JP4723680B2 - ミラー制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、通信用の光スイッチ等に使用されるミラー制御装置に関するものである。
インターネット通信網などにおける基盤となる光ネットワークの分野では、多チャンネル化、波長分割多重(WDM)化および低コスト化を実現する技術として、光MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術が脚光を浴びており、この技術を用いて光スイッチが開発されている(例えば、特許文献1参照)。このMEMS型の光スイッチの構成部品として最も特徴的なものがミラーアレイであり、ミラーアレイは複数のミラー制御装置を2次元的にマトリクス状に配設したものである。図1は本発明の第1の実施の形態に係るミラー制御装置の構成を示す分解斜視図、図2は図1のミラー制御装置の断面図であるが、従来のミラー制御装置においても機械的な構成は同様であるので、図1、図2を用いて従来のミラー制御装置を説明する。
ミラー制御装置100は、ミラーが形成されたミラー基板(上部基板)200と、電極が形成された電極基板(下部基板)300とが平行に配設された構造を有する。
ミラー基板200は、平面視略円形の開口を有する板状の枠部210と、平面視略円形の開口を有し、一対のトーションバネ211a,211bにより枠部210の開口内に配設された可動枠220と、一対のトーションバネ221a,221bにより可動枠220の開口内に配設された平面視略円形のミラー230とを有する。枠部210、トーションバネ211a,211b,221a,221b、可動枠220およびミラー230は、例えば単結晶シリコンで一体形成されている。ミラー230の表面には例えば3層のTi/Pt/Au層が形成されている。
一対のトーションバネ211a,211bは、枠部210と可動枠220とを連結している。可動枠220は、一対のトーションバネ211a,211bを通る図1の可動枠回動軸xを軸として回動することができる。同様に、一対のトーションバネ221a,221bは、可動枠220とミラー230とを連結している。ミラー230は、一対のトーションバネ221a,221bを通る図1のミラー回動軸yを軸として回動することができる。可動枠回動軸xとミラー回動軸yとは、互いに直交している。結果として、ミラー230は、直交する2軸で回動する。
電極基板300は、板状の基部310と、基部310の表面(上面)から突出し、対向するミラー基板200のミラー230と対向する位置に形成された段丘状の突出部320を有する。基部310と突出部320は例えば単結晶シリコンからなる。突出部320は、基部310の上面に形成された角錐台の形状を有する第2テラス322と、この第2テラス322の上面に形成された角錐台の形状を有する第1テラス321と、この第1テラス321の上面に形成された柱状の形状を有するピボット330とから構成される。このピボット330は、第1テラス321のほぼ中央に位置するように形成される。これにより、ピボット330は、ミラー230の中心に対向する位置に配設される。
突出部320の四隅とこの四隅に続く基部310の上面には、対向するミラー基板200のミラー230と同心の円内に4つの電極340a〜340dが形成されている。また、基部310の上面には、突出部320を挟むように並設された一対の凸部360a,360bが形成されている。さらに、基部310の上面の突出部320と凸部360aおよび凸部360bとの間の箇所には、それぞれ配線370が形成されており、この配線370には、引き出し線341a〜341dを介して電極340a〜340dが接続されている。なお、基部310の表面には酸化シリコン等からなる絶縁層311が形成されており、この絶縁層311の上に電極340a〜340d、引き出し線341a〜341d、配線370が形成されている。
以上のようなミラー基板200と電極基板300とは、ミラー230とこのミラー230に対応する電極340a〜340dとが対向配置されるように、枠部210の下面と凸部360a,360bの上面とを接合することにより、図2に示すようなミラー制御装置100を構成する。このようなミラー制御装置においては、ミラー230を接地し、電極340a〜340dに正の電圧を与えて、しかも電極340a〜340d間に非対称な電位差を生じさせることにより、ミラー230を静電引力で吸引し、ミラー230を任意の方向へ回動させることができる。
特開2003−57575号公報
従来のミラー制御装置では、電極340a〜340dに直流電圧を印加するため、電極340a〜340dとミラー230との間に存在する浮遊容量(例えば絶縁層311)が電極340a〜340dへの電圧印加により分極し、あるいは何らかの理由で帯電し、これが徐々に放電あるいは充電されてミラー230の駆動力に影響を与えるため、ミラー230の動作時に、ミラー230と電極340a〜340d間の電位が時間と共に変動して、ミラー230の傾斜角度が徐々に変動する現象、すなわちドリフトが発生してしまうという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ミラーのドリフトの発生を抑制することができるミラー制御装置を提供することを目的とする。
本発明のミラー制御装置は、回動可能に支持されたミラーと、このミラーから離間して配置された複数の電極と、駆動電圧を印加した電極と前記ミラーとの電位差が正電位である第1の区間と前記電位差が負電位である第2の区間とが少なくとも生じるように、前記駆動電圧として交流電圧を前記ミラーの所望の傾斜角に応じて生成して前記電極に印加する駆動電圧印加手段とを備え、前記駆動電圧印加手段は、前記第1、第2の区間に加えて、前記電位差が前記第1の区間の電位差と前記第2の区間の電位差との間の電位である第3の区間がさらに生じるように前記駆動電圧を生成し、前記第1、第2の区間の時間幅の和と前記第3の区間の時間幅との比率を前記ミラーの所望の傾斜角に応じて変え、さらに、前記ミラーの傾斜角の正方向の力を発生する第1の電極と前記傾斜角の負方向の力を発生する第2の電極に対して、回転する方向の力を発生する電極への駆動電圧の前記比率をもう一方の電極への駆動電圧の前記比率よりも大きくするように変化させて前記電極に前記駆動電圧を同時に印加することを特徴とするものである。
また、本発明のミラー制御装置の1構成例において、前記駆動電圧印加手段は、前記電位差の平均直流成分が前記電極毎に略零となる前記駆動電圧を生成するものである。
また、本発明のミラー制御装置の1構成例において、前記駆動電圧印加手段は、前記第1の区間の電位差の絶対値と前記第2の区間の電位差の絶対値とが等しくなるように前記駆動電圧を生成するものである。
前記駆動電圧は、矩形波電圧であり、また正弦波電圧でもよい。
また、本発明のミラー制御装置の1構成例において、前記駆動電圧印加手段は、前記第3の区間が、前記電位差が前記第1の区間の電位差より小さい正電位である第4の区間と前記電位差が前記第2の区間の電位差より小さい負電位である第5の区間とからなるように、前記駆動電圧を生成するものである。
また、本発明のミラー制御装置の1構成例において、前記駆動電圧印加手段は、前記第1の区間の電位差の絶対値と前記第2の区間の電位差の絶対値とが等しく、前記第4の区間の電位差の絶対値と前記第5の区間の電位差の絶対値とが等しくなるように、前記駆動電圧を生成するものである。
また、本発明のミラー制御装置の1構成例において、前記駆動電圧印加手段は、前記第1の区間の増大と前記第2の区間の減少とが生じるか、あるいは前記第1の区間の減少と前記第2の区間の増大とが生じるように、前記第1の区間と前記第2の区間の時間比率を変化させるものである。
また、本発明のミラー制御装置の1構成例において、前記駆動電圧印加手段は、前記第4の区間の増大と前記第5の区間の減少とが生じるか、あるいは前記第4の区間の減少と前記第5の区間の増大とが生じるように、前記第4の区間と前記第5の区間の時間比率を変化させるものである。
また、本発明のミラー制御装置の1構成例において、各区間の時間幅は、前記ミラーの傾斜動作の共振周波数の逆数より短いことが好ましい。
また、本発明のミラー制御装置の1構成例において、前記駆動電圧印加手段は、前記ミラーの傾斜角の正方向の力を発生する第1の電極と前記傾斜角の負方向の力を発生する第2の電極に対して、前記第1の電極への駆動電圧の前記比率と前記第2の電極への駆動電圧の前記比率とを、固定値を中心に前記傾斜角に応じて差動的に変化させるものである。
また、本発明のミラー制御装置の1構成例は、さらに、前記第1、第4の区間において値が等しい電圧を前記ミラーに印加し、前記第2、第5の区間において値が等しくかつ前記第1、第4の区間と逆極性の電圧を前記ミラーに印加するミラー電圧印加手段を備え、前記駆動電圧印加手段は、前記第4の区間と前記第5の区間で0となる前記駆動電圧を生成するものである。
本発明によれば、駆動電圧を印加した電極とミラーとの電位差が正電位である第1の区間と電位差が負電位である第2の区間とが少なくとも生じるように、駆動電圧として交流電圧を生成して電極に印加することにより、電極とミラーとの間に存在する浮遊容量に溜まる電荷を零に近づけることができ、ミラーのドリフトの発生を抑制することができる。また、本発明では、第1、第2の区間に加えて、電位差が第1の区間の電位差と第2の区間の電位差との間の電位である第3の区間がさらに生じるように駆動電圧を生成し、第1、第2の区間の時間幅の和と第3の区間の時間幅との比率をミラーの所望の傾斜角に応じて変えることにより、ミラーの傾斜角を制御することができる。
また、本発明では、第3の区間が、電位差が第1の区間の電位差より小さい正電位である第4の区間と電位差が第2の区間の電位差より小さい負電位である第5の区間とからなるように、駆動電圧を生成することにより、ミラーのドリフトの発生を更に抑制することができる。
また、本発明では、第1の区間の増大と第2の区間の減少とが生じるか、あるいは第1の区間の減少と第2の区間の増大とが生じるように、第1の区間と第2の区間の時間比率を変化させることにより、ミラーのドリフトの発生を抑制することができる。
また、本発明では、第4の区間の増大と第5の区間の減少とが生じるか、あるいは第4の区間の減少と第5の区間の増大とが生じるように、第4の区間と第5の区間の時間比率を変化させることにより、ミラーのドリフトの発生を抑制することができる。
また、本発明では、各区間の時間幅を、ミラーの傾斜動作の共振周波数の逆数より短くすることにより、ミラーの振動を抑制することができる。結果として、本発明のミラー制御装置を光スイッチに用いた場合に、ミラーの振動による出力光のパワーの低下を防ぐことができる。
また、本発明では、第1、第4の区間において値が等しい電圧をミラーに印加し、第2、第5の区間において値が等しくかつ第1、第4の区間と逆極性の電圧をミラーに印加し、第4の区間と第5の区間で0となる駆動電圧を生成することにより、駆動電圧を生成するために必要な素子数を減らすことができる。
本発明の参考例に係るミラー制御装置の構成を示す分解斜視図である。 図1のミラー制御装置の断面図である。 本発明の参考例に係るミラー制御装置の電気的な接続関係を示すブロック図である。 本発明の参考例において電極に印加する駆動電圧の1例を示す波形図である。 本発明の第1の実施の形態において電極に印加する駆動電圧の1例を示す波形図である。 本発明の第1の実施の形態の効果を説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態におけるミラーの傾斜角の制御方法を説明するための駆動電圧の波形図である。 本発明の参考例および第1の実施の形態において駆動電圧として交流電圧を用いる場合の問題点を説明するための図である。 光スイッチにおいて入出力ポート間のパスの接続を行った場合の出力光のパワーと駆動電圧の周波数との関係を示す図である。 本発明の第1の実施の形態において電極に印加する駆動電圧の1例を示す波形図、およびこの駆動電圧を印加した電極とミラーとの間に発生する静電力を示す図である。 本発明の第1の実施の形態において浮遊電荷による駆動電圧の増加分を示す図、およびこの駆動電圧を印加した電極とミラーとの間に発生する静電力を示す図である。 本発明の第2の実施の形態において電極に印加する駆動電圧の1例を示す波形図である。 本発明の第2の実施の形態において電極に印加する駆動電圧の他の例を示す波形図である。 本発明の第2の実施の形態におけるミラーの傾斜角の制御方法を説明するための駆動電圧の波形図である。 本発明の第3の実施の形態においてミラーに印加する電圧と電極に印加する駆動電圧の1例を示す波形図、およびこの電圧印加から生じる電極とミラーとの間の実効的な電位差を示す図である。 本発明の第4の実施の形態における駆動電圧の調整方法を説明する波形図である。
[参考例]
以下、本発明の参考例について図面を参照して説明する。図1は本発明の参考例に係るミラー制御装置の構成を示す分解斜視図、図2は図1のミラー制御装置の断面図である。ミラー制御装置100は、ミラーが形成されたミラー基板(上部基板)200と、電極が形成された電極基板(下部基板)300とが平行に配設された構造を有する。
ミラー基板200は、平面視略円形の開口を有する板状の枠部210と、平面視略円形の開口を有し、一対のトーションバネ211a,211bにより枠部210の開口内に配設された可動枠220と、一対のトーションバネ221a,221bにより可動枠220の開口内に配設された平面視略円形のミラー230とを有する。枠部210、トーションバネ211a,211b,221a,221b、可動枠220およびミラー230は、例えば単結晶シリコンで一体形成されている。ミラー230の表面には例えば3層のTi/Pt/Au層が形成されている。
一対のトーションバネ211a,211bは、枠部210と可動枠220とを連結している。可動枠220は、一対のトーションバネ211a,211bを通る図1の可動枠回動軸xを軸として回動することができる。
同様に、一対のトーションバネ221a,221bは、可動枠220とミラー230とを連結している。ミラー230は、一対のトーションバネ221a,221bを通る図1のミラー回動軸yを軸として回動することができる。可動枠回動軸xとミラー回動軸yとは、互いに直交している。結果として、ミラー230は、直交する2軸で回動する。
電極基板300は、板状の基部310と、基部310の表面(上面)から突出し、対向するミラー基板200のミラー230と対向する位置に形成された段丘状の突出部320を有する。基部310と突出部320は例えば単結晶シリコンからなる。突出部320は、基部310の上面に形成された角錐台の形状を有する第2テラス322と、この第2テラス322の上面に形成された角錐台の形状を有する第1テラス321と、この第1テラス321の上面に形成された柱状の形状を有するピボット330とから構成される。このピボット330は、第1テラス321のほぼ中央に位置するように形成される。これにより、ピボット330は、ミラー230の中心に対向する位置に配設される。
突出部320の四隅とこの四隅に続く基部310の上面には、対向するミラー基板200のミラー230と同心の円内に4つの電極340a〜340dが形成されている。また、基部310の上面には、突出部320を挟むように並設された一対の凸部360a,360bが形成されている。さらに、基部310の上面の突出部320と凸部360aおよび凸部360bとの間の箇所には、それぞれ配線370が形成されており、この配線370には、引き出し線341a〜341dを介して電極340a〜340dが接続されている。
以上のようなミラー基板200と電極基板300とは、ミラー230とこのミラー230に対応する電極340a〜340dとが対向配置されるように、枠部210の下面と凸部360a,360bの上面とを接合することにより、図2に示すようなミラー制御装置100を構成する。
このようなミラー制御装置100においては、ミラー230を接地し、電極340a〜340dに正の電圧を与えて、しかも電極340a〜340d間に非対称な電位差を生じさせることにより、ミラー230を静電引力で吸引し、ミラー230を任意の方向へ回動させることができる。
前述のとおり、枠部210、トーションバネ211a,211b,221a,221b、可動枠220およびミラー230は、導電性の材料(本参考例では単結晶シリコン)で一体形成されている。
一方、単結晶シリコン等からなる基部310の表面には酸化シリコン等からなる絶縁層311が形成されており、この絶縁層311の上に電極340a〜340d、引き出し線341a〜341d、配線370が形成されている。
本参考例と従来のミラー制御装置との大きな相違点は、従来のミラー制御装置では電極340a〜340dに直流の駆動電圧を印加しているのに対して、本参考例では電極340a〜340dに駆動電圧として平均直流成分が略零の交流電圧を印加する点である。以下、本参考例と従来のミラー制御装置との相違点についてより詳細に説明する。図3は本参考例のミラー制御装置の電気的な接続関係を示すブロック図である。
ミラー電圧印加部400は、枠部210とトーションバネ211a,211bと可動枠220とトーションバネ221a,221bとを介してミラー230に接地電位を印加する。
駆動電圧印加部401は、駆動電圧として平均直流成分が電極340a〜340d毎に略零となる交流電圧をミラー230の所望の傾斜角に応じて電極340a〜340d毎に生成して印加する。電極340a〜340dには、それぞれ引き出し線341a〜341dを介して駆動電圧が印加される。これにより、ミラー230は、電極340a〜340dそれぞれとの間の電位差に応じた方向に回動する。
ミラー230の駆動力となる静電引力は、駆動電圧の二乗に比例するため、駆動電圧として正負どちらの電圧を印加しても静電引力に変わりはない。すなわち、電極340a〜340dに駆動電圧として直流電圧と同じ大きさで正負を交互に入れ替えた矩形波電圧を印加したとしても、電極340a〜340dとミラー230との間に発生する静電引力としては、電極340a〜340dに直流電圧を印加した場合と変わりはない。
図4(A)は電極340bに印加する駆動電圧の1例を示す波形図、図4(B)は電極340dに印加する駆動電圧の1例を示す波形図である。ここで、駆動電圧を印加した電極とミラー230との電位差が正電位である区間を第1の区間(図4(A)、図4(B)の例では正の駆動電圧が印加されている区間)、電位差が負電位である区間を第2の区間(図4(A)、図4(B)の例では負の駆動電圧が印加されている区間)と呼ぶ。
図4(A)、図4(B)の例では、電極340b,340dに同位相、同電圧印加時間幅で振幅が異なる交流電圧を印加している。電極340bに印加される交流電圧の方が振幅が大きいために、ミラー230と電極340bとの間の静電力と、ミラー230と電極340dとの間の静電力に差が生じて、ミラー230は電極340b側に引き寄せるようにミラー回動軸yの周りを回動する。ミラー230の周波数応答が理想的(直流電圧によって駆動した場合と、矩形波電圧によって駆動した場合で、同じミラーの傾斜角を与える)な場合、図4(A)の矩形波の振幅をVb(−Vb〜+Vbで振動)、図4(B)の矩形波の振幅をVd(−Vd〜+Vdで振動)とすると、図4(A)の駆動電圧を電極340bに、図4(B)の駆動電圧を電極340dに与えたときのミラー230の傾斜角は、電極340bにVb(あるいは−Vb)、電極340dにVd(あるいは−Vd)の直流電圧を与えた場合と同じ傾斜角となる。
一方、電極340a〜340dに印加される駆動電圧によって浮遊容量(例えば絶縁層311)に溜まる電荷の正負は、駆動電圧の正負によって異なる。したがって、電極340a〜340dに駆動電圧として平均直流成分が電極340a〜340d毎に略零となる交流電圧(正負の電圧印加時間幅が略等しく、かつ正負の振幅が略等しい交流電圧)を印加すれば、浮遊容量に溜まる電荷の充電は交流電圧に応じた正負で相殺し合うため、浮遊容量に溜まる電荷は平均的に見れば零に近づく。結果として、本参考例では、浮遊容量に溜まる電荷を要因とするミラー230のドリフトの発生を抑制することができる。
本参考例のように電極に印加する駆動電圧の振幅を変化させる場合、駆動電圧の振幅とミラー230の傾斜角との関係は、駆動電圧が直流の場合とほぼ同様の特性を示す。したがって、ミラー230の傾斜角の制御方法は、駆動電圧が直流の場合と同様の制御方法を用いるのが良い。
電極340a,340b,340c,340dに印加する駆動電圧の振幅をそれぞれVa,Vb,Vc,Vdとすると、駆動電圧はたとえば次のように表すことができる。
Va=Vo+Vx ・・・(1)
Vb=Vo+Vy ・・・(2)
Vc=Vo−Vx ・・・(3)
Vd=Vo−Vy ・・・(4)
ここで、Voは固定値のバイアス電圧である。バイアス電圧Voには、駆動電圧の振幅とミラー230の傾斜角との間の線形性を向上させる効果がある。Vxはミラー230の回動軸x廻りの傾斜角θxに1対1に対応する操作量、Vyはミラー230の回動軸y廻りの傾斜角θyに1対1に対応する操作量である。操作量Vx,Vyを操作することで、ミラー230を任意の方向に回動させることができる。
ミラー230を実際に制御する際には、駆動電圧印加部401が以下のような処理を行う。つまり、駆動電圧印加部401は、予めミラー230の傾斜角と駆動電圧の振幅及びデューティー比(本参考例ではデューティー比は一定)との関係が設定されたテーブル402を内部に備えており、ミラー230の所望の傾斜角に対応する駆動電圧の振幅及びデューティー比の値をテーブル402から取得して、取得した振幅及びデューティー比の駆動電圧を電極340a〜340dに印加する。
[第1の実施の形態]
次に、本発明の第1の実施の形態について説明する。参考例では、交流電圧の振幅でミラー230の傾斜角を制御したが、交流電圧のデューティー比でミラー230の傾斜角を制御するようにしてもよい。本実施の形態においてもミラー制御装置の構成は参考例と同様であるので、図1、図2、図3の符号を用いて本実施の形態の動作を説明する。
図5(A)は電極340bに印加する駆動電圧の1例を示す波形図、図5(B)は電極340dに印加する駆動電圧の1例を示す波形図である。ここで、駆動電圧を印加した電極とミラー230との電位差が正電位である区間を第1の区間(図5(A)、図5(B)の例では正の駆動電圧が印加されている区間)、電位差が負電位である区間を第2の区間(図5(A)、図5(B)の例では負の駆動電圧が印加されている区間)、電位差が第1の区間の電位差と第2の区間の電位差との間の電位である区間を第3の区間(図5(A)、図5(B)の例では駆動電圧が0の区間)と呼ぶ。
本実施の形態の駆動電圧印加部401は、参考例と同様に、駆動電圧として平均直流成分が電極340a〜340d毎に略零となる交流電圧をミラー230の所望の傾斜角に応じて電極340a〜340d毎に生成して印加するが、例えば図5(A)、図5(B)に示すように電極340b,340dに同位相、同振幅でデューティー比(交流電圧の周期に対して正負の電圧幅が占める割合)が異なる交流電圧を印加する。
駆動電圧印加部401は、予めミラー230の傾斜角と駆動電圧のデューティー比及び振幅(本実施の形態では振幅は一定)との関係が設定されたテーブル402を内部に備えており、ミラー230の所望の傾斜角に対応する駆動電圧のデューティー比及び振幅の値をテーブル402から取得して、取得したデューティー比及び振幅の駆動電圧を電極340a〜340dに印加すればよい。図5(A)、図5(B)の例では、電極340bに印加される交流電圧の方がデューティー比が大きいために、ミラー230と電極340bとの間の静電力と、ミラー230と電極340dとの間の静電力に差が生じて、ミラー230は電極340b側に引き寄せるようにミラー回動軸yの周りを回動する。
こうして、本実施の形態においても、参考例と同様の効果を得ることができる。
図6は、本実施の形態の効果を説明するための図である。図6は、駆動電圧として矩形波を電極340a〜340dに印加する際に、参考例のように駆動電圧の振幅制御を行った場合のミラー230の傾斜角と最大振幅に対する駆動電圧の振幅の割合との関係、及び本実施の形態のように駆動電圧のデューティー比制御を行った場合のミラー230の傾斜角と最大パルス幅に対する駆動電圧のパルス幅の割合との関係を表す実測例である。図6におけるAは駆動電圧の振幅制御を行った場合の特性、Dは駆動電圧のデューティ比制御を行った場合の特性、Cは直流電圧による制御を行った場合の特性である。
図6によると、参考例のように駆動電圧の振幅制御を行った場合、駆動電圧の振幅の割合に対してミラー230の傾斜角は非線形に変化していることが分かる。これは、ミラー230の角度制御が難しいことを意味している。一方、本実施の形態のように駆動電圧のデューティ比制御を行うと、駆動電圧のパルス幅の割合に対してミラー230の傾斜角が線形に近い変化をしていることが分かる。したがって、本実施の形態によれば、従来のように直流の駆動電圧で制御する場合や参考例の場合に比べて、ミラー230の角度制御をより簡便に行うことができる。
次に、本実施の形態でのミラー230の傾斜角の制御方法について説明する。本実施の形態では、電極に印加する駆動電圧のデューティー比でミラー230の傾斜角を制御する。電極340a,340b,340c,340dに印加する駆動電圧のパルス幅をそれぞれPWa,PWb,PWc,PWdとする。PWa,PWb,PWc,PWdの範囲は0から1までで、0の時は電圧出力がない状態で1の時はデューティー比50%の矩形波を表す。
図7(A)はPWa=1のときの電極340aへの駆動電圧を示す波形図、図7(B)はPWa=0.5のときの電極340aへの駆動電圧を示す波形図、図7(C)はPWa=0のときの電極340aへの駆動電圧を示す波形図である。駆動電圧のパルス幅PWa,PWb,PWc,PWdは、たとえば次のように表すことができる。
PWa=PWo+PWx ・・・(5)
PWb=PWo+PWy ・・・(6)
PWc=PWo−PWx ・・・(7)
PWd=PWo−PWy ・・・(8)
ここで、PWoは固定値のバイアスパルス幅である。バイアスパルス幅PWoには、駆動電圧のパルス幅とミラー230の傾斜角との間の線形性を向上させる効果がある。PWxはミラー230の回動軸x廻りの傾斜角θxに1対1に対応する操作量、PWyはミラー230の回動軸y廻りの傾斜角θyに1対1に対応する操作量である。操作量PWx,PWyを操作することで、ミラー230を任意の方向に回動させることができる。
ただし、図6で説明したように駆動電圧のデューティ比を制御する場合は、駆動電圧のパルス幅とミラー230の傾斜角との線形性が高いという特徴がある。したがって、各軸とも電極とミラー230が近づく方向の電極のみ駆動電圧のパルス幅を制御してもよい。その場合、駆動電圧のパルス幅PWa,PWb,PWc,PWdは、次のように表すことができる。
PWa=PWx (PWx>0) ・・・(9)
PWa=0 (PWx≦0) ・・・(10)
PWb=PWy (PWy>0) ・・・(11)
PWb=0 (PWy≦0) ・・・(12)
PWc=PWx (PWx<0) ・・・(13)
PWc=0 (PWx≧0) ・・・(14)
PWd=PWy (PWy<0) ・・・(15)
PWd=0 (PWy≧0) ・・・(16)
このように、本実施の形態では、第1、第2の区間の時間幅の和と第3の区間の時間幅との比率をミラー230の傾斜角に応じて変える。ミラー230を実際に制御する際には、駆動電圧印加部401が以下のような処理を行う。つまり、駆動電圧印加部401は、ミラー230の所望の傾斜角に対応する駆動電圧のパルス幅及び振幅(本実施の形態では振幅は一定)の値をテーブル402から取得して、取得したパルス幅及び振幅の駆動電圧を電極340a〜340dに印加する。
なお、参考例、第1の実施の形態において、電極340a〜340dに印加する交流電圧は、ミラー230を駆動する力を大きくできるという点で矩形波が好ましいが、矩形波以外の正弦波や三角波などでもよい。
前述のとおり、ミラー230は駆動電圧の二乗に比例する静電引力によって駆動されるため、駆動電圧として矩形波の交流電圧を用いる場合、理想的には直流電圧による駆動と同一になる。
しかし、駆動電圧印加部401に用いる電圧アンプのスルーレートなどの制限により、実際の駆動電圧は図8(A)のような台形となる。これは、ミラー230を駆動する力の点から見れば、図8(B)のような波形の駆動電圧を印加した場合と等価である。このため、駆動電圧として矩形波の交流電圧を用いる場合、ミラー230を駆動する静電引力には、交流電圧の2倍の周期で力が零になる点(図8(B)において電圧が零まで低下する点)が発生する。このような静電引力の周期的な低下にミラー230が応答すると、ミラー230に振動が発生することになる。
このようなミラー230の振動を防止するには、駆動電圧として電極340a〜340dに印加する交流電圧の周波数がミラー230の共振周波数よりも高くなるようにしておけばよい。
図9の例は、参考例、第1の実施の形態のミラー制御装置を用いた光スイッチにおいて、入出力ポート間のパスの接続を行った場合の出力光のパワーとミラー制御装置の駆動電圧の周波数との関係を示す実測例である。図9において、f3はミラー制御装置の駆動電圧の使用可能周波数の下限値を示している。
光スイッチでは、入力ポートと出力ポートとの間に複数のミラー制御装置を2次元的に配置したミラーアレイを設け、各ミラー制御装置のミラー230の傾斜角を適当に制御することにより、入力ポートから出射した光をミラー230で反射させて任意の出力ポートに入射させることができ、任意の入力ポートと出力ポートとの間を接続することができる。
図9の例では、ミラー230の共振周波数は200Hz付近のf1と550Hz付近のf2の2つがある。ミラー230の共振周波数が2つ現れる理由は、回動軸x周りの回動と回動軸y周りの回動のそれぞれでミラー230が共振点を有するためである。前述のとおり、共振周波数f1,f2の付近ではミラー230が駆動電圧に応じて振動するため、ミラー230の反射光が出力ポートに入射しにくくなり、出力ポートに入射する出力光のパワーが大幅に下がる。そこで、ミラー230の最も高い共振周波数f2の例えば2倍以上の値(図9の例では約1kHz)に駆動電圧の周波数を設定すれば、ミラー230が静電引力の周期的な低下に応答しなくなり、振動しにくくなるので、ミラー230の振動による出力光のパワーの低下を防ぐことができる。参考例、第1の実施の形態の場合は、第1の区間、第2の区間、第3の区間の各区間の時間幅が、ミラー230の傾斜動作の共振周波数の逆数より短くなるようにすればよい。
また、参考例、第1の実施の形態では、電極340b,340dに駆動電圧を印加する場合について説明したが、どの電極に駆動電圧を印加するかはミラー230をどの方向に回動させるかで決まるので、駆動電圧の印加の仕方は図4(A)、図4(B)、図5(A)、図5(B)に示した例に限らないことは言うまでもない。
また、参考例、第1の実施の形態を組み合わせて、ミラー230の所望の傾斜角に応じて駆動電圧の振幅とデューティー比の両方を変えるようにしてもよい。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態においてもミラー制御装置の構成は参考例と同様であるので、図1、図2、図3の符号を用いて本実施の形態の動作を説明する。第1の実施の形態では、電極340a〜340dに印加に印加する駆動電圧のデューティー比を調整することにより、ミラー230の傾斜角を調節している。
図10(A)は第1の実施の形態において電極340a〜340dのいずれかに印加する駆動電圧の1例を示す波形図、図10(B)は図10(A)の駆動電圧を印加した電極とミラー230との間に発生する静電力を示す図である。参考例、第1の実施の形態で説明したとおり、ミラー230には接地電位が印加されている。
ここで、駆動電圧を印加した電極とミラー230との電位差が正電位である区間を第1の区間(図10(A)の例では駆動電圧+V1が印加されている区間)、電位差が負電位である区間を第2の区間(図10(A)の例では駆動電圧−V1が印加されている区間)、電位差が第1の区間の電位差と第2の区間の電位差との間の電位である区間を第3の区間(図10(A)の例では駆動電圧が0の区間)と呼ぶ。
図10(A)の場合、電極に加わる駆動電圧は、+V1、0、−V1の3つの電圧値が周期的に繰り返す波形となる。電極とミラー230との間に発生する静電力は、駆動電圧の二乗に比例する。このため、+V1または−V1の駆動電圧が印加されている第1、第2の区間においては、+V1または−V1の一方の駆動電圧印加時に浮遊電荷により増加した静電力分と他方の駆動電圧印加時に浮遊電荷により減少した静電力分がほぼ同じであると見ることができる。したがって、第1、第2の区間においては、例えば絶縁層311に存在する浮遊電荷の影響を排除することが可能である。
しかし、駆動電圧が0のときは相殺するものがないため、浮遊電荷の増加と共に、駆動電圧が図10(A)に示した値から図11(A)に示す値へと変動する。図11(A)において、δVは浮遊電荷による静電力を駆動電圧の増加分に換算した電圧である。この結果、電極とミラー230との間に発生する静電力は、図11(B)に示すようになる。図11(B)において、斜線部130は浮遊電荷の影響が相殺される部分、斜線部131は浮遊電荷の影響が残る部分である。このように、第1の実施の形態においては、電極340a〜340dに直流電圧を印加する場合に比べれば小さくなるものの、ミラー230のドリフトが発生する可能性がある。ドリフトが発生する要因は、駆動電圧が0である時間が存在するためだと考えられる。
そこで、本実施の形態の駆動電圧印加部401は、図12に示すような交流電圧をミラー230の所望の傾斜角に応じて電極340a〜340d毎に生成して印加する。図12は電極340a〜340dのいずれかに印加する駆動電圧の1例を示している。すなわち、本実施の形態では、図10(A)に示した駆動電圧が0の第3の区間を駆動電圧が+V2の区間と−V2の区間の2つに分割する。
以下、分割した2つの区間のうち、駆動電圧を印加した電極とミラー230との電位差が第1の区間の電位差より小さい正電位である区間を第4の区間(図12の例では駆動電圧+V2が印加されている区間)、電位差が第2の区間の電位差より小さい負電位である区間を第5の区間(図12の例では駆動電圧−V2が印加されている区間)と呼ぶ。
ミラー230の角度制御は、+V1を印加している第1の区間と+V2を印加している第4の区間の時間比率を変えることによって行うことが可能である。負電圧側についても同様に、−V1を印加している第2の区間と−V2を印加している第5の区間の時間比率を変えることによって、ミラー230の角度制御を行うことが可能である。
このように、本実施の形態では、駆動電圧が0であった区間を正負の駆動電圧の区間に分けることによって、浮遊電荷の影響を排除することができ、第1の実施の形態に比べてミラー230のドリフトの発生を更に抑制することができる。
駆動電圧+V1、−V1、+V2、−V2の大小関係は、|V1|>|V2|の関係を満たせば良い。ただし、|V1|と|V2|が近い電圧値をとると、これら2つの駆動電圧の時間比率を変化させた時の静電力の変化が小さいため、ミラー230の角度制御が困難になる。駆動電圧+V2、−V2は、浮遊電荷の影響を抑えることを目的とする電圧であるため、浮遊電荷相当の電圧値以上であれば良い。
また、4値の駆動電圧を印加する順番はどのようになってもよい。例えば図13に示すように、+V1、+V2、−V1、−V2の順でもよいし、+V1、−V1、+V2、−V2の順でもよい。
また、本実施の形態では、第1の区間の電位差の絶対値と第2の区間の電位差の絶対値が共に|V1|で等しく、第4の区間の電位差の絶対値と第5の区間の電位差の絶対値が共に|V2|で等しい。しかし、第1の区間の電位差の絶対値と第2の区間の電位差の絶対値は等しいことが望ましいが、一致していなくてもよく、同様に第4の区間の電位差の絶対値と第5の区間の電位差の絶対値は等しいことが望ましいが、一致していなくてもよい。一致していなくても同様の効果を得ることができる。
次に、本実施の形態でのミラー230の傾斜角の制御方法について説明する。本実施の形態のように4値の駆動電圧を用いてミラー230の傾斜角を制御する場合は、例えば電極340aに駆動電圧+V1又は−V1を印加している区間と駆動電圧+V2又は−V2を印加している区間との時間比率をPRaとしたとき、この時間比率PRaの範囲を0から1とすればよい。
図14(A)はPRa=1のときの電極340aへの駆動電圧を示す波形図、図14(B)はPRa=0.5のときの電極340aへの駆動電圧を示す波形図、図14(C)はPRa=0のときの電極340aへの駆動電圧を示す波形図である。図14(C)に示すようにPRa=0のときは駆動電圧は+V2又は−V2のみとなり、PRa=0.5のときは駆動電圧+V1又は−V1を印加している区間と駆動電圧+V2又は−V2を印加している区間の時間幅が等しくなり、PRa=1のときは駆動電圧は+V1又は−V1のみとなる。制御方法に関しては第1の実施の形態で用いたPWaと同様の方法を用いればよい。
ミラー230を実際に制御する際には、駆動電圧印加部401が以下のような処理を行う。つまり、駆動電圧印加部401は、ミラー230の所望の傾斜角に対応する駆動電圧の振幅及び時間幅の値をテーブル402から取得して、取得した振幅及び時間幅の駆動電圧を電極340a〜340dに印加する。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第2の実施の形態で説明した4値の駆動電圧を実現するためには、スイッチング素子を利用することで実現可能であるが、素子数を減らすためには、ミラー230に電圧を加える方法がある。本実施の形態においてもミラー制御装置の構成は参考例と同様であるので、図1、図2、図3の符号を用いて本実施の形態の動作を説明する。
本実施の形態のミラー電圧印加部400は、枠部210とトーションバネ211a,211bと可動枠220とトーションバネ221a,221bとを介してミラー230に図15(A)に示すような振幅V2の矩形波電圧を印加する。
一方、駆動電圧印加部401は、ミラー230に印加した矩形波と同じ周波数で位相を反転させた駆動電圧を印加する。図15(B)は、本実施の形態において電極340a〜340dのいずれかに印加する駆動電圧の1例を示す波形図である。駆動電圧の振幅は(V1−V2)とする。この結果、駆動電圧を印加した電極とミラー230との間の実効的な電位差は、図15(C)に示すようになる。この電位差は、ミラー230を接地電位にして電極に図12、図13のような駆動電圧を印加する場合に生じる電位差と同等である。
本実施の形態では、電極に印加する駆動電圧+(V1−V2)の時間幅と駆動電圧−(V1−V2)の時間幅を制御することにより、ミラー230の傾きを変えることできる。
こうして、本実施の形態では、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。ミラー230に印加する矩形波電圧は、第1の区間(図15(C)の例では電位差が+V1の区間)と第4の区間(図15(C)の例では電位差が+V2の区間)で電圧値が等しく、第2の区間(図15(C)の例では電位差が−V1の区間)と第5の区間(図15(C)の例では電位差が−V2の区間)で電圧値が等しい。電極への駆動電圧は、第1の区間において+(V1−V2)、第2の区間において−(V1−V2)、第4、第5の区間において0である。
また、本実施の形態では、ミラー230には固定の矩形波を印加するだけでよいため、例えば1つ以上のミラー230をアレイ状に並べて使用する場合などは、全てのミラー230に同様の矩形波を入れればよいため、スイッチング素子の数を減らすことができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態においてもミラー制御装置の構成は参考例と同様であるので、図1、図2、図3の符号を用いて本実施の形態の動作を説明する。本実施の形態では、ミラー230のドリフトを抑制する方法として、正負の駆動電圧の時間比率を調整する方法を用いる。
ミラー230を所望の角度に回動させるには、図16(A)に示すように電極に印加する正負の駆動電圧の時間比率を1:1にすればよい。しかし、図16(A)に示した駆動電圧の印加状態でしばらくすると、正電圧と負電圧における特性の違いから、電極340a〜340dとミラー230との間に存在する浮遊容量(例えば絶縁層311)に電荷が溜まる可能性がある。
そこで、本実施の形態の駆動電圧印加部401は、図16(B)に示すように正負の駆動電圧の時間比率を変える。図16(B)の例では、正の駆動電圧の印加時間を短くし、負の駆動電圧の印加時間を長くしている。このとき、正の駆動電圧の印加時間と負の駆動電圧の印加時間の合計は、時間比率の変化前後で変えない方が望ましい。何故ならば、駆動電圧の印加時間が変わってしまうことは、電極とミラー230との間に発生する静電力が変わってしまうこと、すなわちミラー230の傾斜角が変化してしまうことを意味するからである。
正負の駆動電圧の時間比率を1:1から変化させると、より長い時間印加している方の極性の浮遊電荷が集まりやすくなる。そこで、本実施の形態では、正の駆動電圧の印加時間を負の駆動電圧の印加時間より短くしたり、逆に長くしたりして、正負の駆動電圧の時間比率を適宜変化させることにより、どちらの極性の浮遊電荷も集まらないようにすることが可能となり、ミラー230のドリフトの発生を抑制することができる。
なお、正負の駆動電圧の時間比率を変化させる方法は、駆動電圧の振幅でミラー230の傾斜角を制御する参考例に適用することもできるし、駆動電圧のデューティー比でミラー230の傾斜角を制御する第1の実施の形態に適用することもできるし、4値の駆動電圧を用いる第2の実施の形態に適用することもできる。参考例、第1の実施の形態、第2の実施の形態の場合、第1の区間の増大と第2の区間の減少とが生じるか、あるいは第1の区間の減少と第2の区間の増大とが生じるように、第1の区間と第2の区間の時間比率を調節すればよい。加えて第2の実施の形態の場合は、第4の区間の増大と第5の区間の減少とが生じるか、あるいは第4の区間の減少と第5の区間の増大とが生じるように、第4の区間と第5の区間の時間比率を調節すればよい。
また、参考例、第1の実施の形態、第2の実施の形態、第3の実施の形態、第4の実施の形態を適宜組み合わせてもよいことは言うまでもない。
本発明は、ミラー制御装置、および複数のミラー制御装置を2次元的に配置したミラーアレイに適用することができる。
100…ミラー制御装置、200…ミラー基板、211a,211b,221a,221b…トーションバネ、220…可動枠、230…ミラー、300…電極基板、340a〜340d…電極、400…ミラー電圧印加部、401…駆動電圧印加部、402…テーブル。

Claims (12)

  1. 回動可能に支持されたミラーと、
    このミラーから離間して配置された複数の電極と、
    駆動電圧を印加した電極と前記ミラーとの電位差が正電位である第1の区間と前記電位差が負電位である第2の区間とが少なくとも生じるように、前記駆動電圧として交流電圧を前記ミラーの所望の傾斜角に応じて生成して前記電極に印加する駆動電圧印加手段とを備え、
    前記駆動電圧印加手段は、前記第1、第2の区間に加えて、前記電位差が前記第1の区間の電位差と前記第2の区間の電位差との間の電位である第3の区間がさらに生じるように前記駆動電圧を生成し、前記第1、第2の区間の時間幅の和と前記第3の区間の時間幅との比率を前記ミラーの所望の傾斜角に応じて変え、
    さらに、前記ミラーの傾斜角の正方向の力を発生する第1の電極と前記傾斜角の負方向の力を発生する第2の電極に対して、回転する方向の力を発生する電極への駆動電圧の前記比率をもう一方の電極への駆動電圧の前記比率よりも大きくするように変化させて前記電極に前記駆動電圧を同時に印加することを特徴とするミラー制御装置。
  2. 請求項1記載のミラー制御装置において、
    前記駆動電圧印加手段は、前記電位差の平均直流成分が前記電極毎に略零となる前記駆動電圧を生成することを特徴とするミラー制御装置。
  3. 請求項1記載のミラー制御装置において、
    前記駆動電圧印加手段は、前記第1の区間の電位差の絶対値と前記第2の区間の電位差の絶対値とが等しくなるように前記駆動電圧を生成することを特徴とするミラー制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のミラー制御装置において、
    前記駆動電圧は、矩形波電圧であることを特徴とするミラー制御装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のミラー制御装置において、
    前記駆動電圧は、正弦波電圧であることを特徴とするミラー制御装置。
  6. 請求項1又は2記載のミラー制御装置において、
    前記駆動電圧印加手段は、前記第3の区間が、前記電位差が前記第1の区間の電位差より小さい正電位である第4の区間と前記電位差が前記第2の区間の電位差より小さい負電位である第5の区間とからなるように、前記駆動電圧を生成することを特徴とするミラー制御装置。
  7. 請求項6記載のミラー制御装置において、
    前記駆動電圧印加手段は、前記第1の区間の電位差の絶対値と前記第2の区間の電位差の絶対値とが等しく、前記第4の区間の電位差の絶対値と前記第5の区間の電位差の絶対値とが等しくなるように、前記駆動電圧を生成することを特徴とするミラー制御装置。
  8. 請求項1又は2記載のミラー制御装置において、
    前記駆動電圧印加手段は、前記第1の区間の増大と前記第2の区間の減少とが生じるか、あるいは前記第1の区間の減少と前記第2の区間の増大とが生じるように、前記第1の区間と前記第2の区間の時間比率を変化させることを特徴とするミラー制御装置。
  9. 請求項6記載のミラー制御装置において、
    前記駆動電圧印加手段は、前記第4の区間の増大と前記第5の区間の減少とが生じるか、あるいは前記第4の区間の減少と前記第5の区間の増大とが生じるように、前記第4の区間と前記第5の区間の時間比率を変化させることを特徴とするミラー制御装置。
  10. 請求項1又は6記載のミラー制御装置において、
    各区間の時間幅は、前記ミラーの傾斜動作の共振周波数の逆数より短いことを特徴とするミラー制御装置。
  11. 請求項1記載のミラー制御装置において、
    前記駆動電圧印加手段は、前記ミラーの傾斜角の正方向の力を発生する第1の電極と前記傾斜角の負方向の力を発生する第2の電極に対して、前記第1の電極への駆動電圧の前記比率と前記第2の電極への駆動電圧の前記比率とを、固定値を中心に前記傾斜角に応じて差動的に変化させることを特徴とするミラー制御装置。
  12. 請求項6記載のミラー制御装置において、
    さらに、前記第1、第4の区間において値が等しい電圧を前記ミラーに印加し、前記第2、第5の区間において値が等しくかつ前記第1、第4の区間と逆極性の電圧を前記ミラーに印加するミラー電圧印加手段を備え、
    前記駆動電圧印加手段は、前記第4の区間と前記第5の区間で0となる前記駆動電圧を生成することを特徴とするミラー制御装置。
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