JP2001170426A - ハニカムフィルタおよびその製造方法 - Google Patents

ハニカムフィルタおよびその製造方法

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JP2001170426A JP35462499A JP35462499A JP2001170426A JP 2001170426 A JP2001170426 A JP 2001170426A JP 35462499 A JP35462499 A JP 35462499A JP 35462499 A JP35462499 A JP 35462499A JP 2001170426 A JP2001170426 A JP 2001170426A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタとして使用しても、膨張、収縮によ
り内部の隔壁等が破損することがなく、小さなセグメン
トを接着、結束させる工程、切削、加工の工程、外周部
のコーティング工程等も不要で、安価なハニカムフィル
タを提供する。 【解決手段】 多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に
並設され、上記隔壁がフィルタとして機能するように構
成された多孔質炭化珪素焼結体と上記焼結体内部の一部
に形成された充填材層とからなる排気ガス浄化用のハニ
カムフィルタであって、外壁を有し、その内部に複数の
上記貫通孔が隔壁を隔てて並設された多孔質炭化珪素部
材が、上記多孔質炭化珪素部材と同材質からなる連結部
を介して複数個結束され、上記多孔質炭化珪素部材の外
壁同士を隔てる空隙部には、上記充填材層が形成されて
いることを特徴とするハニカムフィルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質炭化珪素焼
結体及び該焼結体内部の一部に形成された充填材層とか
らなる排気ガス浄化用のハニカムフィルタ及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】バス、トラック等の車両や建設機械等の
内燃機関から排出される排気ガス中に含有されるパティ
キュレートが環境や人体に害を及ぼすことが最近問題と
なっている。この排気ガスを多孔質セラミックを通過さ
せることにより、排気ガス中のパティキュレートを捕集
して排気ガスを浄化するハニカムフィルタが種々提案さ
れている。
【0003】ハニカムフィルタは、通常、図5に示すよ
うな多孔質セラミック部材32が複数個結束されてハニ
カムフィルタ30を構成している。また、この多孔質セ
ラミック部材32は、図6に示すように、長手方向に多
数の貫通孔35が並設され、貫通孔35同士を隔てる隔
壁37がフィルタとして機能するようになっている。
【0004】すなわち、多孔質セラミック部材32に形
成された貫通孔35は、図6(b)に示すように、排気
ガスの入り口側又は出口側の端部のいずれかが充填材3
6により目封じされ、一の貫通孔35に流入した排気ガ
スは、必ず貫通孔35を隔てる隔壁37を通過した後、
他の貫通孔35から流出するようになっており、排気ガ
スがこの隔壁37を通過する際、パティキュレートが隔
壁37部分で捕捉され、排気ガスが浄化される。
【0005】従来、このような多孔質セラミック部材3
2を製造する際には、まず、セラミック粉末とバインダ
ーと分散媒液とを混合して成形体製造用の混合組成物を
調製した後、この混合組成物の押出成形等を行うことに
より、セラミック成形体を作製する。
【0006】得られたセラミック成形体を乾燥させた
後、セラミック成形体中のバインダー等を熱分解させる
脱脂工程及び炭化珪素の焼成を行う焼成工程を経て、多
孔質セラミック部材32を製造する。
【0007】そして、得られた多孔質セラミック部材3
2を複数個、接着剤(ペースト)を介して結束させた
後、周辺部の切削加工を行って図5に示すような円柱形
状とし、この加工により発生した周辺の凹部(貫通孔部
分)にペーストを充填することにより、必要な大きさ及
び形状のハニカムフィルタ30を製造していた。
【0008】このように、小さな柱状の多孔質セラミッ
ク部材32からなるセグメントを複数個結束させて大き
な柱状体を作製した後、切削加工等を施して円柱形状の
ものを作製するという複雑な工程によりハニカムフィル
タを製造していたのは、以下のような理由による。
【0009】すなわち、1回の押出成形により長手方向
に多数の貫通孔が並設された円柱形状の大きな成形体を
作製し、これを焼成等することにより、いきなり最終製
品であるハニカムフィルタを製造する方法もある。
【0010】しかし、炭化珪素のようなセラミック材料
は、その熱膨張係数が大きいことから、このような方法
で製造したハニカムフィルタは、フィルタとして使用中
の昇温、降温等により、大きく膨張又は収縮する。
【0011】この膨張、収縮によりハニカムフィルタに
亀裂や破損箇所が生じ、フィルタとして機能しなくなっ
てしまうため、小さなセグメントを結束させるという複
雑な工程を経てハニカムフィルタ30を製造していたの
である。
【0012】小さなセグメントを結束させるハニカムフ
ィルタの製造方法は、設備の小型化、製造の容易さ、多
品種対応等の面では有利な点もあるが、各セグメントの
接着工程、切削加工工程、外周部のコーティング工程等
が必要となり、また、切削加工により不要部分を取り除
かなければならず、その部分は廃棄するため、一体化物
に比べ時間的、経済的に不利であるという問題があっ
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題を解決するためになされたもので、フィルタとして使
用しても、膨張、収縮により多孔質セラミック部材の隔
壁や外壁が破損することがなく、該多孔質セラミック部
材の接着工程、切削加工工程及びフィルタ外周部のコー
ティング工程が不要で、安価に製造が可能なハニカムフ
ィルタ、及び、上記ハニカムフィルタの製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のハニカムフィル
タは、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設さ
れ、上記隔壁がフィルタとして機能するように構成され
た多孔質炭化珪素焼結体と上記焼結体内部の一部に形成
された充填材層とからなる排気ガス浄化用のハニカムフ
ィルタであって、外壁を有し、その内部に複数の上記貫
通孔が隔壁を隔てて並設された多孔質炭化珪素部材が、
上記多孔質炭化珪素部材と同材質からなる連結部を介し
て複数個結束され、上記多孔質炭化珪素部材の外壁同士
を隔てる空隙部には、上記充填材層が形成されているこ
とを特徴とする。
【0015】また、本発明のハニカムフィルタの製造方
法は、押出成形法を用い、外壁を有し、その内部に複数
の貫通孔が隔壁を隔てて並設された柱状部が、連結部を
介して複数個結束された形状からなる、炭化珪素粉末と
樹脂とを含む炭化珪素成形体を作製する成形体作製工程
と、作製された炭化珪素成形体の上記貫通孔を封口ペー
ストにより封口パターン状に封口する封口工程と、上記
炭化珪素成形体中の樹脂を熱分解して、消失させる脱脂
工程と、上記脱脂工程を経た上記炭化珪素成形体の焼成
を行って多孔質炭化珪素焼結体を製造する焼成工程と、
上記焼成工程により得られた多孔質炭化珪素焼結体の空
隙部に、炭化珪素粉末を含む充填材を充填する充填工程
とを含むことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のハニカムフィルタ
について、図面を参照しながら説明する。
【0017】図1は、本発明のハニカムフィルタの一形
態を模式的に示した斜視図であり、図2は、本発明のハ
ニカムフィルタの一形態を模式的に示した正面図であ
り、図3、図4は、図2中A、Bで示した各部分の部分
拡大図である。
【0018】図1及び図2に示したように、本発明のハ
ニカムフィルタ10は、外壁を有し、その内部に複数の
貫通孔が隔壁を隔てて並設された多孔質炭化珪素部材1
1が、多孔質炭化珪素部材11と同材質からなる連結部
13を介して複数個結束され、多孔質炭化珪素部材11
の外壁12同士を隔てる空隙部には、充填材層14が形
成されている。
【0019】図3に示した多孔質炭化珪素部材11は、
外壁12に連結部13が設けられている以外は、図6
(b)に示した多孔質セラミック部材32と同様に形成
され、排気ガスの入り口側又は出口側の端部のいずれか
が充填材16により目封じされ、一の貫通孔15に流入
した排気ガスは、必ず貫通孔15を隔てる隔壁17を通
過した後、他の貫通孔15から流出するようになってお
り、排気ガスがこの隔壁17を通過する際、パティキュ
レートが隔壁17部分で捕捉され、排気ガスが浄化され
るようになっている。
【0020】一方、図4に示した多孔質炭化珪素部材1
1は、同様の機能を有するものであるが、ハニカムフィ
ルタ10の外周部18近傍に位置するため、図3に示し
た多孔質セラミック部材11と異なり、完全な四角柱形
状となっておらず、外周部の形状に合わせてカットされ
たような形状となっており、上側の外壁12aの外側
は、曲面により構成されている。また、貫通孔15は、
外周部18に露出しておらず、多孔質炭化珪素部材11
の内部に入ったガスが外に漏れないようになっている。
【0021】連結部13は、このような構成の個々の多
孔質炭化珪素部材11を機械的に支持し、連結する役割
を有しているが、実際にフィルタとして使用された場合
には、このハニカムフィルタ10が膨張、収縮し、これ
により連結部13に大きな応力が作用する。
【0022】もし、この連結部13がこの応力に対して
充分に大きな機械的強度を有していると、この応力は、
多孔質炭化珪素部材11内部の隔壁17や外壁12に作
用し、隔壁17や外壁12にクラックが生じ、フィルタ
として機能しなくなることも考えられる。
【0023】そこで、本発明のハニカムフィルタ10
は、使用中の膨張、収縮により応力が作用した場合に、
連結部13が簡単に破損する厚さで形成されていること
が好ましい。つまり、連結部13が破損することによ
り、多孔質炭化珪素部材11の破損を防ぐことができる
のである。連結部13が破損しても、各多孔質炭化珪素
部材11は、充填材層14により接着されているため、
全体がばらばらになることはない。
【0024】連結部13の厚さとしては特に限定されな
いが、炭化珪素成形体を作成した際に、隣合う炭化珪素
成形体同士を支持、連結することができ、かつ、フィル
タとして使用中の膨張、収縮により、破損が可能な範囲
であれば薄い方が好ましい。また、図4に示したよう
に、連結部13aの一部の幅が狭くなって、簡単に破損
するような構造となっていてもよい。
【0025】本発明のハニカムフィルタの外周部18
は、凹凸のないほぼ平滑な壁面により構成されているこ
とが好ましい。外周部18のコーティングを不要とする
ためである。この外周部18は、多孔質炭化珪素部材の
みから構成されていてもよいが、充填材層14が外周部
表面に露出し、これにより外周部18が分割されている
構造の方が好ましい。
【0026】外周部18が、完全に凹凸のない平滑なセ
ラミック壁面により連続的に構成されていると、フィル
タの使用中の膨張、収縮により、外周部18を構成する
多孔質炭化珪素に亀裂、破損が生じる恐れがあるからで
ある。
【0027】充填材層14は、多孔質炭化珪素部材11
の外壁12同士を隔てる空隙部に形成されており、これ
により、排気ガスがパティキュレートを捕集せずにその
まま通過するのを防止している。また、多孔質炭化珪素
部材11同士を接着する役目も果たしている。この充填
材層14は、少なくとも無機繊維、無機バインダー、有
機バインダー及び無機粒子からなる充填用ペーストを用
いて、充填した後、乾燥させることにより形成されたも
のである。なお、上記充填用ペーストについては後述す
る。
【0028】次に、本発明のハニカムフィルタの製造方
法について図面を参照しながら説明する。
【0029】本発明のハニカムフィルタの製造方法は、
押出成形法を用い、外壁を有し、その内部に複数の貫通
孔が隔壁を隔てて並設された柱状部が、連結部を介して
複数個結束された形状からなる、炭化珪素粉末と樹脂と
を含む炭化珪素成形体を作製する成形体作製工程と、作
製された炭化珪素成形体の上記貫通孔を封口ペーストに
より封口パターン状に封口する封口工程と、上記炭化珪
素成形体中の樹脂を熱分解して、消失させる脱脂工程
と、上記脱脂工程を経た上記炭化珪素成形体の焼成を行
って多孔質炭化珪素焼結体を製造する焼成工程と、上記
焼成工程により得られた多孔質炭化珪素焼結体の空隙部
に、炭化珪素粉末を含む充填材を充填する充填工程とを
含むことを特徴とする。
【0030】本発明では、初めに、成形体作製工程とし
て、押出成形法を用い、外壁を有し、その内部に複数の
貫通孔が隔壁を隔てて並設された柱状部が、連結部を介
して複数個結束された形状からなる、炭化珪素粉末と樹
脂とを含む炭化珪素成形体を作製する工程を行う。
【0031】上記工程においては、まず、炭化珪素粉末
とバインダーと分散媒液とを混合して成形体製造用の混
合組成物を調製した後、この混合組成物の押出成形を行
うことにより、外壁を有し、その内部に複数の貫通孔が
隔壁を隔てて並設された柱状部が、連結部を介して複数
個結束された形状からなる炭化珪素成形体を作製し、こ
の後、この成形体を乾燥させることにより分散媒液を蒸
発させ、炭化珪素粉末と樹脂とを含む炭化珪素成形体を
作製する。なお、この炭化珪素成形体には、少量の分散
媒液が含まれていてもよい。
【0032】この炭化珪素成形体の外観の形状は、図1
〜4に示した形状とほぼ同形状であるほか、楕円柱状や
三角柱状等であってもよい。なお、本工程では、充填材
層14及び充填材16に相当する部分は空洞となってい
る。
【0033】上記バインダーとしては特に限定されず、
例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコ
ール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることが
できる。上記バインダーの配合量は、通常、上記炭化珪
素粉末100重量部に対して、1〜10重量部程度が好
ましい。
【0034】上記分散媒液としては特に限定されず、例
えば、ベンゼン等の有機溶媒;メタノール等のアルコー
ル、水等を挙げることができる。上記分散媒液は、上記
樹脂の粘度が一定範囲内となるように、適量配合され
る。
【0035】次に、封口工程として、作製された炭化珪
素成形体の上記貫通孔を充填ペーストにより封口パター
ン状に封口する工程を行う。この際には、炭化珪素成形
体の貫通孔15に、封口パターン状に開孔が形成された
マスクを当接し、充填ペーストを上記マスクの開孔から
上記貫通孔に侵入させることにより、充填ペーストで一
部の貫通孔15を封口する。
【0036】上記充填ペーストとしては、セラミック成
形体の製造の際に使用した混合組成物と同様のものか、
又は、上記混合組成物にさらに分散媒を添加したものが
好ましい。
【0037】次に、脱脂工程として、上記工程により作
製された炭化珪素成形体中の樹脂を熱分解する工程を行
う。この脱脂工程では、通常、上記炭化珪素成形体を脱
脂用治具上に載置した後、脱脂炉に搬入し、酸素含有雰
囲気下、400〜650℃に加熱する。これにより、バ
インダー等の樹脂成分が揮散するとともに、分解、消失
し、ほぼ炭化珪素粉末のみが残留する。
【0038】次に、焼成工程として、脱脂した炭化珪素
成形体を、焼成用治具上に載置して焼成する工程を行
う。この焼成工程では、窒素、アルゴン等の不活性ガス
雰囲気下、2000〜2200℃で脱脂した炭化珪素成
形体を加熱し、炭化珪素粉末を焼結させることにより、
外壁を有し、その内部に複数の貫通孔が隔壁を隔てて並
設された多孔質炭化珪素部材が連結部を介して複数個結
束された形状の多孔質炭化珪素焼結体を作製する。
【0039】なお、脱脂工程から焼成工程に至る一連の
工程では、焼成用治具上に上記炭化珪素成形体を載せ、
そのまま、脱脂工程及び焼成工程を行うことが好まし
い。脱脂工程及び焼成工程を効率的に行うことができ、
また、載せ代え等において、炭化珪素成形体が傷つくの
を防止することができるからである。
【0040】このようにして、多数の貫通孔が隔壁を隔
てて長手方向に並設され、上記隔壁がフィルタとして機
能するように構成された多孔質炭化珪素焼結体を製造し
た後、充填工程として、上記多孔質炭化珪素焼結体を構
成する多孔質炭化珪素部材の外壁同士を隔てる空隙部
に、炭化珪素粉末を含む充填用ペーストを充填し、充填
材層14を形成する工程を行う。
【0041】上記充填用ペーストは、少なくとも無機繊
維、無機バインダー、有機バインダー及び無機粒子から
なるものである。
【0042】上記無機繊維としては、例えば、シリカー
アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等を挙げること
ができ、配合量としては、充填材層中固形分で、10〜
70重量%が好ましく、10〜40重量%がより好まし
く、20〜30重量%がさらに好ましい。
【0043】上記無機バインダーとしては、例えば、シ
リカゾル、アルミナゾル等を挙げることができ、配合量
としては、固形分で、1〜30重量%が好ましく、1〜
15重量%がより好ましく、5〜9重量%がさらに好ま
しい。
【0044】上記有機バインダーとしては、例えば、ポ
リビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロ
ース、カルボキシセルロース等が挙げられる。これら
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記有機バインダーのなかでは、カルボキシセルロース
が好ましい。
【0045】上記無機繊維、有機バインダー、無機バイ
ンダーは全て、単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。また、上記有機バインダーおよび無機バイン
ダー中の水分は、充填後の加熱により、分解又は蒸発し
ていてもよい。
【0046】また、上記無機粒子とは、炭化珪素であ
り、配合量としては、固形分で、3〜80重量%が好ま
しく、10〜60重量%がより好ましく、20〜40重
量%がさらに好ましい。本工程を経ることにより、上述
した構成の本発明のハニカムフィルタ10を製造するこ
とができる。
【0047】上述した本発明のハニカムフィルタの製造
方法を用いることにより、多孔質炭化珪素部材が連結部
を介して一体化したハニカムフィルタを製造することが
でき、従来のように複数の多孔質炭化珪素部材を接着、
結束する工程、結束された多孔質炭化珪素部材の切削加
工を行う工程、外周部のコーティング工程等も不要とな
り、より安価に、かつ、効率よくハニカムフィルタ10
を製造することができる。
【0048】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0049】実施例1 平均粒子径30μmのα型炭化珪素粉末70重量部、平
均粒子径0.28μmのβ型炭化珪素粉末30重量部、
メチルセルロース5重量部、分散剤4重量部、水20重
量部を配合して均一に混合することにより、原料の混合
組成物を調製した。
【0050】この混合組成物を、押出成形装置に充填
し、押出速度2cm/分にて図1に示した形状とほぼ同
形状の炭化珪素成形体を作製した。
【0051】次に、炭化珪素粉末を含有し、分散媒とし
て、グリコールエーテル系溶媒を使用した封口用充填材
の液中に、封口用マスクを密着させた炭化珪素成形体を
浸漬することにより、封口処理を行った。このとき、封
口用充填材の粘度は、室温で6000cPであり、40
℃において、4000cPであった。
【0052】次に、封口処理後の炭化珪素成形体を5%
の酸素濃度を有するガス雰囲気中、450℃で加熱する
ことにより脱脂を行い、非酸化性雰囲気中、2200℃
で焼成する工程を経て、ハニカムフィルタ10と同形状
の多孔質炭化珪素焼結体を作製した。その後、得られた
多孔質炭化珪素焼結体の外壁同士を隔てる空隙部に、充
填材を押し込んで充填材層を形成することにより、図1
〜4に示した構造のハニカムフィルタ10を製造した。
【0053】作製したハニカムフィルタ10において、
四角柱状の孔質炭化珪素部材11に相当する部分は、そ
の外形が33mm×33mm×300mmの直方体であ
り、貫通孔15の数は、31個/cm2 、隔壁17又は
外壁12の厚さは、0.35mmであった。また、ハニ
カムフィルタ10の直径は144mmであり、連結部に
相当する箇所は、その厚さが0.4mmであった。
【0054】次に、製造したハニカムフィルタを用いて
パティキュレートの捕集試験を行ったところ、漏れ等は
観察されず、通常のハニカムフィルタの場合と同様に、
長期間にわたってパティキュレートを完全に捕集するこ
とができた。
【0055】また、使用中の加熱及び冷却の繰り返しに
よる膨張や収縮のために、連結部13は破損されたが、
多孔質炭化珪素部材の隔壁17や外壁12に傷、破損等
は観察されなかった。
【0056】
【発明の効果】本発明のハニカムフィルタは、上述の通
りであるので、フィルタとして使用しても、膨張、収縮
によって多孔質炭化珪素部材の隔壁や外壁が破損しな
い。また、このハニカムフィルタの製造の際、小さなセ
グメントを接着、結束させる工程、切削、加工の工程、
及び、外周部のコーティング工程等も不要であるため、
安価なハニカムフィルタとなる。
【0057】また、本発明のハニカムフィルタの製造方
法は、上述の通りであるので、小さなセグメントを接
着、結束させる工程、切削、加工の工程、及び、外周部
のコーティング工程が不要であり、安価に、かつ、効率
よくハニカムフィルタを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハニカムフィルタの一形態を模式的に
示す斜視図である。
【図2】本発明のハニカムフィルタの一形態を模式的に
示す正面図である。
【図3】図2に示したハニカムフィルタにおいて、Aで
示した部分の部分拡大図である。
【図4】図2に示したハニカムフィルタにおいて、Bで
示した部分の部分拡大図である。
【図5】従来のハニカムフィルタを模式的に示す斜視図
である。
【図6】(a)は、図5に示したハニカムフィルタに用
いる多孔質セラミック部材を模式的に示した斜視図であ
り、(b)は、その縦断面図である。
【符号の説明】
10、30 ハニカムフィルタ 11 多孔質炭化珪素部材 12 外壁 13 連結部 14 充填材層 15、35 貫通口 16、36 充填材 17、37 隔壁 18 外周部 32 多孔質セラミック部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に
    並設され、前記隔壁がフィルタとして機能するように構
    成された多孔質炭化珪素焼結体と前記焼結体内部の一部
    に形成された充填材層とからなる排気ガス浄化用のハニ
    カムフィルタであって、外壁を有し、その内部に複数の
    前記貫通孔が隔壁を隔てて並設された多孔質炭化珪素部
    材が、前記多孔質炭化珪素部材と同材質からなる連結部
    を介して複数個結束され、前記多孔質炭化珪素部材の外
    壁同士を隔てる空隙部には、前記充填材層が形成されて
    いることを特徴とするハニカムフィルタ。
  2. 【請求項2】 連結部は、フィルタとして使用中の膨
    張、収縮により、破損が可能な厚さで形成されている請
    求項1記載のハニカムフィルタ。
  3. 【請求項3】 外周部分は、凹凸のないほぼ平滑な壁面
    により構成されている請求項1又は2記載のハニカムフ
    ィルタ。
  4. 【請求項4】 押出成形法を用い、外壁を有し、その内
    部に複数の貫通孔が隔壁を隔てて並設された柱状部が、
    連結部を介して複数個結束された形状からなる、炭化珪
    素粉末と樹脂とを含む炭化珪素成形体を作製する成形体
    作製工程と、作製された炭化珪素成形体の前記貫通孔を
    充填ペーストにより封口パターン状に封口する封口工程
    と、前記炭化珪素成形体中の樹脂を熱分解して、消失さ
    せる脱脂工程と、前記脱脂工程を経た前記炭化珪素成形
    体の焼成を行って多孔質炭化珪素焼結体を製造する焼成
    工程と、前記焼成工程により得られた多孔質炭化珪素焼
    結体の空隙部に、炭化珪素粉末を含む充填材を充填する
    充填工程とを含むことを特徴とする請求項1、2又は3
    記載のハニカムフィルタの製造方法。
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