JP4369152B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーカスプライを備える空気入りラジアルタイヤに関する。特に、本発明は、シャープなハンドルレスポンス、高いグリップ性及び高い剛性感を有し、高性能車両に好適に用いられる空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の車両の高速、高運動性能化に伴い、コーナリングスピードの限界も上がり、市場では、タイヤに対する高い横力(グリップ)や、大きな荷重移動でもタイヤが腰砕けにならない剛性感が求められている。
【0003】
トップトレッドゴムのハイグリツフ化やサイド〜ビード部にワイヤインサート等の補強部材を追加する対応策があるが、トップトレッドのゴムの変更は、磨耗性、ウェット性等の相反する性能を犠牲にする場合があり、ワイヤインサートの補助部材を付加した場合には、乗り心地性の悪化やインサート反部でのセパレーション故障等の耐久性の問題や、重量が増加する等の不具合がある。また、補助部材を付加することは、操縦安定性にも悪影響を及ぼす虞がある。
【0004】
この対応策として、カーカス層の繊維コードを所定の高弾性率のコーティングゴムによって被覆することが知られている(例えば、特許文献1)。また、カーカス層の繊維コード(以下、「プライコード」と称する。)に所定の強度等の脂肪族ポリケトン繊維を用いることで、優れたタイヤ性能を発現させる試みがある(例えば、特許文献2〜6参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−171303号公報
【特許文献2】
特開平11−334313号公報
【特許文献3】
特開2000−190705号公報
【特許文献4】
特開2001−334807号公報
【特許文献5】
特開2001−341504号公報
【特許文献6】
特開2002−307908号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、本発明者は、上述のタイヤでは、十分な操縦安定性を安定して提供し難いことを見出した。
【0007】
本発明の課題は、空気入りラジアルタイヤの耐久牲、磨耗性、乗り心地性、その他の特性を犠牲にすることなく、グリップ力やレスポンスを向上させることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カーカスプライを備える空気入りラジアルタイヤであって、前記カーカスプライが、少なくとも2本のプライコードと前記各プライコードを被覆しているコーティングゴムとからなり、前記コーティングゴムが、前記各プライコードの表面上の被覆部と前記各プライコードの間の連結部とを有しており、前記各プライコードが15g/dtex以上の強度を有しており、かつ前記カーカスプライが、前記各プライコードを横切る断面で見たとき、50%以上で、かつ65%以下の平均充填率〔Cl/(Cl+Gl)×100(式中、Clは前記プライコードの直径[μm]を示し、及びGlは前記コーティングゴムの前記連結部の幅[μm]を示す。)〕の前記プライコードを含んでいる空気入りラジアルタイヤに関し、中でも、前記コーティングゴムが、3.0MPa以上で、かつ6.0MPa以下の100%伸長時モジュラス(M100)を有することができる空気入りラジアルタイヤに係るものである。
【0009】
本発明は、所定強度のプライコードをコーティングゴム中で所定範囲内の充填率に規定することによって、優れた操縦安定性の空気入りラジアルタイヤが得られるという知見に基づくものである。
【0010】
本発明にかかるプライコードは、15g/dtex以上の強度を有する。本発明では、かかるプライコードをカーカスプライトリートに適用する。かかるプライコードは、高強力糸であり、そのため、細糸でも、空気入りラジアルタイヤの所定の安全率を確保することができる。
【0011】
本発明にかかるプライコードは、少なくとも2本がコーティングゴムによって所定の充填率で被覆される。本発明では、プライコードが所定の高強力糸であるが故に細糸でも適用できるため、プライコードに対するコーティングゴムの比率を比較的高く設定することができる。
【0012】
本発明では、所定の高強度のプライコードがコーティングゴムにより所定の充填率で被覆されることによって相対的に粗の状態のカーカスプライとなる。
【0013】
本発明によれば、所定の高強度のプライコードが、比較的粗な状態になるようにコーティングゴムによって被覆されるので、コーティングゴムの特性を十分に引き出すことができ、高性能の空気入りラジアルタイヤを得ることができる。
【0014】
特に、本発明によれば、高弾性率のコーティングゴムを用いることによって、空気入りラジアルタイヤの耐久牲、磨耗性、乗り心地性、その他の特性を犠牲にすることなく、グリップ力やレスポンスを向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施をする形態について説明する。
(1)プライコード
コーティングゴムによって被覆される繊維コードである。15g/dtex以上、好ましくは、18g/dtex以上の強度を有する。種々の材質からなることができる。
【0016】
(1−1)プライコードの材質
例えば、プライコードは、アラミド繊維、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(PBO繊維)及び
下記式(I):
【化2】
(式中、Aはエチレン性結合によって重合されたエチレン性不飽和化合物由来の部分であり、各繰り返し単位において同一でも異なっていてもよい)
で表される繰り返し単位から実質的になるポリケトンの繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種の繊維からなることができる。中でも、好ましくは、プライコードはポリケトンの繊維からなる。
【0017】
(1−2)ポリケトン
該ポリケトンは、分子中にCO単位(カルボニル基)とエチレン性不飽和化合物由来の単位とが配列された交互共重合体、即ち、高分子鎖中で各CO単位の隣に、例えばエチレン単位等のオレフィン単位が一つずつ位置する構造である。また、該ポリケトンは、一酸化炭素と特定のエチレン性不飽和化合物一種との共重合体であってもよく、一酸化炭素とエチレン性不飽和化合物二種以上との共重合体であってもよい。式(I)中のAを形成するエチレン性不飽和化合物としては、エチレン,プロピレン,ブテン,ペンテン,ヘキセン,ヘプテン,オクテン,ノネン,デセン,ドデセン,スチレン等の不飽和炭化水素化合物、メチルアクリレート,メチルメタクリレート,ビニルアセテート,ウンデセン酸等の不飽和カルボン酸又はその誘導体、更にはウンデセノール,6−クロロヘキセン,N−ビニルピロリドン,及びスルニルホスホン酸のジエチルエステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、特にポリマーの力学特性や耐熱性等の点から、エチレン性不飽和化合物としてエチレンを主体とするものを用いたポリケトンが好ましい。
【0018】
エチレンと他のエチレン性不飽和化合物とを併用する場合、エチレンは、全エチレン性不飽和化合物に対し、80モル%以上になるように用いるのが好ましい。80モル%未満では得られるポリマーの融点が200℃以下になり、得られる有機繊維コードの耐熱性が不充分となる場合がある。有機繊維コードの力学特性や耐熱性の点から、エチレンの使用量は、特に全エチレン性不飽和化合物に対し90モル%以上が好ましい。前記のポリケトンは、公知の方法、例えばヨーロッパ特許公開第121965号,同第213671号,同第229408号及び米国特許第3914391号明細書に記載された方法に従って製造することができる。
【0019】
本発明にかかる有機繊維コードに用いられるポリケトンの重合度は、m−クレゾール中、60℃で測定した溶液粘度が1.0〜10.0dL/gの範囲にあるのが好ましい。溶液粘度が1.0dL/g未満では、得られる有機繊維コードの力学強度が不充分となる場合があり、コードの力学強度の観点から、溶液粘度が1.2dL/g以上であるのが更に好ましい。一方、溶液粘度が10.0dL/gを超えると、繊維化時の溶融粘度や溶液粘度が高くなりすぎて紡糸性が不良となる場合があり、紡糸性の観点から、溶液粘度が5.0dL/g以下であるのが更に好ましい。繊維の力学強度及び紡糸性などを考慮すると、溶液粘度は1.3〜4.0dL/gの範囲が特に好ましい。
【0020】
(1−3)ポリケトンの繊維
上記ポリケトンの繊維化方法は、特に限定されないが、一般的には溶融紡糸法又は溶液紡糸法が採用される。溶融紡糸法を採用する場合には、例えば特開平1−124617号公報に記載の方法に従って、ポリマーを通常、融点より20℃以上高い温度、好ましくは融点より40℃程度高い温度で溶融紡糸し、次いで、通常、融点より10℃以下低い温度、好ましくは融点より40℃程度低い温度において、好ましくは3倍以上の延伸比で、更に好ましくは7倍以上の延伸比で延伸処理することにより、容易に所望の繊維を得ることができる。
【0021】
一方、溶液紡糸法を採用する場合、例えば特開平2−112413号公報に記載の方法に従って、ポリマーを例えばヘキサフルオロイソプロパノール,m−クレゾール等に0.25〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%の濃度で溶解させ、紡糸ノズルより押し出して繊維化し、次いでトルエン,エタノール,イソプロパノール,n−ヘキサン,イソオクタン,アセトン,メチルエチルケトン等の非溶剤浴、好ましくはアセトン浴中で溶剤を除去、洗浄して紡糸原糸を得、さらに(融点−100℃)〜(融点+10℃)、好ましくは(融点−50℃)〜(融点)の範囲の温度で延伸処理することにより、所望のフィラメントを得ることができる。また、このポリケトンには、熱,酸素等に対して十分な耐久性を付与する目的で酸化防止剤を加えることが好ましく、また必要に応じて艶消し剤,顔料,帯電防止剤等も配合することができる。
【0022】
(1−4)プライコードの構造
好ましくは、プライコードの構造は、1550d/2、39×39等の構造が好ましい。
【0023】
(2)コーティングゴム
プライコードを被覆しているゴムである。コーティングゴムは、各プライコードの表面上の被覆部と各プライコードの間の連結部とからなることができる。
【0024】
コーティングゴムは、空気入りラジアルタイヤの諸性能を十分に引き出させるよう、種々のゴム組成物からなることができる。かかるゴム組成物は、ゴム成分に対し、必要に応じて、種々の添加剤を配合させることができる。通常は、かかるゴム組成物は加硫処理された加硫ゴム組成物である。
【0025】
好ましくは、コーティングゴムは、3.0MPa以上で、かつ6.0MPa以下の100%伸長時モジュラス(以下、「100%伸長時モジュラス」を単に「M100」と称する。)を有する。かかるコーティングゴムによって形成されるカーカスプライは、空気入りラジアルタイヤの操縦安定性を著しく向上させる。
【0026】
(3)カーカスプライ
少なくとも2本のプライコードと各プライコードを被覆しているコーティングゴムとからなる。かかるカーカスプライは、ゴム組成物によるプライコードの被覆によって形成される。例えば、プライコードは、ゴム組成物を用いて、浸漬、塗布、貼り合わせ等の公知の方法に従って被覆される。
【0027】
カーカスプライは、通常、プライコードをゴム組成物で被覆し、シート状のゴム付き樹脂部材とした後、これを未加硫のタイヤの所定位置に配置してタイヤと共に加硫することによって得られる。
【0028】
(4)プライコードの充填率
カーカスプライは、各プライコードを横切る断面で見たとき、50%以上で、かつ65%以下の平均充填率〔Cl/(Cl+Gl)×100(式中、Clはプライコードの直径[μm]を示し、及びGlはコーティングゴムの連結部の幅[μm]を示す。)〕のプライコードを含む。
【0029】
かかるプライコードの充填率は、プライコードが所定の高強度を有し、細糸でも十分な安全性を確保できることから、カーカスプライにおいて、プライコードに対するコーティングゴムの割合を相対的に高くし、コーティングゴムの特性を十分に引き出すことが可能となる。
【0030】
(5)空気入りラジアルタイヤ
上述のカーカスプライを備える。1又はそれ以上のカーカスプライからカーカス層が形成される場合がある。一対のビードコア、サイドトレッド層、トップトレッド層、ベルト層、ベルト補強層等を備えることができる。種々の空気入りラジアルタイヤが含まれる。
【0031】
図面を参照して本発明をより一層詳細に説明する。
図1は本発明にかかる1例のカーカスプライを示す断面図である。図2は本発明の1例の空気入りラジアルタイヤの断面図である。
【0032】
図1に示すように、カーカスプライ1は、少なくとも2本のプライコード2,3と、プライコード2,3を被覆しているコーティングゴム4とからなる。コーティングゴム4は、各プライコード2,3の表面上の被覆部4Aと各プライコード2,3の間の連結部4Bとからなる。
【0033】
プライコードの充填率は、図1に示すように、各プライコード2,3を横切る断面で見たときのCl/(Cl+Gl)×100(式中、Cl:例えば、プライコード2の直径[μm]及びGl:コーティングゴム4の連結部4Bの幅[μm])から求められる。
【0034】
カーカスプライ1は、図2に示すような1例の空気入りラジアルタイヤ11に配置される。図1のカーカスプライ1は、サイドゴム層5とインナーライナ層6との間に配置されている状態であり、図1はこれを拡大して示すものである。
【0035】
図2に示すように、空気入りラジアルタイヤ11(タイヤサイズ255/40ZR17)は、一対のビードコア12(図2は一方のみ図示する。)と、一方のビードコア12から他方のビードコアに亘ってトロイド状に延びるカーカス層13とを有する。カーカス層13は、少なくとも1枚のカーカスプライ、本例では2枚のカーカスプライ14,15から構成される。
【0036】
カーカスプライ14,15の端末部は、ビードコア12の回りをタイヤ内側から周回してタイヤ半径方向外側に向かって折り返されており、各カーカスプライ14,15の折り返し端部14A、15Aは、ステップをつけて配置されてタイヤ半径方向に離れている。
【0037】
カーカスプライ14,15は、多数本の有機繊維からなるプライコードをゴムコーティングして形成される。コード方向はラジアル方向である。カーカスプライ14のコード方向は赤道面に対して80°の角度で傾斜しており、カーカスプライ15のコード方向は赤道面に対して−80°の角度で傾斜し、互いに交差する。
【0038】
好ましくは、プライコードは、1550d/2のPK繊維コードであり、39×39のコード構造を有し、強度は15g/dtex以上、好ましくは18g/dtex以上である。コードをコーティングしているコーティングゴムは、3.0MPa〜6.0MPaのM100を有するのが好ましい。
【0039】
カーカス層13のタイヤ軸方向外側には、サイドゴム層16が配置され、タイヤ半径方向外側には、トレッドパターンの形成されたトップトレッド層17が配設される。カーカス層13とトップトレッド層17との間には、ベルト層18が配置される。
【0040】
ベルト層18は、少なくとも2枚のベルトプライを有することが好ましく、本例では、2枚のベルトプライ19,20からなる。ベルトプライ19,20内には、タイヤ周方向に対して傾斜した多数本のコードが埋設されると共に、これらのコードは隣接するベルトプライのものに対して互いに交差する。ベルトプライ19,20の端部では、それらのタイヤ半径方向外側に、ベルトプライ19,20を覆うように2枚のベルト補強層21が隣接して配置される。
【0041】
図2に示す本例の空気入りラジアルタイヤ11は、図1に示すように、所定の高強度のプライコード2,3がコーティングゴム4によって被覆されたようなカーカスプライ14,15を備える。カーカスプライ14,15は、プライコードが比較的粗な状態になるような充填率でコーティングゴムによって被覆されており、コーティングゴムの量が相対的に多くなる。
【0042】
このため、本例の空気入りラジアルタイヤ11では、カーカスプライ14,15のコーティングゴムの特性が十分に引き出され、高性能化する。特に、高弾性率のコーティングゴムを用いることによって、耐久牲、磨耗性、乗り心地性、その他のタイヤ特性を犠牲にすることなく、グリップ力やレスポンスを向上させることができる。
【0043】
また、本例の空気入りラジアルタイヤは、ワイヤインサート等の補助部材を付加していないため、重量増加が抑制されており、また乗り心地が悪化する等の不具合も生じない。さらに、トップトレッドゴムも変更していないため、摩耗等への悪影響も生じない。
【0044】
本例では、偏平率が40%の空気入りラジアルタイヤを示したが、本発明は偏平率が40%の空気入りラジアルタイヤに限るものではなく、高性能車両に用いられる偏平率が60%以下の空気入りラジアルタイヤに適用することにより、最も大きな効果を発揮することができる。
【0045】
【実施例】
図面を参照して、本発明を実施例及び比較例に基づいて説明する。
(実施例1)
表1に示すプライコード及びコーティングゴムからなるカーカスプライを備える図2に示すような空気入りラジアルタイヤを製造する。空気入りラジアルタイヤは、具体的には、タイヤサイズが255/40ZR17であり、2つのカーカスプライからなるカーカス層と、2つのベルトプライからなるベルト層とを備える。
【0046】
プライコードは、ポリケトンの繊維(以下、「PK繊維」と表記する。)からなり、20g/dの強度を有し、1550d/2及び39×39のコード構造を有する。コーティングゴムは5.5MPaのM100を有する。プライコードの充填率は60%である。なお、コードの強度は、JIS L1017に従い、島津製作所製オートグラフにて引張りテストし、破断時の張力(kg)を求める。M100は、JIS−K−6251−1993に従って測定する。
【0047】
(実施例2)
表1に示すように、実施例1において、プライコードの充填率を50%に変える以外は、実施例1と同様にして空気入りラジアルタイヤを製造する。
【0048】
(実施例3)
表1に示すように、実施例1において、プライコードの充填率を65%に変えて、コーティングゴムのM100を4.2MPaに変える以外は、実施例1と同様にして空気入りラジアルタイヤを製造する。
【0049】
(比較例1)
表1に示すように、実施例1において、プライコードを66ナイロン(以下、「N66」と表記する。)からなる10.6g/dの強度のもの(1400d/2及び39×39のコード構造)に変えて、コーティングゴムのM100を2.5MPaに変える以外は、実施例1と同様にして空気入りラジアルタイヤを製造する。
【0050】
(比較例2)
表1に示すように、実施例1において、プライコードをN66からなる10.6g/dの強度のもの(940d/2及び47×47のコード構造)に変える以外は、実施例1と同様にして空気入りラジアルタイヤを製造する。
【0051】
(比較例3)
表1に示すように、実施例1において、プライコードの充填率を45%に変える以外は実施例1と同様にして空気入りラジアルタイヤを製造する。
【0052】
(タイヤ性能の評価)
実施例1〜3及び比較例1〜3の空気入りラジアルタイヤについて、その性能を評価する。結果を表1に示す。
性能の試験では、1周4kmのテストコースにて車両を走行させ、ラップタイム、グリップ、剛性感、ハンドルレスポンス及び乗り心地の5項目について評価する。各試験成績は、比較例1の従来のタイヤを100とする指数で評価し、数値の大きい方ほど性能に優れていることを示す。
耐久性は、ビード部耐久ドラム試験(一例としてBFドラム)を用いて評価する。試作タイヤを、25℃±2℃に調節された室内でJIS規格の最大空気圧に調整した後、24時間放置後、空気圧の再調整を行い、JATMA YEAR BOOK(2000年度版)における適用サイズ・プライレーラィングでの最大負荷能力の1.5倍をタイヤに負荷し、直径約1.7mのドラム上で、速度60km/時で走行させ、故障なしで1万kmを走行したものを完走とする。
【0053】
【表1】
【0054】
表1に示すように、実施例の空気入りラジアルタイヤは、いずれも、比較例のものに比べ、耐久性等に悪影響を与えることなく、ラップタイム及びフィーリング等に優れており、極めて良好な操縦安定性を提供する。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、空気入りラジアルタイヤは、所定の充填率のプライコードと所定のコーティングゴムとからなるカーカスプライを備えるため、カーカスプライのプライコードが粗の状態でありながら、タイヤの諸特性を犠牲にすることがなく、コーティングゴムの特性が十分に引き出せ、タイヤの操縦安定性等の性能の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる1例のカーカスプライを示す断面図である。
【図2】 本発明の1例の空気入りラジアルタイヤの断面図である。
【符号の説明】
1,14,15 カーカスプライ
2,3 プライコード
4 コーティングゴム
4A 被覆部
4B 連結部
11 空気入りラジアルタイヤ
12 ビードコア
13 カーカス層
Claims (5)
- カーカスプライを備える空気入りラジアルタイヤであって、
前記カーカスプライが、少なくとも2本のプライコードと前記各プライコードを被覆しているコーティングゴムとからなり、前記コーティングゴムが、前記各プライコードの表面上の被覆部と前記各プライコードの間の連結部とを有しており、前記各プライコードが15g/dtex以上の強度を有しており、かつ前記カーカスプライが、前記各プライコードを横切る断面で見たとき、50%以上で、かつ65%以下の平均充填率〔Cl/(Cl+Gl)×100(式中、Clは前記プライコードの直径[μm]を示し、及びGlは前記コーティングゴムの前記連結部の幅[μm]を示す。)〕の前記プライコードを含んでおり、前記コーティングゴムが、3.0MPa以上で、かつ6.0MPa以下の100%伸長時モジュラス(M100)を有することを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。 - 前記プライコードが18g/dtex以上の強度を有する請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記プライコードがポリケトンの繊維からなる請求項3記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記[化1]中のAがエチレン基である請求項3又は4記載の空気入りラジアルタイヤ。
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