JP4066728B2 - 蓄熱装置を備えた内燃機関 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両などに搭載される内燃機関に関し、特に蓄熱装置を備えた内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車などに搭載される水冷式の内燃機関では、内燃機関の運転時に高温となった冷却水を蓄熱状態で貯蔵し、その蓄熱温水を内燃機関が冷間状態にあるときに前記内燃機関へ供給することにより内燃機関の暖機を図る蓄熱装置を備えた内燃機関が開発されている。
【0003】
この種の技術としては、例えば、特開平6−213117号公報に記載されたような「自動車等における冷却水の保温注入装置」が知られている。この公報に記載された「自動車等における冷却水の保温注入装置」は、エンジンを経由する冷却水循環路に設けられた保温容器と、保温容器内部の冷却水温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段により検出された温度を表示する冷却水温度表示手段とを備え、エンジン運転時に冷却水温度表示手段が表示する温度が所定温度より高ければサーモスタットバルブが閉弁状態で故障していると判定し、エンジン運転時に冷却水温度表示手段が表示する温度が所定温度より低ければサーモスタットバルブが開弁状態で故障していると判定するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、保温容器内の温水が内燃機関へ供給された場合と保温容器内の温水が内燃機関へ供給されない場合とでは冷却水の温度の態様が異なる。すなわち、保温容器内の温水が内燃機関へ供給された場合は一部の冷却水の温度が急速に上昇するのに対し、保温容器内の温水が内燃機関へ供給されない場合は全ての冷却水の温度が均等に且つ穏やかに上昇する。
【0005】
しかしながら、前述した従来の技術では、サーモスタットの故障判定に用いられる基準値は、保温容器から内燃機関へ温水が供給されたか否かに関わらず、所定温度に固定されている。このため、前述した従来の技術では、サーモスタットバルブの故障を正確に判定することができなくなる場合がある。
【0006】
本発明は、上記したような実情に鑑みてなされたものであり、蓄熱装置を備えた内燃機関において、サーモスタットバルブ等の異常を正確に検出することができる技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明に係る蓄熱装置を備えた内燃機関は、
内燃機関を経由して熱媒体が流れる熱媒体流通路と、
前記熱媒体流通路内の熱媒体の一部を蓄熱状態で貯蔵するとともに、貯蔵された熱媒体を所定の時期に前記熱媒体流通路へ供給する蓄熱装置と、
前記熱媒体流通路内の熱媒体温度を検出する温度検出手段と、
前記蓄熱装置から前記熱媒体流通路へ熱媒体が供給された場合に前記熱媒体流通路内の熱媒体温度の平均値を推定する推定手段と、
前記蓄熱装置から前記熱媒体流通路へ熱媒体が供給されない場合は前記温度検出手段により検出された熱媒体温度に基づいて異常検出処理を行い、前記蓄熱装置から前記熱媒体流通路へ熱媒体が供給された場合は前記推定手段により推定された熱媒体温度に基づいて異常検出処理を行う異常検出手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
この発明は、内燃機関を流れる熱媒体の一部を蓄熱状態で貯蔵する蓄熱装置と、熱媒体の温度をパラメータとして異常を検出する異常検出手段とを備えた内燃機関において、蓄熱装置から内燃機関へ熱媒体が供給された場合は、内燃機関を流れる熱媒体の平均温度を推定し、推定された熱媒体平均温度に従って異常検出処理を行うことを最大の特徴としている。
【0009】
かかる蓄熱装置を備えた内燃機関では、蓄熱装置は、該蓄熱装置内に貯蔵されている熱媒体を内燃機関が冷間状態にあるときに熱媒体流通路へ供給する。この場合、蓄熱装置から熱媒体流通路へ供給された熱媒体により熱媒体流通路内の熱媒体温度が上昇し、以て内燃機関が暖められることになる。
【0010】
また、異常検出手段は、熱媒体流通路内の熱媒体温度に基づいて異常検出処理を実行する。
【0011】
ここで、蓄熱装置から熱媒体流通路へ熱媒体が供給されない場合には、熱媒体流通路内の熱媒体が内燃機関の熱を受けて均等に昇温するため、熱媒体流通路内の熱媒体は略均一な温度となる。この結果、熱媒体温度検出手段により検出される熱媒体温度は、熱媒体流通路内の熱媒体温度の平均値と相関のある温度となる。
【0012】
このように蓄熱装置から熱媒体流通路へ熱媒体が供給されない場合は、温度検出手段により検出される熱媒体温度が熱媒体流通路内の熱媒体温度の平均値と相関のある温度となるため、温度検出手段により検出される熱媒体温度に基づいて異常検出処理が行われても誤検出が生じ難い。
【0013】
一方、蓄熱装置から熱媒体流通路へ熱媒体が供給された場合には、熱媒体流通路内において一部の熱媒体温度が上昇するため、熱媒体流通路内の熱媒体は均一な温度となり難い。この結果、熱媒体温度検出手段により検出される熱媒体温度は、熱媒体流通路内の熱媒体温度の平均値と相関のない温度となり易い。
【0014】
このように蓄熱装置から熱媒体流通路へ熱媒体が供給された場合は、熱媒体温度検出手段により検出される熱媒体温度が熱媒体流通路内の熱媒体温度の平均値と相関のない温度となり易いため、温度検出手段により検出される熱媒体温度に基づいて異常検出処理が行われると誤検出が発生する虞がある。
【0015】
そこで、本発明に係る蓄熱装置を備えた内燃機関は、蓄熱装置から熱媒体流通路へ熱媒体が供給された場合は、熱媒体流通路内の熱媒体の平均温度を推定し、推定された熱媒体平均温度に基づいて異常検出を行うようにした。
【0016】
この結果、蓄熱装置から熱媒体流通路へ熱媒体が供給された場合であっても、熱媒体流通路内の熱媒体の平均温度に従って異常検出処理が行われることになるため、誤検出の発生が防止される。
【0017】
次に、本発明に係る蓄熱装置を備えた内燃機関は、上記した課題を解決するために以下のような手段を採用するようにしてもよい。すなわち、本発明に係る蓄熱装置を備えた内燃機関は、
内燃機関を経由して熱媒体が流れる熱媒体流通路と、
前記熱媒体流通路内の熱媒体の一部を蓄熱状態で貯蔵するとともに、貯蔵された熱媒体を所定の時期に前記熱媒体流通路へ供給する蓄熱装置と、
熱媒体の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段により検出された熱媒体温度に基づいて異常を検出する異常検出手段と、
前記蓄熱装置から前記熱媒体流通路へ熱媒体が供給された場合の所定期間内は、前記異常検出手段による検出処理を禁止する禁止手段と、
を備えることを特徴とするようにしてもよい。
【0018】
この発明は、内燃機関を流れる熱媒体の一部を蓄熱状態で貯蔵する蓄熱装置と、熱媒体温度に基づいて異常を検出する異常検出手段とを備えた内燃機関において、蓄熱装置から内燃機関へ熱媒体が供給された場合には、異常検出手段による異常検出処理の実行を所定期間禁止することを最大の特徴としている。
【0019】
かかる蓄熱装置を備えた内燃機関では、蓄熱装置は、該蓄熱装置内に貯蔵されている熱媒体を内燃機関が冷間状態にあるときに熱媒体流通路へ供給する。この場合、蓄熱装置から熱媒体流通路へ供給された熱媒体により熱媒体流通路内の熱媒体温度が上昇し、以て内燃機関が暖められることになる。
【0020】
また、異常検出手段は、温度検出手段により検出された熱媒体温度に基づいて異常検出処理を実行する。
【0021】
ここで、蓄熱装置から熱媒体流通路へ熱媒体が供給されない場合には、熱媒体流通路内の熱媒体が内燃機関の熱を受けて均等に昇温するため、熱媒体流通路内の熱媒体は略均一な温度となる。この結果、熱媒体温度検出手段により検出される熱媒体温度は、熱媒体流通路内の熱媒体温度の平均値と相関のある温度となる。
【0022】
これに対し、蓄熱装置から熱媒体流通路へ熱媒体が供給された場合には、熱媒体流通路内において一部の熱媒体温度が急激に上昇するため、熱媒体流通路内の熱媒体は均一な温度となり難い。この結果、熱媒体温度検出手段により検出される熱媒体温度は、熱媒体流通路内の熱媒体温度の平均値と相関のない温度となり易い。
【0023】
このように蓄熱装置から熱媒体流通路へ熱媒体が供給された場合には、温度検出手段により検出される熱媒体温度が熱媒体流通路内の熱媒体の平均温度と相関のない温度となり易いため、温度検出手段が検出した熱媒体温度に基づいて異常検出処理が行われると誤検出が発生する虞がある。
【0024】
そこで、本発明に係る蓄熱装置を備えた内燃機関は、蓄熱装置から熱媒体流通路へ熱媒体が供給された場合には、異常検出手段による異常検出処理の実行を所定期間禁止する禁止手段を備えるようにした。
【0025】
異常検出手段による異常検出処理が所定期間禁止されると、その所定期間内において熱媒体流通路内の熱媒体が混合し、熱媒体流通路内の熱媒体温度が均一化される。その結果、所定期間経過後に温度検出手段が検出する熱媒体温度は、熱媒体流通路内の熱媒体温度の平均値と相関のある温度となる。
【0026】
従って、異常検出手段は、前記した所定期間が経過した後に温度検出手段が検出する熱媒体温度に基づいて異常検出処理を行うことにより、熱媒体流通路内の熱媒体温度の平均値と相関のある温度に基づいて異常検出処理を実行することが可能となり、以て誤検出の発生が防止されるようになる。
【0027】
尚、本発明において、異常検出手段が異常検出処理を行う対象としては、熱媒体流通路に設けられたサーモスタットバルブを例示することができる。
【0028】
また、本発明における熱媒体としては、冷却水や潤滑油などを例示することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る蓄熱装置を備えた内燃機関の具体的な実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0030】
<実施の形態1>
先ず、本発明に係る蓄熱装置を備えた内燃機関の第1の実施の形態について図1〜図6に基づいて説明する。
【0031】
図1は、本発明を適用する内燃機関の冷却水循環系の概略構成を示す図である。
【0032】
図1に示す内燃機関1は、水冷式の内燃機関であり、シリンダヘッド1aとシリンダブロック1bとを備えている。
【0033】
前記シリンダヘッド1aと前記シリンダブロック1bには、冷却水を流通させるためのヘッド側冷却水路2aとブロック側冷却水路2bとがそれぞれ形成され、それらヘッド側冷却水路2aとブロック側冷却水路2bとが相互に連通している。
【0034】
前記ヘッド側冷却水路2aには、第1冷却水路4が接続され、この第1冷却水路4は、ラジエター5の冷却水流入口に接続されている。前記ラジエター5の冷却水流出口は、第2冷却水路6を介してサーモスタットバルブ7に接続されている。前記サーモスタットバルブ7には、前記第2冷却水路6に加えて、第3冷却水路8とバイパス水路9とが接続されている。
【0035】
前記第3冷却水路8は、内燃機関1に取り付けられた機械式ウォーターポンプ10の冷却水吸込口に接続されている。機械式ウォーターポンプ10は、内燃機関1の出力軸(クランクシャフト)の回転トルクを駆動源として冷却水の流れを発生させるものであり、冷却水吸込口から吸い込んだ冷却水を冷却水吐出口から吐出するよう構成されている。前記機械式ウォーターポンプ10の吐出口には、前記ブロック側冷却水路2bが接続されている。一方、前記バイパス水路9は、ヘッド側冷却水路2aに接続されている。
【0036】
ここで、前記したラジエター5は、該ラジエター5内を流通する冷却水と外気との間で熱交換を熱交換器である。また、前記したサーモスタットバルブ7は、冷却水の温度に応じて、第2冷却水路6とバイパス水路9との何れか一方を遮断する流路切換バルブであり、例えば、該サーモスタットバルブ7を流れる冷却水の温度が所定の開弁温度:T1未満であるときには第2冷却水路6を遮断すると同時にバイパス水路9を開放して第3冷却水路8とバイパス水路9とを導通させ、該サーモスタットバルブ7を流れる冷却水の温度が前記開弁温度:T1以上であるときには第2冷却水路6を開放すると同時にバイパス水路9を遮断して第3冷却水路8と第2冷却水路6とを導通させる。
【0037】
上記したヘッド側冷却水路2a、ブロック側冷却水路2b、第1冷却水路4、ラジエター5、第2冷却水路6、サーモスタットバルブ7、第3冷却水路8、及びバイパス水路9は、本発明に係る熱媒体流通路の一実施態様である。
【0038】
次に、前記ヘッド側冷却水路2aと前記ラジエター5とを接続する第1冷却水路4の途中には、ヒータホース11が接続されている。このヒータホース11は、前記した第3冷却水路8の途中に接続されている。
【0039】
前記ヒータホース11の途中には、冷却水と車室内暖房用空気との間で熱交換を行うヒータコア12が配置されている。
【0040】
前記ヒータコア12と前記第3冷却水路8との間に位置するヒータホース11の途中には、第1バイパス通路13aが接続されている。この第1バイパス通路13aは、電動ウォーターポンプ14の冷却水吸込口に接続されている。
【0041】
前記電動ウォーターポンプ14は、電動モータ等によって駆動されるウォーターポンプであり、前記した冷却水吸込口から吸い込んだ冷却水を冷却水吐出口から吐出することにより冷却水の流れを発生させるよう構成されている。
【0042】
前記電動ウォーターポンプ14の冷却水吐出口は、第2バイパス通路13bを介して蓄熱容器15の冷却水入口15aに接続されている。蓄熱容器15は、冷却水の持つ熱を蓄熱しつつ冷却水を貯蔵する容器であり、前記冷却水入口15aから新規の冷却水が流入した場合に、それと入れ代わりに該蓄熱容器15内に元々貯蔵されていた高温の冷却水を冷却水出口15bから排出するよう構成されている。
【0043】
尚、蓄熱容器15の冷却水入口15aと冷却水出口15bとの各々には、冷却水の逆流を防止するワンウェイバルブが取り付けられるようにしてもよい。
【0044】
前記蓄熱容器15の冷却水出口15bには、第3バイパス通路13cが接続されている。この第3バイパス通路13cは、ヒータコア12と第1冷却水路4との間に位置するヒータホース11の途中に接続されている。前記第3バイパス通路13cの途中には、蓄熱容器15から流出した冷却水の温度に対応した電気信号を出力する蓄熱容器側水温センサ150が設けられている。
【0045】
ここで、ヒータコア12と第1冷却水路4との間に位置するヒータホース11において、第3バイパス通路13cとの接続部位を基準にして第1冷却水路4側の部位を第1ヒータホース11aと称するとともに、ヒータコア12側の部位を第2ヒータホース11bと称するものとする。更に、ヒータコア12と第3冷却水路8との間に位置するヒータホース11において、第1バイパス通路13aとの接続部位を基準にしてヒータコア12側の部位を第3ヒータホース11cと称するとともに、第3冷却水路8側の部位を第4ヒータホース11dと称するものとする。
【0046】
前記した第3ヒータホース11cと第4ヒータホース11dと第1バイパス通路13aとの接続部には、流路切換弁16が設けられている。この流路切換弁16は、前記した3つの通路の全ての導通と、前記3つの通路の何れか1つの遮断とを選択に切り換えるバルブである。流路切換弁16は、例えば、ステップモータ等からなるアクチュエータによって駆動されるようになっている。
【0047】
上記した、蓄熱容器15、電動ウォーターポンプ14、流路切換弁16、第1ヒータホース11a、第3バイパス通路13c、第2バイパス通路13b、第1バイパス通路13a、及び第4ヒータホース11dは、本発明にかかる蓄熱装置に相当するものである。
【0048】
また、第1冷却水路4におけるヘッド側冷却水路2aとの接続部位の近傍には、該第1冷却水路4内を流れる冷却水の温度に対応した電気信号を出力する機関側水温センサ17が取り付けられている。
【0049】
このように構成された冷却水循環系では、内燃機関1が運転状態にあるときは、機械式ウォーターポンプ10がクランクシャフトの回転トルクを受けて作動する。これに対し、流路切換弁16が第3ヒータホース11c又は第4ヒータホース11dを遮断するよう制御されるとともに、電動ウォーターポンプ14が停止状態に制御される。
【0050】
この場合、電動ウォーターポンプ14が作動せずに機械式ウォーターポンプ10のみが作動することになり、その際の冷却水の温度がサーモスタットバルブ7の開弁温度:T1未満であれば該サーモスタットバルブ7が第2冷却水路6を遮断すると同時にバイパス水路9を開放することになる。
【0051】
従って、内燃機関1が運転状態にあり、且つ冷却水の温度がサーモスタットバルブ7の開弁温度:T1未満であるときは、図2に示すように、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→バイパス水路9→サーモスタットバルブ7→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0052】
このような循環回路によれば、内燃機関1から流出した比較的低温の冷却水がラジエター5を迂回して流れることになるため、冷却水がラジエター5によって不要に冷却されることがなく、内燃機関1の暖機が妨げられることもなくなる。
【0053】
その後、内燃機関1の暖機が進行して、冷却水の温度がサーモスタットバルブ7の開弁温度:T1以上になると、サーモスタットバルブ7が第2冷却水路6を開放すると同時にバイパス水路9を遮断することになる。
【0054】
従って、内燃機関1が運転状態にあり且つ冷却水の温度がサーモスタットバルブ7の開弁温度:T1以上であるときは、図3に示すように、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1冷却水路4→ラジエター5→第2冷却水路6→サーモスタットバルブ7→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0055】
このような循環回路によれば、内燃機関1から流出した比較的高温の冷却水がラジエター5を流通することになるため、冷却水の熱がラジエター5によって放熱される。その結果、内燃機関1には、ラジエター5によって放熱された後の比較的低温の冷却水が流入することになり、その冷却水によって内燃機関1が冷却され、以て内燃機関1の過熱が防止される。
【0056】
次に、内燃機関1が運転状態にあるときに、図示しない室内暖房装置のスイッチがオンにされると、流路切換弁16が第1バイパス通路13aを遮断すべく制御され、第3ヒータホース11cと第4ヒータホース11dとが導通状態となる。
【0057】
この場合、電動ウォーターポンプ14が作動せずに機械式ウォーターポンプ10のみが作動することになるため、図4に示すように、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1冷却水路4→ラジエター5→第2冷却水路6→サーモスタットバルブ7→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10の順に冷却水が流れる循環回路が成立すると同時に、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1冷却水路4→第1ヒータホース11a→第2ヒータホース11b→ヒータコア12→第3ヒータホース11c→流路切換弁16→第4ヒータホース11d→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0058】
この場合、内燃機関1から流出した比較的高温の冷却水がヒータコア12を流通することになるため、ヒータコア12において冷却水の熱が室内暖房用空気へ伝達される。
【0059】
一方、内燃機関1が冷間始動される場合、例えば、機関側水温センサ17の出力信号値が所定温度(例えば、50℃)未満となる状況下で内燃機関1が始動される場合には、内燃機関1の始動に先駆けて該内燃機関1を昇温させるべく予熱制御が実行される。
【0060】
予熱制御では、例えば、電動ウォーターポンプ14が作動させられるとともに、流路切換弁16が第3ヒータホース11cを遮断し且つ第4ヒータホース11dと第1バイパス通路13aを導通させるように制御される。
【0061】
尚、電動ウォーターポンプ14の作動開始タイミング及び流路切換弁16の切換タイミングとしては、例えば、車室内に設けられた図示しないイグニションスイッチがオフからオンに切り換えられた時、車両のドア(好ましくは、運転席のドア)が開かれた時、運転者が運転席に着座した時などを例示することができる。
【0062】
この場合、機械式ウォーターポンプ10が作動せずに電動ウォーターポンプ14のみが作動するため、図5に示すように、電動ウォーターポンプ14→第2バイパス通路13b→蓄熱容器15→第3バイパス通路13c→第1ヒータホース11a→第1冷却水路4→ヘッド側冷却水路2a→ブロック側冷却水路2b→機械式ウォーターポンプ10→第3冷却水路8→第4ヒータホース11d→流路切換弁16→第1バイパス通路13a→電動ウォーターポンプ14の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0063】
このような循環回路が成立すると、電動ウォーターポンプ14から吐出された冷却水が第2バイパス通路13b及び冷却水入口15aを介して蓄熱容器15に流入し、それと入れ代わりに蓄熱容器15内に元々貯蔵されていた冷却水(以下、蓄熱温水と称する)が冷却水出口15bから第3バイパス通路13cへ流出する。
【0064】
蓄熱容器15から第3バイパス通路13cへ流出した蓄熱温水は、第3バイパス通路13c→第1ヒータホース11a→第1冷却水路4を介して、内燃機関1のヘッド側冷却水路2aへ流入し、次いでヘッド側冷却水路2aからブロック側冷却水路2bへ流入する。
【0065】
このように蓄熱容器15からの蓄熱温水がヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bへ流入すると、それと入れ代わりにヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bに元々滞留していた低温の冷却水がヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bから排出される。この結果、蓄熱温水の熱がヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bの壁面を介して内燃機関1へ伝達され、内燃機関1が速やかに昇温する。
【0066】
図5に示すような循環回路では、蓄熱容器15からの蓄熱温水がヘッド側冷却水路2aを経由した後にブロック側冷却水路2bへ供給されることになるため、シリンダヘッド1aが優先的に予熱される。更に、図5に示すような循環回路では、蓄熱容器15からヘッド側冷却水路2aへ至る経路にヒータコア12等の熱容量の大きな部材が存在しないため、蓄熱容器15にて蓄えられていた熱が不要に放熱されることなくシリンダヘッド1aへ伝達されるようになる。
【0067】
この結果、シリンダヘッド1aの図示しない吸気ポートの壁面温度や燃焼室の壁面温度などが速やかに上昇することになり、機関始動時及び機関始動直後の燃料の気化が促進されるとともに混合気の温度が高められ、壁面付着燃料量の減少、燃焼の安定化、始動性の向上、暖機運転時間の短縮等を実現することが可能となる。
【0068】
上記したように構成された内燃機関1の冷却水循環系には、内燃機関1の運転状態や冷却水循環系における冷却水の流れを制御するための電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)39が併設されている。ECU39は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等から構成される算術論理演算回路である。
【0069】
前記ECU39には、機関側水温センサ17や蓄熱容器側水温センサ150等の各種センサが電気的に接続され、それら各種センサの出力信号がECU39に入力されるようになっている。
【0070】
更に、ECU39には、電動ウォーターポンプ14や流路切換弁16等が電気的に接続され、ECU39が上記した各種センサの出力信号に基づいて電動ウォーターポンプ14や流路切換弁16を制御することが可能となっている。
【0071】
前記ECU39は、予めROMに記憶されているアプリケーションプログラムに従って動作し、燃料噴射制御や予熱制御などの周知の制御に加え、本発明の要旨となる異常検出制御を実行する。
【0072】
以下、本実施の形態における異常検出制御について述べる。
【0073】
一般にサーモスタットバルブ7などの異常を検出する場合には、機関側水温センサ17の出力信号値がパラメータとして用いられる。
【0074】
例えば、内燃機関1が運転状態にあるときの機関側水温センサ17の出力信号値(以下、機関側水温検出値と称する)が所定の判定基準温度(例えば、75℃)より低ければ、サーモスタットバルブ7がバイパス水路9を遮断し且つ第2冷却水路6を解放した状態(以下、開弁状態と称する)で動作不能に陥っていると判定することができる。
【0075】
これは、サーモスタットバルブ7がバイパス水路9を遮断し且つ第2冷却水路6を解放した状態で動作不能に陥ると、冷却水の温度がサーモスタットバルブ7の開弁温度:T1より低い状況下であっても内燃機関1から流出した冷却水がラジエター5を流通してしまい、冷却水温度が上昇し難くなるためである。
【0076】
一方、内燃機関1が運転状態にあるときの機関側水温センサ17の出力信号値(機関側水温検出値)が前記した所定温度に対して過剰に高ければ、サーモスタットバルブ7がバイパス水路9を解放し且つ第2冷却水路6を遮断した状態(以下、閉弁状態と称する)で動作不能に陥っていると判定することができる。
【0077】
これは、サーモスタットバルブ7がバイパス水路9を解放し且つ第2冷却水路6を遮断した状態で動作不能に陥ると、冷却水の温度がサーモスタットバルブ7の開弁温度:T1より高い状況下であっても内燃機関1から流出した冷却水がラジエター5を流通せずにバイパス水路9を流通してしまい、冷却水温度が低下し難くなるためである。
【0078】
ところで、内燃機関1の始動に先駆けて予熱制御が実行された場合は、蓄熱容器15に貯蔵されていた蓄熱温水が熱媒体流通路(ヘッド側冷却水路2a、ブロック側冷却水路2b、第1冷却水路4、ラジエター5、第2冷却水路6、サーモスタットバルブ7、第3冷却水路8、バイパス水路9)に流入することによって熱媒体流通路内の冷却水温度が上昇するが、蓄熱容器15内の蓄熱温水量が熱媒体流通路内の冷却水量に比して少ないため、熱媒体流通路内の冷却水が局所的に昇温することになる。つまり、予熱制御が実行された場合には、熱媒体流通路内の冷却水温度が均一とならず高低差が生じることになる。
【0079】
このように熱媒体流通路内に冷却水温度の高低差が生じた状況下では、機関側水温センサ17の出力信号値(機関側水温検出値)が急変し易くなるとともに熱媒体流通路内の冷却水温度の平均値から懸け離れた値となり易い。
【0080】
従って、予熱制御が実行された後にサーモスタットバルブ7の異常検出処理が実行されると、サーモスタットバルブ7が異常であるか否かについて誤判定する可能性がある。
【0081】
例えば、サーモスタットバルブ7が開弁状態で動作不能に陥っている場合は、熱媒体流通路内の冷却水温度が上昇し難くなるが、事前の予熱制御によって熱媒体流通路内の冷却水温度が局所的に昇温していると、機関側水温検出値が判定基準温度以上を示す可能性があり、そのような場合にはサーモスタットバルブ7が異常であるにも関わらず正常であると誤判定される虞がある。
【0082】
また、サーモスタットバルブ7が正常である場合であっても、事前の予熱制御により熱媒体流通路内の冷却水温度が局所的に昇温していると、機関側水温検出値が判定基準温度より過剰に高くなる可能性があり、そのような場合にはサーモスタットバルブ7が正常であるにも関わらず閉弁状態で動作不能に陥っていると誤判定される虞がある。
【0083】
これに対し、本実施の形態における異常検出制御では、予熱制御が実行された場合には、熱媒体流通路内の冷却水の平均温度を推定し、推定された熱媒体推定温度をパラメータとしてサーモスタットバルブ7の異常検出処理を行うようにした。
【0084】
尚、以下では熱媒体流通路(ヘッド側冷却水路2a、ブロック側冷却水路2b、第1冷却水路4、ラジエター5、第2冷却水路6、サーモスタットバルブ7、第3冷却水路8、バイパス水路9)内の冷却水を機関側冷却水と称し、機関側冷却水の平均温度を機関側冷却水平均温度と称するものとする。
【0085】
以下、本実施の形態における異常検出制御について図6に沿って説明する。
【0086】
図6は、異常検出制御ルーチンを示すフローチャート図である。異常検出制御ルーチンは、予めECU39のROMに記憶されているルーチンであり、内燃機関1の始動をトリガとしてECU39が実行するルーチンである。
【0087】
異常検出制御ルーチンでは、ECU39は、先ずS601において、基準水温推定処理を実行する。前記した基準水温は、予熱制御が実行されないと仮定した場合の機関側冷却水の温度に相当する温度である。
【0088】
基準水温は、予熱制御の実行開始時(予熱制御が実行されない場合は内燃機関1の始動時)における機関側水温センサ17の出力信号値と、内燃機関1の始動時から現時点までに内燃機関1が発生した熱量とを加算して求めることができる。
【0089】
内燃機関1の始動時から現時点までに内燃機関1が発生した熱量は、内燃機関1の始動時から現時点までに内燃機関1において燃焼に供された燃料量と相関があるため、内燃機関1の始動時から現時点に至るまでの燃料噴射量の積算値(或いは吸入空気量の積算値)をパラメータとして算出することができる。
【0090】
このようにして基準水温が求められると、ECU39は、S602へ進み、前記S601において求められた基準水温が判定基準温度(例えば、75℃)以上であるか否かを判別する。
【0091】
前記S602において基準水温が判定基準温度未満であると判定された場合は、ECU39は、前述したS601及びS602の処理を再度実行する。
【0092】
前記S602において基準水温が判定基準温度以上であると判定された場合は、ECU39は、S603へ進み、内燃機関1の始動前に予熱制御が実行済みであるか否かを判別する。
【0093】
前記S603において内燃機関1の始動前に予熱制御が実行済みであると判定された場合は、ECU39は、S604へ進み、熱媒体流通路内の冷却水の平均温度(機関側冷却水平均温度)を推定すべく機関側冷却水平均温度推定処理を実行する。
【0094】
機関側冷却水平均温度推定処理では、ECU39は、予熱制御の実行開始直前における機関側水温センサ17の出力信号値(以下、機関側水温初期値:THWeiniと称する)と、予熱制御の実行時における蓄熱容器側水温センサ150の出力信号値(以下、容器出口水温:THWtexと称する)と、予熱制御実行時に蓄熱容器15から熱媒体流通路へ供給された蓄熱温水の総量(以下、蓄熱温水供給量と称する)とをパラメータとして内燃機関1の始動時における機関側冷却水平均温度を推定する。
【0095】
具体的には、ECU39は、容器出口水温:THWtexから機関側水温初期値:THWeiniを減算して得られる初期温度差:△Tte(=THWtex−THWeini)を、熱媒体流通路内の冷却水量に該熱媒体流通路の熱容量を加えた値と蓄熱温水供給量との比を表す係数で除算することにより、予熱制御において蓄熱温水から機関側冷却水へ伝達された熱量:△THWaを算出する。
【0096】
ECU39は、前記熱量:△THWaを温度に換算した後に機関側水温初期値:THWeiniへ加算することにより、内燃機関1の始動時における機関側冷却水平均温度を推定する。
【0097】
続いて、ECU39は、内燃機関1の始動時から現時点までに内燃機関1が発生した熱量(以下、機関発熱量と称する)と、内燃機関1の始動時から現時点までに機関側冷却水が放出した熱量の積算値(以下、積算放熱量と称する)とを演算する。ECU39は、前記機関発熱量から前記積算放熱量を減算して得られる熱量を温度に換算した後に前記した始動時機関側冷却水平均温度へ加算することにより、現時点における機関側冷却水平均温度を推定する。
【0098】
ここで図6の異常検出制御ルーチンに戻り、ECU39は、S605では、前記S604で推定された機関側冷却水平均温度を機関側水温:THWeとしてRAMなどに記憶させる。
【0099】
また、前記S603において内燃機関1の始動前に予熱制御が実行されていないと判定された場合には、ECU39は、S606へ進み、機関側水温センサ17の出力信号値(機関側水温検出値)を読み込む。
【0100】
S607では、ECU39は、前記S606において読み込まれた機関側水温検出値を機関側水温:THWeとしてRAMなどに記憶させる。
【0101】
S605或いはS607の処理を実行し終えたECU39は、S608へ進み、機関側水温:THWeが判定基準温度以上であるか否かを判別する。
【0102】
前記S608において機関側水温:THWeが判定基準温度以上であると判定された場合は、ECU39は、S609へ進み、前記機関側水温:THWeから前記判定基準温度を減算してられる温度差(=THWe−判定基準温度)が所定温度:α以下であるか否かを判別する。
【0103】
前記S609において前記温度差(=THWe−判定基準温度)が所定温度:α以下であると判定された場合、すなわち機関側水温:THWeと判定基準温度との温度差が所定温度:α以下であると判定された場合は、ECU39は、S610へ進み、サーモスタットバルブ7が正常であると判定する。
【0104】
一方、前記S609において前記温度差(=THWe−判定基準温度)が所定温度:αを越えていると判定された場合、すなわち機関側水温:THWeと判定基準温度との温度差が所定温度:αより大きいと判定された場合は、ECU39は、S611へ進み、サーモスタットバルブ7が閉弁状態で動作不能(閉固着)に陥っていると判定する。
【0105】
また、前記S608において機関側水温:THWeが判定基準温度未満であると判定された場合は、ECU39は、S612へ進み、サーモスタットバルブ7が開弁状態で動作不能(開固着)に陥っていると判定する。
【0106】
以上述べたようにECU39が異常検出制御ルーチンを実行することにより、予熱制御が実行された場合であっても熱媒体流通路内の機関側冷却水平均温度に基づいてサーモスタットバルブ7の異常検出処理を実行することが可能となる。
【0107】
この結果、サーモスタットバルブ7が異常であるか否かについて誤判定することがなくなり、以てサーモスタットバルブ7の異常を正確に検出することが可能となる。
【0108】
<実施の形態2>
次に、本発明に係る蓄熱装置を備えた内燃機関の第2の実施の形態について図7に基づいて述べる。ここでは前述した第1の実施の形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0109】
本実施の形態と前述した第1の実施の形態との差異は、前述した第1の実施の形態では、予熱制御が実行された後の異常検出制御において機関側水温センサ17の出力信号(機関側水温検出値)の代わりに機関側冷却水平均温度の推定値を用いることによりサーモスタットバルブ7の異常検出処理を実行するのに対し、本実施の形態では、予熱制御が実行された後の所定期間内は異常検出制御の実行を禁止する点にある。
【0110】
以下、本実施の形態における異常検出制御について図7に沿って説明する。
【0111】
図7は、本実施の形態における異常検出制御ルーチンを示すフローチャート図である。異常検出制御ルーチンは、予めECU39のROMに記憶されているルーチンであり、内燃機関1の始動をトリガにしてECU39が実行するルーチンである。
【0112】
異常検出制御ルーチンでは、ECU39は、先ずS701において内燃機関1の始動前に予熱制御が実行済みであるか否かを判別する。
【0113】
前記S701において予熱制御が実行済みであると判定された場合は、ECU39は、S702へ進み、カウンタ:Cを起動させる。このカウンタ:Cは、内燃機関1の始動時からの経過時間を計測するカウンタである。
【0114】
S703では、ECU39は、前記カウンタ:Cの計測時間:Cが異常検出禁止時間:Time以上であるか否かを判別する。前記した異常検出禁止時間:Timeは、予熱制御の実行により生じた熱媒体流通路内の冷却水温度の高低差が解消されるまでに要する時間であり、予め実験的に求められた値である。
【0115】
前記S703において前記カウンタ:Cの計測時間:Cが異常検出禁止時間:Time未満であると判定された場合は、ECU39は、前記カウンタ:Cの計測時間:Cが異常検出禁止時間:Time以上となるまで前記S703の処理を繰り返し実行する。
【0116】
前記S703において前記カウンタ:Cの計測時間:Cが異常検出禁止時間:Time以上に達すると、ECU39は、S704へ進む。
【0117】
尚、前記したS701において内燃機関1の始動前に予熱制御が実行されていないと判定された場合は、ECU39は、前記S702及び前記S703の処理をスキップしてS704へ進む。
【0118】
S704では、ECU39は、基準水温の推定処理を実行する。
【0119】
S705では、ECU39は、前記S704において求められた基準水温が判定基準温度(例えば、75℃)以上であるか否かを判別する。
【0120】
前記S705において基準水温が判定基準温度未満であると判定された場合は、ECU39は、前述したS704以降の処理を再度実行する。
【0121】
一方、前記S705において基準水温が判定基準温度以上であると判定された場合は、ECU39は、S706へ進み、機関側水温センサ17の出力信号値(機関側水温検出値)を読み込む。
【0122】
S707では、ECU39は、前記S706において読み込まれた機関側水温検出値を機関側水温:THWeとしてRAMなどに記憶させる。
【0123】
S708では、ECU39は、機関側水温:THWeが判定基準温度以上であるか否かを判別する。
【0124】
前記S708において機関側水温:THWeが判定基準温度以上であると判定された場合は、ECU39は、S709へ進み、前記機関側水温:THWeから前記判定基準温度を減算してられる温度差(=THWe−判定基準温度)が所定温度:α以下であるか否かを判別する。
【0125】
前記S709において前記温度差(=THWe−判定基準温度)が所定温度:α以下であると判定された場合は、ECU39は、S710へ進み、サーモスタットバルブ7が正常であると判定する。
【0126】
一方、前記S709において前記温度差(=THWe−判定基準温度)が所定温度:αを越えていると判定された場合は、ECU39は、S711へ進み、サーモスタットバルブ7が閉弁状態で動作不能(閉固着)に陥っていると判定する。
【0127】
また、前記S708において機関側水温:THWeが判定基準温度未満であると判定された場合は、ECU39は、S712へ進み、サーモスタットバルブ7が開弁状態で動作不能(開固着)に陥っていると判定する。
【0128】
以上述べたようにECU39が異常検出制御ルーチンを実行することにより、予熱制御が実行された場合には、予熱制御の実行によって生じた熱媒体流通路内の熱媒体温度の高低差が解消されるまでの期間(異常検出禁止時間:Time)において異常検出処理の実行が禁止されるため、熱媒体流通路内の冷却水温度が均一化された後の機関側水温センサ17の出力信号に基づいて異常検出処理が行われるようになる。
【0129】
この結果、サーモスタットバルブ7が異常であるか否かについて誤判定することがなくなり、以てサーモスタットバルブ7の異常を正確に検出することが可能となる。
【0130】
尚、本実施の形態における異常検出制御では、内燃機関1が始動された時点からの経過時間が異常検出禁止時間以上となるまでの期間において異常検出処理の実行を禁止する例について述べたが、基準水温が所定温度以上となるまでの期間において異常検出処理の実行を禁止するようにしてもよく、或いは前述した第1の実施の形態で述べた機関側冷却水平均温度の推定値と機関側水温センサ17の出力信号(機関側水温検出値)とが一致するまでの期間において異常検出処理の実行を禁止するようにしてもよい。
【0131】
【発明の効果】
本発明によれば、内燃機関を流れる熱媒体の一部を蓄熱状態で貯蔵する蓄熱装置と、熱媒体の温度に基づいて異常を検出する異常検出手段とを備えた内燃機関において、異常検出手段が誤検出することを防止することができ、以て正確な異常検出を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用する内燃機関の冷却水循環系の概略構成を示す図
【図2】 冷却水温度がサーモスタットバルブの開弁温度より低いときの冷却水の流れを示す図
【図3】 冷却水温度がサーモスタットバルブの開弁温度以上であるときの冷却水の流れを示す図
【図4】 室内暖房装置のスイッチがオンにされたときの冷却水の流れを示す図
【図5】 内燃機関を予熱する場合の冷却水の流れを示す図
【図6】 第1の実施の形態における異常検出制御ルーチンを示すフローチャート図
【図7】 第2の実施の形態における異常検出制御ルーチンを示すフローチャート図
【符号の説明】
1・・・・内燃機関
1a・・・シリンダヘッド
1b・・・シリンダブロック
2a・・・ヘッド側冷却水路
2b・・・ブロック側冷却水路
4・・・・第1冷却水路
5・・・・ラジエター
6・・・・第2冷却水路
7・・・・サーモスタットバルブ
8・・・・第3冷却水路
9・・・・バイパス水路
10・・・機械式ウォータポンプ
14・・・電動ウォーターポンプ
15・・・蓄熱容器
17・・・機関側水温センサ
39・・・ECU
150・・蓄熱容器側水温センサ

Claims (2)

  1. 内燃機関を経由して熱媒体が流れる熱媒体流通路と、
    前記熱媒体流通路内の熱媒体の一部を蓄熱状態で貯蔵するとともに、貯蔵された熱媒体を所定の時期に前記熱媒体流通路へ供給する蓄熱装置と、
    前記熱媒体流通路内の熱媒体温度を検出する温度検出手段と、
    前記蓄熱装置から前記熱媒体流通路へ熱媒体が供給された場合に前記熱媒体流通路内の熱媒体温度の平均値を推定する推定手段と、
    前記蓄熱装置から前記熱媒体流通路へ熱媒体が供給されない場合は前記温度検出手段により検出された熱媒体温度に基づいて異常検出処理を行い、前記蓄熱装置から前記熱媒体流通路へ熱媒体が供給された場合は前記推定手段により推定された熱媒体温度に基づいて異常検出処理を行う異常検出手段と、
    を備えることを特徴とする蓄熱装置を備えた内燃機関。
  2. 前記異常検出手段は、前記熱媒体流通路に設けられたサーモスタットバルブの異常を検出することを特徴とする請求項1に記載の蓄熱装置を備えた内燃機関。
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