JP4368650B2 - 杭回転圧入機とこれを用いた杭回転圧入工法 - Google Patents
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Description
また、地盤の掘削速度と土砂の排出速度とを、地盤の状態に合わせて別々に制御することはできなかった。
管状の杭7を把持し、回転させながら地中に圧入する杭回転圧入手段2と、
前記杭7の内部に挿通して、杭7先端部の地盤または土砂を掘削するオーガスクリュ5と、
前記オーガスクリュ5の上端部に接続され、前記オーガスクリュ5を回転させるモータMと、
前記モータMを前記杭7に対し着脱可能に取付け、前記杭7と一体となって回転できるようにする固定手段3と、
前記モータMと動力源とを接続する回転接続手段6とを備え、
前記杭7の回転に伴いその杭7と一体となって回転する前記モータMは、その杭7の回転方向に対して正または逆方向に回転駆動することで、前記杭7の回転速度と前記オーガスクリュ5の回転速度に差をつけることを特徴とする。
なお、地盤とは、オーガスクリュ5により掘削される前の硬い状態を指し、土砂とは地盤が、回転して圧入される管状の杭7によって崩された状態を指す。
また、オーガスクリュ5により管状の杭7先端部の地盤または土砂を掘削することで、管状の杭7先端部の抵抗力を軽減できると共に、管状の杭7内部での土の閉塞を防止できる。
さらに、オーガスクリュ5を駆動するモータMが、管状の杭7に着脱可能に取り付けられ、管状の杭7の回転に伴い一体となって回転することで、このモータMを管状の杭7の回転方向に対して正または逆方向に駆動すれば、管状の杭7の回転速度とオーガスクリュ5の回転速度に差をつけることができる。
これらにより、地盤の状態に合わせて効率よく管状の杭7を圧入できると共に、地盤とオーガスクリュ5の相対速度に依存する地盤の掘削速度と、管状の杭7とオーガスクリュ5の相対速度に依存する土砂の排出速度とを別々に制御できる。
また、モータM自体が回転しても、ロータリジョイントやスイベル等の回転接続手段6を備えているので、モータMに動力を供給できる。
前記杭7の内部に挿通して、杭7先端部の地盤または土砂を掘削するオーガスクリュ5と、
前記オーガスクリュ5の上端部に接続され、前記オーガスクリュ5を回転させるモータMと、
前記モータMを前記杭7に対し着脱可能に取り付ける固定手段3と、
前記モータMと前記固定手段3の間に設けられ、前記モータMを前記杭7に対し回動自在に接続し、前記モータMと杭回転圧入機1が相対的に動かないようにする回転手段22とを備え、
前記モータMは、前記杭7の回転方向に対して正または逆方向に回転駆動することで、前記杭7の回転速度と前記オーガスクリュ5の回転速度に差をつけることを特徴とする。
さらに、前記モータMを前記杭7に対し回動自在に接続し、前記モータMと杭回転圧入機1が相対的に動かないようにしたことで、排土口20の向きを常に同じ方向に向けることができる。
また、モータM自体が回転しないので、回転接続手段6が不要となる。
また、粘性土の排出時にオーガスクリュ5を上下動させることにより、管状の杭7の内壁面とオーガスクリュ5の相対速度が変化し、粘着を切りやすくなり排土効率が上がる。
また、管状の杭7圧入時にオーガスクリュ5を地盤にねじ込んだ状態で引き上げれば、管状の杭7圧入の反力を得られる。
また、このとき上述の昇降手段8を有すれば、これを退縮させることで、管状の杭7を圧入する反力を得られる。
また、管状の杭7とオーガスクリュ5が逆方向に回転することで、管状の杭7の回転によって、杭7先端部の地盤がオーガスクリュ5の掘削時の回転方向とは逆方向に回転力を受けるので、オーガスクリュ5を地盤にねじ込みやすくなる。
つまり、管状の杭とオーガスクリュの回転速度を変化できるので、地盤の掘削速度と土砂の排出速度とを別々に制御でき、外部に排出する土砂の量を少なくできると共に、動力の無駄を少なくできる。
また、オーガスクリュを地盤にねじ込むことができ、この推進力で管状の杭の圧入を補助できる。
また、回転手段を有すれば、排土口を常に同じ方向に向けることができる。
〔第1の実施の形態〕
図1に示すように、本実施の形態の杭回転圧入機(杭圧入引抜機)1は、既設の管状の杭25から反力を取って管状の杭7を圧入する装置であって、従来の杭圧入引抜機と同様に、既設の管状の杭25をつかむクランプ26を下部に備えたサドル27と、サドル27に対して前後にスライド移動するスライドベース28と、スライドベース28上で旋回するマスト29とを備える。
そして、マスト29の前方に設けられた杭回転圧入手段(チャック)2に把持された管状の杭7には、モータMとオーガスクリュ5、昇降手段8からなる掘削装置4が、固定手段3により着脱可能に取り付けられている。
この杭回転圧入手段2は、その突出した部分にチャック部10を有し、その中心に設けられた穴に管状の杭7を挿通できるようになっている。
チャック部10には、その穴の中心に向かって伸長可能なシリンダ装置が設けられていて、これによって管状の杭7を外側から把持する。
また、このチャック部10には、モータなどの駆動源が備えられており、管状の杭7の中心軸を略中心として、連続的に回転できるようになっている。
この固定手段3の上部には筒状部19が連続しており、その側面には排土口20が設けられていて、オーガスクリュ5によって上に搬送された土砂をそこから外に取り出せるようになっている。
この筒状部19の上端部には、モータMを取り付けた台座13の脚部が嵌合している。
この筒状部19と台座13の脚部との嵌合部14には、ガイドが設けられており、このガイドに沿って台座13が上下動すると共に、台座13が筒状部19に対して回転することを防止する。
このモータMは、その上部に設けられたロータリジョイントやスイベル等の回転接続手段6を介して駆動源と接続されている。
台座13の側部には、上下に伸縮可能なシリンダ装置からなる昇降手段8が取り付けられ、そのロッドの先端部は、固定装置3の上部に固定されている。
このシリンダ装置8を上下に伸縮することで、台座13とそれに固定されたモータMが上下に動作し、オーガスクリュ5を上下に動作させることができる。
この可動爪12は筒状部19の外周面に、筒状部19の径方向に沿って伸縮可能なシリンダ装置11を介して取り付けられており、管状の杭7内でこれを作動して可動爪12を圧接させる。
固定手段3は、図4に示すようにシリンダ装置11と可動爪12を一体としたものでも良い。
また、この掘削装置4に排土口20は設けられていない。
その他の構成は図1に示した掘削装置4と同じである。
固定手段3をこのような構成としたことで、掘削装置4が管状の杭7の内部に収まり、杭回転圧入機1全体の高さを低くできる。
この回転手段22は、管状の杭7の中心を略中心として回転できるようになっており、その内輪は筒状部19の下部に、外輪は固定手段3の上部に固定されている。
外輪の外周面には、ギヤ24aが設けられ、筒状部19の外周面に固定されたモータ23の出力軸に取り付けられたギヤ24bとかみ合うようになっている。
掘削装置4が回転しようとしたときは、その回転を打ち消すようにこのモータ23を駆動し、掘削装置4が杭回転圧入機1に対して動かないようにする。
掘削装置4のモータM自体は、上述のように回転しないので、回転接続手段6を介さずに直接動力源と接続される。
その他の構成は、図1に示した掘削装置4と同じである。
この筒状部19の高さは、図1に示した掘削装置4の場合よりも高くなっており、排土を貯められるようになっている。
このように、この掘削装置4は、排土を貯めるタンク21を備えているので、排土口20は設けられていない。
この回転軸17の上端部はモータMの出力軸15に接続されており、その下端部はオーガスクリュ5に接続されている。
よって、オーガスクリュ5を駆動するモータMにより撹拌手段16も同時に駆動して、タンク21内の土砂を撹拌する。
これにより、タンク21内での土砂の圧密を防ぎ、効率よく土砂を貯留できる。
その他の構成は、図1に示した掘削装置4と同じである。
図1に示すように杭回転圧入機1は、クランプ26により既設の杭25をつかんで既設の杭25から反力を取った状態で、新たな管状の杭7を圧入する。
オーガスクリュ5の上下動作および回転動作と、管状の杭7の圧入動作は、地盤の状態に合わせてそれぞれ独立して制御できる。
例えば、地盤が硬い場合は、オーガスクリュ5を管状の杭7先端部より突出させ、管状の杭7先端部の地盤を掘削した後、管状の杭7の圧入を行う。
また、オーガスクリュ5により地盤を掘削しなくても管状の杭7を圧入できる場合は、オーガスクリュ5を管状の杭7先端部から突出させずに回転させ、管状の杭7の圧入により発生した土砂の搬送の目的のみに用いることもできる。
なお、本実施の形態では、管状の杭7の回転方向は、オーガスクリュ5の掘削時の回転方向と同じとする。
このときに、掘削装置4のモータMを、管状の杭7の回転方向と同じ方向、または逆方向に回転させると、管状の杭7の回転速度とオーガスクリュ5の回転速度に差をつけることができる。
このように、管状の杭7とオーガスクリュ5の回転速度に差をつけることで、地盤の掘削量に合わせて排土量を調節できる。
このとき、管状の杭7の回転に伴ってオーガスクリュ5も同じ方向に回転しており、地盤に対しては、オーガスクリュ5が管状の杭7と同じ回転速度(角速度)で回転していることになるので、地盤の掘削のみ行なわれる。
これにより、管状の杭7に対してオーガスクリュ5が、土砂を上に搬送する方向に回転することになるので、その回転速度に応じて土砂を上に搬送できる。
また、地盤に対するオーガスクリュ5の回転速度(角速度)は、管状の杭7の回転速度(角速度)と、モータMの回転速度(角速度)の和となるので、掘削速度も速くなる。
これによって、地盤の掘削速度を遅くできる。
掘削装置4は、管状の杭7の回転や、オーガスクリュ5の駆動に伴い回転しようとする力を受ける。
このときに、モータ23をその回転を打ち消すように駆動して、回転手段22より上の部分を杭回転圧入機1に対して相対的に動かないように保つ。
この場合、モータMの回転速度が、地盤に対するオーガスクリュ5の回転速度となるので、地盤の掘削速度は単純にモータMの回転速度に比例する。
また、土砂の搬送速度は、管状の杭7とオーガスクリュ5の相対速度に依存する。
これらを適切に制御することで、上記と同様に地盤の掘削量に合わせて排土量を調節できる。
図2に示した掘削装置4を用いた場合は、管状の杭7の圧入完了時に地表面から突出する部分の高さをある程度高くし、この中に排土を収納する。
また、図6に示した掘削装置4を用いた場合は、後に第3の実施の形態で述べるように、一旦タンク21内に土砂を蓄積し、管状の杭7の圧入後にその管状の杭7内に土砂を戻す。
掘削装置4は、管状の杭7の圧入完了後、固定手段3による固定を解除して管状の杭7から取り外し、次に圧入する管状の杭7に再び取り付ける。
本実施の形態では、第1の実施の形態で説明した杭回転圧入機1と同じものを用いた、他の工法について説明する。
また、地盤に対する管状の杭7の回転方向は、オーガスクリュ5の掘削時の回転方向と同じとして説明する。
また、図5に示した掘削装置4を用いた場合は、単純にモータMの回転速度を遅くすれば、地盤に対するオーガスクリュ5の回転速度が遅くなる。
このようにして、地盤に対するオーガスクリュ5の回転速度を、地盤に対する管状の杭7の回転速度より遅くすれば、地盤に対してオーガスクリュ5をねじ込むことができ、これを利用して管状の杭7圧入の反力を得られる。
また、地盤に対するオーガスクリュ5の回転速度は、杭7先端部の地盤を撹拌せずにオーガスクリュ5をねじ込める程度の回転速度とし、地盤の状態に合わせて適切に制御するものとする。
このオーガスクリュ5をねじ込むことによる推進力が、管状の杭7を下方に引き込むこととなり、管状の杭7の圧入を補助する。
また、この状態で昇降手段8を伸張させると、この昇降手段8が固定手段3を介して管状の杭7を下方に押すこととなり、管状の杭7を圧入する反力を得ることができる。
この昇降手段8の伸張動作は、管状の杭7の圧入動作と連動して行えばより効果的である。
また、掘削装置4は、管状の杭7の圧入完了後、固定手段3による固定を解除して管状の杭7から取り外し、次に圧入する管状の杭7に再び取り付ける。
これを避けるため、例えば、オーガスクリュ5のスクリュ部分を先端部とそれより上方の部分とで逆にしても良い。
このようにすれば、地盤に対し、オーガスクリュ5先端部がねじ込まれる方向に回転しても、それより上方のスクリュ部分は、管状の杭7に対して土砂を上に搬送する方向に回転することとなり、杭7先端部での土砂の圧密を避けることができる。
また、図5に示した掘削装置4を用いた場合は、管状の杭7の回転方向とオーガスクリュ5の回転方向を別々に制御できるので、単純にオーガスクリュ5を掘削時の回転方向に回転し、管状の杭7の回転方向をその逆方向にすれば良い。
また、管状の杭7先端部の地盤が、管状の杭7の回転によってオーガスクリュ5の掘削時の回転方向とは逆の方向に回転力を受けるので、オーガスクリュ5を地盤にねじ込みやすくなる。
勿論1つの管状の杭7を圧入する過程において、その途中で工法を変更することも可能であり、適切な工法を選択することで、管状の杭7を地盤に効率よく圧入できると共に、動力の無駄や外部への排土量を少なくできる。
本実施の形態では、図6に示した掘削装置4を用いた杭回転圧入工法について説明する。
本実施の形態の工法は、管状の杭7の圧入後に排土を管状の杭7内に戻すことを特徴とする。
管状の杭7の圧入は、これまでに示した工法を用いて行い、その過程で発生した排土は、オーガスクリュ5によって管状の杭7の上部に設けられたタンク21に搬送される。
タンク21内ではオーガスクリュ5の回転と同時に撹拌手段16も回転しており、タンク21内での土砂の圧密を防止する。
管状の杭7の圧入後、オーガスクリュ5を、土を押し下げる方向に回転し、オーガスクリュ5上の土や、タンク21内の土を管状の杭7内に戻す。
排土を管状の杭7内に戻した後、上記の実施の形態と同様に、掘削装置4を管状の杭7から取り外し、次に圧入する管状の杭7に取り付ける。
また、オーガスクリュ5の上下動作および回転動作、管状の杭7の圧入動作および回転動作は、地盤の状態や適用する工法に合わせて、それぞれ独立して動作できるものであって、この動作の組み合わせ方は任意であり、上記で示した組み合わせ方に限定されるものではない。
さらに、オーガスクリュ5を杭7先端部から上端部までの全般にわたって設けたが、杭7先端部付近にだけオーガスクリュ5を設け、その上部はロッドのみ、または撹拌手段16としても良く、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
2 杭回転圧入手段
3 固定手段
4 掘削装置
5 オーガスクリュ
6 回転接続手段
7 管状の杭
8 昇降手段
9 シリンダ装置
10 チャック手段
11 シリンダ装置
12 可動爪
13 台座
14 嵌合部
15 出力軸
16 撹拌手段
17 回転軸
18 撹拌羽根
19 筒状部
20 排土口
21 タンク
22 回転手段
23 モータ
24a、24b ギヤ
25 既設の杭
26 クランプ
27 サドル
28 スライドベース
29 マスト
M モータ
Claims (5)
- 管状の杭を把持し、回転させながら地中に圧入する杭回転圧入手段と、
前記杭の内部に挿通して、杭先端部の地盤または土砂を掘削するオーガスクリュと、
前記オーガスクリュの上端部に接続され、前記オーガスクリュを回転させるモータと、
前記モータを前記杭に対し着脱可能に取付け、前記杭と一体となって回転できるようにする固定手段と、
前記モータと動力源とを接続する回転接続手段とを備え、
前記杭の回転に伴いその杭と一体となって回転する前記モータは、その杭の回転方向に対して正または逆方向に回転駆動することで、前記杭の回転速度と前記オーガスクリュの回転速度に差をつけることを特徴とする杭回転圧入機。 - 管状の杭を把持し、回転させながら地中に圧入する杭回転圧入手段と、
前記杭の内部に挿通して、杭先端部の地盤または土砂を掘削するオーガスクリュと、
前記オーガスクリュの上端部に接続され、前記オーガスクリュを回転させるモータと、
前記モータを前記杭に対し着脱可能に取り付ける固定手段と、
前記モータと前記固定手段の間に設けられ、前記モータを前記杭に対し回動自在に接続し、前記モータと杭回転圧入機が相対的に動かないようにする回転手段とを備え、
前記モータは、前記杭の回転方向に対して正または逆方向に回転駆動することで、前記杭の回転速度と前記オーガスクリュの回転速度に差をつけることを特徴とする杭回転圧入機。 - 前記オーガスクリュを、前記杭に対して上下に移動させる昇降手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の杭回転圧入機。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載の杭回転圧入機を用いた杭回転圧入工法であって、
地盤に対する前記オーガスクリュの回転速度を、地盤に対する前記杭の回転速度より遅くすることを特徴とする杭回転圧入工法。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の杭回転圧入機を用いた杭回転圧入工法であって、
地盤に対する前記杭の回転方向を、前記オーガスクリュの掘削時の回転方向と逆とし、前記オーガスクリュを掘削時の回転方向に、前記杭に対して前記杭の回転速度より速く回転させることを特徴とする杭回転圧入工法。
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