JP4369674B2 - 姿勢制御装置、光デバイス、姿勢制御方法、および光デバイスの駆動方法 - Google Patents

姿勢制御装置、光デバイス、姿勢制御方法、および光デバイスの駆動方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、姿勢制御装置およびそれを有する光デバイスと、姿勢制御方法およびそれを用いた光デバイスの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光通信分野などにおいて様々な光学デバイスが使用されており、例えば、光ファイバ伝送路の光路の切り換えを行う光スイッチや、光路の遮断を行う光減衰器や、光路の波長を制御する光波長選択装置などがある。光デバイスの一例である光スイッチでは、光路の切り換え等を行うために、光ファイバ自体を機械的に動かす構成や、光路中に配設されたレンズを機械的に動かす構成や、光路中に配設されたミラーを機械的に動かしてその反射角を変える構成などが採用されている。
【0003】
米国特許第5774604号公報に開示されている光スイッチは、ミラーを機械的に動かす構成として、可動ミラー(マイクロメカニカル構造)と固定ミラーとを有している。具体的には、可動ミラーが光路から外れた姿勢をとる場合には、1つの入力側光ファイバからの光を、光路を変更せずそのまま出力側光ファイバに伝達し、可動ミラーが光路中に位置する姿勢をとる場合には、入力側光ファイバからの光を可動ミラーおよび固定ミラーで反射させて、異なる出力側光ファイバに伝達させる構成である。この可動ミラーは、表面がミラー状になっている平面部(被制御物)が支持梁により揺動可能に支持されており、平面部が静電力で電極に引き寄せられることによって姿勢を変えることができる。
【0004】
前記したのと同様な構成を有する小型のミラーをアレイ状、千鳥状、または格子状等に配列して、これら複数のミラーの角度を、静電アクチュエータを用いて個々に制御する構成が実現されている。例えば、米国特許第5061049号公報には、表面がミラー状になっている平面部が支持梁により揺動可能に支持されており、平面部が静電力で電極に引き寄せられることによって姿勢を変えることができるミラーが、一平面上に多数設けられている光モジュレーターが開示されている。また、特開平6−91923号公報にも、表面がミラー状になっている平面部が支持梁により揺動可能に支持されており、平面部が静電力で電極に引き寄せられることによって姿勢を変えることができるミラーが、一平面上に多数設けられている構成が開示されている。これらは、電子写真装置の構成部品として示されているが、同様なミラーを、光ファイバ間の光の伝達を行う光スイッチ等に応用することも可能である。
【0005】
このような平面部および支持梁は、従来の半導体製造などに多用されている、いわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術、すなわち、シリコン基板に対して露光およびエッチングなどを施すフォトリソグラフィ法で加工を行う技術を利用して製造することが考えられ、その場合、高精度かつ微細な加工を行える。
【0006】
なお、前記した従来の構成では、支持梁により揺動可能に支持されている平面部がミラー状になっているが、ミラー状ではなく光フィルタにして、透過光波長が可変の光波長選択手段を構成することや、ミラー状ではなく光遮蔽板にして、可変の光減衰器にすることなども考えられる。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第5774604号明細書(図1a〜図2b)
【0008】
【特許文献2】
米国特許第5061049号明細書(図1a〜4、図31〜32c)
【0009】
【特許文献3】
特開平6−91923号公報(図6)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の構成では、支持梁に支持された平面部(被制御物)を、静電気の吸引・反発力によって変位させる構成であるため、無通電時の自己保持性がない。すなわち、平面部をある変位姿勢に維持するためには、静電アクチュエータに電力を供給し続けて静電力を発生し続けなければならない。従って、消費電力が非常に大きいという欠点がある。そして、突然の停電等により電力が停止した場合、アクチュエータを現在の位置に保持できず、光スイッチ等に応用したときには光信号の切り換え等の機能が果たせないという問題がある。
【0011】
また、静電力の特性上、環境温度や環境湿度の影響を受け易く、駆動力が変動してしまう可能性がある。従って、平面部の姿勢を精密に制御するためには、環境温度や環境湿度を検出して静電アクチュエータの作動にフィードバックする制御機構を必要とする。
【0012】
さらに、特許文献2に一例が示されているように、静電アクチュエータの駆動電圧がある程度大きくなると、平面部の揺動角度が非常に急激に増大するため、角度の微調整は困難である(図17参照)。静電アクチュエータの駆動電圧の増加に伴う平面部の揺動角度の増大がそれほど急激でない範囲のみで駆動を行おうとすると、揺動可能な角度範囲がごく狭い範囲に限られてしまい、この姿勢制御装置の用途が非常に限定されてしまう。結局、前記した環境湿度等の問題と、静電アクチュエータの駆動電圧と平面部の揺動角度との関係から、平面部の揺動角度の高分解能駆動は非常に困難である。
【0013】
そこで本発明の目的は、様々な光デバイス等に使用可能であり、自己保持性を有しており消費電力が低減でき、環境温度や環境湿度の影響をあまり受けず、高分解能駆動が可能な、被制御物の姿勢制御装置およびそれを有する光デバイスと、姿勢制御方法およびそれを用いた光デバイスの駆動方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の姿勢制御装置は、着磁された被制御物と、被制御物を、少なくとも1本の揺動軸を中心として所定の範囲で揺動可能に弾性支持する支持梁と、被制御物に近接して配置されている、着磁された磁性体と、磁性体を被制御物に対して相対的に移動させ得る駆動手段とを有することを特徴とする。
【0015】
そして、被制御物は、1本の揺動軸を中心として揺動可能であり、駆動手段および前記磁性体の作用によって揺動角度が制御される構成であってもよい。
【0016】
また、被制御物は、互いに直交する2本の揺動軸を中心としてそれぞれ揺動可能であり、駆動手段および磁性体は複数組設けられており、被制御物は、複数組の駆動手段および磁性体の作用によって各揺動軸を中心とした揺動角度がそれぞれ独立して制御される構成であってもよい。その場合、支持梁が固定されている、少なくとも部分的に着磁されたフレームを有し、被制御物は、フレームに対して相対的に、支持梁を通る揺動軸を中心として揺動可能であり、フレームは、他の支持梁によって、他の支持梁を通る揺動軸を中心として所定の範囲で揺動可能に弾性支持されており、複数組の駆動手段および磁性体は、被制御物に対して磁力を及ぼす組と、フレームに対して磁力を及ぼす組とを含んでいてもよい。さらに、フレームは、フレーム本体と、フレーム本体の少なくとも一部に固着されている着磁物とからなるものであってもよい。
【0017】
駆動手段は自己保持性を有していることが好ましい。例えば、駆動手段は、超音波モータ、ステップモータ、減速機付き直流モータのうちのいずれかであってもよい。
【0018】
被制御物は、被制御物本体が着磁されたものであってもよく、また、被制御物本体に着磁物が固着されたものであってもよい。
【0019】
支持梁と被制御物本体は一体的に形成されていることが好ましい。
【0020】
本発明の光デバイスは、前記したいずれかの構成の姿勢制御装置を有し、被制御物本体は光学素子である。光学素子はミラーであり光スイッチとして機能してもよい。光学素子は光フィルタであり光波長選択装置として機能してもよい。被制御物本体は光遮蔽板であり光減衰器として機能してもよい。
【0021】
本発明の姿勢制御方法は、着磁された被制御物を、弾性を有する支持梁によって、少なくとも1本の揺動軸を中心として所定の範囲で揺動可能に支持する工程と、被制御物に近接して配置されている、着磁された磁性体を、被制御物に対して相対的に移動させて、磁性体が被制御物に及ぼす磁力を変化させることによって、被制御物を揺動軸を中心として揺動させる工程とを含むことを特徴とする。
【0022】
被制御物を1本の前記揺動軸を中心として揺動可能に支持し、磁性体が被制御物に及ぼす磁力を変化させることによって揺動角度を制御してもよい。
【0023】
また、被制御物を、互いに直交する2本の揺動軸を中心としてそれぞれ揺動可能に支持し、磁性体を複数設け、複数の磁性体が被制御物に及ぼす磁力をそれぞれ変化させることによって、各揺動軸を中心とした揺動角度をそれぞれ独立して制御してもよい。その場合、支持梁を、少なくとも部分的に着磁されたフレームに固定して、被制御物を、フレームに対して相対的に、支持梁を通る揺動軸を中心として揺動可能に支持し、フレームを、弾性を有する他の支持梁によって、他の支持梁を通る揺動軸を中心として所定の範囲で揺動可能に支持し、磁性体のうちの少なくとも1つが、被制御物に対して及ぼす磁力を変化させることによって、被制御物の、フレームに対して相対的な、支持梁を通る揺動軸を中心とした揺動角度を制御し、他の磁性体のうちの少なくとも1つが、フレームに対して及ぼす磁力を変化させることによって、フレームの、他の支持梁を通る揺動軸を中心とした揺動角度を制御してもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0025】
[第1の実施形態]
図1に本発明の姿勢制御装置の第1の実施形態が示されている。まず、その基本構成について説明する。被制御物である平面部1が1対の支持梁2によって弾性支持されており、平面部1は支持梁2を中心(揺動軸)として揺動可能である。そして、永久磁石(磁性体)3が、平面部1に近接して対向するように配置されており、この永久磁石3は、自己保持性を有する駆動手段である超音波モータ4の駆動軸5に接続されている。本実施形態では、シリコンからなる基板6にパターン露光およびエッチング等を施すいわゆるMEMS技術によって、平面部1および支持梁2が一体的に形成されている。平面部1は、シリコンからなる本体部分(被制御物本体)1aと、その永久磁石3と反対側の面に形成されている金属蒸着膜からなるミラー層1bと、永久磁石3側の面に固着されている着磁物1cとからなる。着磁物1cは、図1に示すように面に垂直な方向に着磁され、例えば永久磁石3側がN極、本体部分1a側がS極になっている。これに対し、永久磁石3は、面内で着磁されており、超音波モータ4の駆動によって垂直面内で回転可能である。なお、図面中では、異なる磁極の境界を2点鎖線によって示している。
【0026】
この姿勢制御装置の動作について、図2(a)〜(d)の模式図を参照して説明する。まず、図1,2(a)に示すように、異なる磁極が永久磁石3の左右に位置する場合には、永久磁石3が着磁物1cに及ぼす磁力によって、着磁物1cには垂直線を中心として回転しようとする力が働くが、支持梁2によってその回転は阻止されるため、平面部1は動かない。すなわち、中立位置にある。
【0027】
次に、超音波モータ4を駆動して永久磁石3を90度回転させて、図2(b)に示すように、異なる磁極を永久磁石3の上下に位置させると、永久磁石3が着磁物1cに及ぼす磁力によって、着磁物1cには、水平線、すなわち支持梁2を中心(揺動軸)として回転しようとする力が働き、平面部1は揺動する。すなわち、図示する例では、永久磁石3の、着磁物1cの永久磁石3側の磁極(図示の例ではN極)と異なる磁極の部分(図示の例ではS極である上側部分)が吸引力を及ぼし、その反対側(図示の例ではN極である下側部分)が反発力を及ぼすため、平面部1は支持梁2(揺動軸)を中心として揺動する。
【0028】
なお、平面部1は支持梁2に弾性支持され、無制限に回転できるわけではないので、ある程度揺動した状態で停止する。このときの揺動角度は、永久磁石3が着磁物1cに及ぼす磁力の大きさや、永久磁石3と着磁物1cとの間隔や、支持梁2の剛性など様々な要素に基づいて決まる。従って、この姿勢制御装置の用途(例えば後述する光デバイスなど)に応じて様々な要素を適切に設計することによって、所望の揺動角度に平面部1を保持することができる。
【0029】
これに対し、図2(a)に示す状態から、超音波モータ4を駆動して永久磁石3を図2(b)と反対方向に90度回転させて、永久磁石3の磁極を上下反対に位置させると、図2(c)に示すように、永久磁石3が着磁物1cに及ぼす磁力によって、着磁物1cには、水平線、すなわち支持梁2を中心(揺動軸)として回転しようとする力が働き、平面部1は図2(b)と反対向きに揺動する。このときの揺動角度は、通常、図2(b)における揺動角度と同じ大きさになる。
【0030】
超音波モータ4をさらに駆動して永久磁石3を図2(a)に示す状態から180度回転させると、図2(d)に示すように、永久磁石3の磁極は図2(a)と左右反対になる。この場合にも、図2(a)に示す状態と同様に、永久磁石3が着磁物1cに及ぼす磁力によって、着磁物1cには垂直線を中心として回転しようとする力が働くが、支持梁2によってその回転は阻止されて平面部1は動かず、中立位置にある。
【0031】
永久磁石3を0度と90度の間の角度だけ回転するように超音波モータ4を駆動すると、平面部1は、図2(b)または図2(c)に示す揺動角度よりも小さい角度だけ揺動する。超音波モータ4の駆動による永久磁石3の回転角度と、それに対応する平面部1の揺動角度との関係の一例が、図3に示されている。図3に示すデータは、図中に記す条件下における実験結果である。なお、永久磁石3を90度と180度の間の角度だけ回転させる場合も同様である。このように、平面部1の揺動の向きは、永久磁石3の回転方向によって制御でき、平面部1の揺動角度は、永久磁石3の回転角度、ひいては超音波モータ4の作動量によって細かく制御できる。特に、図3を図17と比較すると明らかなように、本発明によると、平面部1の角度を非常に微細に制御できるため、従来困難であった高分解能駆動が容易に達成できる。
【0032】
また、本発明において平面部1を揺動させる駆動力は、永久磁石3から及ぼされる磁力であり、永久磁石3が一定の角度に保持される限り、その磁力は変動しない。永久磁石3の回転角度を制御する超音波モータ4は、電力供給を停止している間、常に同じ状態を維持し続ける、いわゆる自己保持性を有する駆動手段である。従って、本発明の場合、超音波モータ4を一旦駆動して永久磁石3を回転させてそれが及ぼす磁力によって平面部1を所望の角度だけ揺動したら、そこで超音波モータ4の駆動を停止すれば、電力を供給することなくその姿勢を維持し続ける。そのため、電力供給は平面部1を所望の角度まで揺動させる間のごく僅かな時間だけでよく、消費電力が非常に小さくて済む。さらに、磁力によって平面部1を揺動させているため、従来のように静電力を利用する場合に比べて、環境温度や環境湿度の影響を受けにくく、フィードバック制御機構は必要とせず、精度よく平面部1の姿勢が制御できる。この点では、超音波モータ4に代えて、ステップモータや減速機付き直流モータなど、自己保持性を有する他の形式のモータを用いても、同様の効果が得られる。
【0033】
ただし、本実施形態の場合、図2(a)および図2(d)に示す中立位置をとることができるので、この中立位置を利用する構成にすることによって、超音波モータ4などの自己保持性を有するモータを用いなくても、構造自体の自己保持性によって消費電力の低減を図ることも可能である。
【0034】
なお、表1には、本実施形態における支持梁2の寸法と、その支持梁が破損を生じる時点での平面部1の揺動角度の関係が示されている。この表1を参照することにより、必要とされる平面部1の揺動角度に対応可能な支持梁2の寸法を設計することができる。
【0035】
【表1】
Figure 0004369674
【0036】
本実施形態では、図3中に記載しているように、支持梁の幅を0.5mm、長さを1mmにしている。
【0037】
本実施形態の変形例では、図4に示すように、平面部1の半分の大きさの、面に直角な方向に磁化された2個の永久磁石7a,7bを貼り合わせて磁性体7を構成している。この構成でも、磁性体7の平面部1に近接する面においては、図1〜2に示す構成と同様な磁極配置となるため、全く同様な作動によって同様な作用効果を得ることができる。磁性体7の、平面部1と反対側の面における磁極は、本装置においては実質的に作用を及ぼさない。
【0038】
本実施形態の他の変形例では、図5に示すように、平面部1と支持梁2と基板6が、ステンレスなどの金属により一体的に形成されており、平面部1自体が直接着磁されている。従って、図1,2に示す着磁物1cを設ける必要はない。平面部1の鏡面度が不十分である場合には、図1,2に示す構成と同様にミラー層1bを設けてもよいが、平面部1が十分な鏡面度を有している場合にはミラー層1bは不要である。なお、本明細書中では、そのもの自体が直接着磁されている場合も、着磁物が固着されている場合も含めて、「着磁されている」と総称している。
【0039】
[第2の実施形態]
次に、本発明の姿勢制御装置の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態との相違点についてのみ説明し、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付与し説明を省略する。
【0040】
図6に示すように、本実施形態では、本体部分1aおよびミラー層1bとともに平面部(被制御物)11を構成する着磁物11aが、その面内で着磁されており、支持梁2(揺動軸)を挟んで上下に異なる磁極が位置している。そして、平面部11と同等の大きさの2つの永久磁石12a,12bを貼り合わせて磁性体12が構成されている。そして、2つの永久磁石12a,12bのうちの一方のみが平面部11と対向するように、平面部11と磁性体12の中心をずらした構成になっている。
【0041】
図6,7(a)に示すように一方の永久磁石12aが平面部11と対向した状態では、磁性体12の、永久磁石12aの平面部11側の磁極(図示の例ではS極)と異なる磁極の部分(図示の例ではN極である上側部分)が吸引され、その反対側(図示の例ではS極である下側部分)が反発されて、平面部11は支持梁2(揺動軸)を中心として揺動する。
【0042】
一方、図7(a)に示す状態から、超音波モータ4の駆動によって磁性体12が垂直面内で180度回転し、図7(c)に示すように他方の永久磁石12bが平面部11と対向した状態では、着磁物11aの、永久磁石12bの平面部11側の磁極(図示の例ではN極)と異なる磁極の部分(図示の例ではS極である下側部分)が吸引され、その反対側(図示の例ではN極である上側部分)が反発されて、平面部11は支持梁2(揺動軸)を中心として図7(a)とは反対側に揺動する。
【0043】
図7(a)に示す状態から、超音波モータ4の駆動によって磁性体12を90度回転させると、図7(b)に示す状態では、磁性体12が縦長に位置し、永久磁石12aが上に永久磁石12bが下に位置する。平面部11は上側部分も下側部分も永久磁石12a,12bに吸引されて揺動できず、中立状態になる。また、図7(d)に示す状態では、磁性体12が縦長に位置し、永久磁石12bが上に永久磁石12aが下に位置しているため、平面部11は上側部分も下側部分も永久磁石12a,12bに反発されて揺動できず、中立状態になる。ただし、磁性体12と平面部11の相対位置を上下方向にずらすことによって、平面部が僅かな揺動角度だけ揺動する構成にすることもできる。
【0044】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0045】
なお、本実施形態において、図示しないが単一の永久磁石で磁性体12を構成するようにしてもよく、その場合、平面部11に近接する面内で着磁されていればよい。また、本実施形態において、図示しないが、平面部11と支持梁2と基板6が、ステンレスなどの金属により一体的に形成され、平面部11自体が直接着磁されていてもよい。
【0046】
[第3の実施形態]
次に、本発明の姿勢制御装置の第3の実施形態について説明する。第1,2の実施形態との相違点についてのみ説明し、第1,2の実施形態と同様の構成については同一の符号を付与し説明を省略する。
【0047】
図8に示すように、本実施形態では、第2の実施形態と同様な平面部11と磁性体12を有している。しかし本実施形態では、第1,2の実施形態とは異なり超音波モータ13が、駆動軸8に接続された磁性体12を水平面内で回転させるように設置されている。
【0048】
この構成において、図8,9(a)に示すように平面部11と磁性体12の中心が一致した状態では、平面部11の右側部分と左側部分にそれぞれ反対向きに回転しようとする力が働き、互いに打ち消し合うため、平面部11は揺動しない中立位置にある。
【0049】
図9(a)に示す状態から、超音波モータ13の駆動によって磁性体12を水平面内で回転させ、図9(b)に示すように永久磁石12aが平面部11と対向する位置に来ると、着磁物11aの、永久磁石12aの平面部11側の磁極(図示の例ではS極)と異なる磁極の部分(図示の例ではN極である上側部分)が吸引され、その反対側(図示の例ではS極である下側部分)が反発されて、平面部11は支持梁2(揺動軸)を中心として揺動する。
【0050】
これに対し、図9(a)に示す状態から、超音波モータ13の駆動によって図9(b)と反対向きに磁性体12を回転させ、図9(c)に示すように永久磁石12bが平面部11と対向する位置に来ると、着磁物11aの、永久磁石12bの平面部11側の磁極(図示の例ではN極)と異なる磁極の部分(図示の例ではS極である下側部分)が吸引され、その反対側(図示の例ではN極である上側部分)が反発されて、平面部11は支持梁2(揺動軸)を中心として図9(b)と反対向きに揺動する。
【0051】
ただし、超音波モータ13による磁性体12の回転量が大きすぎると、磁性体12から着磁物11aに及ぼす磁力が小さくなり、次第に揺動量が小さくなり、ついには揺動不可能になってしまう。従って、磁性体12の回転角度、ひいては超音波モータ13の作動量を制御することによって、平面部11の揺動角度を微細に設定することができる。本実施形態でも、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0052】
なお、本実施形態において、図示しないが単一の永久磁石で磁性体12を構成するようにしてもよく、その場合、平面部11に近接する面内で着磁されていればよい。また、本実施形態において、図示しないが、平面部11と支持梁2と基板6が、ステンレスなどの金属により一体的に形成され、平面部11自体が直接着磁されていてもよい。
【0053】
[第4の実施形態]
次に、本発明の姿勢制御装置の第4の実施形態について説明する。第1〜3の実施形態との相違点についてのみ説明し、第1〜3の実施形態と同様の構成については同一の符号を付与し説明を省略する。
【0054】
図10に示すように、本実施形態では、第1の実施形態と同様な平面部1と、平面部1の半分の大きさの、面内で磁化された2個の永久磁石14a,14bを貼り合わせた構成の磁性体14と、磁性体14を水平面内で回転させる超音波モータ13とを有している。
【0055】
この構成において、図10,11(a)に示すように平面部1と磁性体14の中心が一致した状態では、平面部1の右側部分と左側部分にそれぞれ反対向きに回転しようとする力が働き、互いに打ち消し合うため、平面部1は揺動しない中立位置にある。
【0056】
図11(a)に示す状態から、超音波モータ13の駆動によって磁性体14を水平面内で回転させ、図11(b)に示すように永久磁石14aが平面部1と対向する位置に来ると、永久磁石14aの上側部分(図示する例ではN極)が着磁物1c(図示する例では磁性体14側の面がN極)に反発力を与え、下側部分(図示する例ではS極)が着磁物1cに吸引力を与えることにより、平面部1は支持梁2を中心(揺動軸)として揺動する。
【0057】
これに対し、図11(a)に示す状態から、超音波モータ13の駆動によって図11(b)と反対向きに磁性体14を回転させ、図11(c)に示すように永久磁石14bが平面部1と対向する位置に来ると、永久磁石14bの上側部分(図示する例ではS極)が着磁物1cに吸引力を与え、下側部分(図示する例ではN極)が着磁物1cに反発力を与えることにより、平面部1は支持梁2を中心(揺動軸)として図11(b)と反対向きに揺動する。
【0058】
ただし、超音波モータ13による磁性体12の回転量が大きすぎると、磁性体14から着磁物1cに及ぼす磁力が小さくなり、次第に揺動量が小さくなり、ついには揺動不可能になってしまう。従って、磁性体14の回転角度、ひいては超音波モータ13の作動量を制御することによって、平面部1の揺動角度を微細に設定することができる。本実施形態でも、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0059】
なお、図示しないが、平面部1と支持梁2と基板6が、ステンレスなどの金属により一体的に形成され、平面部1自体が直接着磁されていてもよい。
【0060】
第1,2の実施形態と第3,4の実施形態では、超音波モータによる回転駆動方向が異なるため、この姿勢制御装置の設置条件などに基づいていずれか好ましい実施形態を任意に選択すればよい。
【0061】
[第5の実施形態]
次に、本発明の姿勢制御装置の第5の実施形態について説明する。第1〜4の実施形態との相違点についてのみ説明し、第1〜4の実施形態と同様の構成については同一の符号を付与し説明を省略する。
【0062】
図12に示すように、本実施形態では、第2の実施形態と同様な平面部11と、面に直角な方向に着磁された永久磁石15と、この永久磁石(磁性体)15を平面部11に対して直線的に進退させる駆動軸9を含む直線駆動手段16とを有している。
【0063】
この構成において、図12,13(a)に示すように、永久磁石15が平面部11から十分離れているときには、永久磁石15が着磁物11aに及ぼす磁力が小さいため、平面部11は揺動しない中立位置にある。
【0064】
図13(a)に示す状態から、直線駆動手段16の駆動によって永久磁石15を平面部11に接近させると、図13(b)に示すように、永久磁石15(図示する例では平面部11側の面がS極)が着磁物11aの上側部分(図示する例ではN極)に吸引力を与え、下側部分(図示する例ではS極)に反発力を与えることにより、平面部11は支持梁2を中心(揺動軸)として揺動する。永久磁石15が平面部11に接近すれば接近するほど揺動角度は大きくなり、支持梁2が破損せずに弾性により許容される範囲で平面部11は揺動可能である。本実施形態によると、永久磁石15の接近量を変えることによって、平面部11の揺動角度を微細に制御することができる。
【0065】
本実施形態では、超音波モータよりも簡単な構成の直線駆動手段16を使用することができるが、平面部11の揺動の向きは一方向に限定される。また、図示しないが、直線駆動手段16に代えて、永久磁石15を垂直面内で移動させる駆動手段を用い、永久磁石15を垂直面内で(例えば上下方向または左右方向に)移動させて着磁物11aに近接させたり遠ざかったり構成にして、作用する磁力の大きさを変更して平面部11の揺動角度を制御することもできる。直線駆動手段16を含むこれらの駆動手段は、無通電時の自己保持性を有することが好ましい。
【0066】
なお、図示しないが、平面部11と支持梁2と基板6が、ステンレスなどの金属により一体的に形成され、平面部11自体が直接着磁されていてもよい。
【0067】
[第6の実施形態]
次に、本発明の姿勢制御装置の第6の実施形態について説明する。第1〜5の実施形態との相違点についてのみ説明し、第1〜5の実施形態と同様の構成については同一の符号を付与し説明を省略する。
【0068】
前記した第1〜5の実施形態では、平面部を2本の支持梁で弾性支持し、これらの支持梁を通る1本の軸(揺動軸)を中心として一方向(例えば上下方向)にのみ揺動可能な構成である。しかし、これと直交する方向(例えば左右方向)にも揺動可能にし、2本の揺動軸を中心としてそれぞれ独立して揺動する構成にすると、支持梁が破損せずに弾性により許容される範囲で平面部はあらゆる姿勢をとることができる。そこで本実施形態では、平面部が、2本の揺動軸を中心としてそれぞれ独立して揺動可能な構成にした。
【0069】
具体的には、図14に示すように、第1の実施形態と同様な平面部1が2本の支持梁2に揺動可能に弾性支持され、この支持梁2が矩形フレーム17に連結され、矩形フレーム17が支持梁2に垂直な2本の支持梁(他の支持梁)18によって揺動可能に弾性支持されている。すなわち、平面部1は支持梁2を中心(揺動軸)として揺動可能であり、矩形フレーム17は他の支持梁18を中心(揺動軸)として前記したのと直交する方向に揺動可能である。
【0070】
そして、矩形フレーム17の内側の空間には第1の実施形態と同様の構成が設けられている。すなわち、平面部1の着磁物1cは面に直角な方向に着磁されており、この平面部1に近接して、面内で着磁されている永久磁石3が配置され、永久磁石3は超音波モータ4の駆動軸5に、垂直面内で回転可能に接続されている。従って、平面部1は、矩形フレーム17に対して相対的に、第1の実施形態の説明において図2(a)〜2(d)を参照して詳述したのと同様に、支持梁2を中心として揺動する。
【0071】
さらに、矩形フレーム17は、フレーム本体17bの一部(図示する例では下辺部)に、着磁物17aが設けられている。そして、永久磁石19が、着磁物17aに近接して配置され、水平面内で回転可能に超音波モータ20の駆動軸10に接続されている。着磁物17aと永久磁石19は、ともに面内で着磁されている。
【0072】
超音波モータ4および永久磁石4によって着磁物1cに磁力を及ぼして、平面部1を支持梁2を中心として揺動させる原理については前述したので、ここでは、超音波モータ20および永久磁石19によって着磁物17aに磁力を及ぼして、矩形フレーム17を他の支持梁18を中心(揺動軸)として揺動させる原理について説明する。
【0073】
図14,15(a)に示すように、着磁物17aと永久磁石19の中心が一致した状態では、着磁物17aの右側部分と左側部分がいずれも永久磁石19に吸引され、それぞれ反対向きに回転しようとする力が働き、互いに打ち消し合うため、矩形フレーム17は揺動しない。
【0074】
図15(a)に示す状態から、超音波モータ20の駆動によって永久磁石19を水平面内で回転させ、図15(b)に示すように、永久磁石19のうちの一方の磁極(図示する例ではS極)が、着磁物17aの同磁極(図示する例ではS極)と対向する位置に来ると、着磁物17aに反発力が与えられ、矩形フレーム17は支持梁18を中心(揺動軸)として揺動する。
【0075】
これに対し、図15(a)に示す状態から、超音波モータ20の駆動によって図15(b)と反対向きに永久磁石19を回転させ、図15(c)に示すように永久磁石19の他方の磁極(図示する例ではN極)が、着磁物17aの同磁極(図示する例ではN極)と対向する位置に来ると、着磁物17aに反発力が与えられ、矩形フレーム17は支持梁18を中心(揺動軸)として図15(b)と反対向きに揺動する。
【0076】
超音波モータ20による永久磁石19の回転量が大きすぎると、永久磁石19から着磁物17aに及ぼす磁力が小さくなり、次第に揺動量が小さくなり、ついには揺動不可能になってしまう。従って、永久磁石19の回転角度、すなわち超音波モータ20の作動量を制御することによって、矩形フレーム17の揺動角度を微細に設定することができる。
【0077】
このように、図2(a)〜2(d)に示すのと同様な原理で平面部1を支持梁2を中心として揺動させるとともに、図15(a)〜15(c)に示す原理で、平面部1を保持している矩形フレーム17を揺動軸18を中心として揺動させることによって、平面部1は2本の揺動軸(支持梁2と支持梁18)を中心としてそれぞれ独立して揺動する。それによって、平面部1は、支持梁2と支持梁18が破損せず弾性によって許容される範囲で、あらゆる姿勢をとることができる。
【0078】
なお、永久磁石4および着磁物1cと、永久磁石19および着磁物17aのそれぞれの磁力が干渉し合う可能性があるので、それらの干渉を無視できる程度に小さくするように、永久磁石4,19間の間隔や各部の寸法および磁性の強さなどを調整しておくことが好ましい。また、実際には、図15に示されているのとは異なり、平面部1が揺動するのと同時に矩形フレーム17を揺動させるため、物理的な力が複雑に作用するので、それらを考慮に入れて各部の設計および超音波モータ4,19の駆動を行うことが好ましい。
【0079】
本実施形態でも、平面部1の揺動角度を非常に微細に制御でき、高分解能駆動が容易に達成できる。そして、超音波モータ4,20はいずれも自己保持性を有する駆動手段であるため、常時通電する必要がなく、消費電力が低く抑えられる。
【0080】
前記した構成では、面内で着磁したそれぞれ単一の永久磁石4,19を用いているが、面に直角な方向に着磁した2つの永久磁石を貼り合わせる構成としてもよい。その場合、着磁物1c,17aに対向する面における磁極が、図14,15に示す配置となればよい。その反対側の面における磁極は、実質的に作用を及ぼさない。また、図示しないが、平面部1と支持梁2と矩形フレーム17と支持梁18と基板6が、ステンレスなどの金属により一体的に形成されており、平面部1や矩形フレーム17自体が直接着磁されていてもよい。
【0081】
本発明の姿勢制御装置は、着磁された被制御物(平面部)に近接する磁性体(永久磁石)を移動させることによって、被制御物に及ぼす磁気的吸引力または磁気的反発力を変化させて、被制御物の姿勢を変化させるものであり、このような構成であれば、前記した実施形態に限られず、様々な変更が可能である。例えば、被制御物や支持梁の形態や数、磁性体や着磁物の着磁方向および各磁極の位置、駆動手段の種類や方式などについて、設計者が任意に選択することができる。
【0082】
[光デバイス]
以上説明した本発明の第1〜6の実施形態などの姿勢制御装置を用いた光デバイスの例について説明する。図16には、このような光デバイスの一例である光スイッチを示している。この光スイッチは、平行に並べて配置されている、コリメータレンズ23が付属した入力側光ファイバ22a,22bと出力側光ファイバ22c,22dと、光ファイバ22a〜22dの前方に配置された可動ミラー手段24と、固定ミラー21とからなる。可動ミラー手段24には、各光ファイバ22a〜22dにそれぞれ対応する位置に、本発明の姿勢制御装置がそれぞれ組み込まれており各々が独立して動く複数の可動ミラー24a〜24dが構成されている。
【0083】
入力側光ファイバ22aからコリメータレンズ23を介して出射された光は、対応する可動ミラー24aに反射され、さらに固定ミラー21で反射された後、可動ミラー24cまたは24dに入射して、さらに反射されて、コリメータレンズ23を介して出力側光ファイバ22cまたは22dに入射する。入力側光ファイバ22aから出射された光が、可動ミラー24aおよび固定ミラー21を介して、破線で図示するように可動ミラー24cに入射するか実線で図示するように可動ミラー24dに入射するかは、本発明の姿勢制御装置を組み込んだ可動ミラー24aの反射角、すなわち可動ミラー24aの姿勢によって決まる。さらに、可動ミラー24cまたは24dにより反射された光の、出力側光ファイバ22cまたは22dへの入射効率は、本発明の姿勢制御装置を組み込んだ可動ミラー24cまたは24dの姿勢に依存する。なお、入力側光ファイバ22bから出射された光に関しても、前記したのと実質的に同様である。
【0084】
本発明の姿勢制御装置を組み込むことによって、可動ミラー24a〜24dの姿勢を微細に調整できるため、この光スイッチは、非常に精密に作動する。図16では、簡略化のためにわずか4本の光ファイバ22a〜22dを有する2×2の構成の光スイッチを示しているが、もっと多数の光ファイバがマトリックス状に配列されている光スイッチの場合には、本発明の姿勢制御装置を組み込んだ可動ミラーを採用することが非常に効果的である。言い換えると、本発明の姿勢制御装置を組み込んだ可動ミラーを採用することによって、従来よりも多数の光ファイバをより高密度に配置した光スイッチを構成することが可能になる。また、姿勢制御装置が自己保持性を持つことにより、消費電力を低く抑えられる。
【0085】
ここでは、可動ミラー24a〜24dを有する光スイッチの例について説明したが、本発明の姿勢制御装置を組み込むことによって、高性能かつ低消費電力の様々な光デバイスを構成することができる。例えば、図示しないが、直線的に並ぶ入力側光ファイバと出力側光ファイバの間に、本発明の姿勢制御装置を組み込んだ光フィルタを配設することによって、微調整可能な可変の光波長選択装置を構成することや、直線的に並ぶ入力側光ファイバと出力側光ファイバの間に、本発明の姿勢制御装置を組み込んだ光遮蔽板を配設することによって、微調整可能な可変の光減衰器を構成することができる。その他にも、光デバイスに限られず、本発明の姿勢制御装置を組み込むことにより、様々な用途において高性能化や低消費電力化を図ることができる。
【0086】
【発明の効果】
本発明によると、被制御物の揺動角度を非常に微細に制御できるため、高分解能駆動が容易に達成できる。また、無通電時の自己保持性を有する構成にすることによって、駆動手段に常時電力を供給し続ける必要がないため、消費電力を低く抑えることができる。さらに、静電力を利用する場合に比べて、環境温度や環境湿度の影響を受けにくいため、フィードバック制御機構は必要とせず、精度よく姿勢制御できる。従って、安価で高性能の光デバイスを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態の姿勢制御装置の斜視図、(b)はその平面図である。
【図2】(a)〜(d)は図1に示す姿勢制御装置の動作を説明するための斜視図である。
【図3】図1に示す姿勢制御装置における永久磁石の回転角度と平面部の揺動角度との関係を示すグラフである。
【図4】(a)は図1に示す姿勢制御装置の変形例の斜視図、(b)はその平面図である。
【図5】(a)は図1に示す姿勢制御装置の他の変形例の斜視図、(b)はその平面図である。
【図6】(a)は本発明の第2の実施形態の姿勢制御装置の斜視図、(b)はその平面図である。
【図7】(a)〜(d)は図6に示す姿勢制御装置の動作を説明するための斜視図である。
【図8】(a)は本発明の第3の実施形態の姿勢制御装置の斜視図、(b)はその平面図である。
【図9】(a)〜(c)は図8に示す姿勢制御装置の動作を説明するための斜視図である。
【図10】(a)は本発明の第4の実施形態の姿勢制御装置の斜視図、(b)はその平面図である。
【図11】(a)〜(c)は図10に示す姿勢制御装置の動作を説明するための斜視図である。
【図12】(a)は本発明の第5の実施形態の姿勢制御装置の斜視図、(b)はその平面図である。
【図13】(a)〜(b)は図12に示す姿勢制御装置の動作を説明するための斜視図である。
【図14】本発明の第6の実施形態の姿勢制御装置の斜視図である。
【図15】(a)〜(c)は図14に示す姿勢制御装置の動作を説明するための斜視図である。
【図16】本発明の姿勢制御装置を組み込んだ光スイッチの模式図である。
【図17】従来の姿勢制御装置における駆動電圧と平面部の揺動角度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 平面部
1a 本体部分
1b ミラー層
1c 着磁物
2 支持梁
3 永久磁石
4 超音波モータ
5 駆動軸
6 基板
7 磁性体
7a,7b 永久磁石
8,9,10 駆動軸
11 平面部
11a 着磁物
12 磁性体
12a,12b 永久磁石
13 超音波モータ
14 磁性体
14a,14b 永久磁石
15 永久磁石
16 直線駆動手段
17 矩形フレーム
17a 着磁物
17b フレーム本体
18 他の支持梁
19 永久磁石
20 超音波モータ
21 固定ミラー
22a,22b 入力側光ファイバ
22c,22d 出力側光ファイバ
23 コリメータレンズ
24a〜24d 可動ミラー

Claims (24)

  1. 予め特定方向に着磁された被制御物と、
    前記被制御物を、少なくとも1本の揺動軸を中心として所定の範囲で揺動可能に弾性支持する前記揺動軸上に延出して設けられた支持梁と、
    揺動軸線方向と直交する軸方向であって、前記揺動軸と重なるように前記被制御物に近接して配置され、前記揺動軸線方向と直交する軸と直交する面内の方向に着磁された磁性体と、
    前記磁性体を前記面内で前記被制御物に対して相対的に移動させ得る駆動手段とを有する姿勢制御装置。
  2. 前記被制御物は、1本の前記揺動軸を中心として揺動可能であり、前記駆動手段および前記磁性体の作用によって揺動角度が制御される、請求項1に記載の姿勢制御装置。
  3. 前記被制御物は、互いに直交する2本の前記揺動軸を中心としてそれぞれ揺動可能であり、
    前記駆動手段および前記磁性体は複数組設けられており、
    前記被制御物は、複数組の前記駆動手段および前記磁性体の作用によって前記各揺動軸を中心とした揺動角度がそれぞれ独立して制御される、請求項1に記載の姿勢制御装置。
  4. 前記被制御物が弾性支持された第一の支持梁が固定されている、少なくとも部分的に着磁されたフレームを有し、
    前記被制御物は、前記フレームに対して相対的に、前記第一の支持梁を通る第一の揺動軸を中心として揺動可能であり、
    前記フレームは、第二の支持梁によって、前記第二の支持梁を通る前記第一の揺動軸と直交する第二の揺動軸を中心として所定の範囲で揺動可能に弾性支持されており、
    複数組の前記駆動手段および前記磁性体は、前記被制御物に対して磁力を及ぼす組と、前記フレームに対して磁力を及ぼす組とを含む、請求項3に記載の姿勢制御装置。
  5. 前記フレームは、フレーム本体と、前記フレーム本体の少なくとも一部に固着されている着磁物とからなる請求項4に記載の姿勢制御装置。
  6. 前記駆動手段は自己保持性を有している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の姿勢制御装置。
  7. 前記駆動手段は、超音波モータ、ステップモータ、減速機付き直流モータのうちのいずれかである、請求項6に記載の姿勢制御装置。
  8. 前記被制御物は、被制御物本体が着磁されたものである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の姿勢制御装置。
  9. 前記被制御物は、被制御物本体に着磁物が固着されたものである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の姿勢制御装置。
  10. 前記支持梁と前記被制御物本体は一体的に形成されている、請求項8または9に記載の姿勢制御装置。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の姿勢制御装置を有し、前記被制御物本体は光学素子である光デバイス。
  12. 前記光学素子はミラーであり光スイッチとして機能する請求項11に記載の光デバイス。
  13. 前記光学素子は光フィルタであり光波長選択装置として機能する請求項11に記載の光デバイス。
  14. 前記被制御物本体は光遮蔽板であり光減衰器として機能する請求項11に記載の光デバイス。
  15. 予め特定方向に着磁された被制御物を、少なくとも1本の揺動軸を中心として所定の範囲で揺動可能に前記揺動軸上に延出して設けられた弾性を有する支持梁によって支持する工程と、
    揺動軸線方向と直交する軸方向であって、前記揺動軸と重なるように前記被制御物に近接して配置されており、前記揺動軸線方向と直交する軸と直交する面内の方向に着磁された磁性体を、前記面内で前記被制御物に対して相対的に移動させて、前記磁性体が前記被制御物に及ぼす磁力を変化させることによって、前記被制御物を前記揺動軸を中心として揺動させる工程とを含む姿勢制御方法。
  16. 前記被制御物を1本の前記揺動軸を中心として揺動可能に支持し、前記磁性体が前記被制御物に及ぼす磁力を変化させることによって揺動角度を制御する、請求項15に記載の姿勢制御方法。
  17. 前記被制御物を、互いに直交する2本の前記揺動軸を中心としてそれぞれ揺動可能に支持し、
    前記磁性体を複数設け、
    複数の前記磁性体が前記被制御物に及ぼす磁力をそれぞれ変化させることによって、前記各揺動軸を中心とした揺動角度をそれぞれ独立して制御する、請求項15に記載の姿勢制御方法。
  18. 前記被制御物が弾性支持された第一の支持梁を、少なくとも部分的に着磁されたフレームに固定して、前記被制御物を、前記フレームに対して相対的に、前記第一の支持梁を通る第一の揺動軸を中心として揺動可能に支持し、
    前記フレームを、弾性を有する第二の支持梁によって、前記第二の支持梁を通る前記第一の揺動軸と直交する第二の揺動軸を中心として所定の範囲で揺動可能に支持し、
    前記磁性体のうちの少なくとも1つが、前記被制御物に対して及ぼす磁力を変化させることによって、前記被制御物の、前記フレームに対して相対的な、前記支持梁を通る揺動軸を中心とした揺動角度を制御し、
    他の前記磁性体のうちの少なくとも1つが、前記フレームに対して及ぼす磁力を変化させることによって、前記フレームの、前記第二の揺動軸を中心とした揺動角度を制御する、請求項17に記載の姿勢制御方法。
  19. 前記磁性体を、自己保持性を有する駆動手段によって、前記被制御物に対して相対的に移動させる、請求項15〜18のいずれか1項に記載の姿勢制御方法。
  20. 前記駆動手段は、超音波モータ、ステップモータ、減速機付き直流モータのうちのいずれかである、請求項19に記載の姿勢制御方法。
  21. 前記被制御物本体は光学素子であり、請求項15〜20のいずれか1項に記載の姿勢制御方法によって前記光学素子の姿勢を制御する、光デバイスの駆動方法。
  22. 前記光学素子はミラーであり、光スイッチとして機能させる請求項21に記載の光デバイスの駆動方法。
  23. 前記光学素子は光フィルタであり、光波長選択装置として機能させる請求項21に記載の光デバイスの駆動方法。
  24. 前記被制御物本体は光遮蔽板であり、光減衰器として機能させる請求項21に記載の光デバイスの駆動方法。
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