JP4368794B2 - コンロッドの破断分割構造 - Google Patents

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Description

本発明は、浸炭焼入れによる表面硬化処理が施された大端部をロッド部とキャップ部とに破断分割し、該ロッド部とキャップ部とを破断分割面同士を位置合わせした状態で結合ボルトにより結合するようにしたコンロッドの破断分割構造に関する。
分割型コンロッドでは、大端部をロッド部とキャップ部とに破断分割する前に、該破断を誘発させるための破断起点溝を設ける場合がある。例えば、図10(a),(b)に示すように、大端部50のクランクピン孔50aの内周面に該クランクピン孔50aの軸方向に該内周面の両端縁に渡って直線状に延びる破断起点溝51,51を切り欠き形成する構造が提案されている(米国特許USP4,569,109号参照)。
ところが、上記大端部の内周面にその両端縁に渡って破断起点溝を形成する従来構造を採用した場合、図8に示すように、破断分割面の一部が破断起点溝から外れた位置に生じる場合がある。このように破断分割面が破断起点溝から外れると、図9に示すように、破断分割面52と破断起点溝51との間に薄片状のバリ53が発生する場合があり、該バリ53がエンジン運転中に欠け落ちたりするとエンジン内の損傷や焼付き等のエンジントラブルの原因となるおそれがある。
一方、上記破断起点溝の全長に沿って破断分割面が発生した場合には、上記バリ53が発生することはないもののロッド部とキャップ部との破断分割面同士の平面度が高くなるため、破断後に組付けし、大端部のクランクピン孔の仕上げ加工を行い、その後ロッド部とキャップ部を分離して、クランクピンに組付けた際の位置的再現性が悪化するおそれがある。その結果、クランクシャフトに組み付けたときの大端部の真円度,円筒度が十分に得られず、磨耗,焼き付きの原因となったり、ロス馬力が増加したりするという懸念がある。
本発明は上記従来の状況に鑑みてなされたもので、破断分割面が破断起点溝から外れた場合のバリの発生や破断分割面同士を位置合わせする際の再現性の悪化を防止でき、ひいてはエンジントラブルを防止できるコンロッドの破断分割構造を提供することを目的としている。
請求項1の発明は、クランクピン孔を有する大端部に表面硬化処理を施し、該大端部をロッド部とキャップ部とに破断分割し、該破断分割面同士を当接させて位置合わせした状態で上記ロッド部とキャップ部とを結合ボルトにより結合するようにしたコンロッドの破断分割構造において、上記大端部のクランクピン孔の内周面に該クランクピン孔の軸方向に延びる破断起点部を形成するとともに、該破断起点部の軸方向長さを上記内周面の軸方向長さより短く設定し、上記大端部の肩部には上記クランクピン孔の軸心と直角方向に延びるボルト挿通孔が形成されており、該ボルト挿通孔は、該ボルト挿通孔と上記内周面との間の肉厚が該ボルト挿通孔と外壁面との間の肉厚より小さくなるようにクランクピン孔寄りに形成されていることを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1において、上記破断分割面と上記内周面とが交わる交線部のうち、上記破断起点部が形成された部分は該破断起点部に一致し、残りの大部分は上記破断起点部の延長線から偏位していることを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、上記破断起点部の一端が上記クランクピン孔の軸方向一端縁に位置していることを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項において、上記破断起点部の他端が上記ボルト挿通孔よりクランクピン孔の上記一端縁寄りに位置していることを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項3又は4において、上記破断起点部が、機械加工により形成されたテーパ状の溝により構成されていることを特徴としている。
請求項6の発明は、請求項3又は4において、上記破断起点部が、レーザ加工により所定間隔をあけて連続するように形成された多数の細孔により構成されていることを特徴としている。
請求項7の発明は、クランクピン孔を有する大端部に表面硬化処理を施し、該大端部をロッド部とキャップ部とに破断分割し、該破断分割面同士を当接させて位置合わせした状態で上記ロッド部とキャップ部とを結合ボルトにより結合するようにしたコンロッドの破断分割構造において、上記大端部のクランクピン孔の内周面に該クランクピン孔の軸方向に延びる破断起点部を形成するとともに、該破断起点部の軸方向長さを上記内周面の軸方向長さより短く設定し、上記破断起点部は、これの一端,他端が、クランクピン孔の軸心と直角方向に延びるボルト挿通孔の軸心同士を結ぶ直線を挟んだ両側に位置し、かつ該ボルト挿通孔の直径と略同一かあるいはこれより短い長さを有することを特徴としている。
請求項8の発明は、クランクピン孔を有する大端部に表面硬化処理を施し、該大端部をロッド部とキャップ部とに破断分割し、該破断分割面同士を当接させて位置合わせした状態で上記ロッド部とキャップ部とを結合ボルトにより結合するようにしたコンロッドの破断分割構造において、上記大端部のクランクピン孔の内周面に該クランクピン孔の軸方向に延びる破断起点部を形成するとともに、該破断起点部の軸方向長さを上記内周面の軸方向長さより短く設定し、上記破断起点部が、クランクピン孔の軸心と直角方向に延びるボルト挿通孔の軸心同士を結ぶ直線と略一致する位置に形成されていることを特徴としている。
請求項9の発明は、請求項7又は8において、上記破断起点部が、レーザ加工により所定間隔をあけて連続するように形成された多数の細孔により構成されていることを特徴としている。
請求項10の発明は、クランクピン孔を有する大端部に表面硬化処理を施し、該大端部をロッド部とキャップ部とに破断分割し、該破断分割面同士を当接させて位置合わせした状態で上記ロッド部とキャップ部とを結合ボルトにより結合するようにしたコンロッドの破断分割構造において、上記大端部のクランクピン孔の内周面に該クランクピン孔の軸方向に延びる破断起点部を形成し、該破断起点部が、レーザ加工により所定間隔をあけて連続するように形成された多数の細孔により構成されており、上記大端部の肩部には上記クランクピン孔の軸心と直角方向に延びるボルト挿通孔が形成されており、該ボルト挿通孔は、該ボルト挿通孔と上記内周面との間の肉厚が該ボルト挿通孔と外壁面との間の肉厚より小さくなるようにクランクピン孔寄りに形成されていることを特徴としている。
本発明の一実施形態によるコンロッドの大端部の一部断面図である。 上記大端部の中間製品の正面図である。 上記大端部の断面図(図2のIII−III線断面図)である。 上記コンロッドの製造工程図である。 請求項の発明の一実施形態による破断起点部の断面図である。 請求項の発明の一実施形態による破断起点部の断面図である。 上記破断起点部の破断面を示す図である。 従来の大端部の破断面を示す図である。 従来の問題点を示す図である。 従来の破断分割方法を示す図である。 請求項の発明の一実施形態によるコンロッドの大端部の一部断面図平面図である。 請求項の発明の一実施形態によるコンロッドの大端部の一部断面平面図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図4は、請求項1〜の発明の一実施形態によるコンロッドの破断分割構造を説明するための図であり、図1はコンロッドの大端部の一部断面図、図2は大端部の中間製品を示す図、図3は大端部の破断分割部の断面図(図2のIII−III線断面図)、図4はコンロッドの製造工程図である。
本実施形態のコンロッド1は、鍛造又は鋳造により形成されたナットレスタイプものであり、ロッド本体1aの一端側に不図示のピストンピンが連結される小端部を一体形成し、他端側に不図示のクランクピンが連結される大端部1bを一体形成した構成となっている。この大端部1bは、ロッド本体1aとの接続部から外側に拡がる肩部1c,1cとを有し、その中心部にはクランクピン孔1dが形成されている。
上記大端部1bは、ロッド部2とキャップ部3とを予め一体形成し、該大端部1bを含むコンロッド全体に浸炭焼入れ,焼き戻しの表面硬化処理を施した後、上記大端部1bを破断予定線Aに沿ってロッド部2とキャップ部3とに破断分割されている。そしてこの分割されたロッド部2とキャップ部3とは両者の破断分割面同士を当接させて位置決めした状態で結合ボルト4,4で締結固定されている。上記表面硬化処理により上記コンロッド1の外表面部分には所定の浸炭深さの表面硬化層が形成されている。
上記ロッド部2の各肩部1cには上記結合ボルト4の外径より若干大径のボルト挿通孔2a,2aが形成されている。また上記キャップ部3の上記ボルト挿通孔2aの底部3bにはボルト挿通孔2aと同軸をなすように雌ねじ孔3aが貫通形成されている。そして上記結合ボルト4をボルト挿通孔2aに挿入するとともに雌ねじ孔3aにねじ込むことによりロッド部2とキャップ部3とが結合されている。
上記ボルト挿通孔2aはクランクピン孔1dの軸心と直角方向に延びており、かつクランクピン孔1dに近接している。即ち、ボルト挿通孔2aとクランクピン孔1dの内周面との間の肉厚t1は、ボルト挿通孔2aと肩部1cの外壁面1eとの間の肉厚t2より小さくなっている。なお、上記肉厚t2はエンジンの燃焼圧力に対する強度上必要な肉厚に設定されている。
上記クランクピン孔1dの内周面には軸心方向に延びる一対の破断起点部5,5が形成されている。この各破断起点部5は、機械加工により形成された切り欠き溝により構成されており、上記大端部1bのロッド部2とキャップ部3との破断予定面Aと上記内壁面とが交わる交線に沿って形成されている。
そして各破断起点部5の軸方向長さL1はクランクピン孔1dの軸方向長さL2より短く設定されている。さらに上記破断起点部5の一端5aはクランクピン孔1dの軸方向一端縁に位置し、他端5bはクランクピン孔1dの軸方向中央近傍に、より具体的には上記中央より上記一端5a側寄りに位置している。
上記コンロッドの一製造方法を図4の工程図に沿って説明する。
鍛造によりコンロッド1の素体を形成する。この場合、大端部1bのロッド部2側とキャップ部3側とは一体に形成する。浸炭前機械加工により上記コンロッド1の各肩部1cにボルト挿通孔2aを形成するとともに、クランクピン孔1dの内周面に切り欠き溝からなる破断起点部5を形成する。この破断起点部5はクランクピン孔1dの軸方向一端縁から中央より少し該一端縁寄りまで形成する。
この状態でコンロッド1に浸炭焼入れ,焼き戻しの表面硬化処理を施し、コンロッド1の表面部分に表面硬化層を形成する。この後、コンロッド1にショットピーニング加工を施し、上記ボルト挿通孔2a内に刃具を挿入して雌ねじ孔3a加工を行なう。
次いで、大端部1bを治具により破断分割してロッド部2側とキャップ部3側とに分割する。この破断分割は、例えば大端部1bのクランクピン孔1d内に直径方向に移動可能なスライダを挿入し、該スライダに楔を打ち込むことにより行われる。
上記破断分割により形成された破断分割面の上記クランクピン孔1dの内周面とが交わる交線部のうち上記破断起点部5部分は該破断起点部5に沿っているのに対し、残りの大部分は破断起点部5の延長線上から偏位している。
このようにして分割形成されたロッド部2とキャップ部3とを両者の破断分割面同士の位置合わせを行い、この状態で結合ボルト4,4で締めつけて両者を一体的に結合する。この結合した状態でクランクピン孔1dの仕上げの機械加工を行なう。しかる後、キャップ部3を外してロッド部2から分離し、大端部1bをクランクシャフトに組付ける。
このように本実施形態によれば、大端部1bのクランクピン孔1dの内周面に軸心方向に延びる一対の破断起点部5を切り欠いて形成し、各破断起点部5の切り欠き長さL1をクランクピン孔1dの軸心長さL2より短くしたので、破断起点部5では該破断起点部5に沿った破断面が形成され、該破断起点部が形成されていない残りの大部分では破断面が破断起点部5の延長線から偏位することとなるが、この偏位によりバリが発生することはない。その結果、エンジン運転中のバリの落下による損傷や焼き付き等のエンジントラブルを防止できる。
また本実施形態では、ロッド部2及びキャップ部3の破断分割面とクランクピン孔1dの内周面との交線部(角縁部)が、上記破断起点部5では該破断起点部5に沿って形成され、残りの大部分については上記破断起点部の延長線と一致しない方向に延びるので、破断分割面を3次元的な凹凸形状とすることができ、ロッド部2とキャップ部3との破断分割面同士を当接させる際の位置合わせを精度よく行なうことができ、クランクシャフトに組み付けるときの再現性を高めることができる。その結果、エンジン組立て後の真円度,円筒度を確保でき、磨耗,焼き付きを防止できるとともに、ロス馬力を低減できる。
本実施形態では、大端部1bのボルト挿通孔2aをクランクピン孔1dに近接させて形成したので、ボルト挿通孔2aと外壁面1eとの間の肉厚t2を強度上必要な厚さに確保しつつ大端部1bの肩幅寸法を小さくすることができ、コンロッドの小型化及び軽量化を可能にできる。
本実施形態では、上記破断起点部5の一端5aをクランクピン孔1dの軸方向一端縁に位置させたので、破断分割を破断予定線に確実に一致させることができる。
また上記破断起点部5の他端5bをクランクピン孔1dの軸心方向中央,つまりボルト挿通孔2aより上記一端5a寄りに位置させたので、破断起点部5の存在する部分については、破断分割面を該破断起点部5に一致させ、かつ存在しない部分については、破断分割面を破断起点部5の延長線から偏位させることができる。また上記他端5bを上記中央より上記一端5a寄りに位置させたので、つまり上記中央を越えないようにしたので、クランクピン孔1dとボルト挿通孔2aとの間の肉厚t1を小さくした場合に、該薄肉部t1が削られてしまうのを防止でき、破断起点部5を機械加工する際の加工性を向上できる。
なお、上記実施形態では、破断起点部5の長さL1をクランクピン孔1dの端縁から中央手前までとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、クランクピン孔の端縁部分にのみ形成したり,あるいは中央を越える長さにしたりすることも可能であり、要は破断面が破断起点部の存在する部分については該破断起点部に確実に沿うようにその長さに設定することによりバリの発生を防止できる。
また上記実施形態では、破断起点部5を機械加工により同一深さの溝状に形成した場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
図5は、例えばブローチ加工によりテーパ状の溝6aを形成して破断起点部6とした例であり、このようにしたのが請求項の発明である。このテーパ状の溝6aにより破断起点部6を形成した場合には、同一深さの切り欠き溝を形成する場合に比べて加工性を向上できるとともに、内端部の溝深さを小さくでき、クランクピン孔1dとボルト挿通孔2aとの肉厚t1が小さい場合にも、破断起点部6の長さL3を薄肉部t1を越える長さに設定することが可能となる。
図6及び図7は、レーザ加工により多数の細孔7aを所定ピッチで連続形成して破断起点部7とした例であり、このようにしたのが請求項の発明である。このレーザ加工により破断起点部7を形成した場合には、破断起点部7を精度よく,かつ容易に形成することができる。
また、図示していないが、加熱したワイヤで内周面を溝状に溶融させて破断起点部を形成することも可能である。
図11は請求項の発明の一実施形態を説明するための図である。
本実施形態では、破断起点部8の一端8a,他端8bは、クランクピン孔1dの軸心と直角方向に延びるボルト挿通孔2aの軸心2b同士を結ぶ直線aを挟んだ両側に位置しており、かつ該破断起点部8の長さL3はボルト挿通孔2aの直径と略同一長さかあるいはこれより短く設定されている。なお、上記破断起点部8はレーザ加工により所定間隔をあけて連続するように形成された多数の細孔により構成されているが、この破断起点部8の加工方法はレーザ加工に限定されない。
本実施形態では、破断起点部8をボルト挿通孔2aの直径程度あるいはこれより短い長さとし、かつ該ボルト挿通項2aの軸心付近に位置させたので、破断はこの破断起点部8部分のみから発生し、他の部分b,cに進行することとなる。このように破断が軸心付近の一ヶ所から発生するので、複数箇所で発生した破断が合流するといったことがなく、従って破断の合流により生じ易い上述のバリの発生を確実に防止できる。
図12は請求項の発明の一実施形態を説明するための図である。
本実施形態では、破断起点部9は、クランクピン孔1dの軸心と直角方向に延びるボルト挿通孔2aの軸心2b同士を結ぶ直線aと略一致する位置に形成されている。
本実施形態では、破断起点部9をボルト挿通孔2aの中心部のみに形成したので、破断はこの破断起点部9部分のみから発生し、他の部分b,cに進行することとなる。このように複数箇所で発生した破断が合流するといったことがなく、従って破断の合流により生じ易い上述のバリの発生を確実に防止できる。
請求項1の発明に係るコンロッドの破断分割構造によれば、大端部のクランクピン孔の内周面に軸方向に延びる破断起点部を形成し、該破断起点部の軸方向長さを内周面の軸方向長さより短くしたので、破断起点部が存在する部分については該破断起点部に沿って破断分断面が形成され、該破断起点部から外れた位置に破断分割面が形成されることはなく、また破断起点部が形成されていない残りの部分では破断分割面により上述のバリが発生することはない。その結果、エンジン運転中の上述のバリの落下によるエンジン内部の損傷や焼き付き等のエンジントラブルを防止できる。さらに、大端部のボルト挿通孔をクランクピン孔寄りに形成したので、ボルト挿通孔と外壁面との間の肉厚を必要厚さ確保しつつ大端部の肩幅寸法を小さくすることができ、コンロッドの小型化及び軽量化を可能にできる。
請求項2の発明では、破断分割面と内周面との交線部のうち、破断起点部が形成されていない残りの部分については上記破断起点部の延長線から偏位しているので、破断分割面が3次元的な凹凸形状を有することとなり、ロッド部とキャップ部との破断分割面同士を当接させる際の位置合わせを精度よく行なうことができ、クランクシャフトに組み付けるときの加工時真円度,円筒度の再現性を高めることができる。その結果、エンジン組立て後の真円度,円筒度を確保でき、磨耗,焼き付きを防止できるとともに、ロス馬力を低減できる。
請求項の発明では、破断起点部の一端をクランクピン孔の内周面の軸方向一端縁に位置させたので、破断分割する際の破断をクランクピン孔の軸方向一端縁から確実に発生させることができ、そのため破断起点部が形成された部分については該起点部に沿った分割を確実に行なうことができ、上述のバリの発生をより一層確実に防止できる。
請求項の発明では、破断起点部の他端をボルト挿通孔よりクランクピン孔の上記一端縁よりに位置させたので、例えば請求項3の発明のように、クランクピン孔とボルト挿通孔との間の肉厚を小さくした場合に、該薄肉部が破断起点部によって削られるのを防止できる。
請求項の発明では、破断起点部を機械加工により形成したテーパ状の溝により構成したので、該破断起点部の形成作業が容易である。また該破断起点部の他端をボルト挿通孔を超えて形成しても上述の薄肉部が過剰に薄くなることはない。
請求項6,9の発明では、破断起点部をレーザ加工により間隔をあけて連続させて形成した細孔により構成したので、破断起点部を精度よく、かつ容易に形成することができる。
請求項の発明では、上記破断起点部を、その一端,他端がボルト挿通孔の軸心同士を結ぶ直線を挟んだ両側に位置し、かつ該ボルト挿通孔の直径と略同一かこれより短い長さを有するものとしたので、また請求項9の発明では、上記破断起点部を、ボルト挿通孔の軸心同士を結ぶ直線と略一致する位置に形成したので、破断分割する際の破断をクランクピン孔の軸方向中央部から確実に発生させることができ、また他の部分には破断起点部は形成されていないので他の部分から破断が発生することはほとんどなく、従って複数箇所で発生した破断が合流するといったことがなく、その結果、上述のバリの発生をより一層確実に防止できる。

Claims (10)

  1. クランクピン孔を有する大端部に表面硬化処理を施し、該大端部をロッド部とキャップ部とに破断分割し、該破断分割面同士を当接させて位置合わせした状態で上記ロッド部とキャップ部とを結合ボルトにより結合するようにしたコンロッドの破断分割構造において、上記大端部のクランクピン孔の内周面に該クランクピン孔の軸方向に延びる破断起点部を形成するとともに、該破断起点部の軸方向長さを上記内周面の軸方向長さより短く設定し、上記大端部の肩部には上記クランクピン孔の軸心と直角方向に延びるボルト挿通孔が形成されており、該ボルト挿通孔は、該ボルト挿通孔と上記内周面との間の肉厚が該ボルト挿通孔と外壁面との間の肉厚より小さくなるようにクランクピン孔寄りに形成されていることを特徴とするコンロッドの破断分割構造。
  2. 請求項1において、上記破断分割面と上記内周面とが交わる交線部のうち、上記破断起点部が形成された部分は該破断起点部に一致し、残りの大部分は上記破断起点部の延長線から偏位していることを特徴とするコンロッドの破断分割構造。
  3. 請求項1又は2において、上記破断起点部の一端が上記クランクピン孔の軸方向一端縁に位置していることを特徴とするコンロッドの破断分割構造。
  4. 請求項において、上記破断起点部の他端が上記ボルト挿通孔よりクランクピン孔の上記一端縁寄りに位置していることを特徴とするコンロッドの破断分割構造。
  5. 請求項3又は4において、上記破断起点部が、機械加工により形成されたテーパ状の溝により構成されていることを特徴とするコンロッドの破断分割構造。
  6. 請求項3又は4において、上記破断起点部が、レーザ加工により所定間隔をあけて連続するように形成された多数の細孔により構成されていることを特徴とするコンロッドの破断分割構造。
  7. クランクピン孔を有する大端部に表面硬化処理を施し、該大端部をロッド部とキャップ部とに破断分割し、該破断分割面同士を当接させて位置合わせした状態で上記ロッド部とキャップ部とを結合ボルトにより結合するようにしたコンロッドの破断分割構造において、上記大端部のクランクピン孔の内周面に該クランクピン孔の軸方向に延びる破断起点部を形成するとともに、該破断起点部の軸方向長さを上記内周面の軸方向長さより短く設定し、上記破断起点部は、これの一端,他端が、クランクピン孔の軸心と直角方向に延びるボルト挿通孔の軸心同士を結ぶ直線を挟んだ両側に位置し、かつ該ボルト挿通孔の直径と略同一かあるいはこれより短い長さを有することを特徴とするコンロッドの破断構造。
  8. クランクピン孔を有する大端部に表面硬化処理を施し、該大端部をロッド部とキャップ部とに破断分割し、該破断分割面同士を当接させて位置合わせした状態で上記ロッド部とキャップ部とを結合ボルトにより結合するようにしたコンロッドの破断分割構造において、上記大端部のクランクピン孔の内周面に該クランクピン孔の軸方向に延びる破断起点部を形成するとともに、該破断起点部の軸方向長さを上記内周面の軸方向長さより短く設定し、上記破断起点部が、クランクピン孔の軸心と直角方向に延びるボルト挿通孔の軸心同士を結ぶ直線と略一致する位置に形成されていることを特徴とするコンロッドの破断構造。
  9. 請求項7又は8において、上記破断起点部が、レーザ加工により所定間隔をあけて連続するように形成された多数の細孔により構成されていることを特徴とするコンロッドの破断分割構造。
  10. クランクピン孔を有する大端部に表面硬化処理を施し、該大端部をロッド部とキャップ部とに破断分割し、該破断分割面同士を当接させて位置合わせした状態で上記ロッド部とキャップ部とを結合ボルトにより結合するようにしたコンロッドの破断分割構造において、上記大端部のクランクピン孔の内周面に該クランクピン孔の軸方向に延びる破断起点部を形成し、該破断起点部が、レーザ加工により所定間隔をあけて連続するように形成された多数の細孔により構成されており、上記大端部の肩部には上記クランクピン孔の軸心と直角方向に延びるボルト挿通孔が形成されており、該ボルト挿通孔は、該ボルト挿通孔と上記内周面との間の肉厚が該ボルト挿通孔と外壁面との間の肉厚より小さくなるようにクランクピン孔寄りに形成されていることを特徴とするコンロッドの破断分割構造。
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