JP4356896B2 - シート自動巻出装置及び方法 - Google Patents

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本発明は、例えばポリシート等のシート自動巻出装置及び方法に関するものである。
ポリシート等のシート類は極めて広範な分野で使用されている。これらのシートは通常巻き取られた状態で供給され、使用時に巻き戻す或いは巻き出して所定の長さに切断されて、種々の用途に供されている。
ところで、このポリシート等のシート類は、コンベアベルト(CV)などの搬送体にその先端を誘導し、1本の巻取シートが全て巻き出されると次の巻取シートから巻き出すことが行われている。
図6は、特許文献に記載されたものではないが、従来のシート巻出装置を説明するための概略図である。
図示のように、シート材料を巻き取った巻取体10を用意しておき、これを駆動ロール22と従動ロール24間に掛け渡したコンベアベルト20上方に配置して、その位置で巻取体10からポリシートなどのシート材料12を手で巻き出してコンベアベルト20上に誘導して載せ、その後はコンベアベルト及び押さえローラ26を利用して牽引して巻き出し、巻取体10の巻き出しが終了した後、次の巻取体10を用意し、手作業で次の巻取体10から同様にシート先端をコンベアベルト20に誘導するとともに、コンベアベルト20の搬送と共に巻き出しを行うようにしている。
このように、従来の巻取シートからのシートの巻き出しは人手に頼っていたため、作業効率が悪く従って生産性の面でも難があり、とくに大量のシート材を使用する例えばタイヤの製造等においては、無視し得ない問題となっている。
そこで、本発明は従来の上記問題を解決すべくなされたものであって、その目的は、従来手作業で行っていた巻取シートの交換を含めた巻き出し作業を全て自動的に行うようにして、その作業性、生産性を向上させることである。
請求項1の発明は、シート状材料の巻取体からシート材料を巻き出すよう前記巻取体を回転駆動する第1の駆動手段と、巻き出したシート状材料を牽引して巻き出す第2の駆動手段と、巻取体の回転停止を検知する手段と、前記第1の駆動手段によるシート状部材の巻き出し後において、第2の駆動手段がシート状部材の巻き出しを開始したとき前記巻取体と前記第1の駆動手段との連結を解除すると共に、前記検知手段による巻取体の回転停止検知に基づき、前記第1の駆動手段と他の巻取体とを駆動連結させるよう切換制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載されたシート状材料の巻出装置において、前記第1の駆動手段は、巻取体の巻取シャフトを回転駆動する駆動手段であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載されたシート材料巻出装置において、前記第1の駆動手段は、駆動プーリーおよび従動プーリーに掛け渡されたベルト、及び該ベルトを前記巻取体の巻取シャフトに押圧する押圧手段からなることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載されたシート材料巻出装置において、前記押圧手段は、前記巻取シャフトに対応して前記ベルトを介して反対側で前記ベルトに対し接離自在に配置された押圧プーリーである配置された押圧プーリーであることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載されたシート状材料の巻出装置において、前記押圧手段及び巻取体の巻取シャフトが前記ベルトを介してそれぞれ対向して複数個配置されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載されたシート状材料の巻出装置において、前記第2の駆動手段は、コンベアベルト及びシート材料を該コンベアベルト上に押圧する押圧手段からなることを特徴とする。
請求項7の発明は、シート状材料の巻取体からシート材料を巻き出す第1の巻き出し工程、第1の工程で巻きだしたシート状材料を牽引して巻き出す第2の巻き出し工程と、第2の巻き出し工程を開始したとき第1の巻き出し工程を停止する工程と、巻取体の回転停止を検知する工程と、前記検知手段による当該巻取体の回転停止検知に基づき、他の巻取体について前記第1の工程以下の工程を実施することを特徴とする。
(作用)
巻取体に巻かれたシート材料を第1の巻き出し手段で巻き出し、第2の牽引巻き出し手段に受け渡すことで、シート材料を牽引しながら巻取体を自由回転させることで、全ての巻取体からし−と材料が巻き出されたとき、或いは何らかの理由でシート材料が切断されたときには、巻取体は回転を停止することから、その停止を検知して、別の巻取体を巻き出しを開始する。これを順次行うことで、複数個の巻取体を巻取装置にセットするだけで、自動的にポリシートなどのシート材料を自動的に、しかも複数の巻取体について順次巻き出しを行うことができる。また、第2の牽引巻き出し手段をコンベアベルトで構成することで、そのまま次工程に搬送する。
本発明によれば、従来手作業で行われていた巻取体からのシート材料の巻き出し及びコンベアベルトへの誘導作業を自動化することが出来ると共に、複数の巻取体を巻取装置上にセットしておくだけで、シート材料切れが発生したときには、自動的に次の巻取体からの巻き出しに切り替わるから、次工程に対して実質的に材料切れが生じず、複数の巻取体について連続した巻き出し作業が可能である。そのため、従来の手作業工程に比して巻き出し工程の作業性及び生産性が著しく向上する。
本発明の巻取シート巻出装置の1実施形態について図面を参照して説明する。
まず、巻取体10(ここでは、シート材料、例えばポリシート(ポリエチレンシート)を巻取シャフト12の回りに巻き取ったものをいう)からポリシートを巻き出して、後述するコンベアベルト(CV)上に自動的に誘導するための原理について説明する。
図1は、本発明の1実施形態に係るシート材料の巻き出し装置を概略的に示す図である。図1において、巻取シャフト12の駆動手段は、モータMで駆動される駆動ローラ32と、従動ローラ34と、両ローラ間に掛け渡した駆動用Vベルト36と、駆動Vベルト36上でこのベルト36と接離自在に配置された複数の、例えば、この実施形態では6個の押圧ローラ18からなっている。
また、前記Vベルト36の反対側で前記Vベルト36のベルト間の領域には、前記6個の押圧ローラ18に対応して6個の巻取シャフト12が等間隔でかつ上下に略千鳥状に位置をずらして配置されている。
押圧ローラ18は、例えばシリンダ16内を上下動するピストンロッド19に固着されており、制御手段又は制御装置40からの指示により、例えば図示しない電磁弁を切り替えるなどして、ポンプ等からシリンダ16に圧力流体を供給することで上下動させるようになっている。
以上の構成において、6個の押圧ローラ中第1番目の押圧ローラ18が制御装置40によって選択されると、押圧ローラ18はシリンダ・ピストン機構により下降して、駆動ローラ32と従動ローラ34間を移動中の前記Vベルト36の表面を押下し、その裏面を第1番目の巻取体10の巻取シャフト12に押し付け、Vベルト36の駆動力を前記巻取シャフト12に摩擦伝動する。即ち、前記巻取シャフト12は、摩擦力でVベルト36に引きずられるようにその移動方向に回転を始め、巻取シャフト12の回りに巻き取られたポリシートを繰り出す。
20は、巻取体10から巻き出されたポリシート14の搬送用コンベアであって、図示のようにモータMにより駆動される駆動ローラ22と従動ローラ24間に掛け渡されている。
図2は、巻取体10から巻き出されたポリシート14が搬送用のコンベアベルト20上に誘導される状態を示したものである。図2Aでは、巻取体10の巻き出し当初の状態であり、ポリシート14は巻取体10から下方のコンベアベルト20に向かって降下し始めている。
図2Bは、降下したポリシート14がコンベアベルト20の搬送面にまで巻き出され、その先端が押さえロール26とコンベアベルト20の搬送面間に到達して、両者間に保持された状態を示している。
第1番目の押圧ローラ18は、この図2Bに示す状態になるまでは、Vベルト36の表面を押下し、その裏面を巻取体10の巻取シャフト12に押し付ける状態を維持するが、図2Bの状態に達した段階で、制御装置40の指示により、巻取シャフト12は前記Vベルト36から離れ、自由回転可能な状態になる。
前記ピストンロッド19、従って押圧ローラ18の上昇指示のタイミングは、例えば、予め第1番目の押圧ローラ18の下降停止からポリシート14が図2Bの状態に達するまでの時間としてセットしておくか、或いは、前記状態に達したポリシートを図示しない周知の検知手段で検知したタイミングとすることができる。つまり、巻取シャフト12を所定時間駆動し巻き出し、或いはポリシート14が押さえロール26とコンベアベルト20の搬送面間に到達して両者間に保持されたとき、その先端を検知するなどして、駆動手段をコンベアベルト20に切り換えた段階で巻取シャフト12をフリーにする。
図2Cは、コンベアベルト20上のポリシート14の先端が押さえロール26を越えた後の状態、即ち、上述のように巻取体10の巻取シャフト12はフリー回転の状態にあり、コンベアベルト20の搬送力でポリシート14を押さえロール26で押さえながら牽引して巻き出している状態を示している。
次に、巻取体の切り換えについて説明する。
巻取シャフト12は、巻取体10から全てのポリシート14が巻き出されるとその回転を停止する。この巻取シャフト12の停止は、例えば図3に示すような周知の回転センサS、例えば巻取シャフト12に一体に形成したフランジ12aに取り付けたドグ12bを検知する回転センサSで、ドグ12bの回転の有無で検知する。
なお、回転検出として他の周知のセンサを用いることも当然可能である。
制御装置40は、回転センサーSからの停止信号を受けると、次の巻取シャフト12を駆動するため、第2番目のシリンダ16のピストンロッド19を下降させ、ピストンロッド19に取り付けた押圧ロール18でVベルト36を押下し、その裏面を第2の巻取体10の巻取シャフト12に押しつけて第2の巻取体10の巻き出しを開始する。以後の動作は既に説明した第1の巻取体の場合と同様である。
ここで、図4は、各巻取体10(10〜10)とコンベアベルト20との配置関係を説明するための図であるが、この配置関係において、第1番目の巻取体10の巻き出しが終わると、次に第2番目の巻取体10の巻き出しが開始する。このように、本装置によれば、セットした巻取体10〜10の全て、ここでは6個の巻取体10(10〜10)の巻き出しが全て終了するまで、自動的に巻取体10を交換しつつ巻き出しを継続的に行うことができる。
次に、本巻出装置の動作について説明する。
まず巻出装置をONすると、制御装置40は、まず1番目のシリンダ16中のピストンロッド19を下降して、それに取り付けた押圧ロール18でベルト36を押下して、ベルト裏面を1番目の巻取シャフト12に接合させる。これによりベルト36の駆動力は巻取シャフト12に摩擦伝動されて巻取シャフト12が回転し、巻取シャフト12に巻き取られたポリシート14が巻き出される。ポリシート14の先端が押さえロール26とコンベアベルト20の搬送面間に保持されると、制御装置40は押圧ローラ18を上昇させ、それによって巻取シャフト12は駆動力と切り離され自由回転する。この巻取シャフト12の回転停止は、前述のように回転センサーSで検知される。
制御装置40は、巻取センサSから回転停止に伴う検知信号を受けると、第2番目の押圧ローラ18を下降するようピストン・シリンダ機構を制御し、第2番目の巻取シャフト12にVベルト36裏面を押し付ける。その後の動作制御は既に述べたと同じであり、これをセットされた巻取シートの全ての巻き出しが終了するまで繰り返す。
図5は、以上で述べた制御装置30の制御手順を示すフロー図である。
まず、巻出装置をONすると、制御装置40は、第1番目の押さえローラ18の下降を指示し(S101)、巻取シャフト12に運動中のVベルト36を押圧させ(S102)、該巻取シャフト12を回転駆動してシート材料であるポリシートを巻き出させる(S103)。ポリシートがコンベアベルト20上で押さえローラ26間に保持されたか否かを判断し、保持されたと判断したときは(S104、YES)、制御装置40は第1番目の押圧ローラ18の上昇を指示する(S105)。この状態では巻取体10の巻取シャフト12は、コンベアベルト20の搬送に伴って巻き出されるポリシートの引っ張り力で自由回転している。第1番目のセンサSに指示してこの回転を監視させ、センサSが回転停止を検知したときは(S106、YES)、制御装置40は、それが最後の巻取体の巻取シャフト12についてのものか否かを判断し、最後の巻き出しでなければ(S107,NO)、ステップS101に戻り、次に第2の押圧ローラ18の下降指示を出し、以下、既に説明した処理を再度実施し、最後の巻き出しについてのものであれば(S107、YES)、処理を終了する。
なお、本発明の巻取シャフトの回転駆動手段としては、上記実施形態のものに限定されず、例えば、周知の動力切換装置を用いて、制御装置の制御の下で巻き出すシート材料が切れた段階で巻取体を順次切り換えるようにしてもよい。また、シート材料の牽引搬送装置もコンベアベルトに限らず、他の機械的搬送手段を用いることも当然可能である。その他、上記実施形態で用いた各手段も同等の作用を奏する他の周知の手段に置き換えることもできる。
本発明のシート材料の巻出装置を概略的に示すブロック図である。 巻取体から巻き出されたポリシートをコンベアベルトに誘導し、かつコンベアベルトで牽引駆動するまでの状態を説明する図である。 回転センサの一例を示す図である。 巻取体とコンベアベルトとの配置関係を示す図である。 制御装置で実施する巻き出し手順を説明するためのフロー図である。 従来のシート材料の巻き出しを説明するための図である。
符号の説明
1・・・巻きだし装置、10・・・巻取体、12・・・巻取シャフト、14・・・ポリシート(シート材料)、16・・・シリンダ、18・・・押圧ローラ、20・・・コンベアベルト、26・・・押さえローラ、30・・・ベルト伝動装置、32・・・駆動ローラ、34・・・従動ローラ、36・・・Vベルト、40・・・制御装置、S・・・回転センサ。

Claims (7)

  1. シート状材料の巻取体からシート材料を巻き出すよう前記巻取体を回転駆動する第1の駆動手段と、巻き出したシート状材料を牽引して巻き出す第2の駆動手段と、巻取体の回転停止を検知する手段と、前記第1の駆動手段によるシート状部材の巻き出し後において、第2の駆動手段がシート状部材の巻き出しを開始したとき前記巻取体と前記第1の駆動手段との連結を解除すると共に、前記検知手段による巻取体の回転停止検知に基づき、前記第1の駆動手段と他の巻取体とを駆動連結させるよう切換制御する制御手段を備えたことを特徴とするシート状材料の巻出装置。
  2. 請求項1に記載されたシート状材料の巻出装置において、
    前記第1の駆動手段は、巻取体の巻取シャフトを回転駆動する駆動手段であることを特徴とするシート材料巻出装置。
  3. 請求項2に記載されたシート材料巻出装置において、
    前記第1の駆動手段は、駆動プーリーおよび従動プーリーに掛け渡されたベルト、及び該ベルトを前記巻取体の巻取シャフトに押圧する押圧手段からなることを特徴とするシート材料巻出装置。
  4. 請求項3に記載されたシート材料巻出装置において、
    前記押圧手段は、前記巻取シャフトに対応して前記ベルトを介して反対側で前記ベルトに対し接離自在に配置された押圧プーリーであることを特徴とするシート材料巻出装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載されたシート状材料の巻出装置において、
    前記押圧手段及び巻取体の巻取シャフトが前記ベルトを介してそれぞれ対向して複数個配置されていることを特徴とするシート材料巻出装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載されたシート状材料の巻出装置において、
    前記第2の駆動手段は、コンベアベルト及びシート材料を該コンベアベルト上に押圧する押圧手段からなることを特徴とするシート材料巻出装置。
  7. シート状材料の巻取体からシート材料を巻き出す第1の巻き出し工程、第1の工程で巻きだしたシート状材料を牽引して巻き出す第2の巻き出し工程と、第2の巻き出し工程を開始したとき第1の巻き出し工程を停止する工程と、巻取体の回転停止を検知する工程と、前記検知手段による当該巻取体の回転停止検知に基づき、他の巻取体について前記第1の工程以下の工程を実施することを特徴とするシート材料巻き出し方法。
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