JP4358401B2 - 残糸除去装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボビンの残糸を除去する残糸除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、縫製作業に伴って、ボビンに巻回された下糸が消費されて少なくなったときに、下糸を自動的に供給する下糸自動供給装置が知られている。
該下糸自動供給装置は、ボビンに下糸が少なくなったときに、下糸が巻回された新しいボビンに交換するとともに、一方で、下糸が少なくなったボビンを釜から外して、この下糸が少なくなったボビンに残っている下糸(以下、残糸)を除去した後に、このボビンに下糸を自動的に供給し、その後、ボビンケースに下糸の一端側をセットして待機状態とし、次のボビン交換の際に、このボビンケースを釜に戻すという一連の動作を自動的に行う。
なお、下糸を供給するには、縫製作業を一度中断することになるが、縫製作業の中断はボビンを交換する最小限の動作の間にとどめられ、残糸を除去してボビンに下糸を供給するなどの動作は、縫製作業が復帰可能とされた状態で行われる。
【0003】
そして、残糸を除去するには、例えば、特開平9―108471号公報や特開平11―197385号公報に開示されているような残糸除去装置を用いる場合がある。
前記公報においては、例えば、モータ等の駆動源により回転駆動される駆動ローラと、該駆動ローラに当接した状態に配設され、駆動ローラの回転駆動に伴って回転するとともに駆動ローラと接離可能な従動ローラと、駆動ローラと従動ローラの当接部の下方に配設される吸引ノズルと、エアの流れを発生して、残糸の糸端を前記当接部に案内するエアノズルと、センサによりボビンの側面にある孔部を検知して、ボビンの回転を検出するボビン回転検知手段と、残糸除去処理の種々の演算や検知を行い、残糸除去装置の制御を行う制御手段と、等から構成される残糸除去装置が開示されている。
【0004】
該残糸除去装置において、残糸の除去に先立って、駆動ローラと従動ローラが離間した状態でエアノズルがエアの流れを発生して、ボビンから延出する残糸の糸端を、駆動ローラと従動ローラの間に案内するようになっている。また、このようにして糸端が案内された状態で、従動ローラが駆動ローラに当接し、残糸が前記当接部に補足される。そしてこの状態で、駆動ローラが回転駆動され、残糸が前記当接部の下方に引き出されるとともに吸引ノズルに吸引されて、残糸除去がなされる。
また、前記残糸除去装置は、上述のように残糸を引き出すとともに、この引き出しにともなうボビンの回転を、ボビン回転検知手段の出力により監視して、ボビンの回転が停止したところで残糸除去処理が終了したと判断されるようになっている。
上記構成によれば、駆動ローラと従動ローラに引き出されて、好適に残糸を除去できる。また、エアノズルが発生するエアにより、糸端がローラから引き離されるようになるために、残糸除去中に残糸がローラにからみついたりすることを、ある程度防止することができる。従って、ある程度の信頼性で、残糸除去処理を行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、上記公報の残糸除去装置は、ある程度広範な糸(糸の種類や番手など)に対しても適用できるものとなっていた。しかしながら、特に、やわらかい糸や縮れた糸、表面が毛羽立った糸など(例えば、綿糸やウーリー糸など)の場合には、ローラ表面の微小な傷や静電気などにより付着した状態となりやすいために、ローラへの糸のからみつきが発生する場合があった。なお、これらの糸では、残糸除去の信頼性が、テトロン糸、ナイロン糸、スパン糸などと比較すると10倍以上低下していた。
また、このようなからみつきが発生すると、縫製作業を中断して、からみついた糸を除去するメンテナンス作業を行わなければならず、効率的な縫製作業に支障をきたすことになる。従って、広範な性質の糸に対して、確実に残糸除去処理を行える残糸除去装置が望まれていた。
【0006】
本発明の課題は、やわらかい糸や縮れた糸、表面が毛羽立った糸など、広範な性質の糸に対して確実に残糸除去処理を行うことができ、信頼性を大幅に向上するとともに、簡易な構成の、残糸除去装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、例えば、図1〜5に示すように、請求項1記載の残糸除去装置1は、回転可能なボビンNに巻かれた残糸の糸端側を挟んで回転することにより前記残糸を前記ボビンから引き出す一対のローラ(駆動ローラ33、従動ローラ48)と、
前記ローラ同士の間に残糸を導入するように前記ローラを開いた状態とするとともに、前記ローラ同士の間に導入された残糸を挟むように前記ローラを閉じた状態とするために前記ローラを開閉するローラ開閉手段A(回転アーム45など)とを備えた残糸除去装置において、
前記ローラ開閉手段Aにより前記ローラを開閉して前記ローラの間に残糸を導入して挟んだ後に、少なくとも一回以上、前記ローラを回転させて残糸を引き出す動作と前記ローラを開閉する動作を行うように制御する制御手段(残糸除去装置制御手段60、図10に図示)を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項1記載の残糸除去装置によれば、ローラ開閉手段Aによりローラを開閉してローラの間に残糸を導入して挟んだ後に、前記制御手段が、少なくとも一回以上、ローラを回転させて残糸を引き出す動作とローラを開閉する動作を、再び行うように制御する。
従って、例えば、前の開閉の際に残糸がローラなどに付着してしまっている場合においても、残糸を引き出す動作とローラを開閉する動作を再び行ったときに、残糸の糸端が引き離されるように作用するので、残糸の糸端がローラなどへ絡みつくことなく、確実に、残糸除去ができる。これにより、残糸除去装置の信頼性を大幅に向上することができる。
特に、やわらかい糸や縮れた糸、表面が毛羽立った糸などのローラ表面に付着しやすい糸においても、確実に、残糸除去することができ、広範な性質の糸に対して、確実に、残糸除去できる残糸除去装置を得ることができる。
【0009】
また、一対のローラが開いた状態のときに、例えば、エアの流れにより、残糸の糸端が、ローラなどから引き離されるとともに、残糸除去のための所定の位置へと案内されるような構成としても良い。
【0010】
また、残糸除去の際には、一対のローラにより引き出された残糸が溜まって、回転するローラや他の部材などに絡みつくことのないように、エア吸引などにより吸引して、引き出された残糸を収集する構成とすることが好ましい。
【0011】
請求項2記載の残糸除去装置は、請求項1記載の残糸除去装置において、前記ローラを回転させて残糸を引き出す一回当りの動作における残糸の引き出し長さが、前記ローラの円周長よりも短いことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の残糸除去装置によれば、請求項1と同様の効果を奏することができるとともに、一回当りの動作で、ローラ同士の間に挟まれた残糸がローラの回転により引き出される長さが、ローラの円周長より短いので、引き出された残糸がローラを1周するようにして絡み付く畏れがない。
従って、ローラへ絡みつく畏れをさらに低減して確実に残糸除去ができ、さらに、残糸除去装置の信頼性を向上することができる。
【0013】
また、残糸除去処理は、前記開閉手段により一対のローラ同士の間に残糸を挟むとともに、ローラを僅かに回転させて残糸を引き出すことにより行われる。このような残糸除去処理が所定の動作をしている間は、これに伴って、残糸が巻かれた状態にあるボビンは回転することになる。
従って、例えば、ボビンの回転を検知する検知手段を設け、該検知手段により、ボビンの回転を検知することで、一対のローラの間に残糸が挟まれて残糸除去処理が所定の通りに行われているかどうかを判断する構成としても良い。
【0014】
この場合に、検知手段とは、残糸が引き出されることに伴って回転するボビンの回転を検知できれば、特に限定されるものではない。
例えば、ボビンに被検知部を設けるとともに、各種センサを用いて被検知部を検知することでボビンの回転を検知する構成としても良い。なお、ボビンの回転を抑制することのないように、非接触型のセンサを用いることが好ましい。
この場合において、各種センサとは、特に限定されるものではなく、例えば、反射型フォトセンサなどの光学センサを用いても良いし、ホール素子あるいは磁気感応素子等の磁気センサを用いても良い。なお、ボビンには、各種センサの性質に応じた被検知部分を設けることになる。
【0015】
また、この場合において、ボビンの回転を検知する際に用いるセンサの数は、任意に選択することができる。そして、複数のセンサを用いてボビンの回転を検知する場合には、例えば、1つのセンサの検知に支障がきたされた状態となった場合でも、他のセンサにより検知することができるので、ボビンの回転の検知の信頼性を高めることができる。
【0016】
請求項3記載の残糸除去装置は、請求項1または2記載の残糸除去装置において、前記ローラから残糸を剥離するための剥離手段(エアノズル10)を備え、前記制御手段は、前記ローラを開閉する動作におけるローラが開いた際に、前記剥離手段を制御してローラから残糸を剥離することを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の残糸除去装置によれば、請求項1または2と同様の効果を奏することができる。また、ローラが開いた際に、剥離手段がローラから残糸を剥離するように制御されるので、残糸の糸端がローラなどに絡みつくことなく、確実に残糸除去ができ、さらに残糸除去の信頼性を高めることができる。
【0018】
剥離手段としては、ローラが開いた際に、ローラから残糸を引き離すように剥離することができれば、その構成は特に限定されるものではない。
例えば、一対のローラが開いた状態のときに、一対のローラの間で下方に流れるエアシャワーを形成する構成としても良い。この場合には、エアの流れにより、ローラから残糸を好適に剥離することができる。
また、一対のローラが開いた状態のときに、個々のローラを回転させる機構を設け、一対のローラが開いた状態で個々のローラを空転させることで、ローラから残糸を引き離すような構成としても良い。
【0019】
請求項4記載の残糸除去装置は、請求項3記載の残糸除去装置において、前記剥離手段は、前記残糸をエアにより前記ローラ間へと案内する案内手段(エアノズル10)であって、
前記制御手段は、前記ローラを開閉する動作におけるローラが開いた際に、前記案内手段からローラ間に向かってエアを吹き付けるように制御することを特徴とする。
【0020】
請求項4記載の残糸除去装置によれば、請求項3と同様の効果を奏することができるとともに、ローラを開閉する動作におけるローラが開いた際に、案内手段がエアにより残糸をローラ間に案内するので、残糸の糸端がローラなどに絡みつく畏れをさらに低減することができる。
また、これに加えて、残糸の糸端を残糸除去のための所定の位置へと案内することができ、さらに残糸除去の信頼性を高めることができる。
【0021】
なお、案内手段とは、残糸の糸端を、ローラなどから引き離すように作用するとともに、残糸除去のための所定の位置へと案内するように、エアの流れを発生できるものであれば、特に限定されるものではない。
【0022】
また、ローラの開閉動作を再び行うにあたり、一対のローラを開いた状態から閉じた状態とする際には、予め決められた所定の位置で停止するようにしながら、段階的に閉じた状態とすることが好ましい。
この場合には、一対のローラが徐々に閉じた状態となるので、案内手段が発生するエアの流れにより、糸端の姿勢が乱されたりすることなく、残糸の糸端を残糸除去のための所定の位置へと、確実に案内することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜10を参照して、本発明の実施の形態の一例の残糸除去装置1を詳細に説明する。
本実施の形態の残糸除去装置1は、ミシンの釜Kに装着されているボビンNから下糸が消費されて少なくなったときに、下糸を自動的に供給する下糸自動供給装置の一部を構成する。
【0024】
図3に示すように、本実施の形態の一例の下糸自動供給装置は、ミシンテーブルTの下方に配置されており、2つのボビン把持手段(図示しない)を備えた回動アーム21などからなるボビン交換装置20と、本実施の形態特有の残糸除去装置1と、該残糸除去装置1で残糸が除去されたボビンNに下糸を巻回する下糸巻回装置122(図10に図示)と、該下糸巻回装置122で新しく下糸が巻回されたボビンNの下糸の一端側を、所定の態様でボビンケースMにセットする糸掛け装置(図示しない)と、等から構成されている。
また、残糸除去装置1と下糸巻回装置122(図10に図示)と糸掛け装置(図示しない)とには、各々の作業を行うために、ボビンNを保持するための保持軸が設けられている。そして、回動アーム21のボビン把持手段(図示しない)が、順次、各装置の作業位置となる保持軸へとボビンを搬送できるようになっている。
【0025】
回動アーム21は、上下両端部から水平に延在する腕部材22a、22bを一体に備えており、各々の腕部材22a、22bの先端にはボビン把持手段(図示しない)が備えられている。該ボビン把持手段(図示しない)は、ボビンケースMの把持および開放を行えるようになっている。これにより、回動アーム21は2つの腕部材22a、22bの先端でボビンケースMを把持することができるようになっている。
また、回動アーム21は、回転軸24を中心に回動可能で、かつ、回転軸24の軸線方向に移動可能に配設されている。従って、ボビン交換装置20は、ボビン把持手段(図示しない)が、釜KからボビンケースMを把持して取り出すとともに、ボビンケースMに収容されるボビンNを、一連の下糸自動供給装置の動作にあわせて、残糸除去装置1や下糸巻回装置(図示しない)などの作業位置へと、順次、搬送できるようになっている。
また、このようにボビン交換装置20にはボビン把持手段(図示しない)が2個設けられ、2個のボビンを一度に取り扱うことが出来るので、一方のボビンNの残糸を除去して下糸を巻回するのと同時に、他方のボビンを釜Kに戻して縫製を続行することが可能になっている。
【0026】
残糸除去装置1は、図3、4に示すように、残糸巻取モータ34(図10に図示)の動力をうけて回転駆動される駆動ローラ33(ローラ)と、該駆動ローラ33と当接した状態で従動回転し、駆動ローラ33との共働により当接部分から残糸を引き出す従動ローラ48(ローラ)と、該従動ローラ48を動かして駆動ローラ33との間に残糸の糸端側を挟み込むローラ開閉手段Aと、エアシャワーを発生して、駆動ローラ33と従動ローラ48との間に残糸糸端Mbを案内するエアノズル10(剥離手段、案内手段)と、引き出された残糸をエアにより吸引収集する吸引ノズル11と、除去した残糸を溜めておくダストバック11cと、2個のセンサ50a、50bを用いてボビンNの回転を検知するボビン回転検知手段50(図6に図示)と、残糸処理に関する種々の演算や判定を行うとともに、残糸除去装置1の制御を行う残糸除去装置制御手段60(制御手段、図10に図示)と、等を主にして構成されている。
そして、エアノズル10が発生するエアシャワーが、駆動ローラ33と従動ローラ48との間に残糸の糸端を案内し、駆動ローラ33と従動ローラ48とで残糸を挟んで引き出すとともに、吸引ノズル11のエア吸引により残糸を収集することで、ボビンNに残っている残糸を除去することができるようになっている。
【0027】
回転軸24は、図3に示すように、回動アーム21を回転可能に支持するとともに、該回転軸24の基端部はベース板30に回転可能に軸支されている。また、ベース板30には、残糸除去軸35と、ボビンケース係止部材36と、センサ50a、50bとが共通に設けられている。
残糸除去軸35はボビンケースMを保持する軸であり、残糸除去装置1の作業位置となっている。また、ボビンケース係止部材36には溝部36a(図7に図示)が設けられ、この溝部36aでボビンケースMに突出した状態に設けられたラッチアームMa(図7に図示)を係止して、ボビンケースMの回転を防止する。これにより、残糸除去を行うボビンケースMを、該ボビンケースMは回転せずに、内部に収容されたボビンNのみが回転可能な状態で保持できるようになっている。
【0028】
駆動ローラ33は、図3に示すように、回転軸32の基端部に固定されている。回転軸32は、ベース板30を貫くようにして回転可能に軸支されており、ベース板30の手前側より突出する軸部分に駆動ローラ33が固定されている。回転軸32は、残糸巻取モータ34(図10に図示)の動力が伝達されて回転駆動する。従って、残糸巻取モータ34からの動力が、回転軸32を介して駆動ローラ33へと伝達されて、駆動ローラ33が回転駆動するようになっている。
【0029】
また、ベース板30の下方には、略コ字状の残糸ブラケット31が配設されている。残糸ブラケット31の側板31aの奥側には、コ字状の回転アーム45が配置されている。該回転アーム45のコの字を構成する両側板45a、45bには、回転軸47が回転可能に軸支されている。該回転軸47は、手前側の側板45aを貫き手前側に突出する軸部分に、従動ローラ48が固定されている。
また、回転アーム45の奥側の側板45bより図3における左側から右側に向かっては、開放端が奥側に向かうカップ状の摩擦クラッチ板44、クラッチ圧接バネ43、開放端が手前側に向かうカップ状の収納部42、該収納部42が端部に固定された回転アーム駆動ギヤ41が順に配置されている。該回転アーム駆動ギヤ41には回転アーム伝達ギヤ40が歯合されている。
【0030】
また、回転アーム45の下部には、軸46が回転アーム45に固定して設けられている。該軸46の手前側の端部は、残糸ブラケット31の側板31aに回転可能に軸支され、該軸46の奥側は、摩擦クラッチ板44、クラッチ圧接バネ43、収納部42、回転アーム駆動ギヤ41を貫くようにして、回転可能に軸支されている。
クラッチ圧接バネ43は、摩擦クラッチ板44と収納部42との間に収納されており、摩擦クラッチ板44と収納部42との間に固定された複数のピン(図示しない)により摩擦クラッチ板44と収納部42との間での回転が規制されている。そして、クラッチ圧接バネ43の圧接力により、回転アーム45の奥側の側板45bと摩擦クラッチ板44とは圧接状態となっている。
【0031】
そして、残糸巻取モータ34(図10に図示)からの動力は、駆動ローラ33が端部に固定される回転軸32へと伝達されるのと連動して、回転アーム伝達ギア40にも伝達されるようになっている。
そして、回転アーム伝達ギア40と歯合する回転アーム駆動ギヤ41に回転駆動力が伝達され、この回転駆動力が、収納部42、クラッチ圧接バネ43、摩擦クラッチ板44を介して回転アーム45に摩擦伝達される。そして、回転アーム45が軸46を支点として回動できるようになっている。
以上のようにして、回転アーム45が回動すると、回転アーム45に軸支された従動ローラ48も回動し、従動ローラ48が駆動ローラ33から離間するようになっている。
従って、残糸巻取モータ34と、回転アーム伝達ギア40と、回転アーム駆動ギア41と、収納部42と、クラッチ圧接バネ43と、摩擦クラッチ板44と、回転アーム45と、等が、駆動ローラ33と従動ローラ48とを開閉するローラ開閉手段Aとなる。
【0032】
なお、回転アーム45及び従動ローラ48が軸46を支点として回動した時に、従動ローラ48を固定する回転軸47が、残糸ブラケット31の手前側側板31aに当たらないように、当該側板31aには適宜切欠等が形成されている。
【0033】
また、本実施の形態においては、駆動ローラ33と従動ローラ48のローラ円周長はほぼ同様とされており、ボビンNが1回転したときに引き出される糸の長さよりも長くされている。
従って、駆動ローラ33と従動ローラ48との間に残糸を挟んだ状態で、駆動ローラ33を回転させて、例えば、ボビンNが1回転する分だけの残糸を引き出した場合においても、引き出された残糸がローラを1周するようにしてからみつく畏れがないようになっている。
【0034】
ボビン回転検知手段50は、ボビンNの回転を検知できる構成となっており、ボビンNの回転を検知することで、駆動ローラ33と従動ローラ48との間に残糸が挟まれたことを検知できるようになっている。
そして、ボビン回転検知手段50の出力は、残糸除去装置制御手段60(図10に図示)に入力されるようになっており、残糸除去装置制御手段60は、ボビン回転検知手段50からの出力に基づいて、残糸除去装置1を制御するようになっている。
【0035】
ボビン回転検知手段50は、図6に示すように、2個のセンサ50a、50bと、これらセンサ50a、50bから出力される信号波形を整形する波形整形部51a、51bと、ボビン回転/非回転判定部52と、等から構成されている。
センサ50a、50bは、例えば、反射型フォトセンサ等からなり、残糸除去軸35に保持されたボビンNのフランジ面に対向する位置にそれぞれ設けられている。
詳細には、これらセンサ50a、50bは、その先端がベース板30の内部に微小量沈んだ位置に取り付けられている。また、これらセンサ50a、50bは、被検知部としてのフランジ面のクラッチ孔Na、Nb(図6に図示)を検知可能な位置で、かつ、両方のセンサ50a、50bが同時に何れかのクラッチ孔Na、Nbの縁部を検知しないように、ボビンNの回転角度方向に例えば90度位置をずらして取り付けられている。
【0036】
ボビン回転/非回転判定部52は、例えば、非同期式のRSフリップフロップ等からなり、一方のセンサ50aから「オン」の信号が入力されると「オン」の信号を出力し、他方のセンサ50bからオン信号が入力されると「オン」の信号を「オフ」に切り替えるようになっている。
この作用により、両方のセンサ50a、50bから順次間欠的にパルス信号が入力されることで、ボビン回転/非回転判定部52から「オン・オフ」のパルス信号が出力される一方、一方のセンサ50a(50b)のみからパルス信号が入力された場合では、ボビン回転/非回転判定部52からはパルス信号が出力されず、「オン」又は「オフ」の信号が連続して出力されるようになっている。
【0037】
ところで、上述のように、通常、残糸除去処理は、縫製作業の復帰後に行われることになる。従って、ボビン回転検知手段50は、縫製作業によるある程度の振動を受けながら動作することになる。この場合に、残糸除去処理が終了して停止したボビンのクラッチ孔Na、Nbの縁部に、センサ50a、50bの検知個所が対向した状態となった場合には、クラッチ孔Na、Nbの縁部とセンサ50a、50bとが微妙に相対的に振動変位することで、ボビン回転検知手段50が正確な検知をできない場合が起こりうる。
しかしながら、上述のように、センサ50a、50bが、ボビンケースMを保持する残糸除去軸35とともに、同一のベース板30上に設けられているため(図3に図示)、例えばミシン縫製により残糸除去軸35が振動した場合でも、同様の振動がセンサ50a、50bにも作用される。すなわち、両者の振動は相対的に打ち消されて、センサ50a、50bから見たボビンMは安定した状態にすることができる。
従って、振動によるセンサ50a、50bの検知出力が不安定に割れてボビン回転時と類似の信号が出力されるといった不具合が生じにくいようになっている。
【0038】
また、残糸除去軸35周辺のベース板30がボビンMを側方から係止するので(図3に図示)、ボビンMの回転軸線方向に沿った移動がなくなり、この移動によるボビン回転検知の不安定さも解消することが出来る。従って、より安定したボビンの回転検知を行うことが出来る。
以上のことから、振動による不安定要因が回避され残糸除去処理の終了の検知を正確に行うことが出来るようになっている。
【0039】
なお、ボビン回転検知手段50としては、一対のセンサ50a、50b(反射型フォトセンサ)が、ボビンNの一対のクラッチ孔Na、Nbを検知する構成としたが、本構成に限定されるものではない。
例えば、反射型フォトセンサに代えて他の光学センサを用いても良く、また、クラッチ孔Na、Nbに代えてボビンフランジ面にマグネットを2個設け、センサ50a、50b(反射型フォトセンサ)に代えて、ホール素子あるいは磁気感応素子等の他の非接点検知手段を設けても良い。
【0040】
以上により、ボビン回転検知手段50は、残糸の引き出し中に、ボビンNの回転を検知して、図8、9に示すように、以下のような信号を残糸除去装置制御手段60に出力する。
図8において、「(a)センサ信号▲1▼」は、波形整形部51aを介したセンサ50aの出力信号、「(b)センサ信号▲2▼」は、波形整形部51bを介したセンサ50bの出力信号、「(c)出力信号」は、ボビン回転/非回転判定部52の出力信号である。
【0041】
図8の「残糸除去中」のタイミングで示すように、2個のセンサ50a、50bは、ボビンNのクラッチ孔Na、Nbにそれぞれ異なる回転角度(即ち異なるタイミング)で対向し、この時ハイレベルの電圧の出力信号を発生し、センサ50a、50bがフランジ面に対向する時はローレベルの電圧の出力信号を発生する。そして、ボビン回転/非回転判定部52は、上記の信号を入力して、これら信号と同周期のパルス信号を出力する。
【0042】
ボビンNの回転が停止すると、通常は、2個のセンサ50a、50bからの出力信号は変化しなくなり、ボビン回転/非回転判定部52からの出力信号も変化しなくなる(例えば、図8(b))。
しかし、図8中の「残糸除去終了」のタイミング以降に示すように、何れかのセンサ50a、50b(図8ではセンサ50a)がクラッチ孔Naの縁部にきたところでボビンNが停止すると、縫製作業等の振動に伴なって、該当するセンサ50a(50b)から信号割れによる不安定な信号が出力される(例えば、図8(a))。
しかし、この場合においても、図8に示すように、他方のセンサ50bはボビンフランジ面に対向しているので、ボビン回転/非回転判定部52からの出力信号は安定する(図8(c))。
【0043】
その結果、図9に示すように、残糸除去処理の開始から終了にかけては、ボビン回転/非回転判定部52からパルス信号が出力され、ボビンNの停止後には、このパルス信号が途切れる。
また、残糸の引き出しに応じて糸巻き径が細くなるので、ボビンNの回転周期は残糸除去開始から終了にかけて徐々に狭まってくる。そして、この回転周期と同期して、ボビン回転/非回転判定部52から出力されるパルス信号の周期Tも狭まる。
【0044】
また、パルス信号の周波数f(=1/T)は、残糸除去処理が正常に行われた場合、残糸除去の開始から終了にかけて次第に増加するというほぼ所定の変化を示す。そして、残糸除去処理終了直前では、ボビン軸の径により予め予測される最大周波数fmaxとなる。この最大周波数fmaxは、RAM140(図10に図示)中に記憶させており、残糸除去装置制御手段60が残糸除去が正常に終了したかどうかを判定する際の判断基準として使用される。
【0045】
また、残糸除去処理の途中、ボビンN内での糸からまりや、希にある糸の結び目等により、残糸が引き出せずにボビンNが停止してしまった場合、或は、残糸を引き出す途中で残糸が切れてボビンNが停止してしまった場合には、残糸除去装置制御手段60において、パルス信号の周波数が最大周波数fmaxまで到達しないで停止されたと判断されて、残糸除去処理が異常終了したと判定される。
【0046】
以下、下糸自動供給装置制御手段100の制御系を、図10を参照して説明する。
残糸除去装置制御手段60は、図10に示すように、下糸自動供給装置制御手段100の一部を構成する。
ボビン交換装置112にはドライバ111が、下糸巻回装置122にはドライバ121が、それぞれ接続されている。また残糸除去装置1には、残糸巻取モータ34用ドライバ61aと、駆動ローラ33用ドライバ61bと、エアノズル10を制御する電圧比例弁62c用ドライバ61cと、吸引ノズル11を制御する電圧比例弁62d用ドライバ61dと、がそれぞれ接続されている。
これらドライバ111、121、61a、61b、61c、61dは、図示されないI/Oポートを介して下糸自動供給装置制御手段(CPU(Central Processing Unit);中央演算装置)100と接続されており、この下糸自動供給装置制御手段100には、ROM(Read Only Memory)130からの信号が入力され、RAM(Random Access Memory)140に対して信号が入出力されるように接続されている。そして、残糸除去装置1と、ボビン交換装置112と、下糸巻回装置122とが、下糸自動供給装置制御手段100により制御されつつ所定の動作を実行するように構成されている。
【0047】
下糸自動供給装置制御手段100は、ボビン交換装置制御手段110および下糸巻回装置制御手段120、並びに残糸除去装置制御手段60から構成されており、ボビン交換装置制御手段110によってボビン交換装置112の駆動が制御されてボビン交換に必要な所定の動作が実行され、下糸巻回装置制御手段120によって下糸巻回装置122の駆動が制御されて下糸巻回に必要な所定の動作が実行され、残糸除去装置制御手段60によって残糸除去装置1の駆動が制御されて残糸除去に必要な所定の動作が実行されるようになっている。
【0048】
残糸除去装置制御手段60には、ボビン回転検知手段50のセンサ50a、50b(図6、7に図示)の出力が入力されるようになっており、この出力を用いて、CPU、RAM140、ROM130により、ボビンNの回転の周波数検知や、残糸除去処理が正常に終了したかどうかを判定する機能が持たされている。
【0049】
ボビンNの回転の周波数検知は、例えば、ボビン回転検知手段50からパルス信号を入力し、内部クロックを基準に上記パルス信号の出力時間間隔からボビンNの回転周波数を演算して検知することができる。
また、残糸除去処理が正常に終了したかどうかの判定は、例えば、ボビンが停止した際に、ボビンNの回転周波数が最大周波数fmax(上述)に到達したかどうかを判断することで判定することができる。
すなわち、残糸除去装置制御手段60は、ボビン回転検知手段50からの出力を監視し、ボビン回転検知手段50から連続したパルス波が出力されると残糸除去が行われていると判断する一方で、パルス波の出力が停止すると残糸除去が終了したと判断して駆動停止信号をドライバ61aに送出する機能を有している。
【0050】
また、残糸除去装置制御手段60は、残糸巻取モータ34と、駆動ローラ33と、エアノズル10と、吸引ノズル11と、等が、所定の残糸除去処理を行うように、各ドライバ61a、61b、61c、61dなどに動作指令信号を送出する機能を有している。
【0051】
また、下糸自動供給装置制御手段100には、オペレータが下糸自動供給装置を動作させるための動作スイッチ201と、残糸除去処理が異常である場合に、この異常を表示出力するためのエラー表示手段202と、等を備えた操作パネル200が接続されている。
【0052】
次に、本発明の実施の形態の残糸除去装置1を含む下糸自動供給装置の動作を、図1、2のフローチャートを参照して説明する。
始めに、下糸自動供給装置により行われる一連の動作について、図2の下糸自動供給処理のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、縫製中に下糸が消費されてボビンNの下糸が少なくなった場合、例えば、作業者による図示しないスイッチ操作等に基づき、下糸の自動供給処理が開始される。(ステップJ1、J2)
【0053】
下糸の自動供給処理が開始されると、ミシンの駆動が禁止され(ステップJ3)、回動アーム21の回動および回転軸24に沿った釜方向への移動、並びに、一方のボビン把持手段の把持動作により、ボビンケースMが釜K中から取り出され、一方のボビン把持手段に把持される(ステップJ4)。
そして、回動アーム21の回動および回転軸24に沿った反釜方向への移動により、釜Kから取り出したボビンケースMを、残糸除去装置1の作業位置となる残糸除去軸35へと搬送し、ボビン把持手段から開放して残糸除去軸35へセットする(ステップJ5)。ここで、ボビンケースMのラッチアームMaは、ボビンケース係止部材36の溝部36aに係止されて、ボビンケースMの回転が制止された状態になる。一方で、他方のボビン把持手段に把持されているボビンケース(予め下糸が巻き付けられた状態にある)が釜K中に戻され(ステップJ6)、下糸が補充されたことが作業者に報知される(ステップJ7)。
この状態で、ミシンの動きが許可され、ステップ1に戻り、作業者は再び縫製作業を続行するとともに、これと並行して、ステップJ8に進んで以降の処理がなされる。
【0054】
そして、この状態において、残糸除去処理が実行される。(ステップJ8)
残糸除去処理が完了すると、再び、回動アーム21の回動および回転軸24に沿った釜方向への移動、並びに、ボビン把持手段の把持動作により、残糸除去されたボビンケースMが残糸除去軸35から外されて、その後、下糸巻回位置に搬送される。(ステップJ9)そして、ボビンケースMが下糸巻回位置で把持手段に把持された状態で、図示しない下糸巻回装置122(図10に図示)により下糸巻回処理が開始される(ステップJ10)。即ち、ボビンNに所定量の下糸が巻き付けられ、その後、糸掛け手段(図示しない)によりボビンケースMに所定の態様で下糸の一端側がセットされるとともにこの一端側の下糸が切断される。次いで、待機状態になり(ステップJ11)、次回の、ボビン交換の指示を待つ。
以上により、下糸自動供給処理が完了される。
【0055】
次に、図2においてステップJ8で示される下糸除去処理の動作について、図1の残糸除去処理のフローチャートを参照しながら説明する。
始めに、図5(a)に示すように、駆動ローラ33と従動ローラ48とが当接した状態で、残糸巻取モータ34(図10に図示)を図5におけるCCW方向に駆動して、駆動ローラ33と回転アーム伝達ギア40(図3に図示)とを同方向に回転する。回転アーム伝達ギア40が回転駆動することで、回転アーム伝達ギア40に歯合する回転アーム駆動ギア41が、回転方向を反転して回転駆動する。そして、この回転駆動力が、収納部42、クラッチ圧接バネ43、摩擦クラッチ板44を介して回転アーム45に摩擦伝達され、回転アーム45が軸46を支点としてCW方向に90°回動する。以上により、図5(b)に示すように、駆動ローラ33に対して従動ローラ48が開いた状態となり、駆動ローラ33と従動ローラ48の間にスペースを設ける(ステップS1)。
【0056】
次いで、エアノズル10から残糸吹き寄せ用のエアシャワーを吹き付けて、図5(b)に示すように、ボビンケースMより垂れる残糸糸端Mbを作業位置に吹き寄せて案内する(ステップS2)。次いで、図5(b)に示すように、吸引ノズル11により下糸吸引を行う(ステップS3)。
【0057】
次いで、残糸巻取モータ34を図5におけるCW方向に駆動して、駆動ローラ33と回転アーム伝達ギア40(図3に図示)とを同方向(下糸排出回転方向)に回転する。回転アーム伝達ギア40が回転駆動することで、回転アーム駆動ギア41が回転方向を反転して回転駆動する。そして、この回転駆動力が、収納部42、クラッチ圧接バネ43、摩擦クラッチ板44を介して回転アーム45に摩擦伝達され、回転アーム45が軸46を支点としてCCW方向に回動し、従動ローラ48を駆動ローラ33側に向かわせる。そして、回転アーム45が上記90°から45°閉じた時に、残糸巻取モータ34の駆動を停止する(ステップS4)。
【0058】
次いで、残糸巻取モータ34の駆動を再開して、回転アーム45が上記角度からさらに30°閉じた時に、残糸巻取モータ34の駆動を停止する(ステップS5)。
【0059】
次いで、残糸巻取モータ34の駆動を再開して、回転アーム45が上記角度からさらに15°閉じた時に、残糸巻取モータ34の駆動を停止する。この時、図5(c)に示すように、従動ローラ48は駆動ローラ33に当接し、これらローラ48、33の間に残糸糸端Mbが挟持される(ステップS6)。
以上のように、従動ローラ48と駆動ローラ33とが、開いた状態から閉じた状態となるまでに、エアノズル10による残糸糸端Mbの案内を行うようにすると、残糸糸端Mbを駆動ローラ33と従動ローラ48との間に挟持し得る。
また、以上のように、従動ローラ48の閉じ具合を間欠にするとともに、その間欠移動ごとの移動量を大から小にしていくことで、残糸糸端Mbを作業位置に吹き寄せるエアノズル10からのエア流および吸引ノズル11による吸引エア流の乱れが大きく低減され、残糸を駆動ローラ33と従動ローラ48との間に確実に挟持し得る。
【0060】
次いで、ステップ7において、残糸巻取モータ34をCW方向に駆動することで、駆動ローラ33を回転駆動して、従動ローラ48との共働により残糸を引き出す。このとき、残糸を引き出すことでボビンNが回転するが、このボビンの回転量が1/2回転量となるように、残糸巻取モータ34を駆動した後に、残糸巻取モータ34の駆動を停止する(ステップS7)。
このように、残糸巻取モータ34の駆動を行うと、従動ローラ48が駆動ローラ33に対して押圧され、回転アーム45の軸46を支点としたCCW方向への回動が不可能となって摩擦クラッチ板44と回転アーム45の奥側の側板45bとの間に滑りが発生し、これ以上の押圧力がかからない状態(当該押圧力を維持した状態)になるとともに、駆動ローラ33はそのままCW方向に回転を続ける。従って、駆動ローラ33と従動ローラ48の間に挟持された下糸は、駆動ローラ33と従動ローラ48の間欠共働回転により、駆動ローラ33と従動ローラ48との間に巻き込まれながら少しづつ下流に排出される。
次いで、ステップS7と同様にして、残糸巻取モータ34をCW方向に1/2ボビン回転量だけ駆動した後に停止する(ステップS8)。
【0061】
次いで、ボビンNの残糸除去が行われているか否かを判定する(ステップS9)。これは、駆動ローラ33と従動ローラ48との共働回転により、残糸が駆動ローラ33と従動ローラ48に巻き込まれながら下流に排出されている(残糸除去が行われている)とボビンNが回転し、排出されていない(残糸除去が行われていない)とボビンNが回転しないということから、判定される。この回転の有無は、センサ50a、50b(上述)からの出力信号により判断される。
【0062】
このように、残糸を巻き込み排出させる当初にあって、ステップS7〜S8のように、駆動ローラ33と従動ローラ48を間欠回転すると、糸暴れが低減されて残糸を所定の方向(駆動ローラ33と従動ローラ48による残糸排出方向;吸引ノズル11に向かう方向)に排出でき、駆動ローラ33と従動ローラ48や他の部材に絡みつく畏れを低減することができる。
またこの時、吸引ノズル11による残糸吸引が行われると、排出されてくる残糸糸端Mbは、駆動ローラ33と従動ローラ48や他の部材に絡み付くことなく、確実に吸引ノズル11へと導くことができる。
【0063】
そして、ボビンNが回転していない、すなわち残糸除去が行われていないと判定した場合には、リトライ動作を規定回数(ステップS10の糸端からまり防止動作の規定回数(後述する)とは異なる)行ったか否かを判定する(ステップS20)。ここで、本実施形態においては、規定回数は3回となっており、3回未満の場合にはステップS1にリターンする。
【0064】
一方、ステップS20において、リトライ動作を3回行った場合には、エアノズル10からのエアシャワーの吹き付けを停止して(ステップS21)、吸引ノズル11の下糸吸引を停止して(ステップS22)、残糸除去ができない何らかの故障が発生したとして、エラー表示をエラー表示窓によって行い(ステップS23)、オペレーターの介入を促してリターンする。
【0065】
また、ステップS9において、ボビンNが回転している、すなわち残糸除去が行われていると判定した場合には、ステップS1〜S9の一連の動作を、規定回数行ったかどうかを判定する(ステップS10)。ステップS1〜S9の一連の動作が、規定回数に満たない場合には、ステップS1に戻して、ステップS1〜S9の一連の動作を規定回数に達するまでくり返す。
このように、ステップS10でステップS1〜S9までの動作を複数回くり返して、駆動ローラ33と従動ローラ48の開閉動作をくり返すように制御することで、広範な性質の糸に対して、糸端のからみつきを、確実に防止することができる。
すなわち、ステップS9までの動作で、駆動ローラ33と従動ローラ48や他の部材の表面の微小な傷や静電気などにより、下糸の糸端が付着してしまっている場合においても、駆動ローラ33と従動ローラ48を、再度、開閉するとともに、エアノズル10と吸引ノズル11を併用することで、糸端を確実に引き離すことができるとともに、エアにより、残糸が駆動ローラ33と従動ローラ48にスムーズに引き出せるための姿勢を確保することができる。
なお、ステップ10において、ステップS1〜S9の一連の動作の規定回数は、予め、設定されている値であるが、回数が多すぎると、残糸除去処理の処理サイクルが遅延することになるために、必要最小限の値とすることが好ましい。例えば、本実施の形態においては、ステップS10の規定回数としては、3回としている。
【0066】
次いで、ステップS10でステップS1〜S9までの動作を規定回数くり返したと判定されると、残糸巻取モータ34を低速駆動する(ステップS11)。次いで、ボビンNを1回転分駆動したか否かを判定し(ステップS12)、1回転分駆動していない場合には1回転分駆動するまで同様な判定をくり返す。また、1回転分駆動した場合には、残糸巻取モータ34を中速駆動して(ステップS13)、ボビンNを1回転分駆動したか否かを判定し(ステップS14)、1回転分駆動していない場合には1回転分駆動するまで同様な判定を繰り返す。また、1回転分駆動した場合には、残糸巻取モータ34を高速駆動する(ステップS15)。
【0067】
このように、回転速度を最初低速で後に高速となるように段階的に制御すると、回転速度が一定かつ高速で駆動する場合と比較して、糸暴れを防止でき駆動ローラ33と従動ローラ48や他の部材に絡み付く畏れがさらにまた低減される。また、回転速度が一定かつ低速で駆動する場合と比較して、排出時間が短くされ得る。
【0068】
次いで、ボビンNが停止したか否かを判定し(ステップS16)、ボビンNが停止せずに未だ残糸除去を続行していると判定した場合には、ボビンNが停止するまで同様な判定を繰り返し、一方ボビンNが停止し残糸除去が終了したと判定した場合には、ステップS17に進むが、この時、駆動ローラ33と従動ローラ48によって排出され吸引ノズル11によって吸引された残糸除去は、吸引エアによって吸引ノズル11、エアチューブ11a、糸吸引器11bを介してダストバック11cに導かれて、該ダストバック11cに貯留される。
【0069】
次いで、エアノズル10からのエアシャワーの吹き付けを停止して(ステップS17)、吸引ノズル11の残糸吸引を停止して(ステップS18)、残糸巻取モータ34を停止し(ステップS19)、駆動ローラ33の回転を停止してリターンする。
以上のようにして、図2においてステップJ8で示される下糸除去処理の動作がなされる。
【0070】
以上の本発明の実施の形態の残糸除去装置1によれば、図1に示すステップS1からステップS9までの糸端のからまり防止動作を規定回数(例えば、本実施の形態においては3回)だけ行い、規定回数分、駆動ローラ33と従動ローラ48とを開閉するとともに、残糸の糸端を引き出すように制御することで、残糸の糸端が確実に引き離されて、駆動ローラ33や従動ローラ48などへ絡みつくことなく、確実に残糸を除去することができる。
【0071】
また、図1のステップS7、S8において、残糸がボビンの1回転分だけ引き出されるが、駆動ローラ33や従動ローラ48の円周長は、ボビン1回転分で引き出される残糸の長さよりも長くされているので、引き出された残糸が駆動ローラ33や従動ローラ48を1周するようにして絡み付く畏れがない。従って、さらに、残糸除去装置1の信頼性を向上することができる。
【0072】
また、ステップS2からステップS9までのローラのからまり防止動作を行う間、エアノズル10による糸案内用エアが、残糸の糸端を、駆動ローラ33と従動ローラ48との間に案内することができる。従って、残糸の糸端が駆動ローラ33や従動ローラ48などに絡みつく畏れをさらに低減することができ、残糸除去装置1の信頼性をさらに高めることができる。
【0073】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、ボビン回転検知手段50や、残糸除去装置制御手段60や、下糸自動供給装置制御手段100などは、本実施の形態で示した構成に限られず、様々な論理回路により構成可能であることは勿論である。
その他、具体的に示した細部構成および方法は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜に変更可能であることは勿論である。
【0074】
【発明の効果】
請求項1記載の残糸除去装置によれば、少なくとも一回以上、ローラの開閉動作を再び行うように制御することで、残糸の糸端が引き離されるように作用するので、残糸の糸端がローラなどへ絡みつくことなく、確実に、残糸除去ができる。
従って、広範な性質の糸に対して確実に残糸除去でき、残糸除去装置の信頼性を大幅に向上することができる。
【0075】
請求項2記載の残糸除去装置によれば、請求項1と同様の効果を奏することができるとともに、ローラの回転により一回当りの動作で引き出される残糸の長さが、ローラの円周長より短いので、引き出された残糸がローラを1周するようにして絡み付く畏れがない。
従って、さらに、残糸除去装置の信頼性を向上することができる。
【0076】
請求項3記載の残糸除去装置によれば、請求項1または2と同様の効果を奏することができるとともに、剥離手段がローラから残糸を剥離するように制御されるので、残糸の糸端がローラなどに絡みつくことなく、確実に残糸除去ができ、さらに残糸除去の信頼性を高めることができる。
【0077】
請求項4記載の残糸除去装置によれば、請求項3と同様の効果を奏することができるとともに、ローラの再開閉を行う間、案内手段がエアにより残糸をローラ間に案内するので、残糸の糸端がローラなどに絡みつく畏れをさらに低減することができ、残糸除去装置の信頼性をさらに高めることができる。。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の残糸除去装置1を含む下糸自動供給装置の処理を示すフローチャートである。
【図2】本発明を適用した一実施の形態の残糸除去装置1の残糸除去処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明を適用した一実施の形態の残糸除去装置1の側面図である。
【図4】図3の残糸除去装置1の概略正面図である。
【図5】図4の残糸除去装置1の動作を表した正面図である。
【図6】ボビン回転検知手段50の構成を示したブロック図である。
【図7】図3の残糸除去装置1からボビン回転検知手段50の構成を抜き出した要部斜視図である。
【図8】残糸除去の処理中のボビン回転検出手段50の各部から出力される出力信号のタイムチャートの一例である。
【図9】残糸除去処理の開始から終了にかけてボビン回転/非回転判定部52から出力される信号のタイムチャートの一例である。
【図10】本実施の形態の残糸除去装置1を含む下糸自動供給装置の制御系を表したブロック図である。
【符号の説明】
A ローラ開閉手段
N ボビン
10 エアノズル(剥離手段、案内手段)
33 駆動ローラ(ローラ)
34 残糸巻取モータ(ローラ開閉手段Aの一部)
45 回転アーム(ローラ開閉手段Aの一部)
48 従動ローラ(ローラ)
50 ボビン回転検知手段(検知手段)
60 残糸除去装置制御手段(制御手段)

Claims (4)

  1. 回転可能なボビンに巻かれた残糸の糸端側を挟んで回転することにより前記残糸を前記ボビンから引き出す一対のローラと、
    前記ローラ同士の間に残糸を導入するように前記ローラを開いた状態とするとともに、前記ローラ同士の間に導入された残糸を挟むように前記ローラを閉じた状態とするために前記ローラを開閉するローラ開閉手段とを備えた残糸除去装置において、
    前記ローラ開閉手段により前記ローラを開閉して前記ローラの間に残糸を導入して挟んだ後に、少なくとも一回以上、前記ローラを回転させて残糸を引き出す動作と前記ローラを開閉する動作を行うように制御する制御手段を備えたことを特徴とする残糸除去装置。
  2. 前記ローラを回転させて残糸を引き出す一回当りの動作における残糸の引き出し長さが、前記ローラの円周長よりも短いことを特徴とする請求項1記載の残糸除去装置。
  3. 前記ローラから残糸を剥離するための剥離手段を備え、
    前記制御手段は、前記ローラを開閉する動作におけるローラが開いた際に、前記剥離手段を制御してローラから残糸を剥離することを特徴とする請求項1または2記載の残糸除去装置。
  4. 前記剥離手段は、前記残糸をエアにより前記ローラ間へと案内する案内手段であって、
    前記制御手段は、前記ローラを開閉する動作におけるローラが開いた際に、前記案内手段からローラ間に向かってエアを吹き付けるように制御することを特徴とする請求項3記載の残糸除去装置。
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