JP4359453B2 - 遊技機用入賞装置及びそれを用いた遊技機 - Google Patents

遊技機用入賞装置及びそれを用いた遊技機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機用入賞装置及び遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、遊技機用役物の一種として、円盤状又は円柱状の回転体により遊技球を搬送(移動)する入賞装置(入球装置)が用いられている。その一例として、特許文献1に示すように、遊技盤に平行な(又は直交する)軸線の周りに回転する円盤状(又は円柱状)の回転体の外周面に遊技球を保持し、回転体の回転とともに遊技球を移動させる技術が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−113171号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方で、このような遊技機用入賞装置(遊技機用役物)を例えば第3種パチンコ機における大当たり用スタートチャッカ(第3種始動口ともいう)として用いたとき、遊技球の停留(待機)・搬送(移動)・入賞(排出)の一連の動作にかかる時間が比較的短いこともあって、遊技者の目を惹き付けるには遊技球の動きの変化が十分でない場合がある。また、球導入側(球入口側)では球受部等を始めとする球導入ガイド類が遊技球に向かう遊技者の視線を遮ってしまうことがあり、球導出側(球出口側)では遊技球が遊技盤の裏側にすぐに排出され遊技者の視界から短時間で消えてしまうことがあるため、入賞装置や遊技球への注目度が向上しない場合もある。
【0005】
本発明の課題は、遊技球の動きに変化をもたせ、遊技者が遊技球に注目しやすくなる遊技機用入賞装置と、そのような入賞装置を備えた遊技機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するために前提となる遊技機用入賞装置は、
遊技盤の盤面に交差する軸線の周りに一方向にのみ回転可能に取り付けられ、回転方向下流側に設定された球保持位置から回転方向上流側に設定された球解放位置へ遊技球を保持・搬送するための球保持部を有する回転体と、
前記球保持位置に対応して配置され、球入口側から導入された遊技球を所定時間停留させた後前記球保持部に保持させるための第一の停留部と、
前記球解放位置に対応して配置され、その回転体から解放された遊技球を所定時間停留させておくための第二の停留部と、を備え、
前記第一の停留部において所定時間停留され、前記回転体により球保持位置から球解放位置に保持・搬送された後、前記第二の停留部において所定時間停留され、その後入賞口に導出される遊技球を遊技者に視認可能とする場合がある
【0007】
また、上記課題を解決するために本発明の遊技機用入賞装置は、
遊技盤の盤面に交差する軸線の周りに一方向にのみ回転可能に取り付けられ、回転方向下流側に設定された球保持位置から回転方向上流側に設定された球解放位置へ遊技球を保持・搬送するための球保持部と、球解放位置において遊技球を前記遊技盤の裏側に配置された入賞口に導出するための球排出部とを有する回転体と、
前記回転体の前端面側において軸線方向視で回転軌跡内に位置するように前記球保持位置に対応して配置され、球入口側から導入された遊技球を受け取って前記回転体の球保持部が到来するまで所定時間停留させた後前記球保持部に保持させるための第一の停留部と、
前記回転体の前端面側において軸線方向視で回転軌跡内に位置するように前記球解放位置に対応して配置され、その球解放位置にて前記回転体から解放された遊技球を受け取って前記回転体の球排出部が到来するまで所定時間停留させておくための第二の停留部と、を備え、
前記第一の停留部において所定時間停留され、前記回転体の球保持部により球保持位置から球解放位置に保持・搬送された後、前記第二の停留部において所定時間停留され、その後前記回転体の球排出部が球解放位置に到来したとき前記第二の停留部から前記球排出部を介して前記入賞口に導出される遊技球を遊技者に視認可能とすることを特徴とする。
【0008】
これらの遊技機用入賞装置によれば、遊技球に対して、球保持位置側の第一の停留部での停留→球保持位置から球解放位置への回転体での保持・搬送→球解放位置側の第二の停留部での停留が順次行なわれるので、遊技球に緩急の動きが加わり、遊技者の注目を集めることができるようになる。しかも、第一の停留部に加えて第二の停留部でも所定時間停留されるので、遊技者の注意を長く引き留めておくことができる。また、球出口側の第二の停留部において入賞口に導出される前に遊技球を所定時間停留させることができるので、遊技者の視界から短時間で消えてしまうことがなく、入賞装置や遊技球への注目度が向上する。したがって、本発明の遊技機用入賞装置を第3種始動口のようなスタートチャッカ(始動チャッカ)に用いた場合でも、遊技者に新たな興趣を喚起することができる。なお、遊技球が回転体に設けられた球排出部から入賞口に導出される場合には、回転体が回転して球排出部が球解放位置に位置したときに遊技球が入賞口に向けて排出されるので、球排出のために大掛かりな仕掛けを設ける必要がなく入賞装置の小型化を図ることができる。
【0009】
なお、本発明において、「入賞口」の代表例は、例えば大当たり状態でのラウンド開始のように、遊技者に有利な特定の遊技状態を開始させるためのスタートチャッカ(始動チャッカ)であり、第3種始動口がその典型例となる。したがって、本発明での「遊技機用入賞装置」の代表例は、スタートチャッカに相当する入賞口を有する役物と言い表すことができる。
【0010】
このような遊技機用入賞装置において、球保持部が回転体の遊技者に対向する端面側において回転方向に沿って1又は複数設けられるとともに、球排出部が回転体を軸線方向に貫通する形態で回転方向に沿って1又は複数設けられ、かつ、第一の停留部に停留する遊技球が球保持部によってのみ保持・搬送され、第二の停留部に停留する遊技球が球排出部を介してのみ入賞口に導出され、さらに、これら球保持部と球排出部との配置において、所定の球保持部と回転体の回転に伴って到来する次の球保持部との間には必ず1又は複数の球排出部が存在するように設定することができる。球入口側から導入された遊技球は、回転体に設けられる球保持部と球排出部とによって球保持位置から球解放位置へ保持・搬送され入賞口に導出されるので、一層入賞装置をコンパクトに構成することができる。しかも、球保持部で保持・搬送され第二の停留部で停留する遊技球に対して、球保持部の後方からは必ず球排出部がやって来ることになるので、第二の停留部で遊技球が滞留したり詰まったりすることなく確実に球排出することができる。
【0011】
ここで、球保持部の具体例として、回転体の遊技者に対向する端面に埋設されて遊技球を吸着・保持可能な永久磁石や、回転体の外周面から半径方向中心側に切れ込んで遊技球を収容可能な切欠等を挙げることができる。一方、球排出部の具体例として、回転体の外周面から半径方向中心側に切れ込んで遊技球が通過可能な切欠や、回転体を軸線方向に貫通して遊技球が通過可能な貫通孔等を挙げることができる。
【0012】
また、球保持部と球排出部とを、回転体の遊技者に対向する端面側において回転中心に対してほぼ点対称位置に設け、回転体を常時連続的に定速で回転することが望ましい。球保持位置(第一の停留部)と球解放位置(第二の停留部)とを回転中心からほぼ同じ距離に配置することができるので、球解放位置で解放された遊技球をその場(第二の停留部)で停留させておけば、球排出部によってそのまま排出できる。回転体を常時連続的に定速回転することにより、入賞口への入賞確率が均等化され、電動モータ等の駆動アクチュエータの回転制御を行なう必要がなく、回転負荷の減少により故障等を生じにくくなって長寿命化を図れる。
【0013】
したがって、これらによって、球保持部により遊技球が保持・搬送されているとき、又は第二の停留部に遊技球が停留しているときに、第一の停留部には後続の遊技球が停留可能となる。先行の遊技球が入賞口に導出される前に後続の遊技球を第一の停留部に停留させて搬送準備できるので、球搬送の時間間隔を短くして次から次へと遊技球を保持・搬送することができるようになる。
【0014】
また、第一及び第二の停留部を、軸線方向から見て回転体の回転軌跡内に位置させるとともに、回転体の外側を覆う本体部に形成することによって、入賞装置をさらに小型化することができる。
さらに、その本体部のうち、少なくとも球保持位置から球解放位置に至る保持・搬送径路部分並びに第一及び第二の停留部を透明化又は開口形成することにより、遊技球を遊技者に視認可能とすることができる。つまり、第一の停留部での停留→球保持位置から球解放位置への保持・搬送→第二の停留部での停留が順次行なわれている遊技球を実際に視認しやすくしているので、遊技者の注目を集めやすくなる。
【0015】
なお、以上で説明したように、本発明に係る遊技機用入賞装置は、
「遊技盤の盤面に交差する軸線の周りに一方向にのみ回転可能に取り付けられ、回転方向下流側に設定された球保持位置から回転方向上流側に設定された球解放位置へ遊技球を保持・搬送するための球保持部を有する回転体と、
前記球解放位置に対応して配置され、その回転体から解放された遊技球を所定時間停留させておくための停留部と、を備え、
前記回転体により球保持位置から球解放位置に保持・搬送された後、前記停留部において所定時間停留され、その後入賞口に導出される遊技球を遊技者に視認可能とする遊技機用入賞装置」
と表わすこともできる。
【0016】
この場合でも、球出口側の第二の停留部で所定時間停留されるので、遊技球の保持・搬送以降の一連の動作にかかる時間を比較的長く設定でき、遊技者の注意を長く引き留めておくことができる。特に、第二の停留部において入賞口に導出される前に遊技球を所定時間停留させることができるので、遊技者の視界から短時間で消えてしまうことがなく、入賞装置や遊技球への注目度が向上する。
【0017】
そして、上記課題を解決するために本発明の遊技機は、以上で述べたような遊技機用入賞装置を備えたことを特徴とする。回転体が遊技盤の盤面に交差(例えば直交)する軸線の周りに回転するため、回転体の遊技者に対向する端面側を広く使って遊技球の動きに変化を与えることができる。したがって、遊技機用入賞装置が、例えば第3種始動口のように遊技盤の中央部以外の盤面に設けられる場合であっても、遊技者の視線を集めて新たな興趣を喚起することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に示す実施例を参照しつつ説明する。なお、本実施例で前方側とは遊技者に向かう側を意味し、後方側とはその反対側を意味する。図1及び図2は、本発明の遊技機用入賞装置の一例としての第3種始動口用入賞装置を示し、図1は正面図及び斜視図、図2はその分解斜視図を示す。図1に示すように、第3種始動口用入賞装置(以下、単に入賞装置という)1は、この入賞装置1の基本骨格を構成する透明硬質合成樹脂製の本体部10と、遊技球の保持・搬送手段及び排出手段としての回転板20(回転体)とを備えている。また、図2に示すように、入賞装置1は、遊技球が排出されたことを検出する近接スイッチ30(非接触式センサ;検出手段)と、本体部10とともに近接スイッチ30を支持する裏蓋40と、軸線Oを有するモータ軸51に回転板20を固定して常時連続的に定速で一方向に回転する電動モータ50(駆動アクチュエータ)とを備えている。なお、モータ軸51の軸線Oは、入賞装置1が取り付けられる遊技機100の遊技盤101上において、その盤面102に交差(例えば直交)している(図8参照)。
【0019】
図2において、本体部10は、前方側(回転板20の遊技者に対向する端面側)に配置される上部ボンネット10A(上部本体;本体部)及び下部ボンネット10B(下部本体;本体部)と、後方側に配置される主フレーム10C(裏側本体;本体部)とが、回転板20を挟むように外側から覆う形で対向配置され、ビス等の締結部材19で互いに固定されている。裏蓋40のフランジ部がビス等の締結部材49で本体部10(主フレーム10C)に固定されている。同様に、電動モータ50のフランジ部もビス等の締結部材59で本体部10(主フレーム10C)に固定されている。
【0020】
回転板20は合成樹脂製で円盤状又は円柱状に形成され、上記した通り、保持・搬送手段としての永久磁石21(球保持部)と排出手段としての切欠22(球排出部)とを有している。図3に示すように、永久磁石21は、前端面(遊技者に対向する端面)に埋設されて遊技球Bを吸着し、回転方向下流側に設定された球保持位置Cから回転方向上流側に設定された球解放位置Rへ遊技球Bを保持・搬送する(図5(b)、図6(a)参照)。一方、切欠22は、外周面から半径方向中心側に切れ込んで遊技球Bを通過可能とし、球解放位置Rにおいて遊技球Bを後方側(例えば遊技盤101の裏側;図8参照)に配置された入賞口(例えば近接スイッチ30の球通過孔31;図2参照)に導出する(図7(b)参照)。
【0021】
図3のように、永久磁石21と切欠22とは各1個ずつ設けられ、回転板20の前端面側において、回転中心(軸線O)に対してほぼ点対称の位置(約180°の回転位相角のずれ)にある。したがって、永久磁石21と切欠22とが回転中心からほぼ等距離に位置するので、永久磁石21で吸着・運搬した遊技球Bを切欠22によってそのまま排出できる。また、永久磁石21が第一の遊技球Bを吸着し球保持位置Cから球解放位置Rへ搬送して解放した後、再び球保持位置Cへ戻り第二の遊技球Bを吸着する前に、切欠22が球解放位置Rを通過するので、球解放位置Rで解放された第一の遊技球Bは切欠22を介して確実に球通過孔31へ導出される。
【0022】
なお、20aは電動モータ50のモータ軸51が挿入固定される回転板20のボス、20bは回転板20の前端面側周縁部(切欠22の周縁部を含む)に突出形成された補強リブである。補強リブ20bにより囲み形成される回転板20前端面側の凹部20cには、粘着式のシールを貼着することもできる。このようなシールは、永久磁石21の埋め込み位置を表示するための識別マークとして用いることもできる。また、シールの貼着により永久磁石21が回転板20前端面から脱落することを防止できるので、埋め込み深さを浅めに(場合によっては表面に露出して)設定することができ、磁力(吸着力)の減少が抑制される。
【0023】
図2に戻り、上部ボンネット10Aの上端部には、遊技盤101の盤面102(図8参照)上を流下する遊技球を受け入れて内部に導入するための球入口13が開口している。また、下部ボンネット10Bには、球保持位置Cに対応して配置された平面状の第一ステージ11(第一の停留部)と、球解放位置Rに対応して配置された円弧状の第二ステージ12(第二の停留部)とが形成されている(図4参照)。さらに、主フレーム10Cの台板14には、下部ボンネット10Bの第二ステージ12及び回転板20の切欠22の位置に対応して球出口15が貫通形成されている。
【0024】
したがって、第一ステージ11は、球入口13側から導入された遊技球Bを受け取って所定時間(回転板20の永久磁石21が到来するまで)停留させた後(図5(a)参照)、回転板20の永久磁石21に吸着・保持させる(図5(b)参照)。一方、第二ステージ12は、遊技球Bとの接触により永久磁石21の吸着力に抗して回転板20から遊技球Bを解放(分離)し(図6(a)参照)、回転板20から解放された遊技球Bを受け取って所定時間(回転板20の切欠22が到来するまで)停留させた後(図6(b)参照)、回転板20の切欠22と台板14の球出口15とを介して球通過孔31へ導出(排出)する(図7(a)(b)参照)。
【0025】
第一ステージ11及び第二ステージ12はいずれも回転板20の前端面側において正面視回転軌跡内に位置し(図5(a)参照)、本体部10(10A・10B・10C)は全体を透明硬質合成樹脂で構成している。このため、この入賞装置1は小型かつ堅牢に構成され、遊技者からの遊技球の視認性もよい。
【0026】
なお、回転板20には、永久磁石21以外に遊技球の保持・搬送手段は設けられていない。同様に、回転板20には、切欠22以外に遊技球の排出手段は設けられていない。また、台板14には、回転板20のボス20aを通すための中心孔14aを除き、球出口15以外の貫通口は形成されていない。上部ボンネット10A及び下部ボンネット10Bと回転板20との間には、遊技球1個が通過できる隙間が形成されている。したがって、永久磁石21による遊技球の吸着・搬送中に遊技球が落下したり排出されたりすることはない。
【0027】
図4に背面図として示すように、第二ステージ12に遊技球Bが停留しているとき(又は回転板20の永久磁石21により遊技球Bが保持・搬送されているとき)に、第一ステージ11には後続の遊技球BNが停留可能である。また、第一ステージ11及び第二ステージ12にはそれぞれ遊技球B,BNを1球のみ停留可能である。このように、遊技球Bが回転板20の切欠22及び台板14の球出口15から球通過孔31へ排出される前に後続の遊技球BNを第一ステージ11に停留させて次の搬送準備がされるので、効率的に球搬送がなされる。その際、遊技球B,BNは球入口13から球出口15(球通過孔31)の間を1球ずつ移動するので、途中での詰まり等を生じない。
【0028】
図4(背面図)において、下部ボンネット10Bの中心部に形成された半円状の受部16Bに、上部ボンネット10Aの中心部に形成された円柱状又は円筒状の軸部16Aを載置し、軸部16Aの上縁が第一ステージ11の底面よりも高位に位置するように構成している。第一ステージ11の平面状の底面は中心側ほど低く傾斜して軸部16Aの外周面と交わり、同時に後方側(回転板20側;図4では手前側)ほど低く傾斜している。したがって、上部ボンネット10Aの球入口13から導入された遊技球BNは、中心方向及び後方の二方向の勾配を有する第一ステージ11の底面上を転動し、軸部16Aの外周面と回転板20の前端面(図3参照)とに当たって停止(停留)する。このとき、遊技球BNの重心が軸部16Aの中心軸よりも第一ステージ11側にあり、第二ステージ12側への移動が阻止されている。また、回転板20の厚さTが遊技球B,BNの直径Dの1/2以下に設定してある(図3参照)ので、図4において遊技球BNが第一ステージ11での停留中に、永久磁石21よりも先に切欠22が到来した場合でも、遊技球BNは切欠22によって係合されて第二ステージ12側へ搬送されるおそれはない。なお、軸部16A及び受部16Bの中心軸はモータ軸51の軸線Oと一致している(図2参照)。
【0029】
他方、第二ステージ12の円弧状の底面は後方側ほど低く傾斜している。したがって、回転板20の切欠22が台板14の球出口15と重合する位置に回転移動したとき、第二ステージ12で停留している遊技球Bは第二ステージ12の底面の勾配により切欠22・球出口15を経て球通過孔31へスムーズに排出される(図7(a)(b)参照)。
【0030】
このように、入賞装置1によって、遊技球Bは球保持位置C側の第一ステージ11で停留され、球保持位置Cから球解放位置Rへ回転板20(永久磁石21)で保持(吸着)・搬送され、球解放位置R側の第二ステージ12で停留される。つまり、遊技球Bは、球保持位置C(第一ステージ11)と球解放位置R(第二ステージ12)との2ヶ所で停留されて、かつ緩急の動きが加えられる。これによって、遊技者の注目を集め、注意を長く引き留めておけるようになる。特に、第二ステージ12において球出口15から球通過孔31へ導出される前に遊技球Bを停留させることができるので、遊技者の視界から短時間で消えてしまうことがなく、遊技者に第3種始動口への新たな興趣を喚起することができる。
【0031】
なお、上部ボンネット10Aと下部ボンネット10Bとは一体成形することができ、その場合には軸部16Aと受部16Bとは一体化される。
【0032】
次に、以上のように構成された入賞装置1の作動について、図5〜図7により説明する。
球入口13側から球保持位置Cに導入された遊技球Bは、第一ステージ11上に所定時間(回転板20の永久磁石21が到来するまで)停留する(図5(a))。このとき、第一ステージ11には遊技球Bを1球のみ停留可能とされているため、後続の遊技球BNは先行の遊技球Bで弾かれる(アウト球となる)。回転板20は常時連続的に定速で一方向(実施例では反時計方向)にのみ回転しているので、第一ステージ11上の遊技球Bは、やがて到来した永久磁石21に吸着・保持され第二ステージ12へと搬送される(図5(b))。
【0033】
球解放位置Rに到着した遊技球Bは、第二ステージ12との接触により永久磁石21の吸着力に抗して回転板20から解放(分離)される(図6(a))。そして、遊技球Bは第二ステージ12上に所定時間(回転板20の切欠22が到来するまで)停留する(図6(b))。回転板20の切欠22が球解放位置Rに到来すると、第二ステージ12・切欠22・球出口15の3者が重なり合う(図7(a))。第二ステージ12上の遊技球Bは、切欠22及び球出口15を介して球通過孔31へ導出(排出)される(図7(b))。
【0034】
さらに、図8により、以上で述べた入賞装置1を備えた第3種パチンコ機(以下、遊技機という)100について説明する。入賞装置1は、遊技機100の遊技盤101右側端部において、その回転板20(モータ軸51)の軸線O(図2参照)が盤面102に交差(例えば直交)するように取り付けられている。
【0035】
遊技機100での遊技中に、遊技盤101上の中央表示装置103が特定の図柄で揃うと大当たり遊技が開始される。このとき、遊技球が入賞装置1の球入口13から球保持位置Cに導入されると、入賞装置1では図5〜図7で説明した手順に従って一連の動作が行われる。そして、遊技球が球通過孔31(入賞口)を通過したことを近接スイッチ30が検出することにより、賞球払い出しが行われるとともに、入賞装置1の直下方に配置されたアタッカ104(大入賞口)が開かれる。所定時間(例えば30秒間)の経過又はアタッカ104への所定球数(例えば10球)の入球を1ラウンドとして、アタッカ104は一旦閉じられる。その後、入賞装置1の球入口13に遊技球が入球し球通過孔31を通過すると、再びアタッカ104が開かれ上記動作を所定ラウンド数(例えば16ラウンド)にわたり繰り返し、大当たり遊技は終了する。
【0036】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、入賞装置1は第3種パチンコ機100以外の遊技機にも適用できる。その際、スタートチャッカ以外の入賞装置として用いてもよい。また、遊技球の排出手段を回転板20以外(例えば上下ボンネット10A,10B等)に設けることもできる。さらに、回転体(回転板20)の形状は円盤状又は円柱状に限らず、楕円形状等の曲線や六角形等の多角形を用いることができ、軸線方向に変形する立体形状を有していてもよい。なお、アタッカ104を開くための入賞口は、入賞装置1の球通過孔31とは別に(下流に)設けられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遊技機用入賞装置の一例を示す正面図及び斜視図。
【図2】図1の遊技機用入賞装置の分解斜視図。
【図3】回転板の正面図及びそのA−A断面図。
【図4】図1の遊技機用入賞装置の一部を省略して示す背面図。
【図5】図1の遊技機用入賞装置の作動を示す説明図。
【図6】図5に続く作動を示す説明図。
【図7】図6に続く作動を示す説明図。
【図8】図1の遊技機用入賞装置を備えた遊技機の一例を模式的に示す正面図。
【符号の説明】
1 第3種始動口用入賞装置(遊技機用入賞装置)
10 本体部
11 第一ステージ(第一の停留部)
12 第二ステージ(第二の停留部)
13 球入口
15 球出口
20 回転板(回転体)
21 永久磁石(球保持部)
22 切欠(球排出部)
31 球通過孔(入賞口)
100 第3種パチンコ機(遊技機)
101 遊技盤
102 盤面

Claims (7)

  1. 遊技盤の盤面に交差する軸線の周りに一方向にのみ回転可能に取り付けられ、回転方向下流側に設定された球保持位置から回転方向上流側に設定された球解放位置へ遊技球を保持・搬送するための球保持部と、球解放位置において遊技球を前記遊技盤の裏側に配置された入賞口に導出するための球排出部とを有する回転体と、
    前記回転体の前端面側において軸線方向視で回転軌跡内に位置するように前記球保持位置に対応して配置され、球入口側から導入された遊技球を受け取って前記回転体の球保持部が到来するまで所定時間停留させた後前記球保持部に保持させるための第一の停留部と、
    前記回転体の前端面側において軸線方向視で回転軌跡内に位置するように前記球解放位置に対応して配置され、その球解放位置にて前記回転体から解放された遊技球を受け取って前記回転体の球排出部が到来するまで所定時間停留させておくための第二の停留部と、を備え、
    前記第一の停留部において所定時間停留され、前記回転体の球保持部により球保持位置から球解放位置に保持・搬送された後、前記第二の停留部において所定時間停留され、その後前記回転体の球排出部が球解放位置に到来したとき前記第二の停留部から前記球排出部を介して前記入賞口に導出される遊技球を遊技者に視認可能とすることを特徴とする遊技機用入賞装置。
  2. 前記球保持部は前記回転体の遊技者に対向する端面側において回転方向に沿って1又は複数設けられるとともに、前記球排出部は前記回転体を軸線方向に貫通する形態で回転方向に沿って1又は複数設けられ、
    かつ、前記第一の停留部に停留する遊技球は前記球保持部によってのみ保持・搬送され、前記第二の停留部に停留する遊技球は前記球排出部を介してのみ前記入賞口に導出され、
    さらに、これら球保持部と球排出部との配置において、所定の球保持部と前記回転体の回転に伴って到来する次の球保持部との間には必ず1又は複数の球排出部が存在するように設定されている請求項に記載の遊技機用入賞装置。
  3. 前記球保持部と球排出部とは、前記回転体の遊技者に対向する端面側においてその回転中心に対してほぼ点対称位置に設けられ、
    前記回転体は常時連続的に定速で回転している請求項又はに記載の遊技機用入賞装置。
  4. 前記球保持部により遊技球が保持・搬送されているとき、又は前記第二の停留部に遊技球が停留しているときに、
    前記第一の停留部には後続の遊技球が停留可能である請求項1ないしのいずれか1項に記載の遊技機用入賞装置。
  5. 前記第一及び第二の停留部は、前記回転体の外側を覆う本体部に形成されている請求項1ないしのいずれか1項に記載の遊技機用入賞装置。
  6. 前記本体部のうち、少なくとも球保持位置から球解放位置に至る保持・搬送径路部分並びに前記第一及び第二の停留部を透明化又は開口形成することにより、遊技球を遊技者に視認可能とする請求項に記載の遊技機用入賞装置。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の遊技機用入賞装置を備えたことを特徴とする遊技機。
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