JP4358721B2 - 自動変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速機に関する。
従来から、この種の自動変速機としては、主として特許文献1の図2aに示されているように、プラネタリギヤ(最終遊星歯車列9)を構成するリングギヤ(外部中心歯車24)と、該リングギヤを係合先(中間遊星歯車列8の外部中心歯車22)に係脱可能に係合する摩擦係合要素(クラッチK−1)を駆動する駆動装置(クラッチアクチュエータ61)を構成するドラム(図2aにて符号61の引き出し線が指し示している部材)とを備え、リングギヤとドラムとの間でトルクが伝達され、リングギヤとドラムが隣接して配置されているものが知られている。
このように構成された自動変速機において、リングギヤとドラムは溶接にて固定されており、これにより、リングギヤはドラムに直接支持される。
また、プラネタリギヤを構成する各ギヤ(サンギヤ、ピニオン、リングギヤ)は、ギヤの噛み合い時に発生する音を低減するため、ヘリカルギヤ(はすば歯車)で構成するのが一般的である。
特開2002−139124号公報(第5−7頁、図1,2,2a)
上述した自動変速機においては、摩擦係合要素の係合開始から解除までの間、リングギヤとドラムの間にトルクがかかると、リングギヤとサンギヤには互いに逆向きのスラスト力が作用する。このとき、リングギヤに作用するスラスト力がドラムから遠ざかる方向に作用した場合(すなわちリングギヤがドラムを引っ張る場合)、またはドラム方向に作用した場合(すなわちリングギヤがドラムを押圧する場合)には、これにともなってドラム、ひいてはドラム内のチャンバが弾性変形する。これによって、ドラムに摺動自在に支持されているクラッチアクチュエータ61を構成する作動ピストン61aの摺動性が悪化し、自動変速機の変速性能が悪化するという問題があった。また、ドラムの弾性変形にともなってリングギヤの位置、及び姿勢が変化し、これによりリングギヤの噛み合わせが悪くなり、ギヤノイズが悪化するという問題もあった。
また、溶接固定の場合、溶接の熱影響によってリングギヤのギヤ精度が悪化し、リングギヤとピニオンの噛合部からのギヤノイズが悪化するという問題があった。
本発明の目的は、自動変速機において、リングギヤをドラムではなく支持部材によって支持することにより、摩擦係合要素の係合開始から解除までの間、リングギヤとドラムの変形が互いの姿勢に影響を及ぼすことを防止して、自動変速機の変速性能を高く維持することができ、また、リングギヤの噛み合い精度を高く確保してギヤノイズの発生を抑制することができる。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、サンギヤ、リングギヤ、ピニオンギヤを支持するキャリアを有するプラネタリギヤと、リングギヤを係合先に係脱可能に係合する摩擦係合要素と、該摩擦係合要素を構成すると共に環状底部を有するドラムとを備え、リングギヤとドラムとの間でトルクが伝達され、リングギヤとドラムが隣接して配置されている自動変速機において、リングギヤとドラムは互いに軸方向に摺動可能にスプライン嵌合する係合部を備え、かつ、リングギヤはドラムの環状底部とは別体でリングギヤとドラムの環状底部の軸方向の間に配置される支持部材によって径方向に支持されていることである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、リングギヤとドラムとの間にトルクがかかっていないときに、リングギヤとドラムとの間の軸方向の間隙が、リングギヤと支持部材との間の軸方向の間隙より大きくされたことである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、支持部材は、ドラムに位置決め固定されていることである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項3において、支持部材は、リングギヤの径方向内周側において位置決めされることである。
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項4において、支持部材は、回転軸上に直接かつ相対回転自在に位置決め固定されていることである。
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項5の何れか一項において、支持部材とプラネタリギヤとの間にスラスト荷重受け部材を介装したことである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、摩擦係合要素の係合開始から解除までの間、リングギヤとドラムの間にトルクがかかった場合、リングギヤは、ドラムに直接支持されるのではなく、ドラムの環状底部とは別体でリングギヤとドラムの環状底部の軸方向の間に配置される支持部材によって径方向に支持されているので、リングギヤにスラスト力が作用してもその力によってドラムが弾性変形するのを確実に防止することができる。したがって、摩擦係合要素を構成する作動ピストンの摺動性を十分確保して、摩擦係合要素の性能ひいては自動変速機の変速性能を高く維持することができる。
また、リングギヤは、ドラムに対して軸方向に摺動可能にスプライン嵌合するので、ドラムから遠ざかる方向のスラスト力がリングギヤに作用する場合、支持部材にスラスト力が作用し、ドラムはドラムから遠ざかる方向のスラスト力を受けないので、従来のようにドラムがリングギヤに引っ張られて弾性変形するのを確実に防止することができる。したがって、作動ピストンの摺動に支障をきたすことなく摩擦係合要素の性能ひいては自動変速機の変速性能を十分に発揮することができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、請求項1に係る発明において、リングギヤとドラムとの間にトルクがかかっていないときに、リングギヤとドラムとの間の軸方向の間隙が、リングギヤと支持部材との間の軸方向の間隙より大きくされている。これにより、ドラムに近づく方向のスラスト力がリングギヤに作用する場合、リングギヤはリングギヤと支持部材との間の軸方向の間隙分だけ軸方向に移動するが、ドラムには到達しないので、ドラムが直接押圧されることにより弾性変形するのを確実に防止することができる。したがって、作動ピストンの摺動に支障をきたすことなく摩擦係合要素の性能ひいては自動変速機の変速性能を十分に発揮することができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、請求項1に係る発明において、支持部材は、ドラムに位置決め固定されているので、請求項1に係る発明の作用・効果に加えて、支持部材を径方向に小型化することにより、省スペースおよび軽量化を達成することができる。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、請求項3に係る発明において、支持部材は、リングギヤの径方向内周側において位置決めされるので、スラスト力を受けた支持部材によってドラムに作用するモーメントを小さくすることができる。
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、請求項4に係る発明において、支持部材は、回転軸上に直接かつ相対回転自在に位置決め固定されているので、請求項5に係る発明の作用・効果に加えて、ドラムに対してかかるスラスト力をより内周側へかかるようにすることができ、ドラムの変形をほぼなくすことができる。
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、請求項1乃至請求項5の何れか一項に係る発明において、支持部材とプラネタリギヤとの間にスラスト荷重受け部材を介装したので、支持部材がスラスト力を受けて弾性変形しても支障なくプラネタリギヤの回転を維持することができる。

1)第1の実施の形態
以下、本発明による自動変速機の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。図1はこの自動変速機のギヤトレーンを示すスケルトン図であり、図2は自動変速機を構成するプラネタリギヤG1およびクラッチC−1を示す部分拡大断面図である。この自動変速機20は、駆動源(例えばエンジン)により回転駆動されるトルクコンバータ10の出力回転を変速して駆動輪に伝達するものである。
トルクコンバータ10は、ポンプインペラ11、ステータ12、タービン13、及びロックアップクラッチ14を有しており、ポンプインペラ11は図略のエンジンによって回転駆動されてオイルを送り出し、タービン13に回転駆動が伝達されるようになっている。自動変速機20の入力軸23はタービン13に連結されており、トルクコンバータ10の出力が自動変速機20に入力されている。ロックアップクラッチ14はポンプインペラ11とタービン13とを直結するものである。
自動変速機20は、車体に取り付けられたトランスミッションケース(以下、単にケースという)21内に共通回転軸22上にそれぞれ支承された入力軸23、プラネタリギヤG1、プラネタリギヤセットG2および出力軸24から構成されている。
プラネタリギヤG1は、ダブルピニオンタイプのプラネタリギヤであり、サンギヤS1、共通回転軸22上に回転可能に支承されたリングギヤR1、及びサンギヤS1とリングギヤR1にそれぞれ噛合しかつ互いに噛合する第1および第2ピニオンP11,P12を支承して共通回転軸22上に回転可能に支承されたキャリアPC1から構成されている。
プラネタリギヤセットG2は、いわゆる複式プラネタリギヤセットであるラビニョ型プラネタリギヤセットであり、シングルピニオンタイプのプラネタリギヤG21およびダブルピニオンタイプのプラネタリギヤG22の二つのプラネタリギヤから構成されている。このプラネタリギヤセットG2は、大小径の異なる一対のサンギヤS2,S3と、リングギヤR2(R3)と、互いに噛合して一方が大径のサンギヤS2に噛合するとともにリングギヤR2(R3)に噛合し、他方が小径のサンギヤS3に噛合するロングおよびショートピニオンP2,P3を支持するキャリアPC2(PC3)から構成されている。なお、サンギヤS2,S3、リングギヤR2(R3)およびキャリアPC2(PC3)は共通回転軸22上に回転可能に支承されている。リングギヤR2およびリングギヤR3、ならびにキャリアPC2およびキャリアPC3はそれぞれ連結されて共通化されている。
プラネタリギヤG1のサンギヤS1はケース21に常時固定されている。プラネタリギヤG1のキャリアPC1は入力軸23に直結されるとともに、クラッチC−4を介してプラネタリギヤセットG2のサンギヤS2に連結されている。プラネタリギヤG1のリングギヤR1はクラッチC−1を介してプラネタリギヤセットG2のサンギヤS3に連結され、クラッチC−3を介してプラネタリギヤセットG2のサンギヤS2に連結されている。
プラネタリギヤセットG2のサンギヤS2は、上述したようにプラネタリギヤG1のリングギヤR1またはキャリアPC1(すなわち入力軸23)に選択的に連結されるとともに、ブレーキB−1を介してケース21に係止可能とされている。プラネタリギヤセットG2のサンギヤS3は、上述したようにプラネタリギヤG1のリングギヤR1に選択的に連結可能とされている。プラネタリギヤセットG2のキャリアPC2(PC3)は、クラッチC−2を介して入力軸23に連結され、かつ、ブレーキB−2を介してケース21に係止可能とされるとともに、ワンウェイクラッチF−1によりケース21に一方向回転係止可能とされている。そして、プラネタリギヤセットG2のリングギヤR2(R3)は、出力軸24に直結されている。
このように構成された自動変速機は、図示しない電子制御装置と油圧制御装置とによる制御で、運転者により選択されたレンジに応じた変速段の範囲で車両負荷と車速に基づき、変速を行う。すなわち、上述した各クラッチC−1〜C−3及び各ブレーキB−1,B−2の係合及び解放を制御して対応する変速段を達成している。
なお、上述した各クラッチC−1〜C−4及び各ブレーキB−1,B−2は摩擦係合要素である。
次に、プラネタリギヤG1およびクラッチC−1の構成と部材配置について、図2を参照して説明する。プラネタリギヤG1のサンギヤS1は、入力軸23に同軸かつ前端部がケース21に固定されたスリーブ軸25の後端部にスプライン係合で固定されている。スリーブ軸25と入力軸23との間にはニードルベアリング26が介装されている。
プラネタリギヤG1のキャリアPC1は、ピニオンP11,P12を軸架する一対の環状板部PC1a,PC1bと、両環状板部PC1a,PC1bの外周部を連結する複数の連結部PC1cから構成されており、一方の環状板部PC1bの内周端が入力軸23に設けられたフランジ23aに溶接等によって固定されている。なお、各連結部PC1cは、周方向に距離をおいて配設されており、連結部PC1c間に形成される窓を介してピニオンP11とリングギヤR1が噛合する。
プラネタリギヤG1のリングギヤR1は、筒状に形成されており、ピニオンP11に対向する内周面にはピニオンP11に噛合する第1内歯R1aが形成され、それ以外の部分である内周面の一端部は、ドラム32とは別体の支持部材50によって径方向に支持されている(後述する)。また、このリングギヤR1の外周面には、ドラム32の環状底部32aの外面(前面)に立設された外側環状凸部32a2(係合部)にスプライン嵌合する外歯R1b(スプライン)が形成されている。
なお、上述したサンギヤS1、ピニオンP11,P12およびリングギヤR1は、ヘリカルギヤ(斜歯(はすば)歯車)で構成されている。
クラッチC−1は、リングギヤR1を係合先(第1プラネタリギヤセットであるG2のサンギヤS3)に係脱可能に係合する摩擦係合要素であり、油圧サーボ30と摩擦部材40から構成されている。なお、本実施の形態においては、摩擦係合要素がクラッチC−1である場合に本発明を適用したが、リングギヤとドラムが隣接して配置される他の摩擦係合要素例えばクラッチC−2,C−3、ブレーキB−1,B−2の場合に適用してもよい。
油圧サーボ30は、カップ状に形成されて内部にシリンダ31が一体的に形成されたドラム32と、シリンダ31に軸方向に摺動自在に嵌挿されているピストン33と、ピストン33の背面にかかる遠心油圧を相殺するキャンセルプレート34と、係合位置にあるピストン33を元の解除位置(図2にて実線にて示す位置)に戻す複数のリターンスプリング35とから構成されている。
ドラム32は、環状底部32a、環状底部32aの外周端および内周端にそれぞれ立設された外筒部32bおよび内筒部32cが一体的に接続された一体構造体である。
内筒部32cの内周には、スリーブ軸36が内嵌されている。スリーブ軸36の左半分は入力軸23に外嵌され、右半分は入力軸23に外嵌されたブッシュ37に外嵌されている。これにより、ドラム32は、入力軸23に相対回転可能に支持されるとともに、入力軸23に対して径方向に位置決めされている。
環状底部32aの内面(後面)には、筒状凸部32a1が立設されており、環状底部32a、筒状凸部32a1および内筒部32cによってシリンダ31が形成されている。ピストン33は、内周端部33aが液密かつ摺動可能に内筒部32cの外周面に当接し、外周端部33bが液密かつ摺動可能に筒状凸部32a1の外周面に当接するようになっており、軸方向に往復動するようになっている。
また、シリンダ31とピストン33との間に油圧室38が形成されている。この油圧室38へのサーボ圧の給排は、入力軸23、スリーブ軸36および内筒部32cにそれぞれ形成した各油路23b,36a,32c1を介して行われる。また、ピストン33の外周端部にはさらに外方に延在する環状の押圧部33cが設けられており、油圧室38にサーボ圧が供給されると摩擦部材40を押圧するようになっている。
摩擦部材40は複数のアウタクラッチプレート41およびインナクラッチプレート42から構成されており、両クラッチプレート41,42は交互に軸方向に並設されている。アウタクラッチプレート41は、ドラム32の外筒部32bの内周面にスプライン嵌合されている。インナクラッチプレート42は、連結部材43を介してサンギヤS3に連結されているハブ44の外周面にスプライン嵌合されている。油圧サーボ30の駆動によってピストン33が摩擦部材40を押圧すると、アウタクラッチプレート41およびインナクラッチプレート42が圧接され、ドラム32とハブ44が連結されて、リングギヤR1とサンギヤS3が連結される。
環状底部32aの外面(前面)には、外側環状凸部32a2およびその内側に同心的に配設された内側環状凸部32a3が立設されている。外側環状凸部32a2の内周面にはスプラインが形成されており、リングギヤR1の外周面に形成した外歯R1bとスプライン嵌合している。リングギヤR1とドラム32のスプラインは軸方向に平行に延在して形成されており、周方向には互いに歯合し、軸方向には摺動自在になっている。これにより、リングギヤR1とドラム32は周方向に互いに噛合することにより係合することになり、リングギヤR1とドラム32との間でトルクが伝達可能となる。
内側環状凸部32a3内には、支持部材50が、リングギヤR1とドラム32の軸方向の間に配設され、径方向に位置決めされて取り付けられている。支持部材50は、図3に示すように、環状の円盤状に形成されている。支持部材50の一面(後面)には環状凸部50aが形成されており、この環状凸部50aが内側環状凸部32a3内にインロー嵌合している。この場合、嵌着してもよいし、ギヤの調心に余裕を持たせるために若干の隙間をもって挿着してもよい。また、支持部材50はリングギヤR1の径方向内周側において位置決めされている。
また、支持部材50の外周端とリングギヤR1の内周面は密接されており、リングギヤR1は支持部材50に対して径方向に位置決め固定される。このとき、支持部材50の外周端には、プラネタリギヤG1のリングギヤR1の内周面の一端部に形成された複数の係止凹部R1cにそれぞれ係合する複数の係止凸部50bが形成されている。これにより、リングギヤR1はドラム32に対して軸方向に摺動可能にスプライン嵌合し、支持部材50とリングギヤR1は一体的に回転する。
さらに、この支持部材50外周端は、スナップリング51によってリングギヤR1に軸方向に抜け止め固定されている。この場合、支持部材50、リングギヤR1、スナップリング51の寸法誤差によってリングギヤR1と支持部材50との間の軸方向に間隙が生じ、リングギヤR1はこの間隙分だけ若干ではあるが軸方向に往復動する。したがって、リングギヤR1とドラム32との間にトルクがかかっていないときに、リングギヤR1とドラム32との間の軸方向の間隙が、リングギヤR1と支持部材50との間の軸方向の間隙より大きくされている。
このように、支持部材50は入力軸23に径方向に位置決め固定されたドラム32にインロー嵌合することにより径方向に位置決め固定されるので、入力軸23に対して径方向に位置決め固定される。したがって、その支持部材50の外周端に支持されるリングギヤR1は、入力軸23に対して径方向に精度よく位置決め固定される。
なお、サンギヤS1と入力軸23のフランジ23aとの間には、スラストベアリング(スラスト荷重受け部材)27が介装されており、サンギヤS1とキャリアPC1間のスラスト力を受けている。また、プラネタリギヤG1すなわちキャリアPC1と支持部材50との間にも、スラストベアリング(スラスト荷重受け部材)28が介装されており、キャリアPC1と支持部材50間のスラスト力を受けている。
上述した説明から明らかなように、本実施の形態においては、摩擦係合要素であるクラッチC−1の係合開始から解除までの間、リングギヤR1とドラム32の間にトルクがかかった場合、リングギヤR1は、ドラム32に直接支持されるのではなく、ドラム32とは別体の支持部材50によって径方向に支持されているので、リングギヤR1にスラスト力が作用してもその力によってドラム32が弾性変形するのを確実に防止することができる。したがって、摩擦係合要素であるクラッチC−1を構成するピストン33の摺動性を十分確保して、摩擦係合要素の性能ひいては自動変速機の変速性能を高く維持することができる。
また、支持部材50は、リングギヤR1とドラム32の軸方向の間に配設されるので、支持部材50をドラム32の反対側に配設する場合と比べて、支持部材50をドラム32と一体回転できるため、支持部材50とドラム32との間にスラストベアリングが不要となり部品点数を低減することができる。
また、リングギヤR1は、ドラム32に対して軸方向に摺動可能にスプライン嵌合するので、ドラム32から遠ざかる方向のスラスト力がリングギヤR1に作用する場合、支持部材50にスラスト力が作用し、ドラム32はドラム32から遠ざかる方向のスラスト力を受けないので、従来のようにドラム32がリングギヤR1に引っ張られて弾性変形するのを確実に防止することができる。したがって、ピストン33の摺動に支障をきたすことなく摩擦係合要素の性能ひいては自動変速機の変速性能を十分に発揮することができる。
また、リングギヤR1とドラム32との間にトルクがかかっていないときに、リングギヤR1とドラム32との間の軸方向の間隙が、リングギヤR1と支持部材50との間の軸方向の間隙より大きくされている。これにより、ドラム32に近づく方向のスラスト力がリングギヤR1に作用する場合、リングギヤR1はリングギヤR1と支持部材50との間の軸方向の間隙分だけドラム32に向かって軸方向に移動するが、ドラム32には到達しないので、ドラム32が直接押圧されることにより弾性変形するのを確実に防止することができる。したがって、ピストン33の摺動に支障をきたすことなく摩擦係合要素の性能ひいては自動変速機の変速性能を十分に発揮することができる。
また、支持部材50は、リングギヤR1を、その回転軸22に対して径方向に位置決めするように支持するので、リングギヤR1を精度よく噛み合わせすることができる。したがって、ギヤノイズの発生を抑制することができる。
また、支持部材50は、ドラム32に位置決め固定されているので、前述した作用・効果に加えて、支持部材50を径方向に小型化することにより、省スペースおよび軽量化を達成することができる。
また、支持部材50は、リングギヤR1の径方向内周側において位置決めされるので、スラスト力を受けた支持部材50によってドラム32に作用するモーメントを小さくすることができる。
また、支持部材50とプラネタリギヤを構成するキャリアPC1との間にスラスト荷重受け部材28を介装したので、支持部材50がスラスト力を受けて弾性変形しても支障なくプラネタリギヤG1の回転を維持することができる。
2)第2の実施の形態
次に、本発明による自動変速機の第2の実施の形態について図4を参照して説明する。本第2の実施の形態は、基本的に上述した第1の実施の形態と同様な構成になっており、主として支持部材の取り付け先が異なっている。なお、第1の実施の形態と同一(またはほぼ同一)の構成部材については同一符号を付してその説明を省略する。
具体的には、支持部材の取り付け先は、第1の実施の形態においてはドラム32であったが、本第2の実施の形態においては入力軸23である。本第2の実施の形態の支持部材60の形状は上述した支持部材50と同様に環状の円盤状に形成されているが、取り付け先が入力軸23であるため、その径方向が支持部材50より長くなっている。支持部材60と入力軸23の間には、ブッシュ61が介装されている。また、支持部材60の外周端とリングギヤR1の内周面は密接されており、リングギヤR1は支持部材60に対して径方向に位置決め固定される。このとき、支持部材60の外周端には、リングギヤR1の内周面に形成された複数の係止凹部R1cにそれぞれ係合する複数の係止凸部60bが形成されている。さらに、この支持部材60の外周端は、スナップリング51によってリングギヤR1に軸方向に抜け止め固定されている。また、リングギヤR1とドラム32との間にトルクがかかっていないときに、リングギヤR1とドラム32との間の軸方向の間隙が、リングギヤR1と支持部材50との間の軸方向の間隙より大きくされている。
このように、支持部材60は入力軸23にブッシュ61を介して径方向に位置決め固定される。したがって、その支持部材60の外周端に支持されるリングギヤR1は、入力軸23に対して径方向に精度よく位置決め固定される。
また、支持部材60の内周端部(根元)がドラム32の内周端部(根元)に当接するように配置されているので、支持部材60が受けるスラスト力は、ドラム32の内周端部(根元)にかかるようになる。したがって、リングギヤR1に作用するスラスト力によって支持部材60がドラム32側に押圧されてもドラム32の環状底部32aが変形することはない。
このように、本第2の実施の形態においては、リングギヤR1にスラスト力が作用してもその力によってドラム32が弾性変形するのを確実に防止することができる。したがって、摩擦係合要素であるクラッチC−1を構成するピストン33の摺動性を十分確保して、摩擦係合要素の性能ひいては自動変速機の変速性能を高く維持することができる。また、支持部材60は、リングギヤR1を、その回転軸22に対して径方向に位置決めするように支持するので、リングギヤR1を精度よく噛み合わせすることができる。したがって、ギヤノイズの発生を抑制することができる。
なお、本第2の実施の形態においては、ドラム32の内側環状凸部32a3は削除されている。また、スリーブ軸36およびブッシュ37は設けられておらず、ドラム32は入力軸23に直接嵌着されている。
また、上述した第2の実施の形態においては、本発明を、支持部材60を入力軸23に支持する場合に適用したが、支持部材60を出力軸24に支持する場合に適用してもよく、また、入力軸23および出力軸24以外の回転軸であって回転軸22と同軸で両軸23,24と同様な機能を備えたものに支持部材60を支持する場合に適用してもよい。すなわち、支持部材60は、回転軸22上に直接かつ相対回転自在に位置決め固定されるようにすればよく、これによれば、ドラム32に対してかかるスラスト力をより内周側へかかるようにすることができ、ドラム32の変形をほぼなくすことができる。
本発明の第1の実施の形態の自動変速機のギヤトレーンを示すスケルトン図である。 図1に示すプラネタリギヤおよびクラッチ付近を示す部分拡大断面図である。 図2に示す支持部材およびリングギヤの接合状態を示す正面図である。 本発明の第2の実施の形態のプラネタリギヤおよびクラッチ付近を示す部分拡大断面図である。
符号の説明
10…トルクコンバータ、20…自動変速機、21…トランスミッションケース(ケース)、22…回転軸、23…入力軸、24…出力軸、27,28…スラストベアリング、30…油圧サーボ、31…シリンダ、32…ドラム、33…ピストン、40…摩擦部材、50,60…支持部材、B−1,B−2…ブレーキ、C−1〜C−4…クラッチ、G1…プラネタリギヤ、G2…プラネタリギヤセット、P11,P12,P2,P3…ピニオン、PC1,PC2,PC3…キャリア、R1,R2,R3…リングギヤ、S1,S2,S3…サンギヤ。

Claims (6)

  1. サンギヤ、リングギヤ、ピニオンギヤを支持するキャリアを有するプラネタリギヤと、
    前記リングギヤを係合先に係脱可能に係合する摩擦係合要素と、
    該摩擦係合要素を構成すると共に環状底部を有するドラムとを備え、
    前記リングギヤとドラムとの間でトルクが伝達され、前記リングギヤとドラムが隣接して配置されている自動変速機において、
    前記リングギヤとドラムは互いに軸方向に摺動可能にスプライン嵌合する係合部を備え、かつ、
    前記リングギヤは前記ドラムの環状底部とは別体で前記リングギヤと前記ドラムの環状底部の軸方向の間に配置される支持部材によって径方向に支持されていることを特徴とする自動変速機。
  2. 請求項1において、前記リングギヤとドラムとの間にトルクがかかっていないときに、前記リングギヤと前記ドラムとの間の軸方向の間隙が、前記リングギヤと前記支持部材との間の軸方向の間隙より大きくされたことを特徴とする自動変速機。
  3. 請求項1において、前記支持部材は、前記ドラムに位置決め固定されていることを特徴とする自動変速機。
  4. 請求項3において、前記支持部材は、前記リングギヤの径方向内周側において位置決めされることを特徴とする自動変速機。
  5. 請求項4において、前記支持部材は、回転軸上に直接かつ相対回転自在に位置決め固定されていることを特徴とする自動変速機。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか一項において、前記支持部材と前記プラネタリギヤとの間にスラスト荷重受け部材を介装したことを特徴とする自動変速機。
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