JP4361298B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、それらの機能を併せ持つ複合機等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、記録紙に画像を記録する画像形成部を備えた複写機やプリンタなどの画像形成装置では、上面に液晶ディスプレイなどからなる画像表示部、テンキー、スタートキーなどを備えた操作部が配設されている。この操作部における画像表示部の表示面には、コピー可否の状態、操作の指示、警告などの画像の形成に関連するメッセージを表示するメッセージ表示領域と、画像濃度や用紙サイズなどの画像の形成に関連する条件設定を行う条件設定領域とを備えている。
【0003】
このように構成された画像形成装置が複写機である場合、複写動作可能な状態にあるときには、画像表示部のメッセージ表示領域に「コピーできます」などのメッセージが表示され、例えば用紙切れで複写動作不能の状態になっているときには「用紙を補給してください」などのメッセージが表示される。
【0004】
このため、オペレータはメッセージ表示領域を視認して複写動作可能な状態にある場合に、原稿を所定の原稿載置部にセットし、画像表示部の条件設定領域を指でタッチすることで画像濃度や記録紙サイズなどの条件設定を行うと共に、テンキーで複写部数を設定し、その後にスタートキーを操作して複写動作を実行させることになる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7-254954号公報(第3頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の画像形成装置では、オペレータが健常者であることを前提にして操作部などの高さが設定されているため、オペレータが例えば車椅子を利用した身障者である場合には、目の位置が低いことから画像表示部の表示面が見えなかったり、表示面が見えたとしてもオペレータと画像表示部との距離が健常者の場合よりも離反していることからメッセージなどの文字が読み取り難くなったりするという問題があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、オペレータの目の位置が低く、しかも画像表示部との距離が離れている場合でも表示面に表示される文字を容易に視認することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、記録紙に画像を形成する画像形成部を備えた画像形成装置であって、上面において横臥した状態から起立した状態になるように回動可能に取り付けられ、表示面に前記画像の形成に関連するメッセージを表示するメッセージ表示領域及び前記画像形成部の動作条件を設定するための条件設定部を表示する条件設定領域が形成された画像表示部と、この画像表示部の回動角を検出する角度検出手段と、前記メッセージ表示領域にメッセージを表示すると共に、前記条件設定領域に条件設定部を表示し、前記画像表示部が起立する方向に回動されて所定の回動角に達したときに前記条件設定領域に表示される条件設定部の文字はそのままのサイズとし、前記メッセージ表示領域に表示されるメッセージの文字のみを前記所定の回動角に達するまでのサイズよりも大きなポイント数のサイズに変更する表示制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、画像表示部が起立する方向に回動されて所定の回動角に達したときに表示面のメッセージ表示領域に表示されるメッセージの文字がそれまでよりも大きなポイント数のサイズに変更される。このため、オペレータの目の位置が低く、しかも画像表示部との距離が離れている場合でも表示面のメッセージ表示領域に表示されるメッセージの文字を容易に視認することができるようになる。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1に係るものにおいて、前記表示制御手段が、前記画像表示部の回動角が大きくなるのに対応して前記メッセージ表示領域に表示されているメッセージの文字を順次大きなサイズに変更するものであることを特徴としている。
【0011】
この構成によれば、画像表示部の回動角が大きくなるのに対応してメッセージ表示領域に表示されているメッセージの文字が順次大きなサイズに変更される。このため、オペレータの目の位置に応じて画像表示部の回動角を変えるようにすることができ、しかも回動角に対応して文字が大きなサイズに変更されるので、画像表示部との距離が離れている場合でも表示面に表示される文字を容易に視認することができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観構成を示す図であり、図2は、その内部構成を概略的に示す図である。これらの図において、画像形成装置10は、複写機を構成するものであり、本体部12と、本体部12の上方に配設された原稿給送部14とを備えている。
【0017】
本体部12は、原稿読取部16と、光学ユニット18と、感光体ドラム20を有する画像形成部22と、定着部24と、記録紙搬送部26とを備えている。また、本体部12の上面手前側の位置に操作部28が配設され、本体部12の左方上部に記録紙排出部30が配設されている。
【0018】
原稿読取部16は、本体部12の頂部に装着された第1のコンタクトガラス32と、第1のコンタクトガラス32の左方に配設された第2のコンタクトガラス34と、左右方向に配設されたガイドレール36と、ガイドレール36に沿って左右方向に往復動可能に配設された画像読取手段であるスキャナ38とを備えている。このスキャナ38は、通常は第1のコンタクトガラス32と第2のコンタクトガラス34との中間位置であるホームポジションに待機するようになっている。
【0019】
原稿給送部14は、原稿載置部40と、原稿排出部42と、給紙ローラ44と、搬送ローラ46を有する原稿搬送部48とを備えている。この原稿給送部14は、図中の奥行側端部を回動支点にして第1のコンタクトガラス32に対して開閉可能に構成されており、第1のコンタクトガラス32上に載置される原稿の押え部を兼ねた構成となっている。
【0020】
ここで、スキャナ38は、第1のコンタクトガラス32上に原稿が載置されて複写開始指示が与えられると、図略の駆動モータが駆動されることによりホームポジションから原稿の先端位置(図中の右端)にまで移動する。そして、図略の光源が点灯された状態で原稿の先端位置から後端位置(図中の左端)に移動することにより原稿面を走査して1ライン毎に画像の読み取りを行う。この読み取られた画像データは、所定のデータ処理が施された後にデジタル信号に変換され、図略の記憶部に記憶される。
【0021】
また、スキャナ38は、原稿載置部40に原稿が載置されて複写開始指示が与えられると、図略の駆動モータが駆動されることによりホームポジションから第2のコンタクトガラス34の位置に移動し、原稿が原稿搬送部42により搬送されて第2のコンタクトガラス34上を通過するとき、第2のコンタクトガラス34の位置に静止した状態で原稿画像を1ライン毎に読み取る。この読み取られた画像データは上記と同様にして図略の記憶部に記憶される。
【0022】
光学ユニット18は、上記記憶部から読み出された画像データに基づく原稿画像を感光体ドラム20に露光するもので、その画像データに基づいて生成された変調信号をレーザ光に変換して出力する発光部、この発光部からのレーザ光を感光体ドラム20に向けて反射する反射ミラー等を備えている。
【0023】
画像形成部22は、記録紙に原稿画像を記録(転写)するもので、感光体ドラム20の周面上部に配設された帯電器、この帯電器の下流側に配設された現像部、この現像部の下流側に配設されたクリーニング部等を有している。感光体ドラム20は、図略の駆動モータの回転駆動により矢印方向に回転され、帯電器と対向する位置で静電領域が形成され、この静電領域に光学ユニット18から出力されるレーザ光により静電潜像が形成され、現像部と対向する位置で静電潜像がトナー像に現像される。感光体ドラム20の対向位置には転写ローラが配設されており、トナー像の形成された感光体ドラム20は、その転写ローラと対向する位置で記録紙にトナー像を転写し、クリーニング部と対向する位置で表面に残留しているトナーが除去されるようになっている。なお、トナー像が転写された記録紙は定着部24で加熱されて定着処理が施される。
【0024】
記録紙搬送部26は、それぞれサイズの異なる記録紙Pが積層されて収納された複数の給紙カセット52と、給紙カセット52内の記録紙Pを外部に引き出す給紙ローラ54と、給紙カセット52から引き出された記録紙Pを感光体ドラム20に導くと共に、感光体ドラム20でトナー像が形成された記録紙Pを定着部24を経由して記録紙排出部30に導く記録紙搬送路56と、記録紙搬送路56の適所に配設されて記録紙Pを下流側に搬送する搬送ローラ58とを備えている。
【0025】
操作部28は、横臥した状態から起立した状態になるように回動可能に取り付けられた液晶ディスプレイなどからなる画像表示部60、複写部数を設定するテンキー62、画像表示部60に表示される文字のサイズを画像表示部60の回動動作(回動角)に関係なく小さなサイズ(標準サイズ)から大きなサイズ(拡大サイズ)に変更するモードに設定するための文字サイズ変更キー64、画像表示部60に表示される文字のサイズを画像表示部60の回動動作(回動角)に関連して変更するモードに設定するための文字サイズ可変モード設定キー66、複写動作の開始を指示するスタートキー68などを備えている。
【0026】
なお、文字サイズ変更キー64は、オンのときに画像表示部60に表示される文字を画像表示部60の回動動作(回動角)に関係なく大きなサイズに設定し、オフのときに画像表示部60の回動動作(回動角)に関係なく小さなサイズに設定するものである。このような文字サイズ変更キー64が設けられていることにより、画像形成装置10を視力の弱いオペレータが使用するときなどに好適なものとなる。
【0027】
また、文字サイズ可変モード設定キー66は、オンのとき(但し、文字サイズ変更キー64がオフのとき)に画像表示部60に表示される文字を、画像表示部60が横臥した状態から起立する方向に回動されて回動角が所定の角度に達したときに大きなサイズに設定し、オフのとき(但し、文字サイズ変更キー64もオフのとき)に画像表示部60の回動角に関係なく小さなサイズに設定するものである。このような文字サイズ可変モード設定キー66が設けられていることにより、画像形成装置10を健常者と車椅子を利用した身障者とが共同で使用するときなどに好適なものとなる。
【0028】
ここで、画像表示部60は、上記したように本体部12の上面において横臥した状態から起立した状態になるように本体部12に対して回動可能に取り付けられたもので、例えば図3に示すように、表示面70の上段の位置に、画像の形成に関連する種々のメッセージを表示するためのメッセージ表示領域MRが設けられ、このメッセージ表示領域MRの下方に画像濃度、複写倍率、記録紙サイズなどの記録条件を設定するための条件設定領域JRが設けられたものである。
【0029】
この画像表示部60のメッセージ表示領域MRには、例えば、「コピーできます」、「用紙を補給してください」、「記録紙が詰まっています」などの種々の画像の形成に関連するメッセージMSが文字で表示される。また、条件設定領域JRには、画像濃度、複写倍率、記録紙サイズなどの記録条件を設定するためのタッチパネル方式の条件設定部JSが表示される。すなわち、この条件設定領域JRには、「画像濃度」、「複写倍率」、「記録紙サイズ」などの条件設定ボタンが表示され、これら表示されたボタンを指先で触れることで下位の階層の設定画面に切換表示されるようになっている。例えば、「記録紙サイズ」ボタンを指先で触れると、選択可能な記録紙のサイズボタンが一覧表示され、そのうちの1つのサイズボタンを指先で触れることで記録紙サイズが設定されるようになっている。
【0030】
図4は、本体部12の上面における画像表示部60の取付構造を説明するための要部斜視図であり、同図(a)は本体部12から取り外した画像表示部60のみを示す図、同図(b)は画像表示部60を取り外した本体部12の要部のみを示す図、同図(c)は本体部12に画像表示部60が取り付けられた状態を示す図である。すなわち、画像表示部60は、下端部の互いに対向する側面に突出する一対の支持軸72が本体部12に形成された窪み部74の互いに対向する壁部76に形成された貫通孔78に挿通され、窪み部74内に収納された横臥した第1の状態と画像形成部10の設置面に対して略直角に起立した第2の状態との間を支持軸72回りに回動可能となるように支持されている。
【0031】
ここで、画像表示部60は、図5に示すように、図示右方の支持軸72に、本体部12内に設置されたギアダンパーやトルクリミッタなどの制動力付与部材80が取り付けられており、画像表示部60の上端部を把持するなどして回転力を付与すると支持軸72回りに回動し、回転力の付与を停止するとその位置で静止した状態となる。なお、支持軸72の周囲における画像表示部60と窪み部74の壁部76との間に板ばねなどの弾性部材を介在させることで制動力付与部材80を構成することもできる。
【0032】
一方、図示左方の支持軸72に、本体部12内に設置された角度検出手段であるロータリーエンコーダ82が取り付けられており、画像表示部60の支持軸72回りの回動角が検出されるようになっている。
【0033】
図6は、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の画像表示部60の回動動作に関連する制御構成を示すブロック図である。この図において、制御部84は、所定の演算処理を実行するCPU86と、所定の処理プログラムやデータなどが記憶されているROM88と、処理データを一時的に記憶するRAM90とを備えている。
【0034】
このCPU86には、文字サイズ変更キー64、文字サイズ可変モード設定キー66及びロータリーエンコーダ82が接続されて所定の信号が入力される一方、画像表示部60が画像駆動回路92を介して接続されることで画像表示部60の表示動作が制御される。また、CPU86には、画像表示部60のメッセージ表示領域MRに表示される文字からなる複数のメッセージが記憶されると共に、条件設定領域JRに表示される条件設定ボタンや下位の階層の設定内容などが記憶された記憶部94が接続される一方、文字サイズ変更判別部96、文字サイズ可変モード設定判別部98、回動角判別部100及び表示制御部102の各機能実現部を備えている。
【0035】
ここで、文字サイズ変更判別部96は、文字サイズ変更キー64がオンになっているか否かを判別するものであり、文字サイズ可変モード設定判別部98は、文字サイズ可変モード設定キー66がオンになっているか否かを判別するものである。
【0036】
また、回動角判別部100は、画像表示部60の回動角が予め設定されている所定の回動角(例えば、画像形成装置10の設置面に対して90°)よりも大きいか小さいかを判別するものである。すなわち、画像表示部60が横臥した状態から起立する方向に回動されるときには、所定の回動角に達したか否かを判別し、画像表示部60が起立した状態から横臥する方向に回動されるときには、所定の回動角に満たない角度になったか否かを判別する。
【0037】
表示制御部102は、記憶部94に記憶されているメッセージや条件設定ボタンなどの画像データを読み出して画像表示部60のメッセージ表示領域MR及び条件設定領域JRに表示するものである。なお、表示制御部102には、画像表示部60に表示する文字サイズを設定変更するための文字サイズ設定変更部としての機能実現部を備えている。
【0038】
この表示制御部102は、文字サイズ変更キー64がオンになっている場合、画像表示部60のメッセージ表示領域MRに表示されるメッセージを小さな文字サイズ(例えば、15ポイント)から大きな文字サイズ(例えば、30ポイント)に変更して表示する。なお、本実施形態では、文字サイズ変更キー64のオン・オフに関係なく、条件設定領域JRに表示される条件設定ボタンなどは常に標準の文字サイズ(例えば、15ポイント)で表示される。
【0039】
また、表示制御部102は、文字サイズ変更キー64がオフになっており、しかも文字サイズ可変モード設定キー66がオンになっている場合、画像表示部60がオペレータにより横臥した状態から起立する方向に回動されて所定の回動角に達したときに、画像表示部60のメッセージ表示領域MRに表示されるメッセージを所定の回動角に達していないときの文字サイズ(例えば、15ポイント)よりも大きな文字サイズ(例えば、30ポイント)に変更して表示する。
【0040】
なお、表示制御部102は、画像表示部60が所定の回動角を超えた場合にもメッセージを大きな文字サイズに保持する一方、画像表示部60が起立した状態から横臥する方向に回動されて所定の回動角に満たない状態になったときには、元の小さな文字サイズに変更して表示する。また、文字サイズ変更キー64は、制御部84と共に文字サイズ変更手段を構成し、文字サイズ可変モード設定キー66は、制御部84と共に文字サイズ可変モード設定手段を構成する。
【0041】
図7は、画像表示部60がオペレータにより横臥した状態から起立する方向に回動される場合の動作を説明するためのフローチャートである。まず、電源が投入されて複写可能な状態になったときに、文字サイズ変更キー64がオンになっているか否かが文字サイズ変更判別部96により判別される(ステップS1)。このステップS1での判別が否定されると、画像表示部60が所定の回動角(例えば、画像形成装置10の設置面に対して90°)に達したか否かが回動角判別部100により判別される(ステップS3)。
【0042】
そして、ステップS3での判別が否定されると、図8(a)に示すように、表示制御部102により、画像表示部60の表示面70におけるメッセージ表示領域MRに所定のメッセージ(例えば、「コピーできます」)が小さな文字サイズで表示され(ステップS5)、ステップS1以降の処理が継続される。
【0043】
一方、ステップS3での判別が肯定されると、文字サイズ可変モード設定キー66がオンになっているか否かが文字サイズ可変モード設定判別部98により判別される(ステップS7)。そして、このステップS7での判別が肯定されると、図8(b)に示すように、表示制御部102により、画像表示部60の表示面70におけるメッセージ表示領域MRに所定のメッセージ(例えば、「コピーできます」)が大きな文字サイズで表示される(ステップS9)。すなわち、画像表示部60が所定の回動角に達することにより、今まで標準サイズの小さな文字で表示されていたメッセージが拡大サイズの大きな文字に変更される。
【0044】
また、ステップS7での判別が否定されると、図8(a)に示すように、表示制御部102により、画像表示部60のメッセージ表示領域MRに所定のメッセージ(例えば、「コピーできます」)が小さな文字サイズで表示される(ステップS11)。すなわち、画像表示部60がオペレータにより回動されても、回動角には関係なく所定のメッセージが常に小さな文字サイズで表示される。
【0045】
なお、ステップS1での判別が肯定されたときは、画像表示部60の回動角に関係なく、画像表示部60のメッセージ表示領域MRに所定のメッセージが大きな文字サイズで表示されることになる。
【0046】
図9は、画像表示部60がオペレータにより起立した状態から横臥する方向に回動される場合の動作を説明するためのフローチャートである。まず、文字サイズ変更キー64がオンになっているか否かが文字サイズ変更判別部96により判別される(ステップS21)。このステップS21での判別が否定されると、画像表示部60が所定の回動角に満たない角度(例えば、画像形成装置10の設置面に対して90°未満)になったか否かが回動角判別部100により判別される(ステップS23)。
【0047】
そして、ステップS23での判別が否定されると、大きな文字サイズに設定されたままとなり、図8(b)に示すように、表示制御部102により、画像表示部60のメッセージ表示領域MRに所定のメッセージ(例えば、「コピーできます」)が大きな文字サイズで表示され(ステップS25)、ステップS21以降の処理が継続される。すなわち、今まで表示されていた文字サイズのままとなる。
【0048】
一方、ステップS23での判別が肯定されると、文字サイズ可変モード設定キー66がオンになっているか否かが文字サイズ可変モード設定判別部98により判別される(ステップS27)。そして、ステップS27での判別が肯定されると、図8(a)に示すように、表示制御部102により、画像表示部60のメッセージ表示領域MRに所定のメッセージ(例えば、「コピーできます」)が小さな文字サイズで表示される(ステップS29)。すなわち、画像表示部60が所定の回動角に満たない角度になることにより、今まで拡大サイズの大きな文字で表示されていたメッセージが標準サイズの小さな文字に変更される。
【0049】
また、ステップS27での判別が否定されると、図8(b)に示すように、画像表示部60のメッセージ表示領域MRに所定のメッセージ(例えば、「コピーできます」)が大きな文字サイズで表示されたままとなる(ステップS31)。すなわち、画像表示部60がオペレータにより回動されても、回動角には関係なく所定のメッセージが常に大きな文字サイズで表示される。
【0050】
なお、ステップS21での判別が肯定されたときは、画像表示部60の回動角に関係なく、メッセージ表示領域MRに所定のメッセージが大きな文字サイズで表示されることになる。
【0051】
本発明の画像形成装置10は、上記実施形態のように、画像の形成に関連する文字が表示される画像表示部60を横臥した状態から起立した方向に回動させて所定の回動角(例えば、画像形成装置10の設置面に対して90°)に達したときに画像表示部60の表示面70に表示されている文字をそれまでのサイズよりも大きなサイズに変更するようにしているので、オペレータの目の位置が低く、しかも画像表示部60との距離が離れている場合でも、画像表示部60の表示面70がオペレータの目と対向する位置に近づくと共に、文字が拡大されることから、画像表示部60の表示面70に表示されている文字を容易に視認することができるようになる。
【0052】
なお、本発明は上記実施形態のものに限定されるものではなく、次に述べるような種々の変形態様を必要に応じて採用することができる。
【0053】
(1)上記実施形態では、画像表示部60の回動角をロータリーエンコーダ82により検出するようにしているが、これに限るものではない。例えば、画像表示部60の回動角が所定の値(例えば、画像形成装置10の設置面に対して90°)を境にしてマイクロスイッチや光スイッチなどのスイッチ手段のオン・オフ動作が切り換わるようにすることで検出するようにすることも可能である。この場合、スイッチ手段がロータリーエンコーダ82と同様の角度検出手段を構成することになる。
【0054】
(2)上記実施形態では、画像表示部60が横臥した状態から起立する方向に回動され、その回動角が画像形成装置10の設置面に対して例えば90°に達したときに、画像形成装置10のメッセージ表示領域MRに表示されている文字が小さなサイズから大きなサイズに変更されるようにしているが、これに限るものではない。例えば、画像表示部60の回動角が画像形成装置10の設置面に対して45°に達したときや、60°に達したときなどにメッセージ表示領域MRに表示されている文字を小さなサイズから大きなサイズに変更するようにすることもできる。要は、画像形成装置10における画像表示部60の高さ方向の位置とオペレータの目の位置とを勘案し、少なくとも画像表示部60がオペレータの見やすい位置になる角度に達したときに文字のサイズを変更するようにすればよい。
【0055】
(3)上記実施形態では、画像表示部60の表示面70に表示されるメッセージの文字サイズを変更するようにしているが、これに限るものではない。例えば、条件設定領域JRに表示される条件設定部JSの文字サイズも同時に変更するようにすることも可能である。また、画像表示部60の表示面70に表示される文字は、上記実施形態のメッセージや条件設定部を表わすものに限るものではなく、画像表示部60の設置目的に沿ったものであれば如何なる内容のものであってもよい。さらに、文字はひらがな、漢字、アルファベットなどに限るものではなく、絵文字であってもよい。
【0056】
(4)上記実施形態では、操作部60に文字サイズ変更キー64と文字サイズ可変設定キー66とが配設されているが、これに限るものではない。例えば、画像表示部60の回動角に関係なく大きな文字サイズで表示するモードを必要としない場合には、文字サイズ変更キー64を設ける必要はない。また、文字サイズ変更キー64及び文字サイズ可変設定キー66を設けないようにすることもできる。この場合では、画像表示部60の回動角に応じて文字サイズが変更されるモードに常に設定されるようにしておけばよい。
【0057】
(5)上記実施形態では、画像形成装置10は複写機を構成するものであるが、これに限るものではない。例えば、プリンターやファクシミリ装置であってもよく、それらの機能を併せ持つ複合機であってもよい。また、複写機の場合では、モノクロ複写機であってもカラー複写機であってもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置は、上面において横臥した状態から起立した状態になるように回動可能に取り付けられ、表示面に前記画像の形成に関連するメッセージを表示するメッセージ表示領域及び前記画像形成部の動作条件を設定するための条件設定部を表示する条件設定領域が形成された画像表示部と、画像表示部の回動角を検出する角度検出手段と、メッセージ表示領域にメッセージを表示すると共に、条件設定領域に条件設定部を表示し、前記画像表示部が起立する方向に回動されて所定の回動角に達したときに条件設定領域に表示される条件設定部の文字はそのままのサイズとし、メッセージ表示領域に表示されるメッセージの文字のみを所定の回動角に達するまでのサイズよりも大きなポイント数のサイズに変更する表示制御手段とを備えているので、オペレータの目の位置が低く、しかも画像表示部との距離が離れている場合でもオペレータはメッセージ表示領域に表示されるメッセージの文字を容易に視認することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。
【図2】画像形成装置の内部構成図である。
【図3】画像表示部の表示面を示す図である。
【図4】画像表示部の取付構造を説明するための図であり、(a)は画像表示部のみを示す図、(b)は画像表示部が取り付けられる本体部の要部のみを示す図、(c)は本体部に画像表示部を取り付けた状態を示す図である。
【図5】制動力付与部材とロータリーエンコーダとを取り付けた状態の画像表示部を示す図である。
【図6】画像表示部の回動動作に関連する制御構成を示すブロック図である。
【図7】画像表示部の回動動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】画像表示部の表示面を示す図であり、(a)はメッセージを小さな文字サイズで表示した場合の図、(b)メッセージを大きな文字サイズで表示した場合の図である。
【図9】画像表示部の回動動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 画像形成装置
22 画像形成部
28 操作部
60 画像表示部
62 テンキー
64 文字サイズ変更キー
66 文字サイズ可変モード設定キー
68 スタートキー
70 表示面
82 ロータリーエンコーダ(角度検出手段)
96 文字サイズ変更判別部
98 文字サイズ可変モード設定判別部
100 回動角判別部
102 表示制御部
MR メッセージ表示領域
JR 条件設定領域

Claims (2)

  1. 記録紙に画像を形成する画像形成部を備えた画像形成装置であって、上面において横臥した状態から起立した状態になるように回動可能に取り付けられ、表示面に前記画像の形成に関連するメッセージを表示するメッセージ表示領域及び前記画像形成部の動作条件を設定するための条件設定部を表示する条件設定領域が形成された画像表示部と、この画像表示部の回動角を検出する角度検出手段と、前記メッセージ表示領域にメッセージを表示すると共に、前記条件設定領域に条件設定部を表示し、前記画像表示部が起立する方向に回動されて所定の回動角に達したときに前記条件設定領域に表示される条件設定部の文字はそのままのサイズとし、前記メッセージ表示領域に表示されるメッセージの文字のみを前記所定の回動角に達するまでのサイズよりも大きなポイント数のサイズに変更する表示制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記表示制御手段は、前記画像表示部の回動角が大きくなるのに対応して前記メッセージ表示領域に表示されているメッセージの文字を順次大きなサイズに変更するものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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