローチャートである。
【図2】複合材1を示す断面図である。
【図3】複合材1の製造から廃棄までの流れを示すフロ
ーチャートである。
【図4】オゾン曝露処理された複合材1を示す断面図で
ある。
【図5】オゾン曝露処理の有用性を説明するために複合
材1を示す断面図である。
【図6】オゾン曝露処理の有用性を説明するために複合
材1を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の他の形態の複合材の細分化方法
を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施のさらに他の形態の複合材の細分
化方法を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施のさらに他の形態の複合材の細分
化方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明に関連する劣化処理を用いた複合材の
特性改善方法を示すフローチャートである。
【図11】本発明に関連する劣化処理を用いた複合材の
他の特性改善方法を示すフローチャートである。
【図12】本発明に関連する劣化処理を用いた複合材の
さらに他の特性改善方法を示すフローチャートである。
【図13】本発明に関連する劣化処理を用いた複合材の
さらに他の特性改善方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 複合材 2 マトリックス樹脂 3 強化材 4 繊維 5 クラック 6 複合材の表面
フロントページの続き (72)発明者 川上 佳史 兵庫県尼崎市扶桑町1番10号 住友精密 工業株式会社内 (72)発明者 小林 秀光 兵庫県尼崎市扶桑町1番10号 住友精密 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−126581(JP,A) 特開 平5−345322(JP,A) 特開 昭50−116572(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29B 17/00 - 17/02 B02C 19/18 B09B 3/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス樹脂と強化材とが複合され
    る複合材に、マトリックス樹脂を劣化させる劣化処理を
    して、クラックを発生させ、 クラックが形成された複合材を、破砕および粉砕処理す
    る複合材の細分化方法であって、 前記劣化処理は、オゾンを含む雰囲気中に複合材を放置
    するオゾン曝露処理であることを特徴とする複合材の細
    分化方法。
  2. 【請求項2】 マトリックス樹脂と強化材とが複合され
    る複合材に、マトリックス樹脂を劣化させる劣化処理を
    して、クラックを発生させ、 クラックが形成された複合材を、破砕および粉砕処理す
    る複合材の細分化方法であって、 前記劣化処理は、オゾンを含む雰囲気中に複合材を放置
    するとともに、複合材に紫外線を照射するオゾンおよび
    紫外線曝露処理であることを特徴とする複合材の細分化
    方法。
  3. 【請求項3】 劣化処理した複合材に吸湿させる吸湿処
    理をし、破砕および粉砕処理することを特徴とする請求
    項1または2記載の複合材の細分化方法。
  4. 【請求項4】 吸湿処理した複合材に氷点以下の温度に
    冷却する凍結処理をし、破砕および粉砕処理することを
    特徴とする請求項3記載の複合材の細分化方法。
  5. 【請求項5】 マトリックス樹脂と強化材とが複合され
    る複合材に、マトリックス樹脂を劣化させる劣化処理を
    して、クラックを発生させ、 クラックが形成された複合材を、破砕および粉砕処理す
    る複合材の細分化方法であって、 劣化処理した複合材に吸湿させる吸湿処理をし、破砕お
    よび粉砕処理することを特徴とする複合材の細分化方
    法。
  6. 【請求項6】 吸湿処理した複合材に氷点以下の温度に
    冷却する凍結処理をし、破砕および粉砕処理することを
    特徴とする請求項5記載の複合材の細分化方法。
  7. 【請求項7】 前記劣化処理は、マトリックス樹脂が変
    質しない温度範囲内で複合材の加熱および冷却を繰り返
    す熱サイクル処理であることを特徴とする請求項5また
    は6記載の複合材の細分化方法。
  8. 【請求項8】 前記劣化処理は、マトリックス樹脂が変
    質しない温度範囲内で複合材を加熱した後に急冷する急
    冷処理であることを特徴とする急冷処理であることを特
    徴とする請求項5または6記載の複合材の細分化方法。
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