JP2004226864A - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光偏向器を共有し、複数の走査光学系を構成する光学素子を光偏向器の両側に対向させて配設したものにおいて、形成される画像の色ずれを抑えることができる光走査装置および画像形成装置を得る。
【解決手段】光源装置から射出された光ビームを被走査面9,9’へ導く光学素子群51,52を少なくとも2つ有しこれらの光学素子群は光偏向器5を共有しており、一つの光学素子群の、光偏向器5よりも後に配置されている光学素子と、他の光学素子群の、光偏向器5よりも後に配置されている光学素子は、光路を曲げるだけの機能を有する折り返しミラーを除き、光源装置から被走査面9,9’までの光路を直線的に展開した状態で、光偏向器5の回転軸に垂直な軸に対してほぼ回転対称に配列されている光走査装置。この光走査装置を用いた画像形成装置。
【選択図】 図1
【解決手段】光源装置から射出された光ビームを被走査面9,9’へ導く光学素子群51,52を少なくとも2つ有しこれらの光学素子群は光偏向器5を共有しており、一つの光学素子群の、光偏向器5よりも後に配置されている光学素子と、他の光学素子群の、光偏向器5よりも後に配置されている光学素子は、光路を曲げるだけの機能を有する折り返しミラーを除き、光源装置から被走査面9,9’までの光路を直線的に展開した状態で、光偏向器5の回転軸に垂直な軸に対してほぼ回転対称に配列されている光走査装置。この光走査装置を用いた画像形成装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置における画像書き込み装置として適用可能な光走査装置およびこれを用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光源装置からの光ビームを回転多面鏡等の「光偏向器」により偏向させ、偏向された光ビームを光偏向器以降に配設された「走査光学系」により被走査面に向けて集光させることで、被走査面上に光スポットを形成し、この光スポットにより被走査面を光走査する光走査装置は広く知られている。この光走査装置は、光プリンタや光プロッタ、デジタル複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置における画像書き込み装置として用いられている。
【0003】
光走査装置の原型は、単一の走査面を光走査するものであるが、近来は、カラー画像形成装置の急速な普及に伴い、複数の被走査面を同時に光走査することによって、高速度で、かつ、高密度でカラー画像を形成することができるものが実用化されている。
例えば、カラーの各色に対応する光走査装置を用意し、各光走査装置により、これらに対応する複数の被走査面を光走査し、被走査面上に画像を形成するカラー画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
また、走査光学系を構成する光学素子の一部を、各色に対応する複数の光ビームに対して共通化させたマルチビーム光源走査装置が知られている。より具体的には、走査光学系を構成する光学素子であるfθレンズを、1個の第1fθレンズと4個の第2fθレンズに分け、第1fθレンズを4個の走査光学系で共通に使用し、第2fθレンズを個々の走査光学系で使用するようにしたものである(特許文献2参照)。
さらに、「光偏向器」を共有し、複数の走査光学系を構成する光学素子を、光偏向器の両側に対向させて配設した光走査装置および画像形成装置が知られている(特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平11−223783号公報
【特許文献2】特開2001−33720号公報
【特許文献3】特開2001−350110号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
光走査装置によって被走査面を走査し、カラー画像を形成する場合に最も大きな課題となるのは、各色に対応する走査線のずれに基づく色ずれである。上記3つの特許文献記載のタイプで色ずれの発生量が比較的小さいのは、特許文献2に記載されているタイプである。このタイプでは、色ずれの要因となるパワーの強い光学素子を共通化させることにより、環境変動で光学素子に変化が生じても、その変化が結像性能に与える影響を各色に対してほぼ同一とすることができるため、色ずれとしては目立ちにくい。
逆に、色ずれに最も弱いタイプは特許文献1記載のタイプである。このタイプは、各色毎に光走査装置を別個に設けているため、各色の走査線相互の変動が全く独立に発生し、色ずれが顕著になる傾向がある。
【0007】
特許文献2記載のタイプの課題としては、副走査方向の高さが高くなるということが挙げられる。各色に対応する複数の光ビームを、共通化された光学素子を通過させ、さらに光線分離するためには、各色に対応する光ビームの副走査方向の高さをある程度離しておく必要がある。これがfθレンズなどの光学素子の大型化を招くことになる。特に光学素子を樹脂化する場合には成形精度が通常のレンズに比して格段に悪くなる。また、被走査面として4つの感光体を用意している都合上、主走査平面内での拡がりは特許文献3記載のタイプとあまり変わらない。つまり、画像形成装置は特許文献3記載のものよりも大きくなる。
しかし、特許文献3記載のタイプをそのまま画像形成装置に搭載したのでは、色ずれに対する課題は残ったままである。
【0008】
本発明は以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、特許文献3記載のもののように、「光偏向器」を共有し、複数の走査光学系を構成する光学素子を光偏向器の両側に対向させて配設したものにおいて、形成される画像の色ずれを抑えることができる光走査装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の光走査装置は、「光偏向器を有する光走査装置」であって、以下の如き特徴を有する。
すなわち、光源装置から射出された光ビームを被走査面へ導く光学素子群を少なくとも2つ有するとともにこれらの光学素子群は上記光偏向器を共有しており、一つの光学素子群の、光偏向器よりも後に配置されている光学素子と、他の光学素子群の、光偏向器よりも後に配置されている光学素子は、光路を曲げるだけの機能を有する折り返しミラーを除き、光源装置から被走査面までの光路を直線的に展開した状態で、光偏向器の回転軸に垂直な軸に対してほぼ回転対称に配列されていることを特徴とする対向走査型の光走査装置である。
【0010】
ここで、「光源装置から被走査面までの光路を直線的に展開」とは以下のことを意味する。光走査装置を実際の画像形成装置に搭載する場合には、全体的な大きさをコンパクトにするために、折返しミラーを複数枚用いて光路を折り曲げるのが普通である。これに対し、光路を折り曲げるだけの機能しか有さない折返しミラーを除去し、光路が折り曲げられる前と後で全く等価になるように光線を直線的に展開して各光学素子を配設する。これを本明細書では「光路を直線的に展開」と呼ぶことにする。
【0011】
光偏向器に対して光ビームが主走査平面内で入射する通常の光走査装置の場合、光偏向器で反射された光ビームも主走査平面内にあるため、各光学素子にパワーを有するミラーを用いなければ、全ての光学素子は一つの平面すなわち主走査平面上に乗ることになる。
一方、光偏向器に対して光ビームが主走査平面に対してある角度を有して入射する「斜入射タイプ」の光走査装置の場合、一つの平面上に光学素子が配列されるわけではない。しかし、光偏向器から反射された光ビームが斜めであっても、被走査面に直線的に入射されるように配設されている場合、これを「光路を直線的に展開」と呼ぶ。
【0012】
請求項2記載の発明の特徴は、請求項1記載の光走査装置において、光学素子群は、第1光学素子群と第2光学素子群からなり、これらの光学素子群の光偏向器よりも後に配置されている光学素子が、光偏向器の回転軸に垂直な軸に対してほぼ回転対称に配列されていることである。
請求項3記載の発明の特徴は、請求項2記載の光走査装置において、第1光学素子群と第2光学素子群には、光ビームが走査される方向に非対称な走査光学素子が少なくとも1つ含まれていることである。
【0013】
請求項4記載の発明の特徴は、請求項3記載の発明において、非対称な走査光学素子を取り付ける基底が、第1光学素子群と第2光学素子群で副走査方向について逆になっていることことである。
請求項5記載の発明の特徴は、請求項2から4のいずれかに記載の発明において、光偏向器よりも後に配設される折返しミラーの枚数は、第1光学素子群と第2光学素子群において偶数または奇数に揃えられていることである。
【0014】
請求項6記載の発明の特徴は、請求項2から5のいずれかに記載の発明において、各被走査面上を走査された走査線の曲がり偏差を抑えるために、第1光学素子群と第2光学素子群を構成する光学素子の少なくとも一つに走査線曲がり調整機構が配設されていることである。
【0015】
請求項7記載の発明は、電子写真プロセスを実行することにより画像を形成する画像形成装置であって、電子写真プロセスの露光プロセスを実行するユニットとして請求項1から6のいずれかに記載の光走査装置が搭載されていることを特徴とする。
ここで言う画像形成装置は、前述の光プリンタや光プロッタ、デジタル複写機、ファクシミリ装置等を含む。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明にかかる光走査装置および画像形成装置の実施の形態について説明する。
図1(a)(b)は、本発明にかかる光走査装置の一実施形態を説明するための図であり、光偏向器である回転多面鏡5以降の光学素子の配置を示している。なお、この図は光路を曲げるだけの機能を有する折り返しミラーを除いて、「光路を直線的に展開」した図となっている。この実施形態では、回転多面鏡5を共通化した第1光学素子群51と第2光学素子群52が、上記回転多面鏡5を挟んで対向するように両側に配設されている。上記第1光学素子群51と第2光学素子群52は第1、第2走査光学系を構成している。この走査光学系としては、主走査方向について回転多面鏡5で等角速度的に偏向された光ビームを等速的に被走査面9、9’上を走査させる機能と、副走査方向(主走査方向および光ビームの進行方向に対して垂直な軸方向)について回転多面鏡5の面倒れを補正するように共役関係に保つ機能の両方を兼ね備えたそれそれ1つの走査レンズ7、7’を有している。なお、本実施形態では各走査光学系を1つの走査レンズ7、7’で構成しているが、2つ以上の走査レンズで構成してもよい。
【0017】
また、光走査装置には回転多面鏡の騒音を防止するための「防音ガラス」および光走査装置内にトナーなどが侵入するのを防止するための「防塵ガラス」が配設される。図1において、符号6、6’は防音ガラスを、符号8、8’は防塵ガラスを示している。これらのガラスは、被走査面9、9’に好ましくないゴースト光やフレア光が到達するのを防止するために、図1(b)に示すように基底に対して垂直とはならないように傾けて配設されている。また、上記ガラスを傾けて配設することで、入射光ビームが正反射して光源装置への戻り光となることも防止され、戻り光が原因で光源装置の発光部の動作を不安定にすることを防止することもできる。
【0018】
しかし、上記ガラスを傾けて配設することの弊害として、被走査面9,9’上を走査する走査線に好ましくない曲がりが不可避的に発生することが挙げられる。
図2は従来の光走査装置を表している。この従来例が図1(a)(b)に示す本発明の実施形態と異なるのは、防音ガラス6、6’と防塵ガラスの8、8’の取り付け角度βと、走査レンズ7、7’の基準面11、12の方向である。従来例では、取り付けの利便性を重視するあまり、防音ガラス6、6’と防塵ガラス8、8’の取り付け角度βは、回転多面鏡5に対して、副走査平面内において「逆ハの字」になるように設定されている。また、走査レンズ7、7’の基準面11、12は、基底と接するように取り付けられている。これは、走査レンズ7、7’などからなる第1、第2の光学素子群を、回転多面鏡5の回転軸を対称軸としたほぼ回転対称な関係とすることで構成される。
【0019】
しかし、このような従来の方式によれば、走査線曲がりが図3に示すようになる。図3において、走査線Pは第1光学素子群によるもの、走査線Qは第2走査素子群によるものであるが、お互いの走査線曲がりの方向が逆になっているため、これを重ねると色ずれが発現する。
また、近年では面形状の自由度を広げることと低コスト化を目的として、走査レンズの樹脂化が盛んに行われているが、走査レンズ成形の過程で走査レンズが一方向に反ってしまうという問題があり、このような走査レンズを光走査装置の光学素子として搭載すると、上記の色ずれはより顕著となる。
【0020】
しかし、光源装置から被走査面9,9’までの光路を直線的に展開した状態で、一つの光学素子群の光偏向器5よりも後に配置されている光学素子6、7、8と、他の光学素子群の光偏向器5よりも後に配置されている光学素子6’、7’、8’相互の関係を、「回転多面鏡の回転軸を対称軸としたほぼ回転対称な関係とする」のではなく、図1に示す実施の形態のように、「光偏向器の回転軸に垂直な軸に対してほぼ回転対称」の関係とすると、走査線曲がりは、図4に示すように同じ方向の曲がりとなる。そのため、走査線曲がりそのものは発生していても、色ずれとしては殆ど目立たなくなる。
図1に示す実施の形態では、防音ガラス6,6’と防塵ガラス8,8’は取り付け角度βでほぼ平行であり、走査レンズ7、7’の基準面11、12は、副走査平面内において上下が互いに逆になっている。具体的には、第1光学素子群を構成する走査レンズ7の基準面11は基底と接し、第2光学素子群を構成する走査レンズ7’の基準面12は、上記基底と反対側となるように取り付けられている。
【0021】
次に、第2の実施の形態について説明する。上記第1の実施の形態では、具体的な走査レンズの構成について言及していなかったが、走査レンズが主走査方向に非対称な形状となっている場合、本発明による効果は大きい。以下、具体的な数値を挙げて実施例を示す。レンズ面の形状等は、以下の式による。
「主走査断面内における非円弧形状」
主走査断面内の近軸曲率半径:Rm、
光軸からの主走査方向の距離:Y、
円錐定数:K、
高次の係数をA1、A2、A3、A4、A5、A6、…
として、光軸方向のデプスをXとして次の多項式(式1)で表す。
(式1)
(式1)において、奇数次のA1、A3、A5、…にゼロ以外の数値を代入したとき、主走査方向に非対称形状となる。
【0022】
「副走査断面における曲率半径」
副走査断面内で曲率半径が主走査方向(光軸位置を原点とする座標:Yで示す)に変化する場合、次の(式2)で表す。Rs(0)は、副走査断面内における光軸上の曲率半径を表す。
(式2)
(式2)において、Yの奇数次係数:B1、B3、B5、…にゼロ以外の数値を代入したとき、副走査断面内の曲率半径の変化が主走査方向に非対称となる。
なお、上記の解析表現は、上に挙げたものに限らず、種々のものが可能であり、この発明における面形状が上記式による表現に限定されるものではない。
【0023】
・「光源」
波長:655nm
・「カップリングレンズ」
焦点距離:15mm
カップリング作用:収束作用
・「シリンドリカルレンズ」
副走査方向の焦点距離:72mm
・「ポリゴンミラー」
偏向反射面数:6
内接円半径:16mm
・光源側からのビームの入射角と走査光学系の光軸とがなす角:60度
「ポリゴンミラーと被走査面との間にある光学系のデータ」
データ表記の記号について説明すると、曲率半径を、主走査方向につき「Rm」、副走査方向につき「Rs」、屈折率を「n」で表す。なお、以下のデータにおける「Rm、Rs」は、「近軸曲率半径」である。
【0024】
【0025】
各面の主走査方向と副走査方向の係数を表1、2に挙げる。
表1
【0026】
表2
【0027】
図5に、本発明にかかる光走査装置の前記第1の実施形態を要部のみ示す。図5において、半導体レーザである光源1から放射された光ビームは発散性の光束で、カップリングレンズ2により、以後の光学系にカップリングされる。カップリングされたビームの形態は、以後の光学系の光学特性に応じ、弱い発散性の光束や弱い収束性の光束となることも、平行光束となることもできる。本実施例では収束性の光束としている。カップリングレンズ2を透過した光ビームは、アパーチャ3の開口部を通過する際、光束周辺部が遮断されて「ビーム整形」され、「線像結像光学系」であるシリンドリカルレンズ4に入射する。シリンドリカルレンズ4は、パワーのない方向を主走査方向に向けて配置され、副走査方向には正のパワーを持ち、入射してくる光ビームを副走査方向に集束させ、「光偏向器」である回転多面鏡5の偏向反射面近傍に、主走査方向に長い線像を形成させる。
【0028】
偏向反射面により反射された光ビームは、回転多面鏡5の等速回転に伴い等角速度的に偏向されつつ、「走査光学系」をなす1枚の走査レンズ7を透過し、「被走査面」の実体をなす光導電性の感光体表面9上に光スポットとして集光し、被走査面を光走査するように構成されている。図5では光源としての半導体レーザはシングルビームとして描いてあるが、マルチビーム用の光源装置を用いてもよい。
この実施形態において、設計値通りの走査レンズ7が成形されたとしても、本実施例で不可避的に発生する走査線曲がり量は15μm程度である。したがって、第1光学素子群による走査線と第2光学素子群による走査線とを単に重ね合わせることを想定すると、最大30μmの色ずれとして発生する可能性がある。しかし、各光学素子を第1の実施形態に関して説明したように配設すると、この色ずれ量は殆ど0μmである。
また、走査レンズ7に反りが発生したとしても同様のことが言える。例えば、第1光学素子群での反り量が10μm、第1光学素子群での反り量が15μmとすると、従来では25μmの色ずれとなっていたものが、本発明の実施形態では5μmの色ずれとなる。
【0029】
次に、第3の実施形態について説明する。第2の実施形態では、走査レンズ7、7’は共通の基底に対して、走査レンズ7はその基準面11が接するように、走査レンズ7’はその基準面12と反対側が接するように固定されていた。ところが、例えばこの固定材として紫外線硬化接着剤を用いたような場合、走査レンズ7と7’は接着されている面が異なるので、環境変動に対する走査レンズの変形の仕方もそれぞれ違ったものになりやすい。これも当然色ずれの要因となりうるため、高画質の画像を獲得するためには、できれば接着されている面を同一にするのが好ましい。そこで本発明の第3の実施形態では、図6に示すように、第1光学素子群を構成する走査レンズ7を固定する基底と第2光学素子群を構成する走査レンズ7’を固定する基底を、副走査方向について上下逆に設定する。そうすると、走査レンズ7も走査レンズ7’もその基準面11、12側が接着面となり、同一の面で固定されることになる。環境変動による走査レンズの変形で発生する走査線曲がりは、50μm以上となることもあり、このことを考慮すると図6に示す実施形態のように走査レンズ7,7’を固定する方が好ましい。
【0030】
次に、第4の実施の形態について説明する。これまでの説明では、走査光学系として専ら走査レンズについて説明してきたが、本発明にかかる光走査装置は、走査レンズに代えて走査ミラーを使用しても構成することができ、これまで説明してきた実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。さらに、「斜入射」方式でも同様のことがいえる。
【0031】
ここでは走査ミラーを用いた実施形態について説明する。走査ミラーは、走査レンズと本質的に異なる点として、入射光線と射出光線を分離するために光学素子そのものを傾けて配設する必要があることが挙げられる。このため、走査ミラーを傾けたことで発生する走査線曲がりは、防音ガラスや防塵ガラスを傾けた場合以上に大きい。このような走査ミラーを有する光走査装置を搭載した画像形成装置では、従来の方式の場合、色ずれ量は非常に大きかった。しかし、図7に示す実施形態のように、「光偏向器5の回転軸に垂直な軸を対称軸としたほぼ回転対称な関係とする」と、走査線曲がりの方向は同じ向きになるため色ずれ量は飛躍的に低減される。
図7に示す例によれば、第1、第2の被走査面9,9’も上下逆になっているが、実際の画像形成装置ではこの光路の途中に折返しミラーを挿入するため実用上は問題とならない。
【0032】
次に、第5の実施の形態について説明する。これまで説明してきた実施の形態では、2本の走査線による2色の書き込みを例として説明したが、実際のフルカラープリンターでは、シアン、マゼンタ、イエロー、黒の4色を被走査面上に書き込む必要がある。これを実現するには、図8に示す実施の形態のように、第1群、第2群の各光学素子を2段構成とし、回転多面鏡5も2段の偏向反射面を有する構成にすればよい。図8では煩雑を避けるため防音ガラス、防塵ガラスを省略して示している。
【0033】
図8において、回転多面鏡5を挟んでその両側に第1、第2の光学素子群を構成する走査レンズ7、7’が配置されている。回転多面鏡5の上段の偏向反射面で反射される光ビームは、走査レンズ7、折り返しミラーMC1、MC2を経てシアンの画像を受け持つ感光体ドラム111Cに至る一方、走査レンズ7’、折り返しミラーMB1、MB2を経て黒の画像を受け持つ感光体ドラム111Bに至るように構成されている。また、回転多面鏡5の下段の偏向反射面で反射される光ビームは、走査レンズ7、折り返しミラーMM1、MM2を経てマゼンタの画像を受け持つ感光体ドラム111Mに至る一方、走査レンズ7’、折り返しミラーMY1、MY2を経てイエローの画像を受け持つ感光体ドラム111Yに至るように構成されている。
【0034】
ところで、図8に示す実施の形態は、これを画像形成装置に搭載する際の光走査装置の1実施形態となっているが、そのため前述の実施形態と異なり、光ビームの光路を折り曲げる折返しミラーが挿入されている。この折返しミラーは、各色に相当する光ビームに対して本実施の形態では2枚ずつ配設されている。ここで、重要な点は、使用する折返しミラーの枚数を、偶数または奇数で揃えるということ、すなわち、偶数なら偶数で揃え、奇数なら奇数で揃えるということである。各色に対応する走査光学系の折り返しミラーの枚数が、一方では偶数、他方では奇数というように、互いに異なっていると、走査線曲がりの向きが反転してしまい、揃わなくなる。このため色ずれが発生し、画像を劣化させる要因となる。
【0035】
かかる不具合を回避するために、図8に示す実施の形態では、全ての色に対応する走査光学系の折返しミラーは2枚ずつの偶数枚としている。もちろん、光学素子の配設の仕方によっては、ある色は2枚の折返しミラーですむが、4枚必要な場合もありうる。しかし、このような場合も枚数が偶数枚で規定されているため、走査線曲がりの向きを揃えることができ、色ずれとして問題にならないレベルに抑えることができる。
【0036】
次に、第6の実施の形態について説明する。先にも指摘したように、走査線曲がりの要因には走査レンズの反りが挙げられる。走査レンズの反りは、樹脂化された走査レンズを成形する際の冷却時間に反比例して発生することが分かっており、冷却時間を短くするとこの反り量は大きくなる傾向がある。また、走査レンズの反り量は1つ1つの走査レンズに同量発生するわけではなく、ある程度のばらつきを有するのが普通である。本発明の基本構成で走査レンズを取り付けたとしても、このばらつき分で発生する色ずれを補正することは困難である。そこで、例えば、折返しミラーを撓ませる、あるいは走査レンズが2枚構成の場合などはそのうちのひとつの走査レンズを変形させる、さらには走査線曲がり補正用平行平板ガラスを挿入する、というような「走査線曲がり調整機構」を搭載する必要性がある場合がある。
【0037】
このような調整機構を搭載すれば、本発明の基本構成である「光偏向器の回転軸に垂直な軸を対称軸としたほぼ回転対称な関係」としなくても、従来方式によって、色ずれの低減された画像を得ることは可能である。しかし、上記のような「走査線曲がり調整機構」は、その調整量が大きくなると必ず走査線曲がり以外の光学特性に悪影響(副作用)をもたらすのが普通である。具体的には、折返しミラーを撓ませることで走査線曲がりを補正する場合、主走査方向の結像位置ずれや等速特性の劣化が同時に発生する。また、走査線曲がり補正用平行平板ガラスを挿入すると、結像位置ずれや被走査面上の光スポットの劣化が同時に発生する。従って、「走査線曲がり調整機構」で補正する走査線曲がりの調整量は小さい方が好ましいことになる。
【0038】
従来方式の場合、不可避的に発生する走査線曲がりの方向そのものが第1群と第2群とで異なっており、その分まで補正しなければならず、このため調整機構で補正すべき調整量は大きい。一方、本発明の方式によれば、走査線曲がりの方向が揃っているため、補正すべき調整量は従来方式に比べて格段に小さく、副作用として考慮すべき光学性能の劣化を飛躍的に抑えることが可能となる。
【0039】
次に、本発明にかかる光走査装置を用いた画像形成装置の実施形態について図9を参照しながら説明する。この画像形成装置は電子写真プロセスを実行することによって画像を形成する画像形成装置であり、電子写真プロセスの露光プロセスを実行するユニットとして前述の実施形態にかかるいずれかの光走査装置が用いられている。また、この画像形成装置「カラーレーザプリンタ」の例である。
【0040】
図9において、カラーレーザプリンタ100は感光体ドラム111C、111M、111Y、111Bとして「円筒状に形成された光導電性の感光体」を有している。上記各符号の末尾に付されているC,M,Y,Bはそれぞれ現像剤であるトナーの色、シアン、マゼンタ、イエロー、黒を表している。以下、帯電ローラ112、現像装置113、転写用のコロナチャージャ114についても同様に、図面上の符号の末尾に上記トナーの色を表すC,M,Y,Bを付してある。上記各感光体ドラム111C〜111Bの周囲には、帯電手段としての帯電ローラ112C〜112B、現像装置113C〜113B、転写用のコロナチャージャ114C〜114Bが設けられている。上記4つの感光体ドラム111C〜111Bの下方には、これらに共通の転写ベルト115が設けられ、この転写ベルト115の内周の、各感光体ドラム111C〜111Bに対応する部位に、転写用のコロナチャージャ114C〜114Bが配置されている。各感光体ドラム111C〜111Bの上方には、光走査装置117が設けられている。光走査装置117は、例えば、図5に示す実施形態と同じものを用いることができる。図8において、符号116は定着装置、符号Pは記録媒体としての転写紙を示している。
【0041】
画像形成を行うときは、光導電性の感光体である各感光体ドラム111C〜111Bがそれぞれ時計回りに等速回転され、各表面が帯電ローラ112C〜112Bにより均一帯電される。光走査装置117は、感光体ドラム111Cにはシアン成分画像に対応するシアン成分潜像を書き込み、感光体ドラム111M、111Y、111Bには、それぞれマゼンタ、イエロー、黒成分画像に対応するマゼンタ、イエロー、黒成分潜像を書き込む。書き込み形成された各色成分潜像は所謂「ネガ潜像」であって、画像部が露光されている。これら各色成分潜像は、現像装置113C〜113Bにより、それぞれシアン、マゼンタ、イエロー、黒色のトナーで反転現像され、各感光体ドラム111C〜113B上に上記各色のトナー画像が形成される。
【0042】
転写紙Pは、転写ベルト114により、各感光体ドラムに対する転写位置を順次に搬送され、転写用のコロナチャージャ114C、114M、114Y、114Bにより順次、感光体ドラム111Cからはシアントナー画像、感光体ドラム111Mからはマゼンタトナー画像、感光体ドラム111Yからはイエロートナー画像、感光体ドラム111Bからは黒トナー画像が転写される。このように転写された各色トナー画像の合成画像として「カラー画像」が形成される。このようにカラー画像が形成された転写紙Pは定着装置116においてカラー画像が定着されて装置外へ排出される。トナー画像が転写された後の各感光体ドラム111C〜111Bの表面は、図示されないクリーニング装置により、それぞれクリーニングされて残留トナーや紙粉等が除去される。
【0043】
なお、転写紙Pに代えてOHPシート等を用いることもできる。また、トナー画像の転写は、中間転写ベルト等の「中間転写媒体」を介して行うようにすることもできる。
【0044】
【発明の効果】
本発明にかかる光走査装置によれば、光学素子群が光偏向器を共有しているものにおいて、一つの光学素子群の、光偏向器よりも後に配置されている光学素子と、他の光学素子群の、光偏向器よりも後に配置されている光学素子は、光路を曲げるだけの機能を有する折り返しミラーを除き、光源装置から被走査面までの光路を直線的に展開した状態で、光偏向器の回転軸に垂直な軸に対してほぼ回転対称に配列されていることにより、各光学素子群を介して被走査面上で走査される各走査線相互のずれが抑制される。そのため、この光走査装置によって多色画像を形成しようとする場合であっても、簡単な構成で色ずれを抑えることができる光走査装置を実現することができる。
【0045】
本発明にかかる画像形成装置によれば、電子写真プロセスを実行することにより画像を形成する画像形成装置において、電子写真プロセスの露光プロセスを実行するユニットとして上記の効果を得ることができる光走査装置を用いているため、簡単な構成で色ずれを抑えることができる画像形成装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる光走査装置の第1の実施形態を示すものであって、(a)は主走査平面に沿う光学配置図、(b)は副走査平面に沿う光学配置図である。
【図2】従来の光走査装置の例を示す副走査平面に沿う光学配置図である。
【図3】上記従来の光走査装置による走査線曲がりの例を示す特性線図である。
【図4】上記本発明の光走査装置の実施形態による走査線曲がりの例を示す特性線図である。
【図5】上記本発明の光走査装置の上記第1実施形態における光源装置から被走査面に至る光学素子配置の要部を示す光学配置図である。
【図6】本発明にかかる光走査装置の別の実施形態を示す副走査平面に沿う光学配置図である。
【図7】本発明にかかる光走査装置のさらに別の実施形態を示す光学配置図である。
【図8】本発明にかかる光走査装置のさらに別の実施形態を示す斜視図である。
【図9】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態を概略的に示す正面図である。
【符号の説明】
5 光偏向器
7 光学素子としての走査レンズ
7’ 光学素子としての走査レンズ
9 被走査面
9’ 被走査面
51 光学素子群
52 光学素子群
MC1 折り返しミラー
MC2 折り返しミラー
MM1 折り返しミラー
MM2 折り返しミラー
MY1 折り返しミラー
MY2 折り返しミラー
MB1 折り返しミラー
MB2 折り返しミラー
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置における画像書き込み装置として適用可能な光走査装置およびこれを用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光源装置からの光ビームを回転多面鏡等の「光偏向器」により偏向させ、偏向された光ビームを光偏向器以降に配設された「走査光学系」により被走査面に向けて集光させることで、被走査面上に光スポットを形成し、この光スポットにより被走査面を光走査する光走査装置は広く知られている。この光走査装置は、光プリンタや光プロッタ、デジタル複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置における画像書き込み装置として用いられている。
【0003】
光走査装置の原型は、単一の走査面を光走査するものであるが、近来は、カラー画像形成装置の急速な普及に伴い、複数の被走査面を同時に光走査することによって、高速度で、かつ、高密度でカラー画像を形成することができるものが実用化されている。
例えば、カラーの各色に対応する光走査装置を用意し、各光走査装置により、これらに対応する複数の被走査面を光走査し、被走査面上に画像を形成するカラー画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
また、走査光学系を構成する光学素子の一部を、各色に対応する複数の光ビームに対して共通化させたマルチビーム光源走査装置が知られている。より具体的には、走査光学系を構成する光学素子であるfθレンズを、1個の第1fθレンズと4個の第2fθレンズに分け、第1fθレンズを4個の走査光学系で共通に使用し、第2fθレンズを個々の走査光学系で使用するようにしたものである(特許文献2参照)。
さらに、「光偏向器」を共有し、複数の走査光学系を構成する光学素子を、光偏向器の両側に対向させて配設した光走査装置および画像形成装置が知られている(特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平11−223783号公報
【特許文献2】特開2001−33720号公報
【特許文献3】特開2001−350110号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
光走査装置によって被走査面を走査し、カラー画像を形成する場合に最も大きな課題となるのは、各色に対応する走査線のずれに基づく色ずれである。上記3つの特許文献記載のタイプで色ずれの発生量が比較的小さいのは、特許文献2に記載されているタイプである。このタイプでは、色ずれの要因となるパワーの強い光学素子を共通化させることにより、環境変動で光学素子に変化が生じても、その変化が結像性能に与える影響を各色に対してほぼ同一とすることができるため、色ずれとしては目立ちにくい。
逆に、色ずれに最も弱いタイプは特許文献1記載のタイプである。このタイプは、各色毎に光走査装置を別個に設けているため、各色の走査線相互の変動が全く独立に発生し、色ずれが顕著になる傾向がある。
【0007】
特許文献2記載のタイプの課題としては、副走査方向の高さが高くなるということが挙げられる。各色に対応する複数の光ビームを、共通化された光学素子を通過させ、さらに光線分離するためには、各色に対応する光ビームの副走査方向の高さをある程度離しておく必要がある。これがfθレンズなどの光学素子の大型化を招くことになる。特に光学素子を樹脂化する場合には成形精度が通常のレンズに比して格段に悪くなる。また、被走査面として4つの感光体を用意している都合上、主走査平面内での拡がりは特許文献3記載のタイプとあまり変わらない。つまり、画像形成装置は特許文献3記載のものよりも大きくなる。
しかし、特許文献3記載のタイプをそのまま画像形成装置に搭載したのでは、色ずれに対する課題は残ったままである。
【0008】
本発明は以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、特許文献3記載のもののように、「光偏向器」を共有し、複数の走査光学系を構成する光学素子を光偏向器の両側に対向させて配設したものにおいて、形成される画像の色ずれを抑えることができる光走査装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の光走査装置は、「光偏向器を有する光走査装置」であって、以下の如き特徴を有する。
すなわち、光源装置から射出された光ビームを被走査面へ導く光学素子群を少なくとも2つ有するとともにこれらの光学素子群は上記光偏向器を共有しており、一つの光学素子群の、光偏向器よりも後に配置されている光学素子と、他の光学素子群の、光偏向器よりも後に配置されている光学素子は、光路を曲げるだけの機能を有する折り返しミラーを除き、光源装置から被走査面までの光路を直線的に展開した状態で、光偏向器の回転軸に垂直な軸に対してほぼ回転対称に配列されていることを特徴とする対向走査型の光走査装置である。
【0010】
ここで、「光源装置から被走査面までの光路を直線的に展開」とは以下のことを意味する。光走査装置を実際の画像形成装置に搭載する場合には、全体的な大きさをコンパクトにするために、折返しミラーを複数枚用いて光路を折り曲げるのが普通である。これに対し、光路を折り曲げるだけの機能しか有さない折返しミラーを除去し、光路が折り曲げられる前と後で全く等価になるように光線を直線的に展開して各光学素子を配設する。これを本明細書では「光路を直線的に展開」と呼ぶことにする。
【0011】
光偏向器に対して光ビームが主走査平面内で入射する通常の光走査装置の場合、光偏向器で反射された光ビームも主走査平面内にあるため、各光学素子にパワーを有するミラーを用いなければ、全ての光学素子は一つの平面すなわち主走査平面上に乗ることになる。
一方、光偏向器に対して光ビームが主走査平面に対してある角度を有して入射する「斜入射タイプ」の光走査装置の場合、一つの平面上に光学素子が配列されるわけではない。しかし、光偏向器から反射された光ビームが斜めであっても、被走査面に直線的に入射されるように配設されている場合、これを「光路を直線的に展開」と呼ぶ。
【0012】
請求項2記載の発明の特徴は、請求項1記載の光走査装置において、光学素子群は、第1光学素子群と第2光学素子群からなり、これらの光学素子群の光偏向器よりも後に配置されている光学素子が、光偏向器の回転軸に垂直な軸に対してほぼ回転対称に配列されていることである。
請求項3記載の発明の特徴は、請求項2記載の光走査装置において、第1光学素子群と第2光学素子群には、光ビームが走査される方向に非対称な走査光学素子が少なくとも1つ含まれていることである。
【0013】
請求項4記載の発明の特徴は、請求項3記載の発明において、非対称な走査光学素子を取り付ける基底が、第1光学素子群と第2光学素子群で副走査方向について逆になっていることことである。
請求項5記載の発明の特徴は、請求項2から4のいずれかに記載の発明において、光偏向器よりも後に配設される折返しミラーの枚数は、第1光学素子群と第2光学素子群において偶数または奇数に揃えられていることである。
【0014】
請求項6記載の発明の特徴は、請求項2から5のいずれかに記載の発明において、各被走査面上を走査された走査線の曲がり偏差を抑えるために、第1光学素子群と第2光学素子群を構成する光学素子の少なくとも一つに走査線曲がり調整機構が配設されていることである。
【0015】
請求項7記載の発明は、電子写真プロセスを実行することにより画像を形成する画像形成装置であって、電子写真プロセスの露光プロセスを実行するユニットとして請求項1から6のいずれかに記載の光走査装置が搭載されていることを特徴とする。
ここで言う画像形成装置は、前述の光プリンタや光プロッタ、デジタル複写機、ファクシミリ装置等を含む。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明にかかる光走査装置および画像形成装置の実施の形態について説明する。
図1(a)(b)は、本発明にかかる光走査装置の一実施形態を説明するための図であり、光偏向器である回転多面鏡5以降の光学素子の配置を示している。なお、この図は光路を曲げるだけの機能を有する折り返しミラーを除いて、「光路を直線的に展開」した図となっている。この実施形態では、回転多面鏡5を共通化した第1光学素子群51と第2光学素子群52が、上記回転多面鏡5を挟んで対向するように両側に配設されている。上記第1光学素子群51と第2光学素子群52は第1、第2走査光学系を構成している。この走査光学系としては、主走査方向について回転多面鏡5で等角速度的に偏向された光ビームを等速的に被走査面9、9’上を走査させる機能と、副走査方向(主走査方向および光ビームの進行方向に対して垂直な軸方向)について回転多面鏡5の面倒れを補正するように共役関係に保つ機能の両方を兼ね備えたそれそれ1つの走査レンズ7、7’を有している。なお、本実施形態では各走査光学系を1つの走査レンズ7、7’で構成しているが、2つ以上の走査レンズで構成してもよい。
【0017】
また、光走査装置には回転多面鏡の騒音を防止するための「防音ガラス」および光走査装置内にトナーなどが侵入するのを防止するための「防塵ガラス」が配設される。図1において、符号6、6’は防音ガラスを、符号8、8’は防塵ガラスを示している。これらのガラスは、被走査面9、9’に好ましくないゴースト光やフレア光が到達するのを防止するために、図1(b)に示すように基底に対して垂直とはならないように傾けて配設されている。また、上記ガラスを傾けて配設することで、入射光ビームが正反射して光源装置への戻り光となることも防止され、戻り光が原因で光源装置の発光部の動作を不安定にすることを防止することもできる。
【0018】
しかし、上記ガラスを傾けて配設することの弊害として、被走査面9,9’上を走査する走査線に好ましくない曲がりが不可避的に発生することが挙げられる。
図2は従来の光走査装置を表している。この従来例が図1(a)(b)に示す本発明の実施形態と異なるのは、防音ガラス6、6’と防塵ガラスの8、8’の取り付け角度βと、走査レンズ7、7’の基準面11、12の方向である。従来例では、取り付けの利便性を重視するあまり、防音ガラス6、6’と防塵ガラス8、8’の取り付け角度βは、回転多面鏡5に対して、副走査平面内において「逆ハの字」になるように設定されている。また、走査レンズ7、7’の基準面11、12は、基底と接するように取り付けられている。これは、走査レンズ7、7’などからなる第1、第2の光学素子群を、回転多面鏡5の回転軸を対称軸としたほぼ回転対称な関係とすることで構成される。
【0019】
しかし、このような従来の方式によれば、走査線曲がりが図3に示すようになる。図3において、走査線Pは第1光学素子群によるもの、走査線Qは第2走査素子群によるものであるが、お互いの走査線曲がりの方向が逆になっているため、これを重ねると色ずれが発現する。
また、近年では面形状の自由度を広げることと低コスト化を目的として、走査レンズの樹脂化が盛んに行われているが、走査レンズ成形の過程で走査レンズが一方向に反ってしまうという問題があり、このような走査レンズを光走査装置の光学素子として搭載すると、上記の色ずれはより顕著となる。
【0020】
しかし、光源装置から被走査面9,9’までの光路を直線的に展開した状態で、一つの光学素子群の光偏向器5よりも後に配置されている光学素子6、7、8と、他の光学素子群の光偏向器5よりも後に配置されている光学素子6’、7’、8’相互の関係を、「回転多面鏡の回転軸を対称軸としたほぼ回転対称な関係とする」のではなく、図1に示す実施の形態のように、「光偏向器の回転軸に垂直な軸に対してほぼ回転対称」の関係とすると、走査線曲がりは、図4に示すように同じ方向の曲がりとなる。そのため、走査線曲がりそのものは発生していても、色ずれとしては殆ど目立たなくなる。
図1に示す実施の形態では、防音ガラス6,6’と防塵ガラス8,8’は取り付け角度βでほぼ平行であり、走査レンズ7、7’の基準面11、12は、副走査平面内において上下が互いに逆になっている。具体的には、第1光学素子群を構成する走査レンズ7の基準面11は基底と接し、第2光学素子群を構成する走査レンズ7’の基準面12は、上記基底と反対側となるように取り付けられている。
【0021】
次に、第2の実施の形態について説明する。上記第1の実施の形態では、具体的な走査レンズの構成について言及していなかったが、走査レンズが主走査方向に非対称な形状となっている場合、本発明による効果は大きい。以下、具体的な数値を挙げて実施例を示す。レンズ面の形状等は、以下の式による。
「主走査断面内における非円弧形状」
主走査断面内の近軸曲率半径:Rm、
光軸からの主走査方向の距離:Y、
円錐定数:K、
高次の係数をA1、A2、A3、A4、A5、A6、…
として、光軸方向のデプスをXとして次の多項式(式1)で表す。
(式1)
(式1)において、奇数次のA1、A3、A5、…にゼロ以外の数値を代入したとき、主走査方向に非対称形状となる。
【0022】
「副走査断面における曲率半径」
副走査断面内で曲率半径が主走査方向(光軸位置を原点とする座標:Yで示す)に変化する場合、次の(式2)で表す。Rs(0)は、副走査断面内における光軸上の曲率半径を表す。
(式2)
(式2)において、Yの奇数次係数:B1、B3、B5、…にゼロ以外の数値を代入したとき、副走査断面内の曲率半径の変化が主走査方向に非対称となる。
なお、上記の解析表現は、上に挙げたものに限らず、種々のものが可能であり、この発明における面形状が上記式による表現に限定されるものではない。
【0023】
・「光源」
波長:655nm
・「カップリングレンズ」
焦点距離:15mm
カップリング作用:収束作用
・「シリンドリカルレンズ」
副走査方向の焦点距離:72mm
・「ポリゴンミラー」
偏向反射面数:6
内接円半径:16mm
・光源側からのビームの入射角と走査光学系の光軸とがなす角:60度
「ポリゴンミラーと被走査面との間にある光学系のデータ」
データ表記の記号について説明すると、曲率半径を、主走査方向につき「Rm」、副走査方向につき「Rs」、屈折率を「n」で表す。なお、以下のデータにおける「Rm、Rs」は、「近軸曲率半径」である。
【0024】
【0025】
各面の主走査方向と副走査方向の係数を表1、2に挙げる。
表1
【0026】
表2
【0027】
図5に、本発明にかかる光走査装置の前記第1の実施形態を要部のみ示す。図5において、半導体レーザである光源1から放射された光ビームは発散性の光束で、カップリングレンズ2により、以後の光学系にカップリングされる。カップリングされたビームの形態は、以後の光学系の光学特性に応じ、弱い発散性の光束や弱い収束性の光束となることも、平行光束となることもできる。本実施例では収束性の光束としている。カップリングレンズ2を透過した光ビームは、アパーチャ3の開口部を通過する際、光束周辺部が遮断されて「ビーム整形」され、「線像結像光学系」であるシリンドリカルレンズ4に入射する。シリンドリカルレンズ4は、パワーのない方向を主走査方向に向けて配置され、副走査方向には正のパワーを持ち、入射してくる光ビームを副走査方向に集束させ、「光偏向器」である回転多面鏡5の偏向反射面近傍に、主走査方向に長い線像を形成させる。
【0028】
偏向反射面により反射された光ビームは、回転多面鏡5の等速回転に伴い等角速度的に偏向されつつ、「走査光学系」をなす1枚の走査レンズ7を透過し、「被走査面」の実体をなす光導電性の感光体表面9上に光スポットとして集光し、被走査面を光走査するように構成されている。図5では光源としての半導体レーザはシングルビームとして描いてあるが、マルチビーム用の光源装置を用いてもよい。
この実施形態において、設計値通りの走査レンズ7が成形されたとしても、本実施例で不可避的に発生する走査線曲がり量は15μm程度である。したがって、第1光学素子群による走査線と第2光学素子群による走査線とを単に重ね合わせることを想定すると、最大30μmの色ずれとして発生する可能性がある。しかし、各光学素子を第1の実施形態に関して説明したように配設すると、この色ずれ量は殆ど0μmである。
また、走査レンズ7に反りが発生したとしても同様のことが言える。例えば、第1光学素子群での反り量が10μm、第1光学素子群での反り量が15μmとすると、従来では25μmの色ずれとなっていたものが、本発明の実施形態では5μmの色ずれとなる。
【0029】
次に、第3の実施形態について説明する。第2の実施形態では、走査レンズ7、7’は共通の基底に対して、走査レンズ7はその基準面11が接するように、走査レンズ7’はその基準面12と反対側が接するように固定されていた。ところが、例えばこの固定材として紫外線硬化接着剤を用いたような場合、走査レンズ7と7’は接着されている面が異なるので、環境変動に対する走査レンズの変形の仕方もそれぞれ違ったものになりやすい。これも当然色ずれの要因となりうるため、高画質の画像を獲得するためには、できれば接着されている面を同一にするのが好ましい。そこで本発明の第3の実施形態では、図6に示すように、第1光学素子群を構成する走査レンズ7を固定する基底と第2光学素子群を構成する走査レンズ7’を固定する基底を、副走査方向について上下逆に設定する。そうすると、走査レンズ7も走査レンズ7’もその基準面11、12側が接着面となり、同一の面で固定されることになる。環境変動による走査レンズの変形で発生する走査線曲がりは、50μm以上となることもあり、このことを考慮すると図6に示す実施形態のように走査レンズ7,7’を固定する方が好ましい。
【0030】
次に、第4の実施の形態について説明する。これまでの説明では、走査光学系として専ら走査レンズについて説明してきたが、本発明にかかる光走査装置は、走査レンズに代えて走査ミラーを使用しても構成することができ、これまで説明してきた実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。さらに、「斜入射」方式でも同様のことがいえる。
【0031】
ここでは走査ミラーを用いた実施形態について説明する。走査ミラーは、走査レンズと本質的に異なる点として、入射光線と射出光線を分離するために光学素子そのものを傾けて配設する必要があることが挙げられる。このため、走査ミラーを傾けたことで発生する走査線曲がりは、防音ガラスや防塵ガラスを傾けた場合以上に大きい。このような走査ミラーを有する光走査装置を搭載した画像形成装置では、従来の方式の場合、色ずれ量は非常に大きかった。しかし、図7に示す実施形態のように、「光偏向器5の回転軸に垂直な軸を対称軸としたほぼ回転対称な関係とする」と、走査線曲がりの方向は同じ向きになるため色ずれ量は飛躍的に低減される。
図7に示す例によれば、第1、第2の被走査面9,9’も上下逆になっているが、実際の画像形成装置ではこの光路の途中に折返しミラーを挿入するため実用上は問題とならない。
【0032】
次に、第5の実施の形態について説明する。これまで説明してきた実施の形態では、2本の走査線による2色の書き込みを例として説明したが、実際のフルカラープリンターでは、シアン、マゼンタ、イエロー、黒の4色を被走査面上に書き込む必要がある。これを実現するには、図8に示す実施の形態のように、第1群、第2群の各光学素子を2段構成とし、回転多面鏡5も2段の偏向反射面を有する構成にすればよい。図8では煩雑を避けるため防音ガラス、防塵ガラスを省略して示している。
【0033】
図8において、回転多面鏡5を挟んでその両側に第1、第2の光学素子群を構成する走査レンズ7、7’が配置されている。回転多面鏡5の上段の偏向反射面で反射される光ビームは、走査レンズ7、折り返しミラーMC1、MC2を経てシアンの画像を受け持つ感光体ドラム111Cに至る一方、走査レンズ7’、折り返しミラーMB1、MB2を経て黒の画像を受け持つ感光体ドラム111Bに至るように構成されている。また、回転多面鏡5の下段の偏向反射面で反射される光ビームは、走査レンズ7、折り返しミラーMM1、MM2を経てマゼンタの画像を受け持つ感光体ドラム111Mに至る一方、走査レンズ7’、折り返しミラーMY1、MY2を経てイエローの画像を受け持つ感光体ドラム111Yに至るように構成されている。
【0034】
ところで、図8に示す実施の形態は、これを画像形成装置に搭載する際の光走査装置の1実施形態となっているが、そのため前述の実施形態と異なり、光ビームの光路を折り曲げる折返しミラーが挿入されている。この折返しミラーは、各色に相当する光ビームに対して本実施の形態では2枚ずつ配設されている。ここで、重要な点は、使用する折返しミラーの枚数を、偶数または奇数で揃えるということ、すなわち、偶数なら偶数で揃え、奇数なら奇数で揃えるということである。各色に対応する走査光学系の折り返しミラーの枚数が、一方では偶数、他方では奇数というように、互いに異なっていると、走査線曲がりの向きが反転してしまい、揃わなくなる。このため色ずれが発生し、画像を劣化させる要因となる。
【0035】
かかる不具合を回避するために、図8に示す実施の形態では、全ての色に対応する走査光学系の折返しミラーは2枚ずつの偶数枚としている。もちろん、光学素子の配設の仕方によっては、ある色は2枚の折返しミラーですむが、4枚必要な場合もありうる。しかし、このような場合も枚数が偶数枚で規定されているため、走査線曲がりの向きを揃えることができ、色ずれとして問題にならないレベルに抑えることができる。
【0036】
次に、第6の実施の形態について説明する。先にも指摘したように、走査線曲がりの要因には走査レンズの反りが挙げられる。走査レンズの反りは、樹脂化された走査レンズを成形する際の冷却時間に反比例して発生することが分かっており、冷却時間を短くするとこの反り量は大きくなる傾向がある。また、走査レンズの反り量は1つ1つの走査レンズに同量発生するわけではなく、ある程度のばらつきを有するのが普通である。本発明の基本構成で走査レンズを取り付けたとしても、このばらつき分で発生する色ずれを補正することは困難である。そこで、例えば、折返しミラーを撓ませる、あるいは走査レンズが2枚構成の場合などはそのうちのひとつの走査レンズを変形させる、さらには走査線曲がり補正用平行平板ガラスを挿入する、というような「走査線曲がり調整機構」を搭載する必要性がある場合がある。
【0037】
このような調整機構を搭載すれば、本発明の基本構成である「光偏向器の回転軸に垂直な軸を対称軸としたほぼ回転対称な関係」としなくても、従来方式によって、色ずれの低減された画像を得ることは可能である。しかし、上記のような「走査線曲がり調整機構」は、その調整量が大きくなると必ず走査線曲がり以外の光学特性に悪影響(副作用)をもたらすのが普通である。具体的には、折返しミラーを撓ませることで走査線曲がりを補正する場合、主走査方向の結像位置ずれや等速特性の劣化が同時に発生する。また、走査線曲がり補正用平行平板ガラスを挿入すると、結像位置ずれや被走査面上の光スポットの劣化が同時に発生する。従って、「走査線曲がり調整機構」で補正する走査線曲がりの調整量は小さい方が好ましいことになる。
【0038】
従来方式の場合、不可避的に発生する走査線曲がりの方向そのものが第1群と第2群とで異なっており、その分まで補正しなければならず、このため調整機構で補正すべき調整量は大きい。一方、本発明の方式によれば、走査線曲がりの方向が揃っているため、補正すべき調整量は従来方式に比べて格段に小さく、副作用として考慮すべき光学性能の劣化を飛躍的に抑えることが可能となる。
【0039】
次に、本発明にかかる光走査装置を用いた画像形成装置の実施形態について図9を参照しながら説明する。この画像形成装置は電子写真プロセスを実行することによって画像を形成する画像形成装置であり、電子写真プロセスの露光プロセスを実行するユニットとして前述の実施形態にかかるいずれかの光走査装置が用いられている。また、この画像形成装置「カラーレーザプリンタ」の例である。
【0040】
図9において、カラーレーザプリンタ100は感光体ドラム111C、111M、111Y、111Bとして「円筒状に形成された光導電性の感光体」を有している。上記各符号の末尾に付されているC,M,Y,Bはそれぞれ現像剤であるトナーの色、シアン、マゼンタ、イエロー、黒を表している。以下、帯電ローラ112、現像装置113、転写用のコロナチャージャ114についても同様に、図面上の符号の末尾に上記トナーの色を表すC,M,Y,Bを付してある。上記各感光体ドラム111C〜111Bの周囲には、帯電手段としての帯電ローラ112C〜112B、現像装置113C〜113B、転写用のコロナチャージャ114C〜114Bが設けられている。上記4つの感光体ドラム111C〜111Bの下方には、これらに共通の転写ベルト115が設けられ、この転写ベルト115の内周の、各感光体ドラム111C〜111Bに対応する部位に、転写用のコロナチャージャ114C〜114Bが配置されている。各感光体ドラム111C〜111Bの上方には、光走査装置117が設けられている。光走査装置117は、例えば、図5に示す実施形態と同じものを用いることができる。図8において、符号116は定着装置、符号Pは記録媒体としての転写紙を示している。
【0041】
画像形成を行うときは、光導電性の感光体である各感光体ドラム111C〜111Bがそれぞれ時計回りに等速回転され、各表面が帯電ローラ112C〜112Bにより均一帯電される。光走査装置117は、感光体ドラム111Cにはシアン成分画像に対応するシアン成分潜像を書き込み、感光体ドラム111M、111Y、111Bには、それぞれマゼンタ、イエロー、黒成分画像に対応するマゼンタ、イエロー、黒成分潜像を書き込む。書き込み形成された各色成分潜像は所謂「ネガ潜像」であって、画像部が露光されている。これら各色成分潜像は、現像装置113C〜113Bにより、それぞれシアン、マゼンタ、イエロー、黒色のトナーで反転現像され、各感光体ドラム111C〜113B上に上記各色のトナー画像が形成される。
【0042】
転写紙Pは、転写ベルト114により、各感光体ドラムに対する転写位置を順次に搬送され、転写用のコロナチャージャ114C、114M、114Y、114Bにより順次、感光体ドラム111Cからはシアントナー画像、感光体ドラム111Mからはマゼンタトナー画像、感光体ドラム111Yからはイエロートナー画像、感光体ドラム111Bからは黒トナー画像が転写される。このように転写された各色トナー画像の合成画像として「カラー画像」が形成される。このようにカラー画像が形成された転写紙Pは定着装置116においてカラー画像が定着されて装置外へ排出される。トナー画像が転写された後の各感光体ドラム111C〜111Bの表面は、図示されないクリーニング装置により、それぞれクリーニングされて残留トナーや紙粉等が除去される。
【0043】
なお、転写紙Pに代えてOHPシート等を用いることもできる。また、トナー画像の転写は、中間転写ベルト等の「中間転写媒体」を介して行うようにすることもできる。
【0044】
【発明の効果】
本発明にかかる光走査装置によれば、光学素子群が光偏向器を共有しているものにおいて、一つの光学素子群の、光偏向器よりも後に配置されている光学素子と、他の光学素子群の、光偏向器よりも後に配置されている光学素子は、光路を曲げるだけの機能を有する折り返しミラーを除き、光源装置から被走査面までの光路を直線的に展開した状態で、光偏向器の回転軸に垂直な軸に対してほぼ回転対称に配列されていることにより、各光学素子群を介して被走査面上で走査される各走査線相互のずれが抑制される。そのため、この光走査装置によって多色画像を形成しようとする場合であっても、簡単な構成で色ずれを抑えることができる光走査装置を実現することができる。
【0045】
本発明にかかる画像形成装置によれば、電子写真プロセスを実行することにより画像を形成する画像形成装置において、電子写真プロセスの露光プロセスを実行するユニットとして上記の効果を得ることができる光走査装置を用いているため、簡単な構成で色ずれを抑えることができる画像形成装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる光走査装置の第1の実施形態を示すものであって、(a)は主走査平面に沿う光学配置図、(b)は副走査平面に沿う光学配置図である。
【図2】従来の光走査装置の例を示す副走査平面に沿う光学配置図である。
【図3】上記従来の光走査装置による走査線曲がりの例を示す特性線図である。
【図4】上記本発明の光走査装置の実施形態による走査線曲がりの例を示す特性線図である。
【図5】上記本発明の光走査装置の上記第1実施形態における光源装置から被走査面に至る光学素子配置の要部を示す光学配置図である。
【図6】本発明にかかる光走査装置の別の実施形態を示す副走査平面に沿う光学配置図である。
【図7】本発明にかかる光走査装置のさらに別の実施形態を示す光学配置図である。
【図8】本発明にかかる光走査装置のさらに別の実施形態を示す斜視図である。
【図9】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態を概略的に示す正面図である。
【符号の説明】
5 光偏向器
7 光学素子としての走査レンズ
7’ 光学素子としての走査レンズ
9 被走査面
9’ 被走査面
51 光学素子群
52 光学素子群
MC1 折り返しミラー
MC2 折り返しミラー
MM1 折り返しミラー
MM2 折り返しミラー
MY1 折り返しミラー
MY2 折り返しミラー
MB1 折り返しミラー
MB2 折り返しミラー
Claims (7)
- 光偏向器を有する光走査装置において、
光源装置から射出された光ビームを被走査面へ導く光学素子群を少なくとも2つ有するとともにこれらの光学素子群は上記光偏向器を共有しており、
一つの光学素子群の、光偏向器よりも後に配置されている光学素子と、他の光学素子群の、光偏向器よりも後に配置されている光学素子は、光路を曲げるだけの機能を有する折り返しミラーを除き、光源装置から被走査面までの光路を直線的に展開した状態で、光偏向器の回転軸に垂直な軸に対してほぼ回転対称に配列されていることを特徴とする対向走査型の光走査装置。 - 請求項1記載の光走査装置において、光学素子群は、第1光学素子群と第2光学素子群からなり、これらの光学素子群の光偏向器よりも後に配置されている光学素子が、光偏向器の回転軸に垂直な軸に対してほぼ回転対称に配列されていることを特徴とする光走査装置。
- 請求項2記載の光走査装置において、第1光学素子群と第2光学素子群には、光ビームが走査される方向に非対称な走査光学素子が少なくとも1つ含まれていることを特徴とする光走査装置。
- 請求項3記載の光走査装置において、非対称な走査光学素子を取り付ける基底が、第1光学素子群と第2光学素子群で副走査方向について逆になっていることを特徴とする光走査装置。
- 請求項2から4のいずれかに記載の光走査装置において、光偏向器よりも後に配設される折返しミラーの枚数は、第1光学素子群と第2光学素子群において偶数または奇数に揃えられていることを特徴とする光走査装置。
- 請求項2から5のいずれかに記載の光走査装置において、各被走査面上を走査された走査線の曲がり偏差を抑えるために、第1光学素子群と第2光学素子群を構成する光学素子の少なくとも一つに走査線曲がり調整機構が配設されていることを特徴とする光走査装置。
- 電子写真プロセスを実行することにより画像を形成する画像形成装置であって、電子写真プロセスの露光プロセスを実行するユニットとして請求項1から6のいずれかに記載の光走査装置が搭載されていることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003016906A JP2004226864A (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | 光走査装置および画像形成装置 |
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JP2003016906A JP2004226864A (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | 光走査装置および画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004226864A true JP2004226864A (ja) | 2004-08-12 |
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ID=32904195
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003016906A Pending JP2004226864A (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | 光走査装置および画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004226864A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006133517A (ja) * | 2004-11-05 | 2006-05-25 | Ricoh Co Ltd | 走査光学系、光走査装置、画像形成装置およびカラー画像形成装置 |
JP2006323276A (ja) * | 2005-05-20 | 2006-11-30 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 光走査装置 |
JP2009042484A (ja) * | 2007-08-08 | 2009-02-26 | Ricoh Co Ltd | 光走査装置および画像形成装置 |
JP2015049265A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-16 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 走査光学装置及び画像形成装置 |
-
2003
- 2003-01-27 JP JP2003016906A patent/JP2004226864A/ja active Pending
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