JP4369411B2 - 耐火木質材あるいは耐火性の建築材とその製造方法、及び耐火処理剤 - Google Patents

耐火木質材あるいは耐火性の建築材とその製造方法、及び耐火処理剤 Download PDF

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Description

本発明は、従来、耐火性の問題によって木質材の利用が制限されていた建築物において利用可能な、耐火性を有する木質材または建築材の製造方法に関するものである。また、本発明は、高い耐火性能を有する木質材または建築材に関するものである。また、本発明は、高い耐火性能を付与するための耐火処理剤に関するものである。
木質材は建築材料として極めて有用な性能を保持しているが、容易に燃焼するという弱点を有するため、高層建築物(例えば高層ビルディング)や、不特定多数の人が利用する建築物における使用が制限されていた。
こうした木質材の建築材としての欠点を克服する目的で、従来、木質材の難燃化のための研究開発が多く実施されている。即ち、難燃性の無機系被覆材の木質材表面への処理、金属系の建築材との複合、あるいは特殊な化学物質の木質材への含浸等の試行である。しかし、加工の複雑さや困難さ、価格面での問題、長期利用における品質劣化等が解決されていないため、広く実用化されるには至っていない。
例えば、ホウ酸、ホウ砂等のホウ素系化合物は比較的安価で取り扱いが容易であるため、木質材の耐火性を高めるため、従来より使用されている。しかしながら、十分な耐火性能を得るためには多量のホウ素を安定な水溶液として調製し、これを木質材に十分量含浸させることが必要であるが、このために必要な高濃度のホウ素含有水溶液を得ることが難しく、成分の析出、凝集を生じるという問題があった。こうした成分の析出、凝集は、木質材への溶液の含浸量あるいは注入量の低下を招くと共に、水溶液中のホウ素濃度そのものの低下も招く。その結果、十分な耐火性能を得ることができなかった。これを解決するため、ホウ素含水溶液を木質材に含浸した後に、一旦これを乾燥させ、更に同様のホウ素含水溶液を木質材に含浸し、更に乾燥するという、2回に分けて注入を行う方法が実用化されているが、こうした耐火木質材の製造方法は、複雑な製造工程を必要とするため、1回のホウ素含水溶液の含浸で十分な耐火性が得られる、より簡略化された耐火木質材の製造方法の開発が望まれていた。
また、木質材中に十分量のホウ素含有水溶液を注入することは困難であり、これを解決するための方法として、厚さの薄い木質の板材、小さい木片、木質繊維などの木質材に十分量のホウ素含有水溶液を注入し、これを接着によって再度、建築材として有用な大きさに構成する方法も提案されている。しかしながら、こうした木質材に多量に含まれるホウ素系化合物が接着性を妨げるため、建築材としての十分な強度が得られないという欠点があった。特にこうした建築材を雨水等の水分に接触する環境で使用した場合、接着強度が不十分であるため、木質材同士の剥がれ、割れなどを生じるという欠点があった。
また、木質材に注入されたホウ素系化合物は、木質材を雨水等の水分に接触する環境で使用すると溶脱するという問題があり、これを解決するために様々な有機系化合物をホウ素系化合物に混合し、木質材に注入する方法が行われている。しかしながら、こうした方法では、多量の有機化合物が必要であり、より経済的な方法でホウ素化合物の溶脱を防止する方法が求められていた。こうした溶脱性の抑制は、環境中の生物への悪影響を回避するためにも、また、耐火性を維持するためにも重要である。また更に、ホウ素系化合物はシロアリ、キクイムシ等の木質材を食害する昆虫に対する防虫作用も有するが、こうした防虫作用も溶脱によって同時に低下するという問題があった。
また、火災等により容易に着火、燃焼する物品に対し、効果的な耐火性を与えるための有効な処理剤が求められていた。
特開昭62−231074号公報 特開2005−186620号公報
本発明の目的は、高い耐火性能を有する木質材の製造方法を与えるものである。
本発明の他の目的は、建築材として十分な接着強度を有し、且つ、高い耐火性能を有する、接着して製造される建築材の製造方法を与えるものである。
本発明の他の目的は、ホウ素系化合物の溶脱性を改善して、高い耐火性能と保護効果を付与された木質材または建築材を与えるものである。
本発明の他の目的は、高い耐火性能を付与するための耐火処理剤を与えるものである。
木材の強度、色調に対する影響が小さく、且つ、安価で防虫性も有するホウ素系化合物を用い、ホウ素系化合物の接着強度への悪影響を回避し、ホウ素系化合物の雨水等による溶脱を抑制し、且つ、十分量のホウ素系化合物を木材に含浸して高い耐火性能を達成するため、鋭意、研究を行った。
その結果、特定の条件で製造されたホウ素含有水溶液を木質材等に用いることで高い耐火性能を有する処理物が得られること、また、得られた耐火木質材をシランカップリング剤と樹脂系接着剤を組み合わせて塗装及び/または接着することで、効果的にホウ素系化合物の溶脱が抑制され、高い耐火性能、更には高い接着強度を有する建築材が得られることを見出し、本発明を完成されるに至った。
すなわち、本発明は以下のものを提供するものである。
本発明の請求項1に記載の耐火木質材の製造方法は、ホウ素元素の含有量が3重量%以上8重量%以下で、pHが6から8に調整されたホウ素含有水溶液を、該ホウ素含有水溶液の温度が50℃以上となるように加温しながら木質材に含浸し、その後、木質材を乾燥し、こうして得られた木質材に対して、更に、シランカップリング剤及び樹脂系塗料を塗布することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の耐火木質材の製造方法において、シランカップリング剤及び樹脂系塗料を塗布する際に、シランカップリング剤を塗布し次に樹脂系塗料を塗布する、あるいは、シランカップリング剤と樹脂系塗料を混合したものを塗布することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の耐火木質材の製造方法において、樹脂系塗料がイソシアネート系、ウレタン系、アクリル系から成る群から選択された塗料であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の方法で得られた耐火木質材に対して、更に、シランカップリング剤及び樹脂系接着剤を塗布し、耐火木質材を接着することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4に記載の耐火性の建築材の製造方法において、シランカップリング剤及び樹脂系接着剤を塗布する際に、シランカップリング剤を塗布し次に樹脂系接着剤を塗布する、あるいは、シランカップリング剤と樹脂系接着剤を混合したものを塗布することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4または5に記載の耐火性の建築材の製造方法において、樹脂系接着剤がフェノール樹脂系、レゾルシノール樹脂系、イソシアネート樹脂系、メラミン樹脂系、ユリア樹脂系、メラミン−ユリア樹脂系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系から成る群から選択された接着剤であることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれか1つに記載の方法で得られる耐火木質材または耐火性の建築材であることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7に記載の耐火木質材または耐火性の建築材において、ホウ素含有水溶液を含浸する前の木質材の乾燥重量を100重量部として、2重量部以上のホウ素元素が含有されていることを特徴とする
本発明においては、高濃度でホウ素系化合物を含有する水溶液を耐火処理剤として、木質材に含浸させ、この木質材を乾燥した後に、シランカップリング剤及び樹脂系塗料の塗布、及び/または、シランカップリング剤及び樹脂系接着剤による接着を行うことで、ホウ素化合物の溶脱性が改善され、その結果、屋外のような雨水の接触する環境で使用した場合も、良好な耐火性、防虫性を達成することができる。
また、本発明により、高濃度でホウ素系化合物を含有する耐火木質材を、高い接着強度で接合することが可能となり、その結果、様々な用途に利用可能な、有用な耐火性の建築材を得ることが可能となる。
また、本発明の耐火処理剤によって、様々な耐火性処理物を製造することが可能となる。
本発明で使用する木質材は、木材、竹、モミ殻、藺草、藁、麻、綿等の植物体に由来する角材、板、丸棒、薄板(ラミナ)、チップ、繊維、粉体、あるいはこれらを加工した物品である。本発明にて開示するホウ素含有水溶液を含浸、乾燥して耐火木質材として使用する場合には、角材、板、丸棒が好適に使用される。
また、木質材に対して本発明にて開示するホウ素含有水溶液を含浸、乾燥し、更にこれらを本発明の接着方法により接着を行う場合は、ホウ素含有水溶液を含浸する木質材としては、好適には、薄板(ラミナ)、チップ、繊維、粉体が使用され、その結果得られる建築材は、耐火性の集成材、合板、LVL、OSB、パーティクルボード、ファイバーボード、MDF(中密度繊維板)などである。こうした方法で得られる建築材は、薄板(ラミナ)、チップ、繊維、粉体等の注入の容易な木質材において多量のホウ素含有水溶液が注入されており、これによって高い耐火性能が付与されている。また、更にこれらの建築材に、切断、穴開け、塗装等の加工を施すことで、建材としての広範な利用が可能となる。
本発明で使用するホウ素含有水溶液の調製のために使用するホウ素系化合物は、ホウ素元素を含有する化合物であり、例えば、ホウ酸(オルトホウ酸)、ホウ酸塩、メタホウ酸、メタホウ酸塩、ピロホウ酸、ピロホウ酸塩、四ホウ酸、四ホウ酸塩、ホウ砂(四ホウ酸ナトリウム、Na2B4O7・10H2O)、無水ホウ酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム・5水和物、五ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸、八ホウ酸塩、八ホウ酸二ナトリウム・4水和物、ホウ酸アンモニウム、三酸化ホウ素が挙げられる。
本発明により得られる耐火木質材または耐火性の建築材の耐火性のレベルは、使用するホウ素含有水溶液に含まれるホウ素元素の濃度によって調整することが可能であり、実用的な耐火性を得るために必要なこのホウ素元素含有水溶液でのホウ素元素の濃度は、3重量%以上8重量%以下で、好ましくは4重量%以上、より好ましくは5重量%以上である。
本発明で使用するホウ素含有水溶液の調製は、前記のホウ素系化合物を単独あるいは組み合わせて使用し、且つ、必要に応じてアルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属含有化合物、アンモニア化合物、アミン化合物等のアルカリ系化合物、具体的にはNaOH、KOH、Ca(OH)2、NH3、モノエタノールアミンを使用し、水を溶媒として、pHを6から8、より好ましくは6.5から7.5の範囲になるよう調整することで行われる。必要に応じて、硫酸等の鉱酸、クエン酸、リンゴ酸、酢酸、オクタン酸等の有機酸をpH調整剤として使用することも可能である。
また、本発明において開示する耐火処理剤は、ホウ素元素の供給源としてホウ酸(オルトホウ酸)、ホウ酸塩、メタホウ酸、メタホウ酸塩、ピロホウ酸、ピロホウ酸塩、四ホウ酸、四ホウ酸塩、ホウ砂(四ホウ酸ナトリウム、Na2B4O7・10H2O、Na2[
B4O5(OH)2]・8H2O)、無水ホウ酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム・5水和物
、五ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸、八ホウ酸塩、八ホウ酸二ナトリウム・4水和物、ホウ酸アンモニウム、三酸化ホウ素を用い、更には、Na(ナトリウム)またはK(カリウム)を含有する化合物、具体的には、ホウ砂、無水ホウ酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム・5水和物、五ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸二ナトリウム・4水和物、NaOH、KOHをpH調整剤として用い、最終的に得られる水溶液中のホウ素元素の含有量が、5重量%以上で、pHが6から8、より好ましくは6.5から7.5の範囲になるよう調整することで得られる。
本発明の耐火処理剤は、前記の様々な木質材を耐火処理するための処理剤として極めて
有用である。また、本発明の耐火処理剤は、紙、皮革、セルロース系素材を含む物品、合成繊維から成る不織布等の物品等の、可燃性の多孔質物品を耐火処理するための処理剤としても有用である。
本発明の耐火処理剤を用いて、紙、皮革、不織布等を耐火処理する場合には、処理剤を含浸するための方法として、浸漬法、塗布法が好適に利用可能である。
本発明で使用するホウ素含有水溶液あるいは耐火処理剤の貯蔵及びその含浸工程において、ホウ素系化合物の析出、高粘性に由来する木質材等への含浸不良を回避するためには、ホウ素含有水溶液あるいは耐火処理剤を加温し、この加温された状態で木質材等へ含浸することが有用である。加温の程度は含有するホウ素系化合物の濃度に応じて決定されるが、例えば、ホウ素元素としての含有量が5.5から6重量%の場合は50℃以上、6から7重量%の場合は70℃以上であることが望ましい。加温での温度設定の上限は、水溶液としての沸点である。
本発明のホウ素含有水溶液を木質材に含浸する際には、加圧及び/もしくは減圧工程、浸漬、塗布等の通常用いられる様々な含浸のための工程が適用可能である。 加圧及び/もしくは減圧工程としては、具体的には、充細胞法(ベセル法)、半空細胞法(ローリー法)、複式真空法(ダブルバキューム法)、加減圧交替法(Oscillating PressureMethod
)、及びこれらの操作を組み合わせた方法が適用可能である。また、インサイジング加
工法、ローラー等を用いる圧縮処理、マイクロ波加熱、凍結処理、蒸煮処理、水蒸気処理、あるいは熱処理もまた、含浸量を増大させるための木質材に対する前処理工程として適用可能である。
本発明に開示する塗装工程あるいは接着工程を実施する前に、ホウ素含有水溶液を含浸後の木質材での水分含有量、すなわち木質材の細胞空隙部分に自由水として存在するか、あるいは木質材のセルロース構造部分またはリグニン構造部分に含まれる水分の含有量を、乾燥工程によって、ホウ素含有水溶液を含浸する前の木質材重量に対して、30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下に調整することが望ましい。こうした乾燥工程は、室温乾燥によって実施可能であり、また、通常の木材乾燥に用いる加熱乾燥設備によっても実施可能である。
上記の方法で製造された乾燥された耐火木質材への塗装は、木質材に含まれるホウ素系化合物が雨水等によって溶脱することを抑制する目的で実施される。
本発明の塗装方法には、大きく分けて以下の2つの方法がある。
1.木質材表面にシランカップリング剤を塗布し、その後、更にその上に、樹脂系塗料を塗布する方法。
2.シランカップリング剤と樹脂系塗料を前もって混合し、これを木質材表面に塗布する方法。
本発明の意図するところは、木質材表面を、シランカップリング剤と樹脂系塗料の双方で保護することであり、そのための代表的な方法は塗布であるが、その他に吹き付け処理、浸漬処理、加圧あるいは減圧を用いる注入処理なども組み合わせて実施することが可能である。このような組み合わせ方法としては、例えば、シランカップリング剤の溶液中に耐火木質材を浸漬した後、この木質材を溶液から取り出して乾燥し、更に、樹脂系塗料を吹き付ける方法などが挙げられる。
本発明において、耐火木質材表面の処理に使用されるシランカップリング剤の代表的な例としては、アミノ基、ビニル基、メタクリロキシ基、グリシドキシ基、メルカプト基、クロロ基を構造部分に含み、珪素元素とその周辺の構造として、トリメトキシシリル基(Si(OMe)3)、メチルジメトキシシリル基(SiMe(OMe)2 )、トリエトキシシリル基(Si(OEt)3)、メチルジエトキシシリル基(SiMe(OEt)2)を構
造部分に含む化合物が挙げられ、好適には、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカププロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランが使用可能である。
これらのシランカップリング剤を、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル等のエーテル系有機溶媒、フタル酸エステル、酢酸エチル等のエステル系有機溶媒、ジクロロメタン等のハロゲン化メチル系有機溶媒、ジクロロエタン等のハロゲン化エチル系有機溶媒を用いて希釈してから塗装する方法は、高価なシランカップリング剤を均一に耐火木質材表面に塗布する方法として有用である。
また、シランカップリング剤に、ホウ酸、ホウ酸塩、リン酸、リン酸塩、ケイ酸、ケイ酸塩、塩化ジルコニウム、塩化アンモニウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、あるいは本発明において開示する高濃度のホウ素含有水溶液などを加え、水で濃度を調整した後、攪拌することでシランカップリング剤を溶解し、その後に耐火木質材表面に塗布する方法は、塗装面での着火性の改善と、耐火木質材表面への均一な塗布を達成する方法として有用である。
本発明において、耐火木質材表面の処理に使用される樹脂系塗料の好適な例は、イソシアネート系塗料、ウレタン系塗料、アクリル系塗料である。特に、ポリオール、水酸基などの親水性基を持った主剤とイソシアネート基を持った硬化剤から構成されるイソシアネート系塗料、カルボキシル基、スルホン酸などの親水性基を導入した水性ウレタン系塗料、1液性のウレタン系塗料、水性ビニルウレタン系塗料、水分散型塗料、油性塗料がより好適に使用可能である。
前記の方法で製造された乾燥された耐火木質材、あるいは、上記の方法でシランカップリング剤と樹脂系塗料を組み合わせて塗装した耐火木質材を接着することで、有用な大きさ、長さ、厚さを有する建築材が製造される。こうした建築材は、ホウ素系化合物の溶脱が接着層によって抑制されているため、環境安全性の面からも、また、耐火性能の面からも極めて有用である。
本発明において実施される、耐火木質材への接着剤の塗布方法は、大きく分けて以下の2つの方法がある。
1.木質材接着面にシランカップリング剤を塗布し、その後、更にその上に、あるいは、この接着面と張り合わせられるもう一方の木質材接着面に、樹脂系接着剤を塗布する方法。
2.シランカップリング剤と樹脂系接着剤を前もって混合し、これを木質材接着面に塗布する方法。
これらの方法の内、どちらを選択するかは、接着に用いる設備、投入できる人員に応じてより適切な方法を選択すればよいが、一般的にはシランカップリング剤と樹脂系接着剤を前もって混合し、これを木質材接着面に塗布する方法がより簡便である。
本発明において、耐火木質材の接着に使用されるシランカップリング剤の代表的な例は、前記のシランカップリング剤であり、前記と同様に有機溶媒を用いて希釈してから接着面に塗布する方法は、高価なシランカップリング剤を均一に接着面に塗布する方法として有用である。
また、前記と同様に、シランカップリング剤に、ホウ酸、ホウ酸塩、リン酸、リン酸塩、ケイ酸、ケイ酸塩、塩化ジルコニウム、塩化アンモニウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、あるいは本発明において開示する高濃度のホウ素含有水溶液などを加え、水で濃度を調整した後、攪拌することでシランカップリング剤を溶解し、その後に耐火木質材接着面に塗布する方法は、接着面での耐火性の改善と、接着面への均一な塗布を達成する方法として有用である。
本発明において、シランカップリング剤と共に接着工程において使用される樹脂系接着剤は、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、イソシアネート樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、メラミン−ユリア樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂から成る群から選択される接着剤であり、こうした接着剤の硬化条件は、これらの接着剤の硬化に用いる通常の条件をそのまま適用することが可能である。例えば、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、メラミン−ユリア樹脂等の熱硬化性樹脂を用いる場合は、通常、これらの樹脂系接着剤に添加して用いられる、小麦粉、炭酸カルシウム、硬化促進剤等が併せて使用可能である。
本発明において使用される、シランカップリング剤と、樹脂系塗料または樹脂系接着剤の組み合わせは、様々な組み合わせで実施可能であるが、好適には、シランカップリング剤としてはアミノ基またはグリシドキシ基を構造部分に含むシランカップリング剤、樹脂系塗料としてはイソシアネート系塗料またはウレタン系塗料、樹脂系接着剤としては、フェノール樹脂またはイソシアネート樹脂が組み合わせて使用される。
本発明において使用されるシランカップリング剤の好適な使用量は、塗装面あるいは接着面の面積1m2当たり1〜200gであり、より好適には4〜40gである。
また、本発明において、シランカップリングと共に使用される樹脂系塗料の好適な使用量は、塗装面の面積1m2 当たり40〜800g、より好適には、100〜300gで
ある。また、シランカップリング剤と樹脂系塗料を混合して使用する場合も、同様の量で使用され、従って、この場合のシランカップリング剤と樹脂系塗料との好適な混合比は、0.001〜5であり、より好適には0.01〜2である。
また、本発明において、シランカップリングと共に使用される樹脂系接着剤の好適な使用量は、接着面の面積1m2 当たり50〜1000g、より好適には150〜500g
である。また、シランカップリング剤と樹脂系接着剤を混合して使用する場合も、同様の量で使用され、従って、この場合のシランカップリング剤と樹脂系接着剤との好適な混合比は、0.001〜4であり、より好適には0.008〜1である。
本発明において開示する技術を用いて得られる耐火木質材または耐火性の建築材において、十分な耐火性を得るためには、ホウ素含有水溶液を含浸する前の木質材の乾燥重量を100重量部として、耐火木質材または耐火性の建築材に含まれるホウ素元素の重量を2重量部以上、より好ましくは5重量部以上とすることが望ましい。また、低いレベルの耐火性能でも利用可能な用途においては、耐火木質材または耐火性の建築材に含まれるホウ素元素の重量を2重量部未満として使用することも可能である。
また、本発明によって得られる耐火木質材または耐火性の建築材は、ホウ素系化合物に由来する防虫性を有するが、木質材に対して抗菌性もしくは防虫性を更に付与するために、相乗的な効果を有する他の防腐剤もしくは防虫剤を組み合わせて使用することで、シロアリ、キクイムシ、フナムシ、白色腐朽菌、褐色腐朽菌、軟腐朽菌などに対する効果的な木質材の保護が可能である。
また、本発明において開示する耐火処理剤に、ホウ素系化合物と相乗的な効果を有する防腐剤もしくは防虫剤を更に添加することで、処理物に効果的な防腐性もしくは防虫性を与えることが可能である。
このような目的で使用される防腐剤もしくは防虫剤の好適な例として、アゾール類、スルフェンアミド類、ベンズイミダゾール類、チオシアネート類、モルホリン誘導体、有機ヨード類、有機ブロモ類、イソチアゾリン類、ベンズイソチアゾリン類、ピリジン類、ジアルキルジチオカルバメート類、ニトリル類、活性ハロゲン原子を有する微生物剤、ベンズチアゾール類、シクロジエン類、ニトロソ類、キノリン類、ホルムアルデヒドならびにホルムアルデヒド生成物質、フッ素系物質、有機リン系化合物、リン酸エステル類、カルバメート類、ピレスロイド類、ニトロイミノ及びニトロメチレン類、第四級アンモニウム化合物類、フェノール誘導体、金属化合物、金属セッケン類、尿素化合物類が挙げられる。
上記の目的で使用される相乗的な効果を有する防腐剤もしくは防虫剤の具体的な例として、アザコナゾール、エタコナゾール、プロピコナゾール、ブロモコナゾール、ジフェノコナゾール、イトラコナゾール、フルトリアホール、ミクロブタニル、フェネタミル、ペンコナゾール、テトラコナゾール、ヘキサコナゾール、テブコナゾール、イミベンコナゾール、フルシラゾール、リバビリン、トリアミホス、イサゾホス、トリアゾホス、イジンホス、フルオトリマゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、ジクロブトラゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾールM、ビテルタノール、エポキシコナゾール、トリチコナゾール、メトコナゾール、イプコナゾール、フルコナゾール、フルコナゾール・シス、シプロコナゾールなどのアゾール類;ジクロロフルアニド(エウパレン)、トリフルアニド(メチルレウパレン)、シクロフルアニド、フォルペット、フルオロフォルペットなどのスルフォンアミド類;カルベンダジム、ベノミル、フベリタゾール、チアベンダゾール、またはこれらの塩類などのベンズイミダゾール類;チオシアネートメチルチオベンゾチアゾール、メチレンビスチオシアネートなどのチオシアネート類;C11〜C14−4−アルキル−2,6−ジメチルモルホリン同族体(トリデモルフ)、(±)−シス−4−[3−(t−ブチルフェニル)−2−メチルプロピル]−2,6−ジメチルモルホリン(フェンプロピモルフ、ファリモルフ)などのモルホリン誘導体;3−ヨード−2−プロピル−n−ブチルカルバメート、3−ヨード−2−プロピル−n−ヘキシルカルバメート、3−ヨード−2−プロピルシクロヘキシルカルバメート、3−ヨード−2−プロピルフェニルカルバメート、p−クロロフェニル−3−ヨードプロパギルホルマール、3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカルボナート(サンプラス)、1−[(ジヨードメチル)スルホニル]−4−メチルベンゼン(アミカル)などの有機ヨード類;2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−2−ブロムメチルグルタールジニトリル、ブロノポルなどの有機ブロモ類;N−メチルイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−N−メチルイソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−N−オクチルイソチアゾリン−3−オン、N−オクチルイソチアゾリン−3−オン(オクチリノン)などのイソチアゾリン類;シクロペンタイソチアゾリン、4,5−トリスメチレン−N−メチルイソチアゾール−3−オンなどのベンズイソチアゾリン類;1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン(またはそのナトリウム塩、鉄塩、マンガン塩、亜鉛塩など)、テトラクロロ−4−メチルスルフォニルピリジンなどのピリジン類;ジアルキルジチオカルバメートのナトリウム塩または亜鉛塩、テトラメチルジウラムジサルファイド(TMTD)などのジアルキルジチオカルバメート類;2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル(クロロタロニル)などのニトリル類;C1−Ac、MCA、テクタマー、ブロノポル、ブルミドックスなどの活性ハロゲン原子を有する微生物剤;2−メルカプトベンゾチアゾール類、ダゾメットなどのベンズチアゾール類;クロルデン、ディルドリン、アルドリン、ヘプタクロルなどのシクロジエン類;N−ニトロソ−N−シクロヘキシルヒドロキシルアミンなどのニトロソ類;8−ヒドロキシキノリン及びその銅塩などのキノリン類;ベンジルアルコールモノ(ポリ)ヘミフォルマール、オキサゾリジン、ヘキサヒドロ−s−トリアジン、N−メチロールクロロアセトアミド、パラホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド生成物質;フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、ケイフッ化ナトリウム、ケイフッ化マグネシウム等のフッ素系物質;チオファメートメチル、ダスバン、ダイアジノン等の有機リン系化合物;アジノフォス−エチル、アジノフォス−メチル、1−(4−クロロフェニル)−4−(O−エチル、S−プロピル)ホスホリルオキシピラゾル(TIA−230)、クロロピリフォス、テトラクロロビンホス、クマフォス、デトメン−S−メチル、ジアジノン、ジクロルボス、ジメトエート、エトプロフォス、エトリムフォス、フェニトロチオン、ピリダフェンチオン、ヘプテノフォス、パラチオン、パラチオン−メチル、プロペタンホス、フォサロン、フォキシム、ピリムフォス−エチル、ピリミフォス−メチル、プロフェノフォス、プロチオフォース、スルプロフォス、トリアゾフォス、トルクロルフォンなどのリン酸エステル類;アルジカーブ、ベニオカーブ、BPMC、2−(1−メチルプロピル)フェニルメチルカルバメート、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、クロエトカルブ、イソプロカルブ、メトミル、オキサミル、ピリミカルブ、プロメカルブ、プロポクスル、チジカルブ、バイゴン、ジメチラン、セビンなどのカルバメート類;アレトリン、アルファメトリン、ビオレスメトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、デカメトリン、シハロトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、α−シアノ−3−フェニル−2−メチルベンジル−2,2−ジメチル−2−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパン−1−プロパンカルボキシレート、フェンプロパトリン、フェンフルトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルムトリン、フルバリネート、ペルメトリン、エトフェンプロックス、レスメトリン、シラフルオフェンなどのピレスロイド類;イミダクロプリド、アセタミプリド、ニテンピラム、チアメトキサム、チアクロプリド、ジノテフラン、クロチアニジンなどのニトロイミノ及びニトロメチレン類;塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンジルジメチルドデシルアンモニウム、塩化ベンザルコニウムなどの第四級アンモニウム化合物類;o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、トリブロモフェノール、ジクロロフェンなどのフェノール誘導体;酸化第二銅、酸化第一銅、塩化銅、水酸化銅、硫酸銅、燐酸銅、炭酸銅、塩基性炭酸銅、酸化亜鉛、燐酸亜鉛、これらの銅あるいは亜鉛化合物をアンモニアあるいはアミン系化合物で安定化した化合物、トリス−N−(シクロヘキシルジアゼニウムジオキシン)−トリブチル錫またはカリウム塩、ビス−(N−シクロヘキシル)ジアジニウム−ジオキシン銅またはアルミニウムなどの金属化合物;ナフテン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、オレイン酸などの有機酸と銅あるいは亜鉛との化合物である金属セッケン類;ジフルベンズロン、ノバルロン、ルフェヌロン、ヘキサフルムロン、フルフェノックスロン、クロロフルアズロン、ノビフルムロン、テフルベンズロンなどの尿素化合物類などが挙げられる。
上記の防腐剤もしくは防虫剤の好適な使用量は、最終的に得られる耐火木質材または耐火性の建築材1m3に含まれる防腐剤もしくは防虫剤の重量として、1g〜20kgであり、更に好適には10g〜5kgである。また、本発明の耐火処理剤中の防腐剤もしくは防虫剤の好適な濃度は0.1ppm〜20重量%、更に好適には5ppm〜5重量%である。
また、こうした防腐剤もしくは防虫剤を本発明の耐火木質材または耐火性の建築材に付与するための具体的な製造方法として、以下4種類の方法が挙げられる。
1.本発明にて開示する木質材の耐火処理に使用するホウ素含有水溶液に、防腐剤もしくは防虫剤を加えたものを木質材に含浸する方法。
2.本発明にて開示する塗布剤に、防腐剤もしくは防虫剤を加えて使用する方法。
3.本発明にて開示する接着剤に、防腐剤もしくは防虫剤を加えて使用する方法。
(すなわち接着剤混入法)。
4.本発明にて開示する方法で得られた耐火木質材または耐火性の建築材に対して、
最後に、防腐剤もしくは防虫剤を含有する溶液などを含浸あるいは塗布する方法。
本発明による耐火木質材または耐火性の建築材は、高い耐火性能を有し、接着して製造されたものも建築材として十分な接着強度を有し、且つ、防腐性もしくは防虫性を効果的に付与することも可能であるため、長期間に亘って使用可能な、有用な木質材あるいは建築材として、構造材、内装材、外構材などの様々な用途で利用可能である。また、本発明の耐火木質材または耐火性の建築材には、多量のホウ素系化合物に起因する寸法安定化効果も付与されているため、木材の強度を損なう割れも抑制されており、木材の様々な欠点を補う処理方法として、本発明は極めて有用である。
以下、本発明について実施例を基に説明するが、本実施例は本発明の代表的例を示したものであり、本発明はこの記載内容に限るものではない。尚、本実施例における%は重量%を意味する。
オルトホウ酸粉末40kgと無水四硼酸ナトリウム粉末31.7kgを混合し、80℃
の熱水228.3kg中へ投入し、透明溶液になるまで溶解し、pH6.9の清澄な水溶液を得た。こうして得られたホウ素含有水溶液でのホウ素元素の含有量は4.6%であった
このホウ素含有水溶液を用いて、木口面が100mm×10mmで、長さ100mm、乾燥比重0.43のスギ板材に対する含浸処理を行った。浸漬処理は、0.1kg/cm2での30分間の減圧処理と、14kg/cm2での60分間の加圧処理を組み合わせた充細胞法(ベセル法)によって実施した。含浸処理後のスギ角材を雨水の当たらない屋外に1ケ月間放置して乾燥し、耐火処理された木質材を得た。この木質材に含まれるホウ素の含有量は、含浸されたホウ素含有水溶液の重量から、31kg/m3と算出された。即ち、含浸前のスギ板材の乾燥重量を100部として、約7.2部の重量のホウ素が含有されていた。
この耐火処理材において、ISO 5660に規定されるコーンカロリーメーターを用いる燃焼試験を行ったところ、総発熱量が8MJ/m2に至るまで15分間を要し、その間、裏面まで貫通する亀裂及び穴は認められず、且つ、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えることがなかったことから、本材が準不燃材に相当する耐火性
を有することが示された。
オルトホウ酸粉末44kgとホウ砂(Na2B4O7・10H2O)粉末81kgを水に加え、60℃で加温しながら攪拌・溶解し、pH7.2の清澄な水溶液を得た。こうし
て得られたホウ素含有水溶液でのホウ素元素の含有量は5.6%であった。
含浸処理の工程において、このホウ素含有水溶液を加温して60℃で含浸を行ったことの他は実施例1と同様にして、スギ板材に対する操作を行い、耐火処理された木質材を得た。
この耐火処理材において、実施例1記載の方法で燃焼試験を行ったところ、20分間の試験時間において、総発熱量は8MJ/m2以下であり、裏面まで貫通する亀裂及び穴は認められず、また、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えることが
なかったことから、本材が不燃材に相当する耐火性を有することが示された。
オルトホウ酸粉末80kgに水と20%苛性ソーダ水溶液を加えて攪拌し、pH7.0
の清澄な水溶液を得た。こうして得られたホウ素含有水溶液でのホウ素元素の含有量は、4.7%であった。
このホウ素含有水溶液を用いて、厚さ3mm、縦300mm×横300mm、
含水率7%のラジアータパイン単板に対する含浸処理を行った。浸漬処理は、浸漬した状態で0.1kg/cm2にて30分間減圧処理し、更に、浸漬した状態で8kg/cm2
にて30分間加圧処理することで実施した。含浸処理後の単板をホウ素含有水溶液から取り出し、35℃で1週間の乾燥を行い、含水率7%の耐火処理単板を得た。
つぎに、70℃の熱水50kgに、オルトホウ酸粉末5kgとホウ砂(Na2B4O7・10H2O)粉末2kgを加えて攪拌溶解した後、室温まで冷却して得た溶液97重量部に対して、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3重量部を混合し、10分間攪拌することで、シランカップリング剤を含む清澄な溶液を得た。この溶液を上記の耐火処理単板の接着面の片面当たり250g/m2の量で、接着面の両面に塗布して乾燥した。
更に、この接着面に、株式会社オーシカ製のフェノール樹脂D−120を4kg、小麦粉を0.3kg、炭酸カルシウムを0.3kg、炭酸ナトリウムを0.05kg、水を0.2kg使用して混合して得られるフェノール樹脂系接着剤を、接着面の片面当たり200g/m2の量で、接着面の両面に塗布し、張り合わせて9プライのLVLを構成し、ここに130℃、12kg/cm2の条件でホットプレスを20分間実施することで接着を行った。
更に、対照とするため、シランカップリング剤溶液を用いず、他は同じ条件でLVLを製造した。これらのLVLにおいて、構造用単板積層材の日本農林規格(第3条構造用単板積層材の規格「接着の程度」)に準拠して試験行ったところ、シランカップリング剤とフェノール樹脂系接着剤の双方を用いて製造したLVLは、浸漬剥離試験と煮沸剥離試験の双方において剥離を生じず良好な接着性を示したが、対照のフェノール樹脂系接着剤のみを用いて製造したLVLでは浸漬剥離試験にて剥離率13%でラミナの剥離が認められた。
また、ここで得られた、シランカップリング剤とフェノール樹脂系接着剤の双方を用いて製造したLVLから、100mm×100mmの大きさで試験片を切り出し、これを用いて実施例1記載の方法で燃焼試験を行ったところ、本材が不燃材に相当する耐火性を有することが示された。
株式会社オーシカ製のイソシアネート系接着剤ピーアイボンドTP−111を100重量部、硬化剤H−3Mを15重量部、更に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3重量部を混合後、5分間攪拌して、イソシアネート系接着剤とシランカップリング剤の混合接着剤を準備した。
次に、この混合接着剤を、実施例3に記載の方法で得られた耐火処理単板の接着面の片面当たり200g/m2の量で、接着面の両面に塗布し、張り合わせて9プライのLVLを構成し、ここに10kg/cm2の圧力を50分間加えることで接着を行い、耐火性のLVLを得た。
更に、対照とするため、シランカップリング剤溶液を用いず、他は同じ条件でLVLを
製造した。これらのLVLにおいて、実施例3と同様の浸せきはく離試験と煮沸はく離試験を行ったところ、シランカップリング剤とイソシアネート系接着剤の双方を用いて製造したLVLは、浸漬剥離試験と煮沸剥離試験の双方において剥離を生じず良好な接着性を示したが、対照のイソシアネート系接着剤のみを用いて製造したLVLでは浸漬剥離試験にて剥離率25%でラミナの剥離が認められた。
また、ここで得られた、シランカップリング剤とイソシアネート系接着剤の双方を用いて製造したLVLから、100mm×100mmの大きさで試験片を切り出し、これを用いて実施例1記載の方法で燃焼試験を行ったところ、本材が不燃材に相当する耐火性を有することが示された。
実施例3記載のホウ素含有水溶液に、更に、シプロコナゾールを50ppm、アセタミプリドを50ppmの濃度で溶解したものを処理溶液として用いて、厚さ2.5mm、縦
300mm×横300mm、含水率10%のラワン単板に対する含浸処理を行った。浸漬処理は、浸漬した状態で0.1kg/cm2にて20分間減圧処理し、更に、浸漬した状
態で10kg/cm2にて20分間加圧処理することで実施した。含浸処理後の単板を処理溶液から取り出し、35℃で1週間の乾燥を行い、含水率8%の耐火処理単板を得た。
次に、塩化メチレン95重量部にγ−アミノプロピルトリメトキシシラン5重量部を混合した溶液を、上記の耐火処理単板の接着面の片面当たり200g/m2の量で、接着面の両面に塗布して乾燥した。更にこの接着面に、実施例3記載のフェノール樹脂系接着剤を、接着面の片面当たり200g/m2の量で、接着面の両面に塗布し、張り合わせて9プライの合板を構成し、ここに130℃、12kg/cm2の条件でホットプレスを20分間実施することで接着を行った。
こうして得られた耐火処理合板を、鹿児島県内のイエシロアリが生息している松林内において、合板を地面に対して垂直に埋め込み、合板の上部5cmのみが地面の上に出ている状態で設置し、1年間、雨水と日光に暴露される環境で放置し、その後、合板を取り出して状態を観察したところ、シロアリによる食害を受けておらず、しかも、腐朽も認められず、本発明の耐火性の建築材に優れた保護効果が与えられていることが示された。
厚さ3mm、縦300mm×横300mm、含水率7%のラジアータパイン単板に対して、実施例3記載のフェノール樹脂系接着剤を用いて、9プライのLVLを構成し、ここに130℃、12kg/cm2の条件でホットプレスを20分間実施することで接着を行った。
こうして得られたホウ素系化合物で処理されていない通常のLVLから、100mm×100mmの大きさで試験片を切り出し、この試験片を対照として用いて、実施例1記載の耐火処理材(スギ板材)、実施例2記載の耐火処理材(スギ板材)、更には、実施例4記載のシランカップリング剤とイソシアネート系接着剤の双方を用いて製造したLVLから100mm×100mmの大きさで切り出された試験片での、木材保護効果の比較試験を行った。比較試験は、鹿児島県内のイエシロアリが生息している松林内において、試験片を地面の上に設置し、6ケ月間、雨水と日光に暴露することで行った。
その結果、対照の試験片は著しいシロアリの食害を受けており、試験片の乾燥重量が12%低下していた。しかしながら、ホウ素系化合物で処理された試験片は全てシロアリの食害を受けておらず、しかも割れ、反りなどの寸法変化に伴う現象も認められず、寸法安定性という点でも優れていることが示された。
また、これらの暴露後の試験片を40℃で4週間、通風しながら乾燥し、その乾燥重量を測定した結果から、実施例1由来の試験片では75%、実施例2由来の試験片では71%、実施例4由来の試験片では92%のホウ素系化合物が残存しており、本発明の木材質が、雨水に暴露される環境下でも、良好にホウ素系化合物を保持していることが示された。
また、これらの暴露後の試験片を用いて、実施例1記載の方法で燃焼試験を行ったところ、実施例1由来の試験片は難燃、実施例2由来の試験片は準不燃、実施例4由来の試験片は不燃と判定され、本発明の木質材が耐火性を良好に維持していることが示された。
塩化メチレン95重量部にγ−アミノプロピルトリメトキシシラン5重量部を混合した溶液を、実施例2記載の方法で製造された耐火処理された木質材(スギ板材)の表面に、160g/m2の量で塗布して乾燥した。更に表面に、大日本インキ化学工業株式会社製の水分散性ポリイシシアネート硬化剤BURNOCK(バーノック)DNW−5000を水で2倍に希釈後、250/m2の量で塗布して乾燥した。
得られた塗装処理済みの耐火木質材を、実施例6と同様にして屋外に暴露し、この暴露後の試験片を用いて、実施例1記載の方法で燃焼試験を行ったところ、不燃と判定され、本発明の木質材が耐火性を良好に維持していることが示された。
50mm×50mm、厚さ約1.5mmの牛革を40℃で6時間乾燥後、実施例2記載のホウ素含有水溶液に5分間浸漬して、耐火処理された皮革を得た。
この処理物を家庭用ガスコンロの炎の中に30秒間投じたところ、乾燥による収縮は生じたが、着火は認められなかった。対照として、無処理の皮革で同様に試験したところ、3秒で皮革に着火した。

Claims (8)

  1. ホウ素元素の含有量が3重量%以上8重量%以下で、pHが6から8に調整されたホウ素含有水溶液を、該ホウ素含有水溶液の温度が50℃以上となるように加温しながら木質材に含浸し、その後、木質材を乾燥し、こうして得られた木質材に対して、更に、シランカップリング剤及び樹脂系塗料を塗布することを特徴とする耐火木質材の製造方法。
  2. シランカップリング剤及び樹脂系塗料を塗布する際に、シランカップリング剤を塗布し次に樹脂系塗料を塗布する、あるいは、シランカップリング剤と樹脂系塗料を混合したものを塗布することを特徴とする請求項1に記載の耐火木質材の製造方法。
  3. 樹脂系塗料がイソシアネート系、ウレタン系、アクリル系から成る群から選択された塗料であることを特徴とする請求項1または2に記載の耐火木質材の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の方法で得られた耐火木質材に対して、更に、シランカップリング剤及び樹脂系接着剤を塗布し、耐火木質材を接着することを特徴とする耐火性の建築材の製造方法。
  5. シランカップリング剤及び樹脂系接着剤を塗布する際に、シランカップリング剤を塗布し次に樹脂系接着剤を塗布する、あるいは、シランカップリング剤と樹脂系接着剤を混合したものを塗布することを特徴とする請求項4に記載の耐火性の建築材の製造方法。
  6. 樹脂系接着剤がフェノール樹脂系、レゾルシノール樹脂系、イソシアネート樹脂系、メラミン樹脂系、ユリア樹脂系、メラミン−ユリア樹脂系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系から成る群から選択された接着剤であることを特徴とする請求項4ま
    たは5に記載の耐火性の建築材の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1つに記載の方法で得られる耐火木質材または耐火性の建築材。
  8. ホウ素含有水溶液を含浸する前の木質材の乾燥重量を100重量部として、2重量部以上のホウ素元素が含有されていることを特徴とする請求項7に記載の耐火木質材または耐火性の建築材。
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