JP4362861B2 - トロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニット - Google Patents

トロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は、例えば自動車用変速機として利用可能な従来のトロイダル型無段変速機を示す図である。このトロイダル型無段変速機は、いわゆるダブルキャビティ型の高トルク用トロイダル型無段変速機であり、2つの入力側ディスク2A,2Bと、2つの出力側ディスク3A,3Bとが、入力軸1の外周に取り付けられて成る。入力軸1は、この入力軸1を軸方向に貫通する軸孔1bを有する円筒状に形成されている。
【0003】
また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3A,3Bがスプライン係合によって連結されている。なお、出力歯車4は、二つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してハウジング(図示せず)内に支持されており、これにより、軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
【0004】
入力軸1の基端部(図12において左側面)には、鍔部1aが設けられており、この鍔部1aの内側面1cにアンギュラ型の内輪軌道35が形成されている。また、鍔部1aの近傍には、トルクが入力されるローディングカム7が配置されており、ローディングカム7の外側面の内周縁部には、アンギュラ型の外輪軌道37が形成されている。これら内輪軌道35と外輪軌道37との間に複数個の玉39が転動自在に配置されて、転がり軸受であるアンギュラ型の玉軸受41を構成している。この玉軸受41によって、後述する押圧装置12のスラスト荷重を支持している。
【0005】
また、それぞれの入力側ディスク2A,2Bは、入力軸1と一体的に回転し、かつ入力軸1の軸線O方向に変位できるように、入力軸1にボールスプライン6A,6Bを介して支持されている。このボールスプライン6A,6Bは、入力軸1の外周面に形成されたボールスプライン溝16A,16Bと、入力側ディスク2A,2Bの内周面に形成されたボールスプライン溝18A,18Bと、これらボールスプライン溝16A,18A,16B,18Bの間に転動自在に介在された複数個のボール17とで構成されている。
【0006】
また、それぞれの出力側ディスク3A,3Bは、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。この出力側ディスク3A,3Bの内側面3a,3bと、入力側ディスク2A,2Bの内側面2a,2bとの間には、パワーローラ11A,11Bが回転自在に挟持されている。
【0007】
一方、ローディングカム7の内側面には、円周方向に亙る凹凸面である駆動側カム面7aが形成されている。また、フロント側(図12において左側)の入力側ディスク2Aの両側面のうち、ローディングカム7の駆動側カム面7aに対向する外側面には、円周方向に亙る凹凸面である被駆動側カム面14が形成されている。これらのローディングカム7の駆動側カム面7aとフロント側の入力側ディスク2Aの被駆動側カム面14との間には、複数個のローディングローラ43が保持器45により転動自在に保持されて、ローディングカム式の押圧装置12を構成している。
【0008】
また、フロント側の入力側ディスク2Aとローディングカム7との間には、予圧発生部材である皿ばね8が設けられている。皿ばね8は、入力側ディスク2Aとローディングカム7とを互いに離反させる向きの力を作用して、フロント側の両ディスク2A,3Aの内側面2a,3aとパワーローラ11Aの周面11aとの当接部に予圧を付与するようになっている。また、リア側(図12において右側)の入力側ディスク2Bとローディングナット9との間にも、皿ばね10が設けられている。皿ばね10は、入力側ディスク2Bとローディングナット9とを互いに離反させる向きの力を作用して、リア側の両ディスク2B,3Bの内側面2b,3bとパワーローラ11Bの周面11bとの当接部に予圧を付与するようになっている。
【0009】
上記構成のトロイダル型無段変速機では、エンジン稼動に伴って駆動軸(図示せず)にトルクが伝達されると、このトルクは、フロント側の入力側ディスク2Aをフロント側の出力側ディスク3Aに弾性的に押圧している押圧装置12を介して、フロント側の入力側ディスク2Aに伝達されるとともに、入力軸1を介してリア側の入力側ディスク2Bに伝達され、各入力側ディスク2A、2Bが回転する。
各入力側ディスク2A,2Bにそれぞれ入力されたトルクは、パワーローラ11A,11Bを介して、各出力側ディスク3A,3Bに一定の変速比で伝達される。また、各出力側ディスク3A,3Bの回転は、出力歯車4から伝達歯車15等を介して、図示しない出力軸に伝達される。
【0010】
ところで、上述のように構成されたトロイダル型無段変速機を組み立てる場合には、このトロイダル型無段変速機の本体を収納するケースの内側に各構成部品を組み付ける。この際、入力軸1と、この入力軸1上に配置されるローディングカム7、ローディングローラ43、保持器45、玉軸受41の玉39、皿ばね8、ボールスプライン6Aのボール17およびフロント側の入力側ディスク2A等からなるトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニット50を、トロイダル型無段変速機の本体を収納するケース内に組み付ける場合には、このトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニット50を予め入力軸1に仮組みしたものをまとめてケース内に組み付けなければ、各部品が分離してしまい、効率良く組み付けることができない。
【0011】
また、ローディングカム7、入力側ディスク2Aおよびローディングローラ43間で発生する押圧力が最小となるようにこれらを位置合わせした状態、すなわちローディングカム7の駆動側カム面7aの溝部と入力側ディスク2Aの被駆動側カム面14の溝部とを対向させ、これらの溝部間にローディングローラ43を位置させた状態にしないと、ローディングナット9を締め付けた際に、フロント側の入力側ディスク2Aが実際の初期位置よりもフロント側に押された状態となる。このため、初期状態での皿ばね8が通常よりも押し潰されることになり、フロント側の入力側ディスク2Aに対して過大な予圧を付与することとなって、予圧過大による駆動伝達の効率低下を招く虞がある。
【0012】
上記問題を解決するために、従来、図13乃至図15に示すように、ローディングカム7の外側面7b側に配置される抑え治具51およびこの抑え治具51に固定された板状の位置決め治具56とを用いて、入力側ディスクユニット50の各部品を仮組立している(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
図13および図14に示すように、抑え治具51は、中央部に円孔52aが形成された円板状の板部52とこの板部52の外周部全体をローディングカム7の外側面に向けて折り曲げて形成された脚部53とからなる。そして、ローディングカム7、入力側ディスク2Aおよびローディングローラ43間で発生する押圧力が最小となるようにこれらを位置合わせした状態で、2つのボルト55,55をそれぞれ、板部52の貫通孔52b,52b、ローディングカム7の貫通孔7c,7cおよび保持器45の貫通孔45a,45aに貫通させるとともに、入力側ディスク2Aの外側面に形成された雌ねじ2c,2cに各ボルト55,55の先端部を螺合させることにより、入力側ディスク2Aと抑え治具51とが連結されている。これにより、入力軸1、ローディングカム7、保持器45および入力側ディスク2Aが非分離に保持されている。
【0014】
また、図15に示すように、位置決め治具56の中央部には、入力軸1の鍔部1a側の端面に向けて突出した断面コ字状の突出部56aが形成されている。また、位置決め治具56の両端部にはそれぞれ、2つのボルト57,57が挿通される貫通孔56b,56bが形成されている。そして、ボルト57,57を位置決め治具56の貫通孔56b,56bを貫通させるとともに、抑え治具51の板部52に形成された雌ねじ52c,52cにボルト57,57の先端部を螺合させることにより、抑え治具51の板部52の外側面に位置決め治具56が固定されている。この状態で、位置決め治具56の突出部56aは、抑え治具51の板部52の円孔52aを介して入力軸1の鍔部1a側の端面に押し付けられており、これにより入力軸1が軸線方向に位置決めされる。
【0015】
【特許文献1】
特開2000−9196号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、入力側ディスクユニット50は、各治具51,56が取り付けられた状態でケース内に組み込まれる。その後、ケース内で各治具51,56が取り外される。この際に、ボルト55,55、ボルト57,57を取り外すと、ボルト55,55、ボルト57,57には皿ばね8からの荷重がかかっているため、ボルト55,55、ボルト57,57と螺合した雌ねじ2c,2c、雌ねじ52c,52cが擦られて、摩耗粉や切粉等の異物が発生する。このような異物がケース内に落下すると、入力側ディスクとパワーローラとの間、出力側ディスクとパワーローラとの間等の転動面間に噛み込むため、トロイダル型無段変速機の寿命が低下する虞がある。
【0017】
本発明は、前記事情に着目してなされたものであり、トロイダル型無段変速機の寿命が低下するのを防止することができるトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニットを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニットは、入力軸と、この入力軸の一端部に設けられた鍔部と、前記入力軸の中間寄りの側面である前記鍔部の内側面に支持され、内側面が円周方向に亙る凹凸である駆動側カム面とされたカム板と、前記駆動側カム面に対向する外側面が円周方向に亙る凹凸である被駆動側カム面とされているとともに、内側面が断面円弧状の凹面とされ、前記入力軸の一端部側の部分に結合されて前記入力軸と一体に回転する入力側ディスクと、前記駆動側カム面と前記被駆動側カム面との間に挟持された複数個のローラと、これらの複数個のローラを転動自在に保持する保持器と、前記カム板と前記入力側ディスクとを互いに離反させる向きの力を作用する予圧発生部材とを備えているトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニットにおいて、板状の板部とこの板部の外周部から前記カム板の外側面側に延びて、この外側面に圧接される脚部とからなり、前記入力軸と前記カム板と前記入力側ディスクと前記ローラと前記保持器とを非分離に保持する抑え治具と、この抑え治具の前記板部、前記カム板および前記保持器にそれぞれ形成された貫通孔に貫通されるとともに、前記入力側ディスクの外側面に形成された雌ねじに先端部が螺合されて、前記入力側ディスクと前記抑え治具とを連結するボルトと、前記抑え治具に固定された状態で前記入力軸の一端部側の端面を抑えて、前記入力軸を軸線方向に位置決めする位置決め治具とを備え、前記抑え治具の前記板部には、前記抑え治具に前記位置決め治具を固定するボルトが螺合されるとともに、このボルトの先端部が収納されかつこのボルトを締め付けるときあるいは取り外すときに発生する摩耗粉や切粉等の異物を残留させるための袋状の収納部を有する雌ねじ部が設けられ、前記抑え治具に前記位置決め治具を固定する前記ボルトの先端部には、該先端部が前記雌ねじ部の前記収納部内から抜け出るのを防止する抜け止め部が設けられていることを特徴とする。
【0021】
請求項1に記載の発明においては、抑え治具に位置決め治具を固定するボルトの先端部を収納する袋状の収納部を有する雌ねじ部が設けられているので、雌ねじ部に上記ボルトを締め付けるときあるいは上記ボルトを取り外すときに発生する摩耗粉や切粉等の異物が、雌ねじの収納部内に残留するため、ケース内に異物が落下しない。したがって、入力側ディスクとパワーローラとの間、あるいは出力側ディスクとパワーローラとの間等の転動面間に、異物が噛み込まれず、トロイダル型無段変速機の寿命が低下しない。
また、抑え治具に位置決め治具を固定するボルトの先端部に、この先端部が雌ねじ部の収納部内から抜け出るのを防止する抜け止め部を設けているので、ボルトを緩めても、ボルトの先端部が雌ねじ部の収納部から抜け出ないため、収納部はボルトの先端部により常に塞がれている。したがって、収納部内に溜まった異物が収納部内から外部に出て、ケース内に落下することがない。
【0022】
請求項2に記載のトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニットは、請求項1に記載の発明において、前記抑え治具の前記脚部は、前記抑え治具の前記板部の周方向に間隔をおいて複数個形成されていることを特徴とする。
【0023】
請求項2に記載の発明においては、抑え治具の脚部を、抑え治具の板部の周方向に間をおいて複数個形成しているので、万一カム板と抑え治具との間に異物が溜まっていても、抑え治具の各脚部の間から異物が洗い出されるため、入力側ディスクとパワーローラとの間、あるいは出力側ディスクとパワーローラとの間等の転動面間に異物が噛み込まれない。したがって、トロイダル型無段変速機の寿命がさらに低下しない。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の各図においては、図12乃至図15と同一構成要素には、同一符号を付してその説明を簡略化する。
図1乃至図3は、本発明に係る第1実施の形態のトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニットを示している。
図1乃至図3に示すように、本実施の形態に係るトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニット60は、抑え治具61およびこの抑え治具61に固定された位置決め治具56とを備えている。
【0029】
図1および図2に示すように、抑え治具61は、中央部に円孔62aが形成された円板状の板部62と、この板部62の外周縁部からローディングカム(カム板)7の外側面7bに向けて延びる一対の脚部63,63とからなる。
図2に示すように、脚部63,63の先端部はそれぞれ、ローディングカム7の外側面7bに圧接されている。また、図1に示すように、脚部63,63はそれぞれ、板部62の周方向に間隔をおいて互いに対向するように形成されている。これにより、図3に示すように、脚部63,63間にそれぞれ、空間S,Sが形成されている。
【0030】
また、板部62の脚部63,63の近傍の部分にはそれぞれ、ボルト65,65が挿通された2つの貫通孔66,66が形成されている。ボルト65,65の外周面の中間部には、外方に向けて突出する抜け止め部65a,65aが形成されて、板部62の貫通孔66,66からボルト65,65が抜け出ないようになっている。また、ボルト65,65を締め付けたときに、ボルト65,65の頭部が板部62と擦れて、板部62が損傷するのを防止するために、ボルト65,65の頭部と板部62との間にそれぞれ、平座金94,94が介在されている。また、板部62において、貫通孔66,66に対して周方向に90°の位置にそれぞれ、位置決め治具56を板部62に固定するボルト57,57の先端部がそれぞれ螺合される雌ねじ67,67が形成されている。
【0031】
そして、ローディングカム7の駆動側カム面7aの溝部と入力側ディスク2Aの被駆動側カム面14の溝部とを対向させ、これらの溝部間にローディングローラ43を位置させた状態で、抑え治具61のボルト65,65をそれぞれ、ローディングカム7の貫通孔7c,7cおよび保持器45の貫通孔45a,45aに貫通させるとともに、入力側ディスク2Aの雌ねじ2c,2cにボルト65,65の先端部をそれぞれ螺合させて、入力側ディスク2Aと抑え治具61とが連結されている。これにより、入力軸1、ローディングカム7、保持器45および入力側ディスク2Aが非分離に保持されている。
また、位置決め治具56を板部62に固定するときには、入力軸1を押して皿ばね(予圧発生部材)8を圧縮させた状態で、ボルト57,57の各先端部をそれぞれ板部62の雌ねじ67,67に螺合するようにする。このようにすると、ボルト57,57は、皿ばね8による荷重を受けることなく雌ねじ67,67に螺合される。
【0032】
このように構成されたトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニット60にあっては、抑え治具61の脚部63,63を、板部62の周方向に間隔をおいて形成しているので、入力側ディスク2Aの雌ねじ2c,2cにそれぞれボルト65,65を締めるときあるいは取り外すとき、および板部62の雌ねじ67,67からボルト57,57をそれぞれ取り外すときに発生する摩耗粉や切粉等の異物が、ローディングカム7と抑え治具61との間に溜まっていても、抑え治具61の各脚部63,63間の空間S,Sから異物を洗い出すことができる。したがって、例えば入力側ディスク2Aとパワーローラ11Aとの間、あるいは出力側ディスク3Aとパワーローラ11Aとの間等の転動面間に、異物が噛み込むのを防止することができ、トロイダル型無段変速機の寿命が低下するのを防止することができる。
【0033】
図4乃至図7は本発明の第2実施の形態に係るトロイダル型無段変速機用入力側ディスクを示す図である。
図4乃至図6に示すように、本実施の形態に係るトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニット70は、抑え治具71およびこの抑え治具71に固定された板状の位置決め治具56とを備えている。
【0034】
図4および図5に示すように、抑え治具71は、中央部に円孔72aが形成された円板状の板部72とこの板部72の外周部全体をローディングカム7の外側面に向けて折り曲げて形成された脚部73とからなる。
図5に示すように、板部72には、ボルト75,75が挿通された2つの貫通孔76,76が互いに対向して形成されている。ボルト75,75の中間部の外周面には、外方に向けて突出する抜け止め部75a,75aが形成されて、板部72の貫通孔76,76からボルト75,75が抜け出ないようになっている。また、ボルト75,75を締め付けたときに、ボルト75,75の頭部が板部72と擦れて、板部72が損傷するのを防止するために、ボルト75,75の頭部と板部72との間にそれぞれ、平座金95,95が介在されている。
また、脚部73の先端部は、ローディングカム7の外側面7bに圧接されている。
【0035】
また、図6および図7に示すように、板部72において、貫通孔76,76に対して周方向に90°の位置にそれぞれ、位置決め治具56を板部72の外側面に固定するボルト57,57が挿通される貫通孔77,77が形成されている。また、板部72の内側面のうち、貫通孔77,77が形成されている部分にはそれぞれ、ボルト57,57の先端部が収納される有底円筒状の収納部78,78が溶接等により固定されており、収納部78,78の内周面にはそれぞれ、ボルト57,57の先端部が螺合される雌ねじ78a,78aが形成されている。これらの貫通孔77,77と収納部78,78とで雌ねじ部79,79が構成されている。
【0036】
また、図4および図6に示すように、位置決め治具56の突出部56aの中央部には、入力軸1の軸孔(内部)1bと外部とを連通するとともに、軸孔1bよりも径の大きい貫通孔56cが形成されている。
【0037】
このように構成されたトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニット70にあっては、抑え治具71の板部72に、ボルト57,57の先端部を収納する有底円筒状の収納部78,78を有する雌ねじ部79,79が設けられているので、雌ねじ部79,79にボルト57,57を締め付けるときあるいは各ボルト57,57を取り外すときに発生する異物が、雌ねじ部79,79の収納部78,78内に残留するため、ケース内に異物が落下するのを防止することができる。したがって、入力側ディスク2Aとパワーローラ11Aとの間、あるいは出力側ディスク3Aとパワーローラ11Aとの間等の転動面間に、異物が噛み込まれるのを防止することができ、トロイダル型無段変速機の寿命が低下するのを防止することができる。
【0038】
また、位置決め治具56に、入力軸1の軸孔1bと外部とを貫通する貫通孔56cを形成しているので、位置決め治具56が固定された抑え治具71を入力側ディスク2Aに取り付けた状態で、位置決め治具56の貫通孔56cを介して入力軸1の軸孔1bを洗浄することができるため、入力軸1の軸孔1b内部に異物が溜まるのを防止することができる。
【0039】
図8乃至図11は、本発明の第3の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニットを示す図である。なお、これらの図8乃至図11において、図1乃至図3と同一構成要素には同一の符号を付してその説明を簡略化する。
図8乃至図10に示すように、本実施の形態に係る入力側ディスクユニット80は、抑え治具81およびこの抑え治具81に固定された板状の位置決め治具56とを備えている。
【0040】
図8および図9に示すように、抑え治具81は、中央部に円孔82aが形成された円板状の板部82と、この板部82の外周縁部からローディングカム7の外側面7bに向けて延びる一対の脚部83,83とからなる。
図8に示すように、脚部83,83の先端部はそれぞれ、ローディングカム7の外側面7bに圧接されている。また、図9に示すように、脚部83,83はそれぞれ、板部82の周方向に間隔をおいて互いに対向するように形成されている。これにより、図10に示すように、脚部83,83間に、空間Sが形成されている。
【0041】
また、板部82の脚部83,83の近傍の部分にはそれぞれ、ボルト85,85が挿通された2つの貫通孔86,86が形成されている。ボルト85,85の外周面の中間部には、外方に向けて突出する抜け止め部85a,85aが形成されて、板部82の貫通孔86,86からボルト85,85が抜け出ないようになっている。また、ボルト85,85を締め付けたときに、ボルト85,85の頭部が板部82と擦れて、板部82が損傷するのを防止するために、ボルト85,85の頭部と板部82との間にそれぞれ、平座金96,96が介在されている。
【0042】
また、図10および図11に示すように、板部82には、貫通孔86,86に対して周方向に90°の位置にそれぞれ、位置決め治具56を板部82の外側面に固定するボルト90,90の先端部がそれぞれ螺合される雌ねじ87,87が形成されている。また、板部82の内側面のうち、貫通孔87,87が形成されている部分にはそれぞれ、ボルト90,90の先端部が収納される有底円筒状の収納部88,88が溶接等により固定されている。これらの雌ねじ87,87と収納部88,88とで雌ねじ部89,89が構成されている。
また、図11に示すように、ボルト90,90の先端部の外周面にはそれぞれ、ボルト90,90が各収納部88,88内から抜け出るのを防止する略円環状の止め輪(抜け止め部)90a,90aが設けられている。
【0043】
このように構成されたトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニット80にあっては、第1実施の形態と同様な作用効果を奏するとともに、ボルト90,90の先端部の外周面に止め輪90a、90aを設けているので、ボルト90,90を緩めても、止め輪90a、90aが板部82の内側面に当接して、ボルト90の先端部が収納部89内から抜け出るのを防止することができるため、収納部88,88内に溜まった異物が、収納部88,88内から外部に出て、ケース内に落下するのを防止することができる。
【0044】
なお、本発明は、前述した各実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは言うまでもない。
例えば、第1実施の形態においては、抑え治具61に2つの脚部63,63を形成したが、これに代えて、抑え治具61に、例えば3つあるいは4つの脚部を形成するようにしても良い。要するに、抑え治具61の板部62の周方向に、複数個の脚部が間隔をおいて形成されていれば良い。
【0045】
また、第3実施の形態においては、位置決め治具56の中間部に貫通孔を形成していないが、これに代えて、この位置決め治具56の中間部に、第2実施の形態と同様な貫通孔56cを形成するようにしても良い。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、トロイダル型無段変速機の寿命が低下するのを防止することができるトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係るトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニットを示す側面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図4】本発明の第2実施の形態に係るトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニットを示す側面図である。
【図5】図4のC−C線に沿う断面図である。
【図6】図4のD−D線に沿う断面図である。
【図7】図5の抑え治具の雌ねじ部を拡大して示す断面図である。
【図8】本発明の第3実施の形態に係るトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニットを示す側面図である。
【図9】図8のE−E線に沿う断面図である。
【図10】図8のF−F線に沿う断面図である。
【図11】図9の抑え治具の雌ねじ部を拡大して示す断面図である。
【図12】従来のトロイダル型無段変速機を示す断面図である。
【図13】従来のトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニットを示す側面図である。
【図14】図13のG−G線に沿う断面図である。
【図15】図13のH−H線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 入力軸
1a 鍔部
1c 内側面
2A 入力側ディスク
2c 雌ねじ
7 ローディングカム(カム板)
7a 駆動側カム面
7b 外側面
7c 貫通孔
8 皿ばね(予圧発生部材)
14 被駆動側カム面
43 ローディングローラ(ローラ)
45 保持器
45a 貫通孔
56 位置決め治具
56c 貫通孔
57 ボルト
60,70,80 入力側ディスクユニット
61,71,81 抑え治具
62,72,82 板部
63,73,83 脚部
65,75,85 ボルト
66,67,76,77,86 貫通孔
78,88 雌ねじ部
87,78a 雌ねじ
90 ボルト
90a 止め輪(抜け止め部)

Claims (2)

  1. 入力軸と、この入力軸の一端部に設けられた鍔部と、前記入力軸の中間寄りの側面である前記鍔部の内側面に支持され、内側面が円周方向に亙る凹凸である駆動側カム面とされたカム板と、前記駆動側カム面に対向する外側面が円周方向に亙る凹凸である被駆動側カム面とされているとともに、内側面が断面円弧状の凹面とされ、前記入力軸の一端部側の部分に結合されて前記入力軸と一体に回転する入力側ディスクと、前記駆動側カム面と前記被駆動側カム面との間に挟持された複数個のローラと、これらの複数個のローラを転動自在に保持する保持器と、前記カム板と前記入力側ディスクとを互いに離反させる向きの力を作用する予圧発生部材とを備えているトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニットにおいて、
    板状の板部とこの板部の外周部から前記カム板の外側面側に延びて、この外側面に圧接される脚部とからなり、前記入力軸と前記カム板と前記入力側ディスクと前記ローラと前記保持器とを非分離に保持する抑え治具と、この抑え治具の前記板部、前記カム板および前記保持器にそれぞれ形成された貫通孔に貫通されるとともに、前記入力側ディスクの外側面に形成された雌ねじに先端部が螺合されて、前記入力側ディスクと前記抑え治具とを連結するボルトと、前記抑え治具に固定された状態で前記入力軸の一端部側の端面を抑えて、前記入力軸を軸線方向に位置決めする位置決め治具とを備え、前記抑え治具の前記板部には、前記抑え治具に前記位置決め治具を固定するボルトが螺合されるとともに、このボルトの先端部が収納されかつこのボルトを締め付けるときあるいは取り外すときに発生する摩耗粉や切粉等の異物を残留させるための袋状の収納部を有する雌ねじ部が設けられ、前記抑え治具に前記位置決め治具を固定する前記ボルトの先端部には、該先端部が前記雌ねじ部の前記収納部内から抜け出るのを防止する抜け止め部が設けられていることを特徴とするトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニット。
  2. 前記抑え治具の前記脚部は、前記抑え治具の前記板部の周方向に間隔をおいて複数個形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニット。
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