JP4357307B2 - 断熱残存型枠パネルの製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、断熱残存型枠パネルの製造方法に関し、残存型枠となる断熱材と打設されるコンクリートとの間に別部材などを設けることなく接着性を向上させ、しかも型成形により効率的に製造できるようにしたもので、ビルや家屋の内断熱や外断熱に用いて好適なものである。
従来から鉄筋コンクリート造りのビルや家屋などの建築物では、省エネルギーと快適居住のためコンクリートの内側や外側に断熱材を取り付ける内断熱や外断熱の断熱施工が行われており、施工を容易とするため断熱効果の高い発泡プラスチック断熱材と補強面材とからなるパネルとを一体化した型枠兼用の断熱残存型枠パネルが用いられている。
例えば内断熱とする場合には、図7に示すように、建築物の内側に断熱残存型枠パネル1を配置し、外側に外型枠2を配置してセパレータ3でコンクリート打設用の空間を設け、それぞれの外側に横端材4を当てるとともに、これら横端材4をファームタイ5で固定する。
そして、断熱残存型枠パネル1と外型枠2とで囲まれる空間内にコンクリート6を打設した後、外型枠2だけを取り外して断熱残存型枠パネル1の内側の断熱パネル1aをそのまま残して断熱材として使用するようにしている。
このような断熱残存型枠パネルでは、断熱材として発泡プラスチックボード、例えば大型のブロックから所望の厚みに裁断した発泡ポリスチレンボードが用いられ、裁断面のポリスチレンのセルとセルの間の小さな穴にコンクリートのノロが入り込むようにして発泡ポリスチレンボードとコンクリートとの接着強度の向上を図るようにしている。
一方、この発泡ポリスチレンボードは釘打ち能力や釘の保持力などに乏しく、パネルの建て込み精度を出し難いことから、発泡ポリスチレンボードの片面側に複数の桟木が取り付けられる。
この発泡ポリスチレンボードへ桟木を固着のため、発泡ポリスチレンボードの片面側に複数の溝を加工して桟木を固着一体化しようにすると、裁断された発泡ポリスチレンボードに溝を後で加工する必要があり、加工に手間がかかり生産効率が低く、経済的にも好ましくない。
そこで、発泡ポリスチレンボードを型成形し、成形と同時に溝を形成することが考えられるが、型成形すると、成形品の表面全体が硬化したスキン層となり、セルとセルの間の小さな穴がなくなってコンクリートとの接着強度が著しく低下してしまう。
このため、発泡ポリスチレンボードとコンクリートとの接着性を向上するため、種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1の型枠兼用断熱ボードでは、コンクリートとの接着面に不織布シートを設けてコンクリートとの接着性を向上するようにしている。
また、特許文献2の型枠兼用断熱パネルでは、発泡ポリスチレン系樹脂フォームの片面に網材を設けてコンクリートとの接着性を向上するようにしている。
さらに、特許文献3の型枠兼用断熱パネルでは、断熱層の裏面側に軟質面材を設けてコンクリートとの接着性を向上するようにしている。
また、特許文献4の型枠兼用断熱パネルでは、桟木取付け用の凹溝に所定深さの凹陥部を形成し、その底部に貫通孔を形成しておき、桟木に釘などの突起体を取り付けて貫通孔に位置させるようにし、打設されるコンクリートを流し込んでアンカーとして機能させるようにしている。
特開平6−294167号公報 特開平7−82808号公報 特開平7−259226号公報 特開2002−201748号公報
ところが、発泡ポリスチレンボードに別の材料である不織布シートや網材、あるいは軟質面材などを取り付けるものでは、製造工程がその分だけ増大するとともに、コストの増大を招くという問題がある。
一方、桟木に釘などの突起体を取り付けてアンカーとして機能させるものでは、釘などを多数取り付けるために多大な工数を必要とし、製造効率が悪いという問題があるとともに、桟木の配設ピッチが広い場合には、部分的に接着性が不十分となる場合がある。
また、アンカーとして機能する凹陥部には、断熱材が存在しないため、断熱性能の低下を招く。
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、残存型枠となる断熱材と打設されるコンクリートとの間に別部材などを設けることなく接着性を向上させ、しかも型成形により効率的に製造することができる断熱残存型枠パネルの製造方法を提供しようとするものである。
上記課題を解決するため、この発明の請求項1記載の断熱残存型枠パネルの製造方法は、打設されるコンクリートの型枠とされるとともに、そのままコンクリートと一体に断熱材が残される断熱残存型枠パネルを製造するに際し、固定金型と移動金型とを用い、断熱材となる発泡ポリスチレンボードの全表面にスキン層を形成するとともに、この発泡ポリスチレンボードの一方面に桟木を固定する桟木固定溝を形成し、他方面に前記コンクリートのアンカー部となる表面が開口し表面側の狭幅部の幅よりも内部に広幅部を備えこれらの寸法差を2〜10mmとしたアンカー凹部を前記発泡ポリスチレンボードの密度を15〜40kg/m3として前記固定金型および前記移動金型から脱型可能に形成するようにしたことを特徴とするものである。
この断熱残存型枠パネルの製造方法によれば、打設されるコンクリートの型枠とされるとともに、そのままコンクリートと一体に断熱材が残される断熱残存型枠パネルを製造するに際し、固定金型と移動金型とを用い、断熱材となる発泡ポリスチレンボードの全表面にスキン層を形成するとともに、この発泡ポリスチレンボードの一方面に桟木を固定する桟木固定溝を形成し、他方面に前記コンクリートのアンカー部となる表面が開口し表面側の狭幅部の幅よりも内部に広幅部を備えこれらの寸法差を2〜10mmとしたアンカー凹部を前記発泡ポリスチレンボードの密度を15〜40kg/m3として前記固定金型および前記移動金型から脱型可能に形成するようにしており、固定金型と移動金型とを用いて発泡ポリスチレンボードの一方面に型成形で形成した桟木固定溝に桟木を取り付けることで、型成形によるスキン層が表面全体にできてもコンクリートとの接着性を確保し、他方面に表面が開口し表面側の狭幅部の幅より内側に広幅部を備えこれらの寸法差を2〜10mmとしたアンカー凹部を前記発泡ポリスチレンボードの密度を15〜40kg/m3として型成形することで、アンカー凹部に、打設されるコンクリートを流し込んでアンカーとして機能させることができ、表面が開口し表面側の狭幅部の幅より内側に広幅部を備えるアンカー凹部を型成形しても脱型することが可能となり、効率よく生産できるようにしている。
また、この発明の請求項2記載の断熱残存型枠パネルの製造方法は、請求項1記載の構成に加え、前記他方面のアンカー凹部が、前記一方面の桟木固定溝とずらして形成してあることを特徴とするものである。
この断熱残存型枠パネルの製造方法によれば、前記他方面のアンカー凹部が、前記一方面の桟木固定溝とずらして形成してあり、断熱材となる発泡ポリスチレンボードの厚さを確保しながら、アンカー凹部と桟木固定溝を成形できるようにしている。
さらに、この発明の請求項3記載の断熱残存型枠パネルの製造方法は、請求項1または2記載の構成に加え、前記他方面のアンカー凹部が連続した溝で構成してあることを特徴とするものである。
この断熱残存型枠パネルの製造方法によれば、前記他方面のアンカー凹部を連続した溝で構成するようにしており、打設されるコンクリートとの接着強度に必要なアンカーとして機能させることができ、成形も容易にできるようにしている。
また、この発明の請求項4記載の断熱残存型枠パネルの製造方法は、請求項1または2記載の構成に加え、前記他方面のアンカー凹部を断続して複数個形成するようにしたことを特徴とするものである。
この断熱残存型枠パネルの製造方法によれば、前記他方面のアンカー凹部を断続して複数個形成するようにしており、断続して形成したアンカー凹部を型成形しても型を脱型できるようにし、しかもアンカーとして必要な接着強度を確保できるようにしている。
この発明の請求項1記載の断熱残存型枠パネルの製造方法によれば、打設されるコンクリートの型枠とされるとともに、そのままコンクリートと一体に断熱材が残される断熱残存型枠パネルを製造するに際し、固定金型と移動金型とを用い、断熱材となる発泡ポリスチレンボードの全表面にスキン層を形成するとともに、この発泡ポリスチレンボードの一方面に桟木を固定する桟木固定溝を形成し、他方面に前記コンクリートのアンカー部となる表面が開口し表面側の狭幅部の幅よりも内部に広幅部を備えこれらの寸法差を2〜10mmとしたアンカー凹部を前記発泡ポリスチレンボードの密度を15〜40kg/m3として前記固定金型および前記移動金型から脱型可能に形成するようにしたので、固定金型と移動金型とを用いて発泡ポリスチレンボードの一方面に型成形で形成した桟木固定溝に桟木を取り付けることで、型成形によるスキン層が表面全体にできてもコンクリートとの接着性を確保することができ、他方面に表面が開口し表面側の狭幅部の幅より内側に広幅部を備えこれらの寸法差を2〜10mmとしたアンカー凹部を前記発泡ポリスチレンボードの密度を15〜40kg/m3として型成形することで、アンカー凹部に、打設されるコンクリートを流し込んでアンカーとして機能させることができ、表面が開口し表面側の狭幅部の幅より内側に広幅部を備えるアンカー凹部を型成形しても脱型することが可能となり、効率よく生産することができる。
また、この発明の請求項2記載の断熱残存型枠パネルの製造方法によれば、前記他方面のアンカー凹部を、前記一方面の桟木固定溝とずらして形成したので、断熱材となる発泡ポリスチレンボードの厚さを確保することができるとともに、アンカー凹部と桟木固定溝を効率良く成形することができる。
さらに、この発明の請求項3記載の断熱残存型枠パネルの製造方法によれば、前記他方面のアンカー凹部を連続した溝で構成するようにしたので、打設されるコンクリートとの接着強度に必要なアンカーとして機能させることができ、成形も容易となる。
また、この発明の請求項4記載の断熱残存型枠パネルの製造方法によれば、前記他方面のアンカー凹部を断続して複数個形成するようにしたので断続して形成したアンカー凹部を型成形しても型を脱型することができ、しかもアンカーとして必要な接着強度を確保することができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1および図2は、この発明の断熱残存型枠パネルの製造方法が適用される断熱残存型枠、図1はパネル全体にかかり、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は横断面図、図2は一部分を拡大した正面図および横断面図である。
この発明の断熱残存型枠パネルの製造方法が適用される断熱残存型枠パネル10は、打設されるコンクリートの一方側の型枠とされ、型枠の内側に配置される断熱材がそのままコンクリートと一体とされて取り外されることなく残される型枠兼用の断熱パネルであり、断熱材をコンクリートの内側(室内側)に配置する内断熱や外側(室外側)に配置する外断熱のいずれの場合にも用いられ、例えばパネルの大きさが幅910mm、長さ2700mm,厚さ50mm程度とされる。
この断熱残存型枠パネル10は、例えば図1および図2に示すように、型成形されて全表面にスキン層が形成される断熱材となる発泡ポリスチレンボード11を備えており、この発泡ポリスチレンボード11の一方面(図示例では、上面)に型成形の際に同時に桟木12を固定するための桟木固定溝13が形成してある。
この桟木固定溝13は、発泡ポリスチレンボード11の長手方向に延びるように配置され、幅方向に所定間隔で複数本、図示例では6本形成してあり、桟木12の一部分が上方に出る深さとされ、例えば30mm×30mm角の桟木12の場合に深さを20mmとする。
このような桟木固定溝13には、桟木12が接着剤などで接着されて固定され、内装材の取り付けや外装材の取り付けなどに利用される。
また、桟木12および発泡ポリスチレンボード11には、断熱残存型枠パネル10を型枠として建て込む場合にセパレータを取り付けるための貫通孔14が形成してある。
この桟木12としては、通常用いられている材料であれば良く、例えば木材、合成木材などの木質材料が釘やビスなどの保持力を確保でき、軽量であることから好ましいが、これ以外にも合成樹脂などであっても良い。
また、この断熱残存型枠パネル10の断熱材となる発泡ポリスチレンボード11の他方面(図示例では、下面)には、型成形の際に同時に、打設されるコンクリートが入り込んでアンカー部となるアンカー凹部15が形成してあり、その形状が型成形の型を脱型可能で表面が開口し表面側の狭幅部16の幅aよりも内部に幅がbの広幅部17を備えるようにしてある。
このアンカー凹部15は、例えば図1および図2に示すように、発泡ポリスチレンボード11の長手方向に連続して延びる溝状に形成され、しかも発泡ポリスチレンボード11の一方面の桟木固定溝13と同一位置とならないようにずらして形成してあり、例えば桟木固定溝13の中央部に位置するように溝状のアンカー凹部15が形成してある。
また、この溝状のアンカー凹部15は、例えばその横断面形状があり溝状とされ、表面が開口し狭幅部16の幅がaとされ、最も内側の広幅部17の幅がb(b.>a)としてある。
なお、アンカー凹部15の形状は、あり溝状とする場合に限らず、例えば図3(a)に示すように、表面が開口し表面に幅aの狭幅部16aが位置するとともに、深さの中間部が広幅部17aのとなる略断面円形の溝状18としたり、同図(b)に示すように、狭幅部16bおよび広幅部17bを備える略断面長楕円形の溝19、あるいは同図(c)に示すように、表面より内側に狭幅部16cが配置されて広幅部17cを備える略断面円形の溝状20とすることもでき、これらに限らず、型成形の際に型を脱型できる狭幅部および内側の広幅部を備える形状であれば良い。
さらに、アンカー凹部を溝状に連続して形成する場合に限らず図4に示すように、断続したアンカー凹部21として複数個形成するようにしても良く、例えば直方体状のアンカー凹部21とし、矩形の開口の上下および左右がそれぞれあり溝状とされ、矩形の上下および左右をそれぞれ狭幅部16dとし、広幅部17dも上下および左右にそれぞれ形成するようにしてある。
なお、断続するアンカー凹部21を、連続する溝状のアンカー凹部15の場合と同様に、上下または左右のみに狭幅部と広幅部を形成するようにして左右または上下を同一幅とたり、狭幅部と広幅部の方向を交互に変えるなどでも良く、打設されるコンクリートが入り込んで抜けないように狭幅部と広幅部が少なくとも一方向に形成されれば良い。
また、断続したアンカー凹部の形状は、狭幅部と広幅部とを備える略直方体状の場合に限らず、狭幅部と広幅部とを備える略球形状など他の形状であっても良い。
このようなアンカー凹部15を型成形する場合には、開口部側が狭くなっているため脱型が難しくなることから、種々検討した結果、開口部側が狭くなっていても脱型可能とするには、アンカー凹部15の深さが1〜5mmの範囲であり、狭幅部16の幅aと広幅部17の幅bの寸法差Δw(=b−a)が2〜10mmの範囲であることが好ましい。
深さが1mmより小さいとアンカー効果が期待できず、深さが5mmを越えて大きくなると、脱型が困難となるとともに、深くなるとコンクリート打設時に破損し易くなったり、側圧による膨らみが発生し易くなり好ましくない。
また、狭幅部16の幅aと広幅部17の幅bの寸法差Δw(=b−a)が2mmより小さいとアンカー効果が期待できず、10mmを越えて大きくなると、脱型時にアンカー凹部が一部破壊される場合がある。
さらに、この断熱残存型枠パネル10では、型成形の場合の脱型性や強度および断熱性能の確保に断熱材となる発泡ポリスチレンボード11の密度が大きな影響を及ぼすことになり、密度が15〜40kg/m3の範囲が好ましい。
密度が15kg/m3未満では、断熱残存型枠パネルとして必要な強度を得るためにパネルの厚さを厚くしなくてはならないため、輸送コストが高くなったり、取り扱いにくくなる傾向がある。また、密度が40kg/m3を超えると、パネルの重量が重くなり、取り扱いにくくなるとともに、脱型性が悪くなる傾向がある。
桟木12の配置によっても異なるが、桟木12のピッチを200mm程度する場合には、密度が10〜14kg/m3と小さいと、コンクリート打設時に桟木12間で側圧により破損が生じる恐れがある。この場合に、発泡ポリスチレンボード11の厚さを厚くすると、例えば内断熱とする場合の室内側の空間が小さくなってしまい、桟木12のピッチを小さくすると、桟木12が増加し、その分だけ桟木固定溝13が多くなって、断熱性能が低下することになる。
このような断熱残存型枠パネル10は、つぎのようにして製造することができる。
例えば図5に示すように、成形金型30として固定金型31と移動金型32とを用い、固定金型31にアンカー凹部15のための凹部形成部33を設けるとともに、製品取り出し用の押出ピン34を設ける一方、移動金型32に桟木固定溝13のための溝形成部35を設けておく。
そして、成形金型30の固定金型31と移動金型32との間に、発泡ポリスチレンの予備発泡粒を充填して成形する。
成形後、成形金型30内に空気を充填するとともに、押出ピン34で製品を押し出すようにして脱型することで、断熱残存型枠パネル10が得られる。
一方、このような断熱残存型枠パネル10の型成形の場合の脱型性や強度への発泡ポリスチレンボードの密度およびアンカー凹部の形状の影響を次のような実験により検討した。
まず、発泡ポリスチレンボードの密度の違いとあり溝状のアンカー凹部の狭幅部と広幅部の寸法差の影響を検討し、その結果を表1に示した。
表1から明らかなように、発泡ポリスチレンの密度が大きいほど脱型が難しくなり、アンカー凹部の寸法差(b−a)が大きいほど脱型が難しくなる。
また、アンカー凹部の溝深さtが浅いほどコンクリート側圧に対する強度は高くなるが、溝深さtが深くなると、溝の角度が小さくなってコンクリートとの接着強度が低くなり、アンカー凹部の寸法差(b−a)が重要になる。
1) No.1では、発泡ポリスチレンの密度が12kg/m3で、アンカー凹部の幅の寸法差が15mmとしてあり、幅寸法差が大きいが、密度が比較的小さいため、放冷終了後、金型内の製品に柔軟性があり、脱型はできるが、通常のパネルの厚さ(50mm)では、強度的に問題がある。
2) No.2では、密度を15kg/m3とし、寸法差を10mmとしたが、脱型性および強度も適したものであった。
これらNo.1およびNo.2の結果から、発泡ポリスチレンの密度は、アンカー凹部の形状や脱型のために金型に設ける押出ピンの大きさや数によって異なるものの、少なくても16kg/m3以上は必要であることがわかった。
3) No.3では、No.2に対して密度を20kg/m3としたものであり、脱型性および強度も適したものであった。
4) No.4では、No.2に対して密度を40kg/m3としたものであり、脱型性および強度も適したものであった。
5) No.5では、No.2に対して密度を50kg/m3としたものであり、通常のΦ=50mmの押出ピンでは、脱型の際に押出ピンの痕が少し窪んでしまった。
次に、発泡ポリスチレンの密度を20kg/m3に固定して、アンカー凹部の形状についての検討を行った。
6) No.6では、アンカー凹部の幅の寸法差を13mm、深さを5mmとした。
この場合には、脱型はできるものの変形傷が発生した。
7) No.7では、幅の寸法差を10mmとし、深さを8mmとした。
この場合には、脱型はできるが、通常のパネルの厚さ(50mm)では、強度的に問題がある。
8) No.8では、No.7に対して深さを5mmとした。
この場合には、脱型性もコンクリート打設時の強度も適したものであった。
9) No.9では、No.8に対して幅の寸法差を15mmとした。
この場合には、脱型はできるものの変形傷が発生した。
さらに、発泡ポリスチレンの密度とアンカー凹部の形状について次の2つの場合を実験した。
10) No.10では発泡ポリスチレンの密度を40kg/m3とし、アンカー凹部の幅の寸法差を12mm、深さを4mmとした。
この場合には、脱型することができなかった。
11) No.11では、発泡ポリスチレンの密度を20kg/m3とし、アンカー凹部の幅の寸法差を10mm、深さを3mmとした。
この場合には、脱型性もコンクリート打設時の強度も適したものであった。
以上の実験結果から、この断熱残存型枠パネル10では、型成形の場合の脱型性や強度および断熱性能の確保の必要から、断熱材となる発泡ポリスチレンボード11の密度は、15〜40kg/m3の範囲が好ましく、アンカー凹部の表面側の狭幅部の幅と内部の広幅部の幅との寸法差が2〜10mmの範囲であることが好ましいことが分かった。
Figure 0004357307
次に、この発明の製造方法が適用される断熱残存型枠パネルの実施例について説明するが、この発明は、これら実施例に限定されるものでない。
各実施例では、図6に示すような3種類の断面形状で、それぞれの長さが300mmのアンカー凹部を形成するための治具を用意した。
あり溝状のアンカー凹部の治具では、傾斜面の角度θおよび深さtを変えたものを4種類用意し、これを金型に1本設置した場合と、100mmの間隔で2本設置した場合についてそれぞれ成形した。
成形には、成形機(ダイセン製:VS300)を用い、金型に治具を取り付けて成形した後、これらアンカー凹部の形成治具を取り外すことで、離型性を評価した。
成形に用いた発泡ポリスチレンの発泡粒の密度は、21kg/m3のものと、40kg/m3のものの2種類とした。
成形機からの離型は、脱型面圧0.1kg/cm2、離型エアーの圧力を2.5kg/cm2とし、3秒間吹き付けた。
なお、成形機での成形条件は、十分な溶融と表面仕上がりが得られる条件として行った。
離型性の評価基準は、表2中に記載したように、ランクA〜ランクDの4段階で評価した。
以上の各実施例の成形条件および離型性の評価結果を表2に示した。
(実施例1〜8)
実施例1〜8では、発泡ポリスチレンの発泡粒の密度は、21kg/m3とした場合で、いずれの場合も離型性はAランクまたはBランクであり、断熱残存型枠パネルとして適したものであった。
(実施例9〜16)
実施例9〜16では、発泡ポリスチレンの発泡粒の密度は、40kg/m3とした場合で、いずれの場合も離型性はAランクまたはBランクであり、断熱残存型枠パネルとして適したものであった。
(参考例1〜2)
参考例1〜2では、発泡ポリスチレンの発泡粒の密度は、21kg/m3とした場合で、いずれの場合もアンカー凹部の幅の寸法差が10mmを超えて15mmとしたもので、離型性はCランクで、一部破壊が生じてしまい、商品として見栄えの良いものではなかった。
(参考例3〜4)
参考例3〜4では、発泡ポリスチレンの発泡粒の密度は、40kg/m3とした場合で、いずれの場合もアンカー凹部の幅の寸法差が10mmを超えて15mmとしたもので、離型性はCランクで、一部破壊が生じてしまい、商品として見栄えの良いものではなかった。
Figure 0004357307
この発明の断熱残存型枠パネルの製造方法が適用される断熱残存型枠パネルにかかり、パネル全体の(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は横断面図である。 この発明断熱残存型枠パネルの製造方法が適用される断熱残存型枠パネルにかかり、一部分を拡大した正面図および横断面図である。 この発明の断熱残存型枠パネルの製造方法が適用される断熱残存型枠パネルにかかり、連続する溝状のアンカー凹部のそれぞれ横断面図である。 この発明の断熱残存型枠パネルの製造方法が適用される断熱残存型枠パネルにかかる断続したアンカー凹部を備える部分正面図である。 この発明の断熱残存型枠パネルを製造する場合の成形型の概略断面図である。 この発明の断熱残存型枠パネルの製造方法が適用される断熱残存型枠パネルの実施例で使用したアンカー凹部を形成するための治具の概略断面図である。 断熱残存型枠パネルを用いて内断熱とする場合の概略説明図である。
符号の説明
10 断熱残存型枠パネル
11 発泡ポリスチレンボード
12 桟木
13 桟木固定溝
14 貫通孔
15 アンカー凹部
16 狭幅部
17 広幅部
18 アンカー凹部(溝状)
19 アンカー凹部(溝状)
20 アンカー凹部(溝状)
30 成形金型
31 固定金型
32 移動金型
33 凹部形成部
34 押出ピン
35 溝形成部

Claims (4)

  1. 打設されるコンクリートの型枠とされるとともに、そのままコンクリートと一体に断熱材が残される断熱残存型枠パネルを製造するに際し、
    固定金型と移動金型とを用い、
    断熱材となる発泡ポリスチレンボードの全表面にスキン層を形成するとともに、この発泡ポリスチレンボードの一方面に桟木を固定する桟木固定溝を形成し、他方面に前記コンクリートのアンカー部となる表面が開口し表面側の狭幅部の幅よりも内部に広幅部を備えこれらの寸法差を2〜10mmとしたアンカー凹部を前記発泡ポリスチレンボードの密度を15〜40kg/m3として前記固定金型および前記移動金型から脱型可能に形成するようにしたことを特徴とする断熱残存型枠パネルの製造方法。
  2. 前記他方面のアンカー凹部を、前記一方面の桟木固定溝とずらして形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の断熱残存型枠パネルの製造方法。
  3. 前記他方面のアンカー凹部を連続した溝として形成するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の断熱残存型枠パネルの製造方法
  4. 前記他方面のアンカー凹部を断続して複数個形成するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の断熱残存型枠パネルの製造方法。
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