JP4368312B2 - レーザ加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は,レーザ光を照射することにより被加工物を切削するレーザ加工方法に関する。
レーザ加工は,高密度エネルギー熱源であるレーザ光を集中して照射し,被加工物を局部的かつ瞬時に溶融,溶断する加工方法である。レーザ加工では,被加工物を微細かつ高精度で加工できるという利点を有する。このため,近年では,半導体ウェハや電子材料などに対してもレーザ加工を行うことが検討されている。例えば,半導体ウェハをチップ状に分割するダイシング工程において,従来の切削ブレードを用いた切削加工に代えて,レーザ光照射による切削加工を行うことが検討されている。
レーザ切削を行うレーザ加工方法として,レーザアブレーションと呼ばれるレーザ加工方法がある。ここで,アブレーションとは,例えばポリマー等の材料表面に対してYAGレーザ等のパルスレーザを高エネルギー密度で照射した際,材料を構成する分子・原子間の結合が瞬時に切断され,分解・気化・蒸散を経て,材料表面が爆発的に除去される現象のことである。このレーザアブレーションでは,ポリマーだけでなく,例えば,セラミックス,ガラス,金属または半導体等の各種材料を,加工点の周囲に熱によるダメージを与えることなく,極めてシャープに切削加工することができる。
このように,レーザアブレーションは,被加工物を局部的にガス化・蒸散させて除去する手法である。しかし,レーザ照射された部分の被加工物の全てをガス化させることは困難である。そのため,加工熱による溶融物が,不要物であるデブリとして被加工物の表面に残存してしまう。かかるデブリが加工点の周囲に飛散して,被加工物である半導体ウェハの回路面等に付着すると,製品不良の原因となる。さらに,デブリは,発生した直後に,デブリが熱を有する状態で半導体ウェハに付着すると,通常の洗浄では容易に除去できないという問題があった。
このため,レーザアブレーションでは,アブレーション反応を促進させるために,アシシトガスを加工点付近に供給しながら加工する場合もある。このアシストガスは,半導体ウェハ等の被加工物のガス化を促進させる作用を有する。しかし,このアシストガスを用いたとしても,上記デブリを完全になくすまでには至っていない。
このため,レーザ光の入射面側の表面には,切削溝付近を中心にデブリが付着する。このデブリが一度半導体ウェハに付着してしまうと,剥離させることは困難である。このような問題を解決する方法として,あらかじめ被加工物のレーザ光の入射面側に酸化膜を形成して,デブリが半導体ウェハの表面に直接接触しないようにし,この酸化膜上にデブリを付着させる方法がある(例えば,特許文献1)。この方法によれば,酸化膜は,レーザクリーニングやエッチングなどの手段によって容易に除去できるので,酸化膜上に存在するデブリも容易に除去することができる。また,特許文献1の方法と主旨は異なるが,同様に,被加工物の表面に酸化膜を形成して,被加工物のレーザ切断を行う方法もある(例えば,特許文献2)。
特開2000−246474号公報 特開2000−273564号公報
しかしながら,上記従来技術の方法は,いずれも酸化膜を半導体ウェハの表面に形成した後に,レーザ光を照射させて,被加工物を加工するものである。そのため,被加工物の表面に酸化膜を形成するための装置や工程が別途必要であるという問題があった。
また,レーザアブレーションのメカニズムについて説明すると,まず,レーザ光が被加工物の表面に照射されたときに表面爆発が起こり,衝撃波が発生する。続いて,被加工物が,例えばシリコン(Si)から形成されている場合には,シリコンがガス化して,蒸気が発生する。その後,加工点から伝わる熱により溶融したシリコンが直径1μm以下の小さいデブリとなって飛散し,さらに,直径1μm以上の大きいデブリが飛散する。
本願発明者は,このようなメカニズムについて,鋭意研究した結果,上記のようにあらかじめ酸化膜を半導体ウェハの表面に形成すると,最初の表面爆発による衝撃波により,加工点を含むその周囲の酸化膜が吹き飛んでしまうことを見出した。すなわち,あらかじめ酸化膜を半導体ウェハの表面に形成すると,切削時に半導体ウェハの切削溝の両側に形成された酸化膜は失われてしまうことが判明した。
一方,レーザアブレーションでは,一般的に,加工点を減圧させた状態(酸素が少ない状態)におき,加工点に向けてガスを供給しながら加工が行なわれる。これは,デブリが切削溝付近で固着するのを防ぐために行うものである。これにより,デブリを飛散し易くし,デブリを遠くに飛散させることによって空中でデブリを冷却し,被加工物の表面に固着させないようにする。
この場合にも,切削溝の両側には,極薄い酸化膜が形成される。しかし,酸化膜を除去するためにレーザクリーニングを行うと,酸化膜が薄いため,酸化膜を剥がすときに,デブリを一緒に剥がすことができないという問題があった。
そこで,本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的とするところは,レーザ加工を行う前に,あらかじめ酸化膜を形成するための装置および工程を省略することができ,デブリを好適に除去することの可能な,新規かつ改良されたレーザ加工方法を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,被加工物の加工点に向けてレーザ光を照射し,加工点でアブレーション反応を起こさせることによって被加工物を切削し,加工点を移動させて被加工物に切削溝を形成するレーザ加工方法において,被加工物の加工点付近に,不活性ガスおよび酸素ガスを供給することによって,被加工物の表面に切削溝を形成しながら,被加工物のレーザ入射面側の表面上において切削溝の両側に酸化膜を形成して,レーザ加工により前記加工点から生じて飛散したデブリを付着させた後,酸化膜を被加工物の表面から除去することを特徴とする,レーザ加工方法が提供される。
かかるレーザ加工方法では,被加工物(例えば,半導体ウェハ)の加工点付近に不活性ガスおよび酸素ガスを供給しながら加工する。ここで,不活性ガスとは,半導体ウェハ等の被加工物のガス化を促進させる作用を有する安定したガスであり,例えば希ガス(ヘリウム,アルゴンなど)であるが,かかる例に限定されず,それ以外の反応性に乏しいガス(例えば,六フッ化硫黄:SF)であってもよい。また,酸素ガスは,酸化膜の形成を促進させる作用を有する。そして,切削時に不活性ガスと酸素ガスとを混合したガスを供給しながら,被加工物の表面に切削溝を形成すると同時並行して,被加工物のレーザ入射面側の表面上において切削溝の両側に,帯状の酸化膜を形成する。この過程をナノ秒レベルで検証すると,レーザが被加工物の表面に照射されたときに表面爆発が起こり,衝撃波が発生した後に,酸化膜が形成されることになる。このため,衝撃波によって酸化膜が破壊されることがない。したがって,レーザ加工により発生して飛散したデブリが,被加工物の表面上に落下する前に,上記酸化膜が形成されるので,当該酸化膜上にデブリを付着させることができる。かかる方法により形成された酸化膜は,適度な厚さを有しており,レーザクリーニングにより容易に除去できる。よって,酸化膜上に付着したデブリも酸化膜と共に好適に同時に除去することができる。
また,上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,被加工物の加工点に向けてレーザ光を照射し,加工点でアブレーション反応を起こさせることによって被加工物を切削し,加工点を移動させて被加工物に切削溝を形成するレーザ加工方法において,被加工物が大気中に置かれた状態で加工点付近に不活性ガスを供給することによって,被加工物の表面に切削溝を形成しながら,被加工物のレーザ入射面側の表面上において切削溝の両側に酸化膜を形成して,レーザ加工により前記加工点から生じて飛散したデブリを付着させた後,酸化膜を被加工物の表面から除去することを特徴とする,レーザ加工方法が提供される。
かかるレーザ加工方法は,被加工物を大気中に置いた状態で,加工点付近に不活性ガスを供給しながら切削する点で前述のレーザ加工方法と異なる。この場合も,不活性ガスは,被加工物のガス化を促進する作用を奏する。また,大気中に存在する酸素は,酸化膜の形成を促進する作用を奏する。したがって,被加工物をレーザアブレーションにより切削して,切削溝を形成するのと同時並行して,切削溝の両側に酸化膜を形成することができる。この過程をナノ秒レベルで検証すると,レーザが被加工物の表面に照射されたときに表面爆発が起こり,衝撃波が発生した後に酸化膜が形成されるため,衝撃波によって酸化膜が破壊されることがない。そして,この酸化膜上にデブリを付着させて,酸化膜の除去と同時に,酸化膜上に付着したデブリを好適に除去することができる。
さらに,上記のレーザ加工方法において,不活性ガスは,加工点に対して非対称の流れとなるように供給されるのが好ましい。レーザ加工により,被加工物である例えばシリコンがガス化することにより,蒸気が発生する。この蒸気が加工点付近に滞留すると,酸化膜の形成を妨げてしまう。そこで,不活性ガスを加工点に対して非対称の流れとなるように供給することで,酸化膜の形成の妨げとなる蒸気を加工点付近から除くことができる。非対称な流れを形成するには,例えば,レーザの進行方向に対して斜め方向からガスを供給してもよい。あるいは,加工点付近に発生したガスやデブリを吸引するノズルのノズル口に,例えばリンデン型のサイクロンの溝加工を施すことで,このノズル口から渦状にガス等を吸引し,加工点付近の気流を非対称にしてもよい。
以上説明したように,本発明によれば,被加工物の表面でレーザによる切削を行いながら,被加工物の切削溝の両側に酸化膜を形成し,この酸化膜上にデブリを付着させるので,酸化膜の除去と共にデブリを容易に除去できる。これにより,レーザ加工を行う前に,あらかじめ酸化膜を形成するための装置および工程を省略することができ,デブリを好適に除去することができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず,図1〜図5に基づいて,第1の実施形態にかかるレーザ加工方法について説明する。
図1は,本実施形態にかかるレーザ加工装置1の全体構成を示す斜視図である。図1に示すように,レーザ加工装置1は,例えば,静止基台2と,この静止基台2に水平方向(矢印Xで示す方向。以下「X方向」という。)に移動可能に配設され,被加工物を保持するチャックテーブル機構3と,静止基台2に上記X方向と垂直な水平方向(矢印Yで示す方向。以下「Y方向」という。)に移動可能に配設されたレーザ光照射ユニット支持機構4と,レーザ光照射ユニット支持機構4に対して鉛直方向(矢印Zで示す方向。以下「Z方向」という。)に移動可能に配設されたレーザ光照射ユニット5と,撮像手段6と,ガス供給手段7と,吸引装置8と,から構成される。
チャックテーブル機構3は,例えば,静止基台2上にX方向に沿って略平行に配設された一対の案内レール31,31と,この案内レール31,31上にX方向に移動可能に配設された第1の滑動ブロック32と,第1の滑動ブロック32上にY方向に移動可能に配設された第2の滑動ブロック33と,第2の滑動ブロック33上に円筒部材34によって支持された支持テーブル35と,被加工物を保持するチャックテーブル36と,を備える。
このチャックテーブル36は,例えば,多孔性材料から形成された吸着チャック361を具備している。そして,吸着チャック361上に載置された被加工物(例えば,半導体ウェハW)を真空吸引して保持することができる。また,チャックテーブル36は,円筒部材34内に配設されたパルスモータ(図示せず。)によって,水平方向に移動可能である。
ここで,第1の滑動ブロック32は,その下面に一対の案内レール31,31と嵌合する一対の被案内溝321,321が設けられているとともに,その上面にY方向に沿って平行に形成された一対の案内レール322,322が設けられている。かかる構成の第1の滑動ブロック32は,被案内溝321,321が一対の案内レール31,31に嵌合することにより,一対の案内レール31,31に沿ってX方向に移動可能に構成される。
さらに,チャックテーブル機構3は,第1の滑動ブロック32を一対の案内レール31,31に沿ってX方向に移動されるための移動手段37を具備する。この移動手段37は,一対の案内レール31,31の間に平行に配設された雄ねじロッド371と,雄ねじロッド371を回転駆動するためのパルスモータ372等の駆動源を備えている。雄ねじロッド371は,その一端が静止基台2に固定された軸受ブロック373に回転自在に支持されており,その他端がパルスモータ372の出力軸に減速装置(図示せず。)を介して伝動連結されている。したがって,パルスモータ372によって雄ねじロッド371を正転および逆転駆動することにより,第1の滑動ブロック32は案内レール31,31に沿ってX方向に移動させることができる。
上記第2の滑動ブロック33は,その下面に第1の滑動ブロック32を設けられた一対の案内レール322,322と嵌合する一対の被案内溝311,311が設けられている。この被案内溝311,311を一対の案内レール322,322に嵌合することにより,Y方向に移動可能に構成される。第2の滑動ブロック33をY方向に移動させるための移動手段38は,上述した移動手段37と同様に,雄ねじロッド381と,雄ねじロッド381を回転駆動するためのパルスモータ382等の駆動源を備えている。そして,パルスモータ382によって雄ねじロッド381を正転および逆転駆動することにより,第2の滑動ブロック33は案内レール322,322に沿ってY方向に移動させることができる。
次いで,レーザ光照射ユニット支持機構4は,静止基台2上に割り出し送り方向(Y方向)にそって平行に配設された一対の案内レール41,41と,案内レール41,41上にY方向に移動可能に配設された可動支持基台42を具備している。この可動支持基台42は,案内レール41,41上に移動可能に配設された可動支持部421と,移動支持部421に取り付けられた装着部422とからなる。装着部422は,一側面にZ方向に延びる一対の案内レール423,423が平行に設けられている。
このレーザ光照射ユニット支持機構4は,可動支持基台42を一対の案内レール41,41に沿ってY方向に移動させるための移動手段43を具備している。移動手段43は,上述した移動手段37と同様に,一対の案内レール41,41の間に平行に配設された雄ねじロッド431と,雄ねじロッド431を回転駆動するためのパルスモータ432等の駆動源を備えている。そして,パルスモータ432によって雄ねじロッド431を正転および逆転駆動することにより,可動支持基台42は,案内レール41,41に沿って,Y方向に移動させることができる。
そして,レーザ光照射ユニット5は,ユニットホルダ51と,ユニットホルダ51に取り付けられたレーザ光照射手段52と,移動手段53と,を含んで構成されている。
ユニットホルダ51は,例えば,装着部422に設けられた一対の案内レール423,423に摺動可能に嵌合する一対の被案内溝511,511が設けられている。この被案内溝511,511を案内レール423,423に嵌合することにより,Z方向に移動可能に支持される。
レーザ光照射手段52は,例えば,ユニットホルダ51に固定され,略水平に延出する略円筒形状のケーシング521と,このケーシング521内に配設されたレーザ光発振装置522およびレーザ光変調装置523と,レーザ加工ヘッド100とを備える。
ここで,レーザ光発振装置522は,例えば,YAGレーザ発振器などで構成されており,例えば,Nd:YAGレーザ光を発振することができる。レーザ光発振手段522が発振したレーザ光は,レーザ光変調装置523を介してレーザ加工ヘッド100に導かれる。また,レーザ光変調装置523は,例えば,繰り返し周波数設定部,レーザ光パルス幅設定部およびレーザ光波長設定部(いずれも図示せず。)などを備えており,レーザ光発振装置522が発振したレーザ光を変調することができる。そして,レーザ加工ヘッド100は,例えば,レーザ光発振装置522およびレーザ光変調装置523から発振されたパルスレーザ光(以下,‘レーザ光’という。)を集光し,被加工物に向けて出射することができる。
移動手段53は,ユニットホルダ51を一対の案内レール423,423に沿ってZ方向に移動させることができる。この移動手段53は,上記各移動手段と同様に一対の案内レール423,423の間に配設された雄ねじロッド(図示せず。)と,雄ねじロッドを回転駆動するためのパルスモータ532等の駆動源を含んでいる。そして,パルスモータ532によって雄ねじロッド(図示せず。)を正転および逆転駆動することにより,ユニットホルダ51およびレーザビーム照射手段52を案内レール423,423に沿ってZ方向に移動せしめる。
また,撮像手段6は,例えば,レーザ光照射手段52を構成するケーシング521の前端部に配設されている。この撮像手段6は,可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)の外に,被加工物に赤外線を照射する赤外線照明手段と,この赤外線照明手段によって照射された赤外線を捕える光学系と,この光学系によって捕えられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)と(いずれも図示せず。)を含んで構成される。この撮像手段6によって撮像された画像信号は,例えば,制御手段(図示せず。)に出力され,モニタ上に表示処理等される。
そして,ガス供給手段7は,例えば,不活性ガスを収容する不活性ガスボンベ装置71と,酸素ガスを収容する酸素ガスボンベ装置72と,ボンベ装置内のガスを所定の供給圧力で送出する送出装置(図示せず。)とを備える。本実施形態では,不活性ガスボンベ装置71から供給される不活性ガスと,酸素ガスボンベ装置72から供給される酸素ガスとを混合させた混合ガスを,供給管73を介して,レーザ加工ヘッド100に対して供給する。この混合ガスは,レーザ光照射によるアブレーション反応を高めて,シリコン等からなる被加工物のガス化を促進する作用,および酸化膜の形成を促進する作用を奏する。
また,吸引装置8は,例えば,所定の吸引圧力で吸引可能な真空ポンプ等を含んで構成されており,レーザ加工ヘッド100と排出管82を介して連通されている。この吸引装置8は,例えば,レーザ加工ヘッド100から,排出管82を介してガス等を吸引して排出することができる。このガスの排出流量は,例えば,35L/minであり,蒸気ガスの供給流量の例えば10倍以上に設定することが望ましい。
次に,図2に基づいて,本実施形態にかかるレーザ加工ヘッド100の構成について詳細に説明する。なお,図2は,本実施形態にかかるレーザ加工ヘッド100の構成を示す断面図である。
図2に示すように,レーザ加工ヘッド100は,被加工物10の直上に接近して設けられ,被加工物10に対してレーザ光を照射するヘッド部分である。このレーザ加工ヘッド100は,レーザ光出射部110と,ノズル120と,ガード部材130とを含んで構成される。
レーザ光出射部110は,例えば,鏡筒112と,集光レンズ114と,保護ガラス116とから構成される。鏡筒112は,例えば,略円筒形状のハウジングである。この鏡筒112の内部には,集光レンズ114および保護ガラス116が配設される。集光レンズ114は,レーザ光を集光する対物レンズである。また,保護ガラス116は,この集光レンズ114の被加工物10側に設けられ,レーザ加工により発生したデブリ等から集光レンズ114を保護することができる。かかるレーザ光出射部110には,レーザ光発振装置522が発振したレーザ光が入射され,レーザ光出射部110は,このように入射されたレーザ光を,集光レンズ114で集光して,被加工物10に向けて出射する。このようにしてレーザ光出射部110が出射したレーザ光は,ノズル120の内部空間である隙間152およびノズル口125を通過して,被加工物10にスポット的に照射される。
次いで,ノズル120は,レーザ光出射部110の被加工物10側に装着される部材であり,例えば,レーザ光出射部110を被覆して保護する機能と,加工点付近の外部雰囲気(ガスを含む。)を不要物とともに吸引して排出する機能とを有する。かかるノズル120は,例えば,レーザ光出射部110を取り囲むようにして配される胴体部122と,胴体部122とレーザ光出射部110とを連結する連結部124と,胴体部122と一体形成され被加工物10側に位置するテーパ部126とから構成される。
ここで,胴体部122は,例えば,略円筒形状を有しており,レーザ光出射部110の鏡筒112の被加工物10側の大半を取り囲むようにして設けられる。胴体部122の内周面と,鏡筒112の外周面との間には,隙間150が生じる。この隙間150は,ノズル口125から吸い込んだ不要物等の排出路として機能する。また,かかる胴体部122の一側には,所定径の排出口128が形成されている。この排出口128は,排出管82を介して吸引装置8と連通されており,吸引装置8による真空吸引を行うことで,排出口128からノズル120内部の雰囲気および不要物等を外部に排出することができる。
また,連結部124は,例えば,胴体部122と鏡筒112を連結するOリング部材である。連結部124を介して胴体部122を鏡筒112に装着することにより,胴体部122の内周面と鏡筒112の外周面との間に,隙間150を形成することができる。なお,この連結部124は,例えば,胴体部122と一体形成されてもよいし,別体に形成されてもよい。
そして,テーパ部126は,例えば,ノズル120の先端側(被加工物10側)に設けられた,略テーパ形状を有する筒状部分である。テーパ部126の内部には,鏡筒112との間に所定の隙間152があり,この隙間152も不要物等の排出路として機能する。このテーパ部126の先端部には,例えば,略中央に,略円形状の孔のノズル口125が形成されている。かかるノズル口125は,例えば,レーザ光出射部110が出射したレーザ光が被加工物10方向に向けて通過する一方,吸引された加工点付近の外部雰囲気および不要物等が,被加工物10側からノズル120内部に向けて通過する。なお,ノズル口125の先端面127側には,例えば図3に示すようなリンデン型のサイクロン溝加工が施されている。
また,ガード部材130は,略円筒形状を有する部材(外側ノズル)であり,内部に供給されたガスが放散しないようにガードして,ガスを加工点付近に滞留させる機能を有する。このガード部材130は,例えば,ノズル120の外周面を取り囲むようにして着脱可能に装着される。
このようなレーザ加工ヘッド100は,被加工物10に接近させて配置することもできる。これにより,ガード部材130の内周面と,テーパ部126の外周面と,被加工物10の加工面とによって囲まれる空間が形成され,この形成された空間をガス充満用空間154とすることができる。
また,ガード部材130の一側には,ガス供給口138が形成されている。このガス供給口138は,供給管73を介して,不活性ガスボンベ装置71および酸素ガスボンベ装置72と連結されている。このような構成により,不活性ガスボンベ装置71および酸素ガスボンベ装置72から送られてきた混合ガスを,ガス充満用空間154に供給することができる。供給された混合ガスは,ガード部材130にガードされて外部に放散できないため,ガス充満用空間154に充満する。こうして,ガス充満用空間154内を,レーザ加工に好適なガス雰囲気とすることができる。
一方,ガード部材130の端面134と被加工物10との間に,ガス溜り部132が形成されている。このガス溜り部132は,例えば,ガード部材130の端面の中央部分を陥没形成した,断面が略コの字型の溝である。ガス溜り部132を設けることにより,ガス溜り部132内にガスを滞留させて,ガード部材130の外部に漏れないようにすることができる。
さらに,ガード部材130の端面の被加工物10との間の距離について,ガス溜り部132の内側と外側との間で高低差をつけることもできる。例えば,外側の端面134と被加工物10との間に形成された隙間156は,内側の端面136と被加工物10との間に形成された隙間158よりも狭くなるようにする。これにより,ガスに作用する気圧は,広い内側の隙間158内を通過するときよりも,狭い外側の隙間156内を通過するときの方が大きくなる。したがって,ガスが外側の隙間156からガード部材130の外側に漏れるのを防止できる。
以上のように,ガス溜り部132と,端面レベルの高低差によって,ガスをガード部材130内に閉じ込めて,ガス充満用空間154内のガスの密度を高めることができる。また,ガード部材130の外側からガス充満用空間部154に外気が入り込むのを防止することもできる。
ここで,かかる構成のレーザ加工ヘッド100における混合ガスの流れ(図2の太い矢印)の概略を説明する。まず,ガス供給手段7から送られてきた混合ガスは,ガス供給口138を通って,ガス充満用空間部154に流れ込む。次いで,送られてきた混合ガスは,吸引装置8の吸引力によって,ガス充満用空間154のガード部材130周辺から,中心部である加工点付近に向かって集まる。その後,加工点の直上に近接して配置されたノズル口125を通ってノズル120内に吸引される。さらに,混合ガスは,ノズル120内の隙間152および隙間150を通って上方に向かって流れ,略最上部に位置する排出口128から排出されて吸引装置8に至る。このように,加工点付近に向けて外周側から集めるようにして混合ガスを供給できるため,この混合ガスの流れによって,レーザ加工によって発生したデブリおよびガスを好適に吸引することができる。
以上,本実施形態にかかるレーザ加工装置1について説明した。本実施形態にかかるレーザ加工方法は,上記レーザ加工装置1を用いて,被加工物の表面に切削溝を形成しながら,被加工物のレーザ入射面側の表面10a(以下,「表面10a」という。)上において,切削溝の両側に酸化膜を形成して,酸化膜上にデブリを付着させるものである。以下に,本実施形態にかかるレーザ加工方法について詳細に説明する。
まず,図4および図5に基づいて,表面10a上に酸化膜91を形成するタイミングについて説明する。ここで,図3は,被加工物10切削後における被加工物10の状態を表している。また,図4は,被加工物10の切削により発生したデブリを除去する手順を表している。
レーザアブレーションのメカニズムは,まずレーザ光が表面10aに集中して照射されたときに,表面10aにおいて表面爆発が起こり,衝撃波が発生する。本願発明では,この衝撃波が発生した後に,酸化膜91を形成するので,衝撃波によって酸化膜91が破壊されることがない。
次いで,例えば被加工物10がシリコン(Si)から形成されている場合,シリコンがガス化して蒸気が発生する。この現象は,シリコン以外の物質でも,酸化する金属物質であれば同様に起こる。そして,シリコンのガス化と同時並行して,表面10a上には,加工熱によって切削溝90の両側に帯状の酸化膜91が形成される。
さらに,加工点付近において熱で溶融したシリコンが,直径1μm以下の小さいデブリ921となって飛散する。小さいデブリ921は,軽量であるため飛散しやすく,小さいデブリ921のほとんどは,加工点から酸化膜91より離れた被加工物10上に落下する。また,その滞空時間が長いため,小さいデブリ921は飛散時に冷却され,その後,落下する。
小さいデブリ921が飛散した後,続いて,直径1μm以上の大きいデブリ923が噴出する。大きいデブリ923は,その自重により切削溝90付近に落下する。このとき,切削溝90の両側の表面上には酸化膜91が形成されているので,図4に示すように,大きいデブリ923の大半は酸化膜91上に落下する。
また,上記過程を時間で説明すると,例えば,レーザ光が被加工物10であるシリコンの表面10aに照射されてから,シリコンがガス化するまでの時間は,約30ns(ナノ秒)である。そして,大きなデブリ923が噴出するまでの時間は,数十μs(マイクロ秒)である。このように,ほんのわずかな時間内において,これらの一連の過程は行なわれている。
このように形成された酸化膜を,例えばレーザクリーニングにより除去する。この酸化膜91を剥がすと同時に,酸化膜91上のデブリ923を除去する。具体的には,被加工物10の切削後の状態は,図5(a)に示すように,デブリ923は酸化膜91上に付着している。ここで,レーザ加工装置1のレーザ光のスポット径を,形成された酸化膜91の幅にあわせて広げる。そして,被加工物10に対して,アブレーション反応を起こさない程度のレーザ出力でレーザ光を照射する。これにより,酸化膜91の下側表面(被加工物10側)が励起され,酸化膜91は容易に剥がすことができるようになる。
次いで,被加工物10から酸化膜91を剥がすと,図5(b)のように,酸化膜91上にあるデブリ923も同時に除去される。また,酸化膜91上に落下しなかった小さいデブリ921は,飛散途中で冷却された後に被加工物10上に落下するため,被加工物10に固着せず,容易に取り除くことができる。
したがって,切削加工と同時に酸化膜91を形成し,酸化膜91上にデブリ923を付着させることによって,図5(c)のように,デブリ923を好適に除去することができる。
ここで,従来の技術では,ほとんどの場合,加工点付近に酸素が存在すると,レーザ加工時に発生する熱により酸化した膜が表面10a上に固着してしまい,後で酸化膜を除去する手間がかかる。このため,加工点には酸素を供給しないようにすることが多い。これとは反対に,本願発明では,表面10a上に積極的に酸化膜91を形成するために,加工点に酸素ガスを供給しながら,加工点付近において酸素濃度の高い雰囲気を形成するのがよい。このようにして,酸化膜91の成膜率を向上することができ,十分な強度を有する酸化膜91が形成できる。ここで,酸素ガスの供給は,不活性ガスを供給すると同時に行っても問題ない。
なお,レーザ光を照射して,被加工物の切削と酸化膜の形成とを同時に行うという点では,例えば,特開2000−015831号公報に開示される先行技術がある。特開2000−015831号公報には,レーザ光によって被加工物を切断すると同時に,切断面に酸化膜を形成することが記載されている。
しかし,特開2000−015831号公報に開示される先行技術は,基板間の絶縁性を保つために,酸化膜を絶縁膜として使用するものである。これに対して,この本願発明にかかる方法は,デブリを被加工物の表面上から除去するために,被加工物の表面上に酸化膜を形成するものである。したがって,本願発明と特開2000−015831号公報に開示された発明とは技術的思想が全く異なるものである。
ところで,被加工物10の切削時に,被加工物10を形成するシリコンがガス化することによって蒸気が発生する。この蒸気が加工点付近に長く滞留していると,蒸気が妨げとなって酸化膜91が形成できないという問題が生じる。
このような問題を回避するために,不活性ガスを加工点付近で乱流になるように供給し,加工点付近で発生した蒸気を霧散し易くする。こうして加工点付近にある蒸気を移動させて,加工点付近の蒸気が少なくなれば,酸化膜91が形成され易くなる。その結果,酸化膜91の成膜率を向上することができる。ここで,不活性ガスを加工点付近で乱流状態にするには,不活性ガスを供給するときに,加工点に対して非対称のガスの流れになるようにすればよい。
ここで,「非対称な流れ」とは,レーザの進行方向に対して加工点の部分の流れが非対称となっていることをいい,例えば,レーザの進行方向に対して斜め方向の角度からガスを供給することにより実現することができる。あるいは,加工点付近に発生したガスやデブリを吸引するノズルのノズル口に,例えば図3に示すような,リンデン型のサイクロンの溝加工を施すことで,このノズル口から渦状にガス等を吸引し,加工点付近の気流を非対称にしてもよい。なお,不活性ガスを供給するときに,加工点に対して非対称のガスの流れにすることによって,発生したシリコンガスの蒸気が滞留せずに霧散していくことは,本願発明者の実験によって検証されている。
以上,第1の実施形態にかかるレーザ加工方法についてについて説明した。第1の実施形態にかかるレーザ加工方法では,不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスを供給しながら切削するのと同時並行して,酸化膜を形成する。また,混合ガスの供給は,加工点に対して非対称となる流れとなるように行われるため,酸化膜の形成を妨げるレーザ加工時に発生するガスを霧散させることができる。これにより,十分な強度を有する酸化膜が形成されるため,酸化膜を除去する際,酸化膜上に落下したデブリも同時に除去することができる。
(第2の実施形態)
次に,図6および図7に基づいて,第2の実施形態にかかるレーザ加工方法について説明する。ここで,図6は,本実施形態にかかるレーザ加工装置の全体構成を示す斜視図である。また,図7は,本実施形態にかかるレーザ加工ヘッドの構成を示す断面図である。なお,第2の実施形態にかかるレーザ加工装置1は,上記第1の実施形態にかかるレーザ加工装置1と比して,ガス供給手段7およびレーザ加工ヘッド100の構成が異なる点で相違するのみであり,その他の機能構成は,上記第1の実施形態の場合と略同一であるので,その説明は省略する。
本実施形態にかかるレーザ加工装置1は,ガス供給手段7として不活性ガスボンベ装置71のみが備えられている。したがって,切削時に酸素ガスは供給せず,不活性ガスのみが供給される。また,レーザ加工ヘッド100のノズル120は,上記ガード部材130に覆われていない。すなわち,被加工物10は,大気中に置かれた状態で切削加工される。また,被加工物10が大気中に置かれているため,不活性ガスボンベ装置71から加工点に向けて不活性ガスを供給する供給管73の吹き出し口も,ガード部材130に覆われておらず,大気中にある状態となっている。
このようなレーザ加工装置1を用いた本実施形態にかかるレーザ加工方法について,以下に説明する。
本実施形態にかかるレーザ加工方法も,第1の実施形態にかかるレーザ加工方法と同様に,まず,例えばシリコン製の被加工物10に対して,レーザ光を表面10aに集中して照射する。すると,表面10aにおいて表面爆発が起こり,シリコンがガス化して蒸気が発生する。このシリコンのガス化と同時並行して,切削溝90の両側に帯状の酸化膜91が形成される。
次いで,加工点付近において熱で溶融したシリコンが,直径1μm以下の小さいデブリ921となって飛散し,切削溝90から離れて落下する。その後,直径1μm以上の大きいデブリ923が飛散する。大きいデブリ923は,その自重により切削溝90付近に落下する。このとき,第1の実施形態と同様,切削溝90の両側の表面上には酸化膜91が形成されているので,大きいデブリ923のほとんどは酸化膜91上に落下する。
このように形成された酸化膜を,例えばレーザクリーニングにより除去する。この酸化膜91を剥がすと同時に,酸化膜91上のデブリ923を除去する。レーザクリーニングは,レーザ加工装置1のレーザ光のスポット径を,形成された酸化膜91の幅にあわせて広げて,被加工物10に対して,アブレーション反応を起こさない程度のレーザ出力でレーザ光を照射して行われる。これにより,酸化膜91の下側表面(被加工物10側)が励起され,酸化膜91は容易に剥がすことができるようになる。
その後,被加工物10から酸化膜91を剥がすと,酸化膜91上にあるデブリ923も同時に除去される。また,酸化膜91上に落下しなかった小さいデブリ921は,飛散途中で冷却された後に被加工物10上に落下するため,被加工物10に固着せず,容易に取り除くことができる。
ここで,第1の実施形態にかかるレーザ加工方法では,表面10a上に酸化膜91を形成するために,加工点に酸素ガスを供給して,加工点付近に酸素濃度の高い雰囲気を形成する。また,被加工物10のガス化を促進するために,例えばSFなどの不活性ガスを供給しながら,レーザ光を照射する。すなわち,第1の実施形態にかかるレーザ加工装置1では,不活性ガスボンベ装置71と酸素ガスボンベ装置72とにより,不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスを供給する。上述したように,第1の実施形態は,不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスを充満させた雰囲気において切削するレーザ加工方法である。そのため,好適な雰囲気を作るために,レーザ加工ヘッド100にはガード部材130が備えられ,混合ガスが外部に放散しないような構造となっている。
一方,本実施形態にかかるレーザ加工方法では,酸素ガスは供給せず,被加工物10を大気中におくことによって,十分な強度を有する酸化膜91を形成するのに必要な酸素を得る。さらに,不活性ガスを供給しながらレーザ光を照射することにより,被加工物10のガス化を促進させる。このため,本実施形態にかかるレーザ加工装置1は,上述したように,不活性ガスボンベ装置71のみを備え,被加工物10は大気中に置かれた状態となるように構成されている。
また,被加工物10がガス化する際に発生する蒸気を霧散させるために,第1の実施形態と同様に,不活性ガスを加工点に対して非対称の流れとなるように供給するのがよい。これにより,酸化膜の形成を妨げる蒸気が加工点付近に滞留するのを防止でき,酸化膜の成膜率を向上できる。
以上,第2の実施形態について説明した。第2の実施形態にかかるレーザ加工方法では,被加工物が大気中に置かれた状態で,不活性ガスのみを供給しながら切削するのと同時並行して,酸化膜を形成する。また,不活性ガスの供給は,加工点に対して非対称となる流れとなるように行われるため,酸化膜の形成を妨げるレーザ加工時に発生するガスを霧散させることができる。これにより,十分な強度を有する酸化膜が形成されるため,酸化膜を除去する際,酸化膜上に落下したデブリも同時に除去することができる。
(実験)
次に,上記第1および第2の実施形態にかかるレーザ加工方法について,レーザ加工後,レーザクリーニングによりデブリが好適に除去されることを確認するために,実験1および実験2を行った。以下に,実験1および実験2について説明する。
(実験1:不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスを供給しながら被加工物を切削した場合)
実験1では,第1の実施形態にかかるレーザ加工方法について検証した。図1に示すレーザ加工装置1を用いて,半導体ウェハ10の加工点に対して不活性ガスである六フッ化硫黄(SF)ガスと酸素(O)ガスとを混合したガスを加工点に供給しながら,被加工物10を切削した。ここで,不活性ガスとして六フッ化硫黄(SF)を使用したのは,他の不活性ガスに比べて切削面に対するエッチング効果があり,切削効率の観点からも好適なためである。また,比較のため,六フッ化硫黄(SF)ガスのみを加工点に供給した場合についても同様の実験を行った。
本実験では,波長355nm,アベレージパワー3W,パルス周波数10kHz,パルス幅30ns,スポット径10μmのレーザ光を使用した。レーザ光の照射と同時に,外側ノズルのガス供給装置を介して,ガス供給口138から六フッ化硫黄(SF)と酸素(O)ガスとを5:1の比率で混合した混合ガスを供給した。このときのガス供給口138からのガス供給圧力は,1.0L/minであった。また,内側ノズルでは,デブリの再付着を防止するため,吸引装置8によって排出口128からガスやデブリ921,923を吸引する。排出口128の吸引圧力は,ガス供給圧力の10倍以上に設定するのが望ましく,例えば,35L/minとすることができる。なお,この吸引は,ノズル120のノズル口125に,例えば図5に示すようなリンデン型のサイクロンの溝加工をして,加工点に近接して行われる。このため,供給される混合ガスの流れは加工点付近で非対称の流れとなり,乱流状態となる。また,レーザの送り速度は,60mm/sとした。
上記の条件下において,半導体ウェハ10をレーザ切削装置1で切削すると,半導体ウェハ10における切削溝90の表面の両側に,酸化膜91を積極的に形成することができる。これにより,0.2μm程度の厚さを有する酸化膜91が形成され,その上にデブリ923が堆積する。
レーザ加工後,この酸化膜91をレーザクリーニングにより除去する。レーザ光のスポット径を酸化膜91の幅に合わせて広げる。そして,アブレーション反応を起こさない波長で,レーザ光のみを照射させる。このとき,ガスの供給は行わない。本実験では,レーザクリーニングを行う条件を,レーザ光の波長355nm,アベレージパワー1W,パルス周波数10kHz,パルス幅30ns,スポット径50μm,レーザの送り速度60mm/sと設定した。
レーザクリーニングを行った後,切削溝90付近におけるデブリ923の付着の有無を確認した。その結果,半導体ウェハ10の切削溝90の表面近傍にはデブリ923は付着していなかった。
一方,他の切削条件は同じにして,六フッ化硫黄(SF)ガスのみを,ガス供給口138からガス供給圧力1.0L/minで供給した。そして,レーザ加工装置1でレーザ加工を行うと,極薄い酸化膜91が形成され,酸化膜91とデブリ923とが一体的に形成されていた。その後,上記と同様にレーザクリーニングを行い,半導体ウェハ10の切削溝90付近におけるデブリ923の付着の有無を確認した。その結果,半導体ウェハ10の切削溝90の表面近傍に,デブリ923が付着していた。
このように,六フッ化硫黄(SF)ガスのみを供給してレーザ加工を行った場合に,半導体ウェハ10の表面にデブリ923が付着した原因として,形成された酸化膜91が薄いことが考えられる。このとき,デブリ923は酸化膜91上に載っているのではなく,半導体ウェハ10の表面に直接的にデブリ923が付着していると考えられる。また,デブリ923が酸化膜91上に載っていたとしても,酸化膜91の強度が十分でないために,酸化膜91を剥がしてもデブリ923まで除去できなかったものと考えられる。
以上,実験1では,半導体ウェハ10の加工点付近に,不活性ガスと酸素ガスとを供給しながら切削した。これにより,不活性ガスの作用によって,半導体ウェハ10のガス化が促進される。また,酸素ガスの作用によって,酸化膜の形成が促進され,酸化膜91を剥がしたときに,付着したデブリが一緒に剥がれる強度を持った,十分な厚さを有する酸化膜91を形成することができる。また,ガスやデブリ921,923を吸引するノズル120のノズル口125に,例えばリンデン型のサイクロンの溝加工をして吸引することにより,ガスの流れを非対称にすることができ,半導体ウェハ10の加工点付近にある半導体ウェハ10のガス化によって発生した蒸気を霧散できる。よって,酸化膜91の成膜率をより向上することができる。
(実験2:大気中において不活性ガスのみを供給しながら被加工物を切削した場合)
実験2では,第2の実施形態にかかるレーザ加工方法について検証した。本実験では,図6に示すレーザ加工装置1を用いて,半導体ウェハ10の切削を行った。レーザ加工装置1では,不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスを供給したのに対し,本実験で使用するレーザ加工装置1では,半導体ウェハ10を大気中に置いた状態で,不活性ガスのみを供給した。
本実験では,実験条件を実験1と同様に設定して,図7に示すように,半導体ウェハ10を大気中に置いた状態で,不活性ガスである六フッ化硫黄(SF)ガスのみを供給してレーザ加工を行った。ここで,ガス供給口138から供給される六フッ化硫黄(SF)ガスのガス供給圧力は,1.0L/minとした。また,内側ノズルでは,デブリの再付着を防止するため,吸引装置8によって排出口128からガスやデブリ921,923を吸引する。この吸引は,実験1と同様に,ノズル120のノズル口125に,例えばリンデン型のサイクロンの溝加工することにより,供給される混合ガスの流れが加工点付近で非対称の流れとなる。
そして,半導体ウェハ10に対してレーザ加工を行うと,切削溝90の両側に帯状の酸化膜91が形成されていた。その後,実験1と同様に,半導体ウェハ10のレーザクリーニングを行い,切削溝90付近におけるデブリ923の付着の有無を確認した。その結果,半導体ウェハ10の切削溝90の表面近傍にデブリ923は付着していなかった。
一方,比較実験として,半導体ウェハ10を減圧下,すなわち大気中の酸素濃度が低い雰囲気においた状態で,他の条件を同一に設定して実験を行った。そして,上記と同様に,半導体ウェハ10のレーザ加工が終了した後,レーザクリーニングを行い,切削溝90付近におけるデブリ923の付着の有無を確認した。その結果,半導体ウェハ10の切削溝90の表面近傍にデブリ923が付着していた。
半導体ウェハ10を減圧下においてレーザ加工を行った場合に,半導体ウェハ10の切削溝90の表面近傍にデブリ923が付着していた原因として,実験1と同じく,形成された酸化膜91が薄いためと考えられる。つまり,大気中においてレーザ加工を行う場合と比べて,加工点のある雰囲気の酸素濃度が低いため,十分な強度を有する酸化膜91を形成するに至らない。したがって,半導体ウェハ10の表面に直接的にデブリ923が付着してしまっていたり,酸化膜91を剥がしてもデブリ923まで除去できなかったものと考えられる。
以上,実験2では,被加工物10を大気中に置いた状態で,不活性ガスのみを供給しながら切削した。この場合も,実験1と同等の効果が確認され,加工点が大気中にある状態でレーザ加工を行うことにより,レーザ加工時に十分な強度を有する酸化膜91が形成された。また,不活性ガスの作用により,半導体ウェハ10のガス化が促進される。さらに,ガスやデブリ921,923を吸引するノズル120のノズル口125に,例えばリンデン型のサイクロンの溝加工をして吸引することにより,ガスの流れを非対称にすることができ,半導体ウェハ10のガス化によって発生した蒸気を霧散できる。よって,酸化膜91の成膜率をより向上することができる。したがって,第2の実施形態にかかるレーザ加工方法を行った後,レーザクリーニングを行うと,切削溝90付近のデブリ923を好適に除去することができた。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上記実施形態では,レーザとして,YAGレーザとしたが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,He−Neレーザ,COレーザ(横型励起大気圧COレーザ等),半導体レーザ,エキシマレーザ,イオンレーザなどを用いてもよい。
また,上記実施形態では,不活性ガスとして,アブレーション反応を促進させるために六フッ化硫黄(SF)ガスを使用したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,冷却効果や流体制御が行い易くするために,アルゴン(Ar)ガスを用いることもできる。また,気体として軽く,デブリが浮き易い状態にするために,ヘリウム(He)ガスを使用することもできる。さらに,これら特性の異なるガスを混合して使用してもよい。
本発明は,レーザ光を照射することにより被加工物を切削するレーザ加工方法に適用可能である。
本発明の第1の実施形態にかかるレーザ加工装置の全体構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかるレーザ加工ヘッドの構成を示す断面図である。 内側ノズルを下から見た図である。 レーザ加工による被加工物切削後の被加工物の表面状態を表した図である。 レーザ加工による被加工物切削後の被加工物に対して,レーザクリーニングの過程を示した図である。 本発明の第2の実施形態にかかるレーザ加工装置の全体構成を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態にかかるレーザ加工ヘッドの構成を示す断面図である。
符号の説明
1 レーザ加工装置
7 ガス供給手段
8 吸引装置
10 被加工物(半導体ウェハ)
71 不活性ガスボンベ装置
72 酸素ガスボンベ装置
73 供給管
90 切削溝
91 酸化膜
100 レーザ加工ヘッド
110 レーザ光出射部
112 鏡筒
114 集光レンズ
120 ノズル
122 胴体部
124 連結部
125 ノズル口
126 テーパ部
127 先端面
128 排出口
130 ガード部材
132 ガス溜り部
134 ガード部材の端面
138 ガス供給口
154 ガス充満用空間
921,923 デブリ

Claims (3)

  1. 被加工物の加工点に向けてレーザ光を照射し,前記加工点でアブレーション反応を起こさせることによって前記被加工物を切削し,前記加工点を移動させて前記被加工物に切削溝を形成するレーザ加工方法において:
    前記被加工物の前記加工点付近に,不活性ガスと酸素ガスとを供給することによって,前記被加工物に切削溝を形成しながら,前記被加工物のレーザ入射面側の表面上において前記切削溝の両側に酸化膜を形成して,前記切削溝の形成により前記加工点から生じて飛散したデブリを前記酸化膜上に付着させた後,前記酸化膜を前記被加工物の表面から除去することを特徴とする,レーザ加工方法。
  2. 被加工物の加工点に向けてレーザ光を照射し,前記加工点でアブレーション反応を起こすことによって前記被加工物を切削し,前記加工点を移動させて前記被加工物に切削溝を形成するレーザ加工方法において:
    前記被加工物が大気中に置かれた状態で前記加工点付近に不活性ガスを供給することによって,前記被加工物に切削溝を形成しながら,前記被加工物のレーザ入射面側の表面上において前記切削溝の両側に酸化膜を形成して,前記切削溝の形成により前記加工点から生じて飛散したデブリを前記酸化膜上に付着させさせた後,前記酸化膜を前記被加工物の表面から除去することを特徴とする,レーザ加工方法。
  3. 前記不活性ガスは,前記加工点に対して非対称の流れとなるように供給されることを特徴とする,請求項1または2のいずれかに記載のレーザ加工方法。
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