JP4359003B2 - 光偏向装置・光走査方法・光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

光偏向装置・光走査方法・光走査装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光走査方法、この光走査方法を実施するための光走査装置、この光走査装置に用いられる光偏向装置、及び上記光走査装置を用いる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光走査装置は、光プリンタやデジタル複写装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関連して広く知られている。光走査装置の改良目標のひとつとして「光走査の高速化」がある。
【0003】
光走査の高速化に有効な方法として、1度に複数の走査線を光走査するマルチビーム走査方法があるが、シングルビーム走査方法であれマルチビーム走査方法であれ、偏向光束の偏向速度を高速化することにより、更なる高速化を実現することが可能になる。
【0004】
偏向光束の偏向速度を高速化する方法としては、例えば、回転多面鏡の回転数を増大させることが考えられるが、回転数の増大に共ない、消費電力増大、騒音・振動の発生を招来し、光偏向器自体の耐久性も劣化する。
【0005】
偏向速度の高速化の方法として、回転多面鏡における偏向反射面数を多くして、回転多面鏡の1回転当たりの偏向回数を大きくすることも考えられる。しかし、単に偏向反射面数を多くすると、必然的に回転多面鏡の半径が大きくなり、回転多面鏡の慣性能率は半径の2乗に比例するので、半径の大きい回転多面鏡を高速回転させるための消費電力増大が避けられない。
【0006】
これを避けるには、回転多面鏡の半径を増大させることなく偏向反射面数を増やさねばならないが、このようにすると個々の偏向反射面が小さくなって、偏向光束の偏向角が小さくなってしまい、光走査に必要とされる光走査領域長を確保するのに、回転多面鏡から被走査面に至る光路長を大きくする必要が生じ、これは光走査装置の大型化を招来する。
【0007】
回転多面鏡のほかに良く知られた光偏向器として「揺動ミラー」があるが、揺動ミラーを固定ミラーと組合せ、固定ミラーと揺動ミラーとの間で光束を複数回反射させることにより、高速且つ広偏向角の光束偏向を行う光偏向方法(以下、便宜上「多重反射偏向」と呼ぶ)が提案されている(特開平4−52618号公報)。
【0008】
揺動ミラーとして、近来、マイクロマシンの分野で「高速偏向が可能な正弦波振動を行うマイクロ揺動ミラー」が開発されているので、このようなマイクロ揺動ミラーを用いることにより、光走査の高速化が可能となる。
【0009】
しかしながら、上記公報記載の多重反射偏向で光束を偏向させると、偏向光束に、後述する「スキュー」が発生し、偏向光束の波面収差に劣化が生じる。偏向光束の波面収差が劣化すると、被走査面上に良好な光スポットを小径に形成することができなくなり、高密度で高精細の光走査を行うことができなくなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は光走査において、広偏向角かつ高速で、なおかつの偏向光束のスキューを有効に軽減した多重反射偏向を実現することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の光偏向装置は、光偏向器と、1以上の固定ミラーとを有する。
「光偏向器」は、軸のまわりに偏向反射面を回転もしくは揺動させて、上記軸に直交する面に対して傾いた方向から入射する光束を反射偏向させる。従って、上記「軸」は回転軸もしくは揺動軸である。
「固定ミラー」は、光偏向器における偏向反射面に対向して配置され、偏向反射面との間で、光束を複数回反射させる。
【0012】
上記の如く、光偏向器は「偏向反射面を回転もしくは揺動させて光束を偏向させる」ので、光偏向器としては回転多面鏡や揺動ミラーを用いることができる。「固定ミラーが対向する偏向反射面」は、現に光束を偏向させる偏向反射面であり、光偏向器として回転多面鏡を用いるときには、光源側からの光束を入射される位置に位置する偏向反射面である。
【0013】
請求項1記載の光偏向装置では1または2個の固定ミラーが、副走査断面内において、上記軸(回転軸もしくは揺動軸)に対して傾いて」いる。
【0014】
「副走査断面」は、光偏向器の偏向反射面の軸、即ち、回転軸もしくは揺動軸と「偏向反射面へ入射する光源側からの光束の主光線」とを含む面を言う。
【0015】
即ち、上述した特開平4−52618号公報に記載された多重反射偏向では、固定ミラーは、副走査断面内において「揺動ミラーの揺動軸に対して平行」に設定されており、このために偏向光束にスキューが発生して波面収差を劣化させるのであるが、この発明の光偏向器では、固定ミラーを副走査断面内で偏向反射面の回転軸もしくは揺動軸に対して傾けることにより、後述するように偏向光束におけるスキューを有効に軽減するのである。
【0016】
光偏向器の偏向反射面に対して対向させる固定ミラーは、1面もしくは2面である。
2面の固定ミラーを用いるときは、これら2面の固定ミラーを副走査方向に(並ぶように)配置する。また、固定ミラー面が1面であるときも2面であるときも、入射光束を偏向反射面との間で3回以上反射させて偏向光束とすることができる。
【0017】
請求項1記載の光偏向装置においては、2面の固定ミラーの、副走査断面内での傾き角を互いに逆とし、各固定ミラーのミラー面と偏向反射面との距離が、副走査断面内において、両者の間隙部へ向って増大するように設定し、偏向光束が上記間隙部から射出するように構成できる(請求項3)。
【0018】
この請求項3記載の光偏向装置において、偏向反射面により最初に反射されて一方の固定ミラーに入射した光束を、上記一方の固定ミラーのミラー面で1回反射させた後、偏向反射面を介して他方の固定ミラーのミラー面に入射させるように構成できる(請求項4)。
【0019】
また、請求項1記載の光走査装置は、入射光束が偏向反射面との間で3回以上反射する間に「偏向反射面における反射位置の移動方向が、副走査方向において反転」するように、各固定ミラーの配置を設定する。請求項2または3記載の光偏向装置においても同様である。
【0020】
上記請求項1〜4の任意の1に記載の光偏向装置において「偏向光束を、偏向反射面に入射する光束に対し副走査断面内で角をなすように射出させる」ことができる(請求項5)。このようにすると、偏向光束が光源側へ戻るのを完全に防止できる。
【0021】
上記請求項1〜5の任意の1に記載の光偏向装置において、光偏向器を「高速揺動するマイクロ揺動ミラー」とすることができる(請求項6)。
【0022】
この発明の光走査方法は「光源側からの光束を光偏向装置により偏向させ、偏向光束を走査結像光学系により被走査面に導光して光スポットを形成し、光スポットにより被走査面の光走査を行う光走査方法」である。
【0023】
「走査結像光学系」は、1枚以上のレンズで構成することもできるし、結像機能を持つ1面以上の結像ミラーで構成することもでき、1枚以上のレンズと1面以上の結像ミラーとの組合せにより構成することもできる。
【0024】
請求項7記載の光走査方法は、光偏向装置として、上記記載のものを用いることを特徴とする。
【0025】
即ち、請求項7記載の光走査方法は、光偏向装置として、請求項1〜6の任意の1に記載の光偏向装置を用いる。
【0026】
請求項7記載の光走査方法においては「光源からの光束をカップリングし、カップリングされた光束を線像結像光学系により副走査方向に集束させ、光偏向器の偏向反射面で最後に反射される位置の近傍において、主走査方向に長い線像として結像させる」ようにできる(請求項8)。このようにすると、光偏向器として回転多面鏡を用いる場合における偏向反射面の面倒れ、光偏向器として揺動ミラーを用いる場合における揺動軸の軸ぶれによる「走査線の副走査方向への変動」を補正することができる。
【0027】
この発明の光走査方法では、光偏向器として請求項1〜6に記載の適宜の光偏向装置が用いられるが、この発明の光偏向装置では上述の如く「偏向反射面の回転もしくは揺動に直交する面に対して傾いた方向から入射する光束を、反射偏向させる」ので、偏向光束自体も上記軸に直交する面に対して傾くことになり、偏向光束のこの傾きは、被走査面上における走査線(光スポットの移動軌跡)に曲がりを生じる原因となる。
【0028】
このような走査線の曲がりには、走査結像光学系に含まれるレンズや結像ミラーにシフト(副走査方向への位置ずらし)やティルト(光軸の副走査方向への傾き)を与えることにより有効に軽減できるが、有効な方法として、上記請求項7または8記載の光走査方法において、走査線の曲がりを補正するために「レンズ面の子線頂点を連ねた線が副走査方向に湾曲するレンズを1枚以上、走査結像光学系に用いる」ことができる(請求項9)。
【0029】
この発明の光走査装置は「光源側からの光束を光偏向装置により偏向させ、偏向光束を走査結像光学系により被走査面に導光して光スポットを形成し、上記光スポットにより上記被走査面の光走査を行う光走査装置」である。
【0030】
求項10記載の光走査装置は、光偏向装置として上記の光偏向装置を用いることを特徴とする。
【0031】
光偏向装置としては、請求項1〜6の任意の1に記載の光偏向装置を用いることができる。
【0032】
上記請求項10記載の光走査装置は、光源からの光束をカップリングするカップリングレンズと、このカップリングレンズによりカップリングされた光束を副走査方向に集束させ、光偏向器の偏向反射面で最後に反射される位置の近傍において、主走査方向に長い線像として結像させる線像結像光学系を有することができる(請求項11)。
【0033】
また、上記請求項10または11記載の光走査装置の走査結像光学系は「走査線の曲がりを補正するために、レンズ面の子線頂点を連ねた線が副走査方向に湾曲するレンズを1枚以上有する」ことができる(請求項12)。
【0034】
なお、この発明の光走査装置は、シングルビーム走査装置として実施できることは勿論、マルチビーム走査装置として実施することもでき、この発明の光走査方法(請求項7〜9)は、シングルビーム走査方法としてもマルチビーム走査方法としても実施できる。
【0035】
この発明の画像形成装置は「感光媒体を光走査して画像形成を行う画像形成装置」であって、感光媒体の光走査に、請求項10〜12の任意の1に記載の光走査装置を用いることを特徴とする(請求項13)。
【0036】
「感光媒体」としては公知の種々のものを用いることができる。例えば、熱により発色する発色性印画紙を感光媒体とし、これを光走査し、光スポットによる「熱エネルギ」で発色させて画像形成を行うことができる。
【0037】
感光媒体によっては、光走査により感光媒体に潜像を形成し、この潜像を可視化することにより画像形成を行うようにすることができる(請求項14)。この場合、例えば、感光媒体として銀塩フィルムを用いることができる。銀塩フィルムに光走査により形成された潜像は「通常の銀塩写真のプロセス」に従い、現像・定着を行うことができる。このような画像形成装置は、光製版器や光描画装置として実施することができる。
【0038】
感光媒体には「光導電性の感光体」を用いることもできる。この場合、潜像は静電潜像として形成され、トナー画像として可視化され、トナー画像は「シート状の記録媒体に最終的に担持」される(請求項15)。
【0039】
光導電性の感光体として周知の酸化亜鉛感光紙を用いると、酸化亜鉛感光紙上に形成されたトナー画像をそのまま「酸化亜鉛感光紙をシート状の記録媒体として」定着することができる。
【0040】
繰り返し使用可能な光導電性の感光体を用いる場合は、感光体上に形成されたトナー画像を、転写紙やOHPシート(オーバヘッドプロジェクタ用のプラスチックシート)等のシート状の記録媒体に、直接もしくは中間転写ベルト等の中間転写媒体を介して転写し、定着することにより所望の画像を得ることができる。
【0041】
これら画像形成装置は、デジタル複写機や光プリンタ、光プロッタ、ファクシミリ装置等として実施できる。
【0042】
以下、前述の「偏向光束のスキュー」を説明するために、後述する実施例に対して「比較例」となるものを説明する。
図1(a)、(b)は、比較例光走査装置の光学配置を示している。
図1(a)は、副走査方向から見た状態を示し、(b)は主走査方向から見た状態を示す。(b)の図の面が「副走査断面」となっている。
【0043】
光源である半導体レーザ10から放射された発散性のレーザ光束は、カップリングレンズ12により、以後の光学系に適した光束形態に変換される。カップリングレンズ12から射出する光束の光束形態は「平行光束」であることも「弱い集束光束」であることも「弱い発散光束」であることもできるが、この例においては、カップリングレンズ12の機能がコリメート機能で、入射発散光束を実質的な平行光束とする。
【0044】
この平行光束は、アパーチュア14の開口部を通過する際に光束周辺部を遮断されて「ビーム整形」される。ビーム整形された光束(平行光束)は、シリンドリカルレンズ16により副走査方向にのみ集光され、副走査方向にのみ集束しつつ入射ミラー18に入射して反射され、光偏向装置20に入射して偏向される。
【0045】
光偏向装置20による偏向光束は、ミラー22(図1(b)に示す)により反射されて、走査結像光学系を構成する2枚のレンズ24、26を透過し、同レンズ24、26の作用により被走査面28上に光スポットとして集光する。そして、この光スポットが被走査面28を光走査する。被走査面28は実体的には感光媒体の感光面である。
【0046】
なお、入射ミラー18および/またはミラー22は、光学系のレイアウトによっては省略することもできる。
【0047】
図1(c)は、光偏向装置20を示している。光偏向装置20は、揺動ミラー20Aと、この揺動ミラー20Aを高速で揺動させる駆動装置20Bと、固定ミラー20Cとで構成されている。揺動ミラー20Aの反射面が「偏向反射面」である。固定ミラー20Cは勿論、装置空間に対して固定的である。
【0048】
入射ミラー18により反射された光束が、揺動ミラー20Aの揺動軸に直交する平面に対して傾いて(この時の上記平面に対する傾き角を「偏向反射面への入射角」と呼ぶ)入射すると、偏向反射面により反射された光束は、固定ミラー20Cと偏向反射面との間で反射を繰り返す。即ち、光束は、揺動ミラー20Aの偏向反射面と固定ミラー20Cとの間で「多重反射」する。
【0049】
この多重反射を副走査方向についてみると、図1(d)に示す如くなる。固定ミラー20Cのミラー面は、揺動ミラー20Cの揺動軸と平行に設定されているので、多重反射の際、副走査方向の入射角・反射角は変化せず、所定回数の反射の後、図の如く偏向反射面20Aにより反射されて偏向光束となる。
【0050】
一方、上記多重反射を主走査方向についてみると、図1(e)に示す如くになる。図1(e)では、揺動ミラー20Aの揺動により、偏向反射面は固定ミラー20Cに対して傾いており、このため、多重反射による反射が繰り返されるに従い、主走査方向の入射角・反射角は次第に増大し、最後に偏向反射面で反射された光束は、大きな偏向角をもった偏向光束になる。
【0051】
即ち、主走査方向に関しては、偏向反射面の傾きによる反射光束の偏向角が、多重反射により増幅されるのである。このように、多重反射偏向では、揺動ミラー20Aにおける偏向反射面の揺動角が微小でも、偏向光束に多きな偏向角を与えることができる。揺動角が微小であると、揺動周期を短くして揺動周波数を大きくできるので、偏向光束の偏向回数を増大させることができ、光走査を高速化することができる。
【0052】
以下、前述した偏向光束における「スキュー」を説明する。スキューというのは、簡単に言えば「光束の捩れ」である。具体的な例に即して説明する。
【0053】
図1の比較例光走査装置においては、前述のように、半導体レーザ10からの光束はカップリングレンズ12により平行光束化されたのち、アパーチュア14によりビーム整形される。アパーチュアの開口形状は、矩形形状であって、そのサイズは主走査方向に1.35mm、副走査方向に0.5mmである。
【0054】
即ち、ビーム整形された光束は、主・副走査方向に1.35mm×0.5mmの矩形形状の光束断面をもった平行光束となる。
【0055】
以下、入射ミラー18より後のデータを示す。
【0056】
偏向反射面(揺動ミラー20Aのミラー面)への入射角:19.4度
偏向反射面の有効振れ角:3.71度
偏向反射面と固定ミラーの距離:0.3mm
偏向反射面での反射回数:5回 。
【0057】
Figure 0004359003
【0058】
ここに、
Rm:主走査方向の近軸曲率半径
Rs:副走査方向の近軸曲率半径
N:使用波長:665nmでの屈折率
D:面間隔
である。
【0059】
面番号:2、3、4、5の各レンズ面は、主走査方向の座標をY、副走査方向の座標をZ(Y、Zの原点は、光軸に対応する軸である)、光軸方向のデプスをXとして、
Figure 0004359003
と表すことができる。ここに、
Cs(Y)=1/Rs+b2・Y^2+b4・Y^4+b6・Y^6+・・・・
Z0(Y)=d0+d2・Y^2+d4・Y^4+d6・Y^6+・・・・
である。なお、上記式で例えば「Y^6」は「Yの6乗」を表す。
【0060】
上記式を用いると、レンズ24、26の各面は、以下のように特定される。
【0061】
面番号2(レンズ24の入射側面)
Km=1.85E+02,a4=-3.0E-06,a6=-2.905E-09,a8=-3.4E-11,a10=5.0E-12
b2=3.95E-04,b4=-9.533E-07,b6=1.906E-09,b8=1.57E-10,b10=-3.37E-13,
b12=4.326E-15
d0=0,d2=0,d4=0,・・・・
面番号3(レンズ24の射出側面)
Km=-1.93E-01,a4=2.91E-06,a6=1.375E-09,a8=-5.348E-12,a10=2.535E-14
b2=-3.253E-04,b4= 2.14E-07,b6=5.939E-09,b8=2.108E-11,b10=1.117E-13,
b12=1.201E-15
d0=0,d2=0,d4= 0,・・・・
面番号4(レンズ26の入射側面)
Km=-1.39E+01,a4=-1.102E-06,a6=-9.881E-10,a8=1.072E-12,a10=2.258E-15,
a12=-1.035E-18,a14=-1.427E-23
b2=-5.281E-06,b4=1.462E-08,b6=-3.916E-11,b8=3.006E-13,b10=5.198E-16,
b12=4.551E-18
d0=0,d2=0,d4= 0,・・・・
面番号5(レンズ26の射出側面)
Km=-6.91E+01,a4=-2.188E-06,a6=4.3228E-10,a8=2.7814E-12,a10=-1.214E-15,
a12=7.686E-19,a14=4.073E-22
b2=-1.0E-04,b4=5.5E-07,b6=1.5E-10,b8=2.0E-12,b12=2.0E-18
d0=0,d2=0,d4= 0,・・・・
上の表記において例えば「E-10」は「10の―10乗」を示し、この数値が直前の数値に掛かる。
【0062】
レンズ24、26は中央像高に向かう光束に対し、反時計回りにティルトされている。また、レンズ24の入射側面は中央像高に向かう光束に対し図1の上方向(Z方向の正の側)に0.3mmシフトされ、走査レンズ26の入射側面は中央像高に向かう光束に対し図1の上方向(Z方向の正の側)に1.1mmシフトされている。
【0063】
ここで、偏向光束におけるスキューを説明する。
図2(a)は、アパーチュア14によりビーム整形された直後の光束(平行光束)の光束断面形状を示している。この光束断面形状は、アパーチュア14の開口形状と同形である。光束は、その後、シリンドリカルレンズ16で副走査方向に集光され、入射ミラー18で反射され、集束しつつ光偏向器20の揺動ミラー20Aの偏向反射面へ入射し、固定ミラー20Cとの間で多重反射される。
【0064】
この多重反射が行われるとき、図2(a)に示す光束断面形状の4隅(黒丸で示す)を通る光線を光線追跡してみると、図2(b)、(c)の如くになる。図2(b)に示すのは、偏向反射面と固定ミラーとが平行になったときの光線追跡結果を示している。このとき、偏向光束は被走査面上で像高:0に光スポットを形成する。
【0065】
図2(b)において、符号2−1は、入射ミラー18から偏向反射面に入射したときの、偏向反射面上における光束断面形状(図2(a)の4隅のを通る光線により囲まれる光束断面形状)を示す。以下、図2(b)における符号2−2、2−3、2−4、2−5は、多重反射における固定ミラーでの1回目〜4回目の反射位置における光束断面形状を示し、符号2−6は最後に偏向反射面で反射されて偏向光束となる時の反射位置における光束断面形状を示している。
【0066】
図から理解されるように、入射ミラー18側からの光束は、副走査方向に集束しつつ入射してくるので、多重反射の際に光束断面の副走査方向の幅は次第に減少し、最後に偏向反射面で反射される位置において、主走査方向に長い線像として結像する(図2(a)の光束断面形状2−6)。
【0067】
図2(a)に示すように、光スポットの像高:0に対しては偏向光束に「スキュー」は発生していない。
【0068】
図2(c)は、偏向光束が周辺像高部を光走査するときの光束断面形状の変化を示している。符号2−11、2−12、2−13、2−14、2−15、2−16で示す光束断面形状が、図2(b)における光束断面形状2−1〜2−6にそれぞれ対応する。
【0069】
図2(c)を見ると、周辺像高部へ向う偏向光束は、光偏向装置における多重反射の際に、反射が繰り返されるにつれて、光束断面が次第に時計回りに回転しているのがわかる。この光束の回転(捩れ)がスキューである。像高:0に対して反対側の周辺像高へ向う偏向光束には、図2(b)と逆の向き(反時計まわり)のスキューが発生する。
【0070】
スキューの発生する原因は、入射ミラーから揺動ミラーへ入射する入射角が0でなく、光スポットの像高が0以外の状態では「偏向反射面と固定ミラーとが平行でない」ために、入射光束の光束断面の4隅を通る光線に対する光路長が変化することにある。
【0071】
このように、同じ光束内で光線の光路長に付均一が生じると、偏向光束の波面収差が劣化する。波面収差の劣化は、被走査面上に形成される光スポットのスポット径に影響する。即ち、光スポットの像高が0から増大して周辺像高へ向うに連れて、波面収差が劣化すると、スポット径が像高:0から周辺像高へ向って次第に増大する「ビーム太り」を発生してしまう。
【0072】
図3図は、ビーム太りを説明するための図である。
図3(a)は、被走査面上における光スポットの「主走査方向のスポット径のデフォーカス量に対する変化」を中心像高(像高:0)と周辺像高(像高:25.7mm)で示したものである。
また、図3()は、被走査面上における光スポットの「副走査査方向のスポット径のデフォーカス量に対する変化」を中心像高(像高:0)と周辺像高(像高25.7mm)で示したものである。
【0073】
図から明らかなように、主・副走査方向とも、像高:0では光スポットはスポット径も小さく、深度余裕も大きいが、周辺像高ではビーム太りが生じ、デフォーカスに対するビーム系の変動も大きくなっている。
【0074】
【発明の実施の形態】
図4は、この発明の光走査装置の実施の1形態を特徴部分のみ示している。図1に示した光走査装置例(比較例光走査装置)との違いは、光偏向装置にある。
【0075】
即ち、図4の実施の形態において「光偏向装置」は、図1の例におけると同様の「揺動ミラー20Aを駆動装置で揺動駆動する光偏向器」に対し、2面の固定ミラー20D、20Eを組合せたものである。
【0076】
図4(副走査断面を示す)に示すように、2面の固定ミラー20D、20Eは、副走査方向(図の上下方法)に配置され、図示のように入射光束を偏向反射面との間で3回以上(この例では4回)反射させて偏向光束とするものであり、2面の固定ミラー20D、20Eの、副走査断面内での傾き角:θ1、θ2が互いに逆で、各固定ミラーの「ミラー面と偏向反射面との距離」は、副走査断面内において、両者の間隙部30へ向って増大するように設定され、偏向光束は、固定ミラー20D、20Eの間隙部30から射出する。
【0077】
さらに、揺動ミラー20Aの偏向反射面により最初に反射されて一方の固定ミラー20Dに入射した光束は、一方の固定ミラー20Dのミラー面で1回反射された後、偏向反射面を介して他方の固定ミラー20Eのミラー面に入射し、入射光束が偏向反射面との間で3回以上反射する間に、偏向反射面における反射位置の移動方向が副走査方向において反転するように、各固定ミラー20D、20Eの配置が設定され、偏向光束は、偏向反射面に(入射ミラー18の側から)入射する光束に対し、副走査断面内で角をなすように射出する。
【0078】
【実施例】
以下、図4の実施の形態に関する具体的な実施例を、先に挙げた比較例光走査装置の場合に倣って示す。「光源としての半導体レーザから、入射ミラーを介して光偏向装置に入射するまでの光学配置」は、比較例光走査装置の場合と全く同じである。
【0079】
実施例1
偏向反射面への入射角:19.4度
偏向反射面での有効振れ角:3.71度
L(偏向反射面と固定ミラー20Dの上端縁部までの距離):0.35mm
偏向反射面での反射回数:5回
θ1:26.022度
θ2:9.7度
Figure 0004359003
面番号:2、3、4、5の各レンズ面は、前記(1)式で表すことができ、以下の如くに特定される。なお、面番号2と5の面は「レンズ面の子線頂点を結んだ母線が副走査方向に湾曲」している(請求項22)。
【0080】
面番号2(レンズ24の入射側面)
Km=1.85E+02,a4=2.08E-06,a6=-2.905E-09,a8=-1.15E-11,a10=2.196E-14
b2=3.95E-04,b4=-9.533E-07,b6=1.906E-09,b8=1.57E-10,b10=-3.37E-13,
b12=4.326E-15
d2=2.0E-04,d4=3.08E-06,d6= 2.3E-08・・・・
面番号3(レンズ24の射出側面)
Km=-1.93E-01,a4=2.91E-06,a6=1.375E-09,a8=-5.348E-12,a10=2.535E-14
b2=-3.253E-04,b4= 2.14E-07,b6=5.939E-09,b8=2.108E-11,b10=1.117E-13,
b12=1.201E-15
d0=0,d2=0,d4= 0,・・・・
面番号4(レンズ26の入射側面)
Km=-1.39E+01,a4=-1.102E-06,a6=-9.881E-10,a8=1.072E-12,a10=2.258E-15,
a12=-1.035E-18,a14=-1.427E-23
b2=-5.281E-06,b4=1.462E-08,b6=-3.916E-11,b8=3.006E-13,b10=5.198E-16,
b12=4.551E-18
d0=0,d2=0,d4= 0,・・・・
面番号5(レンズ26の射出側面)
Km=-6.91E+01,a4=-2.188E-06,a6=4.3228E-10,a8=2.7814E-12,a10=-1.214E-15,
a12=7.686E-19,a14=4.073E-22
b2=8.18E-05,b4=-1.48E-07,b6=1.26E-10,b8=7.0E-14,b12=4.5E-18
d2=-4.0E-05,d4=-5.0E-09,d6=4.38E-11,・・・・
レンズ24、26は、中央像高に向かう光束に対し、反時計回りにティルトされ、レンズ24入射側面は、中央像高に向かう光束に対し上方向(Z軸の正の方向き)に0.3mmシフトされ、レンズ26の入射側面は、中央像高に向かう光束に対し上方向(Z軸の正の方向き)に1.1mmシフトされている。
【0081】
この実施例1の場合、偏向反射面と固定ミラー20D、20Eとの間における多重反射の際の、前記図2(a)に示す光束断面形状の4隅(黒丸で示す)を通る光線を光線追跡してみると、図5(a)、(b)の如くになる。図5(a)に示すのは、偏向反射面と固定ミラーとが平行になったときの光線追跡結果を示している。このとき、偏向光束は被走査面上で像高:0に光スポットを形成する。
【0082】
図5(a)において、符号5−1は、入射ミラー18から偏向反射面に入射して反射され、固定ミラー20Dに入射したときの、固定ミラー20Dのミラー面における光束断面形状を示す。以下、図5(a)における符号5−2、5−3、5−4は、多重反射における固定ミラー20Eでの反射位置(多重反射における2回目〜4回目の反射位置)における光束断面形状を示し、符号5−5は最後に偏向反射面で反射されて偏向光束となる時の反射位置における光束断面形状を示している。
【0083】
即ち、固定ミラー20D、20Eによる反射位置は、反射回数が1回目から3回目までは、副走査方向の上方へ移り、その後、副走査方向の下方へ反転する。
【0084】
図5(a)に示すように、光スポットの像高:0に対しては偏向光束に「スキュー」は発生していない。
【0085】
図5(b)は、偏向光束が周辺像高部を光走査するときの光束断面形状の変化を示している。符号5−11、5−12、5−13、5−14、2−15で示す光束断面形状が、図2(b)における光束断面形状5−1〜5−5にそれぞれ対応する。
【0086】
この図5(b)から明らかなように、実施例1においては、像高:0においても、周辺像高に向う偏向光束においても、スキューは有効に補正されている。
【0087】
比較例光走査装置においては、固定ミラー20Cの反射面が副走査方向においては、偏向反射面と平行であるため、周辺像高の走査に向う光束の反射位置は、偏向反射面・固定ミラーのミラー面の双方に対し一方へずれるのみであり、これが、周辺像高へ向うに連れてスキューを増大させる原因となっている。
【0088】
これに対し、実施例1では、固定ミラーにおける反射位置が、副走査方向において、両方向へ移動するので、このことがスキューを低減ないし補正させるように作用する。
【0089】
図6(a)、(b)に、実施例1での、被走査面上における光スポットの「主・副走査方向のスポット径のデフォーカス量に対する変化」を図3(a)、(b)に倣い、中心像高(像高:0)と周辺像高(像高:25.7mm)に対して示す。
【0090】
図から明らかなように、主・副走査方向とも、像高:0および周辺像高において、光スポットはスポット径も小さく、深度余裕も大きい。即ち、比較例光走査装置の場合に比してスキューの影響は極めて有効に軽減されている。
【0091】
また、比較例光走査装置では、図2に示すように、固定ミラー面20C上での光束通過範囲で、スキューにより光束が傾くため、偏向光束として偏向反射面により最後に反射された光束が固定ミラーにより「ケラれない」ようにするための、固定ミラー20Cのエッジ部の加工が困難になるが、実施例1では、偏向反射面への入射角が反射毎に変化し、なおかつ、入射角の符号が異なる場合があるので、最終的に「スキューによる光束の傾き」が小さく、従って、固定ミラー20D、20Eの開口部30のエッジ(スリット)の加工が容易である。
【0092】
図7に、実施の別形態を特徴部分のみ示す。図1に示した光走査装置例(比較例光走査装置)との違いは、光偏向装置にある。
【0093】
即ち、図7の実施の形態において「光偏向装置」は、図1の例におけると同様の「揺動ミラー20Aを駆動装置で揺動駆動する光偏向器」に対し、1面の固定ミラー20Fを組合せたものである。
【0094】
図7(副走査断面を示す)に示すように、1面の固定ミラー20Fは、図示のように入射光束を偏向反射面との間で3回以上(この例では4回)反射させて偏向光束とするものであり、固定ミラー20Fは「副走査断面内で傾き角:θ」を有し、入射光束が偏向反射面との間で3回以上反射する間に、偏向反射面における反射位置の移動方向が副走査方向において反転し(請求項6)、偏向光束は、偏向反射面に(入射ミラー18の側から)入射する光束に対し、副走査断面内で角をなすように射出する(請求項7)。
【0095】
【実施例】
以下、図7の実施の形態に関する具体的な実施例を、先に挙げた比較例光走査装置の場合に倣って示す。「光源としての半導体レーザから、入射ミラーを介して光偏向装置に入射するまでの光学配置」は、比較例光走査装置の場合と全く同じである。
【0096】
実施例2
偏向反射面への入射角:19.4度
偏向反射面での有効振れ角:3.71度
L(偏向反射面と固定ミラー20Dの上端縁部までの距離):0.35mm
偏向反射面での反射回数:5回
θ:5.55度
Figure 0004359003
面番号:2、3、4、5の各レンズ面は、前記(1)式で表すことができ、以下の如くに特定される。なお、面番号2と5の面は「レンズ面の子線頂点を結んだ母線が副走査方向に湾曲」している(請求項22)。
【0097】
面番号2(レンズ24の入射側面)
Km=1.85E+02,a4=2.08E-06,a6=-2.905E-09,a8=-1.15E-11,a10=2.196E-14
b2=3.95E-04,b4=-9.533E-07,b6=1.906E-09,b8=1.57E-10,b10=-3.37E-13,
b12=4.326E-15
d2=2.0E-04,d4=3.08E-06,d6= 2.3E-08・・・・
面番号3(レンズ24の射出側面)
Km=-1.93E-01,a4=2.91E-06,a6=1.375E-09,a8=-5.348E-12,a10=2.535E-14
b2=-3.253E-04,b4= 2.14E-07,b6=5.939E-09,b8=2.108E-11,b10=1.117E-13,
b12=1.201E-15
d0=0,d2=0,d4= 0,・・・・
面番号4(レンズ26の入射側面)
Km=-1.39E+01,a4=-1.102E-06,a6=-9.881E-10,a8=1.072E-12,a10=2.258E-15,
a12=-1.035E-18,a14=-1.427E-23
b2=-5.281E-06,b4=1.462E-08,b6=-3.916E-11,b8=3.006E-13,b10=5.198E-16,
b12=4.551E-18
d0=0,d2=0,d4= 0,・・・・
面番号5(レンズ26の射出側面)
Km=-6.91E+01,a4=-2.188E-06,a6=4.3228E-10,a8=2.7814E-12,a10=-1.214E-15,
a12=7.686E-19,a14=4.073E-22
b2=8.18E-05,b4=-1.48E-07,b6=1.26E-10,b8=7.0E-14,b12=4.5E-18
d2=-4.0E-05,d4=-5.0E-09,d6=4.38E-11,・・・・
レンズ24、26は、中央像高に向かう光束に対し、反時計回りにティルトされ、レンズ24入射側面は、中央像高に向かう光束に対し上方向(Z軸の正の方向き)に0.3mmシフトされ、レンズ26の入射側面は、中央像高に向かう光束に対し上方向(Z軸の正の方向き)に1.1mmシフトされている。
【0098】
即ち、偏向反射面とレンズ24の入射側面との距離を除き、レンズ24、26は実施例1のものと全く同様である。
【0099】
図8(a)、(b)に、実施例2での、被走査面上における光スポットの「主・副走査方向のスポット径のデフォーカス量に対する変化」を図3(a)、(b)に倣い、中心像高(像高:0)と周辺像高(像高:25.7mm)に対して示す。
【0100】
図から明らかなように、主・副走査方向とも、像高:0および周辺像高において、光スポットはスポット径も小さく、深度余裕も大きい。このことから、比較例光走査装置の場合に比してスキューの影響は、実施例2においても有効に軽減されていることが分かる。
【0101】
また、スキューが小さいので、固定ミラー20Fの上側エッジの加工が容易である。
【0102】
上に説明した実施例1、2では、偏向反射面が1面しかない揺動ミラーを用いているが、ポリゴンミラー等の回転多面鏡を用いても良い。上の実施例1、2に用いられた揺動ミラー20Aは、主走査方向の鏡面幅が4mmと小さいマイクロ揺動ミラーで、有効振れ角も3.71度と微小であるため、偏向角を大きくとっても、有効走査幅は、50.4mmと小さい。しかし、実施例の光学系を「主走査方向に複数個並べて配置」することにより、有効書込幅を増大させることができる。
【0103】
図9には、画像形成装置の実施の1形態を示す。この画像形成装置は「レーザプリンタ」である。
【0104】
「レーザプリンタ」は、感光媒体91として「円筒状に形成された光導電性の感光体」を有している。感光媒体91の周囲には、帯電手段92(接触式の帯電ローラを例示したが、勿論、コロナチャージャを用いても良い)、現像装置94、転写手段95(コロナ放電を利用する方式のものを示したが、接触式の転写ローラでも良い)、クリーニング装置97が配備されている。
【0105】
また、レーザ光束LBによる光走査装置93が設けられ、帯電ローラ92と現像装置94との間で「光書込による露光」を行うようになっている。
【0106】
図9において、符号96は定着装置、符号Sは「シート状の記録媒体」としての転写紙を示している。
【0107】
画像形成を行うときは、光導電性の感光体である感光媒体91が時計回りに等速回転され、その表面が帯電手段92により均一帯電され、光走査装置93のレーザ光束LBの光書込による露光を受けて静電潜像が形成される。形成された静電潜像は所謂「ネガ潜像」であって画像部が露光されている。
【0108】
この静電潜像は、現像装置94により反転現像され、感光媒体91上にトナー画像が形成される。転写紙Sは、感光媒体91上のトナー画像が転写位置へ移動するのにタイミングをあわせて転写部へ送りこまれ、転写部においてトナー画像と重ね合わせられ、転写手段95の作用によりトナー画像を静電転写される。
【0109】
トナー画像を転写された転写紙Sは定着装置96へ送られ、定着装置96においてトナー画像を定着されて外部へ排出される。トナー画像が転写された後の感光媒体91の表面は、クリーニング装置97によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等を除去される。なお、転写紙に代えて前述のOHPシートを用いることもでき、トナー画像の転写は、中間転写ベルト等の「中間転写媒体」を介して行うようにすることもできる。
【0110】
光走査装置93として、上に説明した実施例1や実施例2の光走査装置を(必要に応じて複数組、図面に直交する方向へ並べて)用いることにより、良好な画像形成を実行することができる。
【0111】
上に、図4、図7に即して説明した実施の形態における光偏向装置は、軸のまわりに偏向反射面を回転もしくは揺動させて、上記軸に直交する面に対して傾いた方向から入射する光束を反射偏向させる光偏向器20Aと、この光偏向器における偏向反射面に対向して配置され、偏向反射面との間で複数回反射させる1以上の固定ミラー20C、20D(あるいは20F)とを有し、1以上の固定ミラーの、副走査断面内における上記軸に対する傾き角:θ1、θ2(もしくはθ)が、被走査面を光走査する偏向光束のスキューを有効に軽減するように定められた光偏向装置である
【0112】
また、図7の光偏向装置では、固定ミラー20Fが1面である(請求項2)。
【0113】
図4の光偏向装置では、固定ミラー20D、20Eが2面で副走査方向に配置され、入射光束を偏向反射面との間で3回以上反射させて偏向光束とし、2面の固定ミラー20D、29Eの、副走査断面内での傾き角:θ1、θ2が互いに逆で、各固定ミラーのミラー面と偏向反射面との距離が副走査断面内において、両者の間隙部30へ向って増大するように設定され、偏向光束が間隙部30から射出する。また、偏向反射面により最初に反射されて一方の固定ミラー20Dに入射した光束を、一方の固定ミラーのミラー面で1回反射させた後、偏向反射面20Aを介して他方の固定ミラー20Eのミラー面に入射させる。
【0114】
図4、図7の光偏向装置とも、入射光束が偏向反射面との間で3回以上反射する間に、偏向反射面における反射位置の移動方向が副走査方向において反転するように、各固定ミラー20D、20E(もしくは20F)の配置が設定され、偏向光束は、偏向反射面20Aに入射する光束に対し副走査断面内で角をなすように射出する。
【0115】
また、実施例1、2の光偏向装置とも、光偏向器は「高速揺動するマイクロ揺動ミラー」である。
【0116】
従って、図4、図7や実施例1、2の光偏向装置を用いると、光源10側からの光束を光偏向装置により偏向させ、偏向光束を走査結像光学系24、26により被走査面28に導光して光スポットを形成し、光スポットにより被走査面の光走査を行う光走査方法において、光偏向装置として請求項1記載の光偏向装置を用いる光走査方法が実施される。
【0117】
図7や実施例2の光偏向装置を用いると、光源10側からの光束を光偏向装置により偏向させ、偏向光束を走査結像光学系24、26により被走査面28に導光して光スポットを形成し、光スポットにより被走査面の光走査を行う光走査方法で、光偏向装置として請求項2記載の光偏向装置を用いる光走査方法が実施される。
【0118】
さらに、図4や実施例1の光偏向装置を用いると、光源10側からの光束を光偏向装置により偏向させ、偏向光束を走査結像光学系24、26により被走査面28に導光して光スポットを形成し、光スポットにより被走査面の光走査を行う光走査方法において、光偏向装置として上記光偏向装置を用いる光走査方法が実施される
【0119】
図4、図7や実施例1、2の光偏向装置を用いると、光源10側からの光束を光偏向装置により偏向させ、偏向光束を走査結像光学系24、26により被走査面28に導光して光スポットを形成し、光スポットにより被走査面の光走査を行う光走査方法が実施される。
【0120】
また、図4、図7や実施例1、2の光偏向装置を用いると、光源10からの光束をカップリングし、カップリングされた光束を線像結像光学系16により副走査方向に集束させ、光偏向器の偏向反射面20Aで最後に反射される位置の近傍において、主走査方向に長い線像として結像させる光走査方法(請求項14)が実施される。
【0121】
実施例1、2とも、走査線の曲がりを補正するために、レンズ面の子線頂点を連ねた線が副走査方向に湾曲するレンズが1枚以上、走査結像光学系に用いられている。
【0122】
図4、図7や実施例1、2の光走査装置は、光源10側からの光束を光偏向装置により偏向させ、偏向光束を走査結像光学系24、26により被走査面28に導光して光スポットを形成し、光スポットにより被走査面の光走査を行う光走査装置において、光偏向装置として請求項1記載の光偏向装置を用いる光走査装置であり、図7、実施例2の光走査装置は、光偏向装置として請求項2記載の光偏向装置を用いる光走査装置である。
【0123】
図4、実施例1の光走査装置は、光源10側からの光束を光偏向装置により偏向させ、偏向光束を走査結像光学系24、26により被走査面28に導光して光スポットを形成し、光スポットにより被走査面の光走査を行う光走査装置において、光偏向装置として請求項1記載の光偏向装置を用いる光走査装置である。
【0124】
図4、図7、実施例1、実施例2の光走査装置は、光偏向装置としてこの発明の光偏向装置を用いる光走査装置である。
【0125】
図4、図7、実施例1、2の光走査装置とも、光源10からの光束をカップリングするカップリングレンズ12と、このカップリングレンズによりカップリングされた光束を副走査方向に集束させ、光偏向器の偏向反射面で最後に反射される位置の近傍において、主走査方向に長い線像として結像させる線像結像光学系16とを有し、実施例1、2の光走査装置は何れも、走査結像光学系が、走査線の曲がりを補正するために、レンズ面の子線頂点を連ねた線が副走査方向に湾曲するレンズを1枚以上有する。
【0126】
また、図9に示した画像形成装置は、感光媒体91を光走査して画像形成を行う画像形成装置で、感光媒体91の光走査に、上記請求項10または11記載の光走査装置93を用いるものであり、感光媒体91の光走査により、感光媒体に潜像が形成され、この潜像が可視化されるものであり、感光媒体91が光導電性の感光体であり、潜像が静電潜像として形成され、トナー画像として可視化され、トナー画像がシート状の記録媒体Sに最終的に担持される。
【0127】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば、新規な光偏向装置・光走査方法・光走査装置及び画像形成装置を実現できる。
この発明の光偏向装置は、光走査の高速化を可能にするとともに、偏向光束のスキューを有効に軽減するので、光スポットの小径化をおこないつつ、なおかつ光スポットの像高による変動を有効に軽減して良好な光走査を可能とする。
【0128】
従って、この光偏向装置を用いる光走査装置により、良好な光走査を実現でき、上記光走査装置を用いる画像形成装置は良好な画像形成を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例光走査装置を説明するための図である。
【図2】比較例光走査装置における偏向光束のスキューを説明するための図である。
【図3】偏向光束のスキューに起因するスポット径の変動を説明するための図である。
【図4】発明の実施の1形態を特徴部分のみ示す図である。
【図5】実施例1におけるスキューの軽減効果を説明するための図である。
【図6】実施例1におけるスポット径変動の改善を説明するための図である。
【図7】発明の実施の別形態を特徴部分のみ示す図である。
【図8】実施例2におけるスポット径変動の改善を説明するための図である。
【図9】画像形成装置の実施の1形態を示す図である。
【符号の説明】
18 入射ミラー
20A 揺動ミラー(偏向反射面)
20D、20E 固定ミラー

Claims (15)

  1. 軸のまわりに偏向反射面を回転もしくは揺動させて、上記軸に直交する面に対して傾いた方向から入射する光束を反射偏向させる光偏向器と、
    この光偏向器における上記偏向反射面に対向して配置され、上記偏向反射面との間で光束を複数回反射させる1面もしくは2面の固定ミラーとを有し、
    入射光束が偏向反射面との間で3回以上反射する間に、偏向反射面における反射位置の移動方向が副走査方向において反転するように、上記1面もしくは2面の固定ミラーの、副走査断面内における上記軸に対する傾き角と配置とが設定されたことを特徴とする光偏向装置。
  2. 請求項1記載の光偏向装置において、
    固定ミラーが1面であることを特徴とする光偏向装置。
  3. 請求項1記載の光偏向装置において、
    固定ミラーが2面で副走査方向に配置され、上記2面の固定ミラーの、副走査断面内での傾き角が互いに逆で、各固定ミラーのミラー面と偏向反射面との距離が、上記副走査断面内において、両者の間隙部へ向って増大するように設定され、偏向光束が上記間隙部から射出することを特徴とする光偏向装置
  4. 請求項3記載の光偏向装置において、
    偏向反射面により最初に反射されて一方の固定ミラーに入射した光束を、上記一方の固定ミラーのミラー面で1回反射させた後、上記偏向反射面を介して他方の固定ミラーのミラー面に入射させることを特徴とする光偏向装置。
  5. 請求項1〜4の任意の1に記載の光偏向装置において、
    偏向光束を、偏向反射面に入射する光束に対し副走査断面内で角をなすように射出させることを特徴とする光偏向装置
  6. 請求項1〜5の任意の1に記載の光偏向装置において、
    光偏向器が高速揺動するマイクロ揺動ミラーであることを特徴とする光偏向装置。
  7. 光源側からの光束を光偏向装置により偏向させ、偏向光束を走査結像光学系により被走査面に導光して光スポットを形成し、上記光スポットにより上記被走査面の光走査を行う光走査方法において、
    光偏向装置として、請求項1〜6の任意の1に記載の光偏向装置を用いることを特徴とする光走査方法
  8. 請求項7記載の光走査方法において、
    光源からの光束をカップリングし、カップリングされた光束を線像結像光学系により副走査方向に集束させ、光偏向器の偏向反射面で最後に反射される位置の近傍において、主走査方向に長い線像として結像させることを特徴とする光走査方法
  9. 請求項7または8記載の光走査方法において、
    走査線の曲がりを補正するために、レンズ面の子線頂点を連ねた線が副走査方向に湾曲するレンズを1枚以上、走査結像光学系に用いることを特徴とする光走査方法。
  10. 光源側からの光束を光偏向装置により偏向させ、偏向光束を走査結像光学系により被走査面に導光して光スポットを形成し、上記光スポットにより上記被走査面の光走査を行う光走査装置において、
    光偏向装置として、請求項1〜6の任意の1に記載の光偏向装置を用いることを特徴とする光走査装置。
  11. 請求項10記載の光走査装置において、
    光源からの光束をカップリングするカップリングレンズと、このカップリングレンズによりカップリングされた光束を副走査方向に集束させ、光偏向器の偏向反射面で最後に反射される位置の近傍において、主走査方向に長い線像として結像させる線像結像光学系を有することを特徴とする光走査装置
  12. 請求項10または11記載の光走査装置において、
    走査結像光学系が、走査線の曲がりを補正するために、レンズ面の子線頂点を連ねた線が副走査方向に湾曲するレンズを1枚以上有することを特徴とする光走査装置。
  13. 感光媒体を光走査して画像形成を行う画像形成装置において、
    感光媒体の光走査に、請求項10〜12の任意の1に記載の光走査装置を用いることを特徴とする画像形成装置
  14. 請求項13記載の画像形成装置において、
    感光媒体の光走査により、上記感光媒体に潜像が形成され、この潜像が可視化されることを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項14記載の画像形成装置において、
    感光媒体が光導電性の感光体であり、潜像が静電潜像として形成され、トナー画像として可視化され、上記トナー画像がシート状の記録媒体に最終的に担持されることを特徴とする画像形成装置。
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