JP4358922B2 - ロック装置付き免震装置、及び該免震装置を備えた建物 - Google Patents

ロック装置付き免震装置、及び該免震装置を備えた建物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロック装置付き免震装置および免震装置付き建物に関し、特に、戸建て住宅等の軽量構造物を免震支承するロック装置付き免震装置および免震装置付き建物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
戸建て住宅等の軽量構造物を免震支承する免震装置としては、建物である上部構造体を基礎構造体(基礎)より免震支承(積層ゴム支承、転がり支承、滑り支承)する免震支承機構を備えた免震装置が知られている。
この種の免震装置では、地震発生時以外の平時には、強風などによって免震支承状態の上部構造体が不必要に揺れ動かないように、免震支承機構を選択的に非作動のロック状態にするロック装置を組み込むことが従来より提案されており、このようなロック装置付きの免震装置は、たとえば、特開平10−306841号公報に示されている。
【0003】
また、従来より知られている免震装置として、実開平4−73181号公報に示されているように、電磁弁付きのオイルダンパによるものがある。この免震装置では、オイルダンパによって上部構造体を免震支承し、電磁弁によりオイルダンパのオイル通路を閉止することで、ロック状態とすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来のロック装置付きの免震装置は、一応、所期の目的を達成するが、しかし、充分なロック状態を得るためには、構造が大型化したりし、複雑したりし、実用上、幾つかの問題点を残している。
電磁弁付きのオイルダンパによる免震装置は、アイソレータとは別置きになるため、施工性が悪く、床下の空間的な制約を受ける。また、この免震装置では、オイルダンパのシリンダ、ピストンや、オイルダンパの上部構造体、基礎構造体に対する固定部における水平荷重に対する曲げ剛性を充分に大きい値に設定する必要があるが、上部構造体、基礎構造体に対する固定は、オイルダンパ可動軸に対して直交する2方向に各々回動可能な状態にする必要があるため、充分な曲げ剛性を得ることが難しい。また、この免震装置では、オイルの流れにより効果的なダンピング効果を得るためには、オイルダンパのシリンダ長を充分長くする必要があり、シリンダ長が長いオイルダンパの曲げ剛性を高めるためには、オイルダンパが大型化する。
【0005】
本発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたものであり、構造簡単にして大型化することなく充分なロック状態を得ることができ、施工性にも優れたロック装置付き免震装置および免震装置付き建物を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の発明によるロック装置付き免震装置は、基礎構造体に設置された第1のレールと、上部構造体に設置され、前記第1のレールと直交する方向に延在する第2のレールと、下部にて前記第1のレールに変位可能に係合し、上部にて前記第2のレールに変位可能に係合し、前記上部構造体を前記基礎構造体より免震支承するセンタブロックと、前記センタブロックに設けられ、前記第1のレールに設けられたロック孔に出入可能に係合する基礎構造体側の可動係合子および前記第2のレールに設けられたロック孔に出入可能に係合する上部構造体側の可動係合子と、前記基礎構造体側の可動係合子および前記上部構造体側の可動係合子を各々ロック孔に対して出入駆動するアクチュエータとを有しているロック装置付き免震装置であって、前記可動係合子は円錐形乃至円錐台形状のロックピンにより構成され、前記第1のレールおよび前記第2のレールの各々に円形凹部が形成され、前記円形凹部に外側円盤が回転可能に係合し、前記外側円盤には偏心位置に偏心円形開口が形成され、当該偏心円形開口に内側円盤が回転可能に係合し、前記内側円盤の偏心位置に前記ロック孔が形成されているものである。
【0007】
この構成によれば、アクチュエータによって基礎構造体側および上部構造体側の可動係合子が各々ロック孔に対して出入駆動され、可動係合子がロック孔に係合していない状態では、第1のレール、第2のレールおよびセンタブロックによるアイソレータによって上部構造体が基礎構造体より前後左右(水平方向)に変位可能に免震支承される。可動係合子がロック孔に係合すると、凹凸係合関係で、上部構造体が基礎構造体に対して前後左右に変位できなくなるロック状態になる。
【0008】
た、ロックピンが円錐形乃至円錐台形状であることにより、ロックピンの中心がロック孔の中心に対して多少ずれていても、ロックピンがロック孔に進入する時に、ロックピンの円錐形乃至円錐台形状がなす傾斜面とロック孔の周縁部との当接によって水平方向の分力が生じ、自動的に心合わせが行われ、ロックピンがロック孔に係合する。
【0010】
また、前記第1のレールおよび前記第2のレールの各々に円形凹部が形成され、前記円形凹部に外側円盤が回転可能に係合し、前記外側円盤には偏心位置に偏心円形開口が形成され、当該偏心円形開口に内側円盤が回転可能に係合し、前記内側円盤の偏心位置に前記ロック孔が形成されていることにより、ロックピンの中心がロック孔の中心に対してずれていても、ロックピンがロック孔に進入する時に、ロックピンの円錐形乃至円錐台形状がなす傾斜面とロック孔の周縁部との当接によって水平方向の分力が生じ、この分力によって円形凹部内で外側円盤が自身の中心軸線周りに自転、あるいは偏心円形開口内を内側円盤が自身の中心軸線周りに自転し、自動的に心合わせが行われ、ロックピンがロック孔に係合する。
【0013】
また、請求項に記載の発明によるロック装置付き免震装置は、前記アクチュエータが流体圧式アクチュエータであるものである。
この構成によれば、流体圧式アクチュエータに対する空気圧、油圧等の流体圧の供給、排出により、可動係合子がロック孔に対して出入する動作が行われる。
【0014】
また、請求項に記載の発明によるロック装置付き免震装置は、前記アクチュエータが電磁式アクチュエータであるものである。
この構成によれば、電磁式アクチュエータに対する通電制御により、可動係合子がロック孔に対して出入する動作が行われる。
【0015】
また、請求項に記載の発明によるロック装置付き免震装置は、前記センタブロックと前記第1のレールおよび前記第2のレールとの変位可能な係合が、両側リップ係合による浮き上がり防止構造により行われているものである。
この構成によれば、両側リップ係合による浮き上がり防止構造により、センタブロックが第1のレールより浮き上がることが防止されると共に、第2のレールがセンタブロックより浮き上がることが防止され、これにより、上部構造体が基礎構造体より浮き上がり防止状態で、免震支承およびロック状態での支承が行われる。
【0016】
更に、請求項に記載の発明によるロック装置付き免震装置は、上述のような発明によるロック装置付き免震装置において、地震を検知する地震検知手段と、前記地震検知手段により所定レベル以上の地震を検知しない状態下では、前記可動係合子と前記ロック孔との係合によりロック状態にし、前記地震検知手段により所定レベル以上の地震を検知した時には、前記可動係合子と前記ロック孔との係合を解除して免震支承状態にする制御装置を有しているものである。
【0017】
この構成によれば、地震検知手段により所定レベル以上の地震が検知されない平時には、可動係合子とロック孔との係合によりロック状態が保たれ、地震検知手段が所定レベル以上の地震を検知すると、ロック状態が解除され、免震支承状態になる。
また、請求項に記載の発明によるロック装置付き免震装置は、上述のような発明によるロック装置付き免震装置において、風速を検出する風速検出手段と、前記風速検出手段により所定値以上の風速を検出しない状態下では、前記可動係合子と前記ロック孔との係合を解除して免震支承状態にし、前記風速検出手段により所定値以上の風速を検出した時には、前記可動係合子と前記ロック孔との係合によりロック状態にするものである。
【0018】
この構成によれば、風速検出手段が所定値以上の風速を検出しない状態下では、ロック状態が解除され、地震に備えて免震支承状態になり、風速検出手段が所定値以上の風速を検出する強風下では、ロック状態になる。
また、上述の目的を達成するために、請求項に記載の発明による免震装置付き建物は、上述のような発明によるロック装置付き免震装置を備え、前記基礎構造体が建物の基礎であり、前記上部構造体が建物であるものである。この構成によれば、基礎上の建物が免震支承され、また、強風などによって建物が不必要に揺れ動かないよう、選択的にロック状態になる
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1、図2は本実施の形態の戸建て住宅における免震支承機構の配置例を示している。これらの図において、1は基礎構造体を、2は上部構造体を各々示している。上部構造体2は戸建て住宅等の建物であり、基礎構造体1はコンクリート打ち等をされた建物の基礎である。
【0020】
この例では、免震支承機構として、アクリルゴムと鋼板とを交互に積層接合したような構造による低弾性復元減衰免震束3と、本実施の形態による免震装置用ロック装置を具備したロック装置付き免震装置(ロック装置付きアイソレータ)4とが使用されており、これら低弾性復元減衰免震束3、ロック装置付き免震装置4が上部構造体2を基礎構造体1より免震支承している。
ロック装置付き免震装置4は、平面視で、基礎構造体1および上部構造体2の4隅部分に配置され、低弾性復元減衰免震束3は各辺部の中間部に配置されている。
【0021】
図3〜図5は本発明による免震装置用ロック装置を具備したロック装置付き免震装置4の実施の形態1を示している。
ロック装置付き免震装置4は、基礎構造体1上に水平状態で固定設置された第1のレール(下部レール)10と、上部構造体2の下底面(床下面)に水平状態で固定設置され、第1のレール10と直交する方向に延在する第2のレール(上部レール)11とを有している。第1のレール10と第2のレール11とは、平面透過視で、上下間隔をおいて十字状に直交している。
【0022】
第1のレール10と第2のレール11との立体的な直交交差部には剛体構造のセンタブロック12が配置されている。
センタブロック12は、下部にて第1のレール10に係合するとともに、第1のレール10に沿って変位可能になされ、上部にて第2のレール11に係合するとともに、第2のレール11に沿って変位可能になされ、第1のレール10および第2のレール11とによりアイソレータをなし、上部構造体2を基礎構造体1より前後左右(水平方向)に変位可能に免震支承している。
【0023】
センタブロック12の第1のレール10、第2のレール11に対する変位が低摩擦抵抗で行われるよう、センタブロック12と第1のレール10との係合部と、センタブロック12と第2のレール11との係合部には各々、ボールベアリングをなす転動ボール13、14が設けられている。
なお、この低摩擦抵抗化は、センタブロック12と第1のレール10との接触面や、センタブロック12と第2のレール11との接触面に、高滑性樹脂板を貼り付けたり、高滑性樹脂を吹き付けたりすることによっても行うことができる。
【0024】
センタブロック12と第1のレール10との係合は、センタブロック12の下部に形成されたリップ片15を有するリップ付き凹型係合溝16が第1のレール10に両側リップ係合し、上下方向の変位を拘束された浮き上がり防止構造により行われている。また、センタブロック12と第2のレール11との係合は、センタブロック12の上部に形成されたリップ片17を有するリップ付き凹型係合溝18が第1のレール11に両側リップ係合し、上下方向の変位を拘束された浮き上がり防止構造により行われている。
【0025】
第1のレール10には円形のロック孔19が形成され、センタブロック12の下端部にはロック孔19に出入可能に係合する基礎構造体側の円柱状のロックピン(可動係合子)20が上下動可能に取り付けられている。また、第2のレール11には円形のロック孔21が形成され、センタブロック12の上端部にはロック孔21に出入可能に係合する上部構造体側の円柱状のロックピン(可動係合子)22が上下動可能に取り付けられている。
【0026】
センタブロック12は中空構造をなしており、このセンタブロック12の内部には流体圧アクチュエータである空気ベローズ23が設けられている。空気ベローズ23は、空気圧を供給されることにより、専ら上下方向に伸張する構造のものであり、下端板24に基礎構造体側のロックピン20の基部を、上端板25に上部構造体側のロックピン22の基部を各々固定接続されている。
空気ベローズ23の下端板24とセンタブロック12の下側の内壁との間には圧縮コイルばねによる戻しばね26が、また空気ベローズ23の上端板25とセンタブロック12の上側の内壁との間には圧縮コイルばねによる戻しばね27が各々取り付けられている。
【0027】
上述の構成によれば、空気ベローズ23に空気圧が供給されず、空気ベローズ23が大気開放状態にあれば、戻しばね26、27のばね力により空気ベローズ23が収縮した状態にあり、ロックピン20、22が各々ロック孔19、21より抜け出して非係合状態になる。従って、この時には、ロック解放状態で、第1のレール10、第2のレール11およびセンタブロック12によるアイソレータが有効に機能し、上部構造体2が基礎構造体1より前後左右(水平方向)に変位可能に免震支承される。
【0028】
空気ベローズ23に空気圧が供給されると、空気ベローズ23が戻しばね26、27のばね力に抗して上下方向に伸張し、ロックピン20、22が各々ロック孔19、21に嵌合して凹凸係合状態になる。これにより、上部構造体2が基礎構造体1に対して前後左右に変位できなくなるロック状態になる。
上述したように、アイソレータとロック機構とが一体になっているから、施工性に優れ、施工時間の短縮を図ることができ、水平方向のロックを、第1のレール10、第2のレール11とセンタブロック12との間の数mm程度の僅かな間隙で、ロックピン20、22が水平せん断力に耐えればよい構造で行っているから、アイソレータであるレール各部の水平荷重に対する曲げ剛性を高めるだけで、ロック状態での免震支承する建物等の上部構造部2の水平剛性の確保を容易に行うことができる。
【0029】
また、センタブロック12と第1のレール10との係合ならびにセンタブロック12と第2のレール11との係合が、上述したように、両側リップ係合により、上下方向の変位を拘束された浮き上がり防止構造により行われているから、センタブロック12が第1のレール10より浮き上がることが防止されると共に、第2のレール11がセンタブロック12より浮き上がることが防止され、結果、上部構造体2が基礎構造体1より浮き上がりが防止され、免震支承およびロック状態での支承が浮き上がり防止状態で的確に行われる。
【0030】
つぎに、図6を参照して本実施の形態のロック装置付き免震装置4の制御系について説明する。空気圧供給源としてコンプレッサ100があり、コンプレッサ100が発生する圧縮空気が配管101、電磁制御弁102により空気ベローズ23に選択的に供給されるようになっている。
電磁制御弁102は、ベローズポートaと、コンプレッサポートbと、大気開放ポートcとを有する3ポート型のものであり、通電時にはベローズポートaをコンプレッサポートbに接続し、非通電時にはベローズポートaをコンプレッサポートbに代えて大気開放ポートcに接続する。
【0031】
コンプレッサ100の運転と電磁制御弁102に対する通電は、制御部103により制御される。制御部103には感震器等による地震検知器104が接続され、制御部103は地震検知器104より感震信号を入力し、地震検知器104が所定レベル以上の地震を感知しない平時には、コンプレッサ100を運転すると共に、電磁制御弁102に通電を行い、地震検知器104が所定レベル以上の地震を感知した地震発生時には、コンプレッサ100の運転を停止すると共に、電磁制御弁102に対する通電を直ちに停止する。また、制御部103はタイマー機能を備えており、地震を感知している状態から地震を感知しない状態に変わり、その状態が所定時間維持されたときには、平時の状態に戻るように制御している。
【0032】
上述の制御により、平時には、コンプレッサ100が運転されると共に、電磁制御弁102に通電が行われ、ベローズポートaがコンプレッサポートbに接続され、空気ベローズ23にコンプレッサ100より空気圧が供給される。
これにより、平時には、空気ベローズ23が戻しばね26、27のばね力に抗して伸張し、ロックピン20、22が各々ロック孔19、21に嵌合し、上部構造体2が基礎構造体1に対して前後左右に変位できなくなるロック状態になる。このロック状態では、強風下で、上部構造体2が基礎構造体1に対して不必要に揺れ動くことが回避される。
【0033】
これに対し、地震発生時には、コンプレッサ100の運転が停止されると共に、電磁制御弁102に対する通電が直ちに停止されてベローズポートaがコンプレッサポートbに代えて大気開放ポートcに接続されるから、空気ベローズ23が大気開放状態になる。
これにより、空気ベローズ23が戻しばね26、27のばね力により収縮し、ロックピン20、22が各々ロック孔19、21より抜け出し、ロック解除状態なる。この時には、すなわち、地震発生時には、第1のレール10、第2のレール11およびセンタブロック12によるアイソレータが有効に機能し、上部構造体2が基礎構造体1より前後左右に変位可能に免震支承される。地震が収まると、上部構造体2は、低弾性復元減衰免震束3の復元力により、基準位置に略復帰する。そして、地震が収まって所定時間経過後に平時の状態に戻る。
【0034】
図7は本実施の形態のロック装置付き免震装置4の制御系の他の例を示している。なお、図7において、図6に対応する部分は、図6に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
この制御系では、制御部103には風速検出器105が接続され、制御部103は風速検出器105より風速信号を入力し、風速検出器105が所定値以上の風速を検出しない状態下では、コンプレッサ100の運転を停止すると共に、電磁制御弁102に対する通電を停止し、風速検出器105が所定値以上の風速を検出すると、直ちにコンプレッサ100を運転すると共に、電磁制御弁102に対して通電を行う。
【0035】
これにより、風速検出器105が所定値以上の風速を検知しない状態下では、コンプレッサ100の運転が停止されると共に、電磁制御弁102に対する通電が停止されてベローズポートaが大気開放ポートcに接続されるから、空気ベローズ23が大気開放状態になり、空気ベローズ23が戻しばね26、27のばね力により収縮し、ロックピン(可動係合子)20、22が各々ロック孔19、21より抜け出し、ロック解除状態になる。これにより、地震に備えて免震支承状態になる。
【0036】
これに対し、風速検出器34が所定値以上の風速を検出する強風下では、コンプレッサ100が運転されると共に、電磁制御弁102に通電が行われ、ベローズポートaが大気開放ポートCに代えて、コンプレッサポートbに接続され、空気ベローズ23にコンプレッサ30より空気圧が供給され、空気ベローズ23によってロックピン20、22が駆動されて各々ロック孔19、21に嵌合し、上部構造体2が基礎構造体1に対して前後左右に変位できなくなるロック状態になる。これにより、強風下で、上部構造体2が基礎構造体1に対して不必要に揺れ動くことがない。
【0037】
(実施の形態2)
図8はこの発明によるロック装置付き免震装置の実施の形態2を示している。なお、図8において、図4、図5に対応する部分は、図4、図5に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
この実施の形態では、ロックピン(可動係合子)20、22の先端部20a、22aが尖った円錐形に形成されている。
【0038】
このピン形状により、ロックピン20、22の中心がロック孔19、21の中心に対して水平方向に多少(ロックピン20、22の半径以下)ずれていても、ロックピン20、22がロック孔19、21に進入する時に、ロックピン20、22の円錐形の先端部20a、22aがなす傾斜面とロック孔19、21の周縁部との当接によって水平方向の分力が生じ、第1のレール10とセンタブロック12との相対変位や、第2のレール11とセンタブロック12との相対変位により、自動的に心合わせが行われ、ロックピン20、22がロック孔19、21に係合し、ロック状態が得られる。これにより、地震終了後に、アイソレータに変位残留が多少生じても、上部建造物2の水平方向位置の自動復帰が行われる。なお、ロックピン20、22の先端形状は円錐形以外に、尖端保護のために、円錐台形とすることもできる。
【0039】
(実施の形態3)
図9、図10はこの発明によるロック装置付き免震装置の実施の形態3を示している。なお、図9、図10において、図8に対応する部分は、図8に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
この実施の形態では、第1のレール10、第2のレール11の各々に、ロックピン(可動係合子)20、22の中心と同心の円形凹部28、29が形成され、円形凹部28、29の各々に内接した外側円盤30、31が各々自身の中心軸線周りに回転可能に係合している。外側円盤30、31には各々、偏心した位置に偏心円形開口32、33が形成されており、この偏心円形開口32、33の各々に内接した内側円盤34、35が各々自身の中心軸線周りに回転可能に係合しており、この内側円盤34、35の偏心位置にロック孔19、21が形成されている。
【0040】
上述の構成によれば、ロックピン20、22の中心がロック孔19、21の中心に対して水平方向にずれていると、ロックピン20、22がロック孔19、21に進入する時に、ロックピン20、22の円錐形の先端部20a、22aがなす傾斜面とロック孔19、21の周縁部との当接によって水平方向の分力が生じ、この分力によって円形凹部28、29内で外側円盤30、31が偏心運動的に自身の中心軸線周りに自転し、偏心円形開口32、33内を内側円盤34、35が偏心運動的に自身の中心軸線周りに自転する。
【0041】
図10(a)、(b)に示されているように、円形凹部28、29内で外側円盤30、31が偏心運動的に自身の中心軸線周りに自転すると、ロック孔19、21の中心位置は軌跡a上を移動し、偏心円形開口32、33内を内側円盤34、35が偏心運動的に自身の中心軸線周りに自転すると、ロック孔19、21の中心位置は軌跡b上を移動する。これにより自動的に心合わせが行われ、ロックピン20、22がロック孔19、21に係合し、ロックピン20、22の中心がロック孔19、21の中心に対して水平方向にずれていても、ロック状態が得られる。
【0042】
外側円盤30、31の外径をロック孔19、21の口径の3倍に、内側円盤34、35の外径をロック孔19、21の口径の2倍にし、偏心円形開口32、33、ロック孔19、21の各々の偏心量をロック孔19、21の半径とすると、外側円盤30、31の外径の2/3倍の直径の範囲A(図11参照)のずれ以内であれば、上述したように心合わせが行われ、ロックピン20、22がロック孔19、21に係合し、ロック状態が得られる。
これにより、地震終了後に、外側円盤30、31の外径の2/3倍の直径の範囲A内で、アイソレータに変位残留が生じても、再ロックが可能になる。
【0043】
(実施の形態4)
図12はこの発明によるロック装置付き免震装置4の実施の形態4を示している。なお、図12において、図8に対応する部分は、図8に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
この実施の形態では、ロックピン(可動係合子)20、22の駆動を空気ベローズ23に代えて電磁ソレノイド装置40により行うようになっている。
【0044】
電磁ソレノイド装置40は、固定配置の電磁コイル41と、電磁コイル41の上下両側に設けられてロックピン20、22を担持する可動吸着板42、43と、可動吸着板42、43を各々電磁コイル41より引き離す方向へ付勢する圧縮コイルばね45、46とにより構成され、電磁コイル41に通電が行われていない時には、圧縮コイルばね45、46のばね力によってロックピン20、22をロック孔19、21に係合させ、電磁コイル41に通電が行われることにより、圧縮コイルばね45、46のばね力に抗して可動吸着板42、43を吸着し、ロックピン20、22をロック孔19、21より抜き出すようになっている。
これにより、電磁コイル41に通電が行われていない時には、ロック状態になり、電磁コイル41に通電が行われることにより、ロック状態が解除され、免震支承が行われる。
【0045】
つぎに、図13を参照して本実施の形態のロック装置付き免震装置4の制御系について説明する。制御部110は、電源111による電磁コイル41に対する通電を制御するものであり、感震器等による地震検知器104を接続され、地震検知器104より感震信号を入力し、地震検知器104が所定レベル以上の地震を感知しない平時には、電磁コイル41に対する通電を停止し、地震検知器104が所定レベル以上の地震を感知した地震発生時には、電磁コイル41に通電を行う。また、制御部110はタイマー機能を備えており、地震を感知している状態から地震を感知しない状態に変わり、その状態が所定時間維持されたときには、平時の状態に戻るように制御している。
これにより、平時には、圧縮コイルばね45、46のばね力によってロックピン20、22が各々ロック孔19、21に嵌合し、上部構造体2が基礎構造体1に対して前後左右に変位できなくなるロック状態になる。ロック状態では、強風下で、上部構造体2が基礎構造体1に対して不必要に揺れ動くことがない。
【0046】
これに対し、地震発生時には、電磁コイル41による可動吸着板42、43の吸着により、ロックピン20、22が各々ロック孔19、21より抜け出し、ロック解除状態なる。この時には、すなわち、地震発生時には、第1のレール10、第2のレール11およびセンタブロック12によるアイソレータが有効に機能し、上部構造体2が基礎構造体1より前後左右に変位可能に免震支承される。地震が収まると、上部構造体2は、低弾性復元減衰免震束3の復元力により、基準位置に略復帰する。そして、地震が収まって所定時間経過後に平時の状態に戻る。
なお、上述の電磁ソレノイド装置40によるロックピン駆動は、図14、図15に示されているように、実施の形態1、実施の形態3のものにも同様に適用できる。
【0047】
(実施の形態5)
図16はこの発明によるロック装置付き免震装置4の実施の形態5を示している。なお、図16においても、図8に対応する部分は、図8に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
この実施の形態では、ロックピン(可動係合子)20、22の駆動を空気ベローズ23に代えて電磁ソレノイド装置50により行うようになっている。
【0048】
電磁ソレノイド装置50は、下側と上側の二つの電磁コイル51、52と、ロックピン20、22を担持する可動吸着板53、54と、可動吸着板53、54を各々電磁コイル51、52とより引き離す方向へ付勢する圧縮コイルばね55、56とにより構成され、電磁コイル51、52に通電が行われていない時には、圧縮コイルばね55、56のばね力によってロックピン20、22をロック孔19、21より抜き出し、電磁コイル51、52に通電が行われることにより、圧縮コイルばね55、55のばね力に抗して可動吸着板53、54を電磁コイル51、52に吸着し、ロックピン20、22をロック孔19、21に係合させるようになっている。
これにより、電磁コイル51に通電が行われていない時には、ロック状態が解除されて免震支承が行われ、電磁コイル51に通電が行われることにより、ロック状態になる。
【0049】
つぎに、図17を参照して本実施の形態のロック装置付き免震装置4の制御系について説明する。制御部110は、電源による電磁コイル51、52に対する通電を制御するものであり、風速検出器105を接続され、風速検出器105より風速信号を入力し、風速検出器105が所定値以上の風速を検出しない時には、電磁コイル51、52に対する通電を停止し、風速検出器105が所定値以上の風速を検出した強風時には、電磁コイル51、52に通電を行う。
【0050】
これにより、風速検出器105が所定値以上の風速を検出しない時には、電磁コイル51、52に対する通電が停止されることで、ロック状態が解除され、地震に備えて免震支承が行われる。これに対し、風速検出器105が所定値以上の風速を検出した強風時には、電磁コイル51、52に通電が行われることで、ロック状態になり、強風により上部構造体2が基礎構造体1に対して不必要に揺れ動くことが回避される。
なお、上述の電磁ソレノイド装置50によるロックピン駆動も、図18、図19に示されているように、実施の形態1、実施の形態3のものにも同様に適用できる。
【0051】
(実施の形態6)
図20、21はこの発明によるロック装置付き免震装置4の実施の形態6を示している。なお、図20、図21において、図3、図4に対応する部分は、図3、図4に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
この実施の形態では、第1のレール10にエンボス加工等により凹凸を付けられた固定摩擦面を呈する固定摩擦板60が固定されている。空気ベローズ23の下端板24には基礎構造体側の可動摩擦部材61が固定されている。可動摩擦部材61が第1のレール10の固定摩擦板60に対向する先端部にはエンボス加工等により凹凸を付けられた摩擦面を呈する摩擦板62が取り付けられている。
【0052】
また、第2のレール11にはエンボス加工等により凹凸を付けられた固定摩擦面を呈する固定摩擦板63が固定されている。空気ベローズ23の上端板25には基礎構造体側の可動摩擦部材64が固定されている。可動摩擦部材64が第2のレール11の固定摩擦板63に対向する先端部にはエンボス加工等により凹凸を付けられた摩擦面を呈する摩擦板65が取り付けられている。
【0053】
上述の構成によれば、空気ベローズ23に空気圧が供給されず、空気ベローズ23が大気開放状態にあれば、戻しばね26、27のばね力により空気ベローズ23が収縮した状態にあり、摩擦板62、65が各々固定摩擦板60、63より離間した非係合状態になる。従って、この時には、ロック解放状態で、第1のレール10、第2のレール11およびセンタブロック12によるアイソレータが有効に機能し、上部構造体2が基礎構造体1より前後左右(水平方向)に変位可能に免震支承される。
【0054】
空気ベローズ23に空気圧が供給されると、空気ベローズ23が戻しばね26、27のばね力に抗して上下方向に伸張し、可動摩擦部材61、64と共に摩擦板62、65が各々固定摩擦板60、63に押し付けられる。摩擦板62、65と固定摩擦板60、63との接合による摩擦抵抗により、上部構造体2が基礎構造体1に対して前後左右に変位できなくなるロック状態になる。
【0055】
このロック状態は、上述のように、摩擦板62、65と固定摩擦板60、63との摩擦抵抗により行われるから、固定摩擦板60、63が図21に示されているように、レール延在方向に或る長さを有していることにより、地震終了後に、アイソレータに変位残留が生じても、再ロックが可能になる。
なお、本実施の形態における空気ベローズ23に対する空気圧の給排制御は、図6、図7に示されているような制御系により、実施の形態1における場合と同様に行われればよい。
【0056】
また、この実施の形態においても、可動摩擦部材61、64の押圧・離間駆動は、図22、図23に示されているように、電磁ソレノイド装置40、50により行うこともでき、これらの場合の通電制御は、図13、図17に示されているような制御系により、実施の形態4や実施の形態5における場合と同様に行われればよい。
【0057】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、請求項1に記載の発明によるロック装置付き免震装置によれば、基礎構造体に設置された第1のレールと、上部構造体に設置され、第1のレールと直交する方向に延在する第2のレールと、下部にて第1のレールに変位可能に係合し、上部にて第2のレールに変位可能に係合し、上部構造体を基礎構造体より免震支承するセンタブロックと、センタブロックに設けられ、第1のレールに設けられたロック孔に出入可能に係合する基礎構造体側の可動係合子および第2のレールに設けられたロック孔に出入可能に係合する上部構造体側の可動係合子と、基礎構造体側の可動係合子および上部構造体側の可動係合子を各々ロック孔に対して出入駆動するアクチュエータとを有しており、可動係合子は円錐形乃至円錐台形状のロックピンにより構成され、第1のレールおよび第2のレールの各々に円形凹部が形成され、円形凹部に外側円盤が回転可能に係合し、外側円盤には偏心位置に偏心円形開口が形成され、当該偏心円形開口に内側円盤が回転可能に係合し、内側円盤の偏心位置にロック孔が形成されている構造としたので、アクチュエータによって基礎構造体側および上部構造体側の可動係合子が各々ロック孔に対して出入駆動され、可動係合子がロック孔に係合していない状態では、第1のレール、第2のレールおよびセンタブロックによるアイソレータによって上部構造体が基礎構造体より前後左右に変位可能に免震支承され、可動係合子がロック孔に係合すると、凹凸係合関係で、上部構造体が基礎構造体に対して前後左右に変位できなくなるロック状態になるから、アイソレータとロック機構とが一体になっていて、施工性に優れ、施工時間の短縮を図ることができ、水平方向のロックを、第1のレール、第2のレールとセンタブロックとの間の数mm程度の僅かな間隙で、ロックピン(可動係合子)が水平せん断力に耐えればよい構造で行っているから、アイソレータであるレール各部の水平荷重に対する曲げ剛性を高めるだけで、ロック状態での免震支承する建物等の上部構造部の水平剛性の確保が容易に行うことができる。
【0058】
た、可動係合子が円錐形乃至円錐台形状のロックピンにより構成されているから、ロックピンの中心がロック孔の中心に対して多少ずれていても、ロックピンがロック孔に進入する時に、ロックピンの円錐形乃至円錐台形状がなす傾斜面とロック孔の周縁部との当接によって水平方向の分力が生じ、自動的に心合わせが行われ、ロックピンがロック孔に係合し、地震終了後に、アイソレータに変位残留が多少生じても、上部建造物の水平方向位置の自動復帰が行われる。
【0059】
た、第1のレールおよび第2のレールの各々に円形凹部が形成され、その円形凹部に外側円盤が回転可能に係合し、外側円盤には偏心位置に偏心円形開口が形成され、当該偏心円形開口に内側円盤が回転可能に係合し、内側円盤の偏心位置にロック孔が形成されているから、ロックピンの中心がロック孔の中心に対してずれていても、ロックピンがロック孔に進入する時に、ロックピンの円錐形乃至円錐台形状がなす傾斜面とロック孔の周縁部との当接によって水平方向の分力が生じ、この分力によって円形凹部内で外側円盤が自身の中心軸線周りに自転、あるいは偏心円形開口内を内側円盤が自身の中心軸線周りに自転し、自動的に心合わせが行われ、ロックピンがロック孔に係合し、地震終了後に、アイソレータに変位残留が生じても、再ロックが可能になる。
【0060】
また、請求項に記載の発明によるロック装置付き免震装置によれば、アクチュエータが流体圧式アクチュエータであるから、流体圧式アクチュエータに対する空気圧、油圧等の流体圧の供給、排出により、可動係合子ロック孔に対する出入が的確に行われる。
【0061】
また、請求項に記載の発明によるロック装置付き免震装置によれば、アクチュエータが電磁式アクチュエータであるから、電磁式アクチュエータに対する通電制御により、可動係合子ロック孔に対する出入が的確に行われる。
また、請求項に記載の発明によるロック装置付き免震装置によれば、センタブロックと第1のレールおよび前記第2のレールとの変位可能な係合が、両側リップ係合による浮き上がり防止構造により行われているから、センタブロックが第1のレールより浮き上がることが防止されると共に、第2のレールがセンタブロックより浮き上がることが防止され、上部構造体が基礎構造体より浮き上がり防止状態で、免震支承およびロック状態での支承が行われる。
【0062】
更に、請求項に記載の発明によるロック装置付き免震装置によれば、上述のような発明によるロック装置付き免震装置において、地震を検知する地震検知手段と、地震検知手段により所定レベル以上の地震を検知しない状態下では、可動係合子とロック孔との係合によりロック状態にし、地震検知手段により所定レベル以上の地震を検知した時には、可動係合子と前記ロック孔との係合を解除して免震支承状態にする制御装置を有している構成としたので、地震検知手段により所定レベル以上の地震が検知されない平時には、可動係合子とロック孔との係合によりロック状態が保たれ、強風等により上部構造体が不必要に揺れ動くことが回避され、地震検知手段が所定レベル以上の地震を検知すると、ロック状態が解除され、有効な免震支承状態になる。
【0063】
また、請求項に記載の発明によるロック装置付き免震装置によれば、上述のような発明によるロック装置付き免震装置において、風速を検出する風速検出手段と、前記風速検出手段により所定値以上の風速を検出しない状態下では、可動係合子とロック孔との係合を解除して免震支承状態にし、風速検出手段により所定値以上の風速を検出した時には、可動係合子とロック孔との係合によりロック状態する構成したので、風速検出手段が所定値以上の風速を検出しない状態下では、ロック状態が解除され、地震に備えて有効な免震支承状態になり、風速検出手段が所定値以上の風速を検出する強風下では、ロック状態になり、強風等により上部構造体が不必要に揺れ動くことが回避される。
【0064】
また、上述の目的を達成するために、請求項に記載の発明による免震装置付き建物によれば、上述のような発明によるロック装置付き免震装置を備え、基礎構造体が建物の基礎であり、上部構造体が建物である構成としたので、基礎上の建物が有効に免震支承され、また、強風などによって建物が不必要に揺れ動かないよう、選択的にロック状態になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】戸建て住宅における免震支承機構の配置例を示す立面図である。
【図2】戸建て住宅における免震支承機構の配置例を示す平面図である。
【図3】本発明によるロック装置付き免震装置の実施の形態1を示す斜視図である。
【図4】本発明によるロック装置付き免震装置の実施の形態1を示す一部断面正面図である。
【図5】本発明によるロック装置付き免震装置の実施の形態1を示す一部断面側面図である。
【図6】本発明によるロック装置付き免震装置の実施の形態1の制御系の一例を示す回路である。
【図7】本発明によるロック装置付き免震装置の実施の形態1の制御系の他の例を示す回路である。
【図8】本発明によるロック装置付き免震装置の実施の形態2を示す一部断面正面図である。
【図9】本発明によるロック装置付き免震装置の実施の形態3を示す一部断面正面図である。
【図10】(a)、(b)は実施の形態3のロック装置付き免震装置の要部と動作を示す拡大平面図である。
【図11】実施の形態3のロック装置付き免震装置における再ロック可能領域を示す説明図である。
【図12】本発明によるロック装置付き免震装置の実施の形態4を示す一部断面正面図である。
【図13】本発明によるロック装置付き免震装置の実施の形態4の制御系の一例を示す回路である。
【図14】本発明によるロック装置付き免震装置の他の実施の形態を示す一部断面正面図である。
【図15】本発明によるロック装置付き免震装置の他の実施の形態を示す一部断面正面図である。
【図16】本発明によるロック装置付き免震装置の実施の形態5を示す一部断面正面図である。
【図17】本発明によるロック装置付き免震装置の実施の形態5の制御系の一例を示す回路である。
【図18】本発明によるロック装置付き免震装置の他の実施の形態を示す一部断面正面図である。
【図19】本発明によるロック装置付き免震装置の他の実施の形態を示す一部断面正面図である。
【図20】本発明によるロック装置付き免震装置の実施の形態6を示す一部断面正面図である。
【図21】本発明によるロック装置付き免震装置の実施の形態6を示す要部の平面図であ
【図22】本発明によるロック装置付き免震装置の他の実施の形態を示す一部断面正面図である。
【図23】本発明によるロック装置付き免震装置の他の実施の形態を示す一部断面正面図である。
【符号の説明】
1 基礎構造体(建物の基礎)
2 上部構造体(建物)
3 低弾性復元減衰免震束
4 ロック装置付き免震装置
10 第1のレール
11 第2のレール
12 センタブロック
15 リップ片
16 リップ付き凹型係合溝
17 リップ片
18 リップ付き凹型係合溝
19 ロック孔
20 ロックピン(可動係合子)
20a 先端部
21 ロック孔
22 ロックピン(可動係合子)
22a 先端部
23 空気ベローズ
26 戻しばね
27 戻しばね
100 コンプレッサ
102 電磁制御弁
103 制御部
104 地震検知器
105 風速検出器
28、29円形凹部
30、31 外側円盤
32、33 偏心円形開口
34、35 内側円盤
40 電磁ソレノイド装置
41 電磁コイル
42、43 可動吸着板
45、46 圧縮コイルばね
110 制御部
111 電源
50 電磁ソレノイド装置
51、52 電磁コイル
53、54 可動吸着板
55、56 圧縮コイルばね
60 固定摩擦板
61 可動摩擦部材
62 摩擦板
63 固定摩擦板
64 可動摩擦部材
65 摩擦板

Claims (7)

  1. 基礎構造体に設置された第1のレールと、上部構造体に設置され、前記第1のレールと直交する方向に延在する第2のレールと、下部にて前記第1のレールに変位可能に係合し、上部にて前記第2のレールに変位可能に係合し、前記上部構造体を前記基礎構造体より免震支承するセンタブロックと、前記センタブロックに設けられ、前記第1のレールに設けられたロック孔に出入可能に係合する前記基礎構造体側の可動係合子および前記第2のレールに設けられたロック孔に出入可能に係合する前記上部構造体側の可動係合子と、前記基礎構造体側の可動係合子および前記上部構造体側の可動係合子を各々前記ロック孔に対して出入駆動するアクチュエータと、を有しているロック装置付き免震装置であって、
    前記可動係合子は円錐形乃至円錐台形状のロックピンにより構成され、
    前記第1のレールおよび前記第2のレールの各々に円形凹部が形成され、前記円形凹部に外側円盤が回転可能に係合し、前記外側円盤には偏心位置に偏心円形開口が形成され、当該偏心円形開口に内側円盤が回転可能に係合し、前記内側円盤の偏心位置に前記ロック孔が形成されていることを特徴とするロック装置付き免震装置。
  2. 前記アクチュエータは流体圧式アクチュエータであることを特徴とする請求項に記載のロック装置付き免震装置。
  3. 前記アクチュエータは電磁式アクチュエータであることを特徴とする請求項に記載のロック装置付き免震装置。
  4. 前記センタブロックと前記第1のレールおよび前記第2のレールとの変位可能な係合は、両側リップ係合による浮き上がり防止構造により行われていることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載のロック装置付き免震装置。
  5. 地震を検知する地震検知手段と、
    前記地震検知手段により所定レベル以上の地震を検知しない状態下では、前記可動係合子と前記ロック孔との係合によりロック状態にし、前記地震検知手段により所定レベル以上の地震を検知した時には、前記可動係合子と前記ロック孔との係合を解除して免震支承状態にする制御装置を有していることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載のロック装置付き免震装置。
  6. 風速を検出する風速検出手段と、
    前記風速検出手段により所定値以上の風速を検出しない状態下では、前記可動係合子と前記ロック孔との係合を解除して免震支承状態にし、前記風速検出手段により所定値以上の風速を検出した時には、前記可動係合子と前記ロック孔との係合によりロック状態にすることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載のロック装置付き免震装置。
  7. 請求項1〜の何れか一項に記載のロック装置付き免震装置を備え、
    前記基礎構造体が建物の基礎であり、前記上部構造体が建物であることを特徴とする免震装置付き建物。
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