JP4368287B2 - カメラ用シャッタ - Google Patents

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本発明は、カメラ用シャッタに関するものであり、特にカメラ用シャッタを薄型化・小型化するとともに、シャッタの開閉を安定化させる技術に関する。
従来、カメラ用シャッタには、その開閉機構にレバーが用いられることが多かった。このレバーにつき、二枚のシャッタ羽根(セクタ)によってシャッタ開口を開閉する機構の一例を示すと、例えば、基板に設けられた支軸に回動可能に支持されたレバーにピンを設け、このピンに基板に回動可能に支持されたシャッタ羽根(セクタ)を取り付け、レバーをアクチュエータ等で駆動することによって二枚のシャッタ羽根(セクタ)を同時に開閉する機構等がある。
一方、近年、携帯電話にカメラ機能が搭載される等、カメラはより小型化する傾向にあり、これに伴って、カメラ用シャッタの小型化も求められるところである。
しかし、前記のようなレバーはある程度の厚みを有し、その搭載のための占有スペースが比較的大きく、カメラ用シャッタの小型化の妨げとなっていた。
このような状況下、カメラのシャッタ開口を開閉する前記のようなレバーを廃止し、シャッタの薄型化を図る提案がされている(特許文献1)。
特許文献1記載のカメラ用シャッタは、第一のシャッタ羽根(セクタ)に駆動源のロータが一体的に設けられ、この第一のシャッタ羽根(セクタ)の作動に第二のシャッタ羽根(セクタ)が連動することによって、開閉作動せしめられるようにした構造により、シャッタレバーを廃止している。
このような構造により、特許文献1記載のカメラ用シャッタは、第一のシャッタ羽根(セクタ)が開放又は閉鎖作動すると、第一のシャッタ羽根(セクタ)に形成された連係ピン又はカムによって第二のシャッタ羽根(セクタ)に形成されたカム又は連係ピンが押動させられて第二のシャッタ羽根(セクタ)も連動して開放動作又は閉鎖動作をする。すなわち、連係ピンは、終始カムに沿って移動するので、連係ピンの移動により二枚のシャッタ羽根(セクタ)が同時に開放動作又は閉鎖動作を開始する。
実開平3−108209号公報
しかしながら、特許文献1記載のカメラ用シャッタは、ロータの磁極とステータとを静的安定位置に適正に合わせることが難しい問題があった。このため、セクタの停止位置に対応したロータの静的安定位置において、ロータの磁極とステータとの距離が必ずしも近づいた位置ではなく、安定してセクタを停止できないおそれがあった。
そこで本発明は、シャッタ開口の開閉を安定化させる技術を提供することを目的とする。
本発明は、かかる課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、カメラ用シャッタであって、シャッタ開口を有するシャッタ基板と、前記シャッタ開口の開閉を行う複数のセクタと、当該セクタを駆動するアクチュエータとを有し、前記複数のセクタは前記シャッタ基板に回動自在に取り付けられ、前記アクチュエータは前記セクタに一体的に設けたロータと、当該ロータの側方で前記セクタの作動領域外に設置したコイルと、当該コイルから前記ロータの周方向に伸びる複数の腕部を有するステータとを有し、前記シャッタ開口の開状態においては前記ロータが一の前記腕部に他の前記腕部よりも近接し、前記シャッタ開口の閉状態においては前記ロータが当該他の前記腕部に当該一の前記腕部よりも近接するように前記ロータが回転中心に対して偏心していることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカメラ用シャッタにおいて、前記複数のセクタは、一のセクタに設けた係合部と、当該一のセクタと連動する他のセクタに設けた前記係合部に係合する被係合部とを介して連動することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のカメラ用シャッタにおいて、前記ロータと前記セクタとは前記シャッタ基板に同軸的に支持されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のカメラ用シャッタにおいて、前記シャッタ基板には、前記ロータと前記セクタとを同軸的に支持する支軸が設けられており、前記支軸には、摺接体が設けられ、前記セクタは当該セクタの取付孔の内周壁と前記摺接体の内周壁との少なくとも一方により前記支軸に摺接支持させたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4に記載のカメラ用シャッタにおいて、前記係合部又は前記被係合部のいずれか一方が係合ピンであり、他方が係合溝であり、当該係合溝は前記係合ピンとその開閉方向に間隙をもって係合していることを特徴とする。
本発明によれば、ロータがシャッタ開口の開状態においてはステータの一の腕部に他の腕部よりも近接し、シャッタ開口の閉状態においてはロータがステータの当該他の腕部に当該一の腕部よりも近接する位置に偏心して設けられているため、シャッタ開口の開状態又は閉状態においてロータとステータとの距離が近くなり、セクタを安定して停止させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。以下の説明では、説明の都合上、二枚のセクタでシャッタ開口を開閉するものについて説明する。但し、本発明は、二枚のセクタでシャッタ開口を開閉するもののみならず、3枚以上のセクタでシャッタ開口を開閉するカメラ用シャッタも含まれる。
本発明のカメラ用シャッタ1は、図に示すように、支軸12a、12bを有する樹脂製のシャッタ基板12、連動部13によって相互に連動させてシャッタ開口9の開閉を行う第一セクタ2、第二セクタ3と、当該セクタ2、3の側方に並列設置し、当該セクタ2、3を駆動するアクチュエータ10とを有する。
第一セクタ2は、取付孔2aを備え、この取付孔2aを介して支軸12aに回動自在に取り付けられている。第二セクタ3は、取付孔3aを備え、この取付孔3aを介して支軸12bに回動自在に取り付けられている。このようにしてシャッタ基板12に取り付けられている第一セクタ2、第二セクタ3は、いずれも樹脂製で、それぞれ、図1、図2に示すような凹部2b、3bを有する鈎状をなしている。
アクチュエータ10は、マグネット(永久磁石)からなる環状のロータ4、当該ロータの側方でセクタ2,3の作動領域外に並列的に設置したコイル7、当該コイル7の両端からそれぞれロータ4側に延び、当該ロータ4を周方向から囲うように設けた二本の腕部6a、6bを備えたステータ6を有する。
本実施例のカメラ用シャッタ1では、アクチュエータ10が直接駆動するのは第一セクタ2である。このため、図6に示すように、ロータ4は、第1セクタ2の支軸12aを貫通させてロータ4の一面側4aを第一セクタ2上に接着剤等で一体的に設けられている。このため、ロータ4の回転中心の支軸は第一セクタ2の回転中心の支軸と一致している。また、ロータ4は、その他面側4bとシャッタ基板12との間に摺接体として金属製の環状平板15を介在させて支軸12aに取り付けられている。この際、ロータ4は、ロータ4自身で支軸12aに支持されていない。第一セクタ2の取付孔2aの内周壁が支軸12aに摺接支持されている。
ロータ4の回転中心の支軸12aは、ロータ4の重心(中心)位置にではなく、偏心した位置に設けられている。シャッタ開口9を開放したときは、ロータ4は反時計方向に回転して、図1に示すように、ロータ4の極(磁極部)が腕部6bに近接する状態で停止し、マグネットであるロータ4と軟磁性体である腕部6bとの間に作用する磁気力(引力)によりシャッタ開の状態が無通電で維持される。また、シャッタ開口9を閉鎖したときは、ロータ4は時計方向に60度回転して、図2に示すように、ロータ4の極が腕部6aに近接する状態で停止し、マグネットであるロータ4と軟磁性体である腕部6aとの間に作用する磁気力(引力)によりシャッタ閉の状態が無通電で維持される。
すなわち、ロータ4の支軸は、ロータ4の極が、シャッタの開状態においてステータ6の一方端に設けられている腕部6bに近接し、シャッタの閉状態においてステータ6の他方端に設けられている腕部6aに近接する位置に設けられている。
ロータ4と腕部6a、6bの間に作用する磁気力の強さはこれらの間の距離の2乗に反比例する。従って、ロータ4の支軸をその重心位置から偏心させてシャッタ開閉状態でのロータ4と腕部6a、6bとの距離を近づけることにより、シャッタの開状態もしくは閉状態を安定したものとすることができる。
連動部13は、アクチュエータ10が直接駆動する第一セクタ2に設けた係合部である係合ピン5と、第二セクタ3に設けた被係合部である係合溝14からなる。係合ピン5は、第一セクタ2と一体となって動く。係合溝14は、図3、図4に拡大して示したように、矩形の切欠き様をなし、係合ピン5の開閉方向に間隙をもって形成されており、シャッタ開口9を開放するときに係合ピン5が接触する開方向移動時接触部14aと、シャッタ開口9を閉鎖するときに係合ピン5が接触する閉方向移動時接触部14bを有している。また、開方向移動時接触部14aと閉方向移動時接触部14bとの間に移動中の係合ピン5が第二セクタ3を移動させることのない助走区間16を有している。
図1は、シャッタ開口9を完全に開放した状態の説明図であるが、図1に示す状態のとき、係合ピン5と係合溝14との位置関係は、係合ピン5が開口方向移動時接触部14aに接触している。また、第一セクタ2は、図1に示す状態のとき、凹部2bがシャッタ開口9の縁部から隙間17を空けた状態でシャッタ基板12に取り付けてある。一方、第二セクタ3は、第一セクタ2とは異なりシャッタ開口9の縁部と凹部3bとの間に隙間を空けることなく、第二セクタ3がシャッタ開口9を塞がない程度の位置に取り付けてある。
図2は、シャッタ開口9を完全に閉鎖した状態の説明図であるが、図2に示す状態のとき、係合ピン5と係合溝14との位置関係は、係合ピン5が閉方向移動時接触部14bに接触している。また、第一セクタ2、第二セクタ3は、図2に示す状態のとき、互いに重なり合った状態でシャッタ開口9を覆い、シャッタ開口9を閉鎖するように取り付けてある。
シャッタ基板12は、前記のように配置して取り付けた第一セクタ2、第二セクタ3の可動範囲を覆うような形状、寸法を有している。なお、前記のように第一のセクタ2、第二セクタ3、アクチュエータ10を取り付けたシャッタ基板12には、図5に示すようにフレキシブルプリント基板(FPC)8が取り付けられる。
以上のように構成したカメラ用シャッタ1において、ロータ4の支軸12aがロータ4の重心から偏心した位置に設けられてシャッタ開口9の開状態又は閉状態においてロータ4の極がステータ6の腕部6a、6bに近くなるように配置しているのは、マグネットのロータ4と軟磁性体の腕部6a、6bとの距離を短くして、これらに作用する磁気力を強め、これにより第1セクタ2と第2セクタ3の開閉を確実にするためである。
また、第一セクタ2、第二セクタ3を連動部13で連動させ、さらに、図に示すようにアクチュエータ10を第一セクタ2、第二セクタ3の側方に配置しているのは、構成要素を平面的に配置するためである。これにより、カメラ用シャッタ1の薄型化が図られている。
さらに、カメラ用シャッタ1の第一セクタ2の取り付けにおいて、ロータ4を支軸12aに摺接支持させずに環状平板15と第一セクタ2の取付孔2aの内周壁とを支軸12aに摺接支持するようにしたのは、ロータ4の円滑な回動運動を実現するため及びロータ4の加工精度が高くなくても組み立てに支障が出ないようにするためである。
まず、環状平板15について説明する。ロータ4は、前記のようにマグネットからなるが、マグネットは、シャッタ基板12との間の摺動性がよくない。このため、ロータ4とシャッタ基板12との間に何も介在させることなくロータ4とシャッタ基板12とを直接対向、接触させると、ロータ4の円滑な回転が実現できない。そこで、図に示すような環状平板15をロータ4とシャッタ基板12との間に介在させ、両者間の摺動性を向上させて、ロータ4の円滑な回転運動を実現している。
以上説明したように、環状平板15は、ロータ4をシャッタ基板12に直接接触させないようにし、ロータ4とシャッタ基板12との間の摺動性を向上させる摺接体として機能するものである。本実施例では、このような摺接体として金属製、環状の環状平板15を用いているが、前記機能を発揮できるものであれば、材質は問わず(例えば樹脂製)、形状も環状に限定されることなく、どのような形状であってもよい。また、環状平板15(摺接体)とロータ4とは、ロータが円滑に回動運動できれば、必ずしも固着されてなくてもよい。
但し、後に説明するように、環状平板15とロータ4とは固着されていることが望ましい場合もある。
次に、ロータ4の取り付けにおける、第一セクタ2の取付孔2aの内周壁による摺接支持について説明する。これは、第一セクタ2を軸受けとして機能させ、ロータ4の円滑、確実な回転運動を実現しようとするものである。
本実施例のカメラ用シャッタ1では、前記のようにアクチュエータ10が直接駆動するのは第一セクタ2である。このため、ロータ4は、第一セクタ2と一体化してシャッタ基板12の支軸12aに取り付けられる。このようにして支軸12aに取り付けたロータ4は、支軸12aに対して回転運動を行う。そのため、その取り付けがガタついていると、回転時にブレが生じ、円滑な回動が行えず、ひいてはシャッタ開口9の円滑な開閉動作が実現できない。
しかし、前記のようにロータ4はマグネットからなり、その加工は困難で、ガタつきのない取り付けができるような高精度な孔加工、ロータ4の内周壁面の精密な仕上げがされないことがある。
そこで、ロータ4と一体化した第一セクタ2の取付孔2aの内周壁を支軸12aに摺接支持させて軸受けとして機能させ、ロータ4の内周壁面では支持しないようにした。
すなわち、マグネットと比較して高精度の加工が可能な樹脂製の第一セクタ2に孔加工を施し、ロータ4の支軸12aへの取付精度を高め、ロータ4が円滑に回動運動できるようにした。これにより、シャッタ開口9の円滑、確実な開閉動作が可能となっている。
なお、本実施例のカメラ用シャッタ1では、第一セクタ2の取付孔2aの内周壁を支軸12aに摺接支持しているのみであるが、これに代えて、又はこれと同時に前記環状平板15の内周壁を支軸12aに摺接支持させることもできる。
ここで、環状平板15とロータ4とは、前記のようにロータ4が円滑に回動運動できれば、必ずしも固着されている必要はない。
但し、環状平板15の内周壁を支軸12aに摺接支持させてロータ4を支軸12aに取り付ける場合、特に、環状平板15だけでロータ4を支持しようとする場合には、環状平板15とロータ4とは固着され、一体化されていることが望ましい。環状平板15とロータ4とが一体化されていれば、より正確な取付精度を得られ、ロータ4の円滑な回動運動が実現できるからである。
次に、本実施例のカメラ用シャッタ1において、連動部13、第一セクタ2、第2セクタ3の配置を前記のように構成した理由について、カメラ用シャッタ1の動作を説明しつつ、説明する。
図1に示したようなシャッタ開口9を完全に開放した状態のとき、図3に示すように連動部13は係合ピン5が開方向移動時接触部14aに接触している。この状態で、コイル7に通電し、ステータ6に発生させた磁界によって図1、図2中、矢示18方向へロータ4を右旋させると、ロータ4と一体化している第一セクタ2も同様に右旋する。また、これに伴って、第一セクタ2に設けた係合ピン5が第一セクタ2と一体となって動く。
動き始めた係合ピン5は、開方向移動時接触部11aから離れ、閉方向移動時接触部11bへ向かう。このとき、係合ピン5と係合溝11とはカム機構を構成していないことから、係合ピン5は、矩形の係合溝14の内周壁に沿って移動することはなく、係合溝14の符号14cを付した部分を経由せずに、助走区間16を閉方向移動時接触部14bへ向かう。
このため、係合ピン5が助走区間16を移動している間は、係合ピン5は係合溝14に係合することはなく、いわば空走状態にある。従って、第2セクタ3は動くことはなく、第一セクタ2のみが動く。
第一セクタ2は、図1に示す状態のとき、凹部2bとシャッタ開口9の縁部との間に隙間17を有している。この隙間17は、係合ピン5が助走区間16を移動する間に第一セクタ2が移動する距離に相当する。第一セクタ2は、この隙間17を移動する間に、撮影に必要となるシャッタ開閉速度まで加速することができる。
すなわち、アクチュエータ10は、その特性上、作動直後の初期トルクがそれ程大きくなく、立ち上がり速度も速くないが、一枚のセクタ(第一セクタ2)のみを動かすのであれば、素早く第一セクタ2を加速させることができる。このため、従来のカメラ用シャッタと比較して、隙間17の距離を小さく設定できるので、カメラ用シャッタ1は、従来と比較して小型が図られる。
助走区間16を移動し、十分に加速した係合ピン5は、勢いよく閉方向移動時接触部14bへぶつかる。これにより、第二セクタ3は、瞬時に矢示18の方向へ動き始め、撮影に必要なシャッタ開閉速度まで、一気に加速することができる。すなわち、従来であれば、第二セクタ3も、シャッタ開口9の開放時に、シャッタ開口9の縁部と凹部3bとの間に隙間を設けておき、第2セクタ3を撮影に必要なシャッタ開閉速度にまで加速させる必要があったが、この隙間は不要となる。
これにより、第二セクタ3は、シャッタ開口9を塞がない程度の位置にスタンバイさせておけばよく、不要となった隙間分だけ、カメラ用シャッタ1の小型化が図られている。
隙間17を移動する間に加速してきた第一セクタ2と、加速してきた係合ピン5が勢いよくぶつかることによって瞬時に加速した第二セクタ3は、同時に重なるようにシャッタ開口9を閉鎖し、図2に示す状態となる。
次に、シャッタ開口9を開放するときの第一セクタ2、第二セクタ3の動作について説明する。シャッタ開口9を開放するときは、シャッタ開口9を閉鎖するときと逆のプロセスを辿る。
図2に示したようなシャッタ開口9を完全に閉鎖した状態のとき、連動部13は図4に示すように、係合ピン5が閉方向移動時接触部14bに接触している。この状態で、コイル7に通電し、ステータ6に発生させた磁界によって図1、図2中、矢示19方向へロータ4を左旋させると、ロータ4と一体化している第一セクタ2も同様に左旋する。また、これに伴って、第一セクタ2に設けた係合ピン5が第一セクタ2と一体となって動く。
左旋を始めた第一セクタ2は単独で動き、シャッタ開口9を開かないぎりぎりのところまで移動する間に、十分に加速する。閉方向移動時接触部14bに接触していた係合ピン5は、助走区間16を移動して開方向移動時接触部14aへ向かう。係合ピン5は、この間に、十分加速される。
その後、十分に加速した係合ピン5は、勢いよく開方向移動時接触部14aへぶつかり、第二セクタ3を一気に加速させる。第二セクタ3は、加速しながらシャッタ開口9を開かないぎりぎりのところまで移動してきている第一セクタ2と共にシャッタ開口9を開放し、図1に示す状態となる。
カメラ用シャッタ1は、以上のように動作する構成としたことにより、小型化を実現できた。この小型化のポイントは以下の如くである。
カメラ用シャッタの小型化という観点からは、シャッタ開口9の開放時に第一セクタ2と第二セクタ3の双方をシャッタ開口9を塞ぐことのないぎりぎりの位置にスタンバイさせ、最低限の距離を移動させてシャッタ開口9を閉鎖することが考えられる。
しかし、カメラ用シャッタは、撮影のためにシャッタ開口をある程度の速度で開閉することが必要である。すなわち、セクタは、シャッタ開口9を閉鎖し始めたら、ある適度の移動速度をもって素早くシャッタ開口9を閉め切ることを必要とする。一方、これとは逆に、シャッタ開口9を開放し始めたら、ある程度の移動速度をもって素早くシャッタ開口9を開ききることが必要である。
ところが、セクタを駆動するアクチュエータは、作動直後の初期トルクが小さく、立ち上がり速度も遅いという特性がある。このため、シャッタ開口9の開放時に第一セクタ2と第二セクタ3の双方をシャッタ開口9を塞ぐことのないぎりぎりの位置にスタンバイさせておいたのでは、第一セクタ2と第二セクタ3が動き始めてからシャッタ開口9を塞ぎ始めるまでに十分加速することができず、撮影には不都合であった。
これに対し、本発明では、図1に示したように一箇所の隙間17を設け、アクチュエータ10の作動直後は一枚のセクタだけを駆動して負荷を軽くして加速しやすくし、加速してある程度のエネルギを貯えた時点でそのエネルギを利用して他方のセクタを一気に駆動させ、このセクタを加速させる為の道程を不要としたものである。
また、隙間17の距離も、アクチュエータ10の作動直後は一枚のセクタだけを加速させればよいので、従来と比較しても短い距離が確保されていれば十分である。これもカメラ用シャッタ1の小型化に資するものである。
なお、上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
本発明の実施例のシャッタ開口を開放した状態の説明図である。 本発明の実施例のシャッタ開口を閉鎖した状態の説明図である。 図1における、リンク機構部を拡大した説明図である。 図2における、リンク機構部を拡大した説明図である。 本発明の実施例を図1におけるA−A線で断面とし、一部を拡大した断面説明図である。 図5におけるアクチュエータ部分を拡大した断面説明図である。
符号の説明
1 カメラ用シャッタ
2 第一セクタ
3 第二セクタ
4 ロータ
5 係合ピン(係合部)
6 ステータ 7 コイル
8 フレキシブルプリント基板(FPC)
9 シャッタ開口
10 アクチュエータ
12 シャッタ基板
13 連動部
14 係合溝(被係合部)
14a 開方向移動時接触部
14b 閉方向移動時接触部
15 環状平板
16 助走区間
17 隙間

Claims (5)

  1. シャッタ開口を有するシャッタ基板と、前記シャッタ開口の開閉を行う複数のセクタと、当該セクタを駆動するアクチュエータとを有し、
    前記複数のセクタは前記シャッタ基板に回動自在に取り付けられ、
    前記アクチュエータは前記セクタに一体的に設けたロータと、当該ロータの側方で前記セクタの作動領域外に設置したコイルと、当該コイルから前記ロータの周方向に伸びる複数の腕部を有するステータとを有し、
    前記シャッタ開口の開状態においては前記ロータが一の前記腕部に他の前記腕部よりも近接し、前記シャッタ開口の閉状態においては前記ロータが当該他の前記腕部に当該一の前記腕部よりも近接するように前記ロータが回転中心に対して偏心している
    ことを特徴とするカメラ用シャッタ。
  2. 前記複数のセクタは、一のセクタに設けた係合部と、当該一のセクタと連動する他のセクタに設けた前記係合部に係合する被係合部とを介して連動することを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用シャッタ。
  3. 前記ロータと前記セクタとは前記シャッタ基板に同軸的に支持されていることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載のカメラ用シャッタ。
  4. 前記シャッタ基板には、前記ロータと前記セクタとを同軸的に支持する支軸が設けられており、前記支軸には、摺接体が設けられ、前記セクタは当該セクタの取付孔の内周壁と前記摺接体の内周壁との少なくとも一方により前記支軸に摺接支持させたことを特徴とする請求項3に記載のカメラ用シャッタ。
  5. 前記係合部又は前記被係合部のいずれか一方が係合ピンであり、他方が係合溝であり、当該係合溝は前記係合ピンとその開閉方向に間隙をもって係合していることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項記載のカメラ用シャッタ。
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