JP4363827B2 - 不純物拡散方法、半導体装置、および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ照射による共鳴吸収を利用した不純物の拡散と、このような拡散現象を利用した半導体装置およびその製造方法に関する。特に、同位体酸素(18O)の不純物拡散領域を有する半導体装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造プロセスにおいて、pn接合の形成や不純物のドーピングなど、多様な側面で熱拡散が利用されている。熱拡散は、固体結晶中で不純物原子が熱平衡状態に近づこうとして、濃度の高い領域から低い領域へ移動する現象である。拡散原子は熱的に活性化されて、エネルギー障壁を飛び越えて移動するため、一般に高温であるほど拡散が促進される。
【0003】
熱拡散プロセスは通常の酸化プロセスと同じ酸化炉が用いられることが多い。半導体デバイスでは不純物の分布が素子特性に影響するため、不純物拡散におけるドーピング濃度やプロファイルの制御はきわめて重要である。従来の熱拡散技術では、温度と時間という2つのパラメータを調節することによって、不純物の拡散が制御されている。
【0004】
半導体デバイスの製造プロセスには多数の不純物拡散工程が含まれており、用いる不純物の種類も多様である。熱処理の温度および時間を制御するとはいえ、一括して炉内で熱処理を行うため、最初に形成された不純物拡散領域の形状(不純物濃度分布)が、後の不純物拡散工程の熱処理の際に変化してしまうという問題が必ずつきまとう。この問題を解決するために、現状では、後の拡散工程が、先の拡散工程によって形成された拡散領域の不純物濃度分布をなるべく乱さないように拡散条件を設定するか、あるいは、そのような乱れをあらかじめ考慮にいれてすべての拡散工程の条件を設定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、デバイス構造が著しく微細化し、複雑化してゆく現状では、多種多様の微細な不純物拡散領域を、それぞれのドーパントの種類に応じて精度よく形成することが極めて困難になってきている。この問題は、従来の不純物拡散技術が、拡散熱処理の温度と時間という2つのパラメータだけで制御されていることにも起因する。ウエハ中の特定の不純物を拡散させるため、所定の温度条件と処理時間に設定された熱処理を施すと、ウエハ全体が加熱されることになる。ウエハ中に含まれている別の種類の不純物も活性化されて、基板中の拡散のポテンシャル障壁を越えて拡散する。
【0006】
このような理由で、デバイス構造の微細化に応じて、より急峻なプロファイルで不純物領域を形成することが困難になり、半導体デバイスの動作の信頼性にも影響する。
【0007】
一方、比較的低温で、制御性よく均一に不純物を導入する方法としてイオン注入法が広く採用されているが、イオン注入では、エネルギー粒子の衝突により、結晶内に結晶欠陥などの損傷が生じる。また、注入されたエネルギーイオンが単結晶に沿って予想の数倍以上も深く進入するチャネリングの問題も生じる。この点で、熱拡散のほうが急峻な接合を実現できる可能性があり、現在でも拡散方法について様々な試みがなされている。
【0008】
そこで、本発明では、ターゲットとする不純物元素のみを制御性よく拡散させることのできる新規な不純物拡散方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、一括した熱処理による複数種類の不純物の拡散を防止し、所定の不純物のみを拡散させて不純物拡散領域を形成する半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
さらに、急峻なプロファイルを有する所望の不純物拡散領域を有する半導体装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では特定波長の光の照射による特定原子の共鳴吸収を利用して、他の不純物原子にほとんど影響することなく、特定原子のみを単独で拡散させる。特に、赤外レーザを照射しつつ、低温熱処理を施すことによって、ターゲットとする不純物を効率よく所望の深さまで拡散させることを可能にする。
【0012】
一般に、結晶中の不純物元素は、その不純物ごとに固有の振動数νimpをもって振動している。その固有振動数は、不純物が集まっているところに強く局在しているため、固有振動数νimpと同じ、もしくはきわめて近い周波数νirの赤外光を照射すると、非常に鋭い共鳴吸収を起こし、不純物モードが励起される。結果として、照射光の波長に対応する不純物原子の振動だけが大きなエネルギーを得て、容易に結晶格子のポテンシャル障壁を飛び越えて拡散する。本発明はこのような原理を、不純物の拡散と、不純物拡散を用いる半導体装置の製造に適用する。
【0013】
本発明の第1の側面では、不純物拡散方法は、
(a)基板中に所定の不純物元素を導入する工程と、
(b)この不純物元素の固有振動数に共鳴する波数の光で、基板上の所定の箇所を照射し、所定の不純物元素を励起して基板中に拡散させる工程と
を含む。
【0014】
この方法によれば、基板を一括して高温熱処理する必要がなく、ターゲットとする不純物だけを拡散させることができる。また、照射工程において、基板を低温熱処理しながら固有振動数に共鳴する波数の光で照射すると、基板中に含まれるその他の不純物元素の拡散を引き起こすことなく、ターゲット元素の拡散速度を高めることができる。
【0015】
さらに、照射工程において細く絞った光線、たとえばビーム径が10mm以下の光線を用いると、深さ方向への不純物の拡散を精度よく制御できる。
【0016】
本発明の第2の側面では、半導体装置の製造方法は、
(a)半導体基板に所定の不純物元素を導入する工程と、
(b)導入した不純物元素の固有振動数に共鳴する波数の光で、基板上の所定の箇所を照射して不純物元素を拡散させ、不純物拡散領域を形成する工程と
(c)半導体基板上に半導体素子を形成する工程と
を含む。
【0017】
不純物元素は、たとえば同位体酸素(18O)であり、この場合は、波数が1085±10cm-1のレーザ光を照射して同位体酸素(18O)を拡散させる。この波数帯域の光を実現する手段として、たとえば炭酸ガスレーザを使用する。
【0018】
同位体酸素(18O)の拡散により形成される不純物拡散領域は、素子分離領域、あるいは、ゲッタリングサイトである。
【0019】
このような半導体装置の製造方法により、他の不純物元素の拡散を引き起こすことなく、所望の位置、深さにターゲットとする元素の不純物拡散領域を形成することが可能になる。
【0020】
本発明の第3の側面では、半導体装置は、半導体基板と、半導体基板中に位置する同位体酸素(18O)の不純物拡散領域と、半導体基板上に形成された半導体素子とを備える。不純物拡散領域における同位体酸素(18O)濃度は1×1015個/cm3〜2×1018個/cm3である。
【0021】
本発明のその他の特徴、効果は、図面を参照した以下の詳細な説明でいっそう明確になる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、共鳴吸収による不純物拡散の測定結果を示すグラフである。
【0023】
上述したように、結晶中の不純物元素は、その不純物ごとに固有の振動数νimpで振動している。この固有振動数νimpにほぼ等しい周波数νirの光を照射すると、鋭い共鳴吸収を起こしてこの特定不純物が励起され、結晶中の拡散ポテンシャル障壁を超えて拡散する。
【0024】
たとえば、シリコン結晶中の同位体酸素(18O)は、炭酸ガスレーザの周波数(波数で表わすと1085cm-1)にちょうど共鳴する固有振動数をもって固有振動している。そこでまず、18O酸化膜を、たとえば通常の酸化膜形成工程によりシリコン基板上に形成することにより、同位体酸素(18O)をシリコン基板に導入してサンプルを作成した。そして、ビーム直径が8mm、1時間あたりの照射エネルギーが3.6×104 Jの炭酸ガスレーザを使用し、シリコン基板の所定の箇所を、連続発振照射で4時間、垂直照射して、同位体酸素(18O)をシリコン基板内に拡散させた。このとき、共鳴吸収による拡散を促進するために炭酸ガスレーザで照射しながら、シリコン基板をアルゴンガス雰囲気中で1150℃で熱処理した。その後、60℃/分の冷却速度で基板を冷却した。
【0025】
図1のグラフは、同位体酸素(18O)導入直後の同位体酸素の深さ分布と、炭酸ガスレーザによる照射後の照射部と非照射部における深さ分布を、SIMS(2次イオン質量分析)により測定した結果を示す。
【0026】
同位体酸素(18O)導入直後は、基板表面に同位体酸素(不純物)が集中し、深くなるにつれてその数が減少している。このような基板の一定領域を低温熱処理を行いながら炭酸ガスレーザで照射し、冷却後にカウント数を測定したところ、レーザ照射部では、不純物プロファイルが基板表面から深さ方向にむけてほぼ均一に広がっていることがわかった。一方、非照射部分でも、共鳴吸収による拡散を促進するためにレーザ照射と並行して行われた熱処理により、同位体酸素がある程度拡散するものの、深さ方向への分布形状は不均一である。表面から30μmで、照射部分と非照射部分の同位体酸素(18O)濃度を比較したところ、その濃度差は0.7×1017個/cm3であった。
【0027】
図1のグラフは、測定効率を上げるためにレーザ照射と熱処理とを組み合わせているが、さらに低温の処理であっても、レーザ光の共鳴吸収により不純物は均一に拡散する。たとえば、一般に900℃以下になると不純物の熱拡散は起こりにくいが、このような低温プロセスであっても、不純物をその固有振動数に一致する波長の光で照射することにより、不純物を制御性よく拡散させることができる。
【0028】
低温熱処理はアルゴンガス雰囲気中で行うことに限定されず、酸素や窒素の不活性ガス雰囲気中で行ってもよい。また、熱処理後の冷却速度は、100℃/分〜1℃/分の間で適宜設定することができる。
【0029】
図1のグラフでは深さ80μmまでの測定となっているが、ビームの直径と照射エネルギー密度を調整することによって、深さ500μm程度まで拡散させることができる。1150℃程度の熱処理を組み合わせた場合の、深さ500μmまでの任意の深さにおけるレーザ照射領域と、非照射領域での同位体酸素(18O)の濃度差は、1×1015個/cm3〜1×1017個/cm3である。
【0030】
また、図1のグラフでは、同位体酸素を拡散させるのに波数が1085cm-1の炭酸ガスレーザを用いたが、波数1085±10の光で照射しても、十分に共鳴吸収が起こり、同位体酸素は拡散する。ビームの直径を10mm以下に絞ると、微細な不純物拡散領域を、深さ方向に精度よく形成できる。
【0031】
このように、本発明の不純物拡散方法は、赤外領域での固有周波数での共鳴吸収を原理とするので、基板表面を溶融することなく、不純物を深さ方向に均一に拡散させることが可能になる。
【0032】
図2は、第1実施形態として、本発明のレーザ照射による共鳴吸収拡散を半導体装置の製造工程に適用した例を示す。図2の例では、同位体酸素(18O)を炭酸ガスレーザの照射により拡散させて素子分離領域(STI)を形成する。
【0033】
まず、図2(a)に示すように、シリコン基板11上に厚さ約20nmの同位体酸素(18O)の酸化膜12を形成して、シリコン基板11に不純物(18O)を導入する。同位体酸素(18O)酸化膜12は、熱酸化など、公知の方法により形成できる。
【0034】
次に、図2(b)に示すように、同位体酸素(18O)の酸化膜12が形成されたシリコン基板11の所定の箇所を、ビーム径1mmの炭酸ガスレーザにより照射エネルギー3.6×105 Jで垂直照射する。
【0035】
次に、図2(c)に示すように、レーザ照射領域13に含まれる同位体酸素(18O)の共鳴吸収により、同位体酸素(18O)をシリコン基板11の深さ1μmまで(?)拡散させる。このとき、非照射領域14における同位体酸素(18O)の拡散を抑制するため、低温で処理することが望ましい。あるいは、図示はしないが、同位体酸素(18O)酸化膜12を、レーザ照射領域13だけを残すようにパターニングしてから、レーザ照射を行ってもよい。後者の場合は、室温〜1200℃の熱処理を併用することにより、同位体酸素(18O)の深さ方向への拡散を促進することができる。このような工程により、18O酸化絶縁膜による素子分離領域15が形成される。
【0036】
最後に、図2(d)に示すように、図2(a)でシリコン基板11の表面に形成した同位体酸素(18O)の酸化膜12をエッチング除去して、シリコン基板11上の素子領域に素子19を任意の方法で形成する。たとえば、ゲート酸化膜18を形成し、ポリシリコン膜をCVD法などで堆積、パターニングすることによってゲート電極16を形成し、セルフアラインでイオン注入してソース・ドレイン17を形成することによって素子19を作成する。あるいは、ダミーゲートを用いてソース・ドレイン17を先に形成してから、ゲート絶縁膜18、およびゲート電極16を形成してもよい。
【0037】
このようにして、同位体酸素(18O)の拡散領域15を素子分離領域として有する半導体装置10が完成する。
【0038】
レーザ照射による共鳴吸収拡散で素子分離領域15を形成する場合、同位体酸素(18O)のみを単体で深さ方向に精度よく拡散させることができる。また、ビーム直径をしぼることにより、デバイスの微細化にも十分に対応できる。
【0039】
従来のSTI形成技術は、ドライエッチングにより基板にトレンチを形成してから、トレンチを絶縁膜で埋め込み、その後CMPにより表面を平坦化するという工程を要し、トレンチ側面のテーパ角度の制御や、トレンチ内に残るボイドの問題が生じていた。これに比べ、本発明の方法では、レーザ照射による共鳴吸収拡散を利用して素子分離領域を形成するので、工程数が低減できるとともに、工程内容自体も容易になる。また、炭酸ガスレーザのビーム径やエネルギー密度を調整することによって、素子分離領域の深さを精度よく制御することができ、均一でボイドのない素子分離領域が形成できる。
【0040】
図3は、第2実施形態として、本発明のレーザ照射による共鳴吸収拡散を、ゲッタリングサイトの形成に適用した例を示す。多くの金属元素は半導体デバイスに対して有害な働きをする。このため、素子活性領域からの金属不純物の除去を目的として、素子活性領域以外の半導体基板内のゲッタリングサイトに意図的に金属不純物を析出させるゲッタリング機能が必要になる。金属不純物は配線工程だけではなく、洗浄工程、高温熱処理工程、ドライ工程と、多岐にわたって基板中に侵入するため、ゲッタリング技術は半導体デバイスの製造において不可欠なものになっている。
【0041】
まず、図3(a)に示すように、熱拡散、イオン注入など公知の方法により、同位体酸素(18O)をシリコン基板21中に一様に導入する、
次に、図3(b)に示すように、シリコン基板21の所定の箇所を、ビーム直径1mmの炭酸ガスレーザにより照射エネルギー3.6×105 Jで垂直照射する。
【0042】
このようなレーザ照射により、図3(c)に示すように、照射領域23に対応するシリコン基板21の内部で、同位体酸素(18O)のみの拡散が進み、析出が促進される。シリコン基板21の深部にある酸素析出物は、ゲッタリングサイト22を構成し、素子領域の金属不純物を凝集させる。
【0043】
次に、図3(d)に示すように、シリコン基板21上に公知の方法で素子分離領域25および素子29を形成する。素子29は、たとえばゲート絶縁膜28を介したゲート電極26とソース・ドレイン27を有する。これにより、ゲッタリングサイトとして同位体酸素(18O)拡散領域22を有する半導体装置20が作成される。
【0044】
通常、CZ法により作成されたシリコンウエハを熱処理すると、酸素析出物や微小な結晶欠陥が生じる。このような酸素析出物はゲッタリングサイトとして積極的に利用されているが、基板表面近傍の素子活性領域にゲッタリングサイトがあると電気特性に悪影響を及ぼす。このため、CZ法によるシリコン基板を用いる場合は、基板表面近傍の固溶酸素を排除して素子活性領域でのゲッタリングサイトの形成を防止するための高温熱処理を要する。
【0045】
これに比べ、本発明の第2実施形態のように、レーザ照射による共鳴吸収拡散を利用してゲッタリングサイトを形成する場合は、レーザ照射により、シリコン基板内の所望の箇所にゲッタリングサイトを形成することが可能になる。また、炭酸ガスレーザのエネルギーやビーム径を調整することにより、ゲッタリングサイトの深さ位置を制御することができ、素子活性領域に悪影響をあたえることもない。さらに、CZ法以外の方法で作成されたウエハを使用する場合でも、任意の箇所にゲッタリングサイトを形成することが可能になる。
【0046】
図2および図3の例では、シリコン基板に同位体酸素(18O)を導入してレーザ照射する例をとって説明したが、シリコン基板だけではなく、Ge基板や化合物半導体基板にも、本発明のレーザ照射による共鳴吸収拡散は適用可能である。
【0047】
さらに、上記実施形態では、同位体酸素(18O)を不純物として拡散させる例をとって説明したが、任意の種類の不純物と、その不純物の固有振動数に共鳴する波長の光を組み合わせることにより、多様な不純物拡散領域を形成することができる。赤外レーザ光による照射の場合、とくに深さ方向への均一な拡散が必要とされる領域に適しており、たとえばウェルの形成に適用することができる。
【0048】
赤外レーザの周波数は、たとえば、既存のIV−IV族半導体赤外レーザに非線形光学系を組み合わせて、光周波数変換することによって調整することができる。あるいは、ラマン・レーザを利用して、入射レーザ光からシフトした周波数の出射レーザ光を得ることによっても調整できる。これにより、使用する不純物の種類に応じて8〜13μmの範囲の赤外線レーザ光を選択することができる。
(付記1) 基板中に所定の不純物元素を導入する工程と、前記不純物元素の固有振動数に共鳴する波数の光で、基板上の所定の箇所を照射し、前記所定の不純物元素を励起して基板中に拡散させる工程とを含むことを特徴とする不純物拡散方法。
(付記2) 前記不純物は同位体酸素(18O)であり、波数が1085±10cm-1のレーザ光を照射することによって、同位体酸素(18O)を拡散させることを特徴とする付記1に記載の不純物拡散方法。
(付記3) 前記不純物は同位体酸素(18O)であり、炭酸ガスレーザのレーザ光を照射することによって、同位体酸素(18O)を拡散させることを特徴とする付記1に記載の不純物拡散方法。
(付記4) 前記照射工程は、赤外線レーザと非線形光学系を組み合わせてレーザ照射することを特徴とする付記1に記載の不純物拡散方法。
(付記5) 前記基板上の所定の箇所を照射するとともに、室温〜1200℃の温度で熱処理を行うことを特徴とする付記1〜4のいずれかに記載の不純物拡散方法。
(付記6) 半導体基板に所定の不純物を導入する工程と、前記不純物の固有振動数に共鳴する波数の光で基板上の所定の箇所を照射して導入した不純物元素を拡散させ、前記半導体基板中に不純物拡散領域を形成する工程と、半導体基板上に半導体素子を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記7) 前記照射工程は、赤外線レーザと非線形光学系とを組み合わせることにより所望の波長の光で照射することを特徴とする付記6に記載の半導体装置の製造方法。
(付記8) 半導体基板に同位体酸素(18O)を導入する工程と、前記基板上の所定の箇所に、波数が1085±10cm-1のレーザ光を照射して前記同位体酸素(18O)不純物を拡散させ、半導体基板中に同位体酸素(18O)不純物拡散領域を形成する工程と、半導体基板上に半導体素子を形成する工程と
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記9) 半導体基板に同位体酸素(18O)を導入する工程と、前記基板上の所定の箇所を、炭酸ガスレーザによるレーザ光を照射して前記同位体酸素(18O)不純物を拡散させ、半導体基板中に同位体酸素(18O)不純物拡散領域を形成する工程と、半導体基板上に半導体素子を形成する工程とを含む半導体装置の製造方法。
(付記10) 前記同位体酸素(18O)不純物拡散領域は、素子分離領域またはゲッタリングサイトであることを特徴とする付記8または9に記載の半導体装置の製造方法。
(付記11) レーザ光のビーム径は10mm以下であることを特徴とする付記8または9に記載の半導体装置の製造方法。
(付記12) 基板上の所定の箇所を照射するとともに、室温〜1200℃で熱処理を行うことを特徴とする付記8〜11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記13) 半導体基板と、半導体基板中に位置する同位体酸素(18O)の不純物拡散領域と、半導体基板上に形成された半導体素子とを備え、不純物拡散領域の同位体酸素(18O)濃度は、1×1015個/cm3〜2×1018個/cm3であることを特徴とする半導体装置。
(付記14) 前記不純物拡散領域は、素子分離領域またはゲッタリングサイトであることを特徴とする付記13に記載の半導体装置。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、特定の不純物元素の固有振動数に一致する波数の光で照射し、共鳴吸収による励起により不純物元素を拡散させる。この手法により、ターゲットとする不純物元素だけを単独で基板中に拡散させることができる。
【0050】
また、照射と低温熱処理とを組み合わせることにより、不純物元素の拡散を促進することができる。
【0051】
照射ビームの直径とエネルギー密度を調整することにより、微細加工においても深さ方向への拡散を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 レーザ照射による共鳴吸収を利用した不純物拡散において、深さ方向への不純物濃度分布を示すグラフである。
【図2】 レーザ照射による共鳴吸収拡散を、半導体装置の素子分離形成に適用した例を示す図である。
【図3】 レーザ照射による共鳴吸収拡散を、半導体装置のゲッタリングサイトの形成に適用した例を示す図である。
【符号の説明】
10、20 半導体装置
11、21 シリコン基板
13、23 レーザ照射領域
14、24 非照射領域
15 素子分離領域(不純物拡散領域)
19、29 素子
22 ゲッタリングサイト(不純物拡散領域)
Claims (4)
- 基板中に所定の不純物元素を導入する工程と、
前記不純物元素の固有振動数に共鳴する波数の光で、前記基板上の所定の箇所を照射し、前記所定の不純物元素を励起して基板中に拡散させる工程と
を含むことを特徴とする不純物拡散方法。 - 半導体基板に所定の不純物元素を導入する工程と、
前記不純物元素の固有振動数に共鳴する波数の光で半導体基板上の所定の箇所を照射して、前記導入した不純物元素を拡散させ、前記半導体基板中に不純物拡散領域を形成する工程と、
前記半導体基板上に半導体素子を形成する工程と
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 半導体基板に同位体酸素(18O)を導入する工程と、
前記半導体基板上の所定の箇所に、波数が1085±10cm-1のレーザ光を照射して前記同位体酸素(18O)不純物を拡散させ、前記半導体基板中に同位体酸素(18O)不純物拡散領域を形成する工程と、
前記半導体基板上に半導体素子を形成する工程と
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 半導体基板に同位体酸素(18O)を導入する工程と、
前記半導体基板上の所定の箇所を、炭酸ガスレーザによるレーザ光を照射して前記同位体酸素(18O)不純物を拡散させ、前記半導体基板中に同位体酸素(18O)不純物拡散領域を形成する工程と、
前記半導体基板上に半導体素子を形成する工程と
を含む半導体装置の製造方法。
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