JP4363229B2 - 含酸素化合物の製造方法 - Google Patents

含酸素化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4363229B2
JP4363229B2 JP2004077840A JP2004077840A JP4363229B2 JP 4363229 B2 JP4363229 B2 JP 4363229B2 JP 2004077840 A JP2004077840 A JP 2004077840A JP 2004077840 A JP2004077840 A JP 2004077840A JP 4363229 B2 JP4363229 B2 JP 4363229B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
methyl
dimethyl
propenyl
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004077840A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004307480A (ja
Inventor
弘寿 萩谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2004077840A priority Critical patent/JP4363229B2/ja
Publication of JP2004307480A publication Critical patent/JP2004307480A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4363229B2 publication Critical patent/JP4363229B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

本発明は、含酸素化合物の製造方法に関する。
例えば1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基等のメチル基もしくはメチレン基に結合する炭素−炭素二重結合を有するオレフィン類(以下、オレフィン類と略記する。)の前記メチル基もしくはメチレン基を酸化することにより得られるアルコール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類等の含酸素化合物は、各種化学製品およびその合成中間体として極めて重要な化合物である。例えば3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸エステル類の2位の2−メチル−1−プロペニル基のメチル基が酸化された3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸エステルは、第二菊酸として知られる家庭用防疫薬や殺虫剤等の酸部分として重要な菊酸誘導体であり(例えば、非特許文献1参照。)、ゲラニルアセテートの末端メチル基が酸化されたE,E−2,6−ジメチル−2,6−オクタジエン−1,8−ジオール−8−アセテートは、天然物合成の中間体として有用である(例えば、非特許文献2参照。)。
オレフィン類の炭素−炭素二重結合に結合するメチル基もしくはメチレン基は、アリル位のメチル基もしくはメチレン基であり、かかるアリル位のメチル基もしくはメチレン基を酸化して、含酸素化合物を製造する方法としては、例えば前記オレフィン類を二酸化セレンと反応させる方法(例えば、非特許文献3および非特許文献4参照。)、二酸化セレン触媒の存在下に、オレフィン類と有機ヒドロパーオキシドを反応させる方法(例えば、非特許文献5参照。)が知られている。しかしながら、前者の方法は、二酸化セレンを多量に用いており、しかも反応後にはセレン金属となるため、再使用するには該セレン金属を再度酸化する必要があった。また、後者の方法は、労働安全衛生上問題のある塩化メチレンを溶媒とし、しかも触媒である二酸化セレンの回収、再使用が困難であるという点で、いずれも工業的には満足し得るものではなかった。
Synthetic Pyrethroid Insecticides:Structure and Properties, 3(1990) Tetrahedron Letters, 42, 2205(2001) Comprehensive Organic Synthesis, 7, 83(1991) Proc. Japan Acad., 32, 353(1956) J. Amer. Chem. Soc., 99, 5526(1977)
このような状況のもと、本発明者らは、メチル基もしくはメチレン基に結合する炭素−炭素二重結合を有するオレフィン類を酸化して、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類等の含酸素化合物を、より工業的に有利に製造する方法を開発すべく鋭意検討したところ、前記オレフィン類と有機ヒドロパーオキシドとを、イオン性液体およびセレン化合物の存在下に反応させることにより、前記オレフィン類のアリル位のメチル基もしくはメチレン基の酸化反応が効率良く進行し、含酸素化合物が得られること、さらにセレン化合物の回収、再使用も容易であることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明は、メチル基もしくはメチレン基に結合する炭素−炭素二重結合を有するオレフィン類と有機ヒドロパーオキシドとを、イオン性液体およびセレン化合物の存在下に反応させることを特徴とする含酸素化合物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、前記オレフィン類のアリル位を高選択的に酸化することができ、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類等の含酸素化合物を得ることができる。しかも、イオン性液体とセレン化合物の回収、再使用も容易であり、工業的に有利である。
本発明におけるオレフィン類としては、その分子内に、例えば1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基等の炭素−炭素二重結合にメチル基もしくはメチレン基が結合した構造を有するオレフィン類であれば特に制限されず、例えば式(1)
Figure 0004363229
(式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表わす。R、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアラルキルオキシ基、置換されていてもよいアルキルカルボニル基、置換されていてもよいアリールカルボニル基、置換されていてもよいアラルキルカルボニル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子または水素原子を表わす。ここで、RとR、RとR、RとRおよびRとRのうちの少なくとも一組が結合して、その結合炭素原子とともに環を形成してもよい。)
で示される化合物(以下、化合物(1)と略記する。)や式(4)
Figure 0004363229
(式中、R、RおよびRはそれぞれ上記と同一の意味を表わす。ここで、RとRまたはRとRが結合して、その結合炭素原子とともに環を形成してもよい。)
で示される化合物(以下、化合物(4)と略記する。)等が挙げられる。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−デシル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状の炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。かかるアルキル基は、後述する置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアラルキルオキシ基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキルカルボニル基、置換されていてもよいアリールカルボニル基、置換されていてもよいアラルキルカルボニル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基、カルボキシル基等で置換されていてもよく、かかる置換基で置換されたアルキル基としては、例えばクロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基等が挙げられる。
置換されていてもよいアルコキシ基としては、前記置換されていてもよいアルキル基と酸素原子とから構成されるものが挙げられ、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−デシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、メンチルオキシ基、クロロメトキシ基、フルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等が挙げられる。
アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。かかるアリール基は、前記置換されていてもよいアルキル基、前記置換されていてもよいアルコキシ基、前記アリール基、後述する置換されていてもよいアラルキル基、後述する置換されていてもよいアリールオキシ基、後述する置換されていてもよいアラルキルオキシ基、後述するハロゲン原子等の置換基で置換されていてもよい。かかる置換されたアリール基としては、例えば2−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−フェノキシフェニル基等が挙げられる。置換されていてもよいアリールオキシ基としては、前記置換されていてもよいアリール基と酸素原子とから構成されるものが挙げられ、例えばフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、3−フェノキシフェノキシ基等が挙げられる。
置換されていてもよいアラルキル基としては、前記置換されていてもよいアリール基と上記したアルキル基とから構成されるものが挙げられ、例えばベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、3−フェノキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル基等が挙げられる。置換されていてもよいアラルキルオキシ基としては、前記置換されていてもよいアラルキル基と酸素原子とから構成されるものが挙げられ、例えばベンジルオキシ基、4−クロロベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、4−メトキシベンジルオキシ基、3−フェノキシベンジルオキシ基、2,3,5,6−テトラフルオロベンジルオキシ基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジルオキシ基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジルオキシ基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。置換されていてもよいアルキルカルボニル基、置換されていてもよいアリールカルボニル基および置換されていてもよいアラルキルカルボニル基としては、カルボニル基と前記置換されていてもよいアルキル基、前記置換されていてもよいアリール基および前記置換されていてもよいアラルキル基とから構成されるものが挙げられ、例えばアセチル基、エチルカルボニル基、ベンゾイル基、ベンジルカルボニル基等が挙げられる。
置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基および置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基としては、それぞれカルボニル基と前記置換されていてもよいアルコキシ基、前記置換されていてもよいアリールオキシ基および前記置換されていてもよいアラルキルオキシ基とから構成されるものが挙げられ、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
かかるオレフィン類としては、例えばゲラニルアセテート、ゲラニルベンゾエート、ゲラニルメチルエーテル、ゲラニルベンジルエーテル、ゲラニルフェニルスルホン、ゲラニルアセトン、プレニルアセテート、7−オクテン酸メチル、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ドデセン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、1−メチルシクロヘキセン、1,4−ジメチルシクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、2−ヘキセン、1,7−オクタジエン、1,2,3,4−テトラヒドロ無水フタル酸、インデン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、β―ベンジルスチレン、4−メトキシー6−メチル−2H−ピラン−2−オン、メチレンシクロブタン、メチレンシクロペンタン、β−ピネン、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、シクロヘキシリデンシクロヘキサン、プレゴン、イソホロン、2−カレン、3−カレン、α−ピネン等が挙げられる。
本反応は、オレフィン類と有機ヒドロパーオキシドとを、イオン性液体およびセレン化合物の存在下に反応させるものであり、オレフィン類の炭素−炭素二重結合に結合したメチル基もしくはメチレン基が酸化された含酸素化合物が得られる。メチレン基が炭素−炭素二重結合に結合した構造を有するオレフィン類を用いた場合には、アルコール類および/またはケトン類が得られ、その生成比率は、有機ヒドロパーオキシドの使用量や反応条件等により異なる。また、メチル基が炭素−炭素二重結合に結合した構造を有するオレフィン類を用いた場合には、アルコール類、アルデヒド類およびカルボン酸類からなる群から選ばれる少なくとも1種の含酸素化合物が得られ、その生成比率は、有機ヒドロパーオキシドの使用量や反応条件等により異なる。
オレフィン類として、例えば前記化合物(1)を用いた場合には、式(2)
Figure 0004363229
(式中、R、R、RおよびRは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物および/または式(3)
Figure 0004363229
(式中、R、R、RおよびRは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物が得られる。さらに具体的に化合物を挙げて説明すると、オレフィン類として、シクロヘキセンを用いた場合には、2−シクロヘキセノールおよび/または2−シクロヘキセノンが得られる。
また、オレフィン類として、例えば化合物(4)を用いた場合には、式(5)
Figure 0004363229
(式中、R、RおよびRは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物;
式(6)
Figure 0004363229
(式中、R、RおよびRは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物;
式(7)
Figure 0004363229
(式中、R、RおよびRは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物;
からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が得られる。さらに具体的に化合物を挙げて説明すると、オレフィン類として、例えばイソホロンを用いた場合には、3−ヒドロキシメチル−5,5−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オンおよび/またはホルミルイソホロンおよび/または5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセン−1−カルボン酸が得られる。
セレン化合物としては、例えば二酸化セレン、二硫化セレン、塩化セレニル、セレン酸、亜セレン酸、四塩化セレン、セレノシスチン、セレノ尿素、ジメチルセレノ尿素等の2価、4価もしくは6価のセレン化合物が挙げられ、好ましくは二酸化セレン、セレン酸、亜セレン酸が挙げられる。かかるセレン化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。かかるセレン化合物の使用量は、オレフィン類に対して、通常0.001〜0.95モル倍である。
有機ヒドロパーオキシドとしては、例えばtert−ブチルヒドロパーオキシド、tert−アミルヒドロパーオキシド、キュメンヒドロパーオキシド、シメンヒドロパーオキシド等が挙げられる。有機ヒドロパーオキシドは、通常水溶液あるいは有機溶媒溶液として用いられる。水溶液もしくは有機溶媒溶液中の有機ヒドロパーオキシド濃度は特に制限されないが、容積効率、安全面等を考慮すると、実用的には1〜90重量%程度である。
本発明においては、有機ヒドロパーオキシドの使用量により、生成する含酸素化合物の種類や生成比率等が異なるため、目的とする含酸素化合物に応じて、適宜その使用量を決めればよい。例えばアルコール類を目的とする場合の有機ヒドロパーオキシドの使用量は、オレフィン類に対して、通常1〜2モル倍程度であり、アルデヒド類を目的とする場合の有機ヒドロパーオキシドの使用量は、通常2〜3モル倍程度であり、ケトン類を目的とする場合の有機ヒドロパーオキシドの使用量は、通常2モル倍以上であり、その上限は特にないが、経済的な面を考慮すると、実用的には50モル倍以下である。カルボン酸類を目的とする場合の有機ヒドロパーオキシドの使用量は、通常3モル倍以上であり、その上限は特にないが、経済的な面を考慮すると、実用的には50モル倍以下である。
イオン性液体としては、有機カチオン種とアニオン種とから構成される塩で、100℃以下の融点を持ち、300℃程度の高温まで安定で液体状態を保つ化合物が挙げられる。かかるイオン性液体としては、例えばアルキル置換イミダゾリウム塩、アルキル置換ピリジニウム塩、第四級アンモニウム塩、第四級ホスフォニウム塩、第三級スルホニウム塩等が挙げられ、アルキル置換イミダゾリウム塩が好ましい。
アルキル置換イミダゾリウム塩としては、イミダゾリン環上の少なくとも一つの窒素原子が、置換されていてもよいアルキル基と結合したイミダゾリウムカチオンと、例えばテトラフルオロボレートアニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミドアニオン、アルキルカルボキシレートアニオン、アルカンスルホネートアニオン等のアニオン種とから構成される塩が挙げられる。ここで、置換されていてもよいアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基等の炭素数1〜8の低級アルキル基およびそれらが、例えばメトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜8の低級アルコキシ基;例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;などで置換された、例えばクロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基等が挙げられる。かかる置換されていてもよいアルキル基は、イミダゾリン環上の炭素原子にも結合していてよい。
かかるアルキル置換イミダゾリウム塩としては、例えば1−メチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−イソブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−メトキシエチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−エチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−ブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3,5−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,3−ジエチル−5−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート等のアルキル置換イミダゾリウムテトラフルオロボレートおよび前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンが塩素アニオンに代わったアルキル置換イミダゾリウムクロリド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンが臭素アニオンに代わったアルキル置換イミダゾリウムブロミド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがヨウ素アニオンに代わったアルキル置換イミダゾリウムヨーダイド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがヘキサフルオロホスフェートアニオンに代わったアルキル置換イミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミドアニオンに代わったアルキル置換イミダゾリウムビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルキルカルボキシレートアニオンに代わったアルキル置換イミダゾリウムアルキルカルボキシレート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルカンスルホネートアニオンに代わったアルキル置換イミダゾリウムアルカンスルホネート;などが挙げられる。
アルキル置換ピリジニウム塩としては、例えばピリジン環上の窒素原子が前記置換されていてもよいアルキル基と結合したピリジニウムカチオンと、前記アニオン種とから構成される塩が挙げられ、例えばN−メチルピリジニウムテトラフルオロボレート、N−エチルピリジニウムテトラフルオロボレート、N−プロピルピリジニウムテトラフルオロボレート、N−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、N−ブチル−4−メチルピリジニウムテトラフルオロボレート、N−イソブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、N−ペンチルピリジニウムテトラフルオロボレート等のアルキル置換ピリジニウムテトラフルオロボレートおよび前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンが塩素アニオンに代わったアルキル置換ピリジニウムクロリド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンが臭素アニオンに代わったアルキル置換ピリジニウムブロミド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがヨウ素アニオンに代わったアルキル置換ピリジニウムヨーダイド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがヘキサフルオロホスフェートアニオンに代わったアルキル置換ピリジニウムヘキサフルオロホスフェート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミドアニオンに代わったアルキル置換ピリジニウムビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルキルカルボキシレートに代わったアルキル置換ピリジニウムアルキルカルボキシレート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルカンスルホネートアニオンに代わったアルキル置換ピリジニウムアルカンスルホネート;などが挙げられる。
第四級アンモニウム塩としては、例えば、同一または相異なる前記置換されていてもよいアルキル基4つと窒素原子とから構成されるアンモニウムカチオンと、前記アニオン種とから構成される塩が挙げられ、例えばトリメチルペンチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリメチルヘキシルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリメチルヘプチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリメチルオクチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリエチルペンチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の第四級アンモニウムテトラフルオロボレートおよび前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがヘキサフルオロホスフェートアニオンに代わった第四級アンモニウムヘキサフルオロホスフェート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミドアニオンに代わった第四級アンモニウムビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルキルカルボキシレートアニオンに代わった第四級アンモニウムアルキルカルボキシレート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルカンスルホネートアニオンに代わった第四級アンモニウムアルカンスルホネート;などが挙げられる。
第四級ホスフォニウム塩としては、例えば、同一または相異なる前記置換されていてもよいアルキル基4つとリン原子とから構成されるホスフォニウムカチオンと、前記アニオン種とから構成される塩が挙げられ、例えばトリメチルペンチルホスフォニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルホスフォニウムテトラフルオロボレートの第四級ホスフォニウムテトラフルオロボレートおよび前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがヘキサフルオロホスフェートアニオンに代わった第四級ホスフォニウムヘキサフルオロホスフェート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミドアニオンに代わった第四級ホスフォニウムビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルキルカルボキシレートアニオンに代わった第四級ホスフォニウムアルキルカルボキシレート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルカンスルホネートアニオンに代わった第四級ホスフォニウムアルカンスルホネート;などが挙げられる。
第三級スルホニウム塩としては、例えば、同一または相異なる前記置換されていてもよいアルキル基3つとイオウ原子とから構成されるスルホニウムカチオンと、前記アニオン種とから構成される塩が挙げられ、例えばトリエチルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリブチルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリプロピルスルホニウムテトラフルオロボレート等の第三級スルホニウムテトラフルオロボレートおよび前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがヘキサフルオロホスフェートアニオンに代わった第三級スルホニウムヘキサフルオロホスフェート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミドアニオンに代わった第三級スルホニウムビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルキルカルボキシレートアニオンに代わった第三級スルホニウムアルキルカルボキシレート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルカンスルホネートアニオンに代わった第三級スルホニウムアルカンスルホネート;などが挙げられる。
イオン性液体の使用量は、特に制限されないが、セレン化合物に対して、通常0.1〜100重量倍程度である。
本反応は、通常、無溶媒で実施されるが、溶媒の存在下に実施してもよい。溶媒としては、例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;例えば酢酸エチル等のエステル溶媒;例えばメタノール、エタノール、tert−ブタノール等のアルコール溶媒;例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒;水;などの単独または混合溶媒が挙げられ、その使用量は特に制限されない。
本反応においては、芳香族カルボン酸を共存させることにより、含酸素化合物をさらに収率よく得ることができる。芳香族カルボン酸としては、例えば安息香酸、サリチル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、ピコリン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸等が挙げられ、その使用量は特に制限されないが、実用的には、セレン化合物に対して、0.1〜10モル倍である。
本反応は、オレフィン類、イオン性液体、有機ヒドロパーオキシド、セレン化合物および必要に応じて溶媒や芳香族カルボン酸を混合すればよく、その混合順序は特に制限されないが、好ましい混合順序の一例を以下に示す。まずイオン性液体とセレン化合物と有機ヒドロパーオキシドの一部とを混合しておく。この際、必要に応じて芳香族カルボン酸を混合しておいてもよい。次いでオレフィン類を加えた後、残りの有機ヒドロパーオキシドを加えて反応温度下に攪拌すれば、含酸素化合物を収率よく得ることができる。
反応温度は、あまり低いと反応が進行しにくく、また反応温度があまり高いと、原料のオレフィン類の重合等副反応が進行する恐れがあるため、実用的な反応温度は、0〜200℃の範囲である。
本反応は、常圧条件下で実施してもよいし、加圧条件下で実施してもよい。また、反応の進行は、例えばガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、NMR、IR等の通常の分析手段により確認することができる。
反応終了後、反応液をそのままもしくは必要に応じて残存する有機ヒドロパーオキシドを、例えば亜硫酸ナトリウム等の還元剤で分解した後、イオン性液体と混合しない溶媒を加えて、イオン性液体層と含酸素化合物含有有機層を分離することができる。反応時または還元剤による後処理時に水溶液を用いた場合は、イオン性液体層と含酸素化合物含有有機層と水層の3層に分離することもあるが、この場合もそれぞれの層に分離することにより、含酸素化合物含有有機層とイオン性液体層を取得すればよい。こうして得られた有機層を濃縮処理することにより、含酸素化合物を取り出すことができる。取り出した含酸素化合物は、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製手段によりさらに精製してもよい。
イオン性液体と混合しない有機溶媒としては、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒等が挙げられ、その使用量は特に制限されない。
また、前記イオン性液体層には、通常、セレン化合物または前記セレン化合物の酸化物が含まれており、かかるセレン化合物または前記セレン化合物の酸化物を含むイオン性液体は、そのままもしくは必要に応じて濃縮処理等を行った後、再度本反応に使用することができる。かかるイオン性液体層を再使用する場合は、新たにセレン化合物を用いなくてもよいが、必要に応じてセレン化合物を追加して用いてもよい。
かくして得られる含酸素化合物のうち、アルコール類としては、例えばE,E−2,6−ジメチル−2,6−オクタジエン−8−アセトキシ−1−オール、E,E−2,6−ジメチル−2,6−オクタジエン−8−ベンゾイルオキシ−1−オール、E,E−2,6−ジメチル−2,6−オクタジエン−8−メトキシ−1−オール、E,E−2,6−ジメチル−2,6−オクタジエン−8−ベンジルオキシ−1−オール、E,E−2,6−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−オール−8−フェニルスルホン、E,E−11−ヒドロキシ−6,10−ジメチル−5,9−ウンデカジエン−2−オン、E−2−メチル−4−アセテート−2−ブテン−1,4−ジオール、6−ヒドロキシ−7−オクテン酸メチルエステル、1−ヘキセン−3−オール、1−ヘプテン−3−オール、1−オクテン−3−オール、1−ドデセン−3−オール、1−ヒドロキシ−2−シクロペンテン、1−ヒドロキシ−2−シクロヘキセン、1−ヒドロキシ−2−シクロヘプテン、1−ヒドロキシ−2−シクロオクテン、1−ヒドロキシ−4−メチル−2−シクロペンテン、1−ヒドロキシ−5−メチル−2−シクロペンテン、1−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2−シクロペンテン、1−ヒドロキシ−4−クロロ−2−シクロペンテン、2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オール、2,5−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オール、1−ヒドロキシ−4−メチル−2−シクロヘキセン、4−ヒドロキシ−2−ヘキセン、3−ヒドロキシ−1,7−オクタジエン、3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、1−インデン−1−オール、3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1,3−ジフェニル−2−プロペン−1−オール、6−(ヒドロキシメチル)−4−メトキシ−2H−ピラン−2−オン、2−フェニル−2−プロペン−1−オール、2−メチレンシクロブタノール、2−メチレンシクロペンタノール、ピノカルベロール、ジヒドロ−4−ヒドロキシ−3−メチレン−2−フラノン、2−シクロヘキシリデンシクロヘキサノール、2−(2−ヒドロキシ−1−メチルメチリデン)−5−メチルシクロヘキサノン、3−ヒドロキシメチル−5,5−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、2−カレン−10−オール、イソカモール、ミルテノール等が挙げられる。
アルデヒド類としては、例えばE,E−2−ホルミル−8−アセトキシ−6−メチル−2,6−オクタジエン、E,E−2−ホルミル−8−ベンゾイルオキシ−6−メチル−2,6−オクタジエン、E,E−2−ホルミル−8−メトキシ−6−メチル−2,6−オクタジエン、E,E−2−ホルミル−8−ベンジルオキシ−6−メチル−2,6−オクタジエン、E,E−2−ホルミル−8−フェニルスルホン−6−メチル−2,6−オクタジエン、E,E−2,6−ジメチル−10−オキソ−2,6−ウンデカジエナール、E−4−(アセチロキシ)−2−メチル−2−ブテナール、α−ホルミルスチレン、3−フェニル−2−プロペナール、4−メトキシ−2−オキソ−2H−ピラン−6−カルボキシアルデヒヒド、2−(4−メチル−2−シクロヘキシリデン)プロパナール、ホルミルイソホロン、7,7−ジメチル−2−ノルカレン−3−カルボキシアルデヒド、7,7−ジメチル−3−ノルカレン−3−カルボキシアルデヒド、ミルテノナール等が挙げられる。
ケトン類としては、例えば6−オキソ−7−オクテン酸メチルエステル、3−オキソ−1−ヘキセン、3−オキソ−1−ヘプテン、3−オキソ−1−オクテン、3−オキソ−1−ドデセン、2−シクロペンテノン、2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン、2、5−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、2−シクロヘキセノン、2−シクロヘプテノン、2−シクロオクテノン、4−メチル−2−シクロペンテノン、5−メチル−2−シクロペンテノン、4,5−ジメチル−2−シクロペンテノン、4−クロロ−2−シクロペンテノン、4−メチル−2−シクロヘキセノン、4−オキソ−2−ヘキセン、3−オキソ−1,7−オクタジエン、3−オキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、インデン−1−オン、1,3−ジフェニル−2−プロペン−1−オン、2−メチレンシクロブタノン、2−メチレンシクロペンタノン、ピノカルボン、ジヒドロ−4−オキソ−3−メチレン−2−フラノン、2−シクロヘキシリデンシクロヘキサノン等が挙げられる。
カルボン酸類としては、例えばE,E−2−カルボキシ−8−アセトキシ−6−メチル−2,6−オクタジエン、E,E−2−カルボキシ−8−ベンゾイルオキシ−6−メチル−2,6−オクタジエン、E,E−2−カルボキシ−8−メトキシ−6−メチル−2,6−オクタジエン、E,E−2−カルボキシ−8−ベンジルオキシ−6−メチル−2,6−オクタジエン、E,E−2−カルボキシ−8−フェニルスルホン−6−メチル−2,6−オクタジエン、E,E−2,6−ジメチル−10−オキソ−2,6−ウンデカジエン酸、E−4−(アセチロキシ)−2−メチル−2−ブテン酸、α−カルボキシスチレン、2−(4−メチル−2−シクロヘキシリデン)プロパノイック酸、5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセン−1−カルボン酸、7,7−ジメチル−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−2−エン−3−カルボン酸、カミニック酸、ミルテニック酸等が挙げられる。
次に、本発明の適用について具体例を挙げて説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
本発明におけるオレフィン類として、例えば式(8)
Figure 0004363229
(式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表わす。)
で示される化合物(以下、菊酸エステル(8)と略記する。)を用いれば、含酸素化合物として、式(9)
Figure 0004363229
(式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、アルコール(9)と略記する。);
式(10)
Figure 0004363229
(式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、アルデヒド(10)と略記する。);
式(11)
Figure 0004363229
(式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、カルボン酸(11)と略記する。);
からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を得ることができる。
置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基および置換されていてもよいアラルキル基は、Rにおいて例示したものと同様のものが挙げられる。
菊酸エステル(8)としては、例えば3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸エチル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸イソプロピル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸tert−ブチル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸シクロヘキシル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メンチル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸ベンジル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(4−クロロベンジル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロベンジル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(3−フェノキシベンジル)等が挙げられる。
かかる菊酸エステル(8)は、シクロプロパン環平面に対して、−COで示される基と2−メチル−1−プロペニル基が、同じ側にあるシス体と反対側にあるトランス体が存在するが、本発明にはいずれか一方を用いてもよいし、混合物を用いてもよい。混合物を用いる場合のシス体とトランス体の混合割合は特に制限されない。
またかかる菊酸エステル(8)は、その分子内に不斉炭素原子を有しており、光学異性体が存在するが、本発明には、光学異性体の単独または混合物のいずれを用いてもよい。
得られる含酸素化合物のうち、アルコール(9)としては、例えば3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル、3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸エチル、3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸イソプロピル、3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸tert−ブチル、3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸シクロヘキシル、3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メンチル、3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸ベンジル、3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(4−クロロベンジル)、3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロベンジル)、3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル)、3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル)、3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル)、3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(3−フェノキシベンジル)等が挙げられる。
アルデヒド(10)としては、例えば3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル、3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸エチル、3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸イソプロピル、3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸tert−ブチル、3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸シクロヘキシル、3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メンチル、3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸ベンジル、3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(4−クロロベンジル)、3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロベンジル)、3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル)、3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル)、3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル)、3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(3−フェノキシベンジル)等が挙げられる。
カルボン酸(11)としては、例えば3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル、3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸エチル、3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸イソプロピル、3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸tert−ブチル、3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸シクロヘキシル、3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メンチル、3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸ベンジル、3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(4−クロロベンジル)、3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロベンジル)、3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル)、3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル)、3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル)、3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(3−フェノキシベンジル)等が挙げられる。
なお、菊酸エステル(8)としてトランス体を用いた場合には、トランス体の含酸素化合物(アルコール(9)、アルデヒド(10)およびカルボン酸(11)からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を示す。)が得られ、シス体の菊酸エステル(8)を用いた場合には、シス体の含酸素化合物が得られる。また、光学活性の菊酸エステル(8)を用いた場合には、光学活性な含酸素化合物が得られる。
こうして得られるアルコール(9)、アルデヒド(10)およびカルボン酸(11)は、いずれもピレスロイド系家庭防疫薬や殺虫剤等の合成中間体として重要な化合物であり、これらの化合物の工業的製法として本反応を適用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。なお、3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチルと3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチルの収率は、液体クロマトグラフィー内部標準法により、その他の生成物の収率は、ガスクロマトグラフィー内部標準法により、それぞれ分析した結果から算出した。
実施例1
磁気回転子と還流冷却管を備えた100mLフラスコに、二酸化セレン50mg、3,4−ジヒドロキシ安息香酸100mg、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート1gおよび70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水1gを加え、内温40℃で30分攪拌、保持した。その後、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル1.5gを仕込み、内温60℃に昇温、同温度で、攪拌しながら70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水1.64gを1時間かけて滴下し、同温度で5時間攪拌、反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、n−ヘキサン10gを加え、分液処理し、n−ヘキサン層とイオン性液体層を得た。イオン性液体層をn−ヘキサンでさらに2回抽出処理し、得られたn−ヘキサン層を、先に得たn−ヘキサン層と混合し、含酸素化合物を含有する有機層を得た。また、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートを含有するイオン性液体層1.5gを得た。
各成分の収率
3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:3%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:44%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:42%。
実施例2
磁気回転子と還流冷却管を備えた100mLフラスコに、実施例1で得られたイオン性液体層1.5gと3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル1.5gを仕込んだ後、内温60℃に昇温、同温度で、攪拌しながら70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水2.6gを1時間かけて滴下した後、内温80℃に昇温、同温度で3時間攪拌、反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、n−ヘキサン10gを加え、分液処理し、n−ヘキサン層とイオン性液体層を得た。イオン性液体層を、n−ヘキサンでさらに2回抽出処理し、得られたn−ヘキサン層を先に得たn−ヘキサン層と混合し、含酸素化合物を含有する有機層を得た。また、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートを含有するイオン性液体層1.6gを得た。
各成分の収率
3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:7%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:43%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:33%。
実施例3
磁気回転子と還流冷却管を備えた100mLフラスコに、二酸化セレン50mg、ピコリン100mg、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート1gおよび70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水0.5gを仕込み、内温40℃で30分攪拌、保持した。その後、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル1.5gを仕込み、内温60℃に昇温、同温度で、攪拌しながら70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水2.2gを1時間かけて滴下した後、内温80℃に昇温、同温度で2時間攪拌、反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、n−ヘキサン10gを加え、分液処理し、n−ヘキサン層とイオン性液体層を得た。イオン性液体層を、n−ヘキサンで、さらに2回抽出処理し、得られたn−ヘキサン層を先に得たn−ヘキサン層と混合し、含酸素化合物含有する有機層を得た。また、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートを含有するイオン性液体層1.5gを得た。
各成分の収率
3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:8%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:54%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:8%。
実施例4
磁気回転子と還流冷却管を備えた100mLフラスコに、実施例3で得られたイオン性液体層1.5gと3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル1.5gを仕込み、内温60℃に昇温、同温度で、攪拌しながら70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水2.6gを1時間かけて滴下した後、同温度で5時間攪拌、反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、n−ヘキサン10gを加え、分液処理し、n−ヘキサン層とイオン性液体層を得た。イオン性液体層を、n−ヘキサンで、さらに2回抽出処理し、得られたn−ヘキサン層を先に得たn−ヘキサン層と混合し、含酸素化合物を含有する有機層を得た。また、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートを含有するイオン性液体層1.6gを得た。
各成分の収率
3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:36%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:37%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:7%。
実施例5
磁気回転子と還流冷却管を備えた100mLフラスコに、二酸化セレン50mg、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート1gおよび70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水0.5gを仕込み、内温40℃で30分攪拌、保持した。その後、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル1.5gを仕込み、内温70℃に昇温、同温度で、攪拌しながら70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水2.2gを1時間かけて滴下した後、同温度で7時間攪拌、反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、n−ヘキサン10gを加え、分液処理し、n−ヘキサン層とイオン性液体層を得た。イオン性液体層を、n−ヘキサンで、さらに2回抽出処理し、得られたn−ヘキサン層を先に得たn−ヘキサン層と混合し、含酸素化合物を含有する有機層を得た。また、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートを含有するイオン性液体層1.4gを得た。
各成分の収率
3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:20%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:44%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:16%。
実施例6
磁気回転子と還流冷却管を備えた100mLフラスコに、実施例5で得られたイオン性液体層1.4gと3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル1.5gを仕込み、内温70℃に昇温、同温度で、攪拌しながら70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水2.6gを1時間かけて滴下した後、同温度で6時間攪拌、反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、n−ヘキサン10gを加え、分液処理し、n−ヘキサン層とイオン性液体層を得た。イオン性液体層を、n−ヘキサンでさらに2回抽出処理し、得られたn−ヘキサン層を先に得たn−ヘキサン層と混合し、含酸素化合物を含有する有機層を得た。また、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートを含有するイオン性液体層1.6gを得た。
各成分の収率
3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:34%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:21%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:5%、
原料が35%残存した。
参考例
磁気回転子と還流冷却管を備えた100mLフラスコに、二酸化セレン50mg、3,4−ジヒドロキシ安息香酸100mg、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート1gおよび70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水0.5gを仕込み、内温40℃で30分攪拌、保持した。その後、ゲラニルアセテート1.58gを仕込み、内温50℃に昇温、同温度で、攪拌しながら70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水2.2gを1時間かけて滴下した後、同温度で5時間攪拌、反応させた。
反応終了後、室温まで冷却し、n−ヘキサン10gを加え、分液処理し、n−ヘキサン層とイオン性液体層を得た。イオン性液体層を、n−ヘキサンでさらに2回抽出処理し、得られたn−ヘキサン層を先に得たn−ヘキサン層と混合し、含酸素化合物を含有する有機層を得た。また、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートを含有するイオン性液体層1.5gを得た。
各成分の収率
E,E−2,6−ジメチル−2,6−オクタジエン−1,8−ジオール−8−アセテート:35%、
E,E−2−ホルミル−8−アセトキシ−6−メチル−2,6−オクタジエン:25%、
原料が33%残存した。
実施例8
磁気回転子と還流冷却管を備えた100mLフラスコに、セレニルクロライド60mg、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート1gおよび70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水0.5gを仕込み、内温40℃で30分攪拌、保持した。その後、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル1.5gを仕込み、内温60℃に昇温、同温度で、攪拌しながら70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水2.2gを1時間かけて滴下した後、80℃に昇温後、同温度で2時間攪拌、反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、n−ヘキサン10gを加え、分液処理し、n−ヘキサン層とイオン性液体層を得た。イオン性液体層を、n−ヘキサンで、さらに2回抽出処理し、得られたn−ヘキサン層を先に得たn−ヘキサン層と混合し、含酸素化合物を含有する有機層を得た。また、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートを含有するイオン性液体層1.4gを得た。
各成分の収率
3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:3%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:32%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:8%。
実施例9
磁気回転子と還流冷却管を備えた100mLフラスコに、実施例8で得られたイオン性液体層1.4gと3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル1.5gを仕込み、内温60℃に昇温、同温度で、攪拌しながら70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水2.6gを1時間かけて滴下、80℃に昇温後、同温度で2時間攪拌、反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、n−ヘキサン10gを加え、分液処理し、n−ヘキサン層とイオン性液体層を得た。イオン性液体層を、n−ヘキサンでさらに2回抽出処理し、得られたn−ヘキサン層を先に得たn−ヘキサン層と混合し、含酸素化合物を含有する有機層を得た。また、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートを含有するイオン性液体層1.6gを得た。
各成分の収率
3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:22%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:44%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:7%。
実施例10
磁気回転子と還流冷却管を備えた100mLフラスコに、二酸化セレン50mg、N−ブチル−4−メチルピリジニウムテトラフルオロボレート1gおよび70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水0.5gを仕込み、内温40℃で30分攪拌、保持した。その後、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル1.5gを仕込み、内温60℃に昇温、同温度で、攪拌しながら70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水2.2gを1時間かけて滴下した後、80℃に昇温後、同温度で2時間攪拌、反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、n−ヘキサン10gを加え、分液処理し、n−ヘキサン層とイオン性液体層を得た。イオン性液体層を、n−ヘキサンで、さらに2回抽出処理し、得られたn−ヘキサン層を先に得たn−ヘキサン層と混合し、含酸素化合物を含有する有機層を得た。また、N−ブチル−4−メチルピリジニウムテトラフルオロボレートを含有するイオン性液体層1.5gを得た。
各成分の収率
3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:6%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:35%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:11%。
実施例11
磁気回転子と還流冷却管を備えた100mLフラスコに、実施例10で得られたイオン性液体層1.5gと3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル1.5gを仕込み、内温60℃に昇温、同温度で、攪拌しながら70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水2.6gを1時間かけて滴下した後、80℃に昇温後、同温度で2時間攪拌、反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、n−ヘキサン10gを加え、分液処理し、n−ヘキサン層とイオン性液体層を得た。イオン性液体層を、n−ヘキサンでさらに2回抽出処理し、得られたn−ヘキサン層を先に得たn−ヘキサン層と混合し、含酸素化合物を含有する有機層を得た。また、N−ブチル−4−メチルピリジニウムテトラフルオロボレートを含有するイオン性液体層1.6gを得た。
各成分の収率
3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:24%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:35%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:8%、
原料が6%残存した。
実施例12
磁気回転子と還流冷却管を備えた100mLフラスコに、セレノシスチン80mg、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド1g、98%硫酸40mgおよび70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水0.5gを仕込み、内温40℃で30分攪拌、保持した。その後、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル1.5gを仕込み、内温60℃に昇温、同温度で、攪拌しながら70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水2.2gを1時間かけて滴下した後、80℃に昇温後、同温度で2時間攪拌、反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、n−ヘキサン10gを加え、分液処理し、n−ヘキサン層とイオン性液体層と水層を得た。イオン性液体層を、n−ヘキサンで、さらに2回抽出処理し、得られたn−ヘキサン層を先に得たn−ヘキサン層と混合し、含酸素化合物を含有する有機層を得た。また、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホン)アミドを含有するイオン性液体層1.4gを得た。
各成分の収率
3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:26%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:39%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:7%、
原料が20%残存した。
実施例13
磁気回転子と還流冷却管を備えた100mLフラスコに、ジメチルセレノ尿素70mg、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート1gおよび70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水0.5gを仕込み、内温40℃で30分攪拌、保持した。その後、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル1.5gを仕込み、内温60℃に昇温、同温度で、攪拌しながら70重量%tert−ブチルヒドロパーオキシド水2.2gを1時間かけて滴下した後、80℃に昇温後、同温度で2時間攪拌、反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、n−ヘキサン10gを加え、分液処理し、n−ヘキサン層とイオン性液体層を得た。イオン性液体層を、n−ヘキサンで、さらに2回抽出処理し、得られたn−ヘキサン層を先に得たn−ヘキサン層と混合し、含酸素化合物を含有する有機層を得た。また、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートを含有するイオン性液体層1.4gを得た。
各成分の収率
3,3−ジメチル−2−E−(2−ヒドロキシメチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:12%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−ホルミル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:44%、
3,3−ジメチル−2−E−(2−カルボキシ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル:8%。

Claims (5)

  1. 式(8)
    Figure 0004363229
    (式中、R は置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表わす。)
    で示される化合物と有機ヒドロパーオキシドとを、イオン性液体およびセレン化合物の存在下に反応させることを特徴とする式(9)
    Figure 0004363229
    (式中、R は上記と同一の意味を表わす。)
    で示される化合物;
    式(10)
    Figure 0004363229
    (式中、R は上記と同一の意味を表わす。)
    で示される化合物;および
    式(11)
    Figure 0004363229
    (式中、R は上記と同一の意味を表わす。)
    で示される化合物;
    からなる群から選ばれる少なくとも1つの含酸素化合物の製造方法。
  2. イオン性液体が、アルキル置換イミダゾリウム塩、アルキル置換ピリジニウム塩および第四級アンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の含酸素化合物の製造方法。
  3. セレン化合物が、二酸化セレン、セレン酸および亜セレン酸からなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の含酸素化合物の製造方法。
  4. 芳香族カルボン酸の共存下に反応を実施する請求項1に記載の含酸素化合物の製造方法。
  5. 請求項1に記載の製造方法において、含酸素化合物の製造後にセレン化合物を含むイオン性液体を回収し、該セレン化合物を含むイオン性液体をリサイクル使用する方法。
JP2004077840A 2003-03-26 2004-03-18 含酸素化合物の製造方法 Expired - Fee Related JP4363229B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004077840A JP4363229B2 (ja) 2003-03-26 2004-03-18 含酸素化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003085681 2003-03-26
JP2004077840A JP4363229B2 (ja) 2003-03-26 2004-03-18 含酸素化合物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004307480A JP2004307480A (ja) 2004-11-04
JP4363229B2 true JP4363229B2 (ja) 2009-11-11

Family

ID=33478308

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004077840A Expired - Fee Related JP4363229B2 (ja) 2003-03-26 2004-03-18 含酸素化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4363229B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4770213B2 (ja) 2004-03-22 2011-09-14 住友化学株式会社 (2−ホルミル−1−アルケニル)シクロプロパン化合物の製造方法
JP4961689B2 (ja) * 2004-07-20 2012-06-27 住友化学株式会社 含酸素有機化合物の製造方法および酸化触媒組成物
CN112624920B (zh) * 2019-09-24 2023-08-29 北京藏卫信康医药研发有限公司 4-棕榈酰氧基-2-甲基-2-丁烯醛的合成方法、及维生素a棕榈酸酯的合成方法
CN111675613B (zh) * 2020-05-29 2023-01-13 万华化学集团股份有限公司 一种4-乙酰氧基-2-甲基-2-丁烯醛的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004307480A (ja) 2004-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100799512B1 (ko) 카르보닐 또는 히드록시 화합물의 제조 방법
KR101046547B1 (ko) 산소함유 화합물의 제조방법
JP4363229B2 (ja) 含酸素化合物の製造方法
EP1618953B1 (en) Use of a metal catalyst
JP4501345B2 (ja) 金属含有メソポアシリケート、その製造方法およびその用途
JP4793357B2 (ja) β−ヒドロキシヒドロペルオキシド類の製造法とその触媒
JP2002201147A (ja) 有機化合物の酸化方法
JP5076318B2 (ja) カルボン酸エステルの製造方法
JP4961689B2 (ja) 含酸素有機化合物の製造方法および酸化触媒組成物
KR101250133B1 (ko) 함산소 화합물의 제조 방법
JP4548069B2 (ja) 3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステルの製造方法
JP5310886B2 (ja) ケトン類およびカルボン酸類の製造方法
WO2008020639A1 (fr) Procédé de production d'ester d'acide carboxylique de trans-2,2-diméthyl-3-formylcyclopropane
JP2004331652A (ja) 金属錯体およびその用途
JP2008115128A (ja) α−ヒドロキシケトン化合物の製造方法
JP4645155B2 (ja) 3,3−ジメチル−2−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸エステルの製造方法
JP2002201154A (ja) β−ヒドロキシヒドロペルオキシド類およびケトン類の製造法とその触媒
JP2003300935A (ja) アルデヒド類の製造方法
JP2004315505A (ja) アルデヒドの製造方法
WO2004087633A1 (ja) アルデヒド化合物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060912

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080130

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080513

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090512

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090728

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090810

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120828

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120828

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130828

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees