JP4359479B2 - 不正検出機能付きスロットマシン - Google Patents
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Description
特に、本発明は、所定の範囲内の数を順次繰り返しカウントし、スタートレバーの押下に対応するタイミングにカウントした数を、乱数として用いることにより内部抽選を行うスロットマシンにおいて、生成した乱数を順次記憶し、乱数の発生に一定の傾向が存在する場合は、不正が行われている可能性やプログラムの中にバグがあると判定する不正検出機能付きスロットマシンに関する。
この種のスロットマシンでは、一般に、ゲームの面白さを増す等のために、複数のリールが一定の確率で自動的に制御され、各リールに付された図柄が所定配列となるよう停止する、いわゆる「内部当たり」と呼ばれる入賞制御が行われるようになっている。
具体的には、内部抽選の結果、所定の入賞内容に当選すると、回転する複数のリールは、一定範囲内(例えば、該当する図柄の位置から図柄4コマ分の範囲内)で、遊技者が各ストップボタンを押すタイミングに拘わらず、図柄が入賞ライン上で「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」、「スイカ・スイカ・スイカ」、「ベル・ベル・ベル」等、その入賞内容に応じた所定の配列となるように停止制御(入賞制御)される。
そして、この停止制御の結果、遊技の巧拙等に拘わらず、遊技者が一定範囲内でストップボタンを押下すれば、図柄が所定の入賞配列となるようにリールが停止するので、遊技者には停止した入賞配列に応じた所定量のメダルが払い出されることになる。
そして、このようなリールの停止制御が行われる入賞内容としては、一般に、数種類の入賞内容が設定されるようになっており、内部抽選によって各ゲーム毎にいずれかの入賞内容が決定される。
入賞内容は、例えば、大量のメダル払出しが可能となる「レギュラー・ボーナス(RB)」や「ビッグ・ボーナス(BB)」等のボーナス・ゲーム、少量のメダル払出しがある「小役」、メダル投入なしで遊技が行える「再遊技(リプレイ)」、メダル払出しのない「ハズレ」等、数種類があり、抽選で決定された各入賞内容に応じて所定数の入賞メダルが払い出され、また払い出されないようにリールが停止制御されるようになっている。
「RB」の場合、抽選に当選後、所定の入賞図柄(例えば「BAR・BAR・BAR」)が揃うとボーナス・ゲームが開始(入賞)となり、以後数ゲームが1セットとなったボーナス・ゲーム用のリール停止制御が行われ、そのボーナス・ゲーム中は、「小役」や大量払出しのある「大当たり」の図柄配列となるよう、リールが継続的に制御され、百枚以上のメダルが払い出されるようになる。
抽選の結果「ハズレ」となった場合には、各リールは図柄がメダル払出しのない配列(いずれの入賞図柄も揃わない配列)となるように停止制御される(入賞阻止制御)。
そして、遊技者がスタートレバーを押下したタイミングにカウントを行った数が、入賞内容に割り当てられた数であるかどうかを、抽選テーブルを用いて判定することにより入賞内容に当選したかどうかの判断が行われている。
したがって、乱数発生装置により発生する乱数は、真にランダムなものとなり、スロットマシンにおける内部抽選の当選確率は、通常であれば抽選テーブルの設定通りに得られることとなる。
そして、このようなスロットマシンの内部抽選における弱点をついた不正行為が発生し、問題となっている。
例えば、ソレノイドゴトは、ソレノイドを用いて一定の間隔でスタートレバーを押下することを可能とするものである。そして、そのスタートレバーを押下するタイミングを微調整できるようにすることによって、当選が得られるまで調整し、一度当選すれば以降はほぼ自動的に当選するものである。また、調整を繰り返すことによって、RBやBBといった当たり役を狙うことが可能となっている。
また、同時にスロットマシンの稼働当初における制御プログラムなどのバグを原因とする内部抽選の偏りを検出することの可能な不正検出機能付きスロットマシンの提供を目的とする。
すなわち、乱数の発生に所定の傾向があるかどうか、言い換えれば乱数がランダムに発生していない可能性が高いかどうかを判断することで、乱数の発生に不正な操作が介在していないかどうかを判断することができる。
このため、例えばソレノイドなどを用いてスロットマシンのスタートレバーを操作することによって、乱数の発生傾向に影響を与え、不正に当選を獲得する不正行為を正確かつ早期に検出することができ、適切にこれを防止することが可能となる。
このように内部的に生成した乱数をそのまま用い、その乱数が乱数とは言えないような傾向をもっているかどうかを判断することができるため、不正が行われた可能性があるかどうかを正確なデータにもとづき判断することができるとともに、発生傾向にもとづき判断することから早期に不正行為を検出することが可能となる。
例えば、ソレノイドなどを用いた不正行為では、乱数の発生周期における当選領域にタイミングを合わせて、スタートレバーを押下するように調整が行われるため、発生する乱数の値は、その一回前のゲームで内部抽選に使用された乱数の値から一定の範囲内に調整されることになる。
このため、このような傾向を検出することによって、不正が行われた可能性が高いと判断することが可能となる。
この場合、変換前の乱数は、不正装置の使用により乱数発生周期におけるほぼ同一の位置に集中したり、あるいは不正装置を用いてタイミングの調整が行われることにより少しづつその位置がすれていく傾向で生成されると考えられる。
したがって、このような場合にも、上述のように乱数発生手段により生成された乱数の発生傾向を分析することによって、不正が行われた可能性があるかどうかを判断することが可能となる。
したがって、不正行為を早期に防止することが可能となる。
このため、不正装置の使用を極めて早期に検出することができ、不正行為の排除を行うことが可能となる。
このため、遊技店側は、不正行為が行われていることを、容易かつ迅速に把握することが可能となる。
このため、ソレノイドゴトや体感器ゴトなどの不正装置を用いてスタートレバーを操作し、不正に当選を獲得している不正行為者を検知することができ、その行為を取り締まることが可能となる。
さらに、ハズレのみが連続して出現しているような状況においても、発生している乱数に着目することにより不正装置が使用されていることを検出することができ、極めて早期に不正装置の使用を見破ることが可能である。
そして、このような不正行為を検出するための手段を、スロットマシンの本体にもたせることができることから、上位のコンピュータに対しては、大きな変更を行うことなく不正検出を実現することが可能となる。
なお、以下の実施形態に示す本発明の不正検出機能付きスロットマシンは、プログラムに制御されたコンピュータにより動作するようになっている。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、スロットマシンの動作に必要となる所定の処理、例えば、リールの回転及び停止制御処理,内部当たりの抽選処理,メダルの払出処理,不正検出処理等を行わせる。このように、本発明のスロットマシンにおける各処理,動作は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現できるものである。
プログラムは予めROM,RAM等の記録媒体に格納され、コンピュータに実装された記録媒体から当該コンピュータにプログラムを読み込ませて実行されるが、例えば通信回線を介してコンピュータに読み込ませることもできる。
また、プログラムを格納する記録媒体は、例えば半導体メモリ,磁気ディスク,光ディスク、その他任意のコンピュータで読取り可能な任意の記録手段により構成できる。
まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係る不正検出機能付きスロットマシンの本体の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの本体を示す概略正面図である。また、図2は、同じく本実施形態に係るスロットマシン本体の内部構造を示す概略斜視図である。
これらの図に示すように、本実施形態のスロットマシンは、従来のスロットマシンと同様、スロットマシン1に備えられた複数のリール21(図2に示すリール21a,21b,21c参照)を回転させ、各リール21a〜21cに付された図柄(文字,数字,絵柄等)を所定の配列に停止させることによって入賞メダルを獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
具体的には、スロットマシン1は、内部に必要な構成,装置等を収納した筐体状に構成されており、前面側は前面パネル2によって開閉自在に覆われるようになっている。
前面パネル2は、図1及び図2に示すように、スロットマシン1に対して開閉自在に取り付けられる扉体で、スロットマシンの正面部を構成している。
表示窓3は、スロットマシン1内部に配設された三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21c(図2参照)の視認用の窓部で、通常、無色透明又は有色透明な樹脂製パネル等からなり、三つの各リール21の周囲に描かれた複数の図柄のうち、縦方向に連続して隣接する複数(通常三つ)の図柄をそれぞれ視認,識別できるようになっている。
表示窓3には、入賞ライン表示が描かれており(図1では5ライン)、入賞ライン表示に沿って停止,配列されたリール21a〜21cの図柄の組合せによって、ゲームの入賞が決定されるようになっている。
スタートレバー4は、三つの各リール21の回転を開始させるゲームスタート手段であり、このスタートレバー4が遊技者の操作によって押下されることで、後述する制御手段10にスタート信号が出力され(図3参照)、本体内部の各リール21a〜21cが一斉(又は順次)に回転するようになっている。
このスタートレバー4の押下によりスタート信号が入力されることで、後述する制御手段10の乱数発生手段11aにおいて(図3参照)乱数の生成が行われ、この乱数を用いて、制御手段10の抽選手段11bにおいて(図3参照)内部当たりの抽選が行われるようになっている。
また、この乱数生成の後に、スタートレバー4の押下が不正に行われているかどうかを分析し、不正行為が行われているおそれがあると判断される場合には、その信号の出力を行う不正検出処理が、制御手段10の不正検出手段11cにおいて(図3参照)実行されるようになっている。
従って、遊技者がこれらスタートレバー4及びストップボタン5を操作することにより、三つのリール21a〜21cを回転及び停止させて、各リール21a〜21cに付された図柄を所定の入賞配列となるよう揃えるスロットマシン遊技を行うことができる。
各リール21a〜21cに備えられる図柄は、各リールごとに等間隔で配設され、例えば「7」や「BAR」等の文字や、スロットマシンのキャラクターや果物等を示す絵柄等が、所定の順番で表示されており、通常、各リールに21個ずつの図柄が表示されるようになっている。
そして、このリール21a〜21cの図柄が、対応するストップボタン5a〜5cが押下操作されることで、上述した表示窓3の入賞ライン表示に沿って、例えば「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」等、所定の組合せで停止されることで入賞が決定される。
このドラムユニット20により、制御手段10で行われる内部抽選の結果に応じてリール21の停止位置が制御され、遊技者のストップボタン5を押すタイミングに拘わらず、すなわち、各ストップボタン5a〜5cの押下タイミングがずれていても、一定範囲内(通常、図柄4コマの範囲内)で対応するリール21a〜21cの図柄が特定配列となるよう、リール21が停止制御されるようになっている。
これにより、スタートレバー4からのスタート信号を契機として制御手段10で内部抽選が行われ、制御手段10からの制御信号によりドラムユニット20が制御されることで、ストップボタン5が押下されるタイミングに拘わらず、一定範囲内で内部抽選の結果に応じた停止位置で各リール21a,21b,21cが停止されることになる。
メダル投入口6は、ゲームに使用される遊技媒体となるメダルの受け入れ口であり、このメダル投入口6から投入されるメダル数だけゲームが行えるようになっている。
ここで、メダル投入口6の本体内部側には、図示しないメダル検出部が備えられ、投入されたメダル数がカウントされ、そのメダル数を示すメダル信号が、本体内部の制御手段10に出力されるようになっている(図2参照)。
また、メダル投入口6から投入されるメダルの数は、貯留メダル数として後述する制御手段10内の記憶部12に記憶されるようになっており(図3参照)、遊技の開始に先立って、予め複数のメダルを投入して貯留メダルとして貯留,記憶できるようになっている。
このメダルBETスイッチ7が押下されると、メダル信号が制御手段10に出力され(図3参照)、押下された回数と同数のメダルが、記憶部12の貯留メダルからゲームに投入されることになる。
なお、本実施形態では特に図示しないが、メダルBETスイッチ7は、一回の押下によって一ゲームに投入可能な最大数のメダルを貯留メダルから投入するMAX-BETスイッチや、一回の押下で一枚のメダルを貯留メダルから投入する1-BETスイッチ等の種類がある。
入賞メダル払出し口8は、ストップボタン5の押下によって停止されたリール21が所定の入賞配列となった場合に、当該配列に応じた数量の入賞用のメダルが払い出されるようになっている。
スピーカ9は、遊技者に対してメロディ音やメッセージ音等の各種の音声を発生するようになっている。このスピーカ9に、例えば、制御手段10で内部抽選が行われ、所定のボーナス・ゲームに入賞した場合に、それを告知する内部当たり告知音声を発するようにすることも好ましい。
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係るスロットマシンを制御する制御手段10について、図3を参照しつつ説明する。
図3は、図1に示す本実施形態に係るスロットマシンの制御手段の概略を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態の制御手段10は、例えば、CPUとRAM,ROM等からなるマイクロコンピュータでプログラムが実行されることにより実現され、上述したようなスロットマシン1の各部の処理,動作を制御する。
具体的には、本実施形態の制御手段10は、図3に示すように、制御部11と記憶部12を備え、制御部11は、乱数発生手段11a,抽選手段11b,分析情報記憶手段11c,不正検出手段11dの各手段を備えている。
また、制御部11は、スタートレバー4からのスタート信号及びストップボタン5a〜5cからのストップ信号を入力することにより、リール21の制御信号となるパルス(駆動)信号をドラムユニット20へ出力し、リール21a〜21cを回転及び停止させる。これにより、ドラムユニット20では、スタート信号によってリール21a〜21cを回転させるとともに、ストップボタン5a〜5cの押下操作により入力されるストップ信号により、対応するリール21a〜21cを停止させることになる。
この抽選手段11bでは、従来のスロットマシンの場合と同様に、記憶部12に予め設定,記憶された抽選テーブルを用いて、乱数に対応する入賞内容を示す抽選結果情報を取得することにより内部抽選が行われる。
このように、この内部抽選の結果により各ゲームにおける入賞内容が決定され、その入賞内容に応じてリール21の停止位置が制御されることになり、ある入賞内容に当選すると、遊技者のストップボタン5を押すタイミングに拘わらず、一定範囲内で各リール21に付された図柄がその入賞内容に応じた配列となるように停止制御されることになる。すなわち、制御部11は、抽選手段11bの抽選結果に応じた所定の入賞配列にリール21を停止制御するパルス(駆動)信号をドラムユニット20に出力し、ドラムユニット20では、この信号に基づいてリール21の停止位置を制御する。これにより、各リール21a〜21cは、ストップボタン5a〜5cが押下されるタイミングに拘わらず、一定範囲内で、図柄が入賞内容に応じた所定の入賞配列となるように停止するようになる。
そして、抽選手段11bは、乱数発生手段11aにより生成された乱数が、この周期におけるどの範囲の値を示すものであるかということによって、抽選を行っている。このような乱数の値の範囲と、入賞内容を示す抽選結果情報の対応関係は記憶部12における抽選テーブルに予め格納されている。
以下、ソレノイドゴトによる不正行為を例に、より詳細に説明する。
不正行為者は、このソレノイドゴトに係る不正装置をスロットマシンのスタートレバー4に取り付け、この装置を用いることによって、上記乱数発生手段11aにおけるICカウンタのカウント周期と同一の周期で、スタートレバー4を押下する。すなわち、不正装置を用いることによって、カウント周期における同一の位相に毎回タイミングを合わせて、スタートレバー4を押下することが可能になっている。また、そのタイミングを少し遅らしたり、あるいは早めたりする微調整を可能とすることにより、特定の入賞内容に徐々に近づけることを可能としている。
一般に、再遊技は、スロットマシンにおいて最も当選確率が高く、狙いやすい入賞内容であり、その当選確率は、およそ7分の1に設定されている。したがって、2回連続して再遊技が当選する確率は約50分の1、3回連続して再遊技が当選する確率は約350分の1、4回連続して再遊技が当選する確率は約2500分の1、5回連続して再遊技が当選する確率は約17000分の1である。スロットマシン遊技は、遊技店の開店時から閉店時まで連続して遊技を行った場合、およそ7000ゲーム程行うことができるが、このような再遊技が連続して出現する確率を考えると、4回連続して再遊技が当選することは、一日中遊技を行っている場合でも3回程度しか起こらないと考えられる。また、5回以上連続して再遊技が当選することは、一日中遊技を行っても、1回も起こらない場合が多いと考えられる。
したがって、同じ役が数多く連続して当たり、しかも乱数の位相が少しづつずれて変化している場合は、ソレノイドゴトなどによる不正が行われている可能性が大きいと考えられる。
しかしながら、図5に示す不正に行った遊技の実行結果では、多数回にわたって連続して小役を当選させることができており、また、その位相が少しづつ変化していることが見て取れる。同図において、実線グラフの左端が最初のゲームを表わしており、はじめ大きく当選の範囲からはずれていたのが、少しづつ位相を変化させることにより小役を狙い当てることができるようすが示されている。そして、二重目の細かい破線グラフ、三重目の粗い破線グラフでは、安定して小役を当選させることができている。
このように不正装置を使用することによって、特定の値に狙いを定めて乱数を発生することができるため、スロットマシンに精通し、不正装置の扱いに慣れた不正行為者であれば、さらに正確に入賞内容を狙うことができるものと推測される。
具体的には、本実施形態における分析情報記憶手段11cは、スタートレバー4からのスタート信号にもとづき乱数発生手段11aにより出力された乱数を、ゲームごと(内部抽選ごと)に記憶部12に記憶する。また、分析情報記憶手段11cにより、抽選手段11bで行われた内部抽選の結果、当選した場合の当たり役をゲームごとに記憶部12に記憶させることも好ましい。
すなわち、乱数発生手段11aにより出力された乱数と、一回前のゲームにおいて乱数発生手段11aにより出力された乱数の差の絶対値が、乱数発生手段11aによりカウントされる乱数の最大値に対して所定の割合以下であるかどうかを確認するとともに、所定の割合以下である場合が、所定の回数連続したかどうかを確認し、所定の回数連続している場合に、不正が行われた可能性があると判断する。
さらに、遊技における各種の状態(例えば、通常ゲーム,RB,BB等)別にメダルの投入枚数と払出し枚数を区分して記録し、所定のタイミングで出率(払出し枚数÷投入枚数)を計算して、その出率が所定のタイミングごとに状態別に定義された出率の所定の数値を超えた場合に、不正が行われた可能性があると判断するようにすることも可能である。
これらの手法は、特に未知の不正行為や、プログラムのバグの検出に有効なものとして用いることが可能である。
例えば、最小二乗法,マルカート法,ニュートン法等によって、内部抽選に用いられる乱数が、不正行為によりランダムに生成されておらず、特定の傾向をもって出現していることを検出することができる。
なお、最小二乗法等の適用にあたって、乱数発生手段11aにより出力された乱数の最大値と最小値を除外したり、極大値又は極小値と見なし得る値の除外を考慮することも可能である。
そして、この外部出力端子31からのリレー信号を遊技店におけるホールコンピュータなどに入力し、そのコンピュータ上に遊技機ごとに不正が行われた可能性があることを示す表示を行う。また、そのリレー信号にもとづいて、呼び出しランプなどを点灯させたり、スピーカから警告音を出力することも好ましい。
これによって、遊技店側は、不正に遊技が行われていることを容易かつ迅速に把握することが可能となる。
また、本発明によれば、乱数発生手段11aにより生成した乱数の変化傾向にもとづいて不正の検出を行うことができるため、不正の検出を早期に行うことが可能であるとともに、正確な乱数の情報にもとづいて不正の検出を行うことが可能となる。
例えば、記憶部12には、抽選手段11bでの内部抽選に用いられる抽選テーブルなどが記憶されるようになっている。
また、記憶部12には、上述したメダル投入口6から投入される貯留メダルの枚数(貯留メダル数)が記憶され、メダルBETスイッチ7のメダル信号により、記憶された貯留メダル枚数が減少される。
そして、本実施形態では、上述したように、内部抽選ごとに乱数発生手段11aにより生成される乱数は、分析情報記憶手段11cによって記憶部12に記憶される。ただし、乱数は、記憶部12に記憶しなければならないものではなく、記憶部12とは別個の記憶装置に記憶する構成としてもかまわない。
従って、既存マシンと同様の部分については詳細な説明は省略する。
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係るスロットマシンの動作について、図7を参照しつつ説明する。図7は、本実施形態に係るスロットマシンの動作の概略を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、遊技者がメダル投入口6にメダルを投入することでゲームが開始される(図7に示すステップ701)。
ここで、投入されるメダルは、通常、表示窓3上の入賞ラインに対応して1枚掛け,2枚掛け又は3枚掛けに割り当てられ、4枚以上のメダルが投入された場合、4枚以上のメダルは貯留メダルとして制御手段10の記憶部12に記憶される。従って、貯留メダルは、メダルBETスイッチ7によって2回目以降のゲームにおいて投入可能に貯留されることになる。
また、乱数発生手段11aにおいて生成された乱数、すなわちカウント周期における位相情報を、不正を検出するための分析情報として、分析情報記憶手段11cがゲームの度に記憶部12に蓄積する。また、このときその乱数を用いて行われた内部抽選の結果情報も、不正を検出するための分析情報として合わせて蓄積することが好ましい(ステップ704)。
不正が行われた可能性があると判断された場合(ステップ706のYes)、不正検出手段11dは、不正が行われた可能性があることを示すための信号を外部出力端子31に出力する(ステップ707)。この場合、遊技自体には何らの影響も与えず、以降は通常の遊技状態が実行されることになる。また、不正が行われた可能性があると判断されなかった場合についても、通常の遊技状態が実行される(ステップ706のNo)。
すなわち、遊技者によりストップボタン5a〜5cが押下操作され、各ストップボタン5a〜5cに対応するリール21a〜21cが停止制御され、通常の遊技動作が実行されることになる。
また、このように乱数の発生傾向にもとづいて、不正に遊技が行われた可能性があるかどうかを判断することにより、RBやBBなどの当たり役が当てられた後でなくとも、早期に不正行為が行われていることを検出することが可能となっている。
また、スロットマシンの製造時や稼働初期において、プログラムのバグにより、内部抽選における乱数の発生に問題があるような場合についても、本実施形態のスロットマシンによればこれを検出することが可能となる。
例えば、上述した実施形態においては、制御部11の構成に、乱数発生手段11a及び抽選手段11bを用いた場合について説明しているが、乱数発生手段11aの機能を抽選手段11bに含めて、一つの手段として構成することも勿論可能である。また、制御手段10自体を複数に分割した構成とする変更などを加えることも可能であり、本発明の不正検出機能付きスロットマシンの詳細な設計事項については適宜変更できることは勿論である。
例えば、上述のように外部出力端子31にリレー信号を出力し、この信号を用いてホールコンピュータ等にメッセージなどを表示したり、あるいはランプの点灯を行うこと等により、遊技店側にこれを知らせるようにすることができる。また、スロットマシン自体の所定のランプを点滅等させたり、スロットマシンの全体の照明を消すことによって、あるいはスピーカ9から音声出力や、所定の表示手段からメッセージ表示等を行うことにより、不正行為者に警告を与える構成とすることも可能である。
また、このような場合に、スロットマシン自体を振動させることなどによって、不正行為に対する警告を与える構成とすることも可能である。
2 前面パネル
3 表示窓
4 スタートレバー
5(5a,5b,5c) ストップボタン
6 メダル投入口
7 メダルBETスイッチ
8 入賞メダル払出し口
9 スピーカ
10 制御手段
11 制御部
11a 乱数発生手段
11b 抽選手段
11c 分析情報記憶手段
11d 不正検知手段
12 記憶部
20 ドラムユニット
21(21a,21b,21c) リール
30 外部集中端子部
31 外部出力端子
Claims (7)
- 回転する複数のリールが所定の図柄配列に停止されることで所定数のメダルが払い出されるスロットマシンであって、
内部抽選に用いられる乱数の値の範囲に対応させて抽選結果情報を保有する抽選テーブルを記憶する記憶部と、
所定の範囲内の数を順次繰り返しカウントし、当該スロットマシンにおけるスタートレバーの押下に対応するタイミングにカウントした数を乱数として出力する乱数発生手段と、
前記出力された乱数にもとづいて前記抽選テーブルから対応する抽選結果情報を取得することで前記内部抽選を行う抽選手段と、
内部抽選ごとに生成される乱数を所定の記憶部に順次記憶させる分析情報記憶手段と、
前記内部抽選に用いられる乱数の発生に、所定の傾向が存在するかどうかを判定し、所定の傾向が存在する場合に、不正が行われた可能性があると判断する不正検出手段と、を備え、
前記不正検出手段が、
前記所定の記憶部に順次記憶される乱数に基づき、前記乱数発生手段により出力された乱数と、一回前のゲームにおいて前記乱数発生手段により出力された乱数の差の絶対値が、前記乱数発生手段によりカウントされる乱数の最大値に対して所定の割合以下であるかどうかを確認するとともに、所定の割合以下である場合が、所定の回数連続したかどうかを確認し、
所定の回数連続している場合に、不正が行われた可能性があると判断する
ことを特徴とする不正検出機能付きスロットマシン。 - 前記不正検出手段が、前記乱数の発生に所定の傾向が存在するかどうかを判定するにあたって、
前記所定の割合以下である場合が、所定の回数に達し、かつ、内部抽選において、当たりの抽選結果が前記所定の回数に達している場合に、不正が行われた可能性があると判断する
ことを特徴とする請求項1記載の不正検出機能付きスロットマシン。 - 前記当たりの抽選結果が、ボーナス・ゲーム以外の、少量のメダル払出しがある所定の小役当選である
ことを特徴とする請求項2記載の不正検出機能付きスロットマシン。 - 前記当たりの抽選結果が、ボーナス・ゲーム以外の、メダル投入なしで次回の遊技が行える再遊技当選である
ことを特徴とする請求項2又は3記載の不正検出機能付きスロットマシン。 - 前記不正検出手段が、前記乱数の発生に所定の傾向が存在するかどうかを判定するにあたって、
前記所定の割合以下である場合が、所定の回数に達し、かつ、内部抽選において、ハズレの抽選結果が前記所定の回数に達している場合に、不正が行われた可能性があると判断する
ことを特徴とする請求項1記載の不正検出機能付きスロットマシン。 - 前記不正検出手段が、不正が行われた可能性があると判断した場合に、
不正が行われた可能性があることを示す信号を当該スロットマシンの外部集中端子部の外部出力端子を介して、少なくとも外部コンピュータ、ランプ、又はスピーカのいずれかに出力する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の不正検出機能付きスロットマシン。 - 前記不正検出手段が、不正が行われた可能性があると判断した場合に、
スロットマシンに備えられた所定の照明を消灯若しくは点滅させ、及び/又は、
スロットマシンに備えられたスピーカから所定の音声を出力させ、及び/又は、
スロットマシンに備えられた表示手段から所定のメッセージを表示させ、及び/又は、
ゲームのスタートが実行できないように制御し、及び/又は、
払出しメダルを貯留する機能をもつスロットマシンにおいては、これをリセットし、及び/又は、
メダルの投入を禁止させ、及び/又は、
スロットマシンの電源を落とさせ、及び/又は、
スロットマシンを振動させる
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の不正検出機能付きスロットマシン。
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