JP4361371B2 - 生体分子伝達モチーフMph−1−BTM及びその利用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生物学的活性を有する生理機能調節分子(biologically active functional or/and regulatory molecule)を生体内(in vivo)及び生体外(in vitro)において、真核若しくは原核細胞内の細胞質、細胞小器官、又は核内に効果的に伝達することができる細胞内分子伝達(transduction)用ペプチド及びその利用方法に関する。
生きている細胞は、一般に蛋白質や核酸のような巨大分子に対して不透過性である。一部小さなサイズの物質だけが非常に低い割合で生きている細胞の細胞膜を通過し、これは、これら巨大分子を利用した治療、予防及び診断において制限要因とされている。一方、治療、予防及び診断を目的として製造される物質は、その実質的な有効量で細胞内に伝達されなければならないため、これらを細胞外部や標的細胞の表面に作用させて細胞内に伝達するための様々な方法が開発されてきている。
生体外で細胞内に巨大分子を伝達する方法には、エレクトロポレーション(electroporation)、 リポソームを利用した膜融合、表面にDNAコーティングされた微細投射体を用いた高濃度投射法、カルシウム−リン−DNA沈殿体を用いた培養法、DEAE−デキストランを利用したトランスフェクション(transfection)、変形されたウイルス核酸を利用した感染、単一細胞に直接微細注入する方法などがある。また、最近は細胞内に伝達しようとする巨大分子を、ナノ粒子(nanoparticale)を用いて生体の内外にて細胞内に伝達しようとする試みが行なわれているが、技術的な側面及び臨床的な効果の面において未だ初期段階にある。更に、これらの方法では、典型的に巨大分子を導入させようとする全体細胞のうち、ただ一部にしか伝達することができず、これらを細胞内に伝達する時間及び効率はまだ臨床的に適用可能な段階には至っていない。尚、目的細胞ではない他の多くの細胞に対して望ましくない影響を及ぼす可能性もある。
従って、生体内外の何れでも細胞を損傷することなく生理活性を持つ巨大分子を効果的に伝達できる一般的な方法が要望されている[参考文献:L.A. Sternson, Ann. N.Y. Acad. Sci., 57, 19-21(1987)]。その一例として、脂質ペプチドの化学的な追加[参考文献:P. Hoffmann et al. Immunobiol., 177, 158-170(1988)]又はポリリジンやポリアルギニンなどの塩基性重合体を使用する方法[参考文献:W-C. Chen et al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 75, 1872-1876(1978)]などが提示されているが、これら方法は未だ検証されていない。輸送体として使われる葉酸[参考文献:C.P. Leamon and Low, Proc. Natl. Acd.Sci., USA,88, 5572-5576(1991)]は、葉酸−塩結合体として細胞内に移動されることが報告されているが、細胞質内にまで伝えられるかは未だ確認されていない。また、シュードモナス外毒素(Pseudomonas Exotoxin)も輸送体の一種として使われている[参考文献:T.I. Prior et al., Cell, 64, 1017-1023(1991)]。しかし、このシステムでも生物学的に活性化した目的とする物質の細胞内への移動に関する効果や、基礎医学的及び臨床的な適用可能性については不明である。これゆえ、生きている細胞の細胞質内または核内に生物学的に活性化した物質をより安全で且つ効果的に伝達し得る方法が持続的に要望されている。
また、蛋白質のような巨大分子だけでなく、生体内部又は外部で細胞内へのDNA及び/又はRNAの伝達もまた、生命工学の基礎研究分野及び医薬学的な応用分野において非常に重要な必須技術として認識されている。DNA及び/又はRNAの細胞内への伝達は、遺伝子治療、遺伝子により生体内部又は外部で生成される蛋白質の機能を明かす基礎研究、及びこれらを用いた新しい治療剤の開発に決定的な役目をしている。しかし、DNA及び/又はRNAも細胞膜を効果的に通過することはできないため、このような問題の解決は、遺伝子を利用した基礎研究及び臨床研究において解決すべき最大の課題の一つである。
そこに、生体内部又は外部でDNA及び/又はRNAの細胞内伝達のために、リポソーム、ナノ粒子及びウイルスベクターなどが開発され、その利用可能性について研究されているが、これらの効能及び副作用にはまだ改善すべき課題が多く残存している実情である。特に、リポソームを利用した場合には、細胞に対する副作用及び細胞毒性(cytotoxicity)の問題が深刻で、細胞株を利用した基礎研究に局限されており、またナノ粒子の場合は、最近多くの関心を集めているが、生体内での運搬粒子(carrier particle)の分解、伝達効能、及びこれらに対する生体内での免疫反応については、より一層の研究が求められる実情である。現在、基礎研究及び臨床的効能の面で重要視されているレトロウイルスベクターを利用する場合、高力価のウイルス粒子の作製には限界があり、また分裂しない細胞には感染されないといった短所が台頭され、アデノウイルス及びアデノ随伴ウイルス(adeno-associated virus)を用いた場合にも、臨床的な利用は非常に制限的なものと知られている。また、これら2つのウイルスベクターの場合、残存するウイルス蛋白質に対する生体内での免疫反応が誘導され、治療効果に対して多くの疑問点が出てきている。従って、生体内部又は外部でのDNA及び/又はRNAの細胞内伝達にあたって、より効果的でかつ副作用の少ない新しい細胞内伝達方法が継続して要求されている。
一方、生体の多くの生理的現象を調節する医薬学的用途の蛋白質は、 E. coli等のバクテリアで生産される組換え蛋白質の形で製作されて最近まで様々な疾病の治療に使われてきている。しかし、バクテリアで生産された医薬学的用途の蛋白質は、生体内の細胞内で生産される自然状態の蛋白質に比べ、その実質的な構造及び機能が非常に非効率的であるため、これら蛋白質を酵母(yeast)、昆虫細胞、又は動物細胞で生産するか、バクテリアで生産された組換え蛋白質をリフォールディング(refolding)して使用するか、或いは遺伝子導入動物(transgenic animal)を用いて生産しようとする研究が絶えずに行なわれてきている。しかし、このような新しい試みは、多くの分子細胞生物学的な中間段階を要し、収率が非常に低く、更に生産費用面での経済性なども問題とされている。このため、バクテリアで生産された組換え医薬学蛋白質を経済的で且つ容易に自然状態の機能及び構造を有する蛋白質に切り換えることは、疾患の診断、治療及び予防のための新しい蛋白質薬物の開発にあたって決定的な役割を果たすことと考えられる。
これら幾つかの重要な基礎研究及び臨床的要求に対する研究の結果として提示されたものが、PTD(Protein Transduction Domain)である。このうち最も進んだ研究は、ヒト免疫不全ウイルス−1(Human Immunodeficiency Virus-1, HIV-1)の転写因子であるTat蛋白質であって[参考文献;Schwarze SR et al, 3:285(5433):1569-1572, 1999 Science]、この蛋白質は細胞膜の通過に当たり、86個のアミノ酸からなる完全な形態である時よりも、正電荷を有するアミノ酸が集中的に分布している47番目から57番目までのアミノ酸(YGRKKRRQRRR)からなる形態である時に、より効果的であることが明らかになった[参考文献:Fawell S. et al. Proc. Natl. Acad.Sci.USA 91,664-668(1994)]。このようにPTDとしての効果が確認された他の例として、HSV−1(Herpes Simplex Virus type 1)のVP22蛋白質の267番目から300番目までのアミノ酸[参考文献: Elliott G.et al.Cell,88,223-233(1997)]、及びショウジョウバエ(Drosophila)のANTP(Antennapedia)蛋白質の339番目から355番目までのアミノ酸[参考文献:Schwarze S.R. et al.Trends Pharmacol Sci.21,45-48(2000)]などがある。 本発明者等は、これらPTDのアミノ酸の配列を比較してみると、リジンとアルギニンをたくさん含んでおり、特にアルギニンが細胞内分子伝達に当たって重要なものと考えられた。かかる事実は、電気的に陽性のアミノ酸を羅列した人為的なペプチドの場合にも分子伝達効果が確認されたことから証明された[参考文献:Laus R.et al.Nature Biotechnol.18,1269-1272(2000)]。
このようなPTDを用いた巨大分子の細胞内伝達作用メカニズムとしては、細胞表面の細胞膜を破壊して細胞内に伝達するという仮説と、PTDが細胞外に存在する巨大分子を、細胞膜の一部を利用して細胞内に新しい小胞(vesicle)を形成して移動させ細胞内で放出させるという仮説の2つの仮説が存在する。また、巨大分子の細胞内伝達を可能にするPTDは、小サイズのペプチドや自体内の構造的特性を有していて、細胞膜に新しいチャンネルが形成できるといった仮説も提起されている[参考文献:Becker-Hapak M,et al,2001,Jul:24(3):247-256]。
しかし、9〜12個のアルギニン又は9〜12個のリジンによって特定の蛋白質が細胞内に伝えられたという結果[参考文献:Rothbard JB, et al, Nature Med. 2000 Nov:6(11):1253-1257]は、PTD自体にアルギニン又はリジンが特定の位置に存在してチャンネル構造を形成するという上記の仮説が間違っているかもしれない可能性を見せており、PTDと共有または非共有の結合によって結合された目的蛋白質のみが細胞内に伝えられるといった本研究者等の研究結果は、細胞膜を破壊して巨大分子を細胞内に伝達するという仮説も信憑性がないということを示している。また、本研究者等の研究結果、PTDによる細胞内分子伝達は37℃及び4℃の両方ともで効果的に行なわれており、これは、PTD自体がチャンネル構造を形成するという仮説と、細胞内に新しい小胞体を形成して伝達が行われるという仮説が誤っていることを示すものである。
最近、従来のPTDとは異なる性格の新しいPTDであるMTSが合成、製作されており[参考文献:DaeWoong Jo et al., Nat. Biotech.Vol. 19, 2001]、これらのアミノ酸配列は、FGF(Fibroblast Growth Factor)のシグナルペプチドのアミノ酸配列を基に合成された。しかし、シグナルペプチドのアミノ酸は、下記のような多様な特性を有しており[(a)3〜5個のアルギニン又はリジンがセリン又はスレオニンのように非連続的に存在し、グルタミン酸又はアスパラギン酸は存在せず、(b)1つ以上の塩基性アミノ酸と6〜12個の疎水性アミノ酸、(c)セリンとスレオニン、小サイズの疎水性アミノ酸が多く存在し、グルタミン酸及びアスパラギン酸は少なく、(d)Cターミナル部分にセリン、リジン及びロイシンが多く、(e)1つ又は2つの塩基性アミノ酸が集まっており、これらの間には無作為のアミノ酸が10個存在する。]、上記既存のPTDアミノ酸とは相当異なる特性を持っている。すなわち、MTSなどのPTDは、アミノ酸構成の特性はない。
従って、本発明者等はこれら異種のPTDが有する特性と、本発明者の基礎研究結果を基に、PTDに対する新しい作用メカニズムに対する仮説、及びPTD構成アミノ酸の要件を見出した:1)フォールディングされていない状態の蛋白質が元の複雑な3次構造を有する蛋白質よりも、随分効果的に伝えられるという研究結果、フォールディングされていない状態の蛋白質が細胞内部及び細胞内小器官に伝えられた後、細胞の外部または細胞内小器官の外部には排出されないといった本研究者等の研究結果 、及びPTDが受容体を用いたエンドサイトーシス又はファゴサイトーシスを利用しないという研究結果から、細胞表面に存在するチャンネルを利用することと予測される。このため、アラニンやバリンのような疏水性(hydrophobic)アミノ酸が存在すべきである;2)PTDの場合、核内にも蛋白質を効果的に伝達することができ、これは、細胞質内に存在している転写因子が核内に移動する作用メカニズムと類似しているように思われるため、PTDが転写因子に多く存在することと考えられる。従って、PTDも、トランスロコンという細胞内小器官への蛋白質の移動に使われるチャンネルと類似したチャンネルによって細胞内に移動することと思われる。
かかる新しい2つの仮説と構成要件に基づいて本研究を遂行した。すなわち、既存のPTDの特徴であるリジン及びアルギニンが多いという構成要件でもって遺伝子バンクを検索して10,000個の遺伝子を見出し、シグナルペプチドの構成要件を用いて500余個の遺伝子を選び出し、本発明者が発見した新しい仮説と、アラニンとバリンをコーディングする核酸配列を含む遺伝子100個を探し出した。最後に、転写因子という要件を用いて20個を見出した後、これらの細胞内伝達効果を実験し、これら新しい候補PTDとβ−ガラクトシダーゼとの融合蛋白質を製作及び分離精製して、JurkatT細胞内への伝達効果を比較分析した。その結果、マウス転写因子であるMph−1(遺伝子バンク番号:U63386)の858番目から868番目までのアミノ酸からなる新しい分子伝達ペプチドを発見し、これをMph−1−BTM(Biomolecule Transduction Motif)と命名した。
本発明者等は、マウスMph−1転写因子の858番目から868番目までのアミノ酸からなるペプチドを細胞内分子伝達ペプチドとして用いることにより、生体の内外において目的蛋白質、核酸、脂肪、炭水化物又は化学化合物を真核若しくは原核細胞の細胞質、細胞内小器官又は核内に効果的に伝達できることを証明し、本発明を完成した。また、目的巨大分子を伝達しようとする臓器及び細胞の表面に存在する受容体と選択的に結合できるリガンドの細胞外部分、これら臓器及び細胞に選択的に発現するMMPの切断部位、及びMph−1−BTMを用いて、生体内部または外部で目的巨大分子を特定の臓器及び細胞に伝達できることを立証した。また、伝達するDNA及び/又はRNA結合配列と結合可能なDNA及び/又はRNA結合ドメイン(DBD及び/又はRBD)とMph−1−BTMを利用して、DNA及び/又はRNA結合ドメインと結合可能な特定のDNA及び/又はRNA塩基配列を5個連続している発現ベクター、または特定の臓器、組織、若しくは細胞内で選択的に遺伝子を発現させ得るプロモーターを含む調節エレメント(elements)を有する発現ベクターを、生体内部または外部で特定の臓器や細胞に伝達又は発現できることを発見し、本発明を完成した。尚、Mph−1−BTMを用いた細胞内伝達技術は、バクテリアで生産された組換え医薬学的蛋白質を望みの動物細胞内に伝達し、再び分離することで、自然状態のフォールディング構造と機能を有するように組み換え蛋白質を改良することを可能にした。
本発明の目的は、生体内外にて生物学的活性を有する生理機能調節分子を筋肉内(intramuscular)、腹膜内(intraperitoneal)、静脈内(intravein)、鼻内(nasal)、皮下(subcatenaous)、皮内(intradermal)、粘膜(mucosal)、吸入(inhalation)及び経口(oral)などを含む様々な経路を通じて、真核若しくは原核細胞の細胞質または核内に効果的に伝達することができる新規な分子伝達ペプチドである、配列番号1のMph−1−BTMを提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、Mph−1−BTMを含む組換え発現ベクター及びこれを用いて形質転換された微生物を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記組換えベクターを適切な宿主細胞で発現させて分子伝達ペプチドと目的蛋白質とを融合した融合蛋白質を提供することにある。
本発明のまた他の目的は、Mph−1−BTMを利用して、生体内外で生物学的活性を有する生理機能調節巨大分子を、真核若しくは原核細胞の細胞質、細胞小器官、又は核内に伝達する方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、Mph−1−BTM、及びDNA及び/又はRNAワクチンを含む組み換えワクチン、又は、Mph−1−BTMを用いた遺伝子治療用の伝達遺伝子をも提供することにある。
本発明の別の目的は、Mph−1−BTMを遺伝子治療及び蛋白質を利用した治療に用いることにある。
本発明のまた別の目的は、ウイルスやバクテリア、カビ等を含む感染源、及び様々な癌細胞に対して特異的なDNA及び/又はRNA及び蛋白質抗原を用いた、新しいワクチンの開発を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、Mph−1−BTMを用いて生体の内外で生体機能を調節するDNA及び/又はRNAの遺伝子治療剤の開発を提供することにある。
なお、本発明の更に別の目的は、蛋白質のフォールディング構造を自然状態の構造及び機能を有する蛋白質構造に変換することにより、疾病の診断、治療、及び/又は予防のための蛋白質薬物を提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明は、真核若しくは原核細胞の細胞質、細胞小器官、又は核内に生物学的活性を有する生理機能調節分子を生体内又は生体外で伝達するための、配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド、又はその活性断片を提供する。
また、本発明は、上記配列番号1のアミノ酸の一部が欠失又は置換されるか、アミノ酸構造の一部が生体内での安定性が増加するように変形されるか、或いはアミノ酸の一部又は全部がL−又はD−アミノ酸に置換された、真核若しくは原核細胞の細胞質、細胞小器官又は核内に生物学的活性を有する生理機能調節巨大分子を生体内又は生体外で伝達するためのペプチド又はその活性断片を提供する。
また、本発明は細胞内分子伝達ペプチドをコーディングするDNA、及び目的とする蛋白質をコーディングするDNAを含む組換え発現ベクター、及びこれを用いて形質転換させた大腸菌DH5αMph−1(KCCM-10345)を提供する。
また、本発明は上記ペプチド又はこのペプチドと目的蛋白質とを結合した融合蛋白質と、生物学的活性を有する生理機能調節分子(例えば、 chemical drug又はchemical prodrug)との結合体を、生体内部又は外部において筋肉内、腹膜内、静脈内、経口、鼻内、皮下、皮内、粘膜及び吸入などを含む様々な経路を通じて、上記物質を真核若しくは原核細胞の細胞質、細胞小器官、又は核内に伝達する方法を提供する。
本明細書において“生物学的活性を有する生理機能調節分子”とは、生体内のあらゆる生理現象を調節する物質を意味し、例えば、DNA、RNA、蛋白質、脂肪、炭水化物及び化学化合物(chemical compound)などを含む。
本明細書において“活性断片”とは、配列番号1のアミノ酸の断片又は配列番号1のアミノ酸中の一部が置換又は欠失されるか、アミノ酸構造の一部が生体内で安定性が増加するように変形されるか、アミノ酸の一部又は全部がL−又はD−アミノ酸に置換された断片であって、細胞内分子伝達の機能を有するペプチド断片を意味するものと定義される。
本明細書中の“巨大分子(macro molecule)”とは、蛋白質、脂肪、核酸、炭水化物または化学化合物を含むものと定義される。
本明細書中の分子伝達ペプチド“Mph−1−BTMの類似体”とは、Mph−1−BTMの分子伝達活性を有するものであって、一部アミノ酸が置換又は欠失されたか、アミノ酸の構造を生体内部又は外部にて分子伝達ペプチド又はその複合体の安定性を増加させ得るように変形したもの、或いはアミノ酸の一部又は全部がL−又はD−アミノ酸に置換された配列を含有するペプチド、及びその活性断片を含むものと定義される。
本明細書において融合蛋白質は、分子伝達ペプチドMph−1−BTMと、化学的、物理的な共有又は非共有の結合によって直接的に連結されるか、或いは他の媒介体を介して間接的に連結された蛋白質との結合体として定義される。
本明細書における化学化合物には、細胞の機能が調節できる化学物質、例えば、抗癌剤、免疫疾患治療剤、抗ウイルス治療剤、動物の成長因子、発達因子又は分化因子などが含まれる。
本発明の細胞内分子伝達モチーフは、マウス転写因子であるMph−1のN−末端858番目から868番目までのアミノ酸に該当する配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチドであり、ここで、アルギニン及びアラニンは、細胞表面に存在する分子伝達チャンネル受容体(channel receptor)との相互作用に重要な役割を果たすものと考えられる。
また、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドにおいて、アルギニン、バリン及びアラニン部分を含む上記ペプチドの一部のアミノ酸が、機能的かつ構造的に類似したアミノ酸、例えば、バリンに置換された変異配列を有するペプチドもまた本発明の範疇に含まれる。
本発明はまた、上記配列番号1のアミノ酸配列、又はその一部アミノ酸が欠失又は置換されるか、少なくとも一部アミノ酸がL−若しくはD−アミノ酸に置換された変異配列からなるペプチド、又はこれらの活性断片からなる分子伝達ペプチドをコーディングするDNA及び/又はRNA、及び細胞内に注入しようとする目的の生理機能調節分子及び/又は目的蛋白質をコーディングするDNA及び/又はRNAを含む分子伝達組換え発現ベクターを提供する。この組換え発現ベクターは、融合蛋白質の精製を容易にするタグ(tag)配列、例えば、連続したヒスチジンコドン、ヘマグルチニンコドン、Mycコドン、マルトース結合蛋白質コドン等を含むことができ、融合蛋白質の可溶性(solubility)を増大させるための融合パートナー(partner)、例えば、リジンRNA合成酵素などを含むことができる。また、融合蛋白質の構造の安定、又は各遺伝子がコーディングする蛋白質の柔軟性(flexibility)のために、1つ以上のグリシン、アミノ酸AYYを含むスペーサ(spacer)アミノ酸、又は塩基配列を更に含むことができる。尚、融合蛋白質の不要な部分を除去するためにある細胞内器官に特異的に存在する酵素によって特異的に認識される切断部位、発現調節配列及び細胞内伝達を確認するためのマーカ(marker)またはリポーター遺伝子配列を含むこともできるが、これらに限るものではない。本発明の組換え発現ベクターに使われる発現調節配列は、目的DNA及び/又はRNAが選択的に伝達又は発現される細胞、組織、臓器に特異的なプロモーター又はエンハンサーを含む調節ドメイン(regulatory domain)で構成することができる。
具体的な一例として、本発明の細胞内分子伝達ペプチドを含む組換え発現ベクターであるpMph−1−β−galは、配列番号1のアミノ酸からなるペプチドをコーディングするDNA、宿主細胞で発現した蛋白質の精製のための6つの連続したヒスチジンコドン、エンテロキナーゼによって特異的に切断されるAsp−Asp−Asp−Asp−Lys配列またはTevによって特異的に切断されるGlu−Asn−Leu−Tyr−Phe−Gln−Gly、及び細胞内への融合蛋白質の伝達を確認するためのマーカとしてβ−ガラクトシダーゼをコーディングするDNAを含む。
本発明のp Mph−1−β−galは、ベクターはpIND/lacZベクター(Invitrogen社より入手)を鋳型として、通常のPCR(Polymerase Chain Reaction)法により簡単に製造することができる。また、本発明では、組換え発現ベクター内のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を適した制限酵素を用いて除去し、細胞内に伝達させようとする目的蛋白質をコーディングするDNAを挿入することにより、分子伝達組換え発現ベクターを製造することができる。目的蛋白質は、生理機能調節蛋白質であるか、又は生理機能調節蛋白質と、この蛋白質を伝達しようとする細胞、組織(tissue)若しくは臓器(organ)などに特異的に伝達するための受容体(receptor)に選択的に結合するリガンド(ligand)の細胞外部分とが、化学的又は物理的な方法で連結された融合蛋白質であってもよく、これらリガンド又は受容体は、蛋白質、脂肪、炭水化物、化学化合物またはこれらの複合体であってもよい。上記目的蛋白質がHIV、HBV、HCV、及びインフルエンザを含む感染性ウイルスから選ばれた一つ以上のウイルス特異的蛋白質、または肝癌細胞や胃癌細胞を含む腫瘍細胞に特異的に発現する腫瘍特異的蛋白質である場合、組換え発現ベクターは生体内で、抗原プロセシングの中にMHCクラスII媒介経路をMHCクラスI媒介経路に切り換えCTL(cytotoxic leukocyte)を誘導することができ、望ましくは、1つ以上のユビキチン(ubiquitin)をコーディングするDNAを更に含む。
本発明の組換え発現ベクターを用いて大腸菌など適切な宿主細胞を形質転換させ、収得した形質転換体を適切な条件の下で培養し融合蛋白質を生産した後、公知となった通常の蛋白質精製方法、例えば、ポリヒスチジンとNi2+−NTAとの結合を用いた方法などを利用して目的蛋白質を分離、精製することができる。また、本発明は、上記組換え発現ベクターを、生物学的活性を有する生理機能調節分子を伝達しようとする細胞と一緒に培養することにより、細胞質、細胞小器官又は核内に生理機能調節分子を効果的に伝達する方法を提供する。
より具体的には、本発明は、分子伝達ペプチドMph−1−BTM又はその類似体、及び細胞内に伝達しようとする目的DNA及び/またはRNAに含まれたDBS及び/又はRBS(DNA及び/又はRNA結合配列)と選択的に結合するDNA及び/又はRNA結合蛋白質をコーディングするDNAを含む組換え発現ベクターを製造する段階;上記組換えベクターを適切な宿主細胞で発現させて収得した融合蛋白質と、上記DNA及び/又はRNA結合蛋白質に結合するDNAまたはRNA塩基配列を目的DNAまたはRNAの3´末端に有している目的DNA及び/又はRNAとを結合反応させ、結合体を収得する段階;及び、上記結合体を目的とする細胞の培養物と混合培養し、細胞内に目的DNA及び/又はRNAを伝達する段階;を含む細胞内分子伝達方法を提供する。
また、本発明は、分子伝達ペプチドMph−1−BTM又はその類似体、若しくは分子伝達ペプチドと目的蛋白質との融合蛋白質を結合誘導体によって活性化し、これを目的化合物と結合反応させて結合体を収得する段階、及びこの収得した結合体を、目的化合物を伝達しようとする細胞の培養物と混合培養することにより、細胞内に目的化合物を伝達する段階を含む分子伝達方法を提供する。上記結合誘導体には、分子伝達ペプチド又は分子伝達ペプチドと目的蛋白質との融合蛋白質を、DNA、RNA、炭水化物、脂肪、蛋白質または化合物と化学的及び/又は物理的な方法で結合させる結合試薬、例えば、BMOE(Pierce Cat. No 22323)、DSP(Pierce Cat. No 22585)、pH感受性リンカー[参考文献:Rothbard JB, et al, Nat. Med. 2000, Nov:6(11):1253-1257]などが含まれる。
また、本発明は、分子伝達ペプチドMph−1−BTM又はその類似体、若しくは分子伝達ペプチドと生体内の生理現象を調節する生理活性調節蛋白質である目的蛋白質との融合蛋白質を、バクテリアで多量発現させ分離精製した後、これら組換え融合蛋白質を、元より生体内でこれら目的蛋白質を生産する細胞又はこれと同等な水準の蛋白質プロセシング(processing)及び修飾(modification)が可能な細胞内に伝達し、これら細胞内に伝達された目的蛋白質が細胞内の蛋白質フォールディングメカニズムによって自然状態の構造及び機能に変換して、基礎的及び臨床的な治療剤として使用可能な医薬学的用途の蛋白質を生産することができる方法を提供する。
また、上記目的DNA、目的RNA、または目的化学化合物の細胞内伝達に当たって、これを分子伝達ペプチドと目的蛋白質との融合蛋白質に物理的かつ化学的に結合させて特定の細胞、組織または臓器に伝達しようとする場合、上記目的蛋白質は、それが伝えられる特定の細胞、組織、臓器に特異的に発現する受容体と選択的に相互作用可能なリガンドの細胞外部分蛋白質、またはこれら受容体やリガンドと特異的に結合可能な単クローン抗体(mAb)及び単クローン抗体(mAb)の変形された形態、例えば、Fab断片、F(ab´)断片、一本鎖Fv或いはヒト化した単クローン抗体と結合して生体分子伝達複合体を形成することができる。
従って、本発明はまた、i)細胞内に伝達しようとする目的DNA及び/又はRNA、DNA及び/又はRNA結合蛋白質が特異的に結合するDNA及び/又はRNA配列を1つ以上連続して含有するDNA及び/又はRNA断片、及び作動可能に結合された発現調節配列を含む第1の組換え発現ベクターを製造する段階;ii)配列番号1のペプチドまたはその活性断片、上記段階i)の細胞内に伝達しようとする目的の組換え発現ベクター中のDNA及び/又はRNA断片に含まれた特定DNA及び/又はRNA配列と選択的に結合可能なDNA及び/又はRNA結合蛋白質をコーディングするDNA及び/又はRNAを含む第2の組換え発現ベクターを製造する段階、iii)上記第2の組換え発現ベクターを用いて宿主細胞から融合蛋白質を収得する段階;iv)上記段階iii)の融合蛋白質と段階i)の第1の組換え発現ベクターとを結合反応させ、融合蛋白質及び目的DNA及び/又はRNAの結合体を収得する段階;及びv)上記結合体を、目的DNA及び/又はRNAを伝達しようとする細胞と混合し、混合培養する段階;を含み、目的DNA及び/又はRNAを細胞内に伝達する方法を含む。本発明によって生理機能調節分子を細胞内に伝達するにあたって、インターロイキン−4、インターロイキン−2、インターロイキン−12、またはγ−インターフェロンを含むサイトカイン及びケモカイン、または成長因子(EGF)など目的DNA及び/又はRNAの発現及び機能が調節可能な生理機能調節因子を一緒に使用することができる。
本発明の目的蛋白質は、望ましくは、翻訳後にユビキチン化(ubiquitination)、ホスホリル化(phosphorylation)、アシル化(fatty acylation)、例えば、パルミトイレーション(palmitoylation)、ミリストイレーション(myristoylation)、又はファネシレーション(farnesylation)などを含む翻訳後修飾(post-translation modification)によって修飾され、上記アシル化には、例えば、Lck蛋白質のアミノ酸配列の一部(Met-Gly-Cys-Val-Cys-Ser-Ser-Asn-Pro-Glu-Asp-Asp-Trp-Met-Glu-Asn)が利用できる。
また、本発明による融合蛋白質を、筋肉内、腹膜内、静脈内、経口、鼻内、皮下、皮内、粘膜または吸入を含む経路を通じて生体内外で導入しようとする細胞に接触させる段階を含み、生理機能調節分子を真核細胞若しくは原核細胞の細胞質、細胞小器官又は核内に伝達する場合、これらの構造及び機能、安定性を増加させるために、クロロキン(chloroquine)、モネンシン(monensin)、アマンタジン(amantadine)、及びメチルアミン(methylamine)からなる群から選ばれた、リソソーモトロフィック(lysosomotrophic)製剤を加えるのが望ましい。
本発明の細胞内分子伝達ペプチドは、非常に小さなサイズのペプチドであるため、活性物質に対する生物学的干渉を最小化することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳しく説明する。但し、下記の実施例は本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲がこれら実施例に限定されるものではない。尚、本明細書上の技術参考文献は本発明に参考として統合される。
実施例1:分子伝達ペプチドMph−1−BTMを含む
発現ベクターの製造
マウス転写因子であるMph−1(GeneBank Code:U63386)のN−末端より858番目アミノ酸であるチロシンから868番目アミノ酸であるアルギニンまでのペプチドをコーディングする塩基配列と、リポーターとして使われるβ−ガラクトシダーゼをコーディングする塩基配列とを結合させるために、Mph−1のN−末端より858番目アミノ酸であるチロシンから868番目アミノ酸であるアルギニンまでの配列とクローニングのための制限酵素BamHIを含む配列番号2のプライマー、及びβ−ガラクトシダーゼの3´末端に該当する配列とクローニングのための制限酵素BglIIを含む配列番号3のプライマーを合成し、β−ガラクトシダーゼ蛋白質の全体遺伝子を含むpIND/lacZベクター(invitrogen社より入手)を鋳型としてpfu turbo DNAポリメラーゼ(Stratagene, cat. # 600252-51)を使用してPCRを行なった。
PCRで収得した反応生成物を制限酵素BamHIとBglIIとで 切断し、Quiaquick PCR精製キット(QIAGEN, cat. # 28104)を用いて精製した後、ゲル抽出法で精製したpTrcHis B(Invitrogen, Cat. No. V360-20B)のBglII位置にクローニングして組換え発現ベクターを製造し、これをpMph−1−β−galと命名した。図1Aは、本発明の発現ベクターp Mph−1−β−galの構造を示すもので、発現ベクターp Mph−1−β−galを制限酵素XbaIとHindIIIとで切断し、1%アガロースゲルで電気永働した後、エチジウムブロマイド染色を行い、図1Bに示した。ここで、第2の列は本発明の発現ベクターpMph−1−β−galを、第1の列は標準サイズのDNAをそれぞれ示す。
実施例2:大腸菌形質転換体の製造及び融合蛋白質の発現並びに精製
実施例1で製造した発現ベクターpMph−1−β−galを用いて大腸菌DH5α(ATCC No. 53863)を熱ショック形質転換法(heat shock transformation)によって形質転換した後、この形質転換された大腸菌を100mlのLB培地に2mlの量で接種し、37℃で12時間撹拌しながら前培養を行なった。その後、これを再び1000mlのLB培地(カゼインのパンクレアチックダイジェスト(pancreatic digest)10g、酵母エキス5g、塩化ナトリウム10g)にそれぞれ接種し、37℃で4時間培養した後、1mM濃度のIPTG(イソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシド、GibcoBRL cat. # 15529-019)を添加してlacオペロンの発現を誘導し、8時間培養して融合蛋白質の発現を誘導した。上記培養液を4℃、6,000rpmで20分間遠心分離してペレットのみを残して上澄液を取り除き、1mg/mlのリゾチーム(Sigma, cat. # L-7651)を含む10mlの緩衝溶液1(50mM NaHPO、300mM NaCl、10mMイミダゾール、pH8.0)にペレットを懸濁してから氷に30分間放置した後、超音波粉砕機(Heat systems、ultrasonic processor XL)を用いて、累積の超音波注入時間が3分になるまで300Wの出力で超音波を10秒間注入し10秒間冷却する過程を繰り返した。溶出液を4℃、12,000rpmで20分間遠心分離して大腸菌の破砕物を除去し、純粋な溶出液のみを分離した。分離した溶出液に2.5mlの50%Ni2+−NTAアガローススラリー(Qiagen, cat# 30230)を加え、4℃、200rpmで1時間撹拌して融合蛋白質とNi2+−NTAアガロースとを結合させ、この混合液をクロマトグラフィー用の0.8×4cmコラム(BioRad,cat.# 731-1550)に注ぎ入れた。4mlの緩衝溶液2(50mM NaHPO、300mM NaCl、20mMイミダゾール、pH8.0)を用いて2回洗浄した後、0.5mlの緩衝溶液3(50mM NaHPO、300mM NaCl250mMイミダゾール、pH 8.0)にて4回にわたって融合蛋白質を分画し、分離精製されたMph−1−β−gal融合蛋白質をSDS−PAGE実施した後、クマシーブルー染色法で確認した。それを図2に示す。同図において、第1の列は標準分子量蛋白質、第2の列は融合蛋白質Mph−1−β−galである。
実施例3:融合蛋白質の細胞内伝達
10%FBS(Fetal Bovine Serum)DMEMに培養したHUVEC (ATCC:CRL-1730)、HeLa(ATCC:CCL-2)、293(ATCC:CRL-1573)をLab−tekIIchamber sideに、10%FBS RPMIに培養したJurkat細胞(ATCC:CRL-10915)はポリ−L−リジンコーティングスライドに、それぞれ2Х10ずつ分注し、上記の方法で精製されたMph−1−β−ガラクトシダーゼ蛋白質を0.5μMの濃度で37℃、30分間5%Coインキュベータで処理した後、上澄液を除去した。氷冷PBSで4回洗浄した後、2%ホルムアルデヒド溶液で10分間固定させた。固定液を取り除いた後、再び氷冷PBSで4回洗浄し、β−ガラクトシダーゼ染色溶液(RoChe. Co.)を700μl添加し、37℃、5%COインキュベータで45分間反応させた後、再び上澄液を除去して氷冷PBSで4回洗浄した。その後、70%グリセロールでマウンティング(mounting)を行い、顕微鏡で観察して写真撮影をし、その結果を図3Aに示した。その結果、Mph−1と融合結合されたβ−galは、上記4つの細胞内に効率よく伝えられたが、Mph−1と結合されていないβ−gal蛋白質は細胞内に全く伝えられなかった。また、かかるMph−1−β−galの細胞内伝達が、受容体−媒介エンドサイトーシスによるものか否かを区分するために、37℃及び4℃にて融合蛋白質が細胞内に効果的に伝達されるかどうかを調べた。
10%FBS(Fetal Bovine Serum)RPMI培地で培養した3Х10のJurkat細胞を氷冷PBSで2回洗浄した後、10%FBS(Fetal Bovine Serum)RPMI培地で顕濁させ60mmディッシュに分注し、1mg/ml Mph−1−β−ガラクトシダーゼ蛋白質を処理した後、30分間、4℃及び37℃にて5%COインキュベータで反応させた。その後、処理されたJurkat細胞を氷冷PBSで2回洗浄し、1%NP−40溶解緩衝液(1%NP−40 150mM NaCl、10mM Tris−HCl、400μM EDTA、1mM NaVO、1mM NaF、10μgアプロチニン、10μgロイペプチン(leupeptin))に溶解させた。4℃で20分間遠心分離した後、BCA蛋白質定量キット(PIERCE)で定量し、この中で20μgのサンプルをβ−ガラクトシダーゼ分析緩衝液(100ХMg2+溶液3μl、ONPG(o−ニトロフェニルβ−D−ガラクトピラノシド)溶液66μl、及び0.1Mリン酸ナトリウム(sodium phosphate))と一緒に混合し、37℃で30分間反応させた後、1M NaCOを加えて反応を終了させた。420nmにてマイクロプレートリーダー(Molecular devices)を用いて吸光度を測定した結果を図3Bに示す。これは3回実験した結果で標準偏差を含むものである。この結果、Mph−1−β−gal融合蛋白質は37℃でだけでなく、4℃でも極めて効果的に伝達されており、これは、本発明の分子伝達ペプチドによる目的蛋白質の細胞内伝達が、受容体−媒介エンドサイトーシス(receptor-mediated endocytosis)またはファゴサイトーシス(phagocytosis)によるものではないことを明らかにした。
実施例4:Tat及びMph−1の細胞内伝達効果の比較
既存のPTDであるTatと本発明のMph−1とによる蛋白質の細胞内伝達効果を比較するために、pTat−β−galDNA構造を製作した。HIVのTat蛋白質のN−末端より47番目アミノ酸であるチロシンから57番目アミノ酸であるアルギニンまでのペプチドをコーディングする塩基配列と、リポーターとして使われるβ−ガラクトシダーゼをコーディングする塩基配列とを結合させるために、TatのN−末端より47番目アミノ酸であるチロシンから57番目アミノ酸であるアルギニンまでの塩基配列とクローニングのための制限酵素BamHIを含む配列番号4のプライマーを合成し、β−ガラクトシダーゼの3´末端に該当する塩基配列及びBglII制限酵素に該当する配列番号3のプライマーを使用し、β−ガラクトシダーゼ蛋白質の全体遺伝子を含むpIND/lacZベクター(invitrogen社より入手)を鋳型としてpfu turbo DNAポリメラーゼ(Stratagene, cat. # 600252-51)を用いてPCRを行なった。PCRで収得した反応生成物を制限酵素BamHIとBglIIで切断した後、Quiaquick PCR精製キット(QIAGEN, cat. # 28104)を用いて精製し、ゲル抽出法で精製したプラスミドpTrcHisB(invitrogen, Cat. No V360-20B)のBglII位置にクローニングして組換え発現ベクターを製造し、これをpTat−β−galと命名した。図4Aはその構造を示す図面である。実施例2に提示した方法によりTat−β−gal融合蛋白質を分離精製した後、実施例3に提示した方法により0.1μg/mlと0.5μg/mlとの異なる濃度でJurkatT細胞内へのTat−β−gal及びMph−1−β−galの伝達効果を比較した。図4Bに示すように、上記2つの異なる濃度の下で、Mph−1はTatよりも随分効果的にβ−galが細胞内に伝達され、特に、0.1μg/mlの低い濃度下での伝達効果の差が著しかった。
実施例5:生体内でのMph−1による目的蛋白質の細胞内伝達
Mph−1による目的蛋白質の細胞内伝達効果を生体内で確認するために、実施例2で分離精製したMph−1−β−gal融合蛋白質を6週齢のC57BL/6マウスに、750μgのMph−1−β−ガラクトシダーゼ蛋白質をPBSと混合して500μlの体積で腹腔内に1回/1日で3日間注入し、対照マウスには腹腔に同量のPBSのみを注射した。最終の腹腔注射から4時間経過後にマウスを解剖し、各臓器を2mM MgClを含むPBSで洗浄した後、氷冷5%ホルマリンで固定させた。固定後、PBSで5回洗浄し、各臓器をβ−gal染色溶液(Roche. Co.)に浸して12時間後に色の変化を観察した。図5Aに示すように、腎臓、脳、肝、肺及び心臓にβ−gal蛋白質が効果的に伝達されていることから見て、生体内でもMph−1−BTMによって目的蛋白質が各臓器内に効果的に伝達されることが確認された。
尚、Mph−1−BTMによって各臓器に伝えられたβ−gal蛋白質が臓器の表面ではなく、臓器を構成している細胞内に伝えられたことを確かめるために、マウス転写因子Mph−1(遺伝子バンクコード:U63386)のN−末端より858番目アミノ酸であるチロシンから868番目アミノ酸であるアルギニンまでのペプチドをコーディングする塩基配列と、リポーターとして使われるeGFP(enhanced Green Fluorescent Protein)をコーディングする塩基配列とを結合するために、Mph−1のN−末端より858番目アミノ酸であるチロシンから868番目アミノ酸であるアルギニンとクローニングのための制限酵素BamHIを含む配列番号2のプライマー、及びeGFPの3´末端とクローニングのための制限酵素BglIIを含む配列番号5のプライマーを合成し、eGFP蛋白質の全体遺伝子を含むpEGFP−N1ベクター(invitrogen社より入手)を鋳型として、pfu turbo DNAポリメラーゼ(Stratagene, cat. # 600252-51)を用いてPCRを行なった。
PCRで収得した反応生成物を制限酵素BamHIとBglIIとで切断し、Quiaquick PCR精製キット(QIAGEN, cat. # 28104)を使用して精製した後、ゲル抽出法で精製したプラスミド pTrcHis B(invitrogen, Cat. No V360-20B)のBglII位置にクローニングして組換え発現ベクターを製造し、これをpMph−1−eGFPと命名した。上記実施例2と同様に、DH5αで発現されたMph−1−eGFP蛋白質を分離精製した後、生体内に腹腔注射してから4時間経過後に脾臓を除去した。除去された脾臓を粉砕した後、抗体形成細胞(splenocyte)を分離し、これら細胞内に伝えられたeGFPをFACS分析で調査し、その結果を図5Bに示した。図5Bに示すように、Mph−1−BTMによって脾臓に伝えられたeGFPが脾臓を構成している抗体形成細胞にも効果的に伝えられている。
生体内でMph−1−BTMによって血液内に伝えられ体内の各臓器に伝えられるかどうかを様々な投与経路を通して調べるために、分離精製されたMph−1−β−gal融合蛋白質を、6週齢のC57BL/6マウスに750μgのMph−1−β−gal蛋白質とPBSとを混合して500μlの体積で腹腔注射、IV、皮膚、または鼻内(nasal)の経路を通じて1回/1日で3日間注入し、対照マウスには同量のPBSのみを腹腔に注射した。融合蛋白質を投与したマウスから血液を採取しT細胞をMACSと抗−CD3 mAbを利用して分離した後、上記実施例3と同様にこれらT細胞に伝達されたβ−ガラクトシダーゼ酵素の活性を測定した。その結果を図5Cに示した。この結果から、生体内の腹腔、IV、皮膚及び鼻内など様々な投与経路を通しても、分子伝達モチーフであるMph−1−BTMによって血液内のT細胞内に融合蛋白質が効果的に伝えられることが分かった。
実施例6:Mph−1と目的蛋白質との融合蛋白質の細胞特異的伝達
実施例2で製造された目的蛋白質Mph−1−β−galを特定細胞にのみ選択的に伝達するために、伝達しようとする細胞、組織または臓器に特異的に存在するリガンド又は受容体を利用した。その一例として、目的蛋白質をT細胞に特異的に伝達するために、Mph−1−β−galの3´部分に、細胞の細胞外基質(extracellular matrix)に存在しながら細胞膜に付着しているマトリクスメタロプロテアーゼ(Matrix Metallo Protease, MMP)の切断部位のアミノ酸配列を挿入し、またその3´の後方にT細胞に特異的に存在する受容体CD28のリガンドであるB7.1をクローニングして挿入した発現ベクターp Mph−1−β−gal−B7.1を製作した。制限酵素BamHIとB7.1のN末端配列を含む配列番号6のプライマー、及び制限酵素BglIIとB7.1のC末端配列を含む配列番号7のプライマーを使用し、本研究室で製作したヒト一次(primary)T細胞のcDNA混合物を鋳型として上記実施例1と同様に、PCR及び分子クローニング方法を用いて発現ベクターpMph−1−β−gal−B7.1を製作した。図6Aは発現ベクターp Mph−1−β−gal−B7.1の構造を示す図面である。p Mph−1−β−gal−B7.1発現ベクターを用いて上記実施例2と同様にバクテリアDH5αを形質転換した後、これらバクテリアを培養してMph−1−β−gal−B7.1融合蛋白質を分離精製した。この融合蛋白質を実験用マウスにI.P.法で注射し、4時間後に血液からT細胞を分離してβ−galの活性を調べた。図6Bの結果から明らかなように、T細胞で高いβ−galの活性が現れたが、B細胞では活性が殆ど現れなかった。この結果は、融合蛋白質のB7.1と、T細胞のCD28又はCTLA−4とが結合した後、T細胞の表面に存在しているMMPによって融合蛋白質が切断され、その後Mph−1−β−gal融合蛋白質がT細胞内に選択的に伝達されたことを示す。
実施例7:Mph−1−BTMによるDNA(CD8-ζ)の細胞内伝達
段階1)Mph−1とGal4とが融合した遺伝子を含む
発現ベクターの製造
実施例1で製作されたp Mph−1−β−galベクターを制限酵素XbaI及びBglIIで処理してβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を分離し、DNA結合蛋白質であるGAL4のN末端の配列とXbaI制限酵素を有する配列番号8のプライマー、及びGAL4のC末端配列とBglII制限酵素を有する配列番号9のプライマーを利用し、発現ベクターpcDNAGal4を鋳型として実施例1でのような通常のPCR及び分子クローニング法でpMph−1−Gal4プラスミドを製作した。図7は発現ベクターp Mph−1−Gal4の構造を示す。
(段階2)DNA結合蛋白質であるGal4が選択的に結合する
DNA塩基配列(GBS)を含む発現ベクターpCD8−z−5XGBSの製造
上記段階1のMph−1−Gal4との効率的な結合のために、CD8−ζがpcDNA3発現ベクター(invtrogen社より)のXbaI及びBamHI制限酵素認識部位に挿入されたpcDNA3−CD8−zのStuI制限酵素認識部位に、Gal4が選択的に結合する塩基配列であるGBS(Gal4結合配列)が5回繰り返されるようにクローニングしたpCD8−z−5XGBSを製作した。
すなわち、GBSに該当する塩基配列をプライマーで合成し、これらをハイブリダイゼーションした後、キナーゼで5´突出末端(overhanging)をリン酸化し、その後、pCD8−ζの3´にあるStuIにクローニングさせた。図8は発現ベクターpCD8−ζ−5XGBSの構造を示すものであり、配列番号10はGBSの塩基配列を示す。
段階3)Mph−1によるCD8−ζDNAの細胞内伝達の確認
上記段階1で製造された発現ベクターpMph−1−Gal4を用いて、実施例2と同様な方法で発現及び精製されたMph−1−Gal4融合蛋白質に上記段階2で製造されたpCD8−ζ−5XGBS DNAを常温で結合させ、Mph−1−Gal4融合蛋白質のGal4と、pCD8−ζ−5XGBSが有する5個のGal4結合部位であるGBSとを相互結合させた。連結された結合体をPBSで混ぜた後、10一次T細胞を接種して反応させ、その後、37℃で48時間培養して細胞内に伝えられたDNA構造によるCD8−ζ融合体の過剰発現を誘導した。細胞表面におけるCD8−ζ融合蛋白質の過剰発現の有無を確認するために、CD8分子に対する単クローン抗体OKT8(ATCC No CRL-8014)を用いてFACS(Fluorescence-Activated Cell Sorter)分析法(参考文献:Current Protocol for Immunology)で発現を調べ、その結果を図9Aに示した。図9Aに示すように、Mph−1分子伝達ペプチドが融合されたCD8−ζ蛋白質が細胞内に伝えられたことが確認された。陰性対照区として、pCD8−ζ−5XGBSを含まないMph−1−Gal4融合蛋白質、またはpCD8−ζ−5XGBS自体のみを反応させたT細胞でのCD8−ζキメラ分子(chimeric molecule)の発現をFACSで分析した。この結果から明らかなように、Mph−1−BTMと融合したDNA結合蛋白質(binding protein)は、細胞内に伝達しようとするDNA構造に人為的に挿入させたDNA結合蛋白質の結合配列と相互結合し、Mph−1−BTMにより目的DNA構造を細胞内に効率的に伝達し発現させることができる。
かかるMph−1−BTMによるDNAの細胞内伝達が生体内でも可能であるかどうかを調べるために、常温で結合を誘導されたMph−1−Gal4融合蛋白質とpCD8−ζ−5XGBSとの結合体を実施例5でのように腹腔内に注射し、48時間経過後に血液内のT細胞を、T細胞に選択的に結合する抗−CD2 mAbとMACSを用いて分離し、脾臓の抗体形成細胞を分離してから、これら細胞の表面に発現しているCD8−ζキメラ蛋白質の発現程度をFACSを用いて調べた。その結果を図9Bに示す。この結果、Mph−1−BTM及びGal4によって生体内に伝えられた発現ベクターpCD8−ζ−5XGBSは、血液内のT細胞だけでなく、脾臓の抗体形成細胞の内にも効率よく伝えられたことが確認された。
実施例8:pCD8−ζDNAのT細胞特異的伝達及び選択的発現
段階1)Mph−1、Gal4、B7.1が融合した遺伝子を
含む発現ベクターの製造
分子伝達ペプチドMph−1を用いてpCD8−ζDNAをT細胞に特異的に伝達するために実施例7で製造された発現ベクターpMph−1−Gal4の3´部分に、実施例6でのようにT細胞に選択的に存在するマトリクスメタロプロテアーゼ切断部位をクローニングした後、B7.1の細胞外部分を、配列番号6及び7のプライマーを利用し本研究室で製作したT細胞cDNA混合物を鋳型として、上記実施例1と同様に通常のPCR及び分子クローニング法でクローニングして挿入したpMph−1−Gal4−B7.1DNA構造を製作した。図10Aはその構造を示す。
段階2)T細胞に特異的なプロモーターLck、pLCD8−ζ及び5個のGBSを含む発現ベクターの製造
実施例7の段階2で製作されたpLCD8−ζ−5XGBSのプロモーターであるCMVプロモーターの代わりに、T細胞に特異的に遺伝子を発現させるlckプロモーターを、HindIII制限酵素認識部位を用いて通常の分子クローニング方法で置換した。図10Bはその発現ベクターであるpLCD8−ζ−5XGBSの構造を示す図面である。
段階3)Mph−1によるpCD8−ζ−5XGBS
DNAのT細胞特異的な伝達
上記段階1で製造された発現ベクターpMph−1−Gal4−B7.1DNAを用いて上記実施例7の段階2で製作された発現ベクターpCD8−ζ−5XGBSを生体内でT細胞に選択的に伝達するために、実施例7と同様な方法で発現及び精製されたMph−1−Gal4−B7.1融合蛋白質と発現ベクターpCD8−ζ−5XGBSとの結合体を常温で誘導した。連結された結合体をPBSで混ぜた後、腹腔内に注射し、48時間経過後に血液内のT細胞とB細胞をそれぞれ抗−CD2 mAb、抗−B220 mAb、MACSを用いて分離した後、これら細胞で発現している表面キメラ分子であるCD8−ζの発現程度を抗−CD8 mAbであるOKT8とFACSを利用して分析した。その結果を図10Cに示す。この結果は、Mph−1とGal4を利用して生体内に伝えられた発現ベクターpCD8−ζ−5XGBSは、融合蛋白質Mph−1−Gal4−B7.1におけるB7.1の細胞外部分と、T細胞の表面に存在するCD28またはCTLA−4との結合によってT細胞の周囲に移動した後、T細胞の表面に選択的に存在するMMPにより切断され、その後、Mph−1−Gal4とpCD8−ζ−5XGBSとの結合体が周囲に多く存在するT細胞の内に伝えられて発現していることを示す。しかし、B細胞では発現ベクターが伝えられず、CD8−zキメラ分子は殆ど発現しなかった。
段階4)Mph−1によるpLCD8−ζ−5XGBS
DNAの
T細胞選択的な発現
上記実施例7の段階2で製造されたMph−1−Gal4融合蛋白質を用いて上記段階2で製作された発現ベクターpLCD8−ζ−5XGBSをT細胞に特異的に発現させるために、上記段階3と同様に室温で結合誘導されたMph−1−Gal4とpLCD8−ζ−5XGBSとの結合体を生体内に伝達し、48時間経過後に血液中のB細胞とT細胞を分離し、これら細胞の表面に発現する表面キメラ蛋白質であるCD8−ζの発現程度をOKT8及びFACSを利用して分析した。その結果を図10Dに示す。この結果から、T細胞に選択的に発現を誘導するLckプロモーターによって生体内に伝えられた発現ベクターpLCD8−ζ−5XGBSは、T細胞にのみ選択的に発現していることが分かる。
実施例9:Mph−1とT細胞に選択的に作用する免疫抑制剤TMCとの融合構造の細胞内伝達
生体内の様々な生理作用が調節できる化学化合物をMph−1−BTMによって生体内に効果的に伝達するために、Mph−1とB7.1の細胞外部分との融合蛋白質を製作すべく、BamHI制限酵素、Mph−1のBTM及びB7のN末端塩基配列を含む配列番号11のプライマー、制限酵素BglIIの配列とB7のC末端塩基配列を含む配列番号12のプライマーを使用し、本研究室で製作したマウスT細胞cDNAライブラリーを鋳型として発現ベクターpMph−1−B7.1を製作した。Mph−1とB7.1との間にT細胞に選択的に発現するMMPによる切断部位を挿入した。DH5αで発現し分離精製された融合蛋白質Mph−1−B7.1が、図11Aに示すpH感受性化学的リンカーを用いてTMCと化学的に連結された構造を製作した。TMC−Mph−1−B7.1(0.1μg/ml)結合構造をJurkatT細胞に処理してから5時間経過後に、TMCによって誘導されたJurkatT細胞のアポトーシスをPI染色[参考文献:I. Schmid et. al Cytometry 13:204-208(1992)]及びFACSを利用して分析し、その結果を図11Bに示した。これから、Mph−1−B7融合蛋白質によってJurkatT細胞内に伝えられたTMCは、アポトーシスを効率よく引き起こすことが確認された。JurkatT細胞で効率よくアポトーシスを引き起こすTMC−Mph−1−2−B7.1が、生体内でもT細胞に選択的に伝えられアポトーシスを誘導することで、免疫抑制効果を奏することができるかを分析するために、臓器移植拒否反応のモデルとして異種心臓他家移植ラット(rat heterocardiac allograft)を用いて[参考文献:Jae-Hyuck Sim et al. PNAS vol. 99, no. 16, 10617-10622, 2002]免疫抑制効果を調べた。その結果を下記の表1に示す。
Figure 0004361371
臓器移植拒否反応の動物モデルにおいて、従来の免疫抑制剤であるcyclosporin A(CsA)を腹腔に投与した場合、移植された臓器は100日以上動いた反面、上記作製したTMC−Mph−1−B7.1融合構造を0.05μg/mlの濃度で腹腔に投与するか、または0.03μg/mlの濃度で皮膚を通して投与した場合には、いずれも160日以上動いて、効果的な生体内での免疫抑制効果を示した。しかし、cremophorのみを投与した場合には、移植された心臓は、ただ9〜10日程度しか動かなかった。
実施例10:Mph−1−zA1A2及びMph−1−CTLA−4
蛋白質薬物による生体内での免疫抑制効果
上記の何れの実施例からも確認されるように、Mph−1−BTMは、生体内の生理現象を調節する生理調節蛋白質、DNA及び/又はRNA、及び化学的薬物を共有又は非共有の結合によって結合させ、生体内外で種々の臓器及び臓器内の細胞の中に効果的に伝達することができる。従って、Mph−1−BTMを利用して生体内の免疫反応が調節可能な細胞内信号伝達調節蛋白質の野生型(wild type)または変形された形態を細胞内に伝達することにより、生体内の免疫反応が調節可能な新しい蛋白質薬物の作製を試みた。
T細胞による免疫反応を阻害し免疫抑制効果を示す目的蛋白質として、生体内に入ってきた抗原の一部ペプチドとMHC分子の複合構造を認識し、細胞内に活性化信号を伝達するに当たって最も重要な役目をするTcR複合体の信号伝達鎖(chain)であるz鎖の細胞質ドメイン(cytoplasmic domain)を選択した。本発明者等は、基礎研究を通してTcR z鎖の細胞質ドメインのうち、第1ITAMに存在するチロシンアミノ酸をフェニルアラニンに変化させた構造であるzA1A2の形態を細胞内で過剰発現した場合、T細胞の活性化信号が効果的に遮断できることを立証した[参考文献:Wook-Jin Chae et al. JBC 2003]。このような基礎研究の結果を用いてMph−1−BTMとTcRz鎖のzA1A2形態とを融合させた発現ベクターを製作した。その構造を図12の(a)に示す。この発現ベクターを製作するために、XbaI制限酵素、Mph−1−BTMの配列、TcRz鎖の細胞質ドメインのN末端に該当する配列を含む配列番号13の5´プライマーを製作し、z鎖のC末端に該当する配列とHindIIIを含む配列である配列番号12の3´プライマーを製作し、また本研究室で製作したpcDNA3−zA1A2発現ベクター[参考文献:Wook-Jin Chae et al. JBC 2003 submitted]を鋳型として通常のPCRと分子クローニング方法を用いて蛋白質を可溶性の形態で効果的に発現できる発現ベクターpGELysRSのATG−LysRSの5´に存在するもう一つのXbaI制限酵素を取り除いたpGELysRS(2)発現ベクターのXbaIとHindIII認識部位にクローニングして、pMph−1−2−zA1A2発現ベクターを作り出した。
Mph−1−BTMを用いて生体内の免疫反応が調節可能な他の目的蛋白質を製作するために、T細胞の活性化過程で負の調節因子(negative regulator)として働くCTLA−4蛋白質の細胞質ドメインをMph−1−BTMとの融合パートナーとして選んだ。CTLA−4は、活性化したT細胞の表面に存在する細胞膜蛋白質であって、抗原提示細胞(Antigen Presenting Cell)の表面に存在するB7群の蛋白質と結合してT細胞の活性を阻害する役目をする蛋白質として知られている。Mph−1−BTMとCTLA−4の細胞質ドメインとの融合蛋白質を製作するために、発現ベクターであるpMph−1−CTLA−4を製作した。その構造は図12の(b)に示す通りである。上記pMph−1−zA1A2発現ベクターの製作でのように、XbaI制限酵素、Mph−1−BTM、CTLA−4のN末端塩基配列を含む配列番号15の5´プライマー、及びHindIII制限酵素配列とCTLA−4のC末端配列を含む配列番号13の3´プライマーを利用し、本研究室で製作した一次T細胞のcDNA混合物を鋳型として通常のPCRと分子クローニング方法で蛋白質を可溶性の形態で効果的に発現し得る発現ベクターpGELysRSのATG−LysRSの5′に存在するもう一つのXbaI制限酵素を除去したpGELysRS(2)発現ベクターのXbaIとHindIII位置にクローニングして、pMph−1−CTLA−4発現ベクターを完成した。
製作されたpMph−1−zA1A2、pMph−1−CTLA−4発現ベクターを用いて、大腸菌BL21(invitrogen, cat. No.:c7010-03)を熱ショック形質転換法(heat shock transformation)で形質転換させた後、上記の実施例2と同様な方法で融合蛋白質を発現及び分離精製し、SDS−PAGEを実施した後、クマシーブルー染色法で確認した。その結果を図13の(a)と(b)にそれぞれ示す。
分離精製されたMph−1−zA1A2、Mph−1−CTLA−4融合蛋白質の生体内での免疫抑制効果を実験するために、上記実施例9でのように、臓器移植拒否反応の動物モデルとして異種心臓他家移植ラットを用いて[参考文献:Jae-Hyuck Sim et al. PNAS vol. 9, no. 16, 10617-10622, 2002]免疫抑制効果を調べた。その結果は下記表2の通りである。
Figure 0004361371
臓器移植拒否反応の動物モデルに、従来の免疫抑制剤であるCsAを腹腔投与した場合、移植された臓器は100日以上動き、本発明で製作されたMph−1−zA1A2、Mph−1−CTLA−4融合蛋白質をそれぞれ0.05μg/ml、又は0.04μg/mlの濃度で腹腔又は皮膚に投与した場合には、何れも160日以上動いて、生体内で効果的な免疫抑制効果を表すものと分析された。しかし、Cremophorのみを投与した場合、移植された心臓は、ただ9〜10日程度しか動かなかった。これは、Mph−1−BTMによってTcRz鎖の変形された形態であるzA1A2とCTLA−4が生体内のT細胞内に効果的に伝えられ、T細胞の活性化を抑制することにより、免疫抑制効果が現れることを示す。
実施例11:Mph−1−BTMによる植物細胞カルス(calus)内への
巨大分子の伝達
Mph−1−BTMによる動物細胞ではない他の細胞内への目的蛋白質の効果的な伝達を調べるために、培養された植物細胞カルス(calus)に10μM濃度のMph−1−β−gal融合蛋白質を入れてから1時間経過後に、植物カルス内へのβ−ガラクトシダーゼの効果的な伝達を顕微鏡(confocal microscope)で分析し、その結果を図14に示した。植物カルスの培養は、タバコ葉を採取してオキシンとサイトカインを含むカルス誘導培地で培養した後、生成された植物のカルスをアガー(agar)を含有しないMS培地で培養(suspension culture)して準備した。この結果、Mph−1−BTMにより、融合蛋白質を投入してから15経過後に植物カルス内にβ−ガラクトシダーゼが効果的に伝えられ、特に、矢印で示すように核内にも効果的に伝えられることが確認された。
実施例12:Mph−1−BTMによる多様なバクテリア内への
巨大分子の伝達
Mph−1−BTMによる多様なバクテリア細胞内への目的蛋白質の効果的な伝達を調べるために、培養されたバクテリア細胞としてサルモネラ・チフィミリウム(salmonella typhymirium)、リステリア・モノサイトゲネス(listeria monocytogenesis)、ストレプトコッカス・アウレウス(streptococcus aureus)及び結核菌に1μMのMph−1−β−gal融合蛋白質を加え、1時間経過後に細胞内に伝えられたβ−ガラクトシダーゼの活性を基質を用いて測定し、その結果を図15に示した。これから、Mph−1−BTMを用いて巨大分子β−ガラクトシダーゼが多様なバクテリア細胞内に効果的に伝えられていることを確認した。
実施例13:Mph−1−BTMを用いた自然状態の構造と機能を
有する医薬学的用途の蛋白質の生産
バクテリア細胞で発現し分離精製されたMph−1−BTMと生体内の生理活性調節蛋白質との融合蛋白質を、生体内で生産された生理活性調節蛋白質の自然状態の構造及び機能を有する蛋白質に変換させるために、バクテリアで生産され分離精製された上記の融合蛋白質を、再びCHO(Chinese Hamster Ovary)細胞内に伝達した後、CHO細胞内で自然状態の構造と機能を表すための完全な蛋白質フォールディングがなされた蛋白質を再び分離及び精製して、これら2つの融合蛋白質について生体内での生理現象調節能力の差異を調べた。本実験のために、Mph−1−BTMとヒトインスリンとの融合蛋白質の製作のための発現ベクターであるpMph−1−インスリンを作製した。XbaIの塩基配列、Mph−1−BTM及びヒトインスリンのN末端を含む配列番号17の5´プライマーと、Hind制限酵素配列及びヒトインスリンのC末端配列を含む配列番号18の3´プライマーを製作し、本研究室で製作したヒト膵臓(pancease)beta細胞のcDNAライブラリーを鋳型として、通常のPCRと分子クローニング方法により上記実施例10でのように蛋白質を可溶性の形で効果的に発現し得る発現ベクターpGELysRSのATG−LysRSの5´に存在するもう一つのXbaI制限酵素を除去したpGELysRS(2)発現ベクターのXbaIとHindIII位置にクローニングして、pMph−1−インスリン発現ベクターを完成した。これを図16に示す。製作されたpMph−1−インスリンを用いて大腸菌BL21を熱ショック形質転換法(heat shock transformation)で形質転換した後、上記実施例2と同様な方法で融合蛋白質を発現及び分離精製し、Mph−1−インスリン融合蛋白質を製作した。バクテリアで発現し分離精製されたMph−1−インスリン融合蛋白質(1mg/ml)をCHO細胞内に再び伝達した後、これらCHO細胞内に存在する蛋白質フォールディングメカニズムを用いて自然状態の構造及び機能を有するものと考えられるMph−1−インスリン融合蛋白質を再分離精製し、この融合蛋白質をMph−1−インスリン−PRと命名した。これら2つの融合蛋白質をSDS−PAGE実施した後、クマシーブルー染色法で確認し図17Aに示した。これら2つの融合蛋白質がMph−1−BTMによってJurkatT細胞内に効果的に伝えられるかどうかを調べるために、上記実施例3と同様に、これら融合蛋白質及びMph−1−BTMの無い組換えインスリンで培養されたJurkatT細胞を処理した後、インスリンに対するmAbを用いてインスリン蛋白質の細胞内伝達効果を細胞内染色(intracellular staining)で比較した。その結果を図17Bに示す。この結果から分かるように、Mph−1−BTMを有しない組換えインスリンの場合、JurkatT細胞内に殆ど伝えられていない反面、Mph−1−BTMに連結された2つの融合蛋白質Mph−1−インスリン、Mph−1−インスリン−PRは、両方とも細胞内に効果的に伝えられた。
実施例14:Mph−1に連結されたインスリン融合蛋白質による
生体内血糖低下効果
上記実施例14で製作された組換えインスリン、Mph−1−インスリン及びMph−1−インスリン−PRの生体内での血糖低下効果を分析するために、インスリン依存性糖尿病の動物モデルであるSTZ(Streptozotocin)誘導糖尿マウスを用いた。3日間絶食させた後、STZ(Sigma Chemical Co, St Louis, USA)60 mg/kgを静脈注射によって投与した。ポリユリア及び他の糖尿病症状とともに血糖が20mmol/L又はそれ以上になった場合をインスリン依存性糖尿マウスとして分類した。全ての生体内実験は、糖尿病が誘導されてから2週経過後に実施された。上記実施例13の組換えインスリン、Mph−1−インスリン及びMph−1−インスリン−PRを腹腔注射を通して1−10mMの濃度で上記糖尿マウスに投与した後、血液内のグルコース濃度を調べた。血糖の分析は、麻酔したマウスから0.2ml程度の血液を採取し、13,000rpmの速度で3分間遠心分離した後、15ml程度の血漿を1.5mlのグルコースキット試薬(BiosystemSA, Barcelona, Spain)に加え、37℃の水槽に10分程度インキュベーションした。血糖分析は、分析器(Quik-Lab,Ames,Miles Inc. Elkart,Indiana,USA)を用いて行なわれた。その結果を下記の表3に示す。
Figure 0004361371
上記の表3から明らかなように、組換えインスリンの場合に血糖を約50%程度、Mph−1−インスリンの場合は約70%程度減少したが、CHO細胞内に伝えられ自然状態の構造及び機能を有するものと推測されるMph−1−インスリン−PRの場合には、90%以上の血糖減少効果が現れた。このように、Mph−1−BTMによって動物細胞内に伝えられた融合蛋白質は、細胞内の蛋白質フォールディングメカニズム(folding mechanism)により自然状態の構造及び機能に変換されることと考えられ、 Mph−1−BTMを用いて種々の医薬学的用途の蛋白質をバクテリアから量産し、これら組換え蛋白質を、元より生体内でこれら蛋白質を生産する細胞の内にMph−1−BTMを用いて伝達させた後、再びこれら細胞から再分離、精製して基礎的及び臨床的な治療剤として使用した場合には、卓越した効果を奏することと期待される。
このように、本発明の配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドMph−1は、生物学的活性を有する生理機能調節分子を生体内外で真核若しくは原核細胞内の細胞質、細胞小器官または核内に、筋肉内、腹膜内、静脈内、経口、鼻内、皮下、皮内、粘膜、及び吸入などを含む様々な経路を通して効果的に伝達することができるため、蛋白質新薬の開発、組換えワクチンの開発、DNA又はRNAワクチンの開発;蛋白質、遺伝子、化学化合物を用いた疾病の新しい治療法;自然状態の構造及び機能を有する医薬学蛋白質の生産;及び新しい薬物伝達システムの開発;に有用である。
図1Aは本発明のMph−1−BTMを用いた発現ベクターp Mph−1−β−galの構造を示す図面である。 図1Bは図1Aの発現ベクターを制限酵素で処理した後のアガロースゲル(agarose gel)を示す図面である。 図2は発現ベクターp Mph−1−β−gal融合蛋白質のクマシーブルー染色結果を示す図面である 図3AはMph−1−β−gal融合蛋白質の細胞内伝達効果を示す結果である。 図3Bは4℃及び37℃でのMph−1−β−gal(1mg/ml)融合蛋白質の効果的な細胞内伝達を示す図面である。 図4Aは発現ベクターpTat−β−galの構造を示す図面である。 図4BはMph−1−β−gal融合蛋白質及びTat−β−gal融合蛋白質の細胞内への分子伝達結果を比較して示す図面である。 図5AはMph−1−BTMによるβ−galの多様な臓器内への伝達効果を示す図面である。 図5AはMph−1−BTMによるβ−galの多様な臓器内への伝達効果を示す図面である。 図5AはMph−1−BTMによるβ−galの多様な臓器内への伝達効果を示す図面である。 図5BはMph−1−BTMによるeGFPの脾臓細胞内への伝達効果を示す図面である。 図5CはMph−1−BTMを用いてβ−gal蛋白質を生体内で多様な投与経路を通して血液内T細胞に伝達した結果を示す図面である。 図6Aは組換え発現ベクターpMph−1−β−gal−B7.1の 構造を示す図面である。 図6Bは目的蛋白質であるβ−galがT細胞に特異的に伝えられたのを示す図面である。 図7は組換え発現ベクターpMph−1−Gal4の構造を示す図面である。 図8は組換え発現ベクターpCD8−ζ−5XGBS(Gal4結合配列)の構造を示す図面である。 図9AはMph−1−BTMによる、発現ベクターpCD8−ζ−5XGBSのT細胞内への伝達を示す図面である。 図9BはMph−1−BTMによる、生体内での血液内T細胞及び抗体形成細胞(splenocyte)への発現ベクターpCD8−ζ−5XGBSの伝達及び発現効果を示す図面である。 図10Aは組換え発現ベクターpMph−1−Gal4−B7.1の 構造を示す図面である。 図10Bは組換え発現ベクターpLCD8−ζ−5XGBSの構造を示す図面である。 図10CはMph−1−BTMによる発現ベクターpCD8−ζ−5XGBSの生体内T細胞特異的伝達効果を示す図面である。 図10DはMph−1−BTMによる発現ベクターpLCD8−ζ−5XGBSの生体内T細胞特異的発現効果を示す図面である。 図11AはMph−1−BTMと免疫抑制剤のトウトマイセチン(TMC)とを連結するpH感受性化学的リンカーの構造を示す図面である。 図11BはMph−1−BTMによるTMCのJurkat T細胞 内への伝達を示す図面である。 図12はMph−1−BTMによる発現ベクターpMph−1−zA1A2の構造(a)及びp Mph−1−CTLA−4の構造(b)をそれぞれ示す図面である。 図13は分離精製された融合蛋白質Mph−1−zA1A2に対するクマシーブルー染色結果(a)及びMph−1−CTLA−4に対するクマシーブルー染色結果(b)をそれぞれ示す図面である。 図14はMph−1−BTMを用いたβ−gal蛋白質の植物カルス(calus)細胞内への伝達効果を示す図面である。 図15はMph−1−BTMを用いたβ−gal蛋白質のバクテリア、サルモネラ、ストレプトコッカス及び結核菌内への伝達効果を示す図面である。 図16はMph−1−BTMとインスリンとの融合蛋白質を作製するための発現ベクターpMph−1−インスリンの構造を示す図面である。 図17Aは分離精製された融合蛋白質Mph−1−インスリン及びMph−1−インスリン−PRに対するクマシーブルー染色結果を示す図面である。 図17Bは融合蛋白質組換えインスリンであるMph−1−インスリン及びMph−1−インスリン−PRによるJurkatT細胞内への伝達効果を示す図面である。
配列表
Figure 0004361371
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Claims (35)

  1. 真核若しくは原核細胞の細胞内に生物学的に生理機能調節分子を伝達するための、配列番号1のアミノ酸配列から成るペプチド。
  2. 生理機能調節分子が蛋白質、DNA、RNA、炭水化物、脂肪、及び化学化合物からなる群から選ばれた一つ以上の物質であることを特徴とする、請求項1に記載のペプチド。
  3. 原核細胞内、又は、筋肉内(intramuscular)、腹膜内(intraperitoneal)、静脈内(intravein)、経口(oral)、鼻内(nasal)、皮下(subcutaneous)、皮内(intradermal)、粘膜(mucosal)若しくは吸入(inhale)を含む投与経路により真核細胞内に伝達されることを特徴とする請求項1又は2記載のペプチド。
  4. 上記請求項1乃至3の何れか一項に記載のペプチドをコーディングするDNA、生理機能調節分子である同種又は異種の1つ以上の蛋白質をコーディングするDNA、及び作動可能に結合された発現調節配列を含む組換え発現ベクター。
  5. 上記請求項1乃至3の何れか一項に記載のペプチド;特定DNA及び/又はRNA配列と結合するDNA及び/又はRNA結合蛋白質をコーディングするDNA及び/又はRNA、又は細胞内に伝達しようとする目的DNA及び/又はRNA;特定DNA及び/又はRNA結合蛋白質と選択的に結合する核酸配列を1つ以上連続して含有するDNA及び/又はRNA断片;及び作動可能に結合された発現調節配列;を含む組換え発現ベクター。
  6. 発現調節配列が、目的DNA及び/又はRNAが選択的に伝達され発現される細胞、組織、或いは臓器に特異的なプロモーター又はエンハンサーを含む調節ドメイン(regulatory domain)であることを特徴とする請求項5に記載の組換え発現ベクター。
  7. 原核細胞、又は、筋肉内、腹膜内、静脈内、経口、鼻内、皮下、皮内、粘膜、若しくは吸入を含む投与経路により真核細胞へのベクターの伝達が行なわれることを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項に記載の組換え発現ベクター。
  8. 細胞表面に存在するプロテアーゼによって特異的に認識され切断される部位をコーディングする核酸配列;及び目的蛋白質が伝達される細胞、組織或いは臓器に特異的に存在する受容体(receptor)と特異的に結合可能なリガンドの細胞外部分をコーディングするDNA、又は上記受容体と選択的に結合する単クローン抗体(mAb)をコーディングするDNA;を含むことを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項に記載の組換え発現ベクター。
  9. 細胞表面に存在する上記プロテアーゼは、MMP(Matrix Metallo Protease)であることを特徴とする請求項8に記載の組換え発現ベクター。
  10. 上記単クローン抗体(mAb)は、Fab断片、F(ab´)断片、一本鎖Fv、又はヒト化した単クローン抗体であることを特徴とする請求項8又は9に記載の組換え発現ベクター。
  11. 目的蛋白質の精製を容易にするためのタグ(tag)をコーディングするDNAを更に含むことを特徴とする請求項4乃至10の何れか一項に記載の組換え発現ベクター。
  12. 6個の連続したヒスチジンコドンをコーディングする遺伝子を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の組換え発現ベクター。
  13. 細胞内酵素によって特異的に認識され切断されるアミノ酸配列をコーディングするDNAを更に含むことを特徴とする請求項4乃至12の何れか一項に記載の組換え発現ベクター。
  14. 細胞内酵素によって特異的に認識され切断されるアミノ酸配列が、エンテロキナーゼ切断部位(Asp-Asp-Asp-Asp-Lys)、又はTev切断部位(Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-Gly)であることを特徴とする請求項13に記載の組換え発現ベクター。
  15. 蛋白質の構造と機能の安定、又は蛋白質の柔軟性(flexibility)のために、1つ以上のグリシン、アミノ酸AYYを含むスペーサ(spacer)アミノ酸をコーディングするDNAを更に含むことを特徴とする請求項4乃至14の何れか一項に記載の組換え発現ベクター。
  16. i)上記請求項1に記載のペプチド;及び、ii)蛋白質、DNA、RNA、炭水化物、脂肪及び化学化合物からなる群から選ばれた1つ以上の生理機能調節分子;が融合されるか、或いは化学的及び/又は物理的な方法で結合された生体分子伝達複合体。
  17. i)上記請求項1に記載のペプチド;
    ii)生体内(in vivo)又は生体外(in vitro)において生理機能調節に関与する同種または異種の1つ以上の目的蛋白質、及び細胞表面に存在するプロテアーゼによって特異的に切断されるアミノ酸配列の融合蛋白質;及び
    iii)目的蛋白質が選択的に伝達される細胞、臓器、又は組織に存在する受容体と選択的に結合するリガンドの細胞外部分(ecto domain)又は単クローン抗体が、化学的、物理的、共有又は非共有結合によって形成された生体分子伝達複合体。
  18. 細胞表面に存在する上記プロテアーゼは、MMP(Matrix Metallo Protease)であることを特徴とする請求項17に記載の生体分子伝達複合体。
  19. 上記単クローン抗体(mAb)は、Fab断片、F(ab´)断片、一本鎖Fv、又はヒト化した単クローン抗体であることを特徴とする請求項17又は18に記載の生体分子伝達複合体。
  20. 融合蛋白質の精製を容易にするためのタグ(tag)配列を更に含むことを特徴とする請求項17乃至19の何れか一項に記載の生体分子伝達複合体。
  21. 6個の連続したヒスチジンを更に含むことを特徴とする請求項20に記載の生体分子伝達複合体。
  22. 融合蛋白質から不要な部分を取り除くために、細胞内、細胞内小器官又は核内に存在する酵素によって特異的に切断されるアミノ酸配列を更に含むことを特徴とする請求項20に記載の生体分子伝達複合体。
  23. アミノ酸配列は、エンテロキナーゼ切断部位であるAsp-Asp-Asp-Asp-Lys、又は、Tev切断部位であるGlu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-Glyであることを特徴とする請求項22に記載の生体分子伝達複合体。
  24. 上記目的蛋白質は、翻訳後にユビキチン化(ubiquitination)、ホスホリル化(phosphorylation)、ファネシレーション(farnesylation)、又はアシル化(fatty acylation)を含む翻訳後修飾(Post Translational Modification)によって修飾されることを特徴とする請求項22又は23に記載の生体分子伝達複合体。
  25. 上記請求項4乃至15に記載の組換え発現ベクターにより、真核若しくは原核細胞を含む宿主細胞で発現された融合蛋白質。
  26. 化学的及び/又は物理的な方法により、DNA、RNA、炭水化物、脂肪又は化学化合物からなる群から選ばれた1つ以上の追加的な生理機能調節分子と結合することを特徴とする請求項25に記載の融合蛋白質。
  27. 化学的及び/又は物理的な方法が、共有又は非共有の結合による直接結合であるか、若しくは媒介体を用いた間接結合であることを特徴とする請求項26に記載の融合蛋白質。
  28. 請求項25に記載の融合蛋白質を含む免疫抑制剤。
  29. 上記請求項3に記載のペプチドを、原核細胞内、又は、筋肉内、腹膜内、静脈内、経口、鼻内、皮下、皮内、粘膜若しくは吸入を含む投与経路によりヒト以外の動物の真核細胞内に伝達する方法。
  30. 上記請求項16乃至23の何れか一項に記載の生体分子伝達複合体を細胞の培養物と混合培養する段階を含む、蛋白質、DNA、RNA、炭水化物、脂肪及び化学化合物からなる群から選ばれた1つ以上の生理機能調節分子を真核若しくは原核細胞の細胞内に伝達する方法。
  31. 上記請求項25乃至27の何れか一項に記載の融合蛋白質を、細胞の培養物と混合培養する段階を含む、蛋白質、DNA、RNA、炭水化物、脂肪及び化学化合物からなる群から選ばれた1つ以上の物質を真核若しくは原核細胞の細胞内に伝達する方法。
  32. i)細胞内に伝達しようとする目的DNA及び/又はRNA、DNA及び/又はRNA結合蛋白質が特異的に結合するDNA/RNA配列を1つ以上連続して含有するDNA及び/又はRNA断片、及び作動可能に結合された発現調節配列を含む第1の組換え発現ベクターを製造する段階;
    ii)配列番号1のペプチド、上記段階i)の第1の組換え発現ベクター中のDNA及び/又はRNA断片に含まれた、DNA及び/又はRNA結合蛋白質が特異的に結合する特定DNA及び/又はRNA塩基配列と選択的に結合可能なDNA及び/又はRNA結合蛋白質をコーディングするDNA及び/又はRNAを含む第2の組換え発現ベクターを製造する段階;
    iii)上記第2の組換え発現ベクターを用いて宿主細胞から融合蛋白質を収得する段階;
    iv)上記段階iii)の融合蛋白質と、上記段階i)の第1の組換え発現ベクターとを結合反応させ、融合蛋白質及び目的DNA及び/又はRNAの結合体を収得する段階;及び
    v)上記結合体を目的DNA及び/又はRNAを伝達しようとする細胞と混合し、混合培養する段階;を含み、目的DNA及び/又はRNAを真核若しくは原核細胞の細胞内に伝達する方法。
  33. 目的DNA及び/又はRNAを、インターロイキン−4、インターロイキン−2、インターロイキン−12、及びγ−インターフェロンを含むサイトカイン,ケモカイン、及び成長因子(EGF)を含む群から選択されるいずれか一つの生理機能調節因子と一緒に伝えることを特徴とする、請求項29乃至32の何れか一項に記載の方法。
  34. インビトロにおいて、i)上記請求項1に記載のペプチドと目的蛋白質との融合蛋白質を第1の宿主細胞において発現させ、該細胞から収得する段階;
    ii)上記段階i)の融合蛋白質を第2の宿主細胞に伝達する段階;及び、
    iii) 第2の宿主細胞から自然状態のフォールディング構造及び機能を有する目的蛋白質を分離精製する段階;を含む目的蛋白質を生産する方法
  35. 上記請求項34に記載の方法から分離精製された自然状態の構造及び機能を有する目的蛋白質。
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