JP4431104B2 - 自動変速機におけるシールプラグの抜け止め構造 - Google Patents

自動変速機におけるシールプラグの抜け止め構造 Download PDF

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Description

本発明は、同一の変速機ケース内にトルクコンバータ、変速機ユニットおよびディファレンシャル機構が収納された自動変速機に係り、特にディファレンシャル機構のサイドギアの開口部から変速機ケース内の作動油が外部に漏れ出すことを防止するシールプラグの抜け止め構造に関する。
従来、自動変速機の出力側に配置されたディファレンシャル機構は、エンジンからのトルクがトルクコンバータおよび変速ユニットを介して伝達されるピニオンギアと、このピニオンギアに噛み合い略円筒形状に形成された左右のサイドギアとより構成されている。
トルクコンバータ、変速ユニットおよびディファレンシャル機構は、同一の変速機ケース内に配置される。
変速機の組み立ては、変速機ケース内に配置された左右のサイドギアの中空部に、左右のドライブシャフトの基端側を嵌合させ、先端側を変速機ケースの開口から突出させた状態としている。
ここで、通常、左右のサイドギアの中空部の基端側(サイドギアにおいてギア部が設けられている側の端部)には、変速機ケースと左右のサイドギアの中空部とを区画し、変速機ケース内に作動油を密閉しておくシールプラグが取り付けられている。
これにより左右のドライブシャフトをサイドギアから引き抜いても、作動油が変速機ケース内からディファレンシャル機構を介して外部へ漏れ出ることを防止している。
このシールプラグの具体的な構造として、たとえば特開平10−213209号公報に記載のものが知られている。
この従来技術を図8を参照して説明すると、サイドギア300は、ディファレンシャル機構内に組み込まれる基端側(図8中、右側の端部)に、ピニオンギア298に噛み合うギア部301が設けられ、ギア部301よりも先端側(図8中、左側)の中空部302の内周面にスプライン歯303が設けられている。
また、中空部302の基端側の内周に、環状の凹部からなる抜け止め溝304が形成されている。
中空部302に、仮想線で示すドライブシャフト310が嵌入される。ドライブシャフト310は、その外周にスプライン歯を有し、中空部302の内周面に設けたスプライン歯303とスプライン結合している。
サイドギア300の基端側の開口は、開口部305aおよび底部305bからなるカップ形状のシールプラグ305によって封止される。
特にシールプラグ305は、サイドギア300の基端側に開口部305a、先端側に底部305bが配され、その開口部305aが抜け止め部304内に嵌まり込んでいる。
従って、ピニオンギア298からギア部301へ伝達される動力によって、シールプラグ305にはサイドギア300の先端側に推進力が働くが、上述した構成により、シールプラグ305が抜け落ちにくくなり、変速機ケース内の作動油が外部へ漏れ出てしまうことがない。しかも、シールプラグ305は、サイドギア300の中空部302の径に対して小径の底部305bから挿入して組み付ける構造であるため、組み付け性は比較的良好である。
しかしながら、ドライブシャフトが差し込まれるサイドギア300の先端側に、シールプラグ305の底部305bを配置する構成であり、ドライブシャフト310の先端とシールプラグ305の底部305bとの干渉を避けるため、ドライブシャフト310の先端がサイドギア300の基端側の端部近傍に到達する位置までドライブシャフト310を中空部302内に差し込むことができない。
ここで、サイドギア300のギア部301に入力された動力は、中空部302に形成されたスプライン歯303からドライブシャフト310の外周面に形成されたスプライン歯を介してドライブシャフト310に伝達される。
したがって、本構成では、ギア部301とスプライン歯303までの距離が長くなってしまい、サイドギア300におけるギア部301とスプライン歯303の間の強度を確保するために肉厚に形成する必要があるといった問題がある。
そこで、特開2003−106409号公報に記載されたものにおいては、図9に示すように、開口部405aおよび底部405bからなるカップ形状のシールプラグ405であって、シールプラグ405は、サイドギア400の基端側に底部405b、先端側に開口部405aが配され、サイドギア400の中空部402の基端側の端部に嵌め込んでいる。
また、サイドギア400の基端側端部の内周面には、円周溝407が形成され、該円周溝407にシールプラグ405の開口部405aに設けられた係合爪408が嵌め込まれている。これによりシールプラグ405が中空部402から抜け落ちないようになっている。
ドライブシャフトが差し込まれるサイドギア400の先端側に、シールプラグ405の開口部405aを配置することにより、特許文献1の場合と比較してシールプラグ405の底部405bが、中空部302内においてサイドギア400の基端側に位置することとなる。
したがって、ドライブシャフト410の先端がサイドギア400の基端近傍に到達する位置までドライブシャフト410を中空部402内に差し込むことができる。
よって、本構成では、中空部402の内周面に形成するスプライン歯403をよりサイドギア400の基端側に形成し、特許文献1の場合と比較して、よりサイドギア400の基端側に近い位置においてギア部401からサイドギア400に伝達された動力を、スプライン歯403を介してドライブシャフト410に伝達することができ、ギア部401とスプライン歯403の間の強度を確保する必要がない。
特開平10−213209号公報 特開2003−106409号公報
しかしながら特許文献2の構成では、ピニオンギアからギア部401へ伝達される動力によってシールプラグ405が中空部402から抜け落ちないようにするため、サイドギア400の基端側端部の内周面に円周溝407を設け、シールプラグ405の開口部405aに、円周溝407と嵌合する係合爪408を設けた構成であり、シールプラグ405をサイドギア400に組み付ける際、サイドギア400の基端側端部の内径に対して大径の係合爪408が設けられた開口部405aから挿入して組み付ける構造であるため、開口部405aに形成された係合爪408を一旦大きく弾性変形させてから円周溝407まで挿入するため、シールプラグ405のサイドギア400への組み付け性が非常に悪いといった問題があった。
そこで本発明はこのような問題点に鑑み、ドライブシャフトの先端をサイドギアの基端近傍に到達する位置まで差し込むことができ、ギア部およびスプライン歯間の強度を確保するために肉厚にする必要がなく、シールプラグをサイドギアに組み付ける際にシールプラグが殆ど弾性変形することなく組み付けることができるシールプラグの抜けを防止した自動変速機におけるシールプラグの抜け止め構造を提供することを目的とする。
ところで、シールプラグの抜けの原因を詳しく調べてみると、ピニオンギアからサイドギアのギア部へ伝達される動力によって、サイドギアの基端側に歪みが生じ、この歪みによって、シールプラグには、ディスク部の径方向に圧縮する力と、円筒形状の取付部の軸を軸心として回転させる力とが作用することがわかった。
したがって、シールプラグを回転させる力が作用することによってシールプラグが回転すると、シールプラグと中空部(プラグ嵌込部)の内周面との間の摩擦力が静摩擦力から摩擦力の小さな動摩擦力へと変化し、さらにシールプラグを圧縮する力が作用することによって、サイドギアの円筒部からシールプラグが抜け落ち易くなることがわかった。
そこで本発明は、作動油を密閉した変速機ケース内に、変速機ユニットおよびディファレンシャル機構を収納し、該ディファレンシャル機構は、変速機ユニットから動力が伝達されるピニオンギアと、円筒部および該円筒部の一端側の外周にピニオンギアに噛合するギア部とを備えたサイドギアと、該サイドギアの円筒部の他端側から一端側に向けて差し込まれ、円筒部の内周面とスプライン結合するドライブシャフトとを備え、サイドギアの一端側の内周面にプラグ嵌込部が設けられ、該プラグ嵌込部に変速機ケース内から円筒部への作動油の流れをシールするシールプラグが配設された自動変速機におけるシールプラグの抜け止め構造において、プラグ嵌込部の内周面に、サイドギアの軸と同一方向に延びる溝形状に形成された凹部が設けられ、シールプラグは、サイドギアの一端側の開口を覆うディスク部と、該ディスク部の外周縁から延びる円筒形状の取付部とより構成され、取付部の外周面に凸部が形成され、取付部側から、プラグ嵌込部に嵌め込まれて凸部と凹部とが係合し、サイドギアの軸を軸心としてサイドギアに対して回転不可能となっているものとした。
本発明によれば、シールプラグに凸部を、プラグ嵌込部に凹部を形成し、サイドギアの軸を軸心としてシールプラグが回転不可能となるようプラグ嵌込部にシールプラグを嵌め込むものとしたので、シールプラグに対してシールプラグを回転させる回転方向成分と、シールプラグを径方向に圧縮するラジアル成分とを有する負荷が加わったとしても、凸部と凹部の係合によりシールプラグの回転が抑制される。
したがってシールプラグとプラグ嵌込部との間には、動摩擦力よりも大きな静摩擦力が関与するため、負荷が加わったとしてもシールプラグがサイドギアから抜け出ることがない。
また、シールプラグは、サイドギアの基端側に底部、先端側に開口部が配されるようにサイドギアに組み付けるため、ドライブシャフトの先端をサイドギアの基端近傍まで差し込むことができ、サイドギアを肉厚に形成する必要がない。さらにシールプラグをサイドギアに組み付ける際、溝形状に形成される凹部と同一方向にシールプラグを組み付けるため、シールプラグを殆ど弾性変形させることなくサイドギアに組み付けることができる。
したがってシールプラグのサイドギアへの組み付けは容易に行われる。
このように、シールプラグに凸部、プラグ嵌込部にシールプラグの組み付け方向と同一方向に延びる溝形状の凹部を設けるだけでシールプラグの抜け止めを行うことができるので、サイドギアの重量が増加することなく、また組み付け性が向上する。
次に本発明の実施の形態を実施例により説明する。
なお本実施例におけるシールプラグの抜け止め構造を、前進5速後退1速の自動変速機に適用したものである。
図1は、自動変速機のギアトレーンを示すスケルトン図である。
この動力伝達機構は、トルクコンバータ1、主変速機構2、副変速機構3および車輪を駆動するディファレンシャル機構20を有している。
なお、トルクコンバータ1、主変速機構2および副変速機構3が本発明における変速機ユニットを構成する。
主変速機構2はトルクコンバータ1と同一軸線上に構成され、副変速機構3は主変速機構2と平行に配置されている。
トルクコンバータ1には、ロックアップ機構4が付設され、図示省略されたエンジンからの回転力が入力される。
またトルクコンバータ1からの出力は、軸5により主変速機構2に入力される。
主変速機構2は、第1遊星歯車機構G1、第2遊星歯車機構G2、リバースクラッチC1、ハイクラッチC2、ロークラッチC3、ローリバースブレーキB1、2−4ブレーキB2およびローワンウェイクラッチOC1を備え、軸5から入力される回転力を変速して軸6に出力している。
第1遊星歯車機構G1は、軸5上に配置され、サンギアS1と、インターナルギアR1と、サンギアS1およびインターナルギアR1と同時に噛み合うピニオンギアP1と、ピニオンギアP1を支持するキャリアPC1から構成されている。
また、第2遊星歯車機構G2も軸5上に配置され、サンギアS2と、インターナルギアR2と、サンギアS2およびインターナルギアR2と同時に噛み合うピニオンギアP2と、ピニオンギアP2を支持するキャリアPC2から構成されている。
リバースクラッチC1、ハイクラッチC2、ロークラッチC3、ローリバースブレーキB1、2−4ブレーキB2およびローワンウェイクラッチOC1を種々の組み合わせで作動させることにより、第1遊星歯車機構G1および第2遊星歯車機構G2の各要素の回転状態を変え、軸5の回転速度に対する軸6の回転速度を変えることができる。
軸6には、一体に取り付けられた主出力ギア7が設けられ、副変速機構3に連結された副入力ギア8と噛み合っている。
副変速機構3は、第3遊星歯車機構G3、ダイレクトクラッチC4、リダクションブレーキB3およびリダクションワンウェイクラッチOC2を備え、副入力ギア8から入力される回転力を変速して軸9に出力している。
第3遊星歯車機構G3は、サンギアS3と、副入力ギア8と一体に連結されるインターナルギアR3と、サンギアS3およびインターナルギアR3と同時に噛合うピニオンギアP3と、ピニオンギアP3を支持し、軸9と一体に回転するように連結されたキャリアPC3から構成されている。
ダイレクトクラッチC4、リダクションブレーキB3およびリダクションワンウェイクラッチOC2を、種々の組み合わせで作動させることにより、第3遊星歯車機構G3の各要素の回転状態を変え、副入力ギア8から入力された回転速度に対する軸9の回転速度を変えることができる。
軸9には、一体に取り付けられた副出力ギア10が設けられ、ディファレンシャル機構20と一体に回転するように連結されたファイナルギア21と噛み合っている。
エンジンから上記自動変速機に入力される回転力は、トルクコンバータ1、軸5、主変速機構2、主出力ギア7、副入力ギア8、副変速機構3、軸9、副出力ギア10、ファイナルギア21およびディファレンシャル機構20を順次伝達される。
その間に、各クラッチおよびブレーキ等を図2に示すような組み合わせで、作動させることにより、前進5速後退1速の変速を行わせることができる。丸印は締結状態を示している。
図2に、1速(エンジンブレーキ走行なし)と記載された摩擦要素の組み合わせでは、エンジンからの逆起動力が伝達され、エンジンブレーキ走行は行われない。他の変速段では、逆起動力が伝達されるので、エンジンブレーキ走行が行われる。
なお、運転者はシフトレバーを介したセレクト操作により、駐車レンジ、Rレンジ、中立レンジと、前進5速の自動変速を行うDレンジ、4速以下の前進4速で自動変速を行う4レンジ、3速以下の前進3速で自動変速を行う3レンジ、2速以下の前進2速で自動変速を行う2レンジおよび1速が設定される1レンジから所望のレンジを選択することができる。
次に、ディファレンシャル機構の詳細について説明する。
図3は、ディファレンシャル機構20の断面図であり、図4は、特にサイドギア50を示す拡大断面図である。
このディファレンシャル機構20は、副変速機構3の出力部材となる副出力ギア10に噛み合わされたファイナルギア21と、ボルト22によってカバー23とともにファイナルギア21が固定されるデフキャリア24とを備えている。
カバー23は、カバー円筒部26と、カバー円筒部26の端部から広がるフランジ部27とより構成されている。
カバー23は、カバー円筒部26の外周面と変速機ケース60との間に配置されたベアリング25によって回転自在に支持されている。
一方、デフキャリア24は、後述のピニオンギアなどを収納する収納部31と、収納部31の一方の端部から広がるフランジ部28と、他方の端部から延びるキャリア円筒部29とより構成される。
デフキャリア24は、キャリア円筒部29の外周面と変速機ケース60との間に配置されたベアリング30によって回転自在に支持されている。
ファイナルギア21と、カバー23のフランジ部27と、デフキャリア24のフランジ部28とが重ねられ、ボルト22によって固定されている。
また、カバー23のカバー円筒部26の軸と、デフキャリア24のキャリア円筒部29の軸とは一致している。
デフキャリア24には、収納部31を貫通する軸部材32を備え、この軸部材32には、ピニオンギア33、34が回動自在に支持されている。
ピニオンギア33、34には、サイドギア40、50のギア部42、52が噛み合わされている。
サイドギア40、50は、それぞれ円筒部41、51と、ギア部42、52とより構成され円筒状に形成されている。
サイドギア50の円筒部51は、カバー23のカバー円筒部26によって回転自在に支持され、サイドギア40の円筒部41はデフキャリア24のキャリア円筒部29によって回転自在に支持されている。
サイドギア40、50の円筒部41、51は、それぞれ変速機ケース60に設けられた開口部に向かって延設されている。
なおサイドギア40、50において、ギア部42、52が設けられた側と反対側の端部をサイドギア開口部45、55とする。
サイドギア40、50の円筒部41、51の内周面において、ギア部42、52側の端部近傍には、後述のドライブシャフトに形成されたスプライン歯と噛み合うスプライン歯43、53が形成されている。
なお図3、図4において、サイドギア50にはドライブシャフト70が差し込まれた状態を示し、サイドギア40にはドライブシャフトが差し込まれていない状態を示す。
特に図4に示すように、サイドギア50においてサイドギア開口部55側の内周面には、Oリング溝54が環状に形成され、Oリング溝54にはOリング58が嵌め込まれている。
なおOリング58は、Oリング溝54の深さよりも太く、ドライブシャフトが差し込まれていないときにはOリング58の内周部分がOリング溝54から突出している。
サイドギア40側もサイドギア50側と同様に、サイドギア開口部45側の内周面に環状のOリング溝が形成され、Oリング59が嵌め込まれている。
サイドギア50のギア部52が設けられた側の端部(以下、サイドギア50の基端側とも呼ぶ)(本発明における一端側)の内周面には、スプライン歯53が形成された部分の内径よりも大径のプラグ嵌込部56が形成されている。
プラグ嵌込部56には、カップ形状のシールプラグ80が嵌め込まれる。
ここでシールプラグ80は、円筒部51の基端側の開口を覆うディスク部85と、ディスク部85の外周縁から延びる取付部81とより構成される。
また取付部81は、ディスク部85に続く小径部83と、該小径部83からディスク部85と反対側へ延びる大径部82とより構成されている。
シールプラグ80は、大径部82側からプラグ嵌込部56に嵌め込まれている。
ディスク部85から小径部83の外周面にかけてシール部材84が取り付けられている。(詳しくは、後述の図6参照)
シールプラグ80がプラグ嵌込部56に嵌め込まれた状態で、シール部材84はプラグ嵌込部56の内周面とシールプラグ80の外周面との間を塞ぐ。
このシール部材84によって、変速機ケース60の内部と外部とが確実に分離され、変速機ケース60内の作動油が外部へ漏れ出ることがない。
同様に、サイドギア40の基端側の内周面にもプラグ嵌込部46が形成され、サイドギア50のシールプラグ80と同様に図示しないシールプラグが嵌め込まれる。
サイドギア50には、ドライブシャフト70の差込部75が差し込まれる。
なお、シールプラグ80を大径部82側からプラグ嵌込部56に嵌め込むことにより、ディスク部85がサイドギア50の基端側の端部に位置することとなる。
したがって、差込部75の先端がディスク部85に干渉することなく、差込部75の先端がサイドギア50の基端側の端部近傍に到達する位置まで、ドライブシャフト70をサイドギア50に差し込むことができる。
ドライブシャフト70の先端には、ドライブシャフト70の軸方向にスプライン歯71が形成され、ドライブシャフト70がサイドギア50に差し込まれた状態で、サイドギア50のスプライン歯53にスプライン歯71が噛み合う。
また差込部75の先端には、スプライン歯71と直交するCクリップ溝72が形成され、該Cクリップ溝72に弾性変形可能なCクリップ73が嵌め込まれている。
ドライブシャフト70をサイドギア50に差し込んだ状態で、サイドギア50のスプライン歯53におけるドライブシャフト差込方向先端側の端部にCクリップ73を引っ掛けて、ドライブシャフト70の抜けを防止している。
差込部75の外周面は、サイドギア50の内周面と略整合した形状となっている。
Oリング58は、その内周部分が差込部75と接触し、外部からサイドギア50内へ水やダストが浸入することを防止している。
サイドギア40側もサイドギア50側と同様に、図示しないドライブシャフトが差し込まれる。
次に、シールプラグ80とサイドギア50の嵌め込み構成の詳細について説明する。
まず、サイドギア50のプラグ嵌込部56について説明する。
図5の(a)は、サイドギア50を基端側から見た図であり、図5の(b)は、図5の(a)におけるA−A部断面図である。
プラグ嵌込部56の内周面には、サイドギア50の軸と同一方向に延びる溝形状の凹部57が形成されている。
なお凹部57は、プラグ嵌込部56の内周面において周方向に等間隔に4箇所設けられている。
次にシールプラグ80について説明する。
図6の(a)は、シールプラグ80をカップ形状の開口端側から見た図であり、図6の(b)は、図6の(a)におけるB−B部断面図である。
シールプラグ80の大径部82には、周方向に等間隔に4箇所、外方に突出した凸部86が形成される。
また凸部86は、円筒形状の取付部81の軸と同一方向に延びている。
ディスク部85から小径部83の外周部分にかけて取り付けられるシール部材84は、その外径が大径部82の一般外径(大径部82の凸部86が形成されていない部分)よりも所定長さ大径に形成されている。
大径部82の一般外形は、プラグ嵌込部56の一般内径(プラグ嵌込部56の凹部57が形成されていない部分の内径)よりも所定長さ小径に形成されている。
次に、シールプラグ80がプラグ嵌込部56に嵌め込まれた状態について説明する。
図7の(a)は、シールプラグ80がプラグ嵌込部56に嵌め込まれた状態で、サイドギア50を基端側から見た図であり、図7の(b)は、図7の(a)におけるC−C部断面図である。
シールプラグ80は、プラグ嵌込部56の凹部57と、シールプラグ80の凸部86とを整合させ、大径部82側からプラグ嵌込部56に嵌め込まれる。
このように、凹部57に凸部86が嵌まり込んでいるので、シールプラグ80はサイドギア50の軸を軸心とした回転が規制される。
サイドギア50側と同様に、サイドギア40側においても、図4に示すようにプラグ嵌込部46に凹部47を設け、凸部を有するシールプラグを嵌め込む。
次に、シールプラグ80の抜け止め原理について説明する。
図7の(a)に示すように、サイドギア50は、ピニオンギア33、34から大きな動力が伝達されて歪みが生じ、シールプラグ80にはピニオンギア33、34との噛み合い点A、A’から負荷Z、Z’が加わる。なお、噛み合い点A、A’は周方向に移動し続けるが、相対位置はサイドギア50の回転軸心Oに対して常に点対称の位置関係を保ち続ける。この負荷Z、Z’は、ラジアル成分X、X’と、回転方向成分Y、Y’とに分解することができる。
負荷Z、Z’のラジアル成分X、X’は、図7の(b)に示すように、特にシールプラグ80の取付部81を圧縮するため、取付部81が元に戻ろうとする力により、シールプラグ80にはプラグ嵌込部56内から図7の(b)中の右方向に飛び出す推進力αが働く。
負荷Z、Z’の回転方向成分Y、Y’は、シールプラグ80を図7の(a)中、軸心Oを中心として時計回りに方向に回転させるものである。したがってシールプラグ80には、図7の(a)に示すように回転力βが働く。
このようにシールプラグ80には、負荷Z、Z’によって、推進力αと、回転力βが働く。
まず、回転力βがシールプラグ80に作用する場合について説明する。
シールプラグ80は、凸部86と凹部57とが整合するようにプラグ嵌込部56内に嵌め込まれている。
したがって、回転力βがシールプラグ80に作用したとしても凸部86と凹部57の係合によりシールプラグ80の回転は抑止され、シールプラグ80はプラグ嵌込部56に対して同じ位置に留まる。
次に、推進力αがシールプラグ80に作用する場合について説明する。
シールプラグ80は、推進力αが作用することによって、プラグ嵌込部56内から抜け出ようとする。
しかし、プラグ嵌込部56とシールプラグ80との間に作用する静摩擦力により、シールプラグ80がプラグ嵌込部56から抜け出ることはない。
さらに、負荷Z、Z’にはシールプラグ80を回転させる回転方向成分Y、Y’も含まれるが、上述のようにシールプラグ80はプラグ嵌込部56に対して同じ位置に留まるため、プラグ嵌込部56とシールプラグ80との間には、静摩擦力が作用する。
ここで、凸部86と凹部57とが設けられていない場合において、シールプラグ80に負荷Z、Z’が加わると、シールプラグ80は回転力βによってプラグ嵌込部56に対して回転する。
この回転により、プラグ嵌込部56とシールプラグ80との間の摩擦力が静摩擦力から動摩擦力に変化する。
一般に、動摩擦力は静摩擦力よりも小さくなるため、シールプラグ80の回転によって生じた動摩擦力では推進力αに打ち勝つことができず、シールプラグ80はプラグ嵌込部56から抜け易くなる。
本実施例では、凹部57と凸部86とを設けたことにより、シールプラグ80の回転が抑止されて、プラグ嵌込部56に対してシールプラグ80が同じ位置に留まることにより、プラグ嵌込部56とシールプラグ80との間には、動摩擦力よりも力の大きい静摩擦力が常に作用するので、シールプラグ80がプラグ嵌込部56から抜け出ることが防止される。
とくに本実施例では、凹部57および凸部86をサイドギア50およびシールプラグ80の周方向に等間隔に4箇所設ける構成とした。従って、噛み合い点A、A’からサイドギアに加わる負荷Z、Z’により、4つの凸部86のうち2つが一時的に変形したとしても、他の2つの凸部86により回転方向成分Y、Y’による回転力βに抗してシールプラグ80の回転を抑制し、シールプラグ80が飛び出ることを防止することができる。
ここで、サイドギア50およびシールプラグ80に設けられる凹部57および凸部86は、上記構成に限られるものではなく、凸部86のうち1つが負荷Zを受ける位置にあるとき、少なくとも1つの凸部86が負荷Z’を受けることがない位置に配される構成、すなわち負荷Zを受ける凸部86と回転軸芯Oを中心として点対称とならない位置に凸部86(負荷Zを受ける凸部86に隣接する位置に設けられた凸部86)が設けられていればよい。
本実施例は以上のように構成され、シールプラグ80に凸部86を設け、凹部57に整合させてシールプラグ80をプラグ嵌込部56に嵌め込むことにより、ラジアル成分X(X’)と回転方向成分Y(Y’)とで構成される負荷Z(Z’)がシールプラグ80に作用し、回転方向成分Y(Y’)によって回転力βが発生しても、プラグ嵌込部56に対してシールプラグ80を同じ位置に留めることができる。
したがって、プラグ嵌込部56とシールプラグ80との間には、動摩擦力よりも大きな静摩擦力が常に作用するため、シールプラグ80にラジアル成分X(X’)が加わり推進力αが発生したとしても、静摩擦力によって推進力を打ち消し、シールプラグ80がサイドギア50から飛び出ることを防止することができる。
またプラグ嵌込部56に形成した凹部57を、サイドギアの軸と同一方向に延びる溝形状とすることにより、シールプラグ80をプラグ嵌込部56に組み付ける際に、シールプラグ80を殆ど弾性変形させる必要がないので、シールプラグのサイドギアへの組み付け性が向上する。 (請求項1に対応する効果)
また、シールプラグ80に形成される凸部86のうち少なくとも1つが、ピニオンギア33、34とサイドギア50との噛み合い点A、A’からの負荷Z、Z’を受ける位置にある場合においても、他の凸部が負荷Z、Z’を受けることのない位置に配置するようにシールプラグ80に設けられているため、負荷Z、Z’により凸部が一時的に変形して、負荷Y、Y’による回転力βに抗することができない場合でも、他の凸部により回転力βに抗してシールプラグ80が回転することを抑制し、シールプラグ80がサイドギアから飛び出ることを防止することができる。 (請求項2に対応する効果)
このように、シールプラグ80に取付部81の軸と同一方向に延びる凸部86を設け、プラグ嵌込部56に円筒部51の軸と同一方向に延びる凹部57を設けるだけでよいので、組み付け性が高く、簡素な構成であるため加工コスト増を抑制しながらシールプラグ80の抜け止めを行うことができる。
また、シールプラグ80の小径部83の外周部分にシール部材84を設けるものとしたので、シールプラグ80がプラグ嵌込部56に嵌め込まれたときに、プラグ嵌込部56の内周面とシールプラグ80の外周面との間を確実にシールすることができ、ドライブシャフト70が引き抜かれたときにも変速機ケース60内から作動油が漏れ出ることを確実に防止することができる。
自動変速機を示すスケルトン図である。 自動変速機の締結論理表である。 ディファレンシャル機構を示す断面図である。 サイドギアを示す拡大断面図である。 サイドギアのプラグ嵌込部を示す図である。 シールプラグを示す図である。 シールプラグの嵌め込み構成を示す図である。 従来のシールプラグの嵌め込み構成を示す図である。 従来のシールプラグの嵌め込み構成を示す図である。
符号の説明
1 トルクコンバータ (変速機ユニット)
2 主変速機構 (変速機ユニット)
3 副変速機構 (変速機ユニット)
20 ディファレンシャル機構
33、34 ピニオンギア
40、50 サイドギア
41、51 円筒部
42、52 ギア部
46、56 プラグ嵌込部
57 凹部
70 ドライブシャフト
80 シールプラグ
81 取付部
82 大径部
83 小径部
84 シール部材
85 ディスク部
86 凸部

Claims (2)

  1. 作動油を密閉した変速機ケース内に、変速機ユニットおよびディファレンシャル機構を収納し、該ディファレンシャル機構は、前記変速機ユニットから動力が伝達されるピニオンギアと、円筒部および該円筒部の一端側の外周に前記ピニオンギアに噛合するギア部とを備えたサイドギアと、該サイドギアの前記円筒部の他端側から一端側に向けて差し込まれ、前記円筒部の内周面とスプライン結合するドライブシャフトとを備え、前記サイドギアの一端側の内周面にプラグ嵌込部が設けられ、該プラグ嵌込部に前記変速機ケース内から前記円筒部への前記作動油の流れをシールするシールプラグが配設された自動変速機におけるシールプラグの抜け止め構造において、
    前記プラグ嵌込部の内周面に、前記サイドギアの軸と同一方向に延びる溝形状に形成された凹部が設けられ、
    前記シールプラグは、前記サイドギアの一端側の開口を覆うディスク部と、該ディスク部の外周縁から延びる円筒形状の取付部とより構成され、
    前記取付部の外周面に凸部が形成され、
    前記取付部側から、前記プラグ嵌込部に嵌め込まれて前記凸部と前記凹部とが係合し、前記サイドギアの軸を軸心として前記サイドギアに対して回転不可能となっていることを特徴とする自動変速機におけるシールプラグの抜け止め構造。
  2. 前記凸部は少なくとも2つ設けられ、1つの凸部に対して他の凸部が前記シールプラグの軸心を中心として点対称とならない位置に配されていることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機におけるシールプラグの抜け止め構造。
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