JP4360523B2 - 光偏向装置、光偏向アレーおよび画像投影表示装置 - Google Patents
光偏向装置、光偏向アレーおよび画像投影表示装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入射光に対する出射光の方向を変える光偏向装置に関し、投影型の画像表示装置、例えば投影プロジェクターなどの映像装置に好適な技術である。
【0002】
【従来の技術】
静電力を利用した光スイッチデバイスとしては、片持ち梁を静電力で撓ませて光の反射方向を変えてスイッチするデバイス及びそれを用いた光偏向システムが、K.E.Petersenにより1977年に発表されている(非特許文献1、特許文献1、2を参照)。またD.M.Bloomらが、回折格子を静電力で駆動して光スイッチする素子を発表している(非特許文献2を参照)。
【0003】
さらに、光偏向システムを用いた画像装置としては、チボーらが、デジタルマイクロミラーデバイス(一般的にDMDという)を一次元又は二次元に配置したものを提案している(特許文献3を参照)。さらに、上記デジタルマイクロミラーデバイスの素子構造として、L.J.Hornbeckが、ねじり梁型やカンチレバー梁型のデジタルマイクロミラーデバイスを発表している(非特許文献3を参照)。L.J.Hornbeckが発表したねじり梁型やカンチレバー型のデジタルマイクロミラーデバイスは、本発明と同様、ミラー部は傾斜されて用いられるが、本発明の光偏向装置と異なり、ミラー部は少なくとも一箇所以上の固定端を有している構造となっている。
【0004】
また、ゲルバートにより、両端固定型の梁を円筒状に撓み変形させて、高速に光偏向を行う素子が提案されている(特許文献4を参照)。
【0005】
さらに、本発明に比較的類似の従来技術として、2軸可動ミラー及びそれを用いた表示装置が提案されている(特許文献5を参照)。上記従来技術は、磁性金属で構成されたスリ鉢状のミラー板を、永久磁石が配置されたミラー台に針状のピボットで磁力により固定し、ミラー台に形成した複数の電極に異なる電圧を印加して、ミラー板に静電気による電位差を発生させ、ミラー板を電極方向に近づくようにピボットの針状先端を中心にして回転させる2軸可動ミラーである。なお、上記従来技術は、本発明の光スイッチデバイスとは異なり、単一ミラーによる2軸光走査用ミラーとして開示されている。また、上記従来技術と本発明はミラー板(本発明の板状部材)が固定端を有していない点で類似しているが、上記従来技術は実質的に磁力によりミラー板がピボット部でミラー台に固定させている構造となっているので、本発明のような完全なフリーのミラー板ではない。さらに、本発明と異なる点として、上記従来技術はミラー板が磁性金属により構成され、かつミラー台下部に永久磁石を設置し、かつミラー台を囲むように磁気ヨークを配置していることにある。それにより、本発明とは異なりデバイスの微細化が困難で、複数個配置して個別に動作を行うアレー化が出来ない欠点がある。又、磁性材料で構成されているため、装置の設置環境の磁力の影響を受けやすい。それに対し、本発明においては、磁性材料を積極的に用いていないので、装置の設置環境の磁力の影響を受けにくい。
【0006】
光スイッチデバイスの応用として現在製品化されている従来技術としては、L.J.Hornbeckらが紹介している、ねじり梁型の光スイッチデバイスを複数2次元に配置し、各画素の画像情報に対応した光信号を必要に応じて投影レンズに導き画像を表示させている投影型の画像表示装置がある(非特許文献4を参照)。非特許文献4では、1個の光源を用い、該光源より発せられた光源光は回転するカラーホィールを通過してR、G、Bの3色光に順次変換され、その後1個のチップ(アレー化した光スイッチデバイス)に入射し必要に応じて反射されることにより、R、G、B各色の画像情報に対応した光信号が順次投影レンズに導かれ画像を表示させている。上記システムを用いることにより1個の光源、1個のチップで画像を表示できるので、投影型の画像表示装置を比較的安価にできる。また、上記光スイッチデバイスを用いた投影型の画像表示装置の投影に至るまでの別システムが紹介されている(非特許文献5を参照)。非特許文献5では、1個の光源を用い、該光源より発せられた光源光をTIR(Total Internal Reflection)PRISMを通過させ、その後、色分離及び色合成の役割を果たすCOLOR PRISMを通過させて色分離させ、3個のチップに各色光を入射させる。そして必要に応じて目的方向に反射させ、再度上記COLOR PRISMを通過させて色合成させ、投影レンズに導き画像を表示させている。上記システムを用いることにより、安価では無いが、R、G、B各色を同時に表示できるので、1フレームにおける各色の表示時間を最大とすることができ、高輝度な投影型の画像表示装置を提供することができる。なお、上記L.J.Hornbeckらの投影型の画像表示装置のシステムをまとめて紹介している和文の文献もある(非特許文献6を参照)。
【0007】
また、D.M.Bloomらが発表した、回折格子を静電力で駆動する光スイッチを用いた投影型の画像表示装置の従来技術として、レーザー光源と、該光スイッチを一次元に配列した空間変調器とを有し、色合成した縦又は横一列分の画像成分を含む光束をスキャンミラーによる走査によってスクリーン上に画像として投影する投影型の画像表示装置がある(特許文献6を参照)。該投影型の画像表示装置は光スイッチの機能上レーザー光源を用いる必要があり、高価となる欠点がある。
【0008】
【非特許文献1】
Applied Physics Letters,Vol.31,No.8,pp521〜pp523
【非特許文献2】
Optics Letters,Vol.7,No.9,pp688〜pp690
【非特許文献3】
Proc. SPIE Vol.1150,pp.86−102(1989)
【非特許文献4】
A MEMS−Based Projection Display」PROCEEDINGS OF THE IEEE. VOL.86,NO.8,AUGUST 1998 ,page 1687−1704
【非特許文献5】
Using ZEMAX Image Analysis and user−defined surfaces for projection lens design and evaluation for Digital Light ProcessingTM projection systems」 Optical Engineering,Vol.39 No.7,July 2000,page1802−1807
【非特許文献6】
デジタル・マイクロミラー・デバイス」応用物理 第68巻 第3号(1999)285−289頁
【特許文献1】
特許第2941952号公報
【特許文献2】
特許第3016871号公報
【特許文献3】
特開平6−138403号公報
【特許文献4】
特開2000−2842号公報
【特許文献5】
特開平8−220455号公報
【特許文献6】
特開2002−131838号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記した片持ち梁を利用した光スイッチやカンチレバー梁型のデジタルマイクロミラーデバイスは、梁の安定性の確保が難しく、かつ応答速度も速くできない欠点があり、また、ねじり梁型のデジタルマイクロミラーデバイスは、ヒンジ部(ねじり梁)の機械的強度が長期使用時に劣化する欠点がある。また、特許文献1、2に示される光スイッチ素子は、入射光の波長が制限されるという欠点があり、特許文献4に開示されている素子、すなわち平行な空隙を電極間に有しその静電引力により両端固定梁を円筒状に撓ませる素子は、高速に変形することが可能で応答速度を速くできる利点があるが、両端が固定されているため、駆動電圧が片持ち梁型やカンチレバー梁型やねじり梁型のデバイスに比べ、低くできない欠点がある。さらに、特許文献5に開示されている技術は、デバイスの微細化が困難で、複数個配置して個別に動作を行うアレー化ができず、また磁性材料で構成されているため、装置の設置環境の磁力の影響を受けやすい。
【0010】
本発明は上記した問題点に鑑みてなされたもので、
本発明の目的は、ミラーの偏向角の制御が容易かつ安定で、応答速度が速く、長期的な劣化が少なく、より低電圧で駆動でき、反射光のON/OFF比(画像機器におけるS/N比、映像機器におけるコントラスト比)を向上でき、低コストで微細化と集積化が可能で、1軸方向の2次元光偏向を可能とする光偏向装置、光偏向アレーおよびそれらを用いた画像投影表示装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1では、光反射領域を有する部材が静電引力で変位することにより、前記光反射領域に入射する入射光が反射方向を変えて偏向される光偏向装置であって、基板と、複数の規制部材と、支点部材と、板状部材と、複数の電極を有し、前記複数の規制部材はそれぞれ上部にストッパを有し、前記基板の複数の端部にそれぞれ設けられ、前記支点部材は前記板状部材の傾斜変位方向と垂直方向に尾根形状を有し、前記板状部材とほぼ線で接して前記基板の上面に設けられ、前記板状部材は固定端を持たず、上面に前記光反射領域を有し、少なくとも一部に導電性を有する部材からなる導電体層を有し、前記基板と前記支点部材と前記ストッパの間の空間内で可動的に配置され且つ電気的に浮いており、前記複数の電極は前記板状部材の導電体層とほぼ対向するように前記基板上にそれぞれ設けられ、前記支点部材を中心軸として両側にそれぞれ中心軸に平行に、複数個配置されていることを特徴としている。
請求項2では、前記複数の電極の少なくとも一部の電極に異なる電位を与えることにより、前記板状部材が静電引力により前記支点部材の支点を中心に傾斜し、前記入射する入射光が反射方向を変えることを特徴としている。
請求項3では、請求項1または2に記載の光偏向装置を、入射光の方向と垂直方向に、複数個整列して配置し、任意の光偏向装置を同時に駆動することを特徴としている。
請求項4では、画像情報に応じた光信号を投影して表示する画像投影表示装置であって、光源からの光信号を画像情報に応じて目的の方向へ反射させる手段として請求項3に記載の光偏向アレーを用い、かつ該光偏向アレーを構成する光偏向装置群は、表示画面の垂直方向の画素列または水平方向の画素列のいずれかに対応して配置され、かつ前記光偏向装置群を画像情報に応じて同時に駆動することにより、対応する画素列を同時に表示させ、かつ光偏向アレーからの目的方向への反射光をガルバノミラーまたはポリゴンミラーにより走査することによりもう一方の画素列を順次表示させることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を用いて具体的に説明する。
【0013】
図1は、本発明の光偏向装置を示す。図1(a)は、光偏向装置の断面図(A−A’線上)であり、図1(b)は、その上面図である。まず、本発明の板状部材の変位面方向を説明する。図1において、101は基板、103は支点部材、104は板状部材である。本発明の光偏向装置は、支点部材103を支点軸yとして傾斜変位する。このとき、板状部材104の任意の点xがx’に変位すると仮定すると、xとy軸が形成する垂線x−y線と、x’とy軸が形成する垂線x’−y線が構成する平面x−x’−y面が、板状部材の変位面方向となる。
【0014】
図2は、本発明の光偏向面方向を説明する図であり、図1の光偏向装置の断面図(A−A’線上)である。図2により、本発明の光偏向面方向を説明する。図2において、本発明の光偏向装置は支点部材103を支点軸として傾斜変位する。その時、板状部材104の任意の点hに入射する光i(変位後はi’)は反射方向をh−jからh−j’へ変える。該入射光i(i’)と反射光h−j、h−j’が構成する平面が、光偏向面方向である。上記定義を基に、以下に本発明の構成を説明する。
【0015】
図3は、本発明の実施例1に係る光偏向装置の構成を示す。図4は、本発明の実施例2に係る光偏向装置の構成を示す。図3(a)、図4(a)は、本発明の光偏向装置の断面図(A−A’線上)であり、図3(b)、図4(b)は、その上面図である。
【0016】
図3、図4において、101は任意の基板であり、微細化を考慮してシリコンやガラス等、一般に半導体プロセスや液晶プロセスで用いられているものが望ましい。本発明では、駆動系回路と同一基板に形成する場合を考慮して、(100)面方位を有するシリコン基板が望ましい。102は本発明の特徴の一つである上部にストッパを有する規制部材であり、104の板状部材の可動範囲を任意の空間に制限するように、笠状形状で複数配置されている。上部にストッパを有する規制部材102は、アレー化したときの反射領域の面積割合を最大にするために、極力薄膜及び省スペースで構成でき、かつ機械的強度が強いことが望ましい。さらに、光偏向装置に求められる性能に応じて、透光性のあるシリコン酸化膜や遮光性を達成できる酸化クロム膜が選択される。103は、板状部材104が変位するときの支点となる支点部材であり、板状部材104の傾斜変位方向と垂直方向に尾根形状を有し、板状部材104とほぼ線で接している。支点部材を該構造とすることにより、支点部材の基板101側の機械的強度を強めることができ、かつ板状部材104は支点部材103の斜面に接触することなく、その変位は板状部材104の端部における基板上面との接触部で規定されるので、接触面積を極力低減して板状部材104の基板101への固着や接触帯電を抑制できる。また、該支点部材103が板状部材104と接触する領域において線状の支点となることから、1軸2次元の光偏向が可能となる。支点部材103の材質としては、機械的強度などを考慮して、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜が望ましい。但し、支点部材103を通して該板状部材104の電位を取る場合も本発明の応用として考えられ、その場合は各種金属膜等の導電性材料でもよい。板状部材104は、少なくとも光反射領域において平板であることが望ましく、材質としては、反射性能が良好な金属例えばアルミニウム及びその合金、すなわちアルミニウムにチタンやニッケルやシリコンや銅が添加された合金が挙げられる。又、軽量かつ硬い金属例えばチタン及びその合金、すなわちチタンにアルミニウムやニッケルやシリコンや銅が添加された合金が挙げられる。又、微細加工性が良好で硬い金属例えばクロム及びその合金、すなわちクロムにニッケルや鉄やシリコンやアルミニウムやコバルトが添加された合金が挙げられる。又は、上記金属膜の積層でも良い。上記金属は、高い導電性を有しており板状部材104の変位を低い電圧で達成することを可能としている。又、板状部材104は単層に限らず、例えば絶縁性をする膜との積層であってもよい。絶縁性を有する膜としては、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜が挙げられる。絶縁性を有する膜との積層とすることにより、電極との絶縁耐圧を向上し、信頼性を高めることができる。401a〜401d、501a〜501fは、本発明の特徴である基板101上に形成された複数の電極であり、図3に示す実施例1では、支点部材103を中心として両側にそれぞれ2個(一方に401a、401b、他方に401c、401d)が配置されている。図4に示す実施例2では、支点部材103を中心として両側にそれぞれ3個(一方に501a、501b、501c、他方に501d、501e、501f)が配置されている。電極401、501は、窒化チタン膜やクロム膜やアルミニウム膜等の金属膜又はそれらの金属の合金膜により構成される。又、シリコン基板に硼素や砒素やリンを注入し低抵抗化した電極であっても良い。実施例1、実施例2では図示していないが、導電性部材のみで板状部材が構成される場合には、電極上に絶縁性を有する膜を堆積し、板状部材との電気的短絡を防止する構成としても良い。
【0017】
本発明では、複数の電極に印加される電圧により発生する電気力線の作用方向が板状部材の変位面方向とほぼ同等となるように複数の電極が配置されている。すなわち、実施例1、実施例2の電極の配置により、電極401a〜401d間に作用する電気力線、または電極501a〜501f間に作用する電気力線が前記板状部材の変位面方向とほぼ同等となっている。
【0018】
図5は、実施例1における電気力線(矢印線)の分布を示す。この分布は、電極401a〜401dに任意の電位、それぞれ401a=5V、401b=5V、401c=0V、401d=10Vを与えた場合で示す。図5において、電気的に浮いている板状部材104は、後述する簡易的な電気回路モデルにより、約4.8Vの電位となる。これにより、主に電極401c、401dと板状部材104との間に強い電気力線が形成され、その分布は板状部材104の変位面方向とほぼ同等となっている。上記電気力線の分布が板状部材104の変位面方向とほぼ同等となることにより、板状部材104の支点軸を中心とした傾斜変位のばらつき、特に軸方向へのずれを抑制することができる。
【0019】
本発明では、複数の電極が板状部材の変位面方向に対して一列に配置されている。これにより、図5に示すように、発生する電気力線の作用方向を板状部材104の変位面方向とほぼ同等とすることができる。
【0020】
図6は、本出願人が既に提案した電極の配置例を示す。図6(a)は、従来の光偏向装置の断面図(B−B’線上)であり、図6(b)は、その上面図である。図6は、電極401a〜401dに任意の電位、それぞれ401a=5V、401b=5V、401c=0V、401d=10Vを与えた場合であり、電気的に浮いている板状部材104は、後述する簡易的な電気回路モデルにより、約5.0Vの電位となる。これにより、主に電極401c、401dと板状部材との間に強い電気力線が形成され、その分布は板状部材の変位面方向のみならず、隣接する電極401c−401d方向、すなわち支点軸方向へも形成される。そのため、板状部材の傾斜変位が、わずかであるが軸方向へずれるばらつきがある。
【0021】
本発明では、電極が支点部材を中心として両側にそれぞれ少なくとも2個以上配置されている。図4に示す実施例2のように、電極を両側に3個ずつ増やすことにより、板状部材の変位の制御の自由度を増すことができる。
【0022】
本発明では、複数の電極がそれぞれ、板状部材の変位面方向に中線を有し、該中線を中心としてほぼ対称な形状を有する。これを、図3(b)の実施例1を基に説明する。図3(b)の光偏向装置の上面図において、板状部材の変位方向と等しいA−A’線を中線として、A−A’線上部の電極形状とA−A’線下部の電極形状がほぼ対称な形状を有している。これにより、該中線を中心として上部と下部の電気力線の分布が等しくなり、板状部材の変位を上部と下部で均等とすることができる。これにより、板状部材の傾斜変位のばらつきを抑制できる。
【0023】
本発明では、光偏向面方向と板状部材の変位面方向が同方向であり、かつ光偏向が支点部材を中心とした1軸2次元光偏向である。実施例1において、図7のように支点部材の尾根方向(支点軸)と垂直方向すなわち板状部材の変位面方向から入射光を入射させると、光偏向面方向は板状部材の変位面方向と同方向となる。この時の光偏向角は、板状部材の傾斜角θの2倍の2θが得られ、1軸2次元光偏向が達成できる。光偏向角が2θとなり、OFF方向とON方向の向きを大きく変えることができるので、ON/OFF比(例えば画像投影表示装置のコントラスト)が向上する。
【0024】
本発明の特徴である、電気的に浮いている板状部材の電位がどのように決定されるかを、板状部材の傾斜変位動作と関連付けて、実施例1を基に簡易的な電気回路モデルで説明する。
【0025】
図8(a)は、実施例1の光偏向装置が一方の方向に傾斜している場合の断面図(A−A’線上)である。図8(b)は、その場合の電位状態を表す簡易的な電気回路である。図8(b)において、板状部材104が傾斜していることにより、電極401aと板状部材104間の容量をCとすると、電極401b、401c、401dが板状部材と構成する容量は、およそC/3、C/5、C/7となる。異なる容量を構成する電極401a、401b、401c、401dにそれぞれ電位5V、5V、0V、10Vを印加すると、上記電気回路より電気的に浮いている板状部材の電位は約4.8Vとなる。このような電位により、電極401c−板状部材104間と電極401d−板状部材104間に強い静電引力が作用する。上記静電引力により、板状部材は支点部材を中心としてもう一方の方向へ傾斜し、光偏向動作を行う。
【0026】
本発明では、電極が支点部材を中心として両側にそれぞれ少なくとも2個以上配置されているが、電極がそれぞれ2個以上であることの必要性を、以下に簡易的な電気回路モデルで説明する。図9(a)は、電極が支点部材を中心に両側に1個ずつ配置されている光偏向装置が一方の方向に傾斜している場合の断面図(A−A’線上)であり、図9(b)はその上面図である。図9(c)は、その場合の電位状態を表す簡易的な電気回路である。図9(c)において、板状部材104が傾斜していることにより、電極401aと板状部材104間の容量をCとすると、電極401bが板状部材と構成する容量はおよそC/3となる。異なる容量を構成する電極401a、401bにそれぞれ電位0V、10Vを印加すると、上記電気回路より電気的に浮いている板状部材の電位は約2.5Vとなる。該電位の構成となることにより、電極401a−板状部材104間の電位差は約2.5Vとなり、電極401b−板状部材104間の電位差は約7.5Vとなる。静電引力は一般的に電位差の2乗に比例し、かつ電極間距離の2乗に反比例するので、上記した電位では、板状部材に作用する静電引力が、電極401a−板状部材104間と電極401b−板状部材104間でほぼ同等となり、板状部材がもう一方の方向へ傾斜しない。このため光偏向動作ができなくなる。このような理由により、電極は支点部材を中心として両側にそれぞれ少なくとも2個以上配置されていることが必要である。
【0027】
図10は、本発明の実施例3に係る光偏向装置を示す。図10(a)は、本発明の光偏向装置の断面図(A−A’線上)であり、図10(b)は、その上面図である。
【0028】
図10において、101〜104、401a〜401dは、実施例1と同様である。実施例3では、規制部材102は、板状部材の角部ではなく辺の中央に配置されている。なお、規制部材102の配置は実施例1や実施例2と同様でもよいし、実施例1、実施例2が実施例3と同様な配置でも良い。
【0029】
本発明では、板状部材の光反射領域を有する一面が長方形であり、板状部材の光反射領域を有する一面の長辺方向が板状部材の変位面方向と同一であり、短辺方向が板状部材の変位面方向と垂直である。図10の実施例3において、板状部材はそれ自体が反射性を有する金属膜で構成されており、板状部材は上面すなわち光が入反射する面において長方形を有しており、さらに板状部材の変位面方向と長方形の長辺方向が同一であり、短辺方向が垂直である。これにより、板状部材の光反射領域を有する一面が長方形であることから、光偏向面面積を増加させることができ、高い反射光量を有する光偏向装置を提供できる。また、短辺方向に光偏向装置を複数整列させることにより、高い反射光量を有し、かつ高密度・高集積化した光偏向アレーが小型化できる。
【0030】
本発明では、複数の電極の少なくとも一部の電極に異なる電位を与えることにより、板状部材が静電引力により変位し、入射する光束が反射方向を変える。図5、図8を用いて説明したように、電気的に浮いている板状部材が任意の電位を示すことにより、光偏向動作が可能となる。
【0031】
図11は、実施例1の光偏向動作を説明する図である。図11(a)は、実施例1の光偏向装置の上面図である。4個設置された電極401a〜401d、支点部材103は、下層にあるので点線で示す。また、規制部材102は、A−A’断面から離れた位置にあるので点線で示す。
【0032】
図11(b)は、初期状態の光偏向装置の断面図(A−A’線上)である。図11(c)は、リセット動作時の光偏向装置の断面図(A−A’線上)である。図11(d)は、リセット方向と反対の目的方向へ光偏向した場合(ON動作)の光偏向装置の断面図(A−A’線上)である。図11(e)は、リセット動作と同方向へ光偏向した場合(OFF動作)の光偏向装置の断面図(A−A’線上)である。
【0033】
図11(b)において、初期の光偏向装置は固定端を有していないので、その位置は該空間に制限されて自由である。そのため、図11(b)では、電極より最も遠ざかる配置にある。初期状態から、板状部材104を支点部材103に設置するために、図11(c)におけるリセット動作を行う。リセット動作では、電極401a〜401dの電位をそれぞれ401a=X(V),401b=0(V),401c=X/2(V),401d=X/2(V)とすることにより、図11(c)に白抜き線で示すような静電引力分布(白抜き線の大きさにより静電引力の大小を示す)が得られ、A方向に板状部材104が傾斜し、板状部材104の少なくとも一部(実施例1においては、板状部材104の端部)が基板101と接触して方向を規定して、リセット方向に反射光が得られる。なお、ここで印加されるX(V)は、板状部材と電極との距離及び静電容量などにより決定され、通常の板状部材の変位(支点部材を中心とした傾斜)を起こす電圧Y(V)よりやや大きい電圧となる。
【0034】
次に、図11(d)において、電極401a〜401dの電位をそれぞれ401a=Y/2(V),401b=Y/2(V),401c=Y(V),401d=0(V)とすることにより、リセット方向と反対方向に高速に板状部材104が傾斜変位し、板状部材104の少なくとも一部(実施例1においては、板状部材104の端部)が基板101と接触して方向を規定して、目的方向への光偏向1(ON動作)を行う。すなわち支点を中心として対向する電極へ任意の電位を印加することにより、板状部材104の変位方向を高速で変えることが出来る。
【0035】
次に、図11(e)において、電極401a〜401dの電位をそれぞれ401a=Y(V),401b=0(V),401c=Y/2(V),401d=Y/2(V)とすることにより、リセット動作と同方向へ、高速に板状部材104が傾斜変位し、板状部材104の少なくとも一部(実施例1においては、板状部材104の端部)が基板101と接触して方向を規定して、光偏向2(OFF動作)を行う。
【0036】
このように、2個以上の電極401間に異なる電位を与えることにより、板状部材104が静電引力により変位し(すなわち支点を中心に傾斜し)、入射する光束が反射方向を変えることが出来る。
【0037】
図12は、本発明の実施例4に係る光偏向アレーの構成を示す。本発明の光偏向アレーは、光偏向装置を光偏向面方向とは垂直方向に、複数個整列して配置し、任意の光偏向装置を同時に駆動する。
【0038】
図12(a)は、図10に示す実施例3の光偏向装置を光偏向面方向に対して垂直方向に複数個整列して配置した光偏向アレーの上面図であり、図12(b)は、図10に示す実施例3の光偏向装置(規制部材の位置を変えた光偏向装置)を光偏向面方向と垂直方向に複数個整列して配置した光偏向アレーの上面図であり、図12(c)は、図3に示す実施例1の光偏向装置を光偏向面方向と垂直方向に複数個整列して配置した光偏向アレーの上面図である。複数の電極は板状部材の下側にあるので、図示していない。
【0039】
上記した配列のアレーとすることにより、光偏向面方向に多数の隣接光偏向装置を有しないので、駆動するそれぞれの光偏向装置の過渡的な迷光(すなわち隣接する光偏向装置の板状部材が変位して反射光がその方向を変える過渡状態における迷光)を低減できる。
【0040】
図13は、本発明の実施例5に係る画像投影表示装置の構成を示す。画像投影表示装置1300は、光源からの光信号を画像情報に応じて目的の方向へ反射させる手段として光偏向アレーを用い、かつ光偏向アレーを構成する光偏向装置群は、表示画面の垂直方向の画素列又は水平方向の画素列のいずれかに対応して配置されており、かつ光偏向装置群を画像情報に応じて同時に駆動することにより、対応する画素列を同時に表示させ、かつ光偏向アレーからの目的方向への反射光をガルバノミラー又はポリゴンミラーにより走査することによりもう一方の画素列を順次表示させる。
【0041】
図13において、1301は白色光源などのレーザー光源に比べ安価な光源手段(光源)である。1302は光源からの光束を本発明の光偏向アレーに導く照明光学系である。1303は本発明の光偏向アレーである。1304、1305、1306は、表示画面の垂直方向の画素列又は水平方向の画素列のいずれかに対応して配置された光偏向アレーにより目的方向に偏向された光束を、アレー方向と直交する方向に走査する走査光学系である。図13では、ポリゴンミラー1306を用いているが、ガルバノミラーでも良い。1307は光偏向アレー1303とポリゴンミラー1306の動作を制御する制御システムであり、電子回路により構成される。図中に点線で光束の1部を示したが、光源1301から発せられた光は照明光学系1302により光偏向アレー1303上に導かれ、1303で偏向された光束は走査光学系1304、1305、1306により、2次元画像として投影される。なお、図13において、1308は、回転カラーホィールであり、光偏向アレーに導かれる入射光束の波長を選択するために用いられる。
【0042】
図14は、本発明の実施例6に係る光偏向アレーの構成を示す。本発明の光偏向アレーは、光偏向装置を、光偏向面方向及びその垂直方向に、複数個整列して配置し、任意の光偏向装置を同時に駆動する。
【0043】
図14は、図3に示す実施例1の光偏向装置を光偏向面方向及び垂直方向に複数個整列して配置した光偏向アレーの上面図である。複数の電極は板状部材の下側にあるので、図示していない。
上記した配列のアレーとすることにより、必要とされる面(例えば画像投影表示装置における表示面)単位の光偏向動作を同時に行うことが出来るので、面単位に必要な光偏向動作に要する時間を短かくでき、それにより時間積算(例えば画像投影表示装置における1フレーム時間)の目的方向への反射光量を増加させることができる。
【0044】
図15は、本発明の実施例7に係る画像投影表示装置の構成を示す。図15において、画像投影データの表示(すなわち画素の明暗)を、光偏向アレーからなる光スイッチ手段とすることから、画素の明暗制御(すなわち光スイッチのON/OFF制御)が良好でかつ迷光(反射方向が乱れた時に発生する隣接素子からの反射光)を抑制でき、かつ高速な動作が可能で、かつ長期的な信頼性が高く、かつ低電圧で駆動でき、かつコントラスト比を向上できる。
【0045】
図15において、1501は白色光源などのレーザー光源に比べ安価な光源手段(光源)である。1502は光源からの光束を本発明の光偏向アレーに導く照明光学系である。1503は本発明の光偏向アレーである。1504、1505は、表示画面の垂直方向の画素列及び水平方向の画素列に対応して2次元に配置された光偏向アレーにより目的方向に偏向された光束を、拡大投影する投影光学系である。1507は光偏向アレー1503の動作を制御する制御システムであり、電子回路により構成される。図中に点線で光束の1部を示したが、光源1501から発せられた光は照明光学系1502により光偏向アレー1503上に導かれ、1503で偏向された光束は投影光学系1504、1505により、2次元画像として投影される。なお、図15において、1508は、回転カラーホィールであり、光偏向アレーに導かれる入射光束の波長を選択するために用いられる。
【0046】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。
(1)ミラーである板状部材が斜面や基板に接触して傾斜角が決まるので、ミラーの偏向角の制御が容易かつ安定である。
(2)支点部材を中心として対向する電極に異なる電位を印加することにより高速に板状部材を反転できるので、応答速度が速くできる。
(3)板状部材が固定端を有していないので、ねじり変形などの変形を伴わず長期的な劣化が少なく低電圧で駆動できる。
(4)半導体製造技術により微細で軽量な板状部材を形成できるので、上部にストッパを有する規制部材との衝突による衝撃が少なく、長期的な劣化が少ない。
(5)上部にストッパを有する規制部材や板状部材や導電性領域の構成を任意に決めることにより、反射光のON/OFF比(画像機器におけるS/N比、映像機器におけるコントラスト比)を向上できる。
(6)半導体製造技術及び装置を使用できるので低コストで微細化と集積化が可能である。
(7)支点部材を中心として複数の電極を配置することにより、1軸の光偏向が可能である。
(8)支点部材に構成された支点軸方向への電気力線分布がほぼ無いので、板状部材の変位のばらつきが低減され、ミラーの偏向角の制御がより安定になり、隣接の光偏向装置からの迷光が低減され、反射光のON/OFF比(画像機器におけるS/N比、映像機器におけるコントラスト比)をさらに向上できる。
(9)請求項1記載の発明によれば、ミラーである板状部材が固定端を有しておらず、かつ該板状部材が上部にストッパを有する規制部材により機械的に可動範囲を制限された空間に配置されており、かつ該板状部材に対する支点部材を有する構造であるので、支点部材を中心とした該板状部材の変位(すなわち支点を中心に傾斜)を基板に接触するまで実施することにより、ミラーの偏向角の制御が容易かつ安定となる。又、該板状部材が固定端を有していないので、ねじり又は変形が生じるヒンジ又は固定梁部が存在せず、長期的な使用における脆性劣化などの長期的な劣化が少なく、かつ変形に必要な力が不要なので低電圧で駆動できる。又、上部にストッパを有する規制部材により該板状部材を任意の空間にほぼ位置付けできるので、リセット動作時のリセット電圧を極力低くすることが出来る。又、前記複数の電極は前記基板上にそれぞれ設けられ、前記板状部材の導電体層とほぼ対向しており、前記複数の電極に印加される電圧により発生する電気力線の作用方向が前記板状部材の変位面方向とほぼ同等となるように前記複数の電極が配置されているので、板状部材及び電極間に作用する静電引力が該板状部材の変位面方向に主に作用させることができ、光偏向軸の乱れすなわち光偏向のばらつきを抑制することが出来る。
また、複数の電極が前記板状部材の変位面方向に対して一列に配置されているので、複数の電極に印加される電圧により発生する電気力線の作用方向が前記板状部材の変位面方向とほぼ同等となり、それにより板状部材及び電極間に作用する静電引力が該板状部材の変位面方向に主に作用させることができ、光偏向軸の乱れすなわち光偏向のばらつきを抑制することが出来る。
さらに、基板上に構成された複数の電極が前記支点部材を中心として両側にそれぞれ少なくとも2個以上配置されているので、該複数の電極に付与される電位をそれぞれ任意の値とすることで、導電体層を有する板状部材に静電引力を制御性良く作用させることが可能となり、支点部材を中心とした板状部材の任意の変位が可能となる。
(10)請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の光偏向装置の、前記複数の電極の少なくとも一部の電極に異なる電位を与えることにより、基板に形成された前記電極間の電位差に起因した静電引力を、該板状部材を誘電的又は導電的に経由して板状部材と電極間に働かせ、板状部材を目的の方向へ変位させることができる。さらに、引き続き支点部材を中心として対向する電極へ任意の電位を印加することにより、板状部材の変位面方向を高速で変えることができ、それにより光偏向の応答速度が速い光偏向装置を提供できる。
(11)請求項3記載の発明によれば、請求項1、2に記載の光偏向装置を、入射光の方向と垂直方向に、複数個整列して配置し、光偏向面方向に多数の隣接光偏向装置を有しないので、駆動するそれぞれの光偏向装置の過渡的な迷光(すなわち隣接する光偏向装置の板状部材が変位して反射光がその方向を変える過渡状態における迷光)が少ない光偏向アレーを提供することが出来る。
(12)請求項4記載の発明によれば、光源からの光信号を画像情報に応じて目的の方向へ反射させる手段として請求項3に記載の光偏向アレーを用いているので、画素の明暗制御(すなわち光偏向装置のON/OFF制御)が良好でかつ迷光(反射方向が乱れた時に発生する隣接素子からの反射光)を抑制でき、かつ高速な動作が可能で、かつ長期的な信頼性が高く、かつ低電圧で駆動でき、かつコントラスト比を向上でき、それにより高輝度でありながら高いコントラスト比を有する高精細な画像投影表示装置を提供できる。また、従来技術と異なりレーザー光源が不要で、安価な白色光源を使用でき、それにより安価な画像投影表示装置を提供できる。また、光偏向方式が反射ミラーであることに起因して高輝度な画像投影表示装置を提供できる。又、該光偏向アレーを構成する光偏向装置群が、表示画面の垂直方向の画素列又は水平方向の画素列のいずれかに対応して配置されており、かつ該光偏向装置群を画像情報に応じて同時に駆動することにより、対応する画素列を同時に表示させ、かつ光偏向アレーからの目的方向への反射光をガルバノミラー又はポリゴンミラーにより走査することによりもう一方の画素列を順次表示させているので、垂直方向の画素列×水平方向の画素列を有する2次元配列の光偏向アレーに比べて構成する画素数を少なくすることができ、安価な光偏向アレーを用いることができ、安価な画像投影表示装置を提供できる。また、ほぼ1次元配列である本発明の光偏向アレーに対応する必要な光学系は2次元配列の光偏向アレーに比べ小型であるので、小型な画像投影表示装置を提供できる。また、光偏向アレーを小型で作製できることは、1ウェハ当りの光偏向アレーの採り数を増加させることができ、光偏向アレーのコストを低減できる。さらに、小型な光偏向アレーを用いた画像投影表示装置においては必要な光学系も安価とすることができ、さらに安価な画像投影表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の板状部材の変位面方向を説明する図である。
【図2】 本発明の光偏向面方向を説明する図である。
【図3】 本発明の実施例1に係る光偏向装置の構成を示す。
【図4】 本発明の実施例2に係る光偏向装置の構成を示す。
【図5】 実施例1における電気力線の分布を示す。
【図6】 本出願人が既に提案した電極の配置例を示す。
【図7】 1軸2次元光偏向を説明する図である。
【図8】 実施例1を電気回路モデルで説明する図である。
【図9】 支点部材の両側にそれぞれ2個以上、電極を配置する必要性を説明する図である。
【図10】 本発明の実施例3に係る光偏向装置を示す。
【図11】 実施例1の光偏向動作を説明する図である。
【図12】 本発明の実施例4に係る光偏向アレーの構成を示す。
【図13】 本発明の実施例5に係る画像投影表示装置の構成を示す。
【図14】 本発明の実施例6に係る光偏向アレーの構成を示す。
【図15】 本発明の実施例7に係る画像投影表示装置の構成を示す。
【符号の説明】
101 基板
102 規制部材
103 支点部材
104 板状部材
Claims (4)
- 光反射領域を有する部材が静電引力で変位することにより、前記光反射領域に入射する入射光が反射方向を変えて偏向される光偏向装置であって、基板と、複数の規制部材と、支点部材と、板状部材と、複数の電極を有し、前記複数の規制部材はそれぞれ上部にストッパを有し、前記基板の複数の端部にそれぞれ設けられ、前記支点部材は前記板状部材の傾斜変位方向と垂直方向に尾根形状を有し、前記板状部材とほぼ線で接して前記基板の上面に設けられ、前記板状部材は固定端を持たず、上面に前記光反射領域を有し、少なくとも一部に導電性を有する部材からなる導電体層を有し、前記基板と前記支点部材と前記ストッパの間の空間内で可動的に配置され且つ電気的に浮いており、前記複数の電極は前記板状部材の導電体層とほぼ対向するように前記基板上にそれぞれ設けられ、前記支点部材を中心軸として両側にそれぞれ中心軸に平行に、複数個配置されていることを特徴とする光偏向装置。
- 前記複数の電極の少なくとも一部の電極に異なる電位を与えることにより、前記板状部材が静電引力により前記支点部材の支点を中心に傾斜し、前記入射する入射光が反射方向を変えることを特徴とする請求項1記載の光偏向装置。
- 請求項1または2に記載の光偏向装置を、入射光の方向と垂直方向に、複数個整列して配置し、任意の光偏向装置を同時に駆動することを特徴とする光偏向アレー。
- 画像情報に応じた光信号を投影して表示する画像投影表示装置であって、光源からの光信号を画像情報に応じて目的の方向へ反射させる手段として請求項3に記載の光偏向アレーを用い、かつ該光偏向アレーを構成する光偏向装置群は、表示画面の垂直方向の画素列または水平方向の画素列のいずれかに対応して配置され、かつ前記光偏向装置群を画像情報に応じて同時に駆動することにより、対応する画素列を同時に表示させ、かつ光偏向アレーからの目的方向への反射光をガルバノミラーまたはポリゴンミラーにより走査することによりもう一方の画素列を順次表示させることを特徴とする画像投影表示装置。
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