JP4356265B2 - 蓄熱装置を備えた内燃機関 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄熱装置を備えた内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、内燃機関は、燃焼室周辺の温度が所定温度に達していない状態、いわゆる冷間状態で運転されると、燃焼室に供給される燃料が霧化し難くなるとともに、燃焼室の壁面近傍における消炎が発生するため、始動性の低下や排気エミッションの悪化が誘発される。
【0003】
そこで、内燃機関が運転中に発する熱を蓄えておき、その蓄えた熱を機関停止中、または、機関始動時に内燃機関に供給して内燃機関の温度を上昇させる蓄熱装置を備えた内燃機関が知られている。しかし、内燃機関を始動した直後からエミッション性能の改善及び燃費性能の向上を実現するためには、内燃機関始動前から当該内燃機関に熱を供給して、内燃機関始動時に該内燃機関が所定温度以上に達していることが必要である。
【0004】
ところが、内燃機関を始動するタイミングは、状況により異なるため、蓄熱装置から内燃機関に熱が供給された後、内燃機関が始動するまでの時間が長くなると、内燃機関に供給された熱は大気中へ放出され、内燃機関の温度は徐々に低下してしまう。また、少量ではあるが蓄熱装置から外部へ熱が放出するため、長期間内燃機関の運転がなされないと蓄熱装置に蓄えられている熱が減少し、内燃機関を所定温度まで上昇させることが困難になる虞がある。
【0005】
このような問題に対して例えば特許第2576488号公報では、断熱タンクの外に電気ヒータ等の加熱器を設けて断熱タンク内の冷水を加熱可能にするとともに、断熱タンクから温水を取り出す温水流通管や断熱タンクへ冷却水を供給する冷却水通路を断熱タンクの底部の一個所に集中させて断熱タンクからの熱漏れを極力少なくできる温水供給装置が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の温水供給装置は、電気ヒータ等による加熱を行うべく少なからず該電気ヒータ等への電力供給が必要となる。車両への蓄熱装置の搭載を考慮すると、電気ヒータ等への電力供給は車両に搭載されたバッテリーから行うのが好適である。このバッテリーは、内燃機関運転時に該内燃機関から発生するエネルギーを蓄えておき、必要なときに電気エネルギーとして取り出すことができる。そして、内燃機関停止時においても電気ヒータ等に電力を供給することができる。
【0007】
しかし、バッテリーに蓄えることができる電気量には限りがあるため、長期間電気ヒータ等による加熱が行われると、バッテリーに蓄えられたエネルギーが過剰に消費されてしまい、内燃機関の始動時にスタータモータや点火栓等に電力を供給することができなくなり、内燃機関の始動性等に影響が及ぶ虞がある。
【0008】
本発明は、以上の問題を解決するためになされたものであり、蓄熱装置を備えた内燃機関において、バッテリー等の蓄電手段に蓄えられたエネルギーの過剰な消費を防止しつつ好適な蓄熱を行える技術を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために本発明の蓄熱装置を備えた内燃機関は、以下の手段を採用した。即ち、
熱媒体が持つ熱を蓄える蓄熱手段と、
前記蓄熱手段に蓄えられた熱媒体を内燃機関へ供給する熱供給手段と、
前記内燃機関の運転時に発生するエネルギーを蓄える蓄電手段と、
前記蓄電手段からエネルギーを供給されて前記蓄熱手段に蓄えられた熱媒体を加熱する加熱手段と、
前記内燃機関の運転時間に基づいて前記加熱手段が消費可能なエネルギー量を算出する消費制限算出手段と、
を備え、
前記加熱手段は、前記消費制限算出手段が算出した消費可能なエネルギー量の範囲内で熱媒体の加熱を行うことを特徴とする。
【0010】
本発明の最大の特徴は、蓄熱手段に蓄えられたエネルギーを使用して蓄熱装置の熱媒体を加熱する加熱手段を具備した内燃機関において、内燃機関の始動時等に必要となる最小限のエネルギーを蓄電手段に確保しつつ、蓄熱装置の熱媒体を最大限に加熱する点にある。
【0011】
このように構成された蓄熱装置を備えた内燃機関では、内燃機関の運転中に発生した熱は、内燃機関の運転停止後においても蓄熱手段で保存される。この蓄熱手段により蓄えられた熱は、内燃機関が冷間始動される場合等に熱媒体を介して内燃機関に供給される。このような熱の供給が行われると、内燃機関が冷間始動される場合であっても該内燃機関が早期に暖機されることになる。
【0012】
その際、蓄熱手段に蓄えられた熱量が少なくなると、蓄熱手段から内燃機関へ十分な量の熱を供給することができなくなるため、加熱手段は、蓄熱手段に蓄えられた熱媒体を適宜加熱し、蓄熱手段の蓄熱量を増加させる。
【0013】
ところで、加熱手段は、蓄熱手段に蓄えられたエネルギーを利用して熱媒体の加熱を行うことになるため、加熱手段が無闇に加熱媒体の加熱を行うと、蓄電手段のエネルギーが過剰に消費されてしまう。
【0014】
そこで、本発明に係る蓄熱装置を備えた内燃機関は、加熱手段が消費可能なエネルギー量を算出する消費制限算出手段を備え、加熱手段が消費するエネルギー量を制限するようにした。
【0015】
この場合、加熱手段は、消費制限算出手段によって算出されたエネルギー量の範囲内で熱媒体の加熱を行うことになるため、蓄電手段に蓄えられたエネルギーが過剰に消費されることがなくなる。
【0016】
その結果、蓄電手段に蓄えておくべき必要最小限のエネルギー量を確保可能な範囲内で蓄熱手段の蓄熱量が最大限に増加されることになる。
【0017】
ここで、蓄電手段に蓄えられるエネルギー量は内燃機関の運転時間と相関があるため、消費制限算出手段は、加熱手段が消費可能なエネルギー量を算出するにあたり、内燃機関の運転時間をパラメータとして用いてもよく、より具体的には、前回の内燃機関の始動前に蓄電手段に蓄えられていたエネルギー量と前回の内燃機関の運転時間とをパラメータとして、加熱手段が消費可能なエネルギー量を算出するようにしても良い。
【0018】
本発明においては、前記蓄熱手段に蓄えられた熱媒体の温度を計測する熱媒体温度計測手段を備え、前記加熱手段は、内燃機関停止中に前記熱媒体温度計測手段の計測値が所定温度以下になる度に所定時間熱媒体の加熱を行い、内燃機関停止中の消費エネルギーの合計が前記消費制限算出手段の算出結果よりも大きくなると加熱を停止するようにしても良い。このようにすると、消費可能なエネルギー量の範囲内で熱媒体を所定温度以上に保つことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る内燃機関の蓄熱装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。ここでは、本発明に係る内燃機関の蓄熱装置を車両駆動用のガソリン機関に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る内燃機関の蓄熱装置を適用するエンジン1とその冷却水が循環する冷却水通路(循環通路)A、B、Cとを併せ示す概略構成図である。循環通路に示された矢印は、エンジン1が運転されているときの冷却水の流通方向である。
【0021】
図1に示すエンジン1は、水冷式の4サイクル・ガソリン機関である。
【0022】
エンジン1の外郭は、シリンダヘッド1a、シリンダヘッド1aの下部に連結されたシリンダブロック1b、シリンダブロック1bの更に下部に連結されたオイルパン1cを備えて構成される。
【0023】
シリンダヘッド1a及びシリンダブロック1bには冷却水が循環するための通路であるウォータジャケット23が設けられている。このウォータジャケット23の入口には、冷却水をエンジン1外部から吸い込み、エンジン1内部に吐出させるウォータポンプ6が設けられている。このウォータポンプ6は、エンジン1の出力軸の回転トルクを駆動源として作動するポンプである。即ち、ウォータポンプ6は、エンジン1が運転されているときに限り作動する。また、エンジン1には、ウォータジャケット23内の冷却水の温度に応じた信号を発信するエンジン内冷却水温度センサ29が取り付けられている。
【0024】
エンジン1に冷却水を循環させるための通路は、ラジエータ9を循環する循環通路A、ヒータコア13を循環する循環通路B、蓄熱装置10を循環する循環通路Cに分別される。各循環通路の一部には他の循環通路と共有されている個所がある。
【0025】
循環通路Aは、主に、冷却水の熱をラジエータ9から放出させることにより、冷却水の温度を低下させる機能を有する。
【0026】
循環通路Aは、ラジエータ入口側通路A1、ラジエータ出口側通路A2、ラジエータ9、ウォータジャケット23で構成されている。シリンダヘッド1aには、ラジエータ入口側通路A1の一端が接続され、ラジエータ入口側通路A1の他端は、ラジエータ9の入口に接続される。
【0027】
ラジエータ9の出口には、ラジエータ出口側通路A2の一端が接続され、ラジエータ出口側通路A2の他端はシリンダブロック1bに接続されている。ラジエータ9の出口からシリンダブロック1bに至るラジエータ出口側通路A2上には、冷却水の温度が所定温度になると開弁するサーモスタット8が設けられている。また、ラジエータ出口側通路A2とシリンダブロック1bとは、ウォータポンプ6が介在して接続されている。
【0028】
循環通路Bは、主に、冷却水の熱をヒータコア13から放出させることにより、車室内雰囲気温度を上昇させる機能を有する。
【0029】
循環通路Bは、ヒータコア入口側通路B1、ヒータコア出口側通路B2、ヒータコア13、ウォータジャケット23で構成されている。ヒータコア入口側通路B1の一端は、ラジエータ入口側通路A1の途中に接続される。ヒータコア入口側通路B1の一部で、シリンダヘッド1aからこの接続部までの通路は、ラジエータ入口側通路A1と共有される。又、ヒータコア入口側通路B1の他端は、ヒータコア13の入口に接続される。ヒータコア入口側通路B1の途中にはECU22からの信号により開閉する遮断弁31が介在する。ヒータコア13の出口には、ヒータコア出口側通路B2の一端が接続され、ヒータコア出口側通路B2の他端は、ラジエータ出口側通路A2の途中のサーモスタット8とウォータポンプ6との間に接続されている。この接続部からシリンダブロック1bまでの通路及びウォータジャケット23は、ラジエータ出口側通路A2と共有される。
【0030】
循環通路Cは、主に、冷却水の熱を蓄え、又、この蓄えた熱を放出してエンジン1を温める機能を有する。
【0031】
循環通路Cは、蓄熱装置入口側通路C1、蓄熱装置出口側通路C2、蓄熱装置10、ウォータジャケット23で構成されている。蓄熱装置入口側通路C1の一端は、ヒータコア出口側通路B2の途中に接続される。シリンダヘッド1aからこの接続部までの通路は、循環通路A及びBと共有される。一方、蓄熱装置入口側通路C1の他端は、蓄熱装置10の入口に接続される。蓄熱装置10の出口には、蓄熱装置出口側通路C2の一端が接続され、蓄熱装置出口側通路C2の他端は、ラジエータ入口側通路A1の途中に接続される。エンジン1の内部では、循環通路A及びBとウォータジャケット23を一部共有する。又、蓄熱装置10の入口及び出口には、冷却水を図1中の矢印方向にのみ流通させるための逆止弁11が設けられている。蓄熱装置10の内部には、蓄熱装置内に蓄えられた冷却水の温度に応じて信号を発信する蓄熱装置内冷却水温度センサ28が設けられている。更に、蓄熱装置入口側通路C1の途中で、且つ、逆止弁11の上流側には、電動ウォータポンプ12が介在している。
【0032】
蓄熱装置10は、外側容器10aと内側容器10bとの間に真空の断熱空間が設けられ、該蓄熱装置10の内部には冷却水が内部へ流入するときに通過する冷却水注入管10c、冷却水が外部へ流出するときに通過する冷却水注出管10d、ヒータ32、及び蓄熱装置内冷却水温度センサ28が設けられている。
【0033】
このように構成された循環通路では、循環通路Aにおいては、エンジン1が運転中には、クランクシャフト(図示省略)の回転トルクがウォータポンプ6の入力軸へ伝達されると、ウォータポンプ6は、クランクシャフトから該ウォータポンプ6の入力軸へ伝達された回転トルクに応じた圧力で冷却水を吐出する。一方、エンジン1が停止中にはウォータポンプ6が停止するので、冷却水が循環通路Aを循環することはない。
【0034】
前記ウォータポンプ6から吐出された冷却水は、ウォータジャケット23を流通する。このときに、シリンダヘッド1a及びシリンダブロック1bと冷却水との間で熱の移動が行われる。シリンダ2内部で燃焼により発生した熱の一部は、シリンダ2の壁面へ伝わり、更にシリンダヘッド1a及びシリンダブロック1bの内部を伝わってシリンダヘッド1a及びシリンダブロック1b全体の温度が上昇する。シリンダヘッド1a及びシリンダブロック1bに伝わった熱の一部は、ウォータジャケット23内部の冷却水に伝わり、当該冷却水の温度を上昇させる。また、その分熱を失ったシリンダヘッド1a及びシリンダブロック1bの温度は低下する。このようにして、温度が上昇した冷却水は、シリンダブロック1bからラジエータ入口側通路A1へ流出する。
【0035】
ラジエータ入口側通路A1へ流出した冷却水は、当該ラジエータ入口側通路A1を流通した後ラジエータ9に流入する。ラジエータ9では、外気と冷却水との間で熱交換が行われる。温度が高くなっている冷却水の熱の一部は、ラジエータ9の壁面へ伝わり、更にラジエータ9の内部を伝わってラジエータ9全体の温度が上昇する。ラジエータ9に伝わった熱の一部は、外気に伝わり、当該外気の温度を上昇させる。また、その分熱を失った冷却水の温度は低下する。その後、温度が低下した冷却水は、ラジエータ9から流出する。
【0036】
ラジエータ9から流出した冷却水は、ラジエータ出口側通路A2を流通してサーモスタットに到達する。ここで、サーモスタット8は、ヒータコア出口側通路B2を流通する冷却水の温度が所定温度に達すると内蔵されたワックスの熱膨張により自動的に開弁する。即ち、ヒータコア出口側通路B2を流通する冷却水の温度が所定温度に達していなければ、ラジエータ出口側通路A2は遮断され、該ラジエータ出口側通路A2内部の冷却水はサーモスタット8を通過することはできない。
【0037】
サーモスタット8が開弁しているときには、当該サーモスタット8を通過した冷却水はウォータポンプ6に流入する。
【0038】
このようにして、冷却水の温度が高くなったときに限りサーモスタット8が開弁し冷却水がラジエータ9を循環する。ラジエータ9で温度が下降した冷却水は、ウォータポンプ6からウォータジャケット23へ吐出され再度温度が上昇する。
【0039】
一方、ラジエータ入口側通路A1を流通する冷却水の一部は、ヒータコア入口側通路B1に流入する。
【0040】
ヒータコア入口側通路B1に流入した冷却水は、当該ヒータコア入口側通路B1を流通して、遮断弁31に到達する。遮断弁31は、ECU22からの信号により、エンジン1の運転中には開弁され、エンジン1の停止中には閉弁される。エンジン1の運転中には、冷却水は遮断弁31を通過してヒータコア入口側通路B1を流通しヒータコア13に到達する。
【0041】
ヒータコア13は、車室内で空気と熱交換を行い、熱の移動により昇温された空気は図示しない送風機により車室内を循環し、車室内雰囲気温度が上昇する。その後、冷却水は、ヒータコア13から流出し、ヒータコア出口側通路B2を流通し、ラジエータ出口側通路A2と合流する。このときに、サーモスタット8が開弁しているときには、循環通路Aを流通する冷却水と合流してウォータポンプ6へ流入する。一方、サーモスタット8が閉弁しているときには、循環通路Bを流通してきた冷却水がウォータポンプ6に流入する。
【0042】
このようにして、ヒータコア13で温度が下降した冷却水は、再度ウォータポンプ6からウォータジャケット23へ吐出される。
【0043】
以上述べたように構成されたエンジン1には、当該エンジン1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)22が併設されている。このECU22は、エンジン1の運転条件や運転者の要求に応じてエンジン1の運転状態を制御し、又、エンジン1の運転停止中にはエンジン1の昇温制御(エンジンプレヒート制御)を行うユニットである。
【0044】
ECU22には、クランクポジションセンサ27、蓄熱装置内冷却水温度センサ28、エンジン内冷却水温度センサ29等の各種センサが電気配線を介して接続され、上記した各種センサの出力信号がECU22に入力されるようになっている。
【0045】
ECU22は、電動ウォータポンプ12、遮断弁31等を制御することが可能なように、これらが電動ウォータポンプ12、遮断弁31等と電気配線を介して接続されている。
【0046】
ここで、図2に示すように、ECU22は、双方向性バス350によって相互に接続されたCPU351と、ROM352と、RAM353と、バックアップRAM354と、入力ポート356と、出力ポート357とを備えるとともに、前記入力ポート356に接続されたA/Dコンバータ(A/D)355を備えている。
【0047】
前記入力ポート356は、クランクポジションセンサ27のようにデジタル信号形式の信号を出力するセンサの出力信号を入力し、それらの出力信号をCPU351やRAM353へ送信する。
【0048】
前記入力ポート356は、蓄熱装置内冷却水温度センサ28、エンジン内冷却水温度センサ29、バッテリー30等のように、アナログ信号形式の信号を出力するセンサのA/D355を介して入力し、それらの出力信号をCPU351やRAM353へ送信する。
【0049】
前記出力ポート357は、電動ウォータポンプ12、遮断弁31等と電気配線を介して接続され、CPU351から出力される制御信号を、前記した電動ウォータポンプ12、遮断弁31等へ送信する。
【0050】
前記ROM352は、蓄熱装置10からエンジン1に熱を供給するためのエンジンプレヒート制御ルーチン、ヒータ32による冷却水加熱制御ルーチン等のアプリケーションプログラムを記憶している。
【0051】
前記ROM352は、上記したアプリケーションプログラムに加え、各種の制御マップを記憶している。前記制御マップは、例えば、エンジン1の運転状態と基本燃料噴射量(基本燃料噴射時間)との関係を示す燃料噴射量制御マップ、エンジン1の運転状態と基本燃料噴射時期との関係を示す燃料噴射時期制御マップ等である。
【0052】
前記RAM353は、各センサからの出力信号やCPU351の演算結果等を格納する。前記演算結果は、例えば、クランクポジションセンサ27がパルス信号を出力する時間的な間隔に基づいて算出される機関回転数である。これらのデータは、クランクポジションセンサ27がパルス信号を出力する都度、最新のデータに書き換えられる。
【0053】
前記バックアップRAM354は、エンジン1の運転停止後もデータを記憶可能な不揮発性のメモリである。エンジン1の運転時間等が格納される。
【0054】
次に、エンジン1の昇温制御(以下、「エンジンプレヒート制御」と称する。)についてその概要を説明する。
【0055】
エンジン1の運転中に、ECU22が電動ウォータポンプ12に信号を送り、当該電動ウォータポンプ12を作動させると、循環通路Cに冷却水が循環する。
【0056】
ヒータコア出口側通路B2を流通する冷却水の一部は、蓄熱装置入口側通路C1に流入し、当該蓄熱装置入口側通路C1を流通して電動ウォータポンプ12に到達する。電動ウォータポンプ12は、ECU22からの信号により作動して、所定の圧力で冷却水を吐出する。
【0057】
電動ウォータポンプ12から吐出された冷却水は、蓄熱装置入口側通路C1を流通して逆止弁11を通過し、蓄熱装置10に到達する。冷却水注入管10cから蓄熱装置10の内部に流入した冷却水は、冷却水注出管10dから蓄熱装置の外部へと流出する。
【0058】
蓄熱装置10の内部に流入した冷却水は、外部から断熱された状態となり保温される。蓄熱装置10から流出した冷却水は、逆止弁11を通過し、蓄熱装置出口側通路C2を流通してラジエータ入口側通路A1に流入する。
【0059】
このように、蓄熱装置10の内部には、エンジン1で昇温された冷却水が流通し、蓄熱装置10の内部は温度の高い冷却水で満たされる。そして、エンジン1が停止した後、ECU22が電動ウォータポンプ12の作動を停止すれば、蓄熱装置10に温度の高い冷却水を蓄えることができる。蓄えられた冷却水は、蓄熱装置10の保温効果により温度の低下が抑制される。
【0060】
エンジンプレヒート制御は、ECU22にトリガー信号が入力されたときに、ECU22が起動して開始される。
【0061】
本制御実行開始条件となるトリガー信号には、例えば、図示しないドア開閉センサが発信する運転席側のドアの開閉信号が挙げられる。車両運転者が、車両に搭載されたエンジン1を始動するには、その前に車両のドアを開いて乗車する動作が当然に伴う。そこで、車両のドアが開けられたと検知した場合には、ECU22が起動してエンジンプレヒート制御を行い、車両運転者がエンジン1を始動するときにはエンジン1が温まった状態にあるようにする。
【0062】
ECU22は、蓄熱装置10に蓄えられた温度の高い冷却水をエンジン1の停止中に循環通路Cに循環させ、当該エンジン1の昇温制御を行う。
【0063】
図3は、エンジン1の停止中に蓄熱装置10からエンジン1に熱が供給されるときの、冷却水が循環する通路とその流通方向を示した図である。蓄熱装置10からエンジンに熱が供給されているときのウォータジャケット23における冷却水流通方向は、エンジン1が運転されているときの冷却水流通方向とは反対となる。ここで、エンジンプレヒート制御実行中には、遮断弁31はECU22により閉弁される。
【0064】
電動ウォータポンプ12は、ECU22からの信号に基づいて作動し、所定の圧力で冷却水を吐出する。吐出された冷却水は、蓄熱装置入口側通路C1を流通して逆止弁11を通過し、蓄熱装置10に到達する。このときに蓄熱装置10に流入する冷却水は、エンジン1の停止中に温度が低下した冷却水である。
【0065】
蓄熱装置10の内部に貯留された冷却水は、冷却水注出管10dを介して蓄熱装置10から流出する。このときに蓄熱装置10から流出する冷却水は、エンジン1の運転中に蓄熱装置10に流入し、当該蓄熱装置10により保温された温度の高い冷却水である。蓄熱装置10から流出した冷却水は、逆止弁11を通過し、蓄熱装置出口側通路C2を流通してシリンダヘッド1aに流入する。ここで、エンジン1の停止中には、ECU22からの信号により遮断弁31は閉弁されるため、ヒータコア13には冷却水が循環することはない。また、冷却水温度がサーモスタット8の開弁温度よりも高いときには、蓄熱装置10からエンジン1へ熱の供給を行う必要が無いためエンジンプレヒート制御は行われない。即ち、エンジン1の停止中に冷却水の循環が行われるのは、サーモスタット8が閉弁しているときに限られる。従って、エンジンプレヒート制御中にヒータコア13及びラジエータ9に冷却水が循環して熱交換が行われることにより冷却水の温度が低下することはない。
【0066】
シリンダヘッド1aに流入した冷却水は、ウォータジャケット23を流通する。ウォータジャケット23では、シリンダヘッド1aと冷却水との間で熱交換が行われる。冷却水が持つ熱の一部は、シリンダヘッド1a及びシリンダブロック1bの内部を伝わりエンジン1全体の温度が上昇する。また、その分熱を失った冷却水の温度は低下する。
【0067】
このようにして、ウォータジャケット23で熱の移動が行われて温度が低下した冷却水は、シリンダブロック1bから流出し、蓄熱装置入口側通路C1を流通して電動ウォータポンプ12に到達する。
【0068】
このように、ECU22は、エンジン1の始動に先立ち電動ウォータポンプ12を作動させることにより、シリンダヘッド1aの昇温(エンジンプレヒート制御)を行う。
【0069】
ヒータ32は、蓄熱装置10の内部に貯留された冷却水の温度が低下したときに冷却水を加熱する。ヒータ32には、チタン酸バリウムに添加剤を加えて形成されたPTCサーミスタ(Positive Temperature Coefficient Thermistor)を採用する。PTCサーミスタは、所定温度(キュリー点)に達すると抵抗値が急激に上昇する性質を持った感熱抵抗素子である。電圧を加えて発熱した素子は、キュリー点に達すると抵抗が大きくなるために電流が流れにくくなり温度が低下する。そして温度が低下すると、今度は抵抗が小さくなるために電流が流れやすくなり温度が上昇する。このように、PTCサーミスタは、外部から温度の制御せずとも略一定の温度で安定する自己温度制御が可能である。
【0070】
このようなヒータ32を設けると、エンジン1が停止中に循環されて温度が低下した冷却水を再度昇温することができるため、蓄熱装置10の昇温機能を長期に亘り持続することが可能となる。尚、本実施の形態では、ヒータ32に常時電力を供給するのではなくCPU351により通電制御が行われる。
【0071】
ところで、本実施の形態で適用するシステム、即ちエンジン1及び蓄熱装置10間を循環する冷却水により両部材1、10の熱交換を行うシステムでは、蓄熱装置10内に蓄えられた冷却水(熱水)がエンジン1に供給される一方で、エンジン1内の冷却水が蓄熱装置10へ流入する。このため、エンジン1内の冷却水温度が徐々に上昇する一方で、蓄熱装置10内の冷却水温度は徐々に低下していく。エンジン1の始動が何等かの要因で延期された場合には、昇温されたエンジン1の温度が低下するため再度昇温する必要が生じるが、このときには蓄熱装置10内の冷却水温度が低下しているため十分な効果を得ることができない。ここで、蓄熱装置10内の温度が低下した冷却水を加熱すると、再度エンジン1へ温水を循環させ熱の供給を行うことが可能となるが、冷却水の加熱には、バッテリー30からの電力供給を必要とする。このバッテリー30は、エンジン1を始動させるときにスタータモータ(図示省略)等に電力を供給するため、このときに必要な電力までもが冷却水の加熱に使用されてしまうとエンジン1の始動性が悪化する虞がある。
【0072】
そこで、本実施の形態では、エンジン1の運転時間に基づいて冷却水加熱時間を決定する。ここで、エンジン1の運転時間とバッテリー30に充電される電気量との間には相関関係があり、また、ヒータ32の消費電力とヒータ32の通電時間との間には相関関係があるため、エンジン1の運転時間に基づいてヒータ32に通電可能となる時間を算出することができる。このように、本実施の形態では、バッテリー30に充電された電気量を考慮して冷却水の加熱を行うため、始動性を悪化させることがなく、また、いわゆるバッテリー上がりを防止することができる。
【0073】
次に、このような冷却水加熱制御を行うときの制御フローについて説明する。
【0074】
図4及び図5は、冷却水加熱制御のフローを表すフローチャート図である。この冷却水加熱制御は、エンジン1内の冷却水温度が所定温度(例えば80℃。以下、「保温目標温度」とする。)以下に低下したときに、ECU22が起動して開始される。
【0075】
ここで、ECU22が起動すると先ずCPU351はヒータ32の通電回数を示すカウンターnの値をリセットして0とする。
【0076】
ステップS101では、前回の冷却水加熱制御終了後にバッテリー30に残されている使用可能な電気量を算出する。ここで、前回の冷却水加熱制御実行前にバッテリーに充電されている使用可能な電気量Abat0と前回の冷却水加熱制御でヒータ32により消費された電気量Aexとの偏差を前回からの消費可能追加電気量Abat1とする。
【0077】
前回の冷却水加熱制御実行前にバッテリーに充電されていた電気量Abat0は、前回のエンジンプレヒート制御実行中に求められ、バックアップRAM354に記憶される。また、前回の冷却水加熱制御でヒータ32により消費された電気量Aexは、ヒータ32の単位時間当たりの消費電気量を予め求めておき、この値に計測されたヒータ32の通電時間を乗ずることにより求めることができる。前回の冷却水昇温制御でヒータ32に通電される度に消費された電気量がバックアップRAM354に加算されて電気量Aexとなる。
【0078】
ステップS102では、前回の冷却水加熱制御後にエンジン1が始動されたか否か判定する。エンジン1が始動されたと判定された場合にはステップS104へ進む。一方、ステップS102で否定判定がなされた場合にはステップS103へ進む。
【0079】
ステップS103では、前回のエンジン1の運転時にバッテリー30に充電された電気量Abatを0とする。ここでは、前回の冷却水加熱制御後にエンジン1の運転がされていないために、オルタネータによる発電が行われないのでバッテリー30に充電されている電気量が増加することはない。CPU351は、Abat=0をRAM353に記憶させ、ステップS105へ進む。
【0080】
ステップS104では、前回のエンジン1の運転中にバッテリー30に充電された電気量Abatを算出する。
【0081】
ここで、図6は、充電時間(エンジン1の運転時間)とバッテリー30に充電される電気量との関係を示す図である。このマップを予めROM352に記憶させておくと、エンジン1の運転時間から今回の充電量Abatを求めることができる。この充電量Abatは、エンジン1始動時にスタータモータで消費された電気量を考慮して求めることが望ましい。具体的には、図6から得られる新たにバッテリー30に充電された電気量と、エンジン1始動時にスタータモータで消費された電気量との偏差を充電量Abatとする。エンジン1の運転時間は、バックアップRAM354に記憶させておいたものを用いる。CPU351は、算出した充電量Abatの値をRAM353に記憶させ、ステップS105へ進む。
【0082】
ステップS105では、今回の冷却水昇温時にヒータ32が消費可能な電気量Abat0を算出する。今回の冷却水昇温時にヒータ32が消費可能な電気量Abat0は、ステップS101で算出された電気量Abat1にステップS103またはステップS104で算出された電気量Abatを加えることで求められる。求められた電気量Abat0は、バックアップRAM354に記憶される。
【0083】
ステップS106では、蓄熱装置10内の温度が保温目標温度(例えば80℃)よりも高いか否か判定する。肯定判定がなされた場合にはステップS107へ進むが、このときには蓄熱装置10内の冷却水を昇温する必要はない。一方、否定判定がなされた場合には、ステップS108へ進み、冷却水の昇温制御が行われる。
【0084】
ステップS107では、放置初期水温Tw0をエンジン1停止時の蓄熱装置10内の冷却水温度とする。
【0085】
ステップS108では、ヒータ32の昇温可能温度(例えば90℃)に蓄熱装置10内の冷却水を加熱するためにヒータ32が必要とする消費電気量Abat90を算出する。この値は、蓄熱装置10内の冷却水量(容積)とヒータ32の単位時間あたりの消費電気量とを予めROM352に記憶させておき、蓄熱装置10内の冷却水を現在の温度からヒータ32の昇温可能温度(例えば90℃)に昇温させるために必要なエネルギー量を算出することにより求まる。
【0086】
ステップS109では、ヒータ32が必要とする電気量がバッテリー30に充電されているか否か判定する。ここでは、ステップS105で求めた今回の冷却水昇温時にヒータ32が消費可能な電気量Abat0と、ステップS108で求めた蓄熱装置10内の冷却水温度が昇温可能温度(例えば90℃)に達するために必要な消費電気量Abat90との偏差であるAbatrが0よりも大きいか否かで判定される。肯定判定がなされた場合には、ステップS112へ進み、否定判定がなされた場合には、ステップS110へ進む。
【0087】
ステップS110では、ステップS109で算出された電気量Abatrに相当する時間ヒータ32に通電を行う。通電時間は、ヒータ32の単位時間あたりの消費電力量により求まる。
【0088】
ステップS111では、今回のエンジン1の停止中には、以降のヒータ32への通電による冷却水の昇温を禁止し本ルーチンを終了する。
【0089】
ステップS112では、ステップS108で算出された蓄熱装置10内の冷却水を現在の温度からヒータ32の昇温可能温度(例えば90℃)に昇温させるために必要なヒータ32の消費電気量Abat90に相当する時間ヒータ32に通電を行う。ヒータ32が電気量Abat90に相当する電気量を消費してもバッテリー30にはそれ以上の電気量Abat0が充電されているため、いわゆるバッテリー上がりが起こることはない。
【0090】
ステップS113では、放置初期水温Tw0を90℃とする。
【0091】
ステップS114では、消費可能な電気量Abat0にステップS109で算出された電気量Abatrの値を代入する。ヒータ32通電後は、バッテリー30に残存するヒータ32が使用可能な電気量はステップS112で消費された量だけ減少する。新たな電気量Abat0の値は、バックアップRAM354に記憶される。
【0092】
ステップS115では、ステップS107またはステップS113で算出された放置初期水温Tw0とエンジン1の停止時の外気温度Ta0とから蓄熱装置10内の冷却水の温度が保温目標水温Twh(例えば80℃)まで低下する時間Time1を算出する。時間Time1の算出には、予め放置初期水温Tw0とエンジン1の停止時の外気温度Ta0と時間Time1との関係をマップ化しておいても良い。
【0093】
ステップS116では、蓄熱装置10内の冷却水の温度を所定温度(例えば10℃)上昇させるために必要な電気量Abat10を算出する。このときの冷却水温度は、保温目標水温Twh(例えば80℃)となっており、冷却水を再度ヒータ32の昇温可能温度(例えば90℃)に昇温するのに必要な電気量Abat10を算出する。
【0094】
ステップS117では、ヒータ32が必要とする電気量がバッテリー30に充残存しているか否か判定する。ここでは、ステップS114で求めた今回の冷却水昇温時にヒータ32が消費可能な電気量Abat0と、ステップS116で求めた蓄熱装置10内の冷却水の温度を所定温度(例えば10℃)上昇させるために必要な電気量Abat10との偏差が0よりも大きいか否かで判定される。肯定判定がなされた場合には、ステップS121へ進み、否定判定がなされた場合には、ステップS118へ進む。
【0095】
ステップS118では、今回の冷却水昇温時にヒータ32が消費可能な電気量Abat0に相当するヒータ32の通電時間Tt0を算出する。
【0096】
ステップS119では、前回のヒータ32通電終了からステップS115で算出した時間Time1が経過したときにステップS118で算出した時間Tt0だけヒータ32に通電が行われる。
【0097】
ステップS120では、これ以降の今回のエンジン1停止中にはヒータ32の通電による冷却水の昇温を禁止し本ルーチンを終了する。
【0098】
ステップS121では、ステップS116で求めた電気量Abat10に相当するヒータ32の通電時間Tt10を算出する。
【0099】
ステップS122では、前回のヒータ32通電終了からステップS115で算出した時間Time1が経過したときにステップS121で算出した時間Tt10だけヒータ32に通電が行われる。
【0100】
ステップS123では、電気量Abat0と電気量Abat10との偏差を新たに電気量Abat0とする。このときにバッテリー30の使用可能電気量は新たに算出された電気量Abat0である。新たな電気量Abat0の値は、バックアップRAM354に記憶される。
【0101】
ステップS124では、カウンターnの値に1を加える。
【0102】
ステップS125では、カウンターnの値が2であるか否か判定をする。カウンターnの値が2のときには、ステップS112で1回ヒータ32の通電が行われた後更にステップS122で2回ヒータ32の通電が行われたときである。即ち合計3回の冷却水の昇温が行われているのであるが、このときにまだエンジン1が始動されていない場合には、何等かの要因でエンジン1の始動が延期されていると考えられる。そこで、肯定判定がなされたときにはこれ以上ヒータ32の通電は行わずにルーチンを終了させ、次回冷却水の昇温が必要となったときに再度ヒータ32に通電可能な電気量をバッテリーに蓄えておくことにする。一方、否定判定がなされた場合には、再度冷却水の昇温を行うためにステップS106へ戻る。
【0103】
図7は、本ルーチンが実行されたときの蓄熱装置10内の冷却水温度の推移を示す図である。このように、エンジン1が始動されるまでバッテリーに蓄えられている電気量に基づいて繰り返し蓄熱装置10内の冷却水の昇温が行われる。
【0104】
ここで、従来のエンジンでは、蓄熱装置内の経年変化等による保温性の低下が考慮されていなかった。エンジンプレヒート制御の完了後、運転者が実際にエンジンを始動するまでには相当な期間が経過することもあり、一旦エンジンプレヒート制御が完了した場合であれ、エンジンはエンジンプレヒート制御完了後の温度をできるだけ長期に亘り保持することが望ましい。更に、比較的短期のエンジンの運転を断続的に繰り返したり、前回のエンジン運転終了時から長期に亘りエンジンの始動が行われなかったりした場合等、蓄熱装置内に十分量の熱が蓄えられていないこともある。このようなときには、大容量のヒータで冷却水を加熱する必要が生じるが、保温性の低下を考慮していないと保温時に大電流が長期間流れてしまいいわゆるバッテリー上がりを誘発する虞がある。このような問題を解決するためには、電流計等を設けバッテリーの充電量を監視する必要があった。
【0105】
この点、本実施の形態に係る蓄熱装置10を備えたエンジン1によれば、エンジン1の運転時間を加味しつつ、ヒータ32による冷却水の加熱を断続的に実施することにより、電流計等の計測装置を用いることなくバッテリー上がりを防止することができる。
【0106】
以上説明したように、本実施の形態によれば、バッテリー30に蓄えられた電気量の範囲内でヒータ32が冷却水の加熱を行うことができる。
【0107】
【発明の効果】
本発明に係る蓄熱装置を備えた内燃機関は、蓄熱手段に蓄えられたエネルギーを使用して蓄熱装置の熱媒体を加熱する加熱手段を具備するものにおいて、蓄電手段に蓄えておくべき必要最小限のエネルギーを確保しつつ、蓄熱装置の熱媒体を最大限に加熱することが可能となる。
【0108】
従って、本発明に係る蓄熱装置を備えた内燃機関によれば、内燃機関の始動性等に影響を与えることなく最大限の熱を蓄えておくことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る内燃機関の蓄熱装置を適用するエンジンとその冷却水が循環する冷却水通路とを併せ示す概略構成図である。
【図2】 ECUの内部構成を示すブロック図である。
【図3】 エンジンの停止中に蓄熱装置からエンジンに熱が供給されるときの、冷却水が循環する通路とその流通方向を示した図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係る冷却水加熱制御のフローを表すフローチャート図の前半部分である。
【図5】 本発明の実施の形態に係る冷却水加熱制御のフローを表すフローチャート図の後半部分である。
【図6】 充電時間(エンジンの運転時間)とバッテリーに充電される電気量との関係を示す図である。
【図7】 冷却水加熱制御が実行されたときの蓄熱装置内の冷却水温度の推移を示すタイムチャート図である。
【符号の説明】
1・・・・エンジン
1a・・・シリンダヘッド
1b・・・シリンダブロック
1c・・・オイルパン
2・・・・シリンダ
6・・・・ウォータポンプ
8・・・・サーモスタット
9・・・・ラジエータ
10・・・蓄熱装置
10a・・外側容器
10b・・内側容器
10c・・冷却水注入管
10d・・冷却水注出管
11・・・逆止弁
12・・・電動ウォータポンプ
13・・・ヒータコア
22・・・ECU
23・・・ウォータジャケット
27・・・クランクポジションセンサ
28・・・蓄熱装置内冷却水温度センサ
29・・・エンジン内冷却水温度センサ
30・・・バッテリー
31・・・遮断弁
32・・・ヒータ
A・・・・循環通路
A1・・・ラジエータ入口側通路
A2・・・ラジエータ出口側通路
B・・・・循環通路
B1・・・ヒータコア入口側通路
B2・・・ヒータコア出口側通路
C・・・・循環通路
C1・・・蓄熱装置入口側通路
C2・・・蓄熱装置出口側通路

Claims (3)

  1. 熱媒体が持つ熱を蓄える蓄熱手段と、
    前記蓄熱手段に蓄えられた熱媒体を内燃機関へ供給する熱供給手段と、
    前記内燃機関の運転時に発生するエネルギーを蓄える蓄電手段と、
    前記蓄電手段からエネルギーを供給されて前記蓄熱手段に蓄えられた熱媒体を加熱する加熱手段と、
    前記内燃機関の運転時間に基づいて前記加熱手段が消費可能なエネルギー量を算出する消費制限算出手段と、
    を備え、
    前記加熱手段は、前記消費制限算出手段が算出した消費可能なエネルギー量の範囲内で熱媒体の加熱を行うことを特徴とする蓄熱装置を備えた内燃機関。
  2. 前記消費制限算出手段は、前回に前記内燃機関が運転される前に前記蓄電手段に蓄えられていたエネルギー量と、前回に前記内燃機関が運転されたときの機関運転時間とに基づいて前記加熱手段が消費可能なエネルギー量を算出することを特徴とする請求項1に記載の蓄熱装置を備えた内燃機関。
  3. 前記蓄熱手段に蓄えられた熱媒体の温度を計測する熱媒体温度計測手段を備え、
    前記加熱手段は、内燃機関停止中に前記熱媒体温度計測手段の計測値が所定温度以下になる度に所定時間熱媒体の加熱を行い、内燃機関停止中の消費エネルギーの合計が前記消費制限算出手段の算出結果よりも大きくなると加熱を停止することを特徴とする請求項1に記載の蓄熱装置を備えた内燃機関。
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