JP4357106B2 - セラミック構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関から排出される排気ガス中のパティキュレート等を除去するフィルタとして用いられるセラミック構造体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車、バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排気ガス中に含有されるパティキュレートが環境や人体に害を及ぼすことが最近問題となっている。
この排気ガスを多孔質セラミックを通過させるたとにより、排気ガス中のパティキュレートを捕集して排気ガスを浄化するセラミックフィルタが種々提案されている。
【0003】
このようなセラミックフィルタは、通常、図1に示したセラミック構造体10のように、炭化珪素等からなる多孔質セラミック部材30が複数個結束されてセラミックブロックを構成し、このセラミックブロックの周囲にシール材層13が形成されている。また、この多孔質セラミック部材30は、図2に示したように、長手方向に多数の貫通孔31が並設され、貫通孔31同士を隔てる隔壁33がフィルタとして機能するようになっている。
【0004】
即ち、多孔質セラミック部材30に形成された貫通孔31は、図2(b)に示したように、排気ガスの入り口側又は出口側の端部のいずれかが充填材32により目封じされ、一の貫通孔31に流入した排気ガスは、必ず貫通孔31を隔てる隔壁33を通過した後、他の貫通孔31から流出されるようになっている。
【0005】
排気ガス浄化装置では、このような構成のセラミック構造体10が内燃機関の排気通路に設置され、内燃機関より排出された排気ガス中のパティキュレートは、このセラミック構造体10を通過する際に隔壁33により捕捉され、排気ガスが浄化される。
【0006】
ここで、シール材層13は、セラミック構造体10を内燃機関の排気通路に設置した際、セラミック構造体10の外周部から排気ガスが漏れ出すことを防止したりセラミック構造体10の断熱等の目的で設けられているものである。
【0007】
従来、このようなシール材層13をセラミック構造体10の外周部に形成するには、まず、多孔質セラミック部材を複数個結束してセラミックブロックを作製し、このセラミックブロックをその軸方向に軸支し、回転させる。次に、シール材層13を形成するためのシール材ペーストを上記セラミックブロックの外周部に付着させた後、上記シール材ペーストに板状部材を接触させて、上記シール材ペーストを均一な厚さに引き延ばしてペースト層を形成し、このペースト層を乾燥、固化させすることにより、セラミック構造体10の外周部にシール材層13を形成していた。
【0008】
しかしながら、このような方法でセラミックブロック15の外周部にシール材層13を形成しようとすると、上記シール材ペーストがセラミックブロック15の端面部分にはみ出し、貫通孔31が形成されている部分に付着し、貫通孔31を塞いでしまうことがあった。このようにシール材ペーストが、貫通孔31を塞いでしまうと、貫通孔31は目詰まりとなり、セラミック構造体のフィルタとしての機能が低下してしまう。
【0009】
そこで、このような貫通孔の目詰まりを防止するために、セラミックブロックの外周部にシール材層を形成する際には、上記セラミックブロックの両端面に保護フィルム等を接着してカバーしておく必要があった。
しかしながら、このような保護フィルムの接着及びその後の剥離作業は、手作業で行う必要があり、その生産性に劣るものであった。また、セラミックブロックの端面にはみ出し、固化したシール材は、ブラシやグラインダー等で削り取る必要があるが、この時にセラミックブロックの端面にクラック等が生じる場合があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、多孔質セラミック部材を複数個結束させて作製したセラミックブロックの外周部にペースト層を形成する際、上記セラミックブロックの端面部分にシール材ペーストがはみ出すことなく、ペースト層を形成することができ、その結果、均一な厚さのシール材層を形成することができるセラミック構造体の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された角柱形状の多孔質セラミック部材が接着層を介して複数個結束されてセラミックブロックを構成するとともに、その外周部がシール材によりコーティングされ、上記貫通孔を隔てる隔壁が粒子捕集用フィルタとして機能するように構成されたセラミック構造体の製造方法であって、
上記セラミックブロックをその長手方向で軸支して回転させ、上記セラミックブロックの外周部に、少なくとも無機繊維、無機バインダー、有機バインダー及び無機粒子を含むシール材ペーストを付着させるペースト付着工程と、上記セラミックブロックの外周部に付着したシール材ペーストに、板状部材を接触させてペースト層を形成するペースト層形成工程と、上記セラミックブロックの端面にはみ出した上記シール材ペーストを、かき出し部材を用いて除去するはみ出しペースト除去工程とを含み、
上記はみ出しペースト除去工程において、上記かき出し部材の上記セラミックブロックと接触した辺部と垂線とのなす角度βが5〜60°であり、かつ、
上記かき出し部材の上記セラミックブロックに近い方の主面と上記セラミックブロックの端面のなす角度γが10〜50°であることを特徴とするセラミック構造体の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のセラミック構造体の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
本発明のセラミック構造体の製造方法は、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された角柱形状の多孔質セラミック部材が接着層を介して複数個結束されてセラミックブロックを構成するとともに、その外周部がシール材によりコーティングされ、上記貫通孔を隔てる隔壁が粒子捕集用フィルタとして機能するように構成されたセラミック構造体の製造方法であって、
上記セラミックブロックをその長手方向で軸支して回転させ、上記セラミックブロックの外周部に、少なくとも無機繊維、無機バインダー、有機バインダー及び無機粒子を含むシール材ペーストを付着させるペースト付着工程と、上記セラミックブロックの外周部に付着したシール材ペーストに、板状部材を接触させてペースト層を形成するペースト層形成工程と、上記セラミックブロックの端面にはみ出した上記シール材ペーストを、かき出し部材を用いて除去するはみ出しペースト除去工程とを含み、
上記はみ出しペースト除去工程において、上記かき出し部材の上記セラミックブロックと接触した辺部と垂線とのなす角度βが5〜60°であり、かつ、
上記かき出し部材の上記セラミックブロックに近い方の主面と上記セラミックブロックの端面のなす角度γが10〜50°であることを特徴とするものである。
【0014】
上記セラミック構造体の製造方法を図3、4に基づいて説明するが、ここでは、シール材層の形成工程について詳しく説明し、シール材層形成の対象となるセラミックブロックについては、後述することにする。
図3は、本発明のセラミック構造体の製造方法の一工程を模式的に示した側面図であり、図4は、図3に示した一工程の部分拡大正面図である。
【0015】
本発明のセラミック構造体の製造方法においては、まず、セラミックブロック15をその長手方向で軸支して回転させる。
セラミックブロック15を軸支する方法は特に限定されないが、例えば、図4に示したように、ギアボックス28に接続された回転軸26aと回転軸26aの先端に垂直に取り付けられた平面部材26とからなる2つの回転部材25を、セラミックブロック15の両端面から当接させてセラミックブロック15を軸支し、回転させる方法が挙げられる。セラミックブロック15の回転速度は、2〜10min-1が好ましい。なお、図4においては、セラミックブロック15の一端面側のみを示している。
【0016】
次に、セラミックブロック15の外周部に、少なくとも無機繊維、無機バインダー、有機バインダー及び無機粒子を含むシール材ペースト13aを付着させるペースト付着工程を行う。
【0017】
シール材ペースト13aを構成する無機繊維としては、例えば、シリカーアルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等のセラミックファイバー等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機繊維のなかでは、シリカーアルミナファイバーが好ましい。
【0018】
上記無機バインダーとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機バインダーのなかでは、シリカゾルが好ましい。
【0019】
上記有機バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記有機バインダーのなかでは、カルボキシセルロースが好ましい。
【0020】
上記無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等が挙げられ、具体的には、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素等からなる無機粉末又はウィスカー等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化珪素が好ましい。
【0021】
シール材ペースト13a中の上記無機繊維の含有量は、固形分で、10〜70重量%が好ましく、10〜40重量%がより好ましく、20〜30重量%がさらに好ましい。上記無機繊維の含有量が10重量%未満では、弾性が低下し、一方、70重量%を超えると、熱伝導性の低下を招くとともに、弾性体としての効果が低下する。
【0022】
シール材ペースト13a中の無機バインダーの含有量は、固形分で、1〜30重量%が好ましく、1〜15重量%がより好ましく、5〜9重量%がさらに好ましい。上記無機バインダーの含有量が1重量%未満では、接着強度の低下を招き、一方、30重量%を超えると、熱伝導率の低下を招く。
【0023】
シール材ペースト13a中の上記有機バインダーの含有量は、固形分で、0.1〜5.0重量%が好ましく、0.2〜1.0重量%がより好ましく、0.4〜0.6重量%がさらに好ましい。上記有機バインダーの含有量が0.1重量%未満では、シール材のマイグレーションを抑制するのが難しくなり、一方、5.0重量%を超えると、シール材が高温にさらされた場合に、有機バインダーが焼失し、接着強度が低下する。
【0024】
シール材ペースト13a中の上記無機粒子の含有量は、固形分で、3〜80重量%が好ましく、10〜60重量%がより好ましく、20〜40重量%がさらに好ましい。上記無機粒子の含有量が3重量%未満では、熱伝導率の低下を招き、一方、80重量%を超えると、シール材が高温にさらされた場合に、接着強度の低下を招く。
【0025】
また、上記無機繊維のショット含有量は、1〜10重量%が好ましく、1〜5重量%が好ましく、1〜3重量%がさらに好ましい。また、その繊維長は、1〜100mmが好ましく、1〜50mmがより好ましく、1〜20mmがさらに好ましい。
【0026】
ショット含有量を1重量%未満とするのは製造上困難であり、ショット含有量が10重量%を超えると、多孔質セラミック部材30の壁面を傷つけてしまう。また、繊維長が1mm未満では、弾性を有するセラミック構造体10を形成することが難しく、100mmを超えると、毛玉のような形態をとりやすくなるため、無機粒子の分散が悪くなるとともに、シール材層13の厚みを薄くできないため、多孔質セラミック部材30間の熱伝導性の低下を招く。
【0027】
上記無機粉末の粒径は、0.01〜100μmが好ましく、0.1〜15μmがより好ましく、0.1〜10μmがさらに好ましい。無機粒子の粒径が0.01μm未満では、コストが高くなり、一方、無機粒子の粒径が100μmを超えると、接着力及び熱伝導性の低下を招くことになる。
【0028】
このシール材ペースト13a中には、シール材層13を柔軟にし、流動性を付与して塗布しやすくするため、上記した無機繊維、無機バインダー、有機バインダー及び無機粒子のほかに、およそ総重量の35〜65重量%程度の水分や他のアセトン、アルコール等の溶剤等が含まれている。このシール材ペースト13aの粘度は、15〜25Pa・s(1万〜2万cps(cP))が好ましい。
【0029】
このシール材ペースト13aを付着させる方法としては特に限定されず、例えば、シール材ペースト13aをチューブ等を用いて輸送し、回転しているセラミックブロック15の上部に上記チューブより流出させてシール材ペースト13aの塊を付着させる方法等が挙げられる。
【0030】
次に、セラミックブロック15の外周部に付着したシール材ペースト13aに、板状部材20を接触させて、ペースト層を形成するペースト層形成工程を行う。
【0031】
板状部材20の材質は特に限定されるものではないが、例えば、30〜50程度のゴム硬度を有するポリウレタンが好ましい。また、その形状としては、例えば、断面視矩形の板状、断面視三角の板状等任意の形状を挙げることができる。
また、シール材ペースト13aと接触する辺は直線により構成されていることが好ましい。均一な厚さのペースト層を形成するためである。
また、そのサイズは特に限定されず、製造するセラミック構造体等に合わせて適宜調整されるが、横幅については、セラミックブロック15の外周部の幅と同じか、それよりも広く調整されている必要がある。セラミックブロック15の外周部全体にペースト層を形成するためである。
【0032】
シール材ペースト13aに板状部材20を接触させる際、板状部材20の主面21をセラミックブロック15の板状部材20との最近接部における略接線方向になるように設定し、かつ、板状部材20を振動させることが好ましい。
【0033】
また、図3に示したように、板状部材20の主面21は、セラミックブロック15と板状部材20との最近接部における接線方向に対し、略10°の範囲内で反時計回りの方向に傾斜していてもよい。
【0034】
また、板状部材20を振動させる方法としては、例えば、図3に示したように、バイブレーター42を板状部材20に取り付けて振動させる方法を挙げることができる。この時、板状部材20の振動数は、10000〜18000vpmが好ましい。
【0035】
なお、板状部材の代わりに、円柱状部材を用いてもよい。この場合、円柱状部材をセラミックブロック15に接近させると、セラミックブロック15の円柱状部材との最近接部は、常に接線方向になるので、その角度等を考慮する必要がなくなる。
【0036】
このペースト層形成工程において、シール材ペースト13aをセラミックブロック15の外周部に付着させた後、シール材ペースト13aと板状部材20とを接触させる前に、他の板状部材40を用いてシール材ペースト13aの塊を上記外周部に擦りつけ、上記外周部の凹凸部分にしっかりとシール材ペースト13aを充填しておいてもよい。
この場合には、図3に示したように、その主面41がセラミックブロック15の板状部材40との最近接部における接線方向と略45°(例えば、α=45±5°)の角度をなすように板状部材40を設置することが好ましい。
【0037】
また、この場合には、図3に示した矢印の方向とは逆の方向にセラミックブロック15を回転させながら、シール材ペースト13aをセラミックブロック15の外周部に付着させ、板状部材40により外周部の凹凸部分にシール材ペースト13aを充填する。その後、セラミックブロック15を図3の矢印方向に回転させ、上記したように板状部材20を用いてシール材ペースト13aの層を形成する。なお、セラミックブロック15の回転方向は、板状部材20、40の配置場所により決まり、常に上記した回転方向としなくてもよい。
このようなシール材層形成工程により、セラミックブロック15の外周部に厚さ約0.3〜1.0mmのペースト層が形成される。
【0038】
次に、セラミックブロック15の端面にはみ出したシール材ペースト13aを、かき出し部材を用いて除去するはみ出しペースト除去工程を行う。
【0039】
かき出し部材22は、図4に示したように、押出シリンダ27及びシリンダに納められた支持棒29により支持、固定されており、支持棒29が伸縮することにより、セラミックブロック15の端面に当接させたり、離脱させることができるようになっている。
【0040】
そこで、まず、上記ペースト層形成工程を終了したセラミックブロック15の両端面に、押出シリンダ27を用いて板状部材20を接近させた後、セラミックブロック15の側面に接触させ、このかき出し部材22を用いてセラミックブロック15の端面にはみ出したシール材ペースト13aを除去する。
上記したように、上記ペースト層形成工程が終了した後、このはみ出しペースト除去工程を行ってもよく、上記ペースト層形成工程とこのはみ出しペースト除去工程とを同時に行ってもよい。
【0041】
これらの工程により、セラミックブロック15の外周部に所定の厚さのペースト層を形成し終えたら、かき出し部材22をセラミックブロック15の端面から離脱させ、板状部材20もセラミックブロック15の外周部から離脱させることで、ペースト層形成工程とはみ出しペースト除去工程とが終了する。
【0042】
このようにして、かき出し部材22をセラミックブロック15の端面に当接させることで、上記端面にはみ出してくるシール材ペースト13aをかき出し、除去することができるため、従来のセラミック構造体の製造方法のように、セラミックブロック15の端面に保護フィルムを接着する必要がない。
【0043】
このペースト除去工程において、かき出し部材22のセラミックブロック15と接触した辺部22aと垂線とのなす角度β(図5(a)参照)は、5〜60°程度であることが好ましい。βが5°未満であると、かき出したシール材ペースト13aがセラミックブロック15の側面側へ流れてしまう。一方、60°を超えると、シール材ペースト13aを完全にかき出すことができない。
【0044】
また、かき出し部材22のセラミックブロック15に近い方の主面22bとセラミックブロック15の端面とのなす角度γ(図5(b)参照)は、10〜50°程度であることが好ましい。γが10°未満であると、シール材ペースト13aを完全にかき出すことができない。一方、50°を超えると、セラミックブロック15の端面を傷つける恐れがある。
【0045】
かき出し部材22の材質は、上述した板状部材20と同様のものを挙げることができ、その形状は、板状部材20と略同形状である。また、そのサイズは特に限定されず、製造するセラミックブロック15の大きさに合わせて適宜調整される。
【0046】
次に、このようにして形成したペースト層を120℃程度の温度で乾燥させることにより、水分を蒸発させてシール材層13とし、セラミックブロック15の外周部にシール材層13が形成されたセラミック構造体10の作製を終了する。
【0047】
次に、セラミックブロック15の作製方法について説明する。
図1に示した通り、セラミックブロック15は、多数の貫通孔31が隔壁33を隔てて長手方向に並設された角柱形状の多孔質セラミック部材30が、接着層14を介して複数個結束された構造をしている。
【0048】
図6に示したように、このセラミックブロック15を作製するには、まず、多孔質セラミック部材30が斜めに傾斜した状態で積み上げることができるように、断面V字形状に構成された台60の上に、多孔質セラミック部材30を傾斜した状態で載置した後、上側を向いた2つの側面30a、30bに、接着層14となるペースト状の接着剤を均一な厚さで塗布して接着剤層を形成し、この接着剤層の上に、順次他の多孔質セラミック部材30を積層する工程を繰り返し、所定の大きさの角柱状の多孔質セラミック部材30の積層体を作製する。
【0049】
そして、この多孔質セラミック部材30の積層体を50〜100℃、1時間程度の条件で加熱して上記接着剤層を乾燥、固化させて接着層14とし、その後、例えば、ダイヤモンドカッター等を用いて、その外周部を図1に示したような形状に切削することで、セラミックブロック15を作製することができる。
【0050】
なお、接着層14を構成する材料としては特に限定されず、例えば、上述したシール材ペースト13aと同様のものを挙げることができる。
また、接着層14中には、無機繊維、無機バインダー、有機バインダー及び無機粒子のほかに、少量の水分や溶剤等を含んでいてもよいが、このような水分や溶剤等は、通常、接着層ペーストを塗布した後の加熱等により殆ど飛散する。
【0051】
以上説明した通り、本発明のセラミック構造体の製造方法は、セラミックブロックをその長手方向で軸支して回転させながら、その外周部に、上記シール材ペーストを付着させ、このシール材ペーストに、板状部材を接触させて、ペースト層を形成するペースト層形成工程と、このペースト層形成工程の後、又は、ペースト層形成工程と同時に、上記セラミックブロックの端面にはみ出した上記シール材ペーストを、かき出し部材を用いて除去するはみ出しペースト除去工程とを含むものであるため、上記シール材ペーストが上記セラミックブロックの端面にはみ出すことがなく、良好に上記セラミックブロックの外周部にシール材層を形成することができる。
【0052】
また、上記シール材ペーストが上記セラミックブロックの端面にはみ出すことがないので、上記セラミックブロックの端面に保護フィルムを接着しなくても、多孔質セラミック部材の貫通孔に目詰まりが発生することがなく、セラミックフィルタの品質安定性にも優れたものとなる。
【0053】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0054】
実施例1
炭化珪素粉末に有機バインダー、水等を加えて混練した後、押し出し成形を行い、ハニカム形状の生成形体を作製し、続いて、乾燥、脱脂、焼成を行うことにより、図2に示すような平均気孔径が1〜40μmで、セル数が31個/cm2 で、隔壁の厚さが0.3mmの多孔質セラミック部材を製造した。
【0055】
次に、この多孔質セラミック部材を、無機繊維や無機粒子等を含む耐熱性の接着剤を用いて多数結束させ、続いて、ダイヤモンドカッターを用いて切断することにより、図1に示したような円柱形状のセラミックブロック15を作製した。
【0056】
次に、無機繊維としてアルミナシリケートからなるセラミックファイバー(ショット含有率:3%、繊維長:0.1〜100mm)23.3重量%、無機粒子として平均粒径0.3μmの炭化珪素粉末30.2重量%、無機バインダーとしてシリカゾル(ゾル中のSiO2 の含有量:30重量%)7重量%、有機バインダーとしてカルボキシメチルセルロース0.5重量%及び水39重量%を混合、混練してシール材ペーストを作製した。
【0057】
次に、上記シール材ペーストを用いて、上記実施の形態で説明した方法で、セラミックブロック15の外周部にペースト層を形成した。そして、このペースト層を120℃で乾燥して、図1に示したセラミック構造体10を製造した。
【0058】
このペースト層を形成する際においては、ウレタン樹脂からなる縦が32mm、横が40mmのかき出し部材22を用い、かき出し部材22の辺部22aと垂線とのなす角度βを45°に、かき出し部材22の主面22bとセラミックブロック15の端面とのなす角度γを、25°に設定した。
【0059】
そして、実施例1と同様にして、セラミック構造体10を50個製造し、セラミックブロックの端面へのシール材ペーストのはみ出し、付着等を確認したところ、全てのセラミック構造体10において、シール剤ペーストのセラミックブロック端面へのはみ出し、付着は、認められず、多孔質セラミック部材の貫通孔が目詰まりを起こすこともなく、良好に製造することができた。
【0060】
【発明の効果】
本発明のセラミック構造体の製造方法は、上述の通りであるので、セラミックブロックの端面部分にシール材ペーストがはみ出すことなく、均一なシール材層を形成することができ、生産性及び品質安定性に優れたセラミック構造体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セラミック構造体の一実施形態を模式的に示した斜視図である。
【図2】(a)は、セラミック構造体を構成する多孔質セラミック部材を模式的に示した斜視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。
【図3】本発明のセラミック構造体の製造方法の一工程を模式的に示した側面図である。
【図4】図3に示した一工程における部分拡大正面図である。
【図5】(a)は、かき出し部材を使用する様子を模式的に示した説明図であり、(b)は、その側面図である。
【図6】セラミックブロックを作製する様子を模式的に示した説明図である。
【符号の説明】
10 セラミック構造体
13 シール材層
13a シール材ペースト
14 接着層
15 セラミックブロック
20、40 板状部材
22 かき出し部材
30 多孔質セラミック部材
31 貫通孔
32 充填材
33 隔壁
42 バイブレータ

Claims (9)

  1. 多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された角柱形状の多孔質セラミック部材が接着層を介して複数個結束されてセラミックブロックを構成するとともに、その外周部がシール材によりコーティングされ、前記貫通孔を隔てる隔壁が粒子捕集用フィルタとして機能するように構成されたセラミック構造体の製造方法であって、
    前記セラミックブロックをその長手方向で軸支して回転させ、
    前記セラミックブロックの外周部に、少なくとも無機繊維、無機バインダー、有機バインダー及び無機粒子を含むシール材ペーストを付着させるペースト付着工程と、
    前記セラミックブロックの外周部に付着したシール材ペーストに、板状部材を接触させてペースト層を形成するペースト層形成工程と、
    前記セラミックブロックの端面にはみ出した前記シール材ペーストを、かき出し部材を用いて除去するはみ出しペースト除去工程とを含み、
    前記はみ出しペースト除去工程において、前記かき出し部材の前記セラミックブロックと接触した辺部と垂線とのなす角度βが5〜60°であり、かつ、
    前記かき出し部材の前記セラミックブロックに近い方の主面と前記セラミックブロックの端面のなす角度γが10〜50°であることを特徴とするセラミック構造体の製造方法。
  2. 前記かき出し部材は、押出シリンダ及びシリンダに納められた支持棒により支持、固定されており、前記支持棒の伸縮により、前記セラミックブロックの端面に対して当接又は離脱することができる請求項1に記載のセラミック構造体の製造方法。
  3. 前記かき出し部材の材質は、30〜50のゴム硬度を有するポリウレタンである請求項1又は2に記載のセラミック構造体の製造方法。
  4. 前記かき出し部材の前記シール材ペーストと接触する辺は直線により構成されている請求項1〜3のいずれか1に記載のセラミック構造体の製造方法。
  5. 前記かき出し部材の横幅は、前記セラミックブロックの外周部の幅と同じか、それよりも広い請求項1〜4のいずれか1に記載のセラミック構造体の製造方法。
  6. 前記はみ出しペースト除去工程は、前記セラミックブロックをその長手方向で軸支して回転させて行う請求項1〜5のいずれか1に記載のセラミック構造体の製造方法。
  7. ギアボックスに接続された回転軸とこの回転軸の先端に垂直に取り付けられた平面部材とからなる2つの回転部材を、セラミックブロックの両端面から当接させてセラミックブロックを軸支し、回転させる請求項6に記載のセラミック構造体の製造方法。
  8. 前記セラミックブロックの回転速度は、2〜10min −1 である請求項6又は7に記載のセラミックブロックの製造方法。
  9. ペースト層形成工程において、板状部材とシール材ペーストとを接触させる際、前記板状部材の主面をセラミックブロックの前記板状部材との最近接部における略接線方向になるように設定し、かつ、前記板状部材を振動させる請求項1〜8のいずれか1に記載のセラミック構造体の製造方法。
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