JP4364381B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に関し、特に負の誘電率異方性を有する液晶分子が、電圧無印加時に基板表面に対してほぼ垂直に配向(ホメオトロピック配向)する液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図15(A)〜(C)は、それぞれ従来のホメオトロピック配向の液晶表示装置の黒表示状態(暗状態)、中間調表示状態、及び白表示状態(明状態)における断面図を示す。1対の基板100、101の間に、誘電率異方性が負の液晶分子102を含む液晶材料が充填されている。基板100と101の外側に、偏光板が偏光軸を相互に直交させる向きに配置されている。
【0003】
図15(A)に示すように、電圧無印加時には、液晶分子102が基板100及び101に対して垂直に配列し、暗状態となる。基板間に電圧を印加し、図15(C)に示すように液晶分子102を基板に平行に配列させると、液晶層を通過する光の偏光方向が旋回し、明状態になる。
【0004】
図15(B)に示すように、白表示状態の電圧よりも低い電圧を印加すると、液晶分子102は、基板に対して斜めに配列する。基板に垂直な方向に進む光L1により、中間色が得られる。図の右下から左上に向かう光L2に対しては、液晶層がほとんど複屈折効果を発揮しない。このため、左上から表示画面を見ると、黒く見える。逆に、図の左下から右上に向かう光L3に対しては、液晶層が大きな複屈折効果を発揮する。このため、右上から表示画面を見ると、白に近い色に見える。このように、通常のホメオトロピック型液晶表示装置においては、中間調表示状態のときの視角特性が悪い。
【0005】
視角特性を改善するために、1画素内を複数のドメインに分割したマルチドメイン型のものが提案されている。マルチドメイン型の液晶表示装置では、中間調表示状態におけるドメイン内の液晶分子の傾きの方向が揃い、ドメイン間で相互に異っている。図16を参照して、マルチドメイン型ホメオトロピック配向(マルチドメインバーチカリアライメント型(MVA型))の液晶表示装置の構造及び動作原理の一例について説明する。
【0006】
図16は、MVA型液晶表示装置の断面図を示す。ガラス基板101の対向面上に、第1の突起パターン117が形成され、ガラス基板136の対向面上に第2の突起パターン118が形成されている。第1の突起パターン117と第2の突起パターン118とは、図16の紙面に直交する方向に延在し、図の横方向に関して互い違いに配置されている。ガラス基板101及び136の対向面上に、突起パターン117及び118を覆うように、垂直配向膜128が形成されている。
【0007】
ガラス基板101と136との間に、液晶分子130を含む液晶材料129が充填されている。液晶分子130は、負の誘電率異方性を有する。突起パターン117及び118の誘電率は、液晶材料129の誘電率よりも低い。ガラス基板101及びガラス基板136の外側に、それぞれ偏光板131及び132がクロスニコル配置されている。電圧無印加時には、液晶分子130は基板表面に対して垂直に配向するため、良好な暗状態が得られる。
【0008】
基板間に電圧を印加した状態では、破線116で示すような等電位面が現れる。突起パターン117及び118の誘電率が液晶層の誘電率よりも小さいため、突起パターン117及び118の側面近傍の等電位面116は、突起パターン内で低くなるように傾斜する。このため、突起パターン117及び118の側面近傍の液晶分子130aが、等電位面116に平行になるように傾く。その周囲の液晶分子130も、液晶分子130aの傾斜に影響を受けて同一方向に傾斜する。このため、第1の突起パターン117と第2の突起パターン118との間の液晶分子130は、その長軸(ディレクタ)が図において右上がりになるように配列する。第1の突起パターン117よりも左側の液晶分子130及び第2の突起パターン118よりも右側の液晶分子130は、その長軸が図において右下がりになるように配列する。
【0009】
このように、1画素内に、液晶分子の傾斜方向の異なるドメインが、複数個画定される。第1及び第2の突起パターン117及び118が、ドメインの境界を画定する。第1及び第2の突起パターン117及び118を、基板面内に関して相互に平行に配置することにより、2種類のドメインを形成することができる。これらの突起パターンを90°折り曲げることにより、合計4種類のドメインが形成される。1画素内に複数のドメインが形成されることにより、中間調表示状態における視角特性を改善することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図16に示した従来のMVA型液晶表示装置の突起パターン117及び118の縁近傍の液晶分子は、突起パターン117及び118の形成されていない領域においては、電圧無印加時にほぼ垂直配向する。ところが、突起パターン117及び118の縁の近傍の液晶分子は、突起パターンの斜面の影響を受け、基板面に対して傾斜する。このため、液晶層の厚さ方向に伝搬する光に対して複屈折効果が現れる。この複屈折効果により、暗状態であるべきときに僅かに光が透過し、コントラストの低下につながる。
【0011】
突起パターンの斜面近傍の領域を遮光膜で覆うことにより、暗状態時の光の漏れを防止することができる。ところが、遮光膜を配置すると明状態時にも光が遮光され、透過率が低下してしまう。
【0012】
また、図16に示した従来のMVA型液晶表示装置においては、電圧印加時に液晶分子130が傾斜するが、突起パターン117及び118から遠い領域の液晶分子の傾斜方向は直接的には定まらない。突起パターン117及び118の近傍の液晶分子130aが傾斜し、その傾斜が突起パターン117及び118から遠い領域まで順次伝搬する。このようにして、突起パターン117及び118から遠い領域の液晶分子130の傾斜方向が間接的に定まる。中間調表示状態の時には、電場の歪みが小さいため、液晶分子の傾斜の伝搬速度が遅くなる。このため、暗状態から中間調状態までの応答が遅くなる。
【0013】
また、MVA型液晶表示装置に設けられている突起パターンの近傍において、光の透過損失が発生しやすい。このため、ツイストネマチック型液晶表示装置に比べて、透過率が低下する傾向がある。液晶表示装置を据え置き用として使用する場合には、透過率の低下は大きな問題にならない。ところが、携帯機器に搭載するためには、透過率をより高めることが望まれる。
【0014】
本発明の目的は、基板の対向面上に設けられた突起パターンに起因する暗状態時の漏れ光を低減し、かつ明状態時の透過率の低下を抑制した液晶表示装置を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、MVA型液晶表示装置の応答特性を改善することである。
【0016】
本発明の他の目的は、MVA型液晶表示装置の透過率を改善することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明による液晶表示装置は、ある間隔を隔てて相互に平行に配置された第1及び第2の基板と、前記第1及び第2の基板の間に、負の誘電率異方性を有する液晶材料を充填して形成された液晶層と、前記第1及び第2の基板の対向面上にそれぞれ形成され、少なくとも一方が画素を画定する第1及び第2の電極と、前記第1の電極の対向面上に形成された突起パターンと、前記第2の基板の対向面上に形成され、前記パターンとともに、液晶分子の傾斜方向の揃ったドメインの境界の位置を規制するドメイン境界規制手段と、前記第1及び第2の基板の少なくとも一方の対向面上に形成された配向膜であって、該配向膜の表面上の液晶分子が膜面に対して垂直に配向するような配向規制力を有する配向膜と、前記第1の基板の法線方向に沿って見たとき、前記突起パターンの縁に沿うように配置された補償手段であって、前記突起パターンの縁近傍の液晶層の液晶分子が傾斜配向することに起因し、該液晶層の厚さ方向に伝搬する光に作用する複屈折効果を軽減する補償手段とを有する
【0018】
補償手段が、突起パターンの縁近傍の液晶分子の傾斜配向による複屈折効果を軽減する。このため、暗状態におけるこの部分の漏れ光を少なくすることができる。
【0019】
ある実施形態においては、前記補償手段が、前記第1の基板の非対向面上に、前記突起パターンの縁に沿って配置され、屈折率異方性を有する材料で形成された光学部材である
【0020】
ある実施形態においては、前記突起パターンが、前記突起パターンの縁近傍に位置する屈折率異方性を有する第1の部分と、中央部に位置する屈折率異方性を有しないかもしくは前記第1の部分より小さな屈折率異方性を有する第2の部分とを含み、前記第1の部分が前記補償手段を兼ねる
【0021】
ある実施形態においては、前記補償手段が、紫外線キュアラブル液晶材料によって形成されている
【0022】
ある実施形態においては、前記補償手段が、前記突起パターンの延びる方向に平行な方向を遅相軸とする屈折率異方性を有する
【0023】
ある実施形態においては、前記突起パターンがジグザグに延びており、前記第2の基板の前記液晶層側の面上に、前記突起パターンに対して平行に延びる第2突起パターンが形成されている
【0024】
ある実施形態においては、前記突起パターンが等間隔で配置された複数の第1突起パターンを含み、前記第2突起パターンが、前記複数の第1突起パターンの隣り合う2本の中央に配置されている
【0025】
【発明の実施の形態】
図1〜図4を参照して本発明の第1の実施例による液晶表示装置について説明する。
【0026】
図1は、第1の実施例によるMVA型液晶表示装置の平面図を示す。複数のゲートバスライン5が図の行方向(横方向)に延在する。相互に隣り合う2本のゲートバスライン5の間に、行方向に延在する容量バスライン8が配置されている。ゲートバスライン5と容量バスライン8を絶縁膜が覆う。この絶縁膜の上に、図の列方向(縦方向)に延在する複数のドレインバスライン7が配置されている。
【0027】
ゲートバスライン5とドレインバスライン7との交差箇所に対応して、薄膜トランジスタ(TFT)10が設けられている。TFT10のドレイン領域は、対応するドレインバスライン7に接続されている。ゲートバスライン5が、対応するTFT10のゲート電極を兼ねる。
【0028】
ドレインバスライン7とTFT10とを層間絶縁膜が覆う。2本のゲートバスライン5と2本のドレインバスライン7とに囲まれた領域内に、画素電極12が配置されている。画素電極12は、対応するTFT10のソース領域に接続されている。
【0029】
容量バスライン8から分岐した補助容量支線9が、画素電極12の縁に沿って延在している。容量バスライン8及び補助容量支線9は、画素電極12との間で補助容量を形成する。容量バスライン8の電位は任意の電位に固定されている。
【0030】
ドレインバスライン7の電位が変動すると、浮遊容量に起因する容量結合により画素電極12の電位が変動する。図1の構成では、画素電極12が補助容量を介して容量バスライン8に接続されているため、画素電極12の電位変動を低減することができる。
【0031】
TFT基板及び対向基板(一般的に対向基板側にカラーフィルタが設けられるため、対向基板をカラーフィルタ(CF)基板と呼ぶ場合がある)の対向面上に、それぞれ列方向に延在するジグザグパターンに沿ってTFT側突起パターン17及びCF側突起パターン18が形成されている。TFT側突起パターン17は行方向に等間隔で配列し、その折れ曲がり点は、ゲートバスライン5及び容量バスライン8の上に位置する。CF側突起パターン18は、TFT側突起パターン17とほぼ合同のパターンを有し、相互に隣り合う2本のTFT側突起パターン17のほぼ中央に配置されている。突起パターン17及び18の幅は約10μmである。
【0032】
液晶セルの両側に偏光板が配置される。この偏光板は、その偏光軸が突起タパーン17及び18の各直線部分と45°で交わるように、クロスニコル配置される。
【0033】
図2は、図1の一点鎖線A2−A2におけるTFT部分の断面図を示し、図3は、図1の一点鎖線A3−A3における画素電極部分の断面図を示す。TFT基板35と対向基板36とが、相互にある間隙を隔てて平行に配置されている。TFT基板35と対向基板36との間に液晶材料29が充填されている。液晶材料29の液晶分子は、負の誘電率異方性を有する。
【0034】
図2に示すように、ガラス基板1の対向面上に、ゲートバスライン5が形成されている。ゲートバスライン5は、厚さ100nmのAl膜と厚さ50nmのTi膜とをスパッタリングにより堆積した後、この2層をパターニングして形成される。Al膜とTi膜のエッチングは、BCl3とCl2との混合ガスを用いた反応性イオンエッチングにより行う。
【0035】
ゲートバスライン5を覆うように、ガラス基板1の上にゲート絶縁膜40が形成されている。ゲート絶縁膜40は、厚さ400nmのSiN膜であり、プラズマ励起型化学気相成長(PE−CVD)により形成される。
【0036】
ゲート絶縁膜40の表面上に、ゲートバスライン5を跨ぐように活性領域41が配置されている。活性領域41は、厚さ30nmのノンドープアモルファスSi膜であり、PE−CVDにより形成される。活性領域41の表面のうち、ゲートバスライン5の上方の領域をチャネル保護膜42が覆う。チャネル保護膜42は、厚さ140nmのSiN膜である。チャネル保護膜42は、図1においてTFT10のチャネル領域を覆うようにパターニングされている。
【0037】
チャネル保護膜42の形成は下記の方法で行う。まず、基板全面に形成したSiN膜の表面をフォトレジスト膜で覆う。ゲートバスライン5をフォトマスクとして用い、ガラス基板1の背面から露光することにより、レジストパターンの、図1の行方向に平行な縁を画定することができる。図1の列方向に平行な縁は、通常のフォトマスクを用いて露光することにより画定する。
【0038】
フォトレジスト膜を現像した後、緩衝フッ酸系のエッチャントを用いてエッチングすることにより、SiN膜をパターニングする。なお、フッ素系ガスを用いたRIEにより、SiN膜をパターニングしてもよい。SiN膜のパターニング後、レジストパターンを除去する。ここまでの工程でチャネル保護膜42が形成される。
【0039】
活性領域41の上面のうち、チャネル保護膜42の両側の領域上に、それぞれソース電極44及びドレイン電極46が形成されている。ソース電極44及びドレイン電極46は、共に厚さ30nmのn+型アモルファスSi膜、厚さ20nmのTi膜、厚さ75nmのAl膜、及び厚さ80nmのTi膜がこの順番に積層された積層構造を有する。ゲートバスライン5、ゲート絶縁膜40、活性領域41、ソース電極44、及びドレイン電極46によりTFT10が構成される。
【0040】
活性領域41、ソース電極44及びドレイン電極46は、一つのエッチングマスクを用いてパターニングされる。これらの膜のエッチングは、BCl3とCl2との混合ガスを用いたRIEにより行う。このとき、ゲートバスライン5の上方においては、チャネル保護膜42がエッチング停止層として働く。
【0041】
保護絶縁膜48の上に、画素電極12が形成されている。画素電極12は、厚さ70nmのインジウム錫オキサイド(ITO)膜であり、保護絶縁膜48を貫通するコンタクトホール50内を経由してソース電極44に接続されている。ITO膜の成膜は、DCマグネトロンスパッタリングにより行う。ITO膜のパターニングは、しゅう酸系のエッチャントを用いたウェットエッチングにより行う。画素電極12及び保護絶縁膜48を、配向膜28が覆う。
【0042】
次に、対向基板36の構成について説明する。ガラス基板27の対向面上に、カラーフィルタ51が形成されている。カラーフィルタ51の表面の、TFT10に対向する領域上にCr等からなる遮光膜52が形成されている。遮光膜52を覆うように、カラーフィルタ51の表面上にITOからなる共通電極54が形成されている。共通電極54の表面を配向膜28が覆う。
【0043】
図3に示す画素電極部分について説明する。ガラス基板1の表面上に容量バスライン8が形成されている。容量バスライン8は、図2に示すゲートバスライン5の形成と同一の工程で形成される。容量バスライン8を覆うように、ガラス基板1の表面上にゲート絶縁膜40及び保護絶縁膜48が形成されている。保護絶縁膜48の表面上に画素電極12が形成されている。
【0044】
画素電極12の表面上に、TFT側突起パターン17が形成されている。TFT側突起パターン17は、ポリイミド系のフォトレジストを塗布し、このレジスト膜を図1に示すようにパターニングすることにより形成される。TFT側突起パターン17及び画素電極12の表面を配向膜28が覆う。
【0045】
TFT基板35に対向するガラス基板27の対向面上に、カラーフィルタ51が形成されている。カラーフィルタ51の一部の表面上に遮光膜52が形成されている。遮光膜52を覆うように、カラーフィルタ51の表面上に共通電極54が形成されている。共通電極54の表面上に、CF側突起パターン18が形成されている。CF側突起パターン18は、TFT側突起パターン17の形成と同様の方法で形成される。CF側突起パターン18及び共通電極54の表面を配向膜28が覆う。
【0046】
画像表示を行う場合には、共通電極54に一定のコモン電圧を印加し、画素電極12に、フレームごとに極性の反転する画像信号を印加する。共通電極54に対して画素電極12が正極性の時に液晶層に印加される電圧と、負極性の時のそれとが等しければ、画素電極12が正極性の時の透過率と負極性の時の透過率とが等しくなり、安定した表示を得ることができる。
【0047】
ガラス基板1の、対向面とは反対側の表面上に、屈折率異方性を有する補償部材21が形成されている。補償部材21は、基板の法線方向に沿って見たとき、TFT側突起パターン17の縁に沿って、もしくはその斜面にほぼ重なるように配置されている。TFT側突起パターン17の縁近傍の液晶分子は、突起パターン17の斜面の影響により、基板面に対して傾斜している。この傾斜により、液晶層の厚さ方向に伝搬する光に複屈折効果を及ぼす。補償部材21は、この複屈折効果を軽減するような屈折率異方性を有する。ガラス基板27の、対向面とは反対側の表面上にも、突起パターン18に対応して同様の補償部材22が形成されている。
【0048】
暗状態のときに、突起パターン17及び18の縁近傍の液晶層の複屈折効果が、補償部材21及び22の屈折率異方性による複屈折効果により打ち消される。このため、暗状態時における突起パターン17及び18の縁近傍の漏れ光を少なくすることができる。
【0049】
斜め方向から見たときにも複屈折効果を十分補償するためには、ガラス基板1及び27をできるだけ薄くすることが好ましい。図2及び図3では、ガラス基板を用いる場合を説明したが、ガラス基板の代わりに厚さ数十μm程度の薄いフィルム基板を用いる場合に、斜め方向についても複屈折効果が十分補償されるであろう。
【0050】
次に、図4を参照して、図3に示した補償部材22の作製方法について説明する。TFT基板35側の補償部材21の作製方法も、以下に説明する方法と同様である。
【0051】
ガラス基板27の、突起パターン18が形成された面とは反対側の表面上に、ITOからなる厚さ100nmの透明電極層60を形成する。図1に示すように、突起パターン18は、局所的に、第1の方向に平行な部分と、それに直交する第2の方向に平行な部分とを含む。まず、最初に、透明電極層60の表面の全領域を、第1の方向にラビングする。
【0052】
次に、突起パターン18のうち第1の方向に平行な部分が並んでいる領域をレジストパターンでマスクする。レジストパターンで覆われていない領域を、第2の方向にラビングする。その後、レジストパターンを除去する。すなわち、局所的には、ラビング方向が突起パターン18の延在する方向と平行になる。
【0053】
紫外線キュアラブル液晶材料に、1重量%の光重合開始剤を添加したものを透明電極層60の表面上に塗布し、厚さ2.5μmの紫外線キュアラブル液晶層61を形成する。紫外線キュアラブル液晶材料として、例えば、化学式
【0054】
【化1】
CH2=CHCOO−C64−C64−C37
【0055】
で表されるモノアクリレートを用いることができる。このモノアクリレートは、室温で液晶相を示す。この液晶材料の相転移温度Tniは52℃、屈折率異方性Δnは0.160、誘電率異方性Δεは0.7である。紫外線キュアラブル液晶層61内の液晶分子は、その長軸が透明電極層60のラビング方向に平行になるように配向する。
【0056】
紫外線キュアラブル液晶層61の上に、その表面にほぼ接するように透明電極板62を配置する。透明電極層60と透明電極板62との間に、波高値60Vの矩形波電圧を印加する。電圧印加により、紫外線キュアラブル液晶層61内の液晶分子がチルトする。チルト角は印加電圧に依存する。
【0057】
電圧を印加した状態で、フォトマスク63を介して紫外線キュアラブル液晶層61に紫外線を照射する。フォトマスク63の表面のうち、突起パターン18の斜面に対応する領域以外の領域に遮光パターンが形成されている。照射する紫外線の強度は、例えば0.8mW/cm2である。
【0058】
紫外線の照射により、紫外線キュアラブル液晶層61のうち突起パターン18の斜面に対応する部分において重合反応が生ずる。その後、基板を洗浄し、重合していない紫外線キュアラブル液晶材料を除去する。このようにして、図3に示した補償部材22が形成される。
【0059】
上記条件で形成した補償部材22は、突起パターン18に平行な方向を遅相軸とする屈折率異方性を有する。そのリタデーションは約10nmである。透明電極層60と透明電極板62との間に印加する電圧を変えることにより、補償部材22の屈折率異方性Δnを変えることができる。
【0060】
次に、図5及び図6を参照して、第2の実施例による液晶表示装置について説明する。第2の実施例による液晶表示装置では、第1の実施例の図3に示された補償部材21及び22が設けられていない。液晶層の複屈折効果は、突起パターン自体の有する屈折率異方性により補償される。その他の構成は、第1の実施例による液晶表示装置の構成と同様である。
【0061】
図5は、第2の実施例による液晶表示装置の突起パターン18の近傍の断面図を示す。なお、TFT基板35側の突起パターンも、図5に示した突起パターン18と同様の構成である。
【0062】
突起パターン18は、その縁近傍の縁端部18aと、両側の縁端部18aの間の内奥部18bとに区分される。縁端部18aは屈折率異方性を有し、内奥部18bはほとんど屈折率異方性を有さない。縁端部18aが有する屈折率異方性による複屈折効果により、その近傍の傾斜した液晶分子29aに起因する複屈折効果が補償される。
【0063】
図6を参照して、第2の実施例による液晶表示装置の突起パターンの作製方法について説明する。共通電極54の表面を、突起パターンと平行な方向にラビングする。共通電極54の表面上に、厚さ1.5μmの紫外線キュアラブル液晶層65を形成する。紫外線キュアラブル液晶層65は、第1の実施例の図4に示した紫外線キュアラブル液晶層61と同様の材料で形成される。
【0064】
紫外線キュアラブル液晶層65の表面にほぼ接するように、電極板66を配置する。電極板66には、突起パターンの内奥部18bとなるべき領域に対応した透明電極パターン67、及び透明電極パターン67の両側に配置された他の透明電極パターン68が設けられている。
【0065】
共通電極54と透明電極パターン67との間に、矩形波電圧e1が印加され、共通電極54と透明電極パターン68との間に、矩形波電圧e2が印加される。電圧e1は、電圧e2よりも高い。紫外線キュアラブル液晶層65の内奥部18bとなるべき領域に、厚さ方向の大きな電界が発生する。このため、この部分の液晶分子が、基板面に対してほぼ垂直に配向する。縁端部18aとなるべき領域には、比較的小さな電界しか発生しないため、この部分の液晶分子は基板面に対して傾斜する。
【0066】
この状態で、フォトマスク69を介して、紫外線キュアラブル液晶層65のうち突起パターンを形成すべき領域に紫外線70を照射する。紫外線の照射により、紫外線キュアラブル液晶層65の突起パターンを形成すべき領域内で重合反応が生ずる。紫外線の照射後、基板を洗浄し、重合の生じていない紫外線キュアラブル液晶材料を除去する。このようにして、図5に示す突起パターン18が形成される。
【0067】
TFT基板35側の突起パターン17も、同様の方法で作製される。なお、TFT基板35には、画素ごとに分離された画素電極が形成されている。このため、すべてのTFTを導通状態としておき、ドレインバスラインと電極板66との間に矩形波電圧を印加する。TFTが導通状態とされているため、全ての画素電極に矩形波電圧が印加され、紫外線キュアラブル液晶層内に電界が発生する。
【0068】
次に、図7を参照して、第3の実施例による液晶表示装置について説明する。第1の実施例においては、図3に示すように、突起パターン17及び18の双方とも誘電体材料で形成されていたが、第3の実施例では、一方の突起パターンの表面が導電性材料で形成されている。その他の構成は、第1の実施例の場合と同様である。なお、図3に示す補償部材21及び22は、必要に応じて配置すればよい。
【0069】
図7(A)は、第3の実施例による液晶表示装置の概略部分断面図を示す。TFT基板35の画素電極12の上に、TFT側突起パターン17が形成されている。TFT基板35側の垂直配向膜28が、突起パターン17及び画素電極12を覆う。対向基板36側のカラーフィルタ51の表面上に、誘電体材料からなる突起パターン18aが形成されている。
【0070】
共通電極54Aが、カラーフィルタ51及び誘電体突起パターン18aを覆う。誘電体突起パターン18aと、共通電極54Aのうち誘電体突起パターン18aを覆う部分18bとがCF側突起パターン18を構成する。対向基板36側の配向膜28が、共通電極54Aを覆う。
【0071】
図7(B)は、電圧印加時の液晶分子の傾斜方向を示すための液晶層の平面図である。画素電極12と共通電極54Aとの間に所定の電圧を印加すると、液晶層29内の液晶分子が傾斜する。突起パターン17の斜面近傍の液晶分子29aは、画素電極12から遠い方の端部が突起パターン17の中心から遠ざかる向きに傾斜する。
【0072】
突起パターン18の表面は導電性材料で形成されているため、電界が突起パターン18の表面に集中し、突起パターン18の表面に沿った等電位面が発生する。このため、突起パターン18の表面近傍の液晶分子は、突起パターン18の表面に平行になる向きに倒れる。突起パターン18の頂上近傍の液晶分子29bは、突起パターン18の両脇の液晶分子から均等な影響を受ける。このため、液晶分子29bは、突起パターン18の延在する方向に向かって傾斜する。
【0073】
突起パターン17と18との間の領域の液晶分子は、液晶分子29aと29bとの傾斜方向の中間の向きに傾斜する。すなわち、液晶分子が、基板面内方向に関してベンド配列的に配列する。
【0074】
図16に示したように、TFT基板35と対向基板36との外側に、偏光板がクロスニコル配置されている。偏光板の偏光軸30は、図7(B)の突起パターン17及び18の延在する方向と45°で交わる。液晶分子が偏光板の偏光軸30と平行な方向に傾斜している領域を、液晶層の厚さ方向に伝搬する光は、偏光軸を旋回させない。このため、液晶分子が偏光軸と45°で交わる方向に傾斜している領域は暗くなり、突起パターン17と18との間に黒い線が現れる。
【0075】
第3の実施例の液晶表示装置の、暗状態から1/4中間調状態になり、再度暗状態に戻るまでの応答時間を測定したところ、図16に示した従来のMVA型液晶表示装置の応答時間よりも25%短かった。これは、電圧印加時に液晶分子が基板面内でベンド配列するため、傾斜方向がより早く確定するためと考えられる。
【0076】
第3の実施例においては、図7(B)に示す液晶分子29bの傾斜方向が導電性突起パターン18の長さ方向と平行になるが、図の上向きか下向きかは決定しない。このため、傾斜方向が180°異なる2つのドメインが発生する場合がある。ドメイン境界の位置が固定されないと、表示品質が低下する。ドメイン境界の位置のばらつきに起因する表示品質の低下を防止するために、一方の基板の対向面上に、突起パターン17及び18と交差するもう一つの誘電体突起パターンを設けてもよい。交差する誘電体突起パターンの両側の液晶分子は、相互に180°異なる方向に倒れる傾向を有するため、ドメイン境界が、突起パターン17及び18と交差する突起パターンの位置に固定される。
【0077】
上記第3の実施例では、突起パターンの一方を導電性の突起パターンとしたが、導電性突起パターンの代わりに、対向面上に、液晶層の誘電率よりも小さな誘電率を有する誘電体膜を形成し、その表面に窪みパターンを形成してもよい。この場合、基板間に電圧を印加したとき、導電性突起パターンが形成されている場合と同様の分布の電界が発生する。このため、導電性突起パターンを設けた場合と同様の液晶分子配列が得られる。
【0078】
また、第3の実施例では、ドメインの境界を規制するために、基板の対向面上に誘電体材料からなる突起パターンを形成したが、この突起パターンを形成する代わりに、画素電極にスリットを形成してもよい。画素電極にスリットを設けた場合のスリット近傍の電界分布は、誘電体突起を設けた場合の電界分布に近似する。このため、画素電極にスリットを形成しても、誘電体突起パターンを形成した場合と同様の液晶分子の配向を実現することができる。
【0079】
次に、図8を参照して、第4の実施例による液晶表示装置について説明する。図8は、第4の実施例による液晶表示装置の概略部分断面図を示す。TFT基板35の構成は、図7に示した第3の実施例のTFT基板35の構成と同様である。
【0080】
対向基板36のカラーフィルタ51の表面上に共通電極54が形成されている。垂直配向膜28Bが、共通電極54Bの表面を覆う。垂直配向膜28Bのうち、図7(A)の導電性突起パターン18に対応する領域28aの配向規制力が破壊されるか、または弱められている。以下、配向規制力が破壊されるかもしくは弱められた領域を、非配向規制領域と呼ぶ。非配向規制領域は、例えば垂直配向膜に紫外線や赤外レーザ等のエネルギビームを選択的に照射することにより形成することができる。
【0081】
電圧無印加時に、配向膜28B内のの非配向規制領域28a以外の領域上の液晶分子は、基板面に対してほぼ垂直に配向する。非配向規制領域28aに接する液晶分子は、垂直に配向する力が弱いため、基板面に対してやや傾斜する。非配向規制領域28aのほぼ中央の液晶分子は、その両脇の液晶分子の影響を受けるため、液晶分子の傾斜方向は、非配向規制領域28aの長さ方向に平行になると思われる。
【0082】
基板間に電圧を印加すると、非配向規制領域28a上の液晶分子は、非配向規制領域28aの長さ方向に、より大きく傾く。このため、非配向規制領域28aは、図7(A)に示した導電性突起パターン18と同様の効果を奏する。
【0083】
次に、図9を参照して、第5の実施例による液晶表示装置について説明する。
【0084】
図9(A)は、第5の実施例による液晶表示装置の部分断面図を示す。第3の実施例では、図7に示したようにTFT側の突起パターン17と、CF側の導電性突起パターン18とが、基板面内に関して交互に配置されていた。第5の実施例では、基板法線方向に沿って見たとき、TFT側突起パターン17とCF側突起パターン18とが重なる。
【0085】
図9(B)は、電圧印加時の液晶分子の傾斜方向を示すための液晶層の平面図である。画素電極12と共通電極54Aとの間に所定の電圧を印加すると、液晶層29内の液晶分子が傾斜する。突起パターン17の斜面近傍の液晶分子29cは、画素電極12から遠い方の端部が突起パターン17の中心から離れる向きに傾斜する。突起パターン18の頂上近傍の液晶分子29dは、突起パターン18の延在する方向に傾斜する。突起パターン17及び18の中央と縁との間の領域にある液晶分子は、液晶分子29cの傾斜方向と液晶分子29dの傾斜方向との中間の方向に倒れる。すなわち、突起パターン17及び18の近傍において、液晶分子がスプレイ配列する。
【0086】
このように、導電性突起パターン18が、誘電性突起パターン17と重なるように配置されているため、突起パターンの頂上のほぼ中央部の液晶分子の傾斜方向が、突起パターン17及び18の延在する方向に拘束される。このため、導電性突起パターン18が設けられていない場合に比べて、電圧印加時の液晶分子の配向変化が、より迅速になると考えられる。
【0087】
また、TFT側突起パターン17とCF側突起パターン18とが重なっていることにより、2つの突起間に比較的大きな電界が発生する。このため、液晶分子の配向変化が迅速に行われ、応答特性が向上すると考えられる。
【0088】
次に、図10及び図11を参照して、第6の実施例による液晶表示装置について説明する。
【0089】
図10は、第6の実施例による液晶表示装置の断面図を示す。TFT基板側の配向膜28Cの一部に、非配向規制領域28aが形成され、対向基板36の共通電極54の表面上に、誘電体突起パターン18が形成されている。基板法線方向に沿って見たとき、非配向規制領域28aと誘電体突起パターン18とが重なる。
【0090】
図11は、第6の実施例による液晶表示装置の平面図を示す。ゲートバスライン5、ドレインバスライン7、TFT10、及び画素電極12の構成は、図1に示した第1の実施例による液晶表示装置の構成と同様である。なお、図11では、図1に示されていた容量バスライン8の記載が省略されている。図11の一点鎖線A10−A10における断面図が図10に相当する。CF側誘電体突起パターン18及び非配向規制領域28aが、画素電極12のほぼ中央を、ドレインバスライン7に平行な方向に縦断している。
【0091】
画素電極12と共通電極54との間に電圧を印加すると、誘電体突起パターン18の斜面近傍の液晶分子29eは、対向基板36から遠い方の端部が、誘電体突起パターン18の中央から遠ざかる向きに傾斜する。非配向規制領域28aの中心部近傍の液晶分子29fは、非配向規制領域28aの長さ方向(図11において縦方向)に傾斜する。従って、図9に示した第5の実施例の場合と同様に、液晶分子がスプレイ配向する。このため、非配向規制領域28aが設けられていない場合に比べて、電圧印加時の液晶分子の配向変化が、より迅速になると考えられる。
【0092】
画素電極12の縁近傍にある液晶分子29gは、電界の乱れにより、縁と直交する方向に、かつ画素電極12の内側に向かって傾斜する。画素電極12の縦方向の縁と、誘電体突起パターン18との間の液晶分子は、液晶分子29fの傾斜方向と液晶分子29gの傾斜方向との中間の方向に傾斜する。
【0093】
図11において、画素電極12の上側及び下側の縁近傍の液晶分子は、画素電極12の内側に向かって倒れる。このため、突起パターン18の中央の液晶分子29fの傾斜方向は図の縦方向に規定されるが、その向きは相互に反対である。これにより、画素の内部に、ドメイン境界が発生する。図10のTFT基板35の配向膜28Cと画素電極12との間に、非配向規制領域28aと直交する向きの誘電体突起パターンを配置することにより、ドメイン境界を、この誘電体突起パターンの位置に固定させることができる。
【0094】
次に、図12を参照して、第7の実施例による液晶表示装置について説明する。
【0095】
図12は、第7の実施例による液晶表示装置の平面図を示す。ゲートバスライン5、ドレインバスライン7、TFT10、及び画素電極12の構成は、図1に示した第1の実施例による液晶表示装置の構成と同様である。なお、図11では、図1に示されていた容量バスライン8の記載が省略されている。TFT基板もしくは対向基板の配向膜の一部に、非配向規制領域28bが形成されている。なお、いずれの基板にも、ドメイン境界を規定する突起パターンは形成されていない。
【0096】
画素電極12の形状は、TFT10の形状に整合した切り欠きを有するが、基本的には長方形で近似できる。非配向規制領域28bは、この長方形の頂点の各々から、画素内に向かって延びている。各頂点から延びた非配向規制領域28bは、画素の内部で相互に連結されている。
【0097】
画素電極12の一つの頂点で交わる2つの辺の近傍の液晶分子の傾斜方向は平行ではない。このため、2つの辺の間にドメイン境界が発生する。第7の実施例では、頂点から画素内に向かって非配向規制領域28bが延びているため、非配向規制領域28bがドメイン境界になる。すなわち、画素電極12の一つの辺と非配向規制領域28bとにより、ひとつのドメインが画定される。
【0098】
第7の実施例では、突起パターンを用いることなく、非配向規制領域によってドメイン境界の位置を拘束している。このため、突起パターンに起因する光透過率の低下を防止することができる。
【0099】
次に、図13を参照して、第8の実施例による液晶表示装置について説明する。
【0100】
図13(A)及び(B)は、液晶表示装置の1画素内のある局所的な部分の平面図を示す。垂直配向膜の配向規制力が破壊されるかもしくは弱められた2本の非配向規制領域28cが、相互に平行に配置されている。電圧無印加時には、図13(A)に示すように、2本の非配向規制領域28cの間に位置する液晶分子29iが、基板面に対してほぼ垂直に配向する。
【0101】
非配向規制領域28cの内側の液晶分子29hは、この領域の垂直配向規制力が弱いため、垂直方向からやや傾斜する。その傾斜方向は、非配向規制領域28cの長さ方向に一致する。これは、非配向規制領域28cの両側の液晶分子から均等な影響を受けることにより、両側のいずれの方向にも偏らないためと考えられる。従って、両側の液晶分子からの影響が弱まれば、非配向規制領域28cの内側の液晶分子の傾斜方向はランダムになるであろう。非配向規制領域28cによって液晶分子の傾斜方向を拘束するためには、その幅を、ある上限値よりも細くする必要がある。発明者らの実験によると、非配向規制領域28cの幅が5μmのとき、その内側の液晶分子は、非配向規制領域28cn長さ方向に傾斜した。
【0102】
図13(B)は、電圧印加時の液晶分子の配向状態を示す。非配向規制領域28cの内側の液晶分子29hは、電圧無印加時における傾斜方向により大きく傾斜する。2本の非配向規制領域28cの間の液晶分子29iは、液晶分子29hの傾斜に影響を受け、非配向規制領域28cの長さ方向と平行な方向に傾斜する。
【0103】
このように、非配向規制領域28cを設けることにより、突起パターンを設けなくても、液晶分子の傾斜方向を拘束することが可能になる。突起パターンが設けられていないため、突起パターンに起因する光透過率の低下を防止することができる。
【0104】
配向膜としてJSR社製のJALS−684、液晶材料としてメルク社製のMJ961213Rを用い、非配向規制領域28cの幅を5μm、間隔を35μm、セル厚を4.25μmとした液晶セルを作製した。偏光板を、その偏光軸方向が、非配向規制領域28cの長さ方向と45°で交わるようにクロスニコル配置した。この液晶表示装置の透過率を測定したところ、25%以上の最大透過率が確認された。なお、非配向規制領域28cを形成するために照射した紫外線の強度は、4000mJ/cm2である。
【0105】
次に、図14を参照して、第9の実施例による液晶表示装置について説明する。
【0106】
図14は、第9の実施例による液晶表示装置の明状態における液晶分子の配向状態を示す平面図である。第9の実施例による液晶表示装置は、液晶層内にカイラル剤が添加されている点で、第8の実施例による液晶表示装置と異なる。その他の構成は、第8の実施例による液晶表示装置の構成と同様である。カイラル剤として、チッソ社製のCM31を用い、液晶材料に対するカイラル剤の濃度を4.8重量%とした。
【0107】
第9の実施例による液晶表示装置の明状態を観察したところ、非配向規制領域28cの中央部を光が透過し、隣り合う2本の非配向規制領域28cの間に4本の暗い線が現れていることがわかった。液晶分子の傾斜方向が偏光板の偏光軸に平行な領域は複屈折性を示さないため、電圧印加時にも暗い領域になる。4本の暗い線が現れるのは、一つの非配向規制領域28cから隣の非配向規制領域28cに変位するに従って、液晶分子の長軸方向が捩れているためと考えられる。また、非配向規制領域28cの中央部においては、液晶分子は非配向規制領域28cの長さ方向に傾斜していると思われる。捩れの角度は、暗い線の本数が4本であることから、相互に隣り合う非配向規制領域28cの間で360°であると考えられる。
【0108】
第9の実施例においては、明状態においても暗い線が現れるため、従来のものに比べて透過率の点で改善は見られないが、カイラル剤により液晶分子の傾斜方向が決定されるため、暗状態から中間調状態への応答速度が速くなると期待される。
【0109】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、MVA型液晶表示装置の突起パターンの縁近傍の液晶分子の傾斜に起因する液晶層の複屈折効果を軽減し、暗状態時の光漏れを防止することができる。また、電圧印加時に、基板面内方向に関して液晶分子がベンド配列するように、突起パターンもしくはスリットを設けることにより、応答特性を向上させることができる。
【0111】
垂直配向膜の一部の領域の配向規制力を破壊するかもしくは弱めることにより、電圧印加時の液晶分子の傾斜方向を拘束することができる。突起パターンを配置することなく傾斜方向を拘束することができるため、突起パターンに起因する透過率の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例によるMVA型液晶表示装置の平面図である。
【図2】第1の実施例によるMVA型液晶表示装置のTFT部分の断面図である。
【図3】第1の実施例によるMVA型液晶表示装置の画素電極部分の断面図である。
【図4】第1の実施例によるMVA型液晶表示装置の製造方法を説明するための基板及びマスクの断面図である。
【図5】第2の実施例によるMVA型液晶表示装置の突起パターンの断面図である。
【図6】第2の実施例によるMVA型液晶表示装置の製造方法を説明するための基板及びマスクの断面図である。
【図7】第3の実施例による液晶表示装置の断面図及び平面図である。
【図8】第4の実施例による液晶表示装置の断面図である。
【図9】第5の実施例による液晶表示装置の断面図及び平面図である。
【図10】第6の実施例による液晶表示装置の断面図である。
【図11】第6の実施例による液晶表示装置の平面図である。
【図12】第7の実施例による液晶表示装置の平面図である。
【図13】第8の実施例による液晶表示装置の液晶分子の配列状態を説明するための平面図である。
【図14】第9の実施例による液晶表示装置の液晶分子の配列状態を説明するための平面図である。
【図15】従来の垂直配向型液晶表示装置の動作原理を説明するための概略断面図である。
【図16】従来のMVA型液晶表示装置の断面図である。
【符号の説明】
1、27 ガラス基板
5 ゲートバスライン
7 ドレインバスライン
8 容量バスライン
9 補助容量支線
10 TFT
12 画素電極
17、18 突起パターン
22 補償部材
28 配向膜
28a〜28c 非配向規制領域
29 液晶材料
29a〜29i 液晶分子
30 偏光軸
35 TFT基板
36 対向基板
40 ゲート絶縁膜
41 活性領域
44 ソース電極
46 ドレイン電極
48 保護絶縁膜
51 カラーフィルタ
54 共通電極
60 透明電極層
61、65 紫外線キュアラブル液晶層
62 透明電極板
63、69 フォトマスク
64、70 紫外線
66 電極板
67、68 透明電極パターン

Claims (7)

  1. ある間隔を隔てて相互に平行に配置された第1及び第2の基板と、
    前記第1及び第2の基板の間に、負の誘電率異方性を有する液晶材料を充填して形成された液晶層と、
    前記第1及び第2の基板の対向面上にそれぞれ形成され、少なくとも一方が画素を画定する第1及び第2の電極と、
    前記第1の電極の対向面上に形成された突起パターンと、
    前記第2の基板の対向面上に形成され、前記突起パターンとともに、液晶分子の傾斜方向の揃ったドメインの境界の位置を規制するドメイン境界規制手段と、
    前記第1及び第2の基板の少なくとも一方の対向面上に形成された配向膜であって、該配向膜の表面上の液晶分子が膜面に対して垂直に配向するような配向規制力を有する配向膜と、
    前記第1の基板の法線方向に沿って見たとき、前記突起パターンの縁に沿うように配置された補償手段であって、前記突起パターンの縁近傍の液晶層の液晶分子が傾斜配向することに起因し、該液晶層の厚さ方向に伝搬する光に作用する複屈折効果を軽減する補償手段と
    を有する液晶表示装置。
  2. 前記補償手段が、前記第1の基板の非対向面上に、前記突起パターンの縁に沿って配置され、屈折率異方性を有する材料で形成された光学部材である請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記突起パターンが、前記突起パターンの縁近傍に位置する屈折率異方性を有する第1の部分と、中央部に位置する屈折率異方性を有しないかもしくは前記第1の部分より小さな屈折率異方性を有する第2の部分とを含み、前記第1の部分が前記補償手段を兼ねる請求項1に記載の液晶表示装置。
  4. 前記補償手段が、紫外線キュアラブル液晶材料によって形成されている、請求項1から3のいずれかに記載の液晶表示装置。
  5. 前記補償手段が、前記突起パターンの延びる方向に平行な方向を遅相軸とする屈折率異方性を有する、請求項1から3のいずれかに記載の液晶表示装置。
  6. 前記突起パターンがジグザグに延びており、
    前記第2の基板の前記液晶層側の面上に、前記突起パターンに対して平行に延びる第2突起パターンが形成されている、請求項1から5のいずれかに記載の液晶表示装置。
  7. 前記突起パターンが等間隔で配置された複数の第1突起パターンを含み、
    前記第2突起パターンが、前記複数の第1突起パターンの隣り合う2本の中央に配置されている、請求項6に記載の液晶表示装置。
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