JP5319411B2 - ミラー装置およびミラーアレイ - Google Patents

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Description

本発明は、回動角が可変なミラーを備えた静電駆動型のミラー装置、および、このミラー装置を2次元的に複数配設したミラーアレイに関するものである。
インターネット通信網などにおける基盤となる光ネットワークの分野では、多チャンネル化、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)化および低コスト化を実現する技術として、光MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術が脚光を浴びており、この技術を用いて光スイッチが開発されている(例えば、特許文献1参照)。このMEMS型の光スイッチの構成部品として最も特微的なものがミラーアレイであり、ミラーアレイは複数のミラー装置を2次元的にマトリクス状に配設したものである。このミラー素子について、図10,図11を参照して説明する。
ミラー装置は、ミラーが形成されたミラー基板(上部基板)200と、電極が形成された電極基板(下部基板)300とが平行に配設された構造を有するミラー素子100と、このミラー素子100に駆動電圧を供給することによりミラー素子100の動作を制御する制御装置(図示せず)とから構成される。
ミラー基板200は、平面視略円形の開口を有する板状の枠部210と、平面視略円形の開口を有し、一対のトーションバネ211a,211bにより枠部210の開口内に配設された可動枠220と、一対のトーションバネ221a,221bにより可動枠220の開口内に配設された平面視略円形のミラー230とを有する。枠部210、トーションバネ211a,211b,221a,221b、可動枠220およびミラー230は、例えば単結晶シリコンで一体形成されている。ミラー230の表面には例えば3層のTi/Pt/Au層が形成されている。
一対のトーションバネ211a,211bは、枠部210と可動枠220とを連結している。可動枠220は、一対のトーションバネ211a,211bを通る図10の可動枠回動軸xを軸として回動することができる。同様に、一対のトーションバネ221a,221bは、可動枠220とミラー230とを連結している。ミラー230は、一対のトーションバネ221a,221bを通る図10のミラー回動軸yを軸として回動することができる。可動枠回動軸xとミラー回動軸yとは、互いに直交している。結果として、ミラー230は直交する2軸で回動する。
電極基板300は、板状の基部310と、基部310の表面(上面)から突出し、上述したミラー基板200のミラー230と対向する位置に段丘状に形成された突出部320を有する。基部310と突出部320は例えば単結晶シリコンからなる。突出部320は基部310の上面に形成された角錐台の形状を有する第2テラス322と、この第2テラス322の上面に形成された角錐台の形状を有する第1テラス321と、この第1テラス321の上面に形成された柱状の形状を有するピボット330とから構成される。このピボット330は、第1テラス321のほぼ中央に位置するように形成される。これにより、ピボット330は、ミラー230の中心に対向する位置に配設される。
突出部320の四隅とこの四隅に続く基部310の上面には、対向するミラー基板200のミラー230と同心円の内側に4つの電極340a〜340dが形成されている。また基部310の上面には、突出部320を挟むように並設された一対の凸部360a,360bが形成されている。さらに、基部310の上面の突出部320と凸部360aおよび凸部360bとの間の箇所には、それぞれ配線370が形成されており、この配線370には、引き出し線341a〜341dを介して電極340a〜340dが接続されている。なお、基部310の表面には酸化シリコン等からなる絶縁層311が形成されており、この絶縁層311の上に電極340a〜340d、引き出し線341a〜341d、配線370が形成されている。
このようなミラー装置では、ミラー230を接地し、電極340a〜340dにそれぞれ正の電圧を与えて、電極340a〜340d間に非対称な電位差を生じさせることにより、ミラー230を静電引力で吸引して、ミラー230を任意の方向へ回動させている。
特開2003−057575号公報
しかしながら、従来のミラー装置では、ミラー230の回動の制御を4つの電極340a〜340dに個別の電圧を印加することにより行っていたので、例えば、多数のミラー素子を配設したミラーアレイなどにおいて各ミラーの回動を制御するには、多数の電極それぞれに個別の電圧を印加しなければならないので、駆動制御が複雑になっていた。
そこで、本発明は、容易に駆動制御できるミラー装置およびミラーアレイを提供することを目的とする。
上述したような課題を解決するために、本発明に係るミラー装置は、回動可能に支持されたミラーと、このミラーから離間して配置された少なくとも1つの定電圧電極と、ミラーから離間して配置された少なくとも1つの駆動電極と、定電圧電極に一定の電圧を印加するとともに、駆動電極に印加する電圧を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
上記ミラー装置において、定電圧電極は1つ設けられ、駆動電極は2つ設けられるようにしたり、定電圧電極および駆動電極がそれぞれ2つ設けたりするようにしてもよい。
上記ミラー装置において、一定の電圧は、定電圧電極のみに電圧を印加してミラーを回動させたときに、当該ミラーがその回動方向に必要とされている最大の回動角度以上に回動する値であるようにしてもよい。
上記ミラー装置において、定電圧電極および駆動電極に印加する電圧は、ミラーの回動角に依存しないバイアス電圧を含むようにしてもよい。
上記ミラー装置において、定電圧電極と駆動電極は、平面視したとき、ミラーの回動軸に対して略線対称に配置されているようにしてもよい。
また、本発明に係るミラーアレイは、複数のミラー装置を2次元的に配列したミラーアレイであって、ミラー装置は、上記ミラー装置からなり、各ミラー装置の各定電圧電極には、同一の電圧供給源から電圧が印加されることを特徴とするものである。
上記ミラーアレイにおいて、駆動電極は、2次元の平面上におけるミラーの回動軸に対して、より大きな回動角度が必要な側に配設されるようにしてもよい。
本発明によれば、定電圧電極に一定の電圧を印加し、駆動電極に所定の電圧を印加することにより、駆動電極に印加する所定の電圧の値のみを制御することでミラーの駆動を制御することができるので、より容易に駆動制御することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るミラー装置の構成を示す図である。 図2は、ミラーの回動軸と回動方向を説明するための図である。 図3は、駆動電圧とミラーの回動角度との関係を示す図である。 図4Aは、ミラーと2つの電極とからなるミラー素子の一構成例を示す断面図である。 図4Bは、図4Aのミラー素子における各電極に対する印加電圧とミラーに働く駆動力との関係を示す図である。 図5は、線形性を改善した場合の駆動電圧とミラーの回動角度との関係を示す図である。 図6は、光学装置の構成を模式的に示す図である。 図7は、ミラーアレイにおける最大回動角度が同じ象限となるミラー素子の組み合わせを説明する図である。 図8は、ミラーアレイの各ミラー素子における駆動電極と定電圧電極の配置を示す図である。 図9Aは、電極の一構成例を示す図である。 図9Bは、電極の一構成例を示す図である。 図10は、本発明の実施の形態に係るミラー素子の構成を模式的に示す分解斜視図である。 図11は、本発明の実施の形態に係るミラー素子の構成を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態に係るミラー装置は、図10,図11を参照して背景技術の欄で説明したミラー装置と、制御装置の構成が異なるものである。したがって、本実施の形態において、背景技術の欄で説明したミラー素子と同等の構成については、同じ名称および符号を付して、適宜説明を省略する。
<ミラー装置の構成>
図1に示すように、本実施の形態に係るミラー装置は、制御装置10と、ミラー素子100とから構成されている。
制御装置10は、定電圧印加部11と、駆動電圧印加部12とを備えている。
定電圧印加部11は、高電圧アンプやDAコンバータなどの電圧制御用駆動素子からなり、電極340a,340bに対して一定の電圧(以下、「固定電圧」という)を印加する。
駆動電圧印加部12は、高電圧アンプやDAコンバータなどの電圧制御用駆動素子または定電圧源からなり、ミラー230を回動させる角度に応じて、電極340c,340dに印加する電圧(以下、「駆動電圧」という)を制御する。なお、駆動電圧印加部12は、駆動電圧を印加する電極毎に設けられる。
ミラー素子100は、図10,11に示すように、ミラーが形成されたミラー基板200と、電極が形成された電極基板300とが平行に配設された構造を有する。
ここで、ミラー基板200と電極基板300とは、ミラー230とこのミラー230に対応する電極340a〜340dとが対向配置されるように、枠部210の下面と凸部360a,360bの上面とを接合することにより、図11に示すようなミラー素子100を構成する。
また、枠部210、トーションバネ211a,211b,221a,221b、可動枠220およびミラー230は、導電性の材料(本実施の形態では単結晶シリコン)で一体形成されている。
一方、単結晶シリコン等からなる基部310の表面には酸化シリコン等からなる絶縁層311が形成されており、この絶縁層311の上に電極340a〜340d、引き出し線341a〜341d、配線370が形成されている。
<ミラー装置の動作>
本実施の形態に係るミラー装置は、ミラー230を接地し、定電圧印加部11により電極340a,340bに固定電圧を印加し、駆動電圧印加部12により電極340c,340dに駆動電圧を印加して、電極340a〜340d間に電位差を生じさせることにより、ミラー230を静電引力で吸引して、ミラー230を任意の方向へ回動させる。
次に、本実施の形態に係るミラー装置と従来のミラー装置との相違点について、より詳細に説明する。
なお、便宜上、以下の説明において、ミラー230の2軸の回動軸のうち、図10,図2に示すx軸回りのみの回動を例に説明する。ここで、図2に示すように、x軸を正の方向から見たとき、時計回り方向の回動を+Rx、反時計回り方向の回動を−Rxと言う。
図10からわかるように、電極340a〜340dは、ミラー230と対向する電極が、x軸またはy軸に対して線対称に基部310上に配置されている。したがって、ミラー230の各軸回りの回動に関係する電極は、各軸に対して線対称に配置されている電極となる。x軸に対しては、電極340aと電極340cが線対称に配置されているので、これらの電極がx軸の回動に関係する。
従来のミラー装置において、+Rx方向の回動は、電極340aに駆動電圧を印加し、かつ、電極340cに駆動電圧を印加しないか、または電極340aよりも低い駆動電圧を印加することにより実現している。このように、従来のミラー装置では、ミラー230のx軸回りの回動を制御するには、電極340a,340cそれぞれの駆動電圧を制御しなければならないので、その駆動電圧を制御するための高電圧アンプやDAコンバータ等からなる電圧制御用駆動素子を2つ設けなければならない。
これに対して、本実施の形態では、上述したように電極340cに対しては固定電圧のみを印加する一方、電極340aに対してはミラー230の回動角度に応じた駆動電圧を印加して、電極340aへの駆動電圧のみを制御することによって、ミラー230の回動を制御する。したがって、その駆動電圧を制御するための電圧制御用駆動素子、すなわち駆動電圧印加部12を従来の半分の1つだけ設ければよい。
すなわち、電極340cに固定電圧を印加すると、ミラー230は−Rx方向に回動する。このような状態において、電極340aの駆動電圧の値を徐々に大きくしていくと、ミラー230が+Rx方向に回動して行く。電極340aへの駆動電圧が固定電圧と同程度になると、ミラー230は、その回動角度が0度となる、すなわちミラー230の主表面がミラー基板200や電極基板300の主表面と平行な状態となる。電極340aへの駆動電圧をさらに大きくしていくと、ミラー230の回動角度は、+Rx方向にさらに大きくなってゆく。
このように、本実施の形態では、ミラー230のx軸回りの回動を制御するのに、電極340aの駆動電圧のみを制御すればよいので、その駆動電圧を制御するための電圧制御用駆動素子、すなわち駆動電圧印加部12を従来の半分の1つだけ設ければよい。
図3に、従来のミラー装置と本実施の形態のミラー装置の電圧角度特性を示す。この図3は、それぞれのミラー装置において、電極340aに対する駆動電圧を変化させた際のミラー230の回動角度を示しており、符号aが本実施の形態に係るミラー装置、符号bが従来のミラー装置である。ここで、本実施の形態に係るミラー装置の固定電圧は90Vに設定している。また、従来のミラー装置の電極340cに対する駆動電圧は0Vに設定している。
なお、以下において、Rx方向の回動角度を+θx、−Rx方向の回動角度を−θxと呼ぶ。また、電極340aに印加する駆動電圧をVaと呼ぶ。
x軸回りにミラー230を回動させる場合、従来のミラー装置では、1つの電極のみに駆動電圧を印加しても、図3の符号bに示すように、+Rx方向または−Rx方向の何れか一方にのみ回動させることができるだけで、+Rx方向および−Rx方向の両方の方向にミラー230を回動させることはできなかった。これに対して、本実施の形態によれば、図3の符号aに示すように、1つの電極340cに印加する駆動電圧のみを制御することによって、ミラー230を+Rx方向および−Rx方向の何れの方向にも回動させることができる。
ここで、本実施の形態では、固定電圧として90Vを印加しているが、図3によれば、ミラー230を最大3.5度回動させるのに必要となる駆動電圧Vaは、符号aで表される本実施の形態と、符号bで表される従来のミラー装置とでは10V程度しか差がない。したがって、固定電圧を電極340cに印加するようにしても、ミラー230を最大に傾けるために必要な駆動電圧Vaは、従来よりもそれほど増加しないことがわかる。このように駆動電圧が増加しないのは、静電力が距離の二乗に反比例するからである。すなわち、ミラー230が+Rx方向に回動するにつれて、電極340aとミラー230との距離が離れ、電極340cによる静電引力が小さくなるからである。
また、本実施の形態では、固定電圧を90Vに設定したが、この固定電圧の値は、電極340aを接地して電極340cのみに電圧を印加したときに得られるミラー角度が、−Rx方向の回動角度−θxとして必要となる最大角度以上になるように設定される。このように設定するのは、電極340aの駆動電圧のみでミラー230の回動角度を制御するためである。このように設定することにより、電極340aの駆動電圧を0Vとすると、−θxが最大となる。
また、従来のミラー装置では、駆動電圧Va,Vcはx軸回りのミラー230の回動角度を決定する制御電圧Vxを用いてあらわすと、下式(1),(2)で表される(+Rx方向の回動時)。
Va=Vx ・・・(1)
Vc=0 ・・・(2)
このとき、図3に示すように、制御電圧に対するミラー230の回動角度の変化量が非線形になっている。したがって、ミラー230の回動角度によって制御電圧に対する角度分解能に差が生じるため、制御性が悪い。そこで、従来では、図4Aに示すように、回動軸xに対称な電極340aと電極340cの制御電圧を図4Bに示すように差動的に制御することにより、その線形性を改善している。なお、図4Bは、図4Aに示すように、一対のトーションバネにより回動可能に支持されたミラーと、このミラーと対向配置され、トーションバネの延在方向に対して線対称に設けられた2つの電極のうち、一方に電圧V1を、他方に電圧V2を印加したときの、ミラーの回動軸に対して働く力Fと印加電圧との関係を示したものである。
図4Bに示すように、V1印加時とV2印加時では、駆動力の働く方向が逆になる。また、V1とV2を差動的に電圧制御すると、V1とV2の増減が反転することになる。そこで、V1とV2を差動的に制御してV1とV2による駆動力を合わせると、制御電圧Vxと回動角との線形性が良くなることがわかる。
この線形性の改善方法を図10に示す従来のミラー装置に適用すると、回動軸を挟んで配置された電極340aの駆動電圧Vaおよび電極340cの駆動電圧Vcは、下式(3)、(4)に示すように、基準電圧Vbiasと制御電圧Vxとの差および和で表すことができる。
Va=Vbias−Vx ・・・(3)
Vc=Vbias+Vx ・・・(4)
これに対して、本実施の形態では、以下に述べる手法により、駆動電圧に対する回動角度の変化量の線形性を改善することができる。すなわち、本実施の形態においては、電極340aの固定電圧Vaおよび電極340cの駆動電圧Vcは、下式(5)、(6)で表すことができる。
Va=Vbias+Vconst=一定 ・・・(5)
Vc=Vbias+Vx ・・・(6)
上式(5)において、Vbias、Vconstはミラー230の回動角度に関わらず一定の電圧である。
Vconstは、制御電圧であるVxが0Vのときにミラー230の回動角度−θxが必要最大角度になるように設定すればよい。なお、このとき、電極340aにも基準電圧Vbiasが印加された状態である。
ここで、上式(3),(4)を適用した従来のミラー装置と、上式(5),(6)を適用した本実施の形態に係るミラー装置とにおける電圧角度特性を図5に示す。この図5では、Vbiasを60V、Vconstを40Vとしている。また、図5の符号cは従来のミラー装置、符号dは本実施の形態に係るミラー装置を示している。
図5の符号cに示すように、従来のミラー装置では、線形性が改善されていることがわかる。また、符号dで示す本実施の形態に係るミラー装置においても、線形性が改善されている。これにより、本実施の形態においては、1つの電極340aのみに駆動電圧を印加することによるミラー230の+Rx方向および−Rx方向の両方向への回動の制御を、線形的に行えることがわかる。
なお、上記Vbiasは、制御部10にメモリ等からなる記憶部を設け、この記憶部に予め記憶させるようにしてもよい。このとき、Vconstについても同様に上記記憶部に予め記憶させるようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、少ない数の駆動電極の電圧値を制御することでミラーの駆動を制御することができるので、より容易に駆動制御することができる。
なお、以上の説明においては、便宜上、ミラーを1つの軸回りに回動させる場合について説明したが、ミラーを2つの軸回りにそれぞれ回動させることができることは言うまでもない。この場合、回動軸毎に定電圧電極に印加する電圧を決定した上で、駆動電極のみでミラーの回動角度を制御することができる。
また、本実施の形態において、ミラー素子100を2次元的に多数配置してミラーアレイを構成した場合、定電圧電極に印加する電圧は、ミラー素子100毎に変える必要がない。したがって、1つの定電圧印加部11に、各ミラー素子100の定電圧電極を並列に接続することにより、装置全体の電圧制御用駆動素子の数量を従来よりも削減することができる。なお、ミラーアレイにおいては、複数のミラー装置をそのまま配列して、ミラー素子100毎に定電圧印加部11を設けるようにしてもよいことは言うまでもない。
ところで、上記ミラーアレイにおいて、例えばアレイ中の位置などによりミラー230を回動させる主たる方向や回動角度が異なる場合には、定電圧電極と駆動電極の配置をミラー毎に変えた方が望ましい。これは、ミラーの主たる回動方向や回動角に応じて電極の配置を変えることにより、定電圧電極に要求される印加電圧を小さくすることができるからである。ミラーアレイにおける定電圧電極と駆動電極の配置について、図6を参照して説明する。
図6に示す光学装置は、複数の入力ポートを有する入力コリメータアレイ400と、ミラー素子100が行方向および列方向に4個ずつ配列されたミラーアレイ500と、行方向および列方向に4個ずつ受光素子が配列されたアレイ受光部600とから構成されている。このような光学装置において、入力コリメータアレイ400の入力ポートから入力された、コリメートされた光信号は、そのミラーアレイ500のその入力ポートに対応するミラー素子のミラーにより反射され、アレイ受光部600の何れかの受光素子に入射する。便宜上、図6に示すように、ミラーアレイ500のミラー素子100に対して、行方向にa〜d、列方向に1〜4、アレイ受光部600の受光素子に対して、行方向にe〜h、列方向に5〜8の符号を付して説明する。
例えば、ミラーアレイ500とアレイ受光部600のサイズが同一である場合、a1のミラー素子100からの反射光が相対するe5の受光素子に到達する光路(以下、「正面パス」と呼ぶ。)を実現する際に、そのa1のミラー素子100のミラー230の回動角度は0度となる。
ここで、a1のミラー素子100のミラーの回動角が最大となるのは、受光部e5から最も遠い受光部h8に光路を切り替えるときである。同様に、b2のミラー素子100についても、ミラーの回動角が最大となるのは、受光部e6から最も遠い受光部h8に光路を切り替えるときである。このような場合、横軸をx軸回りの回動角θx、縦軸をy軸回りの回動角θyとする座標平面において、最大回動角度がその座標平面における第1〜第4象限の何れかに含まれるか組み分けすると、図7に示すようにA〜Dの4つの領域に分けることができる。すなわち、領域Aのミラー素子は、ミラーの回動角が最大となるのが、θx方向の負の側でθy方向の正の側となる。同様に、領域Bのミラー素子はθx方向の正の側およびθy方向の正の側、領域Cのミラー装置はθx方向の負の側およびθy方向の負の側、領域Dのミラー装置はθx方向の正の側およびθy方向の負の側となる。
電極の配置は、定電圧電極に印加する電圧を小さくするためには定電圧電極によって回動する方向の最大回動角は小さいほうが望ましいことから、上記領域毎にミラーの回動角が最大となる方向とは逆方向に定電圧電極を配置すればよい。したがって、この例においては、図8に示すように、A〜Dの領域に応じて駆動電極と定電圧電極とを配置することにより、1つの定電圧印加部11をミラーアレイ500に含まれるミラー素子100で共有しつつ、その固定電圧の値を最小にすることができる。具体的には、領域Aの場合には、x方向の正の側に設けられた電極340dおよびy方向の正の側に設けられた電極340aを定電圧電極、x方向の負の側に設けられた電極340bおよびy方向の負の側に設けられた電極340cを駆動電極とする。同様に、領域Bの場合には、電極340c,340dを定電圧電極、電極340a,340bを駆動電極とし、領域Cの場合には、電極340a,340bを定電圧電極、電極340c,340dを駆動電極とし、領域Dの場合には、電極340b,340cを定電圧電極、電極340a,340dを駆動電極とする。
上述したように定電圧電極および駆動電極を配置することにより、定電圧電極に要求される印加電圧を小さくすることができる。これにより、例えば、固定電圧の増大に伴って駆動電圧も増大し、ミラー230に対して回動方向の駆動以外に電極方向に引き寄せる力が加わり、ミラー230と電極間の距離が近くなってプルインと呼ばれる静電引力とバネの復元力の釣り合いが取れない制御不能な状態になるのを防ぐこともできる。
なお、ここではミラーアレイ500とアレイ受光部600のサイズが同一である場合について説明したが、そのサイズは同一でなくてもよい。ミラー毎に、正方向(+θ)および負方向(−θ)における必要回動角のうち小さい方に回動する側に定電圧電極を配置すればよい。
また、本実施の形態では、4つの電極340a〜340dを有するミラー素子100において、そのうち2つの電極を定電圧電極とする場合について説明したが、ミラー素子に設ける電極の数は4つに限定されず、適宜自由に設定することができる。
例えば、図9Aに示すように、本実施の形態における電極340a〜340dのうち、定電圧電極を1つの電極とした3つの電極からなるようにしてもよい。このようにしても、本実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。
また、図9Bに示すように、それぞれ大きさが等しい3つの電極から構成されるようにしてもよい。この場合、2つの駆動電極と1つの定電圧電極とから構成されるようにするのが望ましい。このような構成にすることにより、角度制御性の向上や最大駆動電圧の低電圧化を期待することができる。
このように、ミラー素子における電極の数量を3つにした場合においても、そのミラー素子でミラーアレイを構成し、ミラー毎に電極の配置を変えることにより、定電圧電極に印加する電圧を低減させることができる。
本発明は、例えば、MEMSミラー素子など、複数の電極に電圧を印加することによって静電引力を働かすことにより駆動させる各種素子に適用することができる。
10…制御部、11…定電圧印加部、12…駆動電圧印加部、100…ミラー素子、400…入力コリメータアレイ、500…ミラーアレイ、600…アレイ受光部。

Claims (7)

  1. 回動可能に支持されたミラーと、
    このミラーから離間して配置された少なくとも1つの定電圧電極と、
    前記ミラーから離間して配置された少なくとも1つの駆動電極と、
    前記定電圧電極に一定の電圧を印加するとともに、前記駆動電極に前記ミラーの回動角に応じた電圧を印加する制御手段と
    を備え
    前記定電圧電極および前記駆動電極に印加する電圧は、ミラーの回動角に依存しないバイアス電圧を含む
    ことを特徴とするミラー装置。
  2. 前記定電圧電極は、1つ設けられ、
    前記駆動電極は、2つ設けられる
    ことを特徴とする請求項1記載のミラー装置。
  3. 前記定電圧電極および前記駆動電極は、それぞれ2つ設けられる
    ことを特徴とする請求項1記載のミラー装置。
  4. 前記一定の電圧は、前記定電圧電極のみに電圧を印加して前記ミラーを回動させたときに、当該ミラーがその回動方向に必要とされている最大の回動角度以上に回動する値である
    ことを特徴とする請求項1−3の何れか1項に記載のミラー装置。
  5. 前記定電圧電極と前記駆動電極は、平面視したとき、前記ミラーの回動軸に対して略線対称に配置されている
    ことを特徴とする請求項1−の何れか1項に記載のミラー装置。
  6. 複数のミラー装置を2次元的に配列したミラーアレイであって、
    前記ミラー装置は、請求項1−の何れか1項に記載にされたミラー装置であり、
    各ミラー装置の各定電圧電極には、同一の電圧供給源から電圧が印加される
    ことを特徴とするミラーアレイ。
  7. 前記駆動電極は、前記2次元の平面上における前記ミラーの回動軸に対して、より大きな回動角度が必要な側に配設される
    ことを特徴とする請求項記載のミラーアレイ。
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