JP4358610B2 - 処置具ハンガー - Google Patents
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Description
ところで、複数の処置具を用いて各種処置を行う場合、実際に処置に使用している処置具以外の処置具は、例えば助手に保持してもらう必要があり、術者にとっては、処置具を交換する毎に、助手とのやりとりを行わなくてはならず、大変煩雑なものであった。また、術者が1人で処置をする場合には、使用していない処置具を無造作に取り扱うこともできないため、大変不便であった。
図1に示すように、処置具ハンガー1は、支柱20と、該支柱20の上半部20aに装着された保持プレート15と、該保持プレート15に装着された処置具保持手段としての処置具保持部材(以下、処置具保持部材と称す)10と、支柱20の下半部20bの一端に、ねじ21によりその一端が接続された脚部30と、該脚部30にねじ41により固定された処置具保護部材40と、上記脚部30の他端に接続され、固定されたキャスタ51を有する台50とにより主要部が構成されており、台50が処置室等の床面上に置かれて使用される。
支柱20は、公知のオートクレーブや薬剤による滅菌に耐えうる耐熱性、耐薬性のある材質、例えばステンレスの管により構成されており、上方に延出した支柱20の略中点が上方に延出した方向と直交する方向である横方向に折り曲げられることによりL字型形状を有している。尚、図中、中点から下方に突出した部位を下半部20b、中点から折り曲げられ横方向に突出した部位を上半部20aと称す。
支柱20の上半部20aの先端は、保護キャップ26によって被覆されている。また、支柱20の上半部20aの上面には、上方に突出する突起である段付きピン23が所定間隔に複数個配設されている。
図2は、図1の支柱20,保持プレート15及び処置具保持部材10の拡大斜視図、図3は、図2の保持プレート15に処置具保持部材10が1つのみ装着されている状態を示す拡大斜視図である。
図2に示すように、段付きピン23は、支柱20の上半部20aの外周上面から上方に突出するピン部23bと該ピン部23bの上端に形成された円板状の係止板23aとにより構成されている。
樋部15cには、所定間隔の位置に、孔16aと該孔16aに連設された孔16aよりも径の小さい孔16bを有する係止孔16が形成されている。尚、孔16aは、支柱20の段付きピン23の係止板23aよりも大きな径を有しており、孔16bは、係止板23aよりも小さな径を有している。
上記処置具保持部材10を説明すると、図4は、図1乃至図3の処置具保持部材の正面側斜視図、図5は、図4の処置具保持部材の背側斜視図である。
また、取り付け部10dの背面側の両側隅部には、保持プレート15の保持孔17の連通孔17aへの挿入性を高めるための、面取りがなされている。
この際、保持プレート15に処置具保持部材10が装着される数、または処置具保持部材10の装着間隔は、使用する処置具の数に応じて、使用者により適宜決定される。即ち、図2に示すように、保持プレート15に装着できる最大数を装着しても良いし、図3に示すように、1個のみ装着しても良い。
また、使用者により、処置具保持部材10を保持プレート15から脱却する際には、一対の抜け止め用凸部13は、ゴムにより構成されていることから、使用者は、高さ方向に強い力を加えることにより、一対の抜け止め用凸部13を変形させる。このことを用いて、使用者は、処置具保持部材10を保持プレート15から取り外すことができる。
このように、種々の機構により保持プレート15に装着された処置具保持部材10は、使用後は、保持プレート15から脱却され、公知のオートクレーブ処理もしくは薬剤による殺菌がなされる。
尚、保持プレート15に着脱される処置具保持部材10は、上述した形状に関わらず、保持される処置具によって保持溝11、及びフック10bの形状を、形状の異なる様々な処置具に適した形状に変えても良い。
薬液供給用の処置具200の操作部210が保持溝11に挿入されると、保持溝11は、弾性力により、操作部210の外周を把持する。また、この際、操作部210に形成された薬液供給口220は、その一部が、処置具保持手段10の通過溝12が形成された円筒部10aの一側壁面の切り込み部10eに落とし込まれる。このことにより処置具保持手段10は、薬液供給用の処置具200を保持する。
穿刺用の処置具300は、使用後は、処置具保持手段10の通過溝12の前方から、操作部321とシリンジ連結部322との間に位置する軸310が保持溝11に挿入されることにより、処置具保持手段10の保持溝11に把持される。
詳しくは、穿刺用の処置具300を処置具保持手段10に挿入する際は、図10に示すように、先ず、使用者は、穿刺用の処置具300のシリンジ連結部322下端の一部を、処置具保持手段10の円筒部10aの上面に角度を以て当接させる。このとき、処置具保持手段10のフック10bは、外方に折り曲げられていることから、図10に示すように、操作部321がフック10bに当接することがない。
図12,図13に示すように、プレート70には、挿通孔70bが形成されており、プレート70は、挿通孔70bを支柱20の下半部20bに挿通させることにより、下半部20bと一体となる。よって、プレート70は、支柱20に対して高さ方向に移動自在である。
プレート70には、小物戴置用の凹溝70aが形成されている。この凹溝70aにより、凹溝70aに、例えばシリンジ,止血用のクリップ等の小物を戴置したとしても、上記小物がプレート70から転落することがない。
脚部30の外周には、ねじ21が配設されており、ねじ21の先端を脚部30の内部に嵌入された支柱20の外周面に圧接させることにより、支柱20は、脚部30に固定される。よって、支柱20の外周面に対するねじ21の先端の圧接位置を変えることにより、支柱20の高さを変化させることができる。
さらに、脚部30は、ねじ21を外すだけで、支柱20から脱却できるため、解体した状態で処置具ハンガー1を収納できる。
処置具保護部材40は、保護部材である、例えばビニル袋60(図1参照)を保持するものであり、ビニル袋60は、上方を開口するよう、該ビニル袋60の開口縁を、処置具保護部材40に引っ掛けることにより、処置具保護部材40に装着される。尚、ビニル袋60は、処置具を使用した患者が変更される毎に交換される。
ビニル袋60は、処置具保持手段10に保持された各種処置具の挿入部を収納し、上記各種処置具の挿入部が、直に床面や他の物、人等に接触するのを防止するものである。
また、処置具保護部材40の2つの折り曲げ部には、図14,図15に示すように、ビニル袋60を保持する、例えばゴムにより形成された摩擦部材42が装着されている。摩擦部材42は、その摩擦力により、ビニル袋60を保持する。
図17に示すように、脚部30の下端面は、円板状の固定部35の上面中心に固定されており、固定部35の下面の中心には、ねじ穴35が穿設されている。
また、台50は、図18に示すように、重量の重い板状部材により形成されており、該台50の下面には、複数のキャスタ51が配設されている。さらに、台50の上面の中心には、上方に突出したネジ山50aが配設されており、台50のねじ山50aに、脚部30のねじ穴35aが螺合することにより、脚部30は、台50に固定される。
尚、台50は、重量の重い板状部材により形成されていることから、処置具ハンガー1が転倒するのを防止している。
また、処置具保持部材10は、保持プレート15に対し着脱自在であることから、処置具保持部材10のオートクレーブ処理もしくは薬剤による殺菌を簡単に行うことができる。よって、処置具ハンガー1は、衛生的に処置具を保持することができる。
さらに、処置具ハンガー1に、処置具が処置具保持手段10に保持された際、処置具の挿入部を収納するビニル袋60を保持する処置具保護部材40を設けた。よって、処置具の挿入が、床面や他の物、人に接触することがないことから、処置具ハンガー1は、衛生的に処置具を保持することができる。
このように、保持溝11をテーパ状に形成すれば、外径の異なる形状の処置具を、テーパ面510により保持することができる。
また、処置具保持部材10は、使い捨てタイプ、所謂ディスポーザブルタイプに形成してもよい。例えば、処置具保持部材10を発泡スチロールにより構成し、処置具を発泡スチロール製の処置部保持部材に差し込み、発泡スチロールを変形させて固定させれば、外径の異なる多種多様な処置具を簡単に保持することができる。
以上詳述した如く、本発明の実施例によれば、以下の如き構成を得ることができる。即ち、
(1)内視鏡に用いられる処置具を保持する処置具保持手段を有する処置具ハンガーであって、
上記処置具保持手段は、上記処置具の操作部を保持するときの保持形態が異なる複数の保持部を有し、これら保持部が一体的に構成されてなることを特徴とする処置具ハンガー。
上記保持プレートは、上記支柱に対し着脱自在に構成され、
上記処置具保持手段は、上記保持プレートに対して着脱自在に構成されたことを特徴とする付記1または2に記載の処置具ハンガー。
上記処置具の操作部を保持するときの保持形態が異なる複数の保持部を有し、これら保持部が一体的に構成されてなることを特徴とする処置具保持部材。
10…処置具保持部材(処置具保持手段)
10b…フック部(保持部)
11…保持溝(保持部)
15…保持プレート
20…支柱
100…把持鉗子(処置具)
101…リング
200…薬液供給用の処置具(処置具)
210…操作部
300…穿刺用の処置具(処置具)
321…操作部
代理人 弁理士 伊藤 進
Claims (3)
- 内視鏡に用いられる処置具を保持する処置具保持手段を有する処置具ハンガーであって、
上記処置具保持手段は、上記処置具の操作部を保持するときの保持形態が異なる複数の保持部を有し、これら保持部が一体的に構成されてなることを特徴とする処置具ハンガー。 - 上記処置具保持手段は、上記処置具の操作部を保持する保持溝と、上記処置具の操作部のリング部が係止されるフック部とを有することを特徴とする請求項1に記載の処置具ハンガー。
- 上記処置具保持手段が係止される保持プレートと、この保持プレートを支持する支柱とを有し、
上記保持プレートは、上記支柱に対し着脱自在に構成され、
上記処置具保持手段は、上記保持プレートに対して着脱自在に構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の処置具ハンガー。
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