以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、本実施の形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
図1は、本発明の実施の形態に係る複合機1の外観構成を示すものである。本複合機1は、スキャナ機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能を一体的に備えた多機能装置(MFD:Multi Function Device)である。複合機1の上部は、原稿の画像を読み取るためのスキャナ部2であり、複合機1の下部は、記録用紙に画像を記録するためのプリンタ部3である。本発明に係る画像読取装置は、複合機1のスキャナ部2として実現されており、プリンタ機能等は本発明において任意の機構であり、例えば、スキャナ機能のみのスキャナ単体として本発明に係る画像読取装置を実現してもよい。
以下、スキャナ部2の構成について詳述する。
図1及び図2に示すように、スキャナ部2は、FBS(Flatbed Scanner)として機能する原稿載置台4に対して、自動原稿搬送機構であるオート・ドキュメント・フィーダ(ADF:Auto Document Feeder)5を備えた原稿押さえカバー6(原稿押さえ部材)が、背面側の蝶番を介して開閉自在に取り付けられる。原稿載置台4は、複合機1の筐体として構成されており、原稿押さえカバー6と対向する天面にプラテンガラス20(透明部材)が配設されている。上記原稿押さえカバー6が開かれることにより、プラテンガラス20が原稿載置台4の上面として露出され、原稿押さえカバー6が閉じられることにより、プラテンガラス20を含めて原稿載置台4の上面全体が覆われる。また、該プラテンガラス20に対向するようにして、原稿載置台4の内部に画像読取ユニット21が内蔵されている。
原稿押さえカバー6には、給紙トレイ22から所定の搬送路26を経て排紙トレイ23へ原稿を連続搬送するADF5が備えられている。該ADF5による搬送過程において、原稿がプラテンガラス20上を通過し、該プラテンガラス20の下方において画像読取ユニット21が該原稿の画像を読み取るようになっている。このADF5の構造の詳細については後述する。また、原稿押さえカバー6の下面には、プラテンガラス20上に載置された原稿を押さえるために、スポンジ及び白板等からなる押さえ部材19が配設されている。
原稿載置台4の正面側には、操作パネル7が設けられている。操作パネル7は各種操作ボタンや液晶表示部から構成されており、複合機1は、該操作パネル7からの指示によって動作するようになっている。また、複合機1は、操作パネル7による指示のほか、コンピュータに接続されて該コンピュータからプリンタドライバやスキャナドライバ等を介して送信される指示によっても動作する。
また、複合機1の正面の左上部には、記録媒体である各種小型メモリカードを装填可能なスロット部8が設けられている。該スロット部8に装填された小型メモリカードに記録された画像データを読み出してその画像データに関する情報を液晶表示部に表示させ、任意の画像をプリンタ部3により記録用紙に記録させるための入力を、上記操作パネル7から行うことができる。
図1及び図2に示すように、原稿押さえカバー6に、給紙トレイ22及び排紙トレイ23が上下二段に設けられている。給紙トレイ22は、原稿押さえカバー6の上面と一体に形成されている。ADF5により画像読取りを行う原稿は、複数枚が積層された状態で、給紙方向の先端をADF5に挿入するようにして、給紙トレイ22上に載置される。また、給紙トレイ22には、複合機1の奥行き方向に隔てて一対の原稿ガイド24が、奥行き方向へスライド移動可能に設けられている。該原稿ガイド24は、給紙トレイ22から起立して、給紙トレイ22に載置される原稿の幅方向の両端を案内するものであり、周知の連動機構により、一対のいずれか一方の原稿ガイド24をスライド移動させると、他方の原稿ガイド24も相反する方向へスライド移動する。
すなわち、原稿幅が狭い場合には、複合機1の正面側の一方の原稿ガイド24を背面側へスライド移動させると、これに連動して、背面側の他方の原稿ガイド24は正面側へスライド移動する。これにより、奥行き方向の略中央を中心として、一対の原稿ガイド24により案内される原稿幅を狭くすることができる。逆に、原稿幅が広い場合には、複合機1の正面側の一方の原稿ガイド24を正面側へスライド移動させると、これに連動して、背面側の他方の原稿ガイド24は背面側へスライド移動して、一対の原稿ガイド24により案内される原稿幅を広くすることができる。
上記一対の原稿ガイド24には、給紙トレイ22と上下方向に隔てて排紙トレイ23が一体的に形成されている。ADF5から排紙された原稿は、その両側を排紙トレイ23に担持されて、給紙トレイ22上の原稿と分離した状態で保持される。排紙トレイ23は、排紙方向の長さが原稿の長さより短いので、原稿の排紙方向先端側は、排紙トレイ23から垂れ下がるようにして、給紙トレイ22上に保持される。したがって、給紙トレイ22上の原稿の給紙方向後端部分の上に、排紙トレイ23上の原稿の排紙方向先端部分が重なるが、給紙トレイ22上の原稿の給紙方向先端部分と、排紙トレイ23上の原稿の排紙方向後端部分とは、排紙トレイ23により上下二段に保持されているので、これら原稿が混同することはない。また、排紙トレイ23を短くすることにより、原稿押さえカバー6上に必要な空間を小さくして、複合機1を薄型且つ小型にすることができる。
また、給紙トレイ22のADF5が設けられていない側の端部には、給紙トレイ22の上面から起立する起立姿勢と、給紙トレイ22の上面と一体に倒伏する倒伏姿勢とに姿勢変化する原稿ストッパ25が設けられている。図に示すように、原稿ストッパ25を起立姿勢とすることにより、例えば、給紙トレイ22と同程度の大きさの原稿がADF5から排出された際に、該原稿が原稿ストッパ25により制止され、給紙トレイ22から滑り落ちることが防止される。このように、排出された原稿を原稿ストッパ25で受け止めることにより、給紙トレイ22の面積を小さくすることができ、給紙トレイ22が一体的に形成された原稿押さえカバー6を小型化できる。また、原稿ストッパ25が不要な場合には、倒伏姿勢とすることにより、原稿押さえカバー6から突出せず、梱包時や保管時の複合機1のサイズをコンパクトにできる。
図2に示すように、ADF5の内部には、上記給紙トレイ22と排紙トレイ23とを連結するようにして、搬送路26が横向き略U字形状に形成されている。搬送路26は、原稿押さえカバー6に一体に形成されたADF本体27と、該ADF本体27に開閉自在に設けられたADFカバー28とによって構成されている。図に示すように、ADF5の吸入シュート部29は、上記給紙トレイ22が延長されるようにして、ADF本体27に形成された水平面と、ADFカバー28の内側に配設されたガイド板30によって、上下に所定幅の通路として構成されている。搬送路26は、該吸入シュート部29から、湾曲部37を経て、排紙シュート部38へ横向き略U字形状に形成されており、湾曲部37及び排紙シュート部38も、ADF本体27、ADFカバー28、及びガイド板30等により、所定幅の通路として連続的に形成されている。
上記搬送路26には、原稿を搬送するための搬送手段が配設されている。詳細には、図に示すように、吸入ローラ31とこれに圧接する吸入ニップ片32、分離ローラ33とこれに圧接する分離ニップ片34、及び搬送ローラ35とこれに圧接するピンチローラ36によって搬送手段が構成されている。なお、搬送手段を構成する各ローラやニップ片の構成は一例であり、ローラの数や配置を変更したり、各ニップ片に代えてピンチローラを用いる等、その他の公知の搬送手段に変更できることは勿論である。
図に示すように、吸入ローラ31は、吸入シュート部29の略中央に、そのローラ面の一部をADF本体27に形成された水平面の上面から露出するようにして回転可能に設けられている。また、分離ローラ33は、該吸入ローラ31から給紙方向へ隔てた位置に、同様に、そのローラ面の一部をADF本体27に形成された水平面の上面から露出するようにして回転可能に設けられている。これら吸入ローラ31及び分離ローラ33には搬送モータ62(図8参照)からの駆動力が伝達されて、回転駆動されるようになっている。また、吸入ローラ31及び分離ローラ33は同径であり、同じ周速度で回転される。また、吸入ローラ31への駆動伝達においては1周クラッチが介設されており、吸入ローラ31は1周分の空転が可能となっている。
吸入ニップ片32は、上記ガイド板30の吸入ローラ31の対向位置に、吸入ローラ31と接離する方向へ揺動可能に設けられている。また、該吸入ニップ片32は、不図示のバネ部材により下方へ弾性付勢されており、原稿をニップしない状態で吸入ローラ31のローラ面に圧接されている。同様に、分離ニップ片34は、上記ガイド板30の分離ローラ33の対向位置に、分離ローラ33と接離する方向へ揺動可能に設けられており、不図示のバネ部材により下方へ弾性付勢されて、原稿をニップしない状態で分離ローラ33のローラ面に圧接されている。これら吸入ニップ片32及び分離ニップ片34により原稿がニップされることにより、該原稿が吸入ローラ31及び分離ローラ33に圧接されて、吸入ローラ31及び分離ローラ33の回転力が原稿に伝達される。
搬送ローラ35は、搬送路26の横向き略U字形状の湾曲部37に配設されている。該搬送ローラ35は、そのローラ面が湾曲部37の一部をなす程度の外径のものである。該搬送ローラ35は、上記吸入ローラ31及び分離ローラ33と同様に、搬送モータ62からの駆動力が伝達されて、回転駆動されるようになっている。
搬送ローラ35の周囲には、ピンチローラ36が3箇所に設けられている。各ピンチローラ36は、その軸がバネ片に弾性付勢されてADF本体27又はADFカバー28に回転自在に支持されて、搬送ローラ35のローラ面に圧接している。そして、搬送ローラ35が回転すれば、これに従動してピンチローラ36も回転する。これらピンチローラ36により、原稿が搬送ローラ35に圧接されて、搬送ローラ35の回転力が原稿に伝達される。
搬送ローラ35の原稿搬送方向下流側には、排紙シュート部38が形成されている。排紙シュート部38は、ADFカバー28の内面と搬送ローラ35とで構成された搬送路26の湾曲部37と連続するようにして、ADFカバー28とガイド板30との間に形成されている。したがって、給紙トレイ22から搬送路26へ供給された原稿は、吸入シュート部29、湾曲部37、排紙シュート部38を順次経て、排紙トレイ23に排出される。
ADFカバー28は、吸入ローラ31より給紙トレイ22側を回動軸として、上方へ回動自在に設けられている。ADFカバー28を開くことにより、吸入シュート部29及び湾曲部37が開放されるとともに、吸入ローラ31及び分離ローラ33と、吸入ニップ片32及び分離ニップ片34とが離間される。したがって、ADFカバー28を開くことにより、搬送路26において発生した紙詰まりを解消したり、ADF5の内部のメンテナンスを行うことができる。
図2及び図3に示すように、原稿載置台4の上面にはプラテンガラス20が配設されている。該プラテンガラス20は、スキャナ部2をFBSとして使用する場合に原稿を載置するものであり、1枚の透明なガラス板である。原稿載置台4の筐体39は、その上面中央にプラテンガラス20を露出するための開口が形成されている。プラテンガラス20は、該開口より十分に大きなものであり、プラテンガラス20のうち開口から露出された領域が原稿読取領域となる。
上記筐体39内には、すなわちプラテンガラス20の原稿載置面と反対側には画像読取ユニット21が配設されている。筐体39は合成樹脂製のものであり、画像読取ユニット21が配設される部分と操作パネル7の基板等が配設される部分とを区画するリブや、プラテンガラス20を支持するための支持リブ、各種部材をネジ止めするためのボス部、電気配線等のための貫通孔等が設けられているが、これらは原稿載置台4の実施態様に応じて適宜設計されるものなので、詳細な説明は省略する。
画像読取ユニット21は、図2に示すように、CISユニット40(画像読取手段)、キャリッジ41(走査手段)、及び不図示の走査機構から構成されている。CISユニット40は、光源42からプラテンガラス20を通じて原稿に光を照射し、該原稿からの反射光をレンズ43により受光素子44に集光して電気信号に変換するいわゆる密着型のイメージセンサである。受光素子44は、例えばチップ単位で搬送ローラ35の軸方向、すなわち原稿の幅方向に一列に並べられており、光源42及びレンズ43も同方向に列設されている。また、光源42には、レッド(R)・グリーン(G)・ブルー(B)に色分解された3色の発光ダイオード(LED)が用いられている。
図4に示すように、上記CISユニット40はキャリッジ41に搭載されてプラテンガラス20に密接されており、キャリッジ41は、走査機構であるベルト駆動機構によりプラテンガラス20の下方を走査可能に設けられている。キャリッジ41は、原稿載置台4の筐体39の幅方向に渡って架設されたガイドシャフト45と嵌合して、不図示のベルト駆動機構により駆動されてガイドシャフト45上を摺動して移動するものであり、該キャリッジ41が上記CISユニット40をプラテンガラス20に密着させるように搭載してガイドシャフト45上を移動することにより、CISユニット40がプラテンガラス20に沿って走査される。
図に示すように、キャリッジ41は、その上側に担持するようにして上記CISユニット40を搭載しており、キャリッジ41の下面には、ガイドシャフト45を上方から跨ぐようにして嵌合するシャフト受け部46が形成されている。該シャフト受け部46とガイドシャフト45とが嵌合して、キャリッジ41がガイドシャフト45に担持されてガイドシャフト45の軸方向に摺動自在となっている。また、シャフト受け部46の側方には、ベルト掴持部47が下方へ突設されている。該ベルト掴持部47は、ベルト駆動機構のタイミングベルトを掴むことにより、該タイミングベルトとキャリッジ41とを連結するためのものである。これにより、ベルト駆動機構からキャリッジ41に駆動力が伝達されて、ガイドシャフト45上をキャリッジ41が移動するものとなる。なお、ベルト駆動機構は、例えば、駆動プーリと従動プーリとの間にタイミングベルトが巻架され、モータの回転が駆動プーリの軸に出力され、該駆動プーリの回転によりタイミングベルトが周運動するように構成されている。
また、上記CISユニット40が搭載されるキャリッジ41の内側には、バネ受け部48が左右2箇所に形成されており、該バネ受け部48により位置決めされて、CISユニット40とキャリッジ41との間にコイルバネ49が介設されている。このコイルバネ49により、キャリッジ41に搭載されたCISユニット40がプラテンガラス20の下面に押し付けられるように密着している。CISユニット40の両端側には、コロ50が設けられており、該コロ50により、プラテンガラス20の下面に押し付けられたCISユニット40が、キャリッジ41の移動に伴いプラテンガラス20の下面に密着しながら円滑に移動するようになっている。
図3に示すように、上記プラテンガラス20の上面には、プラテンガラス20が原稿載置台4の上面として露出された領域を区画する区画部材51が配設されている。区画部材51は、原稿載置台4の奥行き方向、換言すれば原稿読取ユニット21の延設方向に長尺の平板状の部材であり、図に示すように、プラテンガラス20を左右2つの領域に区画している。図2に示したように、プラテンガラス20の一端側(図左側)は、上記搬送ローラ35の下方にまで至っており、ADF5を用いて画像読取りを行う際の読取面を構成している。
一方、プラテンガラス20の他端側は、スキャナ部2をFBSとして使用する場合の原稿載置面をなしている。そして、上記区画部材51は、ADF5における読取面である搬送読取領域20Lと、FBSにおける原稿載置面である静止原稿読取領域20Rとにプラテンガラス20を左右に区画している。また、区画部材51は、静止原稿読取領域20Rに原稿を載置する際に、原稿の位置決め基準として用いられる。したがって、原稿は、区画部材51に記した中央位置を基準として静止原稿読取領域20Rに載置され、区画部材51には、中央位置やA4サイズ、B5サイズ等の各種原稿サイズの両端位置を示す表示が記されている。
また、図5に示すように、上記区画部材51は、原稿押さえカバー6と対向する面にガイド面52が形成されている。ガイド面52は、区画部材51の搬送ローラ35と対向する面を、プラテンガラス20の搬送原稿読取領域20Lへ向かって厚みが薄くなるように傾斜させたものであり、このガイド面52により、給紙トレイ22から搬送路26へ搬送される原稿の先端が搬送原稿読取領域20Lへ案内される。これにより、搬送原稿読取領域20Lへの原稿の搬送を円滑ならしめるとともに、区画部材51と別途にガイド部材を設ける必要がなく、部材の共通化によりスキャナ部2の小型化及びコストダウンを実現することができる。
また、上記ガイド面52は、読取前の原稿を搬送原稿読取領域20Lへ案内するものなので、ガイド面52の最下部をプラテンガラス20の表面より凹ませる必要がない。つまり、搬送原稿読取領域20Lの下流側に形成されたガイド面39Aは、読取後の原稿を搬送原稿読取領域20Lからすくい上げるように案内するものなので、仮に、ガイド面39Aの最下端がプラテンガラス20の表面より突出していれば、読取後の原稿の先端がガイド面39Aの最下端に当接してジャム等の原因となり得る。したがって、ガイド面39Aの最下端はプラテンガラス20の表面より凹ませておくことが好適である。
これに対し、仮に、区画部材51のガイド面52の最下端がプラテンガラス20より突出していたとしても、原稿が区画部材51に当接してジャムが生ずるおそれはない。したがって、プラテンガラス20を搬送原稿読取領域20Lと静止原稿読取領域20Rとに分割して、区画部材51のガイド面52の最下端をプラテンガラス20より凹ませる必要がなく、これら領域を1枚のプラテンガラス20で構成し、区画部材51をプラテンガラス20の上面に配設することができる。これにより、プラテンガラス20及び区画部材51の構成が簡易になるとともに、スキャナ部2の組立てが容易となる。
図5に示すように、上記区画部材51の下面側には、プラテンガラス20との間に介在するように第1の基準部材53が設けられている。この第1の基準部材53は、CISユニット40の明度基準となるものである。詳細には、第1の基準部材53は、区画部材51の下面のほぼ全域を覆う薄膜帯状の部材であり、図6に示すように、CISユニット40の副走査方向、すなわち図の左右方向に3つの領域を有する。左端側の領域53Aは白色に着色された領域であり、CISユニット40の光量調整や白レベルデータの取得に用いられる。中央の領域53Bは黒色に着色された領域であり、CISユニット40の黒レベルデータの取得に用いられる。また、左端の領域53Aと中央の領域53Bの境界が、CISユニット40の副走査方向の基準となる。右端の領域53Cは奥行き方向の中央が白色に着色され、且つ両端が黒色に着色された領域であり、CISユニット40の主走査方向の基準となる。このような第1の基準部材53が、各領域がCISユニット40の延設方向と同方向となるようにして、区画部材51とプラテンガラス20との間に介設されている。
このように、区画部材51の下面に第1の基準部材53を介設することにより、第1の基準部材53の読取位置と、原稿の読取位置、すなわち、搬送原稿読取領域20L及び静止原稿読取領域20Rの読取開始位置とを近接することができ、第1の基準部材に対して光量調整や白レベルデータを取得後に原稿を読み取るに要するキャリッジ41の移動距離を短くすることができる。また、区画部材51と第1の基準部材53とを略同幅とすることにより、区画部材51の幅が小さくなるので、原稿載置台4の上面に露出されるプラテンガラス20の領域を小さくすることができる。これにより、原稿載置台4の上面の面積を小さくして、スキャナ部2を小型化することができる。
また、図3及び図7に示すように、プラテンガラス20が原稿載置台4の外面として露出された領域以外であって、原稿載置台4の幅方向左側のCISユニット40の副走査方向の端部には、第2の基準部材54が配設されている。なお、図7において原稿押さえカバー6は省略されている。第2の基準部材54も、上記第1の基準部材53と同様に、CISユニット40の明度基準となるものである。詳細には、第2の基準部材54は、CISユニット40主走査方向に渡る薄膜帯状の部材であり、原稿載置台4の筐体39とプラテンガラス20との間に介設されている。前述したように、筐体39の上面にはプラテンガラス20を露出するための開口が形成されており、第2の基準部材54は、該開口周縁から十分に奥側に配置されている。この位置は、開口から進入した外光が第2の基準部材54に影響しない程度に設定されており、具体的には開口周縁より数センチメートル程度奥側でよい。また、プラテンガラス20は、筐体39の開口より大きいものであり、筐体39の上面の内面側にまで延出されている。
このように、第2の基準部材54を筐体39とプラテンガラス20との間に介設することにより、第2の基準部材54を原稿と同等の読取環境、すなわちプラテンガラス20上であって上側が遮光された状態に配置することができる。また、筐体39の内面側に配置することにより、原稿載置台4のサイズを拡大することなく、第2の基準部材54に外光が影響することを確実に防止することができる。この第2の基準部材54は、その全領域が白色に着色されており、CISユニット40の光量調整や白レベルデータ及び黒レベルデータの取得に用いられる。
図8は、複合機1の制御部55の構成を示している。該制御部55は、スキャナ部2のみでなくプリンタ部3も含む複合機1の全体動作を制御するものである。しかしながら、本実施の形態においてはプリンタ部3の構成要素は詳述する必要がないので、図においてはプリンタ部3の構成要素は省略されている。制御部55は、図に示すように、CPU56、ROM57、RAM58、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)59を主とするマイクロコンピュータとして構成されており、バス60を介してASIC(Application Specific Integrated Circuit)61に接続されている。
ROM57には、複合機1の各種動作を制御するためのプログラム等が格納されている。RAM58は、CPU56が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記録する記憶領域又は作業領域として使用される。
ASIC61は、CPU56からの指令に従い、搬送(LF)モータ62に通電する相励磁信号等を生成して、該信号を搬送モータ62の駆動回路63に付与し、該駆動回路63を介して駆動信号を搬送モータ62に通電することにより、搬送モータ62の回転制御を行っている。
駆動回路63は、上記吸入ローラ31、分離ローラ33及び搬送ローラ35に接続された搬送モータ62を駆動させるものであり、ASIC61からの出力信号を受けて、搬送モータ62を回転するための電気信号を形成する。該電気信号を受けて搬送モータ62が回転し、該搬送モータ62の回転力がギアや駆動軸等からなる周知の駆動機構を介して、分離ローラ33及び搬送ローラ35へ伝達される。
同様に、ASIC61は、CPU56からの指令に従い、キャリッジ(CR)モータ64に通電する相励磁信号等を生成して、該信号をキャリッジモータ64の駆動回路65に付与し、該駆動回路65を介して駆動信号をキャリッジモータ64に通電することにより、キャリッジモータ64の回転制御を行っている。
駆動回路65は、上記キャリッジ41に接続されたベルト駆動機構のキャリッジモータ64を駆動させるものであり、ASIC61からの出力信号を受けて、キャリッジモータ64を回転するための電気信号を形成する。該電気信号を受けてキャリッジモータ64が回転し、該キャリッジモータの回転力が周知のベルト駆動機構を介して、キャリッジ41へ伝達されことによりキャリッジ41が走査される。
また、ASIC61には、搬送路26において原稿を検出するためのリードセンサ66や、分離ローラ33及び搬送ローラ35の回転量を検出するためにこれらに設けられたロータリエンコーダ67、キャリッジ41の移動量を検出するためのリニアエンコーダ68が接続されている。
また、ASIC61には、搬送路26を搬送される原稿の画像読取りを行うCISユニット40が接続されている。そして、ROM57に格納された制御プログラムに基づいて、光量調整や白レベルデータの取得、画像読取りが行われる。また、本実施の形態では、CISユニット40は、原稿押さえカバー6の開閉を検知する制御手段としても機能する。詳細に説明するに、原稿押さえカバー6を開くことにより、原稿載置台4の上面のプラテンガラス20が露出され、該プラテンガラス20を通じて原稿載置台4の内部に外光が進入する。一方、原稿押さえカバー6を閉じれば、プラテンガラス20は原稿押さえカバー6に覆われるので、外光が遮断され原稿載置台4の内部に進入しない。
CISユニット40は、原稿載置台4の内部に配設されているので、後述するように、CISユニット40が第1の基準部材53に対して光量調整を行う際に、得られた光量調整値が所定の閾値未満であるか否かに基づいて原稿押さえカバー6の開閉を判断することができる。すなわち、外光が進入していれば、その外光量だけCISユニット40の光源42の光量は少なくても一定の出力が得られるので光量調整値は小さくなる。したがって、光量調整値が所定の閾値未満であれば、原稿押さえカバー6が開いていると判断することができる。このような制御手段は、上記CPU56、ROM57、RAM58、EEPROM59、及びCISユニット40から構成される。
このように、CISユニット40による外光の検知に基づいて原稿押さえカバー6の開閉を判断させることにより、原稿押さえカバー6の開閉を検知するためのセンサを別途設ける必要がなく、スキャナ部2の小型化及び低コスト化が実現される。なお、CISユニット40を複合機1の電源がオンとされている間において常時動作させて外光の有無を検出するようにしてもよい。この場合は、CISユニット40が外光を検出した場合、すなわちCISユニット40の出力が所定の閾値以上であれば原稿押さえカバー6が開姿勢であり、該出力が所定の閾値未満であれば原稿押さえカバー6が閉姿勢と判断することができる。
さらに、ASIC61には、複合機1の操作指示を行うための操作パネル7、各種小型メモリカードが挿入されるスロット部8、パソコン等の外部機器とパラレルケーブルやUSBケーブルを介してデータの送受信を行うためのパラレルインタフェース69及びUSBインタフェース70、ファクシミリ機能を実現するためのNCU(Network Control Unit)71やMODEM72も接続されている。
以下、スキャナ部2の動作について説明する。
スキャナ部2をFBSとして使用する場合には、原稿押さえカバー6を開いてプラテンガラス20の静止原稿読取領域20Rに原稿Gを載置する。そして、原稿押さえカバー6を閉じて、該原稿Gをプラテンガラス20上に固定する。その後、操作パネル7のスタートボタンを押すことにより、制御部55が、キャリッジ41をプラテンガラス20に沿って移動させ、その移動の間にCISユニット40によりプラテンガラス20の静止原稿読取領域20Rに載置された原稿Gの画像を読み取る。
一方、ADF5を使用する場合には、原稿押さえカバー6を原稿載置台4に対して閉じた状態とする。そして、給紙トレイ22に読み取るべき原稿Gを載置する。該原稿Gは1枚であっても複数枚であってもよい。例えば、同じサイズの複数枚の原稿Gの画像読取りを行う場合には、各原稿Gを重ねて揃え、その一端を給紙トレイ22から吸入シュート部29に挿入する。
そして、操作パネル7のスタートボタンを押せば、制御部55が、モータを駆動して、吸入ローラ31、分離ローラ33、搬送ローラ35を所定のタイミングで回転駆動する。そして、吸入ローラ31及び分離ローラ33の回転力を直接受ける最下位置の原稿Gから1枚ずつ分離されて搬送路26へ送り込まれる。給送された原稿Gは、搬送路26に案内されて搬送原稿読取領域20Lへ搬送され、該搬送原稿読取領域20Lの下方で静止されたCISユニット40により原稿Gの画像読取りが行われる。そして、画像読取りを終えた原稿Gは、排紙シュート部38から排紙トレイ23へ排出される。
このようなスキャナ部2による画像読取りにおいて、CISユニット40が原稿Gの画像読取りを開始する前に、CISユニット40の出力調整として、光源42の光量調整、並びに白レベルデータ及び黒レベルデータの取得が行われる。
図5,7,9,10を用いて詳細に説明するに、先ず制御部55は、キャリッジ41をホームポジションHP(待機位置)に移動させる。このホームポジションHPは、搬送原稿読取領域20Lの下方付近である。このホームポジションHPは、第1の基準部材53の左端の領域53Aと中央の領域53Bの境界をマークポジションとして制御部55に認識される。そして、画像読取りに先立ってキャリッジ41を第1の基準部材53の下方、すなわち図5における位置P1に移動させる(S1)。この位置P1は、第1の基準部材53の左端の領域53Aに対応する位置である。このように、第1の基準部材53付近をホ−ムポジションHPとしてCISユニット40の待機位置とすることにより、第1の基準部材53に対して光量調整を行うまでに、キャリッジ41を移動させる距離が短くなり、画像読取動作を高速化することができる。
そして、制御部55は、CISユニット40の光源42の光量調整を第1の基準部材53に対して行う。詳細には、最初に十分に小さい光量で光源42から第1の基準部材53の領域53Aに光を照射する。この場合、領域53Aからの反射光も小さくなるので、CISユニット40の受光素子44からの出力も小さい。そして、受光素子44の出力が所望の値となるまで段階的に光源42の光量を増加し、該出力が所望の値となったときの光量を光量調整値としてRAM58に格納する。
続いて、得られた光量調整値を予め定められた閾値と比較する(S3)。この閾値は、原稿押さえカバー6が閉じられて光量調整を行った場合に得られる光量調整値に基づいて定められる。具体的には、例えば、複合機1の出荷時に標準の光量調整値としてEEPROM59に設定された光量調整値や、前回までの光量調整において得られた光量調整値をEEPROM59に記憶させ、これら光量調整値に0.8等の所定の係数を乗じて閾値とすることができる。
すなわち、仮に係数を0.8とすれば、原稿押さえカバー6が閉じられて光量調整を行った場合に得られる光量調整値の8割以上であれば、制御部55は、原稿押さえカバー6が閉姿勢と判断する。図5に示すように、原稿押さえカバー6が閉姿勢であれば、搬送原稿読取領域20Lは搬送ローラ35等に覆われており、また、プラテンガラス20の全域が原稿押さえカバー6に覆われているので、第1の基準部材53付近へ外光が進入することがない。したがって、第1の基準部材53に対して光量調整を行えば、標準の光量調整値や前回の光量調整値とほぼ同じ値が得られる。したがって、光源42や受光素子44の安定性等を考慮しても、標準の光量調整値等から一定の範囲内の値が得られる。
一方、スキャナ部2をFBSとして用いる場合に、ブック原稿等の厚みのある原稿等をプラテンガラス20に載置すれば、原稿押さえカバー6を完全に閉じることができない。また、プラテンガラス20の静止原稿読取領域20Rよりも大きなサイズの原稿の一部を読み取る場合等には、読取箇所を確認するために原稿押さえカバー6を敢えて閉じずに画像読取りを行うことも想定される。図10に示すように、原稿押さえカバー6が開姿勢であれば、搬送原稿読取領域20Lは露出された状態なので、搬送原稿読取領域20Lから外光Lが原稿載置台4の内部へ進入する。
この外光Lは、原稿載置台4の内部の部材に反射したり、プラテンガラス20の厚み内を反射しながら、第1の基準部材53に入射したり、位置P1にあるCISユニット40に入射する。特に、CISユニット40は、図2に示したように、受光素子44が上側を向いて配設されているので、CISユニット40の上面から内部へ進入した外光Lが受光素子44の出力に影響しやすい。したがって、外光Lが進入した状態で第1の基準部材53に対して光量調整を行えば、光源42から照射される光量が、その外光Lの光量分だけ小さな光量であっても、受光素子44は反射光量と外光Lとの和の光量を受光するので、所望の出力値が得られる。その結果、光源42は、外光の分だけ小さな光量調整値とされる。よって、仮に係数を0.8とすれば、原稿押さえカバー6が閉じられて光量調整を行った場合に得られる光量調整値の8割未満であれば、制御部55は、原稿押さえカバー6が開姿勢と判断する。
得られた光量調整値を予め定められた閾値とを比較した結果、閾値未満であれば、制御部55は、キャリッジ41を位置P2へ移動させる(S4)。この位置P2は、図7に示すように、第2の基準部材54に対応する位置である。第2の基準部材54は、図に示すように、原稿載置台4の筐体39がプラテンガラス20を露出するために開口した開口周縁から十分に奥側に設けられており、第2の基準部材54の上側及び両側は筐体39により覆われている。したがって、第2の基準部材に対しては外光Lの影響を受けることなく光量調整を行うことができ、外光Lの影響がない適正な光量調整値を得ることができる(S5)。
そして、第2の基準部材54に対して得られた光量調整値を用いて、第2の基準部材54に対して白レベルデータ及び黒レベルデータを取得する(S6,S7)。詳細に説明するに、CISユニット40の光源42から上記光量調整値で第2の基準部材54に光を照射する。そして、第2の基準部材54からの反射光を受光素子44で電気信号に変換し、その出力を白レベルデータとしてRAM58に記憶させる。この白レベルデータの取得は、第2の基準部材54に対して複数回行って、その平均を用いるようにしても、また、第2の基準部材54の範囲内でキャリッジ41を移動させながら行うようにしてもよい。
白レベルデータを取得した後、制御部55は、光源42を消灯した状態で第2の基準部材54に対して得られた受光素子44の出力を黒レベルデータとしてRAM58に記憶させる。この黒レベルデータの取得も、前述と同様に複数回行っても、第2の基準部材54の範囲内でキャリッジ41を移動させながら行ってもよい。また、白レベルデータの取得と黒レベルデータの取得とは順序が逆であってもよい。このようにして得られた白レベルデータ及び黒レベルデータは、画像読取りにおけるシェーディング補正の基準データとして用いられる。
続いて、制御部55は、キャリッジ41を静止原稿読取領域20Rにおける読取開始位置である位置P3へ移動させる(S8)。そして、第2基準部材54に対して得られた光量調整値で光源42から光を照射しながらキャリッジ41をプラテンガラス20に沿って移動させる。図10に示すように、静止原稿読取領域20Rの読取開始位置P3は、搬送原稿読取領域20Lから十分に離れているので、外光Lの影響を受け難い。したがって、第2基準部材54に対して得られた光量調整値が光源42から原稿Gに対して照射する光の適正光量となる。
そして、キャリッジ41の移動の間にCISユニット40によりプラテンガラス20の静止原稿読取領域20Rに載置された原稿Gからの反射光を受光素子44で順次電気信号に変換することにより、原稿Gの画像データを得る(S9)。CISユニット40から出力される画像データはRAM58に格納されて、上記白レベルデータ及び黒レベルデータに基づいてシェーディング補正がなされる。この白レベルデータ及び黒レベルデータも第2の基準部材54に対して得たものであるから、外光Lの影響のない適正なシェーディング補正がなされる。また、制御部55は、画像読取りを終えれば、キャリッジ41をホームポジションHPへ戻して待機状態となる(S10)。
一方、得られた光量調整値を予め定められた閾値とを比較した結果、閾値以上であれば、第1の基準部材53に対して白レベルデータ及び黒レベルデータを取得する(S6,S7)。詳細に説明するに、制御部55は、CRモータ64を駆動させてキャリッジ41を位置P1へ移動し、CISユニット40の光源42から、第1の基準部材53に対して得られた光量調整値で第1基準部材53の左端の領域53Aに光を照射する。そして、該領域53Aからの反射光を受光素子44で電気信号に変換し、その出力を白レベルデータとしてRAM58に記憶させる。この白レベルデータの取得は、領域53Aに対して複数回行って、その平均を用いるようにしても、また、領域53Aの範囲内でキャリッジ41を移動させながら行うようにしてもよい。
白レベルデータを取得した後、制御部55は、CRモータ54を駆動させてキャリッジ41を第1の基準部材53の中央の領域53Bに対応する位置へ移動させる。そして、光源42を消灯した状態で得られた受光素子44の出力を黒レベルデータとしてRAM58に記憶させる。この黒レベルデータの取得も、前述と同様に複数回行っても、領域53Bの範囲内でキャリッジ41を移動させながら行ってもよい。また、白レベルデータの取得と黒レベルデータの取得とは順序が逆であってもよい。このようにして得られた白レベルデータ及び黒レベルデータは、画像読取りにおけるシェーディング補正の基準データとして用いられる。このように、原稿押さえカバー6が閉じられて外光Lの影響がない場合には、ホームポジションHP及び画像読取開始位置に近い第1の基準部材53に対して、光源42の光量調整、並びに白レベルデータ及び黒レベルデータの取得を行うことにより、キャリッジ41を移動させる距離を短くして、画像読取りに必要な時間が短縮される。
続いて、制御部55は、キャリッジ41を静止原稿読取領域20Rにおける読取開始位置である位置P3へ移動させる(S8)。そして、第1基準部材53に対して得られた光量調整値で光源42から光を照射しながらキャリッジ41をプラテンガラス20に沿って移動させ、その移動の間にCISユニット40によりプラテンガラス20の静止原稿読取領域20Rに載置された原稿の画像を読み取る(S9)。CISユニット40から出力される画像データはRAM58に格納されて、上記白レベルデータ及び黒レベルデータに基づいてシェーディング補正がなされる。また、制御部55は、画像読取りを終えれば、キャリッジ41をホームポジションHPへ戻して待機状態となる(S10)。
このように、本複合機1のスキャナ部2によれば、原稿押さえカバー6が原稿載置台4に対して閉じられている場合には、第1の基準部材53に対してCISユニット40の出力調整を行い、原稿押さえカバー6が原稿載置台4に対して開かれている場合には、第2の基準部材54に対して出力調整を行うこととしたので、原稿押さえカバー6が開かれていても、外光Lの影響を受けることなくCISユニット40の出力調整を的確に行うことができる。これにより、出力調整時に外光Lの影響を受けて読取画像が劣化することを防止できる。
なお、本実施の形態では、CISユニット40の光源42を第1の基準部材53に対して光量調整し、得られた光量調整値を閾値と比較することにより、外光Lの有無、すなわち原稿押さえカバー6の開閉を判断するものとしたが、CISユニット40を同様に本発明に係る制御手段として、別の動作により得られたCISユニット40の読取値に基づいて原稿押さえカバー6の開閉を判断することもできる。具体的には、CISユニット40の光源42を消灯して上記第1の基準部材53を読み取る。外光Lが原稿載置台4の内部に進入していなければ、光源42を消灯して得られる読取値は、黒レベルデータに近い値となるが、外光Lが進入していれば、その外光Lを受光素子44が読み取るので黒レベルデータより高い読取値が得られる。したがって、該読取値に対して適当な閾値を設定し、得られた読取値が閾値以上である場合に、原稿押さえカバー6が開姿勢と判断することができる。
また、さらに別の動作として、CISユニット40の光源42を消灯して上記第1の基準部材53の左端の領域53Aと中央の領域53Bとを読み取り、これら読取値の差から原稿押さえカバー6の開閉を判断することができる。外光Lが原稿載置台4の内部に進入していなければ、光源42を消灯して得られる読取値は、白色の領域53Aであっても黒色の領域53Bであっても、双方の読取値とも黒レベルデータに近い同等の値となるが、外光Lが進入していれば、その反射率の差により、双方の読取値に差が生じる。したがって、この読取値の差に対して適当な閾値を設定し、得られた読取値の差が閾値以上である場合に、原稿押さえカバー6が開姿勢と判断することができる。
また、CISユニット40を本発明に係る制御手段とせずに、マグネットセンサや光学センサを用いて原稿押さえカバー6の開閉を直接検知することとしてもよい。
また、本実施の形態では、本発明に係る画像読取手段として密着型イメージセンサであるCISユニット40を用いた場合について説明したが、本発明に係る画像読取手段は、密着型イメージセンサの他、例えば縮小光学系のCCDイメージセンサを用いることもできる。
また、本発明による画像読取手段の出力調整は、必ずしも光源の光量調整、並びに白レベルデータ及び黒レベルデータの取得のすべてを行うことを意味するものではなく、例えば、光源の光量調整を行うことなく、一定の光量でCISイメージセンサやCCDイメージセンサ等の白レベルデータ又は黒レベルデータを取得するものをも含む概念である。白レベルデータや黒レベルデータを取得する場合に外光が影響すれば、その外光分だけ大きい出力を白レベル又は黒レベルの基準としてシェーディング補正を行うこととなるので、外光の影響を受けない原稿Gの画像を読み取ってシェーディング補正を行うと、読取画像が暗くコントラストの低いものとなる。したがって、白レベルデータ又は黒レベルデータを取得に際して本発明を適用することにより、外光の影響を受けない適正なシェーディング補正の基準データを取得することができる。