JP4363567B2 - ヘアカラーコンサルテーション法 - Google Patents

Description

本発明は、ヘアカラーコンサルテーションまたはヘアカラーシミュレーションの方法であって、人の所望のヘアカラーの選択を、ビデオカメラ、コンピュータおよび少なくとも１つのスクリーンを用いてスクリーン上に表示する方法に関するものである。

このヘアカラーコンサルテーション法は、例えば、ＥＰ１１４７７２２Ａ１に記載されており、この方法は、静止したデジタル化されたポートレートを利用し、各自の選択に応じて所望のヘアカラーを入力せしめ、スクリーン（ディスプレイ）上に表示するようになっている。

人、例えば、ヘアサロンを訪れた顧客は、新しいヘアカラーを決定する前に、幾らか躊躇する。なぜなら、彼女は、後で自分がどのように見えるかを前もって知り得ないからである。この場合、美容師のアドバイスを助けるために、ＥＰ１１４７７２２Ａ１に記載されたヘアカラーコンサルテーション用コンピュータシステムによれば、人の二次元的な画像（デジタル写真）はシミュレーションされた新たなヘアカラーを有し、そして、ディスプレイスクリーン上に表示される。結果は、動きのない不自然なものであった。従来のヘアカラーコンサルテーション用コンピュータシステムによる結果が動きのないものである理由は、結果が動きのない立像の写真からなっているからである。写真は、人が、ヘアカラーリング実施後に自分の姿を映して見るような、動きのある生き生きとした画像に置き換わり得るものではない。
ＥＰ１１４７７２２Ａ１

したがって、本発明の課題は、上述のような欠点を有しないヘアカラーコンサルテーション法を提供することにある。

上記課題は、請求項１の特徴部分に記載された構成によって解決される。本発明によるヘアカラーコンサルテーション法によれば、ヘアカラーリングの結果を、実際に髪色が変化する前に視覚化することができる。現存するヘアカラーコンサルテーションシステムとは対照的に、本発明によるヘアカラーコンサルテーション法は、ダイナミックなビデオ画像、並びに人の自然な髪色の変化にその基礎を置いている。本発明の方法によれば、ビデオ画像はリアルタイムで処理されて、ディスプレイスクリーン上に再び与えられ、その結果、鏡を使用していかのような印象が生じる。本発明による好ましい実施例が従属請求項に規定されている。

本発明によれば、選択的に側方からの画像または個々の鏡の像を見ることをシミュレーションする。このために、ビデオカメラを用いて人の実際の画像が取り込まれ、コンピュータによって自動的に編集され、ディスプレイスクリーン上に表示される。このリアルタイムでのダイナミックな表示によって、ディスプレイスクリーンは、鏡であるかのように機能する。コンピュータの課題は、初期画像を変更することによって、ヘアカラーリングの結果をシミュレーションすることにある。この目的のためにコンピュータシステムは、人の頭髪を自動的に認識し、その髪色をその状況、例えば、顧客の状況に従って変化させることができなければならない。こうして、シミュレーションの結果は、ダイナミックで自然なものとなる。動きのある実際の頭髪だけ色を変化せしめられるので、その効果は対応する色に染められた「コンピュータかつら」のようになる。頭髪は自然なものとなり、動きを有し、人は仮想的な鏡の前で動くことができ、頭を回し、側方から観察し、顔の表情を変化させ、新たなヘアカラーによって選択した所望のヘアカラー（３２）が期待通りのものであるかどうかを、自分で評価することができる。もし、期待に沿うものでなければ、さらに、別の所望のヘアカラー（３２）をシミュレーションすることができる。

以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施例について説明する。
図１は、本発明によるヘアカラーコンサルテーション法をヘアカラーコンサルテーションシステム１として実施した形態を示した図である。図１において、ビデオカメラ１２、コンピュータ１３、および少なくとも１つのディスプレイスクリーン１４またはタッチスクリーン２２によって、人１１の所望のヘアカラー３６の選択並びに表示が、ディスプレイススクリーン／タッチスクリーン１４、２２上に表示され、人１１の実際の個別的画像２１がビデオカメラ１２によって連続的に取り込まれる。ビデオカメラ１２の個別的画像２１からなるこの連続した画像の列は、リアルタイムでコンピュータ１３に転送される。そしてそこで、個別的画像２１毎に装置３１によって自動的に画像の編集および画像処理が実行される。コンピュータ１３はセグメンテーションによって人１１の頭髪部分３２を識別し、そして、それは、関係する画像部分並びにその自然なヘアカラー３３の認識および分離を意味し、この頭髪部分３２のヘアカラー３３を予め与えられた仕様に従って変化させ、変更された個別的画像２１を再びリアルタイムで少なくとも１つのディスプレイスクリーン１４、１５またはタッチスクリーン２２、２３上に表示する。リアルタイムという要件は、この場合、重要な意味をもつ。それによって、個別的な画像の取り込み２１と、ディスプレイスクリーン１４、１５またはタッチスクリーン２２、２３上への流れるような動きを伴う表示との間の時間的な遅れが、人１１によって全く気付かれないか、あるいはほとんど気付かれないからである。これは約１０画像／秒の最小のフレームレートから生じる。

新たな所望のヘアカラー３６を伴う実際のシミュレーションがなされる前に、コンピュータ１３は、初期パラメータを確実に知らせられなければならない（初期化）。このために、装置３１は、手動的に入力された画像部分３４の初期パラメータを連続的に、かつ自動的に処理する。この場合、少なくとも１つの初期パラメータとして頭髪部分３２がマーキングされ、選択された所望のヘアカラー３６によって置き換えられる。初期パラメータの別の組み合わせとして、どの画像部分３４が頭髪部分３２に関係し、主画像３５において重要であるかが、前もって与えられ、さらに、これは、どの（自然な）初期ヘアカラー３３が支配的であるか、どのようなカラー（所望のヘアカラー３６）が望まれているかを特徴づけられる（色調、キメ、形態等々）。画像部分３４またはスイッチ面の選択、またはマーキングについて、１つまたは複数の操作メニューがディスプレイスクリーン１４、１５またはタッチスクリーン２２、２３上に与えられる。この目的のために、必要な入力装置は例えば、マウス１７またはそれに類するもの（トラックボール、タッチパッド等々）、キーボード１６および／または少なくとも１つのタッチスクリーン２２、２３として備えられ得る。初期化段階は、コンピュータ１３に対して顧客３７の頭髪部分３２のどの画像部分３４が表示されるのかを知らせるために必要とされ得る。この画像部分３４は残りの画像から分離され、色を塗替えられなければならない。これは例えば、使用者が少なくとも画像部分３４において頭髪１８、皮膚１９、および背景３８を１つまたは複数の点、あるいは１つまたは複数の領域としてマーキングすることによってもたらされ得る。さらに、例えば、眉毛、ほおひげ、またはひげのような明らかに塗り替えられるべきではない領域をマーキングすることも可能である。コンピュータが頭髪部分３２を認識することを容易にし、ヘアカラーコンサルテーションシステム１のエラー発生率を低減させるために、人１１の画像をできるだけ確定した照明による均一で単色の背景３８のもとに取り込むことが望ましい。

頭髪部分３２は、自然な、類似したピクセルカラー値の自動的な分析によって、連続的にマーキングされ、所望のヘアカラー３６をそれに対応して付され、そこから人１１の動きにより流れるように変化させられた頭髪部分３２の簡単な再現方法がもたらされる。このために、自然な、類似したピクセルカラー値の分析のために頭髪部分３２の代表的な領域が手動的に選択され、そして、自動的な分析が開始せしめられ、それによって、装置３１は、所望のヘアカラー３６を付される頭髪部分３２だけを連続的に画像処理するように作動する。この自動的なマーキングは、関係する頭髪部分３２における初期ヘアカラー３３が、まず、自然な、類似したピクセルカラー値を有し、残りの画像部分３４から明確に識別されるということを考慮することに基礎を置いている。

しかしながら、頭髪部分３２は、選択的に、関係するキメ、および／または関係する顔の凹凸に関する特徴の自動的な分析によって、連続的にマーキングされ、それによって、残りの画像部分３４から明確に識別される。

適用範囲（美容師／リテール）によっては、人１１以外に、アドバイザ、例えば、美容師が居合わせている場合がある。このような場合、もし美容師がプログラムの操作並びに初期化のために、２つのディスプレイスクリーン１５またはタッチスクリーン２３を自由に使えるようにすることが重要である。この２つのディスプレイスクリーン１５またはタッチスクリーン２３上には、カメラの画像に加えて、操作に必要な情報が表示される。例えば、目標ヘアカラー（所望のカラー３６）のカラーパレット４７（図３参照）などの情報が表示され、それによって、第１のディスプレイスクリーン１４またはタッチスクリーン２２上には、人１１に対するシミュレーションの結果のみが表示される。タッチスクリーン２２、２３は、さらなる入力装置を必要としないという長所を有している。というのは、対応する操作メニューまたはスイッチ面が、指または鉛筆によってタッチスクリーン表面に直接軽く触れられることによって起動し得るからである。

好ましい実施例によれば、コンピュータ１３からの人１１の連続的なビデオ画像は、ディスプレイスクリーン１４上において垂直軸のまわりに連続的に映された鏡の像３９として表示される（図２参照）。それによって、人は、鏡に自分の姿を映して見るような印象を与えられ、日常の習慣に合った自然な環境が、ヘアカラーコンサルテーションシステム１によってもたらされる。ビデオカメラ１２とディスプレイスクリーン１４、１５、またはタッチスクリーン２２、２３との間の視差を最小にするために、ビデオカメラ１２はディスプレイまたはタッチスクリーン１４、１５、２２、２３の上側の縁に密接して配置れなければならない。これは例えば、ＤＥ１９６３５７５３Ａ１の図４に記載されている通りである。理想的な場合には、ビデオ画像３４の光軸は、ディスプレイスクリーン１４、１５またはタッチスクリーン２２、２３の光軸と重なり合い、それによって、視差は完全になくなる。対応する解決法は、例えば、ＤＥ１９６３５７５３Ａ１の図５に記載されている通りである。鏡の効果を完全にするために、人１１とディスプレイスクリーン１４、１５またはタッチスクリーン２２、２３との複製の縮尺は、ほぼ１対１でなければならない。

さらに、別の実施例によれば、ヘアカラー３３は、円形カラースペクトル４８に従って、連続的にまたは一定の周期で（図３参照）変化せしめられ、この連続する色の変化に対する開始または停止操作が用意される。それによって、カラーパレット４７からの所望のヘアカラー３６の特定の目的に合わせた入力操作を省略することができる。なぜなら、今は、人１１が自分に似合う色合いを見つけたときに、この連続して進行する色の変化を単に停止させ、さらに、この領域において、停止せしめられた色を手動的にずらすことによって、実際の所望のヘアカラー３６に行き当たるようにすればよいからである。この連続して進行する色の変化の周期は、その繰り返し周波数を自由に選択可能になっており、それによって、各人１１に対して個別的に適合し得るものとなる。この連続して進行する色の変化は、特に、例えば、ドラッグストアにおいて、顧客１１のヘアカラーの変化に関する宣伝効果を伴うデモンストレーションを行う場合に特に適している。この場合、選択的に、宣伝のために、対応するビデオフィルムがディスプレイスクリーン１４、１５上に上映され得る。

図４は、本発明による方法のフロー図を示したものである。画像取り込み４０の入力に並んで、この場合、動きのあるビデオ画像、または個別的画像２１だけが取り込まれるが、必要に応じて、追加情報４１（例えば、顧客の確定した初期ヘアカラー、および／またはグレースケール、あるいは一般的な顧客情報）の入力がなされ、さらに、所望のヘアカラー３６の選択の入力、並びに少なくとも１つの画像部分３４のマーキング４２に関する入力がなされる。この入力の順序は任意である。これらのデータは、初期化装置４３に送られ、この装置内において本発明による方法が開始せしめられるセグメンテーション装置４４に送られる。そしてここで、関係する画像部分３４の認識と分離がなされる。カラー変換装置４５における初期ヘアカラー３３の予め与えられた所望のヘアカラー３６への変換がなされた後、所望のヘアカラー３６を付された人１１の個別的画像２１の対応する画像表示４６が、ディスプレイスクリーン１４、１５またはタッチスクリーン２２、２３上になされる。ビデオによって取り込まれたすぐ次の個別的画像２１が、対応して処理され、それに続いて表示され、この場合、約１０〜３０画像／秒の画像再生周波数が用いられ、それによって、流れるような動きのある画像が生成される。しかしながらまた、もし残りのパラメータまたは仕様が自動的に包含され、使用されるなら、初期化のために、単に所望のヘアカラー３６だけで足りる。

実際の画像の部分アスペクトだけが変更せしめられので、例えば、角度および位置の正確さ、異なる画像要素の異なる照明、縮尺誤差等々のような実際の画像要素と仮想的な画像要素との間の食い違いは全く生じない。さらに、仮想的な画像要素のどの部分が実際の画像によって遮蔽されるかということを計算する必要がないので、遮蔽の問題も生じない。実際の画像は、その色のみが変化せしめられるので、人の頭髪は自動的に物理的に修正され、ディスプレイスクリーンまたはタッチスクリーン上における再生に際して、人の動きがまた、自然なものとなる。

本発明によるヘアカラーコンサルテーション法をヘアカラーコンサルテーションシステムとして実施した形態を示す図である。 本発明によるヘアカラーコンサルテーション法であって、人の鏡に映った像としての表示を伴ったディスプレイスクリーンを備えた方法を説明する図である。 カラーパレットまたは円形カラースペクトルを備えたディスプレイスクリーンまたはタッチスクリーンを示した図である。 本発明による方法のフロー図である。

符号の説明

１ ヘアカラーコンサルテーションシステム
１１ 人
１２ ビデオカメラ
１３ コンピュータ
１４ 第１のディスプレイスクリーン
１５ 第２のディスプレイスクリーン
１６ 入力キーボード
１７ マウス
１８ 頭髪
１９ 皮膚
２１ 個別的画像
２２ 第１のタッチスクリーン
２３ 第２のタッチスクリーン
３１ 装置
３２ 頭髪部分
３３ 初期ヘアカラー
３４ 画像部分
３５ 主画像面
３６ 所望のヘアカラー
３７ ヘアスタイル
３８ 背景
３９ 鏡の像
４０ 画像取り込み
４１ 追加情報
４２ マーキング
４３ 初期化装置
４４ セグメンテーション装置
４５ カラー変換装置
４６ 画像表示
４７ カラーパレット
４８ 円形カラースペクトル

Claims (1)

1. ヘアカラーコンサルテーションまたはヘアカラーの視覚化のための装置であって、
   ビデオカメラ（１２）と、
   初期化装置（４３）、セグメンテーション装置（４４）およびカラー変換装置（４５）を有するコンピュータ（１３）と、
   タッチスクリーン（２２，２３）と、を備え、
   前記ビデオカメラ（１２）は、人（１１）の個別的画像（２１）を連続的に取り込み、取り込んだ前記個別的画像（２１）を連続的な画像列の形でリアルタイムに、前記初期化装置（４３）、前記セグメンテーション装置（４４）、および前記カラー変換装置（４５）に送り、
   前記初期化装置（４３）は、前記個別的画像（２１）中の頭髪部分（３２）のうちの手動的に選択された代表的な領域に関する、手動的に入力された初期パラメータを、前記セグメンテーション装置（４４）に送り、
   前記セグメンテーション装置（４４）は、前記頭髪部分（３２）において前記初期パラメータと類似したピクセルカラー値の自動的な分析を開始することによって、前記頭髪部分（３２）を連続的にマーキングして前記頭髪部分（３２）以外の画像部分（３４）から識別し、
   前記カラー変換装置（４５）は、円形カラースペクトル（４８）の情報に基づいて、前記セグメンテーション装置（４４）によって識別された前記頭髪部分（３２）のヘアカラー（３３）を連続的にまたは一定の周期の繰り返し周波数で変化させ、
   前記タッチスクリーン（２２，２３）は、そのスクリーン上に表示した１つまたは複数の操作メニューを通じて、前記カラー変換装置（４５）による前記ヘアカラー（３３）の前記繰り返し周波数および前記カラー変換装置（４５）の動作の開始および停止命令の入力を受け、さらに、前記カラー変換装置（４５）の前記動作の開始命令の入力を受けた後から、前記カラー変換装置（４５）の前記動作の停止命令の入力を受けるまでの間、前記カラー変換装置（４５）により前記変化せしめられたヘアカラー（３６）を付された人（１１）の個別的画像（２１）を、リアルタイムに当該スクリーン上に表示することを特徴とする装置。

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