JPH08229272A - ボビン交換装置 - Google Patents

ボビン交換装置

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JPH08229272A
JPH08229272A JP6680695A JP6680695A JPH08229272A JP H08229272 A JPH08229272 A JP H08229272A JP 6680695 A JP6680695 A JP 6680695A JP 6680695 A JP6680695 A JP 6680695A JP H08229272 A JPH08229272 A JP H08229272A
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JP
Japan
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bobbin
thread
process proceeds
winding
bobbin case
Prior art date
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Application number
JP6680695A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisanobu Shinozuka
寿信 篠塚
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Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボビンケース把持手段の回動方向における原
点検索時に、ボビンケース把持手段に対する配線類の捩
じれを低減し、例えば断線等が引き起こされる畏れをな
くして、信頼性を向上する。 【構成】 ボビンケース把持手段の回動方向の原点位置
を、ボビン交換装置制御手段に従って第2移動手段20
により順次回転方向を逆にして回転することによって検
索し、ボビンケース把持手段に対する配線類の捩じれを
大幅に低減するよう構成してなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボビン交換装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上糸と下糸とを使用して縫製を行うミシ
ン、特に高速の縫製作業を行う工業用のミシンにあって
は、下糸を巻回したボビンを頻繁に交換する必要があ
る。一般には、下糸が消費された時にミシンの運転を一
旦停止し、ボビンケースを釜から抜き取った後に、ボビ
ンに下糸を巻回して、この下糸が新たに巻回されたボビ
ンをボビンケースに収容して該ボビンケースを釜内に装
着する一連の操作を手作業で行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな人手による下糸巻回作業及びボビンケースの交換作
業は極めて非能率的であり、生産性の低下の原因となっ
ている。そこで、本出願人は、先に出願したボビン交換
装置において、上記下糸巻回作業及びボビンケース交換
作業の自動化を図っている。
【0004】このボビン交換装置は、ボビンを収容した
ボビンケースを把持または開放可能なボビンケース把持
手段と、このボビンケース把持手段をミシンの釜軸に平
行な軸線方向に移動させる第1移動手段と、該ボビンケ
ース把持手段をミシンの釜軸に平行する軸を中心に回転
させる第2移動手段と、からなり、ボビンケース把持手
段を第2移動手段により回動することによって該ボビン
ケース把持手段を釜位置と例えばボビンに下糸を巻回可
能とした下糸巻回装置の下糸巻回位置とに対向可能とし
て、ボビンケース把持手段を第1移動手段により移動す
ることによって上記釜位置と下糸巻回位置とに移動可能
となっている。
【0005】上記ボビンケース把持手段は、ソレノイド
によりボビンケースを把持または開放可能となってお
り、把持及び開放不良の少なくとも一方を検知するエラ
ー検知手段を備えている。
【0006】そして、上記ソレノイド、エラー検知手段
に対する電気配線は、ボビンケース把持手段を支持する
軸内に通されるのが一般的である。
【0007】ここで、ボビンケース把持手段を回動して
釜位置、下糸巻回位置に対向させる構成を採っているこ
とから、原点位置を基準として各位置に回動制御するこ
とになる。従って、例えば初期化等を行う場合に、回動
方向における原点位置を検索する必要があるが、このよ
うな原点位置の検索をボビンケース把持手段の回動方向
を一定にして行う(例えば時計回りの一方向のみ、勿論
反時計回りの一方向のみでも可)と、上記配線類が捩じ
れてしまい、場合によっては断線等を引き起こすので問
題となる。
【0008】このような問題は、ボビンケース把持手段
によるボビンケースの把持または開放動作を例えばソレ
ノイドに代えてエアーシリンダにより行うようにしたも
のにあっても、エアーシリンダにエアーを送るエアーチ
ューブ配線に対して同様に発生する。
【0009】そこで本発明は、ボビンケース把持手段の
回動方向における原点検索時に、ボビンケース把持手段
に対する配線類の捩じれが低減され、例えば断線等が引
き起こされる畏れがなく、信頼性が向上されるボビン交
換装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1のボビン交換装置は、ボビンを収容したボ
ビンケースを把持または開放可能なボビンケース把持手
段、このボビンケース把持手段をミシンの釜軸に平行な
軸線方向に移動させる第1移動手段、該ボビンケース把
持手段をミシンの釜軸に平行する軸を中心に回転させる
第2移動手段、前記第1、第2移動手段の駆動を制御す
るボビン交換装置制御手段、とをして、前記ボビンケー
ス把持手段を軸線方向に移動して該ボビンケース把持手
段がミシンの釜からボビンケースを抜き出し、該ボビン
ケース把持手段を回転して下糸巻回済みのボビンを収容
したボビンケースを釜に対向させてから軸線方向に移動
して該ボビンケースを釜に装着するようにしたボビン交
換装置において、前記ボビンケース把持手段の回動方向
の原点位置を、前記ボビン交換装置制御手段に従って前
記第2移動手段により順次回転方向を逆にして回転させ
ることによって検索することを特徴としている。
【0011】上記目的を達成するために、請求項2のボ
ビン交換装置は、請求項1に加えて、ボビンケース把持
手段の回動方向の原点位置の検索を、ボビン交換装置制
御手段に従って第1移動手段により軸線方向において反
釜側に退避させた退避位置で行うようにしたことを特徴
としている。
【0012】
【作用】このような請求項1のボビン交換装置によれ
ば、ボビンケース把持手段の回動方向の原点位置は、ボ
ビン交換装置制御手段に従って第2移動手段により順次
回転方向を逆にして回転させることによって検索され
る。従って、ボビンケース把持手段に対する配線類の捩
じれが大幅に低減され、例えば断線等が引き起こされる
畏れがなくなる。
【0013】このような請求項2のボビン交換装置によ
れば、ボビンケース把持手段の回動方向の原点位置の検
索は、ボビン交換装置制御手段に従って第1移動手段に
より軸線方向において反釜側に退避させた退避位置で行
われる。従って、ボビンケース把持手段の回動方向にお
ける原点位置の検索時に、該ボビンケース把持手段が、
例えば釜等の何らかの障害物に接触することはない。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。本実施例の下糸自動供給装置は、図1及び
図52に示されるように、下糸巻回装置162と、残糸
除去装置161と、これら下糸巻回装置162の下糸巻
回位置C、残糸除去装置161の残糸除去位置B、釜位
置(ボビンケース着脱位置)A、ダミー軸(ボビンケー
ス保持手段)6のボビンケース着脱位置Dにボビンケー
ス2を移動可能なボビン交換装置160と、から概略が
構成されており、該下糸自動供給装置(糸張力付与手段
F及び下糸供給源200を除く;詳しくは後述)はミシ
ンベッド101の下部に設けられている。先ず、図53
乃至図57を参照しながら、ボビン交換装置160につ
いて以下説明する。
【0015】図53乃至図57において、符号1はボビ
ンケース2が装着される釜を、1aは釜軸を、3はミシ
ン本体に取り付けられたメインベースに立設すると共に
釜1の直下に配設された支持体としてのベース板をそれ
ぞれ示しており、該ベース板3には、釜軸1aに平行な
軸心を有す搬送軸4の基端4aが固定され、該搬送軸4
はベース板3に片持ち支持された状態となっている。
【0016】この搬送軸4の先端4b側(反ベース板
側)には、中空円筒の外周面を軸線方向に沿って2箇所
切断し該切断面が同士が対向するよう形成された搬送ブ
ロック12(図53参照)が、当該搬送軸4に対して回
転可能且つ摺動可能に支持されている。
【0017】搬送ブロック12の各切断面には、L字状
に折曲された搬送板10,10のL字を構成する一方の
板状部分がそれぞれ固定されており、L字を構成する他
方の板状部分は、図53に示されるように、軸線を挟ん
で互いに対向した状態となっている。
【0018】各搬送板10,10には、軸線方向に沿っ
て釜側に折曲された保持部11,11の一方の端部がそ
れぞれ固定されており、これら保持部11,11の他方
の端部(釜側を向く端部)には、ボビンケースを把持ま
たは開放可能なボビンケース把持手段(不図示)がそれ
ぞれ固定されている。このボビンケース把持手段として
は、例えば特開平5−192476号公報の下糸自動供
給装置や本出願人が先に出願した特願平5−12196
0号明細書のミシンの下糸自動供給装置に記載されてい
る一対の電磁石吸着ヘッドを始めとして、例えば本出願
人が先に出願した特願平5−116363号明細書のミ
シンの下糸自動供給装置に記載されているレバー爪によ
るもの等、適宜のものを採用することができ、要は、ボ
ビンケース2を必要に応じて対向部材(例えば、釜1)
に対して着脱できるものであれば良い。
【0019】上記搬送ブロック12の外周には回動歯車
13が固定されており、該回動歯車13には、図54に
示されるように、釜軸1a方向に沿って長尺なる形状の
駆動歯車19が噛合している。この駆動歯車19は、そ
の一端が、ベース板3に取り付けられたモータ固定板2
1の搬送軸他端側に突出した部分に回転可能に支持され
ており、他端は、モータ固定板21に固定された回動モ
ータ20の出力軸に直結された状態となっている。この
回動モータ20には、図1及び図2に示されるように、
ドライバ149が接続されており、該回動モータ20は
このドライバ149により駆動されるようになってい
る。
【0020】すなわち、ドライバ149に従って回動モ
ータ20が回転すると、駆動歯車19、回動歯車13を
介して、搬送ブロック12及び搬送板10,10並びに
保持部11,11から構成される回転手段としての回動
アーム70が回転するようになっている。なお、この回
動アーム70の回転動作は、本実施例にあっては、該回
動アーム70が退避位置にある時(図54乃至図56参
照)に、行われるようになっている。また、搬送軸4は
片持ち支持であるが、上記駆動歯車19によりガイドさ
れていることから、その支持強度は充分となっている。
【0021】上記搬送ブロック12の外周における上記
回動歯車13より搬送軸4の固定端側には、図示されな
い例えばストップリングが固定されており、該搬送ブロ
ック12の外周における回動歯車13とストップリング
との間には、直動カラー14が回転可能に支持されてい
る。
【0022】この直動カラー14には、図53乃至図5
5に示されるように、釜軸1aに平行に移動可能に支持
されたラック16の一端が固定されており、このラック
16の他端にはピニオン17が噛合している。このピニ
オン17は、ベース板3に取り付けられた移動モータ1
8の出力軸に固定されている。この移動モータ18に
は、図1及び図2に示されるように、ドライバ250が
接続されており、該移動モータ18はこのドライバ25
0により駆動されるようになっている。
【0023】すなわち、ドライバ250に従って移動モ
ータ18が駆動すると、ピニオン17を介してラック1
6と共に直動カラー14、回動アーム70が搬送軸4の
軸線方向に沿って移動するようになっている。すなわ
ち、回動アーム70は、搬送軸4に対して回転できると
共に、搬送軸4に沿って摺動できるようになっている。
【0024】上記搬送軸4の開放端側には、センサ固定
板33が取付けられており、このセンサ固定板33上に
は、発光素子31aと受光素子31bとからなる回動セ
ンサ31が取り付けられている。また、上記回動アーム
70には、図53及び図54に示されるように、センサ
板32が固定されており、該回動アーム70の回転時
に、センサ板32が発光素子31aと受光素子31bと
の間を通過し得るように、回動センサ31及びセンサ固
定板33並びにセンサ板32の位置調整がなされてい
る。
【0025】ベース板3には、図53及び図55に示さ
れるように、上記回動センサ31と同構造の直動センサ
41が取り付けられている。また、上記ラック16に
は、センサ板15が固定されており、該回動アーム70
の直動時に、センサ板15が直動センサ41の発光素子
41aと受光素子41bとの間を通過し得るように、直
動センサ41及びセンサ板15の位置調整がなされてい
る。
【0026】また、ベース板3における上記ボビンケー
ス把持手段の回転軌跡の対向位置であって、図52に示
されるように、釜1直下の位置Dには、ボビンケース保
持手段としてのダミー軸6が固定されている。このダミ
ー軸6は、図57に示されるように、中釜軸5と同構造
となっており、ボビンが収容されたボビンケース2を押
し込めば、該ボビンケース2を保持できるようになって
いる。そして、押し込められたボビンケース2の既設の
ボビン係止爪2dが、図52に示されるように、ダミー
軸6の近傍に突設された回り止め部材5aaの係止溝に
係合するよう構成されている。すなわち、ボビンケース
2は所定の位置に位置決めされて保持されるようになっ
ている。
【0027】ところで、上記下糸巻回位置C、残糸除去
位置Bは、図52に示されるように、搬送軸4の下方の
範囲V且つ同軸線に沿った直立平面よりミシンベッド1
01を起こす際の回動支点103側の範囲Wであって、
ボビンケース把持手段の回転軌跡の対向位置に配置され
ている。また、残糸除去位置Bは下糸巻回位置Cより下
方に配置されている。また、残糸除去位置Bの搬送軸線
方向(図52における紙面に垂直な方向)の位置はボビ
ンケース把持手段の退避位置にあり、下糸巻回位置Cの
搬送軸線方向の位置はボビンケース把持手段を退避位置
から多少前進させた位置(図52における紙面に向かっ
て進めた位置)にある。
【0028】残糸除去位置Bには残糸除去装置161が
配設されている。以下、図47及び図48を参照しなが
ら残糸除去装置について説明する。
【0029】図47において、符号81は回転軸を示し
ている。この回転軸81はコの字状プレート80の両側
板80a,80bに回転可能に支持されており、両端は
各側板80a,80bより外方に突出している。側板8
0aから図示左側に突出する軸部分には回転体としての
駆動ローラ760が固定され、側板80bから図示右側
に突出する軸部分には歯車82が固定されている。この
歯車82の上方には当該歯車82に噛合する歯車83が
配置されており、この歯車83は、側板80bに固定さ
れた駆動モータ84の出力軸に固定されている。この駆
動モータ84には、図1及び図2に示されるように、ド
ライバ148が接続されており、該駆動モータ84はこ
のドライバ148により駆動されるようになっている。
【0030】従って、ドライバ148に従って駆動モー
タ84が駆動すると、その回転は歯車83,82により
減速されて軸81に伝達され、駆動ローラ760が回転
するようになっている。
【0031】また、上記コの字状プレート80内には、
別のコの字状プレート85が配置されている。このコの
字状プレート85の両側板85a,85bには回転軸8
6が回転可能に支持されており、側板85aから図示左
側に突出する軸部分には回転体としての従動ローラ76
1が固定されている。該コの字状プレート85の図47
における上端部には両側板85a,85bを貫いた軸8
7が固定されている。この軸87は上記側板80a,8
0bに回転可能に支持されており、側板80bから図示
右側に突出する軸(軸87)部分には歯車88が固定さ
れている。この歯車88には歯車89が噛合しており、
この歯車89は、プレート95,96に回転可能に支持
された軸97に固定されている。この軸97には歯車9
0も固定されており、この歯車90には歯車91が噛合
している。この歯車91は、上記プレート95,96に
回転可能に支持された軸98に固定されており、この軸
98には歯車92も固定されている。この歯車92には
歯車93が噛合しており、この歯車93は、プレート9
6に固定された回動モータ94の出力軸に固定されてい
る。この回動モータ94には、図2に示されるように、
ドライバ148Aが接続されており、該回動モータ94
はこのドライバ148Aにより駆動されるようになって
いる。
【0032】従って、ドライバ148Aに従って回動モ
ータ94が駆動すると、その回転は歯車93,92,9
1,90,89,88により大幅に減速されて軸87に
伝達され、当該軸87を支点として、コの字状プレート
85と共に従動ローラ761が回動するようになってい
る。この回動速度は、上述の如く、大幅に減速している
ために、比較的低速度(ゆったりとした速度)となって
いる(理由に関しては後述)。
【0033】また、回動モータ94が駆動し従動ローラ
761が軸87を支点として回動すると、該従動ローラ
761は上記駆動ローラ760に対向し、駆動モータ8
4の駆動により駆動ローラ760が回転すると、下糸端
部を巻き込みながら、該駆動ローラ760と共働して下
糸を下流に排出できるようになっている(詳しくは後
述)。
【0034】なお、回動モータ94が駆動し、コの字状
プレート85及び従動ローラ761が軸87を支点とし
て回動した時に、従動ローラ761を固定する回転軸8
6がコの字状プレート80の側板80aに当たらないよ
うに、当該側板80aには適宜切欠等が形成されてい
る。
【0035】また、この残糸除去装置161には、回動
アーム70により残糸除去位置Bにセットされたボビン
ケース2のその下糸導出部(下糸張力ばね下の下糸導出
孔)に向かってエアーを吹き付けることができる糸垂ら
し用のエアーノズル100が設けられている。この糸垂
らし用のエアーノズル100は、ボビンケース2の下糸
導出部から導出しボビンケース2に付着している下糸
を、そのエアー力によって、確実に下方に垂らすための
ものである。該糸垂らし用のエアーノズル100には、
図1及び図2に示されるように、電磁弁148Cが接続
されており、該糸垂らし用のエアーノズル100は、こ
の電磁弁148Cによりそのエアー吹き出しが制御され
るようになっている。
【0036】また、上述したボビン交換装置160の回
動アーム70には、図48に示されるように、ボビンを
内部に収容したボビンケース2(詳しくは下糸張力ばね
下)より垂れる下糸端部Mを、作業位置に吹き寄せるエ
アーノズル51が固定されている。ここで言う作業位置
とは、駆動ローラ760の外周面(正確には図示下側の
外周面)に対して下糸端部Mが接触しつつ下流になびく
ような位置(図48(b)参照)であり、この下糸端部
Mの作業位置への吹き寄せは、エアーノズル51からの
エアーを、ボビンケース2の外周面に向かって吹き出
し、当該外周面に沿って駆動ローラ760の外周面に向
かう流れを作り出すことにより、達成される。該エアー
ノズル51には、図1及び図2に示されるように、電磁
弁148Dが接続されており、該エアーノズル51は、
この電磁弁148Dによりそのエアー吹き出しが制御さ
れるようになっている。
【0037】なお、符号750,750は、上記エアー
ノズル51により作業位置に吹き寄せられた糸端部M
が、両ローラ760,761による排出前に、ローラ7
60の軸方向に移動して該ローラ間より離脱するのを防
止するための糸外れ防止バーを示している。
【0038】従って、当該残糸除去装置161は、図よ
り明らかなように、その主要部が残糸除去位置Bより下
方に配置される構成となっている。
【0039】上記残糸除去装置161には、図1に示さ
れるように、回転検出手段としての例えば反射型光セン
サ144が付設されている。この反射型光センサ144
は、ボビンケース2の開放端側にそれぞれ配設されてお
り、図50に示されるようなボビン7の側面に1箇所穿
設された反射孔7aに対向するように配設されている。
なお、符号7bは、後述の下糸巻回装置162のクラッ
チ機構50aにボビン7を連結させるためのクラッチ孔
を示している。そして、この反射型光センサ144に
は、カウンタ146が接続されている。
【0040】従って、ボビン7が回転すると、該反射型
光センサ144からは、図51に示されるように、連続
したパルス波が出力され、これらパルス波はカウンタ1
46により計数される。ここで、下糸がボビン7から除
去されてしまうとボビン7の回転が停止することから、
反射型光センサ144に接続されるカウンタ146の出
力により、ボビン7の残糸除去時の回転数(残糸除去
量)が判るようになっている。
【0041】上記下糸巻回位置Cには下糸巻回装置16
2が配設されている。この下糸巻回装置162として
は、例えばモータの駆動等により自動的にボビンに下糸
が巻回可能で、その後ボビンケース2への糸掛け及び下
糸切断が可能なものが採用されている。以下、この下糸
巻回装置162について説明する。
【0042】この下糸巻回装置162は、図26乃至図
31に示されるように、下糸巻回機構(ボビン駆動機
構)E及び案内機構G並びに糸張力付与機構Fからな
る。糸張力付与手段Fは、下糸供給源としての糸巻き2
00からの下糸150に張力(抵抗)を付与する(結果
的に張力を与えてしまうものも含む;図29及び図30
参照)と共に該下糸150を下流に繰り出すものであ
り、案内機構Gは、該糸張力付与手段Fからの下糸端部
をボビンケース2の開口部2に案内するものであり(図
27、図28、図32参照)、ボビン駆動機構Eは、ボ
ビンケース2内のボビン7を回転させるものである(図
31参照)。
【0043】次に、ボビン駆動機構Eについて説明す
る。図26及び図31において、符号50は巻取り軸を
示しており、この巻取り軸50はベース850に回転自
在に支承されている。巻取り軸50の一端にはボビン7
に形成された複数の孔(図39及び図50参照)にクラ
ッチ可能なクラッチ機構50aが、他端にはプーリ50
bがそれぞれ固定されている。上記ベース850はメイ
ンベース3に固定されている。そして、ボビン駆動モー
タM2はモータブラケット1850に固定されており、
このモータブラケット1850も上記メインベース3に
固定されている。このボビン駆動モータM2の出力軸に
はプーリ52が固定されており、このプーリ52とプー
リ50bとの間には、ベルト51が掛け渡されている。
該ボビン駆動モータM2には、図1及び図2に示される
ように、ドライバ147が接続されており、該ボビン駆
動モータM2はこのドライバ147により駆動されるよ
うになっている。
【0044】すなわち、回動アーム70の回転により下
糸巻回位置Cに至ったボビンケース2が該回動アーム7
0の前進動作により前進すると共にボビン駆動モータM
2が駆動すると、巻取り軸50が回転すると共、該クラ
ッチ機構50aとボビン7とが連結されるようになって
いる。なお、クラッチ機構は、上述のような孔に係合す
る構成のものに限定されるものではなく、他の構成のも
のであっても構わない。
【0045】次に、糸張力付与手段Fについて説明す
る。この糸張力付与手段Fは、図29及び図30に示さ
れるように、マニュアル操作により下糸張力を調整する
糸張力可変手段としての下糸張力調整機構F4と、ソレ
ノイド推力により下糸張力を調整する糸張力可変手段と
しての下糸張力調整機構F3と、下糸150の供給によ
り回転されるローラ54を備えこのローラ54の回転を
検出することによってボビン軸7aへの下糸の絡み付き
及びボビン軸7aに巻回される下糸量の両方を検出可能
とすると共に糸巻き200からの下糸150を下流に送
り出すことが可能な検出手段F2と、下糸150の緩み
を取る下糸緩み取り機構F1と、から構成されており、
これら下糸張力調整機構F4、下糸張力調整機構F3、
検出手段F2、下糸緩み取り機構F1は、下糸供給経路
の上流から下流に向かってこの順に配設されている。
【0046】下糸張力調整機構F4は、糸巻き200か
らの通過する下糸150を押圧する張力ばね205と、
この張力ばね205の押圧力をマニュアル操作により調
整する螺子206と、から構成されている。
【0047】下糸張力調整機構F3は、下糸張力調整機
構F4からの通過する下糸150に上記張力ばね205
の押圧力に抗するソレノイド推力を生ぜしめるソレノイ
ドを備えている。このソレノイドを駆動する電気回路
は、ソレノイドに電源Vを直列に接続し、その間にスイ
ッチを介した構成となっている。このスイッチのオン・
オフ制御は、図3に示されるように、ドライバ170に
よりなされるようになっている。
【0048】従って、スイッチをオフした場合には、上
記ソレノイド推力が発生せず、下糸150には張力ばね
205の押圧力が最大限にかかり、下糸張力は最大とな
る。また、スイッチをオンした場合には、上記ソレノイ
ド推力が最大限に発生し、下糸150には張力ばね20
5の押圧力からソレノイド推力を減じたものがかかり、
下糸張力は最小となる。
【0049】検出手段(糸繰り出し機構部分を含む)F
2は、基板655の裏面(図30における下側の面)に
固定された繰り出しモータM3を備える。この繰り出し
モータM3には、図1及び図2に示されるように、ドラ
イバ180が接続されており、該繰り出しモータM3は
ドライバ180により駆動されるようになっている。ま
た、繰り出しモータM3の回転速度は、上記ボビン駆動
モータM2の回転速度より小となるように設定されてい
る。
【0050】一方、基板655を挟んだ表側には、繰り
出しモータM3の出力軸(不図示)に軸心を一致させた
繰り出しローラ軸55が回転自在に支承されており、こ
の繰り出しローラ軸55には、下糸張力調整機構F3か
らの下糸150が巻回された(1巻きされた)繰り出し
ローラ54が固定されている。繰り出しモータM3の出
力軸と繰り出しローラ軸55との間には、当該軸同士の
回転を連結・遮断するワンウェイクラッチ(不図示)が
介在している。
【0051】該ワンウェイクラッチは、繰り出しローラ
軸55の回転速度が繰り出しモータM3の出力軸の回転
速度を上回ると、該繰り出しモータM3の出力軸の回転
を繰り出しローラ軸55に対して遮断する構成となって
いる。
【0052】上記繰り出しローラ軸55にはセンサスリ
ット158が固定されている、このセンサスリット15
8は、図40に示されるように、円盤状をなし、外周に
複数の溝が設けられている。このセンサスリット158
の対向位置にはフォトセンサ60が配設されており、セ
ンサスリット158の溝を検出可能となっている。すな
わち、フォトセンサ60により繰り出しローラ54の回
転を検出できるようになっている。
【0053】以上のように検出手段F2は構成されてお
り、この検出手段F2のフォトセンサ60にはカウンタ
145が接続されている(図2参照)。従って、繰り出
しローラ54が回転すると、該フォトセンサ60から
は、図41に示されるように、連続したパルス波が出力
され、これらパルス波はカウンタ145により計数され
て、ボビン7への下糸巻回時の回転数(下糸巻回量)が
判るようになっている(詳しくは後述)。すなわち、こ
れらフォトセンサ60及びカウンタ145によりボビン
に巻回される下糸量を検出する下糸量検出手段が構成さ
れている。
【0054】上記緩み取り機構F1は、基板655に回
転自在に支持される回転軸62Aを備えており、この回
転軸62の反面部方向側の端部には、両端部に孔62
a,62bがそれぞれ形成された緩み取りレバー62の
その中央部分が固定されている。上記孔62a,62b
には、繰り出しローラ54からの下糸150が通されて
おり、該回転軸62は、捩じりコイルばね64により下
糸150の緩みを取る方向に付勢された状態となってい
る。
【0055】そして、これら下糸張力調整機構F4、下
糸張力調整機構F3、検出手段F2、下糸緩み取り機構
F1は、図29及び図30に示されるように、基板65
5にユニット化されて纏められて搭載されており、従っ
てこれら機構間の下糸供給経路は極めて短くなってお
り、またこれら機構間の糸案内等による折り曲げ部は最
低限となっている。
【0056】また、上記下糸緩み取り機構F1の下流に
は、糸巻き200からの下糸150をボビンケース2の
開口部2Aに案内するエアー案内機構Gが設けられてい
る。このエアー案内機構Gについて以下説明する。図2
7、図28、図32において、符号65は糸吸引器を示
しており、この糸吸引器65には、図32に示されるよ
うに、直線状経路としての貫通孔65cが形成されてい
る。貫通孔65cの一方の開放口は下糸を吸引する吸引
口65aとなっており、他方の開放口には案内経路とし
てのエアーチューブ67が接続されている。このエアー
チューブ67(ステンレスパイプ製)はその途中部分が
Lの字状に折曲されており、その先端にはエアーノズル
67aが設けられている。
【0057】上記直線状の貫通孔65cに対しては、外
方からエアーチューブ67側に向かって斜めに連設され
るエアーを送り込むためのエアー通路65bが形成され
ており、このエアー通路65bの開放口には、図27及
び図28に示されるように、継ぎ手66aが接続されて
いる。この継ぎ手66aにはエアーチューブ66の一端
が接続されており、該エアーチューブ66の他端には図
示されないエアー源の電磁弁168が接続されている
(図1乃至図3参照)。また、電磁弁168のオン、オ
フを行う図示しない糸装着スイッチが備えられている。
【0058】上記糸吸引器65は、平板状のノズルブラ
ケット69d上に搭載されている。、このノズルブラケ
ット69dの図示右側端部は回転軸69cの下端部に固
定されており、この回転軸69cの上端部はベースブラ
ケット501に回転自在に支承されている。回転軸69
cにはアイドラギヤ69bが固定されており、このアイ
ドラギヤ69bにはモータギヤ69aが噛合している。
そして、このモータギヤ69aは、上記ベースブラケッ
ト501に搭載されたエアーノズル退避モータとしての
ステッピングモータ69の出力軸に固定されている。こ
のステッピングモータ69には、図1乃至図3に示され
るように、ドライバ181が接続されており、該ステッ
ピングモータ69はこのドライバ181により駆動され
るようになっている。
【0059】従って、ドライバ181に従ってステッピ
ングモータ69を駆動すると、該ノズルブラケット69
d、糸吸引器65、エアーチューブ67が回転軸69c
を回動支点として回動するようになっている。そして、
該ステッピングモータ69の駆動によって、エアーノズ
ル67aは、ボビン軸7aへの下糸絡み付け時に、図2
7に点線で示されるボビンケース2の開口部2Aに対向
する位置(作業位置)に位置し、糸掛け時、下糸切断
時、下糸巻回時に、図27に実線で示される退避位置に
位置するようになっている。
【0060】また、作業者が下糸を吸引口65aに挿入
する際には、エアーノズル67aは退避位置にあり、こ
の時、吸引口65aが面部方向NNに対向する方向に凡
そ向くように各配置設定がなされている。
【0061】ところで、上記作業位置に停止しているエ
アーノズル67a先端の下糸案内方向(エアー吹き付け
方向)は、ボビン軸下糸巻き付け側にある。ここで言う
ボビン軸下糸巻き付け側とは、図35に示されるよう
に、ボビン軸7a中心とエアーノズル67a先端とを結
ぶ線分YYにより2分割されるボビン軸7a外周の一方
向、すなわち下糸150をボビン軸7aに絡み付かせる
側(図中の符号XX方向)である。また、エアーノズル
67a先端の下糸案内方向は、好ましくはボビン軸下糸
巻き付け側XXのボビン軸7a外周に交差する方向で、
特に好ましくはボビン軸7a外周に接する方向である。
【0062】そして、電磁弁168がオンすると共に繰
り出しモータM3が駆動すると、エアー源からエアーが
供給されて当該エアーはエアーチューブ66、糸吸引器
65、エアーチューブ67を介して、エアーノズル67
aから吹き出し、糸案内651を介して糸吸引器65の
吸引口65aより挿入された下糸端部はエアーノズル6
7aから導出される。
【0063】因に、ボビンケース開口部2Aの対向位置
に停止している(作業位置にある)エアーノズル67a
先端とボビンケース2の開口部2Aとの間隔H(図34
参照)は、好ましくは10mm以下で、特に好ましくは
3〜7mmである。この範囲により、下糸150の吹き
出しエアーによるばたつきが抑えられると共に、ボビン
ケース2内で下糸150がボビン軸7aに絡み付くのに
必要な渦流を形成することができる。
【0064】ところで、ボビンケース2が下糸巻回位置
Cにセットされた際の該ボビンケース2の周囲には、糸
掛け及び糸切り装置700を構成する動メス付き糸捌き
116が固定されている。
【0065】この動メス付き糸捌き116は、図36に
示されるように、先端(図36における手前側)及び後
端(図36における奥側)に下糸を導き入れるV字状の
切込み部116C,116Dがそれぞれ形成された動メ
ス板116Aを有しており、V字状の切込み部116
C,116Dは、図43及び図46に示されるように、
切込み部116Cの頂点が切込み部116Dの頂点に対
して図36における左側にずれて形成されている。動メ
ス板116A上面の、切込み部116Cの頂点と切込み
部116Dの頂点とを凡そ結ぶ線上には、切断用の目玉
(動メス)116Eが形成されており、その上には、図
46に示される固定メス91を通過させる小さな間隙を
空け且つ縁を少しずらした糸分け用羽116Bが設けら
れている。動メス板116A及び糸分け用羽116B
は、共に巻取り軸50を中心とする円弧状に湾曲してお
り(図36参照)、動メス付き糸捌き116がボビンケ
ース2の周囲を回転して固定メス91の位置に達する
と、動メス板116Aの背部の動メス116Eが固定メ
ス91の先端に擦れるように、各位置関係が調節されて
いる。
【0066】該動メス付き糸捌き116は、図26に示
されるように、巻取り軸50外周にに回転可能に支持さ
れた歯車804の一部に固定されており、この歯車80
4には歯車803が噛合している。歯車803はベース
850に回転可能に支持された回転軸807に固定され
ており、この回転軸807にはさらに歯車802が固定
されている。この歯車802には歯車801が噛合して
おり、この歯車801は、モータブラケット1850に
固定された動メス付き糸捌き駆動モータ800の出力軸
に固定されている。上記ベース850、モータブラケッ
ト1850は共にメインベース3に固定されている。該
動メス付き糸捌き駆動モータ800には、図2に示され
るように、ドライバ700Aが接続されており、該動メ
ス付き糸捌き駆動モータ800はこのドライバ700A
により駆動されるようになっている。
【0067】従って、ドライバ700Aに従って動メス
付き糸捌き駆動モータ800が駆動すると、複数の歯車
801,802,803,804を介して動メス付き糸
捌き116が正・逆方向に回動するようになっている。
【0068】そして、下糸巻回、糸掛け(詳しくは後
述)がなされた後に、ボビンケース2の下糸張力ばね2
D下の下糸導出孔2E(図39参照)から導出される下
糸の該下糸導出孔2Eから下糸切断点(詳しくは動メス
116Eと固定メス91との擦り合う点)までの下糸長
さが、上糸との絡み合いによる縫目形成に必要な長さ、
すなわち40mm程度となるように、ボビンケース2、
固定メス91、下糸切断点等の各配置が決定されてい
る。
【0069】また、ボビンケース2が下糸巻回位置Cに
セットされた際の該ボビンケース2の上方で、且つ上記
動メス付き糸捌き116の回動軌跡より下方には、図3
7、図38、図42乃至図46に示されるように、糸掛
けレバー124が、段螺子124aにより図38におけ
る紙面に直交する面において回動可能に支持されてい
る。この糸掛けレバー124には、図37に示されるよ
うに、先端部にフック124Aと、このフック124A
に連設し図37における上方から右下方に向かって傾斜
する傾斜面124Bと、が形成されている。該糸掛けレ
バー124は、捩じりばね125により、図37におけ
る反時計方向に付勢されており、通常時は、図37の実
線で示される状態にある。
【0070】また、上記巻取り軸50の先端部の図42
における手前側には、回動可能に支持されたワイパ13
0が配設されている。このワイパ130は、途中が屈曲
した棒状をなし、ロータリー式のエアーシリンダ(不図
示)により回動されるようになっている。
【0071】ところで、上記ボビン駆動機構E及びエア
ー案内機構Gは、上記ボビン交換装置160及び残糸除
去装置161と共にミシンベッド101の下部に設けら
れており、図24及び図25に示されるように、カバー
650により覆われた状態となっている。従って、ミシ
ン頭部AAを引き起こすと、これらボビン駆動機構E、
エアー案内機構G、ボビン交換装置160、残糸除去装
置161は、ミシンベッド101と共に回動支点103
(図52参照)を中心として上方に回動されて引き起こ
されるようになっている。上記カバー650はミシン面
部方向NNに対向する方向に向かって開放されており、
この開放部分650aから手の挿入が可能となっている
(詳しくは後述)。
【0072】また、上記糸張力付与機構F及び糸巻き2
00は、図24及び図25に示されるように、ミシンの
固定部材としての例えばミシンテーブル102に配設さ
れており、該糸張力付与機構Fは随時下糸張力の調整を
行うことからカバー等に覆われておらず剥きだしになっ
ている。
【0073】そして、これら糸張力付与機構F及び糸巻
き200は、図24に示されるように、上記ボビン駆動
機構E及びエアー案内機構Gより反面部方向側に設けら
れており、またボビン駆動機構E、エアー案内手段G、
糸張力付与手段Fは、図25及び図52に示されるよう
に、この順で作業者位置より奥側に向かって配設されて
いる。
【0074】すなわち、糸張力付与手段Fは、その剥き
だしになっている下糸供給経路中の下糸が作業者に引っ
掛からないような奥側の位置に配設されている。また、
ボビン駆動機構E、エアー案内手段G、糸張力付与手段
Fは、下糸供給路の折り曲げ箇所を極力少なくし得る順
番で配置されている。
【0075】なお、上記残糸除去装置161、下糸巻回
装置162が、図52乃至図57のベース板3に接触す
る場合には、該ベース板3は適宜切欠かれる。また、図
52にあっては、残糸除去位置Bと下糸巻回位置Cとダ
ミー軸6に対するボビン着脱位置Dが近接しており、保
持部11が誇張されて記載されている。このため、保持
部11が残糸除去装置161や下糸巻回装置162に接
触することも心配されるが、実際には、このような接触
が生じないように充分なスペースが確保されている。
【0076】ところで、本実施例にあっては、ボビンケ
ース把持手段は、移動モータ18により、ボビンケース
着脱位置(釜位置;ダミー軸の位置)A,Dと反釜側に
移動した退避位置(図53乃至図57参照)とに移動可
能である。すなわち、ボビンケース把持手段が退避位置
に移動すると、上記センサ板15が上記直動センサ41
の発光素子41aと受光素子41bとの間を遮蔽するこ
とになり、これによってボビンケース把持手段の退避位
置への移動が検出される。そして、今度は当該退避位置
で、原点位置が検索される。すなわち、ボビンケース把
持手段を退避位置で回動させ、センサ板32が発光素子
31aと受光素子31bとの間を遮蔽した位置を例えば
原点位置としておけば、この位置にボビンケース把持手
段を回動すれば原点位置に復帰することになる。また、
上記回動モータ20として例えばパルスモータを用いた
場合には、このパルスモータのパルス数をカウントする
ことによって、該ボビンケース把持手段を、上記釜位置
A、下糸巻回位置C、残糸除去位置B、ダミー位置D
に、回動制御することができる。
【0077】また、上記下糸自動供給装置には操作パネ
ル252が付設されており(図1参照)、この操作パネ
ル252には、図2に示されるように、電源スイッチ2
52a、操作スイッチ252b、下糸量設定手段として
の設定スイッチ252cが付設されている。電源スイッ
チ252aはメイン電源をオン・オフするものである。
【0078】操作スイッチ252bは、さらに自動スタ
ートスイッチ252ba、マニュアルスタートスイッチ
252bb、マニュアルストップスイッチ252bc、
縫製パターン入力スイッチ252bdを備えている。
【0079】自動スタートスイッチ252baは、電源
スイッチ252aがオンされる度に下糸自動供給装置を
自動スタートモードにし自動スタートさせるためのもの
である。この自動スタートモードの解除は、自動スター
トスイッチ252baをオフすることによりなされる。
【0080】マニュアルスタートスイッチ252bb
は、自動スタートモードが選択されていない時に、オペ
レーターが必要に応じて下糸自動供給装置をスタートさ
せるためのものである。
【0081】マニュアルストップスイッチ252bc
は、下糸自動供給装置の動作中に、オペレーターが必要
に応じて下糸自動供給装置を停止させるためのものであ
る。
【0082】縫製パターン入力スイッチ252bdは、
縫製パターンの入力に応じて、後述の切換手段263に
切換え信号を入力するものである。
【0083】設定スイッチ252cは、ディップスイッ
チ、コードスイッチ等よりなり、これらによって糸番
手、糸巻取り長さを入力できるようになっている。この
うち、糸巻取り長さの設定に関しては、大まかで大きめ
の値の設定が可能となっている(詳しくは後述)。
【0084】上記ドライバ147,148,148A,
149,170,180,181,700A、電磁弁1
48C,148D,168,170,250、カウンタ
145,146、フォトセンサ60、電源スイッチ25
2a、操作スイッチ252b、設定スイッチ252c及
びミシン本体251並びにエラー表示手段(詳しくは後
述)701には、図1及び図2に示されるように、下糸
自動供給装置制御手段(CPU)255が接続されてい
る。
【0085】この下糸自動供給装置制御手段255は、
図2に示されるように、カウンタ145からの下糸巻回
時のローラ回転数(下糸巻回長さに対応)及びフォトセ
ンサ60から出力されるパルスを監視しながら下糸巻回
装置162の駆動・停止を制御する(勿論速度制御も含
む)信号をドライバ147,170,180,181,
700A、電磁弁168に送出する下糸巻回装置制御手
段260(詳しくは後述)と、カウンタ146からの残
糸除去時のボビン回転数(残糸長さに対応)を監視しな
がら残糸除去装置161の駆動・停止を制御する信号を
ドライバ148,148A、電磁弁148C,148D
に送出する残糸除去装置制御手段262と、カウンタ1
45からの下糸巻回時のローラ回転数(下糸巻回長さに
対応)及びカウンタ146からの残糸除去時のボビン回
転数(残糸長さに対応)に基づいて、(下糸巻回時のロ
ーラ回転数)−(残糸除去時のボビン回転数)という演
算を行うことにより次回の縫製に必要な下糸量(今回の
実際の下糸消費量;次回の下糸巻回時のローラ回転数)
を算出すると共に、この次回の縫製に必要な下糸量(次
回の下糸巻回時のローラ回転数;設定下糸巻回量)を、
ボビンに巻回するよう下糸巻回装置制御手段260に信
号として送出する演算手段264と、を備えている。
【0086】下糸自動供給装置制御手段255は、さら
に設定スイッチ252cからの入力に従って、設定され
た糸巻取り長さをローラの回転数に換算する回転数換算
手段265を備えており、この下糸設定回転数と上記次
回の下糸巻回時のローラ回転数とを切換えて下糸巻回装
置制御手段260に送出する切換手段263を備えてい
る。この切換手段263による切換えは、例えば電源ス
イッチ252a、操作スイッチ252bの縫製パターン
入力スイッチ252bdからの入力に従って行われる。
すなわち、電源スイッチ252aのオン時には実際の縫
製を未だしておらず次回の下糸巻回時のローラ回転数が
算出されていないので、下糸設定回転数が下糸巻回装置
制御手段260に送出されるよう切換えがなされる。但
し、下糸巻回装置制御手段260からの信号により2番
目または3番目のボビンに対しては次回の下糸巻回時の
ローラ回転数が下糸巻回装置制御手段260に送出され
るよう切換えがなされる(詳しくは後述)。また、操作
スイッチ252bの縫製パターン入力スイッチ252b
dによる縫製パターン変更時も同様に、下糸設定回転数
が下糸巻回装置制御手段260に送出されるよう切換え
がなされる。
【0087】また、下糸自動供給装置制御手段255
は、ボビン交換装置の駆動・停止を制御する信号をドラ
イバ149及びドライバ250に送出するボビン交換装
置制御手段261と、ミシン本体251を制御する(例
えば動作禁止・許可信号を送出し、縫製終了信号を受信
する)ミシン制御手段266と、を備えている。
【0088】また、上記下糸巻回装置制御手段260
は、図3に示されるように、上記繰り出しモータM3の
駆動を制御する信号(オン・オフ信号)をドライバ18
0に送出する繰り出しモータ制御手段260dと、上記
ノズル移動モータ69の駆動を制御する信号をドライバ
181に送出するノズル移動モータ制御手段260c
と、上記下糸張力調整機構F3の駆動を制御する信号
(オン・オフ信号)をドライバ170に送出する下糸張
力調整機構制御手段170Aと、上記電磁弁168に制
御信号(オン・オフ信号)を送出する電磁弁制御手段2
60eと、を備えている。また、下糸巻回装置制御手段
260は、フォトセンサ60からの信号に基づいてボビ
ン軸への下糸の絡み付きを判定する絡み付き判定手段2
60bを備えている(絡み付きの判定については後
述)。ここで、フォトセンサ60及び絡み付き判定手段
260bにより下糸巻回装置のボビン軸への絡み付きを
検出する下糸絡み付き検出手段が構成されている。さら
にまた、下糸巻回装置制御手段260は、この絡み付き
判定手段260b及びカウンタ145並びに上記切換手
段263からの信号に基づいてボビン駆動モータM1の
駆動を制御する信号をドライバ147に送出する駆動制
御手段260aを備えている。
【0089】該駆動制御手段260aは、下糸巻回すべ
きボビンケースが下糸巻回装置162にセットされたと
いう信号(詳しくはクラッチ機構50aにボビン7のク
ラッチ孔7bが連結されたという信号)をボビン交換装
置制御手段261から受けると、上記ドライバ147に
低速駆動信号を送出するようになっている。また、所定
時間経過後に、上記ノズル移動モータ制御手段260c
に作業位置に移動させる信号を、電磁弁制御手段260
eに駆動を開始させる信号をそれぞれ送出し、さらに所
定時間経過後に、上記繰り出しモータ制御手段260d
に駆動を開始させる信号を送出するようになっている。
また、上記絡み付き判定手段260bから下糸がボビン
軸に絡み付いたという信号を受けると、上記ドライバ1
47に低速駆動から加速して高速駆動にする信号を送出
するようになっていると共にボビンに巻回されている下
糸巻回量のカウントを開始するようになっている。この
時、上記ノズル移動モータ制御手段260cに退避位置
に移動させる信号を、電磁弁制御手段260eに駆動を
停止させる信号をそれぞれ送出するようになっている。
なお、繰り出しモータ制御手段260dは規定ステップ
後に停止信号を送出するようになっている(図33
(a)参照)。
【0090】ここで、絡み付き判定手段260bから下
糸がボビン軸に絡み付いたという信号を受信しない場合
には、駆動制御手段260aは、規定ステップ後に停止
された繰り出しモータM3を再駆動すべく繰り出しモー
タ制御手段260dに再駆動信号を送出するようになっ
ている。また、電磁弁制御手段260e並びにドライバ
147に対してはそのまま動作を続行させる信号を送出
するようになっている。
【0091】また、駆動制御手段260aは、切換手段
263からの信号(設定下糸巻回量)に基づいて、カウ
ンタ145からの信号を監視しながら、すなわち実際に
巻回されている下糸量を監視しながら、設定下糸巻回量
の所定量手前となったらドライバ147に高速駆動から
減速して低速駆動にする信号を送出するようになってい
る。また、設定下糸巻回量となったらドライバ147に
停止信号を送出するようになっている。なお、本実施例
にあっては、ボビン駆動モータM2として例えばステッ
ピングモータを用いているので、上記加減速はパルスレ
イトを変えることによりなされるようになっている。勿
論、ステッピングモータをDCモータに代えても同様な
加減速制御を行うことができる。
【0092】また、上記下糸自動供給装置制御手段25
5には、上記下糸巻回装置制御手段260、ボビン交換
装置制御手段261、残糸除去装置制御手段262によ
る動作ステップを順次記憶する動作ステップ記憶手段
(不図示)を備えた全体制御手段1250が設けられて
いる。この全体制御手段1250は、上記自動スタート
スイッチ252ba、マニュアルスタートスイッチ25
2bb、マニュアルストップスイッチ252bc、設定
スイッチ252c、ミシン制御手段266からの信号及
び動作ステップ記憶手段により記憶された動作ステップ
に基づいて、下糸巻回装置制御手段260、ボビン交換
装置制御手段261、残糸除去装置制御手段262に対
して、決められた手順の動作を行わせる指令を送出する
ようになっている(詳しくは後述)。
【0093】また、全体制御手段1250は、上記カウ
ンタ145,146からの信号に基づいて糸切り失敗、
糸掛け失敗を判定する判定手段(不図示)を備えてい
る。
【0094】また、全体制御手段1250は、上記カウ
ンタ146からの信号(実際の残糸除去量)と設定され
た残糸除去量とを比較して、当該残糸を除去したボビン
による縫製の不具合や残糸除去中の糸切れを判定する判
定手段(不図示)を備えている。
【0095】また、全体制御手段1250は、上記糸切
り失敗、糸掛け失敗、縫製不具合、残糸除去中の糸切
れ、さらには作業者の介入が必要とされる不具合が装置
動作中に発生した場合には、上記下糸巻回装置162、
ボビン交換装置160、残糸除去装置161の駆動を停
止させる指令を、下糸巻回装置制御手段260、ボビン
交換装置制御手段261、残糸除去装置制御手段262
に送出すると共に、エラー表示手段701にエラー表示
を行わせる信号を送出するようになっている。
【0096】さらにまた、全体制御手段1250は、上
記カウンタ145及び絡み付き判定手段260bからの
信号に基づいて、下糸のボビン軸への絡み付きが検出さ
れた後にカウンタ145からの計数が増加しない場合
は、糸掛け、糸切り動作を行わせた後に、このボビンケ
ースを残糸除去位置に移動して残糸除去装置による残糸
除去動作を再度行わせ、このこのボビンケースを下糸巻
回位置に移動して下糸巻回装置による下糸巻回動作を再
度行わせる信号を、下糸巻回装置制御手段260、ボビ
ン交換装置制御手段261、残糸除去装置制御手段26
2に送出するようになっている。また、このような下糸
巻回リトライ動作を行わせても、カウンタ145からの
計数が増加しない場合は、下糸巻回装置162、ボビン
交換装置160、残糸除去装置161の駆動を停止させ
る指令を、下糸巻回装置制御手段260、ボビン交換装
置制御手段261、残糸除去装置制御手段262に送出
すると共に、エラー表示手段701にエラー表示を行わ
せる信号を送出するようになっている。
【0097】上記下糸自動供給装置制御手段255に
は、処理手順をプログラム及び固定データの形で格納す
るROM253、演算に使用するデータや演算結果等を
一時的に記憶するRAM254が接続されている。RO
M253に書き込まれたプログラムをフローチャートで
示すと図4乃至図23のようになる。
【0098】以下、プログラムに従い本装置の動作を説
明する。先ず、本装置の概略動作を図4に示したフロー
チャートにより説明する。電源スイッチ252aがオン
されると、先ずステップA1において、電源オフ時のス
テップ記憶があるか否かを判定する。ここで言うステッ
プ記憶とは、どのような動作を行っていたかという記憶
であり、例えばボビン交換要求ステップ、下糸巻回ステ
ップ、残糸除去ステップ等である。そして、ステップA
1において、ステップ記憶がある場合には、ステップA
2に進み、ステップA2において、ステップ記憶がボビ
ン交換要求ステップであったか否かを判定し、ボビン交
換要求ステップであった場合にはステップA3に進み、
ステップA3において、現在自動スタートスイッチ25
2baにより自動スタートモードになっているか否かを
判定し、自動スタートモードになっている場合にはステ
ップA4に進み、ステップA4において、糸番手、糸巻
取り長さを入力できる設定スイッチ252cから入力条
件が変更されているか否かを判定し、変更されていない
場合にはステップA6に進み、ステップA6において、
ボビン交換要求待ちとなる。
【0099】一方、ステップA4において、設定スイッ
チ252cから入力条件が変更されている場合にはステ
ップA7に進み、ステップA7において、釜内のボビン
を取り出してこのボビンの残糸除去を行うと共に待機中
のボビンに対しても残糸除去を行ってステップA8に進
み、ステップA8において、変更条件に基づいた下糸を
一方のボビンに巻回し、糸掛け、糸切りを行ってから釜
に装着してステップA9に進み、ステップA9におい
て、変更条件に基づいた下糸を他方のボビンに巻回し、
糸掛け、糸切りを行って釜と反対位置へ搬送した後ステ
ップA10に進み、ステップA10において、ボビン交
換要求待ちとなる。
【0100】また、ステップA3において、現在自動ス
タートスイッチ252baにより自動スタートモードに
なっていない場合にはステップA11に進み、ステップ
A11において、ボビンケース把持手段を退避位置にさ
せてステップA12に進み、ステップA12において、
マニュアルスタートスイッチ252bbによるマニュア
ルスタートを待ち、スタートされたらステップA26に
進む。そして、ステップA26において、糸番手、糸巻
取り長さを入力できる設定スイッチ252cから入力条
件が変更されているか否かを判定し、変更されていない
場合にはステップA5に進み、ステップA5において、
釜内のボビンを取り出してから待機中のボビンを釜内に
装着し取り出したボビンの残糸除去、下糸巻回、糸掛
け、糸切りを行ってステップA27に進み、ステップA
27において、ボビン交換要求待ちとなる。
【0101】一方、ステップA26において、設定スイ
ッチ252cから入力条件が変更されている場合にはス
テップA7に進み、ステップA7において、釜内のボビ
ンを取り出してこのボビンの残糸除去を行うと共に待機
中のボビンに対しても残糸除去を行ってステップA8に
進み、ステップA8において、変更条件に基づいた下糸
を一方のボビンに巻回し、糸掛け、糸切りを行ってから
釜に装着してステップA9に進み、ステップA9におい
て、変更条件に基づいた下糸を他方のボビンに巻回し、
糸掛け、糸切りを行って釜と反対位置へ搬送した後ステ
ップA10に進み、ステップA10において、ボビン交
換要求待ちとなる。
【0102】また、ステップA2において、ステップ記
憶がボビン交換要求ステップでなかった場合にはステッ
プA13に進み、ステップA13において、下糸巻回ス
テップか残糸除去ステップの何れであったかを判定し、
下糸巻回ステップであった場合にはステップA14に進
み、ステップA14において、糸切りを行ってステップ
A16に進み、ステップA16において、ステップ記憶
を消去してステップA17に進み、ステップA17にお
いて、オペレーター介入待ちとなる。その後は後述のス
テップA18に進む。
【0103】一方、ステップA13において、残糸除去
ステップであった場合にはステップA15に進み、ステ
ップA15において、残糸除去を行って前述のステップ
A16に進む。
【0104】また、ステップA1において、電源オフ時
のステップ記憶がない場合、すなわち装置を一番最初に
スタートする時や何らかの不具合により記憶が消去され
てしまった場合にはステップA18に進む。また、上記
ステップA16のように強制的に記憶を消去した場合に
も、ステップA18に進み、ステップA18において、
オペレーター動作によりダミー軸6に保持されている一
方のボビンを取り出してこのボビンの残糸除去を行って
ステップA19に進み、ステップA19において、オペ
レーター動作によりダミー軸6に保持されている他方の
ボビンを取り出してこのボビンの残糸除去を行ってステ
ップA20に進み、ステップA20において、現在自動
スタートスイッチ252baにより自動スタートモード
になっているか否かを判定し、自動スタートモードにな
っている場合にはステップA21に進み、ステップA2
1において、一方のボビンに下糸巻回を行い釜に装着し
てステップA22に進み、ステップ22において、他方
のボビンに下糸巻回を行って釜と反対位置へ搬送した後
ステップA23に進み、ステップA23において、ボビ
ン交換要求待ちとなる。
【0105】一方、ステップA20において、現在自動
スタートスイッチ252baにより自動スタートモード
になっていない場合にはステップA24に進み、ステッ
プA24において、ボビンケース把持手段を退避位置に
させてステップA25に進み、ステップA25におい
て、マニュアルスタートスイッチ252bbによるマニ
ュアルスタートを待ち、スタートされたらステップA2
1に進む。
【0106】本装置は以上のような概略動作を行うよう
になっており、さらにその動作中に不具合が発生しオペ
レーター介入により復帰がなされた場合には、不具合発
生時の動作ステップに帰還するようになっている。ま
た、例えば機構部の初期化動作中のような場合に不具合
が発生した場合には、ステップA16と同様にステップ
記憶を消去するようになっている。また、その動作中
に、糸掛け、糸切りの失敗、縫製の不具合、残糸除去時
の糸切れを検出できるようになっている。さらにまた、
残糸除去時において引き出された下糸が絡んでしまって
ボビンケースから導出したままになっているとこの導出
糸による不具合が引き起こされる畏れがあることから、
残糸除去動作の後に強制的に糸切り動作を行うようにな
っている。
【0107】次に、本装置の動作を図5乃至図23に従
って詳細に説明する。プログラムがスタートし、先ず、
電源スイッチ252aが投入されると、ステップ1にお
いて、入出力ポートの初期化、初期化に必要なメモリエ
リアの初期化、設定スイッチ252cにより入力される
糸番手、糸巻き取り長さを読み込んで、ステップ2に進
み、ステップ2において、ミシン本体251に動作禁止
指令を出す。これは、釜1からボビンケース2を取り出
す際に、誤ってペダルを踏んだりしてミシンが作動する
のを防止するためである。次いで、ステップ3へ進み、
ステップ3において、ステップ記憶を読み出してステッ
プ4へ進み、ステップ4において、ステップ記憶がある
か否かを判定し、ステップ記憶がある場合にはステップ
5に進み、ステップ5において、ステップ記憶がボビン
交換要求ステップであるか否かを判定し、ボビン交換要
求ステップである場合にはステップ6に進み、ステップ
6において、図22に示される機構部の初期化ルーチン
に移行する。
【0108】この機構部の初期化ルーチンでは、先ずス
テップB1において、ボビン交換装置160における回
動アーム70の直動方向(軸線方向)の位置が原点にあ
るか否かを直動センサ41により判定し、原点にあると
判定した場合にはステップB2に進み、ステップB2に
おいて、回動アーム70を移動モータ18により反原点
方向に移動してステップB3に進み、ステップB3にお
いて、一定パルスを消化してステップB4に進み、ステ
ップB4において、回動アーム70の直動方向の位置が
原点にあるか否かを判定し、原点にある場合には、回動
アーム70を原点位置から移動させているにも拘らず原
点位置から移動しておらず不具合が発生したとしてステ
ップB5に進み、ステップB5において、エラー表示手
段701でエラー表示を行うと共にエラーブザーをオン
してステップB6に進み、ステップB6において、ステ
ップ記憶を消去してステップB7に進み、ステップB7
において、装置動作を全て停止してステップB8に進
み、ステップB8において、作業者介入による電源スイ
ッチ252aのオフを待つ。
【0109】一方、ステップB4において、回動アーム
70の直動方向の位置が原点にない場合には、ステップ
B9に進み、ステップB9において、移動モータ18の
駆動を停止してステップB10に進む。また、ステップ
B1において、回動アーム70の直動方向の位置が原点
にないと判定した場合もステップB10に進み、ステッ
プB10において、回動アーム70を原点方向に移動し
てステップB11に進み、ステップB11において、回
動アーム70の直動方向の位置が原点にあるか否かを判
定し、原点にない場合にはステップB12に進み、ステ
ップB12において、一定パルスを消化したか否かを判
定し、消化していない場合にはステップB11に戻り、
消化した場合には何らかの不具合が発生して直動原点に
移動できないとして上記ステップB5に進む。
【0110】一方、ステップB11において、回動アー
ム70の直動方向の位置が原点にあると判定した場合に
はステップB13に進み、ステップB13において、移
動モータ18の駆動を停止してステップB14に進む。
【0111】このステップB14にあっては、今度は回
動アーム70の回動方向の位置が原点にあるか否かを回
動センサ31により判定し、原点にあると判定した場合
にはステップB15に進み、ステップB15において、
回動アーム70を回動モータ20により反時計方向に移
動してステップB16に進み、ステップB16におい
て、一定パルスを消化してステップB17に進み、ステ
ップB17において、回動アーム70の回動方向の位置
が原点にあるか否かを判定し、原点にある場合には、回
動アーム70を原点位置から回動させているにも拘らず
原点位置から回動しておらず不具合が発生したとして上
記ステップB5に進む。
【0112】一方、ステップB17において、回動アー
ム70の回動方向の位置が原点にない場合には、ステッ
プB18に進み、ステップB18において、回動モータ
20の駆動を停止してステップB19に進む。また、ス
テップB14において、回動アーム70の回動方向の位
置が原点にないと判定した場合もステップB19に進
み、ステップB19において、回動アーム70を時計方
向に回動してステップB20に進み、ステップB20に
おいて、回動アーム70の回動方向の位置が原点にある
か否かを判定し、原点にある場合には回動方向の原点検
索が完了したとしてステップB31に進む。
【0113】一方、ステップB20において、回動アー
ム70の回動方向の位置が原点にない場合にはステップ
B22に進み、ステップB22において、190°相当
分のパルスを消化したか否かを判定し、消化していない
場合にはステップB21に戻り、消化した場合にはステ
ップB23に進み、ステップB23において、回動モー
タ20の駆動を停止してステップ24に進み、ステップ
B24において、回動アーム70を反時計方向に回動し
てステップB25に進み、ステップB25において、1
80°+α相当分のパルス(このパルスは時計方向に1
90°回転させた後に時計方向に回転させた場合に必ず
原点を通過できる値)を消化してステップB26に進
み、ステップB26において、回動モータ20の駆動を
停止してステップB27に進み、ステップB27におい
て、回動アーム70を時計方向に回動してステップB2
8に進み、ステップB28において、回動アーム70の
回動方向の位置が原点にあるか否かを判定し、原点にな
いと判定した場合にはステップB29に進み、ステップ
B29において、一定のパルスを消化したか否かを判定
し、消化した場合には何らかの不具合が発生して回動原
点に回動できないとして上記ステップB5に進み、一定
のパルスを消化していない場合にはステップB28に戻
る。
【0114】一方、ステップB28において、回動アー
ム70の回動方向の位置が原点にあると判定した場合に
はステップB30に進み、ステップB30において、回
動モータ20の駆動を停止する。すなわち、上記ステッ
プB14〜ステップB30にあっては、回動アーム70
の回動方向の原点位置を、一方向(例えば時計方向)に
のみ回動させて検索するのではなく、順次逆方向に回転
させることによって検索するようにしているので、ボビ
ンケース把持手段に対する配線類の捩れを防止できるよ
うになっている。
【0115】さて、上記ステップB30において、回動
モータ20の駆動を停止したらステップB31に進み、
ステップB31において、今度は下糸巻回装置162の
エアーノズル67aの位置が原点(本実施例においては
上述の退避位置)にあるか否かをセンサ(不図示)によ
り判定し、原点にあると判定した場合にはステップB3
2に進み、ステップB32において、エアーノズル67
aをノズル移動モータ69により反原点方向(作業位置
方向)に移動してステップB33に進み、ステップB3
3において、一定パルスを消化してステップB34に進
み、ステップB34において、エアーノズル67aの位
置が原点にあるか否かを判定し、原点にある場合には、
エアーノズル67aを原点位置から移動させているにも
拘らず原点位置から移動しておらず不具合が発生したと
して上記ステップB5に進む。
【0116】一方、ステップB34において、エアーノ
ズル67aの位置が原点にない場合には、ステップB3
5に進み、ステップB35において、ノズル移動モータ
69の駆動を停止してステップB36に進む。また、ス
テップB31において、エアーノズル67aの位置が原
点にないと判定した場合もステップB36に進み、ステ
ップB36において、エアーノズル67aを原点方向
(退避位置方向)に移動してステップB37に進み、ス
テップB37において、エアーノズル67aの位置が原
点にあるか否かを判定し、原点にない場合にはステップ
B38に進み、ステップB38において、一定パルスを
消化したか否かを判定し、消化していない場合にはステ
ップB37に戻り、消化した場合には何らかの不具合が
発生して原点に移動できないとして上記ステップB5に
進む。
【0117】一方、ステップB37において、エアーノ
ズル67aの位置が原点にあると判定した場合にはステ
ップB39に進み、ステップB39において、ノズル移
動モータ69の駆動を停止してステップB40に進む。
【0118】このステップB40にあっては、今度は下
糸巻回装置162の糸掛け、糸切り機構を構成する動メ
ス付き糸捌き116の位置が原点にあるか否かをセンサ
(不図示)により判定し、原点にあると判定した場合に
はステップB41に進み、ステップB41において、動
メス付き糸捌き116をモータ800により反時計方向
に回動してステップB42に進み、ステップB42にお
いて、一定パルスを消化してステップB43に進み、ス
テップB43において、動メス付き糸捌き116の位置
が回動原点にあるか否かを判定し、回動原点にある場合
には、動メス付き糸捌き116を回動原点位置から回動
させているにも拘らず回動原点位置から回動しておらず
不具合が発生したとして上記ステップB5に進む。
【0119】一方、ステップB43において、動メス付
き糸捌き116の位置が回動原点にない場合には、ステ
ップB44に進み、ステップB44において、モータ8
00の駆動を停止してステップB45に進む。また、ス
テップB40において、動メス付き糸捌き116の位置
が回動原点にないと判定した場合もステップB45に進
み、ステップB45において、動メス付き糸捌き116
を時計方向に回動してステップB46に進み、ステップ
B46において、動メス付き糸捌き116の位置が回動
原点にあるか否かを判定し、回動原点にない場合にはス
テップB47に進み、ステップB47において、一定パ
ルスを消化したか否かを判定し、消化していない場合に
はステップB46に戻り、消化した場合には何らかの不
具合が発生して回動原点に移動できないとして上記ステ
ップB5に進む。
【0120】一方、ステップB46において、動メス付
き糸捌き116の位置が回動原点にあると判定した場合
にはステップB48に進み、ステップB48において、
モータ800の駆動を停止してリターンする。
【0121】そして、図5に示されるステップ7に進
み、ステップ7において、下糸自動供給装置を電源オン
後に自動でスタートさせる自動スタートモードが選択さ
れているか否かを判定する。ここで、自動スタートスイ
ッチ252baによる自動スタートモードが選択されて
いる場合にはステップ8に進み、ステップ8において、
ボビンX(説明の都合上一方のボビンをX、他方のボビ
ンをYとする)をボビンケース把持手段が把持している
か否かを判定し、ボビンXを把持していないすなわちボ
ビンYを把持している場合にはステップ9に進み、ステ
ップ9において、ボビンYを釜1に対向する位置に対し
て回動方向における反対位置すなわちダミー軸6に対向
する位置に回動してステップ10に進み、ステップ10
において、設定スイッチ252cによる糸番手、糸巻取
り長さに変更があるか否かを判定し、変更がない場合に
はステップ11に進み、ステップ11において、ミシン
の動作を解除して図13に示されるステップ12に進
み、ステップ12において、ボビン交換要求があるまで
待ってステップ13に進み、ステップ13において、ミ
シン動作を禁止してステップ14へ進み、ステップ14
において、回動アーム70を釜側に前進させ、ボビンケ
ース把持手段により釜内のボビンXを保持し、回動アー
ム70を直動退避位置に後退させて、当該ボビンXを釜
内から取り出す。
【0122】次いで、ステップ15へ進み、ステップ1
5において、マニュアルストップスイッチ252bcを
オンしたか否かを判定し、マニュアルストップスイッチ
252bcがオンされた場合には、ステップ16に進
み、ステップ16において、回動アーム70が回動方向
の退避位置(本実施例においてはボビンケース把持手段
が下糸巻回位置に対向する位置)に退避しているか否か
を判定し、退避していない場合にはステップ17に進
み、ステップ17において、回動アーム70をボビンケ
ース把持手段が下糸巻回位置に対向するように回動して
ステップ18に進む。また、ステップ16において、回
動アーム70が退避位置に退避している場合もステップ
18に進み、ステップ18において、ミシン動作を許可
してステップ15に戻る。すなわち、このステップ15
〜ステップ18にあっては、オペレーターは手作業で下
糸を巻回したボビンを釜に装着し、縫製を行うことにな
る。
【0123】そして、このように、作業者が介入する時
に、ボビンケース把持手段を軸線方向における反釜側の
退避位置に退避させて、ボビンケース把持手段と釜1と
の間の空間を最大とするようにしているので、必要とさ
れる処置を簡易に行うことができるようになっている。
【0124】また、この時、ボビンケース把持手段の退
避位置における回動方向の位置を、釜に対向する位置か
ら外した位置(本実施例においては下糸巻回位置に対向
する位置)としているので、特に釜内のボビンに対して
処置を施す場合(交換する場合)に、その処置をさらに
簡易に行いことができるようになっている。
【0125】さて、ステップ15において、マニュアル
ストップスイッチ252bcがクリアされた場合にはス
テップ19に進み、ステップ19において、ミシン本体
251にミシン動作を禁止する信号を再度送出してステ
ップ20へ進み、ステップ20において、搬送最短距離
を求めてステップ21に進み、ステップ21において、
回動アーム70を回動して釜に対向させると共に釜側に
前進させ、ボビンケース把持手段によりボビンYを釜内
に装着してステップ22へ進み、ステップ20におい
て、ミシン本体251の動作を許可し、縫製を開始させ
る。
【0126】そして、ステップ23へ進み、ステップ2
3において、搬送最短距離を求めてステップ24に進
み、回動アーム70を退避位置に後退させると共に回動
し、ボビンケース把持手段に保持されている残糸付きボ
ビンXを残糸除去位置Bへ進ませる。この時、このステ
ップ記憶を行う。そして、ステップ25へ進み、ステッ
プ25において、図19に示される残糸除去処理ルーチ
ンに移行してボビンXの残糸を除去する。
【0127】この残糸除去処理ルーチンにあっては、先
ずステップC1において、メインルーチンステップ記
憶、すなわち残糸除去処理ステップにあるという記憶を
行ってステップC2に進み、ステップC2において、図
9に示される糸端挟持処理ルーチンに移行する。
【0128】この糸端挟持処理ルーチンにあっては、先
ずステップD1において、糸垂らし用のエアーノズル1
00より糸垂らしエアーを、図48(a)に示されるよ
うに、所定の間、間欠に吹き付けて(図49(a)参
照)、ボビンケース2のその下糸導出部(下糸張力ばね
2D下の下糸導出孔2E)から確実に下糸を下方に垂ら
して、ステップD2に進み、ステップD2において、エ
アーノズル51より糸案内エアーを吹き付けて(図48
(b)参照)、ボビンケース2より垂れる下糸端部Mを
作業位置に吹き寄せて、ステップD3に進み、ステップ
D3において、回動モータ94を駆動して従動ローラ7
61を軸87を支点としてゆっくりと回動する(図48
(b)参照)。
【0129】次いで、ステップD4に進み、ステップD
4において、従動ローラ761が駆動ローラ760に対
向するが、下糸端部Mをローラ760,761間に挟持
する前に、エアーノズル51によるエアーの吹き付けを
停止する(図49(b),(c)参照)。
【0130】ここで、ローラ760,761間に下糸端
部Mが挟持される時に、エアーノズル51によりエアー
を吹き付けていると、ローラ760,761間を通過し
て下流に抜けるエアーが該ローラ760,761により
遮断され、下糸端部Mがローラ760,761間から逃
げてローラ760,761による巻き込み排出が行われ
ないが、本実施例のように、エアーノズル51により作
業位置に吹き寄せた下糸端部Mを、ローラ761の移動
によってローラ760,761間に挟む前に、図49に
示されるように、該エアーノズル51のエアーを遮断す
ると、吹き上げられていた下糸端部Mは回動してくる従
動ローラ761の外周面に垂れて乗った状態となり、さ
らに従動ローラ761が回動してローラ760,761
が対向すると、これらローラ760,761間に下糸端
部Mが挟持された状態となる(ステップD5)。
【0131】このような下糸挟持のタイミング、すなわ
ち従動ローラ761を回動させながら該従動ローラ76
1が駆動ローラ760に対して対向する前にエアーノズ
ル51のエアーを停止するというタイミングは、該従動
ローラ761が、例えばソレノイド等により素早く回動
する場合には、非常にとり難いが、本実施例にあって
は、そのタイミングをとりやすいように、多くの歯車9
3,92,91,90,89,88を介して回動速度が
低速度(ゆったりとした速度)となるようにしている。
【0132】そして、ステップD6に進み、ステップD
6において、駆動モータ84を駆動して(図49(d)
参照)、駆動ローラ760を回転すると、ローラ76
0,761の共働により、挟持されていた下糸は、ロー
ラ760,761に巻き込まれながら下流に排出される
(図48(c)参照)。
【0133】そうしたら、図19に示されるステップC
3に進み、ステップC3において、ボビン7の残糸除去
が行われているか否かを判定する。これは、ローラ76
0,761の共働回転により残糸がローラ760,76
1に巻き込まれながら下流に排出されている(残糸除去
が行われている)と、ボビン7が回転し、排出されてい
ない(残糸除去が行われていない)と、ボビン7が回転
しないということから判定される。この回転の有無は、
上述した反射型光センサ144からの出力信号により判
断される。
【0134】そして、ボビン7が回転していない、すな
わち残糸除去が行われていないと判定した場合には、リ
トライすべくステップC4へ進み、ステップC4におい
て、駆動モータ84を停止し駆動ローラ760を停止し
てステップC5へ進み、ステップC5において、回動モ
ータ94を逆駆動して従動ローラ761を待機位置(初
期位置)まで回動し退避させて、ステップC6に進み、
ステップC6において、糸端挟持処理を規定回数行った
か否かすなわちリトライを規定回数行ったか否かを判定
し、規定回数行っていない場合にはステップC2にリタ
ーンし、規定回数行っている場合には何らかの不具合に
より糸端挟持処理ができないとしてステップC7に進
み、ステップC7において、オペレーター介入フラグを
セットしてリターンする。
【0135】一方、ステップC3において、ボビン7の
残糸除去が行われていると判定した場合にはステップC
8に進み、ステップC8において、糸掛けチェックフラ
グがセットされているか否かを判定し、セットされてい
ない場合にはステップC9に進み、ステップC9におい
て、今度はボビン7が停止したか否かを判定し、ボビン
7が停止せずに未だ残糸除去を続行していると判定した
場合には、ボビン7が停止するまで同様な判定を繰り返
し、一方ボビン7が停止し残糸除去が終了したと判定し
た場合には、ステップC10に進み、ステップC10に
おいて、駆動モータ84を停止し駆動ローラ760を停
止してステップC11へ進み、ステップC11におい
て、回動モータ94を逆駆動して従動ローラ761を待
機位置(初期位置)まで回動し退避させてステップC1
2に進み、ステップC12において、下糸巻回リトライ
フラグがセットされているか否かを判定し、セットされ
ていない場合にはステップC13に進み、ステップC1
3において、残糸除去時のボビン回転回数Rzを記憶し
てステップC14に進み、ステップC14において、こ
れが1回目の残糸除去処理であるか否かを判定する。
【0136】ここで、前回の残糸除去処理による残糸量
の記憶がない場合には1回目の残糸除去処理とし、また
設定スイッチ252cより入力される糸番手、糸巻取り
長さLmが変更となった場合も1回目の残糸除去処理と
する。そして、この1回目の残糸除去処理である場合に
はリターンし、一方2回目以降の残糸除去処理の場合に
はステップC19に進み、ステップC19において、残
糸除去装置161のローラ760,761による挟持に
必要とされるボビンケース2から導出する下糸長さLz
(min)(詳しくは後述)をボビン回転回数Rz(m
in)に換算してステップC20に進み、ステップC2
0において、Rz(min)−N%≦Rzという比較を
行い、Rz(min)−N%>Rzの場合には、設定さ
れた残糸除去量(Rz(min)−N%に対応)に対し
て実際の残糸除去量(Rzに対応)が少なく残糸除去処
理中に糸切れが生じたと判定しオペレーター介入が必要
だとしてステップC7に進み、ステップC7において、
オペレーター介入フラグをセットしてリターンする。
【0137】一方、ステップC20において、Rz(m
in)−N%≦Rzの場合にはステップC21に進み、
ステップC21において、Rz≦Rz(min)+M%
という比較を行い、Rz>Rz(min)+M%の場合
には、設定された残糸除去量(Rz(min)+M%に
対応)に対して実際の残糸除去量(Rzに対応)が多
く、この残糸除去を行ったボビンによる縫製が不具合で
あったと判定しオペレーター介入が必要だとしてステッ
プC7に進み、ステップC7において、オペレーター介
入フラグをセットしてリターンする。一方、ステップC
21において、Rz≦Rz(min)+M%の場合には
そのままリターンする。
【0138】そして、図13に示されるステップ26に
進み、ステップ26において、オペレーター介入フラグ
がセットされているか否かを判定し、残糸除去が良好に
行われてオペレーター介入フラグがセットされていない
場合には図14に示されるステップ27に進み、ステッ
プ27において、ボビンXの残糸除去時の回転数(残糸
除去量)Rzを残糸長さLzに換算してステップ28へ
進み、ステップ28において、ボビンXを用いての実際
の縫製による下糸消費長さ(下糸消費量)Lsを、Ls
=Lm−Lzから算出してステップ29へ進み、ステッ
プ29において、次回の縫製に必要な下糸量(ボビン回
転数に対応)Lm=Ls+Lz(min)から算出す
る。ここで、Lsはステップ28において算出された値
であり、Lz(min)は、残糸除去装置161のロー
ラ760,761による挟持に必要とされるボビンケー
ス2から導出する下糸長さであり、このように、Lz
(min)を、次回の縫製に必要な下糸量Lmに加味す
ると、さらにその下糸巻回量Lmの精度を向上すること
ができる。
【0139】そして、ステップ30へ進み、ステップ3
0において、次回の縫製に必要な下糸量Lmを、ボビン
に巻回する場合の繰り出しモータM3の回転数Rmに換
算してステップ31へ進み、ステップ31において、搬
送最短距離を求めてステップ32に進み、ステップ32
において、回動アーム70を回動させて、残糸の除去さ
れた空ボビンXを下糸巻回位置Cへ進ませる。
【0140】次いで、回動アーム70の回転により下糸
巻回位置Cに至ったボビンケース2を該回動アーム70
の前進動作により前進させると共にボビン駆動モータM
2を一時駆動して、クラッチ機構50aとボビンXとを
連結する。そうしたら、ステップ33へ進み、ステップ
33において、図18に示される下糸巻回処理ルーチン
(糸巻き処理ルーチン)に移行する。
【0141】この下糸巻回処理ルーチンにあっては、そ
れ以前に以下の動作を行う。先ず、繰り出しローラ54
に、糸巻き200、下糸張力調整機構F4,F3からの
下糸150を1巻きすると共に、この1巻きした下糸を
緩み取り機構F1の緩み取りレバー62の両端部の孔6
2a,62aに通しておく。この時点で、下糸張力調整
機構F3のスイッチをオンにし、上記ソレノイド推力を
最大限に発生させて下糸張力を最小とする。
【0142】次いで、上記カバー650の開放部分65
0aから手を差し込んで、該下糸150の糸端を糸案内
651を介して糸吸引器65の吸引口65aに挿入し、
少々押し込む(図27及び図28参照)。ここで、吸引
口65aは、上述のように、面部方向NNに対向する方
向に凡そ向くように配置されていることから、作業者は
面部方向NNに向かって手の平を返すことなく唯真っす
ぐに手を差し入れれば下糸端部を吸引口65aに挿入で
きる。そして、先ずステップE1において下糸巻回リト
ライフラグをクリアしてステップE2に進み、ステップ
E2において、メインルーチンステップ記憶(下糸巻回
ステップ記憶)を行って、ステップE3に進み、ステッ
プE3において、糸切り動作を行う。
【0143】ここで、この糸切り動作を何故行うかにつ
いて説明する。上記残糸除去装置161にあっては、残
糸除去動作中に例えばボビン軸に下糸が絡みボビンの回
転が止まって残糸除去が完遂されないことがあるが、こ
のような状態となっても上記残糸除去装置にあっては、
糸端挟持後のボビン回転の後にボビン停止が検出される
ことから、残糸除去が完遂したと判定してしまう。従っ
て、このようにボビンケース2から長々と下糸が導出し
た状態のままにしておくと、この導出する残糸に起因し
て後続の処理において不具合が発生する畏れがあること
から、該ステップE3において、この導出している下糸
の糸切り動作を行うようにしている。
【0144】すなわち、ステップE3においては、動メ
ス付き糸捌き116を後述の糸掛け動作の時とは逆方向
に回転し、ボビンケース2の下糸張力ばね2D下の導出
孔2Eから導出する下糸150を、V字状の切込み部1
16Cの頂点で捕捉した後糸分け用羽116Bにより図
46における右側へ捌き、さらに動メス付き糸捌き11
6を同方向に回転させることにより、動メス付き糸捌き
116の動メス116Eと固定メス91とを対向させ
て、その間の下糸150を切断するようにしている。
【0145】そうしたら、ステップE4に進み、ステッ
プE4においてボビン駆動モータM2を低速駆動しボビ
ンXを低速回転させる(図33(d)参照)。次いで、
ステップE5に進み、ステップE5において、電磁弁1
68をオンし(図33(b)参照)、エアーチューブ6
7、糸吸引器65、エアーチューブ67にエアー源から
のエアーを流し、吸引孔65aに挿入し押し込まれてい
た下糸150を、エアーの流れによってエアーノズル6
7aに導いてその糸端を該エアーノズル67aより露出
させる。この時、予め作業者が下糸緩み取り機構F1か
らの下糸を弛ませておいたり、順次手作業により送り出
したり、また繰り出しモータM3に従って繰り出しロー
ラ54により機械的に繰り出すようにすると、良好に糸
吸引器65の吸引孔65aからエアーノズル67aに下
糸を送ることができる。
【0146】また、この時、糸吸引器65の下糸供給経
路を構成する貫通孔65cが、上述のように直線状経路
となっている(経路が曲げられていない)ことから、吸
引口65aに挿入し押し込まれていた下糸150は糸抵
抗が極力少なくされてエアーノズル67aに向う。
【0147】そうしたら、ステップE6に進み、ステッ
プE6において、ノズル移動モータ69に前進信号を与
えエアーノズル67aをボビンケース2の開口部2A近
傍の作業位置に向わせる(図33(c)参照)。次い
で、ステップE7に進み、ステップE7において、繰り
出しモータM3をオンし(図33(a)参照)、下糸1
50を繰り出す。すると、図34に示されるように、エ
アーノズル67aから導出する下糸端部は、ばたつき等
が抑えられた状態でボビンケース2の開口部2Aから良
好にボビンケース2内に挿入(案内)されると共にボビ
ン軸下糸巻き付け側XXに案内され、ボビン軸7aの回
転とエアーにより形成される渦流との共働によってボビ
ン軸7aに絡み付く。
【0148】次いで、ステップE8に進み、ステップE
8において、繰り出しモータM3が規定ステップに達す
るまで待ってステップE9に進み、ステップE9におい
て、繰り出しモータM3をオフしてステップE10へ進
み、ステップE10において、フォトセンサ60からの
回転検出信号に従って、下糸150がボビン軸7aに絡
み付いたか否かを判定する。
【0149】すなわち、ステップE9において繰り出し
モータM3をオフしていることから、下糸がボビン軸7
aに絡み付いていない場合には、フォトセンサ60から
はパルスが出力されないが、下糸がボビン軸7aに絡み
付いた場合には、繰り出しローラ54が回転しフォトセ
ンサ60からはパルスが出力される。従って、繰り出し
モータM3をオフ後にフォトセンサ60からパルスが出
力されそのパルス数が巻き付き確認値(安全率を見込ん
だ値)に達したら、下糸150がボビン軸7aに絡み付
いたと判定できる。また、繰り出しモータM3をオフし
ていることから、ワンウェイクラッチにより、該繰り出
しモータM3の出力軸の回転は繰り出しローラ軸55に
対して遮断され、繰り出しローラ54は以降ボビン駆動
モータM2の回転速度で駆動される。
【0150】そして、ステップE10において、下糸1
50がボビン軸7aに絡み付いていない場合には、リト
ライすべくステップE11へ進み、ステップE11にお
いて、上記ボビン軸への下糸絡み付けに必要な動作を規
定回数行ったか否かすなわちリトライを規定回数行った
か否かを判定し、規定回数行っていない場合にはステッ
プE7にリターンし、再度ボビン軸への下糸絡み付けに
必要な動作を行う(図33の点線部分参照)。一方、ス
テップE11において、ボビン軸へのリトライを規定回
数行った場合には何らかの不具合によりボビン軸への下
糸絡み付けができないとしてステップE12に進み、ス
テップE12において、オペレーター介入フラグをセッ
トしてリターンする。
【0151】一方、ステップE10において、下糸15
0がボビン軸7aに絡み付いたと判定した場合には、ス
テップE13に進み、ステップE13において、ノズル
移動モータ69に後退信号を与えエアーノズル67aを
ボビンケース2の開口部2Aから退避位置に退避させる
と共に、電磁弁168をオフしてステップE14へ進
み、ステップE14において、図33(d)に示される
ように、ボビン駆動モータM2を低速から加速して高速
(上記リトライ動作をした場合には図33(d)の点線
部参照)にして下糸をボビン軸7aに巻回していく。
【0152】そして、ステップE15に進み、ステップ
E15において、繰り出しローラ54の回転計数(実際
にボビンに巻回されている下糸巻回量)RM≧設定回転
計数(設定した下糸巻回量)Rm−10回転か否かを判
定する。ここで、繰り出しローラ54の回転は、上述の
ように、フォトセンサ60により検出され、該フォトセ
ンサ60のパルス出力をカウンタ145により計数して
いることから、実際にボビンXに巻回されている下糸巻
回量(回転計数RM)が判るようになっている。また、
ボビンXに巻回されている下糸巻回量に対応する回転計
数RMは、下糸のボビン軸7aへの絡み付きを検出して
からカウントがなされるようになっている。
【0153】そして、ステップE15において、RM≧
Rm−10と判定した場合にはステップE16に進み、
ステップE16において、図33(d)に示されるよう
に、ボビン駆動モータM2を高速から減速して低速にし
この低速駆動を続行する。
【0154】そして、ステップE17に進み、ステップ
E17において、実際の回転計数RM=設定回転計数R
mか否かを判定し、RM=Rmと判定した場合にはステ
ップE18に進み、ステップE18において、ボビン駆
動モータM2を停止する。すると、それまでボビン駆動
モータM2を低速駆動していることから、駆動停止時点
でボビン回転が止まることになり、設定スイッチ152
cから入力された糸巻取り長さLmがボビンXに巻回さ
れることになる。なお、ボビン駆動モータM2を高速か
ら減速後に低速駆動するようにし、設定した糸巻取り長
さLmでボビン回転を止めるようにしているが、例えば
図33(d)の仮想線で示されるように、低速駆動域を
設けずに減速していって設定した糸巻取り長さLmでボ
ビン回転が0になるように制御しても良い。
【0155】このようにボビン7への下糸150の巻回
動作が自動的になされたら、ステップE19に進み、ス
テップE19において、下糸張力調整機構F3のスイッ
チをオフにし、上記ソレノイド推力をなくして下糸張力
を最大にした状態で、該ボビンケース2の開口部2Aよ
り導出する下糸150をボビンケース2に自動的に糸掛
けする。この時、上記と同様にステップ記憶を行う。
【0156】そして、先ず、動メス付き糸捌き116
を、図42に示される初期位置から半回転させ図43に
示される位置に回動する。すると、ボビンケース2の開
口部2Aから導出する下糸150が、V字状の切込み部
116Dの頂点に捕らえられて、該ボビンケース2の下
糸張力ばね側の糸掛け位置2Bに向かって移動する(図
43参照)
【0157】この時、糸掛け位置2Bに向かって移動す
る下糸は、糸掛けレバー124の傾斜面124Bに当接
し、該糸掛けレバー124を進行方向に押すが、該糸掛
けレバー124は、上述のように、捩じりばね125に
より進行方向とは逆方向に付勢されているので、図43
に示されるように、下糸150は糸掛けレバー124を
所定量進行方向に押した後に糸掛け位置2Bのスリット
2Cへと案内されることになる。その後、動メス付き糸
捌き116を逆半回転させて、該動メス付き糸捌き11
6を元の位置に戻す(図44参照)。
【0158】次いで、ワイパ130を、図45に示され
るように、初期位置から凡そ180°回転する。する
と、スリット2Cから導出する糸部分が、このワイパ1
30に引っ掛けられ、スリット2Cに進入していた下糸
部分は下糸張力ばね2Dの下に潜り込み導出孔2Eから
導出する。その後、ワイパ130を初期状態の位置に戻
す。
【0159】なお、本実施例に用いられるボビンケース
2には、図39に示されるように、開口部2Aより導出
する糸150を、該ボビンケース2の下糸張力ばね側の
糸掛け位置2Bに移動させやすくするために、面取り2
aが施されているが、この面取り2aに起因する縫い品
質の変化はない。また、開口部2Aより導出する糸15
0が糸掛け位置2Bに良好に移動するというのであれ
ば、この面取り2aはなくても良い。
【0160】このようにしてボビンケース2への糸掛け
動作が自動的になされたら、次いで、この糸掛けがなさ
れたボビンケース2へ供給される下糸の切断動作を行
う。先ず、下糸張力調整機構F3のスイッチをオンし、
上記ソレノイド推力を最大限に発生させて下糸張力を最
小とする。そうしたら、上記ステップE3で説明したの
と同様な糸切り動作を行い、ボビンケース2の下糸張力
ばね2D下の導出孔2Eから導出する下糸を切断する。
そして、ステップE20に進み、ステップE20におい
て、実際の回転計数RMを0にしてリターンする。
【0161】一方、ステップE10において、RM<R
m−10と判定された場合には、ステップE21に進
み、ステップE21において一定時間待ってステップE
22に進み、ステップE22において、繰り出しローラ
54の回転数が増加しているか否かを判定し、増加して
いる場合にはステップE15にリターンし、増加してい
ない場合には、ボビン軸への下糸絡み付き以降に何らか
の原因で例えばこの絡み付きが解除されたとしてステッ
プE23に進み、ステップE23において、下糸巻回リ
トライフラグをセットし下糸巻回動作を止めるべくステ
ップE16に進み、以降は同様なフローとなる。
【0162】また、ステップE17において、RM=R
mとならない場合には、ステップE24に進み、ステッ
プE24において一定時間待ってステップE25に進
み、ステップE25において、繰り出しローラ54の回
転数が増加しているか否かを判定し、増加している場合
にはステップE17にリターンし、増加していない場合
には、低速駆動後に何らかの原因で例えば上記絡み付き
が解除されたとしてステップE26に進み、ステップE
26において、下糸巻回リトライフラグをセットし下糸
巻回動作を止めるべくステップE18に進み、以降は同
様なフローとなる。
【0163】そうしたら、図14に示されるステップ3
4に進み、ステップ34において、オペレーター介入フ
ラグがセットされているか否かを判定し、セットされて
いないと判定した場合にはステップ35に進み、ステッ
プ35において、下糸巻回リトライフラグがセットされ
ているか否かを判定し、セットされている場合(図18
に示される下糸巻回処理ルーチンのステップE23、ス
テップE26でセットした場合)にはステップ36に進
み、ステップ36において、図20に示される下糸巻回
リトライ処理ルーチン(糸巻きリトライ処理ルーチン)
に移行する。
【0164】この下糸巻回リトライ処理ルーチンにあっ
ては、先ずステップF1において、メインルーチンステ
ップ記憶(下糸巻回リトライステップ記憶)を行って、
ステップF2に進み、ステップF2において、後続処理
を行う際における各搬送距離の最短距離を求めてステッ
プF3に進み、ステップF3において、ボビンXをダミ
ー軸6に対向する位置に回動してステップF4に進み、
ステップF4において、カウンタ145により計数され
る値RMが0か否かを判定し、0でない場合すなわちR
Mがカウントアップした場合には下糸巻回処理ルーチン
における糸切りに失敗したと判定する。
【0165】すなわち、糸切り動作を行ったにも拘らず
糸切りがなされていない場合にこのボビンケース2を回
動(移動)すると、糸巻き200からの下糸がボビンケ
ース2の移動により引っ張られて、RMがカウントアッ
プするので、これにより糸切り失敗と判定するようにな
っている。
【0166】そして、このような場合にあっては、オペ
レーター介入が必要だとしてステップF5に進み、ステ
ップF5において、オペレーター介入フラグをセットし
てリターンする。なお、ステップF3におけるボビンケ
ース2の移動はダミー軸6に対向する位置への移動に限
られるものではなく、例えば残糸除去位置Bに移動して
も良い。しかしながら、本実施例においては、ボビンケ
ースを最短距離で移動するようにしていることから、下
糸巻回位置Cから残糸除去装置Bへの回動は図52にお
ける反時計方向でなされることになり、このように回動
すると、ボビンケース2から導出する下糸の切断の有無
に拘らず、該ボビンケース2からの導出糸が、図48に
示されるローラ760に載る可能性がある。このような
状態になると、後続の残糸除去処理ルーチンにあってボ
ビンケース2からの導出糸をローラ760,761間に
挟持できなくなる畏れがあるので、本実施例において
は、それを回避すべく、図52における反時計方向に回
動してダミー軸6に対向する位置に移動しておいてか
ら、時計方向に回動して残糸除去位置Bに移動するよう
にしている。
【0167】そして、ステップF4において、カウンタ
145により計数される値RMが0の場合にはステップ
F6に進み、ステップF6において、上述のようにボビ
ンケースを残糸除去位置Bに移動してステップF7に進
み、ステップF7において、例えば下糸巻回中にボビン
軸への絡み付きが解除されてボビンケース内に残留して
いる残糸を除去すべく図19に示される残糸除去処理ル
ーチンに移行する。
【0168】この残糸除去処理ルーチンにあっては、ス
テップC1〜C11まで同様な処理を行い、ステップC
12において、下糸巻回リトライフラグをセットしてい
ることからステップC13へは進まずにそのままリター
ンする。すなわち、この下糸巻回リトライ処理での残糸
除去量は、実際の縫製を行ったボビンの残糸除去量では
ないことから、下糸巻回量の演算には必要がなく、従っ
てこのままリターンする。
【0169】そして、図20に示されるステップF8に
進み、ステップF8において、残糸除去処理ルーチンで
オペレーター介入フラグがセットされたか否かを判定
し、セットされている場合にはリターンし、一方セット
されていない場合にはステップF9に進み、ステップF
9において、ボビンケースを下糸巻回位置Cに移動して
ステップF10に進み、ステップF10において、図1
8に示される下糸巻回処理ルーチンに移行する。この下
糸巻回処理は上記したものと同様であるので、ここでの
説明は省略する。
【0170】そうしたら、ステップF11に進み、ステ
ップF11において、下糸巻回処理ルーチンでオペレー
ター介入フラグがセットされたか否かを判定し、セット
されている場合にはリターンし、一方セットされていな
い場合にはステップF12に進み、ステップF12にお
いて、下糸巻回リトライフラグがセットされているか否
かを判定し、セットされている場合すなわち下糸巻回リ
トライ処理を行ったにも拘らず再度下糸巻回リトライフ
ラグが下糸巻回リトライ処理ルーチンでセットされた場
合にはオペレーター介入が必要だとしてステップF13
に進み、ステップF13において、オペレーター介入フ
ラグをセットしてリターンする。また、ステップF12
において、下糸巻回リトライフラグがセットされていな
い場合、すなわち下糸巻回リトライ処理を行ったことに
より今度は下糸巻回が良好になされた場合にはそのまま
リターンする。
【0171】そうしたら、図14に示されるステップ3
7に進み、ステップ37において、オペレーター介入フ
ラグがステップ36でセットされなかったか否かが判定
され、セットされなかった場合にはステップ38に進
む。一方、ステップ35で下糸巻回リトライフラグがセ
ットされていない場合もステップ38に進み、ステップ
38において、図21に示される糸掛け、糸切り状態検
査処理ルーチンに移行する。
【0172】この糸掛け、糸切り状態検査処理ルーチン
にあっては、先ずステップG1において、メインルーチ
ンステップ記憶(糸掛け、糸切り状態検査処理ステップ
記憶)を行って、ステップG2に進み、ステップG2に
おいて、後続処理を行う際における各搬送距離の最短距
離を求めてステップG3に進み、ステップG3におい
て、ボビンXをダミー軸6に対向する位置に回動してス
テップG4に進み、ステップG4において、カウンタ1
45により計数される値RMが0か否かを判定し、0で
ない場合すなわちRMがカウントアップした場合には、
上記下糸巻回リトライ処理で説明したのと同様な理由
で、下糸巻回処理ルーチンまたは下糸巻回リトライ処理
ルーチンにおける糸切りに失敗したと判定し、オペレー
ター介入が必要だとしてステップG5に進み、ステップ
G5において、オペレーター介入フラグをセットしてリ
ターンする。なお、ステップG3におけるボビンXの移
動は、上記下糸巻回リトライ処理ルーチンで説明したの
と同様に、ダミー軸6に対向する位置への移動に限られ
るものではない。
【0173】そして、ステップG4において、カウンタ
145により計数される値RMが0の場合にはステップ
G6に進み、ステップG6において、ボビンケースを残
糸除去位置Bに移動してステップG7に進み、ステップ
G7において、糸掛けチェックフラグをセットしてステ
ップG8に進み、ステップG8において、図19に示さ
れる残糸除去処理ルーチンに移行する。因に、この残糸
除去処理ルーチンへの移行は残糸除去が目的ではない。
【0174】この残糸除去処理ルーチンにあっては、ス
テップC1〜C3まで同様な処理を行い、ステップC3
において、カウンタ146がカウントアップせずにボビ
ンが回転していない、すなわち残糸除去が行われていな
いと判定した場合には、ステップC4へ進み、ステップ
C4において、駆動モータ84を停止し駆動ローラ76
0を停止してステップC5へ進み、ステップC5におい
て、回動モータ94を逆駆動して従動ローラ761を待
機位置(初期位置)まで回動し退避させて、ステップC
6に進み、ステップC6において、糸端挟持処理を規定
回数行ったか否かすなわちリトライを規定回数行ったか
否かを判定し、規定回数行っていない場合にはステップ
C2にリターンし、規定回数行っている場合には糸掛け
または糸切りに失敗したと判定する。
【0175】すなわち、糸掛けに失敗し、図39に示さ
れるように、ボビン軸7aに巻回された下糸がボビンケ
ース開口部2Aから導出したままとなっている場合に
は、開口部2Aと動メス付き糸捌き116による下糸切
断点との距離が、下糸張力ばね2D下の導出孔2Eと動
メス付き糸捌き116による下糸切断点との距離に比し
て短くなることから、切断後にボビンケース2から導出
する下糸長さが短くなり、従ってローラ760,761
の間に導出する下糸端部を挟持できなくなり、これによ
りカウンタ146がカウントアップしないことから糸切
り失敗と判定するようになっている。
【0176】また、糸切りに失敗すると、エアーノズル
67aと下糸張力ばね2D下の導出孔2Eとの間の下糸
が張ってしまって、ローラ760,761の間で下糸を
挟持できなくなり、これによりカウンタ146がカウン
トアップしないことから糸切り失敗と判定するようにな
っている。そして、このような場合にあっては、ステッ
プC7に進み、ステップC7において、オペレーター介
入が必要だとしてオペレーター介入フラグをセットして
リターンする。
【0177】一方、ステップC3において、カウンタ1
46がカウントアップしてボビンが回転している、すな
わち残糸除去が行われている場合にはステップC8に進
み、ステップC8において、糸掛けチェックフラグがセ
ットされているか否かを判定し、セットされているので
ステップC15に進み、ステップC15において、駆動
モータ84を即座に停止し駆動ローラ760を停止して
ステップC16へ進み、ステップC16において、回動
モータ94を逆駆動して従動ローラ761を待機位置
(初期位置)まで回動し退避させて、ステップC17に
進み、ステップC17において、カウンタ145により
計数される値RMが0か否かを判定し、0でない場合す
なわちRMがカウントアップした場合には、糸切りに失
敗したと判定する。
【0178】すなわち、糸切りに失敗すると、エアーノ
ズル67aと下糸張力ばね2D下の導出孔2Eとの間の
下糸がローラ760,761の間に挟持される場合があ
り、このような状態になると、該ローラ760,761
により糸巻き200側の下糸が引き出されることからカ
ウンタ145の出力がカウントアップし、従って糸切り
に失敗したと判定するようになっている。このような場
合にあっては、ステップC18に進み、ステップC18
において、オペレーター介入が必要だとしてオペレータ
ー介入フラグをセットしてリターンする。また、ステッ
プC17において、カウンタ145により計数される値
RMが0の場合には糸掛け、糸切りが良好になされたと
してリターンする。
【0179】そして、図21に示されるステップG9に
進み、ステップG9において、糸掛けチェックフラグを
クリアしてステップG10に進み、ステップG10にお
いて、オペレーター介入フラグが上記残糸除去処理ルー
チンでの糸掛け、糸切りチェックでセットされたか否か
を判定し、ステップC7、ステップC18でセットされ
た場合にはリターンし、一方セットされていない場合に
はステップG11に進み、ステップG11において、ボ
ビンを下糸巻回位置Cに移動してステップG12に進
み、ステップG12において、上記ステップG8での残
糸除去処理ルーチンで所定長より余分にボビンケースか
ら引き出してしまった下糸を糸切り動作により切断す
る。この糸切り動作は、上記下糸巻回処理ルーチンで述
べたステップE3と同様である。
【0180】そして、ステップG13に進み、ステップ
G13乃至ステップG17において、上記ステップG1
2で切断されて落下しローラ760上に載っている余分
な下糸を排出する動作を行う。すなわち、ステップG1
3において、回動モータ94を駆動して従動ローラ76
1を軸87を支点としてゆっくりと回動してステップG
14に進み、ステップG14において、駆動モータ84
を駆動して駆動ローラ760を回転させてステップG1
5へ進み、ステップG15において、一定時間待ってス
テップG16に進み、ステップG16において、駆動モ
ータ84を停止して駆動ローラ760を停止させてステ
ップG17へ進み、ステップG17において、回動モー
タ94を逆方向に駆動して従動ローラ761を待機位置
(初期位置)まで回動し退避させる。このようにして、
切断された余分な下糸の排出がなされたらリターンす
る。
【0181】そして、図14に示されるステップ39に
進み、ステップ39において、オペレーター介入フラグ
が糸掛け、糸切り状態検査処理ルーチンでセットされた
か否かを判定し、セットされていない場合にはステップ
40に進み、ステップ40において、搬送最短距離を求
めてステップ41に進み、ステップ41において、ボビ
ンXを釜1に対向する位置の反対方向、すなわちダミー
軸6に対向する位置搬送しステップ記憶を行ってステッ
プ42に進む。
【0182】そして、ステップ42〜ステップ71の処
理を行うが、このステップ42〜ステップ71の処理
は、ステップ12〜ステップ41において行った処理を
ボビンX,2Yを入れ換えて行うようにしたものである
から、ここでの説明は省略する。
【0183】ところで、図5に示されるステップ10に
おいて、設定スイッチ252cによる糸番手、糸巻取り
長さに変更がある場合にはステップ77に進み、ステッ
プ77において、回動アーム70を釜側に前進させ、ボ
ビンケース把持手段により釜内のボビンXを保持し、回
動アーム70を直動退避位置に後退させて、該ボビンX
を釜内から取り出して図10に示されるステップ78に
進み、ステップ78において、ボビンXを残糸除去位置
Bに移動してステップ79に進み、ステップ79におい
て、図8に示されるボビンの初期化処理ルーチンに移行
する。
【0184】このボビンの初期化処理ルーチンにあって
は、先ずステップH1において、図9に示される糸端挟
持処理ルーチンに移行し、上記と同様に処理してステッ
プH2に進み、ステップH2において、一定時間待って
ステップH3に進み、ステップH3において、残糸除去
が完了しボビンが停止しているか否かを上記と同様にカ
ウンタ146から出力に基づいて判定し、停止していな
い場合にはステップ2に戻り、停止している場合にはス
テップH4に進み、ステップH4において、駆動モータ
84を停止して駆動ローラ760を停止させてステップ
H5へ進み、ステップH5において、回動モータ94を
逆方向に駆動して従動ローラ761を待機位置(初期位
置)まで回動し退避させる。そして、本実施例にあって
は、このボビンの初期化処理を3回行ってリターンす
る。
【0185】そして、図10に示されるステップ80に
進み、今度はボビンYを残糸除去位置Bに移動してステ
ップ81に進み、ステップ81において、上記のボビン
の初期化処理ルーチンをボビンYに対して行ってステッ
プ82に進み、ステップ82において、下糸自動供給装
置を自動でスタートさせる自動スタートモードが選択さ
れているか否かを判定し、自動スタートスイッチ252
baによる自動スタートモードが選択されていない場合
にはステップ83に進み、ステップ83において、回動
アーム70を退避位置に後退させて、さらに本実施例に
あっては、ボビンケース把持手段が下糸巻回位置Cに対
向するように回動させる。この理由に関しては、図13
のステップ16で説明した通りである。
【0186】そして、ステップ84へ進み、ステップ8
4において、マニュアルスタートスイッチ252bbを
オンしたか否かを判定し、オンしていない場合にはステ
ップ85に進み、ステップ85において、ミシン本体2
51にミシン動作を許可する信号を送出してステップ8
4にリターンし、マニュアルスタートスイッチ252b
bがオンされるまで同様な動作を繰り返す。従って、こ
の待機状態にあっては、オペレーターは手作業でボビン
を交換し、縫製を行うことになる。一方、ステップ84
において、マニュアルスタートスイッチ252bbをオ
ンしたと判定した場合には、ステップ86に進み、ステ
ップ86において、ミシン本体251にミシン動作を禁
止する信号を送出してステップ87に進み、ステップ8
7において、図22及び図23に示される機構部の初期
化ルーチンに移行する。この機構部の初期化ルーチンは
上述した通りである。
【0187】そして、機構部の初期化処理を行ったら図
11に示されるステップ88に進み、ステップ88にお
いて、設定スイッチ252cより入力された糸番手、糸
巻取り長さLmを読み込んでステップ89に進み、ステ
ップ89において、設定された糸巻取り長さLmを繰り
出しローラ54の回転数に換算する。すなわち、糸巻取
り長さLmをボビンに巻回するには繰り出しローラ54
を何回転させれば良いかという、その回転数Rmを算出
する。
【0188】そして、ステップ90に進み、ステップ9
0において、搬送最短距離を求めてステップ91へ進
み、ステップ91において、ボビンXを下糸巻回位置C
へ搬送すると共にステップ記憶してステップ92へ進
み、ステップ92において、図18に示される下糸巻回
位置処理ルーチンに移行する。そして、このステップ9
2〜ステップ99の処理は、図14に示した上述のステ
ップ33〜ステップ40において行った処理と同様であ
るので、ここでの説明は省略する。
【0189】そして、ステップ100に進み、ステップ
100において、下糸巻回のなされたボビンXを釜1に
搬送し装着してステップ101に進み、ステップ101
において、ミシン動作を許可して図12に示されるステ
ップ102に進み、ステップ102において、搬送最短
距離を求めてステップ103に進み、ステップ103に
おいて、今度はボビンYを下糸巻回位置Cへ搬送すると
共にステップ記憶してステップ104に進む。
【0190】そして、ステップ104〜ステップ111
の処理を行うが、このステップ104〜ステップ111
の処理は、ステップ92〜ステップ99において行った
処理をボビンX,2Yを入れ換えて行うようにしたもの
であるから、ここでの説明は省略する。そうしたら、ス
テップ112に進み、ステップ112において、ボビン
Yを釜1に対向する位置とは反対の方向、すなわちダミ
ー軸6に対向する位置に搬送すると共にステップ記憶し
て図13に示されるステップ12に進む。そして、以降
は上記と同様な処理となる。
【0191】ところで、図5に示されるステップ8にお
いて、ボビンXを把持している場合にはステップ113
に進み、ステップ113において、ボビンXを釜1に対
向する位置に対して回動方向における反対位置すなわち
ダミー軸6に対向する位置に回動してステップ114に
進み、ステップ114において、設定スイッチ252c
による糸番手、糸巻取り長さに変更があるか否かを判定
し、変更がない場合にはステップ115に進み、ステッ
プ115において、ミシンの動作を解除して図15に示
されるステップ42に進み、以降は上記と同様な処理と
なる。
【0192】一方、図5に示されるステップ114にお
いて、設定スイッチ252cによる糸番手、糸巻取り長
さに変更がある場合にはステップ116に進み、ステッ
プ116において、ボビンYを釜1内から取り出して図
10に示されるステップ78に進み、以降は上記と同様
な処理となる。
【0193】また、図5に示されるステップ7におい
て、下糸自動供給装置を自動でスタートさせる自動スタ
ートモードが選択されていない場合にはステップ117
に進み、ステップ117において、回動アーム70を退
避位置に後退させて、さらにボビンケース把持手段が下
糸巻回位置Cに対向するように回動させる。この理由に
関しては、図13のステップ16で説明した通りであ
る。
【0194】そして、ステップ118へ進み、ステップ
118において、マニュアルスタートスイッチ252b
bをオンしたか否かを判定し、オンしていない場合には
ステップ119に進み、ステップ119において、ミシ
ン本体251にミシン動作を許可する信号を送出してス
テップ118にリターンし、マニュアルスタートスイッ
チ252bbがオンされるまで同様な動作を繰り返す。
従って、この待機状態にあっては、オペレーターは手作
業でボビンを交換し、縫製を行うことになる。一方、ス
テップ118において、マニュアルスタートスイッチ2
52bbをオンしたと判定した場合には、ステップ12
0に進み、ステップ120において、ミシン本体251
にミシン動作を禁止する信号を送出してステップ121
に進み、ステップ121において、図22及び図23に
示される機構部の初期化ルーチンに移行する。この機構
部の初期化ルーチンは上述した通りである。
【0195】そして、機構部の初期化処理を行ったら図
16に示されるステップ122に進み、ステップ122
において、ボビンXを把持しているのか否かを判定し、
ボビンYを把持している場合にはステップ123に進
み、ステップ123において、ボビンYを釜1に対向す
る位置に対して回動方向における反対位置すなわちダミ
ー軸6に対向する位置に移動してステップ124に進
み、ステップ124において、ボビンXを釜1から取り
出してステップ125に進み、ステップ125におい
て、設定スイッチ252cより入力される糸番手、糸巻
取り長さLmに変更があるか否かを判定し、変更がない
場合には図13に示されるステップ20へ進み、以降は
上記と同様な処理を行う。
【0196】一方、ステップ125において、設定スイ
ッチ252cより入力される糸番手、糸巻取り長さLm
に変更がある場合には図10に示されるステップ78へ
進み、以降は上記と同様な処理を行う。
【0197】また、ステップ122において、ボビンX
を把持している場合にはステップ126に進み、ステッ
プ126において、ボビンXを釜1に対向する位置に対
して回動方向における反対位置すなわちダミー軸6に対
向する位置に移動してステップ127に進み、ステップ
127において、ボビンYを釜1から取り出してステッ
プ128に進み、ステップ128において、設定スイッ
チ252cより入力される糸番手、糸巻取り長さLmに
変更があるか否かを判定し、変更がない場合には図15
に示されるステップ50へ進み、以降は上記と同様な処
理を行う。
【0198】一方、ステップ128において、設定スイ
ッチ252cより入力される糸番手、糸巻取り長さLm
に変更がある場合には図10に示されるステップ78へ
進み、以降は上記と同様な処理を行う。
【0199】また、ステップ5において、ステップ記憶
がボビン交換要求ステップにないと判定した場合には図
7に示されるステップ129に進み、ステップ129に
おいて、ステップ記憶が下糸巻回ステップにあったか否
かを判定し、下糸巻回ステップにあった場合には、ステ
ップ130に進み、ステップ130において、どのよう
な状態になっているか判らないことから、とにかく糸切
り動作を上記と同様にして行ってステップ131に進
む。
【0200】一方、ステップ129において、ステップ
記憶が下糸巻回ステップにないと判定した場合にはステ
ップ132に進み、ステップ132において、ステップ
記憶が残糸除去ステップにあったか否かを判定し、残糸
除去ステップにないと判定した場合にはステップ131
に進み、残糸除去ステップにあると判定した場合にはス
テップ133に進み、ステップ133において、どのよ
うな状態になっているか判らないことから、とにかく上
記と同様なボビンの初期化処理を行ってステップ131
に進む。
【0201】そして、ステップ131において、ステッ
プ記憶を消去してステップ134に進み、ステップ13
4において、上記と同様な機構部の初期化を行い、ステ
ップ135に進む。また、上記全てのフロー中でオペレ
ーター介入フラグをセットした場合もこのステップ13
5に進む。
【0202】そして、ステップ135において、オペレ
ーターが介入するようにエラー表示を行うと共にエラー
ブザーをオンしてステップ136に進み、ステップ13
6において、オペレーター介入フラグをクリアしてステ
ップ137に進み、ステップ137において、ボビンケ
ース把持手段を例えばステップ16で説明したように直
動、回動共に退避位置に退避させてステップ138に進
み、ステップ138において、装置を停止してステップ
139に進み、ステップ139において、オペレーター
の介入を待つ。そして、オペレーターの介入により例え
ば不具合が処理されてオペレーターにより再開の指示が
あったらステップ141に進み、ステップ141におい
て、上記と同様な機構部の初期化を行ってステップ14
2に進み、ステップ142において、ステップ記憶があ
るか否かを判定する。
【0203】そして、ステップ142において、ステッ
プ記憶がある場合、すなわち動作中に何らかの不具合が
発生しオペレーター介入を必要としたが、このオペレー
ター介入により不具合が解消されて復帰したというよう
な場合には、記憶されている元のステップに戻るべくス
テップ143に進み、ステップ143において、ステッ
プ記憶が下糸巻回時であるか否かを判定し、下糸巻回時
である場合にはステップ144に進み、ステップ144
において、下糸巻回時の各ステップ記憶に基づいて、例
えばステップ91のステップ記憶がある場合にはステッ
プ90にリターンし、ステップ103のステップ記憶が
ある場合にはステップ102にリターンし、ステップ3
2のステップ記憶がある場合にはステップ31にリター
ンし、ステップ62のステップ記憶がある場合にはステ
ップ61にリターンする。
【0204】また、ステップ143において、ステップ
記憶が下糸巻回時にない場合、すなわち残糸除去時にあ
る場合にはステップ145に進み、ステップ145にお
いて、発生前のRmを再セットしてステップ146に進
み、ステップ146において、例えば上記オペレーター
介入によって残糸が抜かれたとして、下糸巻回を行うス
テップ31、ステップ61等にリターンする。
【0205】一方、ステップ142において、ステップ
記憶がない場合、すなわち図7に示したステップ131
のように強制的にステップ記憶を消去した場合や何らか
の原因でステップ記憶が消去されてしまった場合にはス
テップ2にリターンする。そして、ステップ3を介して
ステップ4に進み、ステップ4において、ステップ記憶
があるか否かを判定した場合に、ステップ記憶がないこ
とから図10に示されるステップ72に進む。また、装
置を一番最初にスタートした時も、ステップ記憶がない
ことからステップ1〜4を介してステップ72に進む。
【0206】そして、ステップ72において、上記と同
様にして機構部の初期化を行ってステップ73に進み、
ステップ73において、オペレーターが回動アーム側
(面部方向に対向する方向)から手を差し込んで、下糸
巻回済みのボビンを収容したボビンケースを、釜軸5に
装着するのと同様に、手の平を返すことなくダミー軸
6,6に押し込んで、一方のボビンケース2Xをダミー
軸6に装着し、例えば図示されない装着スイッチにより
ダミー軸6への装着を知らしめてステップ74に進む。
なお、上記ダミー軸6に代えて、マグネットによりボビ
ンケース2を磁気吸引してホルダ内に収容・保持するボ
ビンケース保持手段を用いても良い。また、ボビンケー
ス2Xをダミー軸6を含めたボビンケース保持手段に装
着せずに直接釜1に装着するようにしても良い。
【0207】そして、ステップ74に進み、ステップ7
4において、ボビンケース把持手段を、保持されている
ボビンケース2Xに対向させる。そして、回動アーム7
0を前進させて、保持されているボビンケース2Xを一
方のボビンケース把持手段に把持させ、その後後退させ
ることによって取り出してステップ75に進み、ステッ
プ75において、今度はボビンケース2Yをボビンケー
ス保持手段または釜1に装着してステップ76に進み、
ステップ76において、ボビンケース把持手段を、保持
されているボビンケース2Yに対向させ、回動アーム7
0を前進させて、保持されているボビンケース2Yを他
方のボビンケース把持手段に把持させ、その後後退させ
ることによって取り出してステップ78に進む。以降は
上記と同様な処理となる。
【0208】このように、本実施例においては、例えば
装置を最初にスタートした時または何らかの理由で動作
ステップ記憶手段に動作ステップを記憶していない時
に、装置をスタートした場合に、全体制御手段1250
により、釜内またはボビンケース保持手段6に保持され
たボビンケース2Xを取り出すボビンケース取り出し動
作、取り出されたボビンケース2Xに収容されたボビン
の残糸を除去する残糸除去動作、残糸が除去されたボビ
ンに下糸を巻回する下糸巻回動作、ボビンに巻回された
た下糸をボビンケース2Xに糸掛けする糸掛け動作、糸
掛けされボビンケース2Xより導出する下糸を糸切りす
る糸切り動作、下糸が巻回され糸切りされたボビンを収
容するボビンケース2Xを釜1に装着する装着動作、を
この順で繰り返し行い、電源オフ後の装置再スタートを
含む装置スタートを行った時に、その後の動作が所望の
ものとなるよう最適に制御するよう構成しているので、
装置の信頼性を向上することが可能となっている。
【0209】また、本実施例においては、各動作ステッ
プを記憶する動作ステップ記憶手段により記憶された動
作ステップが電源オフ時にボビンを交換するボビン交換
ステップにあり、装置を再スタートした時に自動スター
トモードになっておらず、糸番手、糸巻き取り長さ等の
外部入力手段としての設定スイッチ252cによる下糸
巻回量に変更がない場合には、全体制御手段1250に
より、釜内のボビンケース2Xに対して取り出し動作を
行い、待機中の下糸が巻回されたボビンを収容するボビ
ンケース2Yに対してそのまま装着動作を行い、取り出
されたボビンケース2Xに対して残糸除去動作以降の一
連の動作を同様にして行い、電源オフ後の装置再スター
トを行った時に、その後の動作が所望のものとなるよう
最適に制御するよう構成しているので、装置の信頼性を
向上することが可能となっている。
【0210】また、本実施例においては、各動作ステッ
プを記憶する動作ステップ記憶手段により記憶された動
作ステップが電源オフ時にボビンを交換するボビン交換
ステップにあり、装置を再スタートした時に自動スター
トモードになっていて、糸番手、糸巻き取り長さ等の外
部入力手段としての設定スイッチ252cによる下糸巻
回量に変更がない場合には、全体制御手段1250によ
り、ボビン交換要求待ちとなり、電源オフ後の装置再ス
タートを行った時に、その後の動作が所望のものとなる
よう最適に制御するよう構成しているので、装置の信頼
性を向上することが可能となっている。
【0211】また、本実施例においては、各動作ステッ
プを記憶する動作ステップ記憶手段により記憶された動
作ステップが電源オフ時にボビンを交換するボビン交換
ステップにあり、装置を再スタートし、糸番手、糸巻き
取り長さ等の外部入力手段としての設定スイッチ252
cによる下糸巻回量に変更がある場合には、全体制御手
段1250により、待機中のボビンケース2Yに対して
残糸除去動作以降の一連の動作を同様にして行って変更
した下糸巻回量をボビンに巻回し、釜内のボビンケース
2Xに対して取り出し動作以降の一連の動作を同様にし
て行って変更した下糸巻回量をボビンに巻回し、何れか
一方のボビンケース2X,2Yに対して装着動作を行
い、電源オフ後の装置再スタートを行った時に、その後
の動作が所望のものとなるよう最適に制御するよう構成
しているので、装置の信頼性を向上することが可能とな
っている。
【0212】また、本実施例においては、各動作ステッ
プを記憶する動作ステップ記憶手段により記憶された動
作ステップが電源オフ時に残糸除去動作または下糸巻回
動作の何れかにあり、装置を再スタートした場合に、全
体制御手段1250により、エラー表示を行って、例え
ば作業者の介入待ちとして種々の対処を可能とするよう
構成しているので、結果的に最適な手順となり、装置の
信頼性を向上することが可能となっている。
【0213】また、本実施例においては、動作実行時に
不具合が発生して装置を停止し、例えば作業者が介入し
て不具合を解消し、装置を再スタートした場合に、全体
制御手段1250により、動作ステップ記憶手段により
記憶された装置停止前の動作ステップに基づいたステッ
プに帰還して以降の一連の動作を同様にして行い、電源
オフ後の装置再スタートを行った時に、その後の動作が
所望のものとなるよう最適に制御するよう構成している
ので、装置の信頼性を向上することが可能となってい
る。
【0214】また、本実施例においては、装置がスター
トしたら、全体制御手段1250により、ボビンケース
取り出し動作、残糸除去動作、下糸巻回動作、糸掛け動
作、糸切り動作、装着動作を選択して行い、電源オフ後
の装置再スタートを含む装置スタートを行った時に、そ
の後の動作が所望のものとなるよう最適に制御するよう
構成しているので、装置の信頼性を向上することが可能
となっている。
【0215】また、本実施例においては、ボビンケース
把持手段の回動方向の原点位置を、ボビン交換装置制御
手段261に従って第2移動手段としての回動モータ2
0により順次回転方向を逆にして回転することによって
検索し、ボビンケース把持手段に対する配線類の捩じれ
を大幅に低減するよう構成しているので、例えば断線等
が引き起こされる畏れがなく、信頼性を向上することが
可能となっている。
【0216】また、本実施例においては、ボビンケース
把持手段の回動方向の原点位置の検索を、ボビン交換装
置制御手段261に従って第1移動手段としての移動モ
ータ18により軸線方向において反釜側に退避させた退
避位置で行い、ボビンケース把持手段の回動方向におけ
る原点位置の検索時に、該ボビンケース把持手段が、例
えば釜等の何らかの障害物に接触しないよう構成してい
るので、さらに原点検索を良好に行うことが可能となっ
ている。
【0217】また、本実施例においては、作業者の介入
が必要になると、ボビン交換装置制御手段261に従っ
て第1移動手段としての移動モータ18によりボビンケ
ース把持手段を軸線方向における反釜側の退避位置に退
避させ、ボビンケース把持手段と釜1との間の空間を最
大にして、必要とされる処置を簡易に行い得るよう構成
しているので、作業効率の向上が図ることが可能となっ
ている。
【0218】また、本実施例においては、ボビンケース
把持手段の退避位置における回動方向の位置を、ボビン
交換装置制御手段261に従って第2移動手段としての
回動モータ20により釜1に対向する位置から外した位
置とし、特に釜内のボビンケースに対して処置を施す場
合に、その処置を簡易に行い得るよう構成しているの
で、釜内のボビンケースに対して処置を施す場合に、そ
の作業効率の向上をさらに図ることが可能となってい
る。
【0219】また、本実施例においては、糸切り機構に
よる糸切り動作が実行されたボビンケースを把持するボ
ビンケース把持手段を、糸切り動作後に、ボビン交換装
置制御手段261に従ってボビン交換装置160により
移動し、この時、糸切りがなされていないと下糸供給源
としての糸巻き200からの下糸はボビンケース把持手
段の移動により引っ張られて、下糸供給検出手段として
のカウンタ145により糸巻き200からの下糸供給が
検出されることから、判定手段(全体制御手段)125
0により糸切り機構による糸切り失敗と判定し、例えば
装置を停止して、糸切り不良に起因する不具合の発生を
防止可能に構成しているので、信頼性を向上することが
可能となっている。
【0220】また、本実施例においては、糸切り機構に
よる糸切り動作が実行されたボビンケースを把持するボ
ビンケース把持手段を、糸切り動作後に、ボビン交換装
置制御手段261に従ってボビン交換装置160により
下糸引き出し位置としての残糸除去位置Bに移動して引
き出し手段としての残糸除去装置161による糸引き出
し動作を行わせ、この時、糸切りがなされておらず糸巻
き200からの下糸が残糸除去装置161による糸引き
出し動作により引き出されると、下糸供給検出手段とし
てのカウンタ145により糸巻き200からの下糸供給
が検出されることから、判定手段(全体制御手段)12
50により糸切り機構による糸切り失敗と判定し、例え
ば装置を停止して、糸切り不良に起因する不具合の発生
を防止可能に構成しているので、信頼性を向上すること
が可能となっている。
【0221】また、本実施例においては、糸掛け機構に
より糸掛け動作が実行された後に糸切り機構による糸切
り動作が実行されたボビンケースを把持するボビンケー
ス把持手段を、糸切り動作後に、ボビン交換装置制御手
段261に従ってボビン交換装置160により下糸引き
出し位置としての残糸除去位置Bに移動して引き出し手
段としての残糸除去装置161による糸引き出し動作を
行わせ、ボビンに巻回された下糸が糸掛けされずにボビ
ンケース開口部2Aから導出していると糸切り機構の糸
切り動作によってその導出長が短くされて残糸除去装置
161による糸引き出し動作により引き出されず、また
糸切りがなされておらずボビンケース2から導出する糸
巻き200からの下糸が残糸除去装置161による糸引
き出し動作により引き出されないと、残糸除去装置16
1による下糸引き出し時のボビン回転を検出するボビン
回転検出手段としてのカウンタ146によりボビン回転
が検出されないことから、判定手段(全体制御手段)1
250により糸切り機構による糸切り失敗または糸掛け
機構による糸掛け失敗と判定し、例えば装置を停止し
て、糸掛けまたは糸切り不良に起因する不具合の発生を
防止可能に構成しているので、信頼性を向上することが
可能となっている。
【0222】また、本実施例においては、残糸除去装置
161による残糸除去動作後に、当該動作に拘らずボビ
ンケース2から導出する下糸を切断し、この導出する残
糸に起因する不具合の発生を防止するよう構成している
ので、信頼性を向上することが可能となっている。
【0223】また、本実施例においては、残糸除去装置
161による残糸除去動作後に、ボビンケース2を下糸
巻回位置Cに移動し、そこの糸切り機構によりボビンケ
ース2から糸絡みによって残糸除去できずに導出してい
る下糸を切断し、切断手段を新たに設ける必要がないよ
う構成しているので、装置の低コスト化を図ることが可
能となっている。
【0224】また、本実施例においては、残糸除去量検
出手段としてのカウンタ146によって残糸除去装置1
61による実際の残糸除去量を検出し、判定手段(全体
制御手段)1250により、この実際の残糸除去量と設
定された残糸除去量とを比較して、例えば実際の残糸除
去量が設定された残糸除去量より多い場合には、例えば
残糸を除去したボビンによる縫製が不具合であったと判
定し、残糸除去量に基づいて縫製の不具合を検出可能と
するよう構成しているので、信頼性をさらに向上するこ
とが可能となっている。
【0225】また、本実施例においては、残糸除去量検
出手段としてのカウンタ146によって残糸除去装置1
61による実際の残糸除去量を検出し、判定手段(全体
制御手段)1250により、この実際の残糸除去量と設
定された残糸除去量とを比較して、例えば実際の残糸除
去量が設定された残糸除去量より少ない場合には、例え
ば残糸除去装置による残糸除去中に糸切れが生じたと判
定し、残糸除去量に基づいて残糸除去動作中の糸切れを
検出可能とするよう構成しているので、信頼性をさらに
向上することが可能となっている。
【0226】また、本実施例においては、下糸巻回装置
162によるボビンへの下糸巻回時に、下糸供給検出手
段としてのカウンタ145により糸巻き200からの下
糸供給を検出しないと、全体制御手段1250により、
該ボビンケース2に対して糸掛け、糸切りを行わせ、こ
のボビンケース2を残糸除去位置Bに移動して残糸除去
装置161による残糸除去を行わせてボビンケース内に
残留する下糸を除去し、このボビンケース2を下糸巻回
位置Cに移動して下糸巻回装置162による下糸巻回を
再度行わせ、すなわちリトライ動作を行わせ、作業者の
介入を極力排除するよう構成しているので、自動化率を
向上することが可能となっている。
【0227】また、本実施例においては、下糸巻回装置
162によるボビンへの下糸再巻回時(リトライ動作
時)に下糸供給検出手段としてのカウンタ145により
下糸供給を検出しないと、全体制御手段1250によ
り、作業者の介入が必要となるような不具合が生じたと
してエラー表示を行うよう構成しているので、例えばこ
の不具合が原因となって他の不具合が引き起こされると
いうことがなく、信頼性を向上することが可能となって
いる。
【0228】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例え
ば、上記実施例においては、部品点数を減少し低コスト
化を図ると共にボビンケース把持手段の移動動作を短縮
する目的から、残糸除去装置161の糸引き出し動作に
より、上記糸掛けまたは糸切り不良を検出するようにし
ているが、この残糸除去装置161とは別に、糸掛けま
たは糸切り不良検出専用の糸引き出し手段を設けるよう
にしても良い。
【0229】また、上記実施例においては、ダミー軸6
に対向する位置にボビンケースを移動して糸切り失敗を
検出し、その後残糸除去位置Bにボビンケースを移動し
て糸掛けまたは糸切り失敗を検出するようにしているが
(理由については上記参照)、例えば残糸除去位置Bで
上記2通りの失敗検出を行うようにしても良い。このよ
うに同一位置で2通りの不良を検出できるようにすれ
ば、ボビンケース把持手段の移動動作を短縮することが
可能となる。
【0230】また、上記実施例においては、残糸除去装
置161により残糸除去動作後に、下糸絡まりを検出す
ることなく必ず糸切り機構により切断を行うようにして
いるが、例えば残糸除去時に下糸絡まりによってボビン
ケースから導出する下糸を検出可能なセンサを設け、こ
のセンサ出力に応じて切断動作の有無を決定する、すな
わち下糸絡まりが検出されない場合には切断動作を行わ
せないというようにしても良い。また、下糸巻回装置1
62の動メス付き糸捌き116、固定メス91により、
下糸絡まりよって導出する糸を切断するようにしている
が、例えば新たに切断機構を付設し、この切断機構、ボ
ビンケース把持手段、残糸除去装置161の少なくとも
一つ以上を移動することによる相対的移動によって、残
糸除去装置による残糸除去動作後に、当該動作に拘らず
ボビンケース2から導出する下糸を切断するようにして
も良い。
【0231】また、上記実施例においては、ボビンケー
ス把持手段の移動動作を短縮することを目的として、ボ
ビンケースの下糸巻回位置、糸掛け位置、糸切り位置を
同じとしているが、別々にしても本発明効果の要旨が妨
げられるものではない。
【0232】また、上記実施例においては、装置を低コ
スト化する目的で糸掛け装置、糸切り装置のその主要部
(動メス付き糸捌き116)を兼用としているが、別々
にしても本発明効果の要旨が妨げられるものではない。
【0233】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1のボビン交
換装置によれば、ボビンケース把持手段の回動方向の原
点位置を、ボビン交換装置制御手段に従って第2移動手
段により順次回転方向を逆にして回転することによって
検索し、ボビンケース把持手段に対する配線類の捩じれ
を大幅に低減するよう構成したものであるから、例えば
断線等が引き起こされる畏れがなく、信頼性を向上する
ことが可能となる。
【0234】また、請求項2のボビン交換装置によれ
ば、請求項1に加えて、ボビンケース把持手段の回動方
向の原点位置の検索を、ボビン交換装置制御手段に従っ
て第1移動手段により軸線方向において反釜側に退避さ
せた退避位置で行い、ボビンケース把持手段の回動方向
における原点位置の検索時に、該ボビンケース把持手段
が、例えば釜等の何らかの障害物に接触しないよう構成
したものであるから、請求項1の効果に加えて、原点検
索を良好に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における下糸自動供給装置の
全体構成図である。
【図2】図1のCPU内の構成を具体的に表した制御ブ
ロック図である。
【図3】図2の下糸巻回装置制御手段の構成を具体的に
表した制御ブロック図である。
【図4】同上下糸自動供給装置の動作手順全体の大まか
な流れを表したフローチャートである。
【図5】同上下糸自動供給装置の動作手順を詳細に表し
たフローチャートである。
【図6】フローチャート中の符号15以降の動作手順を
詳細に表したフローチャートである。
【図7】フローチャート中の符号11以降の動作手順を
詳細に表したフローチャートである。
【図8】ボビンの初期化ルーチンを表したフローチャー
トである。
【図9】糸端挟持処理ルーチンを表したフローチャート
である。
【図10】フローチャート中の符号12以降の動作手順
を詳細に表したフローチャートである。
【図11】図10に続くフローチャートである。
【図12】図11に続くフローチャートである。
【図13】図12に続くフローチャートである。
【図14】図13に続くフローチャートである。
【図15】図14に続くフローチャートである。
【図16】図15に続くフローチャートである。
【図17】フローチャート中の符号6以降の動作手順を
詳細に表したフローチャートである。
【図18】糸巻き処理ルーチンを表したフローチャート
である。
【図19】残糸除去処理ルーチンを表したフローチャー
トである。
【図20】糸巻きリトライ処理ルーチンを表したフロー
チャートである。
【図21】糸掛け、糸切り状態の検査処理ルーチンを表
したフローチャートである。
【図22】機構部の初期化ルーチンを表したフローチャ
ートである。
【図23】図22に続くフローチャートである。
【図24】同上下糸自動供給装置を備えたミシンの全体
正面図である。
【図25】同上ミシンを面部に対向する方向から見た図
である。
【図26】同上下糸自動供給装置に採用された下糸巻回
装置におけるボビン駆動手段、動メス付き糸捌きを駆動
する駆動手段の上面図である。
【図27】同上下糸巻回装置における案内手段の上面図
である。
【図28】同上案内手段を面部に対向する方向から見た
図である。
【図29】同上下糸巻回装置における糸張力付与手段を
面部に対向する方向から見た図である。
【図30】同上糸張力付与手段の下面図である。
【図31】同上ボビン駆動手段の斜視図である。
【図32】同上案内手段における下糸吸引器の横断面図
である。
【図33】同上下糸巻回装置の動作を説明するためのタ
イミングチャートである。
【図34】同上案内手段のその先端の下糸絡み付け時に
おけるボビンケース及びボビン軸に対する位置関係を表
した説明図である。
【図35】ボビン軸の下糸巻き付け側を説明するための
図である。
【図36】同上動メス付き糸捌きの斜視図である。
【図37】同上下糸巻回装置に付設される糸掛けレバー
の上面図である。
【図38】図37の横断面図である。
【図39】同上実施例に採用されたボビンケースの斜視
図である。
【図40】同上糸張力付与手段における繰り出しローラ
の回転検出手段の正面図である。
【図41】同上繰り出しローラの回転時に検出される波
形図である。
【図42】同上下糸巻回装置により下糸が巻回された状
態を表した下糸巻回装置の要部の正面図である。
【図43】ボビンケースのスリットへの下糸案内動作を
表した下糸巻回装置の要部の上面図である。
【図44】図43のスリットへの下糸案内動作に続く下
糸案内動作を表した下糸巻回装置の要部の上面図であ
る。
【図45】ボビンケースの下糸張力ばね下への下糸掛け
動作を表した下糸巻回装置の要部の正面図である。
【図46】下糸切断動作を表した下糸巻回装置の要部の
正面図である。
【図47】同上下糸自動供給装置に採用された残糸除去
装置の平面図である。
【図48】同上残糸除去装置の動作を説明するために図
47の要部のみを表した各背面説明図である。
【図49】同上残糸除去装置の動作を説明するためのタ
イミングチャートである。
【図50】本実施例に用いられるボビンの回転検出手段
側の正面図である。
【図51】同上ボビンの回転時に検出される波形図であ
る。
【図52】同上下糸自動供給装置を面部に対向する方向
から見た概略構成図である。
【図53】同上下糸自動供給装置に用いられるボビン交
換装置を面部に対向する方向から見た図である。
【図54】同上ボビン交換装置の上面図である。
【図55】同上ボビン交換装置の背面図である。
【図56】同上ボビン交換装置の正面図である。
【図57】ダミーポジション及びダミー軸を説明するた
めの概略正面図である。
【符号の説明】
1 釜 2,2X,2Y ボビンケース 5 釜軸 7 ボビン 18 第1移動手段 20 第2移動手段 150 下糸 160 ボビン交換装置 261 ボビン交換装置制御手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボビンを収容したボビンケースを把持ま
    たは開放可能なボビンケース把持手段、 このボビンケース把持手段をミシンの釜軸に平行な軸線
    方向に移動させる第1移動手段、 該ボビンケース把持手段をミシンの釜軸に平行する軸を
    中心に回転させる第2移動手段、 前記第1、第2移動手段の駆動を制御するボビン交換装
    置制御手段、とをして、 前記ボビンケース把持手段を軸線方向に移動して該ボビ
    ンケース把持手段がミシンの釜からボビンケースを抜き
    出し、該ボビンケース把持手段を回転して下糸巻回済み
    のボビンを収容したボビンケースを釜に対向させてから
    軸線方向に移動して該ボビンケースを釜に装着するよう
    にしたボビン交換装置において、 前記ボビンケース把持手段の回動方向の原点位置を、前
    記ボビン交換装置制御手段に従って前記第2移動手段に
    より順次回転方向を逆にして回転させることによって検
    索することを特徴とするボビン交換装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のボビン交換装置におい
    て、 ボビンケース把持手段の回動方向の原点位置の検索を、
    ボビン交換装置制御手段に従って第1移動手段により軸
    線方向において反釜側に退避させた退避位置で行うよう
    にしたことを特徴とするボビン交換装置。
JP6680695A 1995-02-28 1995-02-28 ボビン交換装置 Pending JPH08229272A (ja)

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JP6680695A JPH08229272A (ja) 1995-02-28 1995-02-28 ボビン交換装置

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JP20037495A Division JPH08229268A (ja) 1995-07-13 1995-07-13 下糸自動供給装置
JP20037595A Division JPH08229269A (ja) 1995-07-13 1995-07-13 下糸自動供給装置

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