JP3843906B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などに搭載される内燃機関に関し、特に内燃機関の始動に先駆けて該内燃機関を加熱する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車などに搭載される内燃機関では、始動に先駆けて内燃機関を加熱することにより、始動時及び始動後における排気エミッションや燃料消費率を向上させようとする技術の開発が進められている。
【0003】
上記したような技術としては、例えば、特開2002−38947号公報に記載されているような蓄熱装置を有する車両搭載用内燃機関が提案されている。
【0004】
上記したような蓄熱装置を有する車両搭載用内燃機関では、始動に関連する特定のタイミング要素が発生した時点で制御装置(例えば、ECU:Electronic Control Unit)が起動され、次いで制御装置が蓄熱装置を作動させることにより、内燃機関の始動に先駆けて蓄熱装置から内燃機関へ熱を供給し、以て内燃機関を加熱するよう構成されている。
【0005】
始動に関する特定のタイミング要素としては、内燃機関が搭載される車両に設けられた乗降用ドアの開扉、内燃機関が搭載される車両に設けられた運転座席への着座、内燃機関が搭載される車両の運転座席に備えられたシートベルトの着用、内燃機関が搭載される車両に設けられた制動装置の作動操作、内燃機関が搭載される車両に設けられたクラッチ機構(連動器)の作動、内燃機関が搭載される車両の乗降用ドアの解錠、内燃機関が搭載された車両に取り付けられた盗難防止装置の作動解除などが例示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、内燃機関の運転停止後に車両からの降車を目的として乗降用ドアの開扉や乗降用ドアの解錠が行われた場合、或いは、内燃機関の運転停止時に車両の室内からの荷物の積み降ろし等を目的として乗降用ドアの開扉、乗降用ドアの解錠、或いは盗難防止装置の作動解除が行われた場合等には、始動に関する特定のタイミング要素が発生したとの誤認が生じて制御装置が起動される可能性がある。
【0007】
上記したような誤認により制御装置が起動された場合には、内燃機関が始動されないまま制御装置が長期間にわたって作動し続ける可能性があり、制御装置の駆動源たるバッテリの電力が不要に消費されてしまう可能性がある。
【0008】
また、上記したような誤認により制御装置が起動された際に、加熱実行条件が成立していると、制御装置が蓄熱装置を作動させて内燃機関を加熱してしまう可能性もある。この場合には、蓄熱装置に蓄えられた熱が不要に消費されることとなり、内燃機関の次回の始動時に有効な加熱を行うことが困難となる。
【0009】
本発明は、上記したような種々の実情に鑑みてなされたものであり、蓄熱装置等のように内燃機関を加熱する装置と、特定のタイミング要素の発生により起動されて加熱装置を作動させる制御装置とを備えた内燃機関において、制御装置の不要な作動およびまたは加熱装置の不要な作動を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明にかかる内燃機関は、
内燃機関を加熱する加熱装置と、
前記内燃機関を搭載する車両に設けられた乗降用ドアの開扉に関連したタイミング要素の発生を検出する検出手段と
前記内燃機関が運転停止状態にあり且つ前記検出手段が前記タイミング要素の発生を検出した時に起動され、加熱実行条件の成立を条件として前記加熱装置を作動させる制御装置と、
前記内燃機関が運転停止された時点から所定期間は前記制御装置の作動状態を維持することにより、前記所定期間内に前記検出手段が前記タイミング要素の発生を検出しても前記加熱装置が作動させられないようにする作動維持手段と、
を備えるようにした。
【0011】
この発明は、内燃機関を搭載した車両の乗降用ドアの開扉に関連したタイミング要素が発生した時点で起動され、加熱装置によって内燃機関を加熱する制御装置を備えた内燃機関において、内燃機関の運転停止時から所定期間は制御装置の作動状態を維持することを最大の特徴としている。
【0012】
かかる内燃機関では、内燃機関の始動前に車両の乗降用ドアの開扉に関連したタイミング要素が発生すると、制御装置が起動されて加熱実行条件が成立しているか否か判別する。
【0013】
前記した加熱実行条件としては、例えば、内燃機関の温度が所定温度未満である、加熱装置が内燃機関を加熱可能な状態にある、等の条件を例示することができる。
【0014】
上記したような加熱実行条件が成立している場合は、制御装置は、加熱手段を作動させる。この場合、内燃機関が始動前に暖められることになる。この結果、始動性の向上が図られるとともに、始動時及び始動後における排気エミッションと燃料消費率の向上などが図られる。
【0015】
また、内燃機関の運転が停止された場合には、作動維持手段は、内燃機関の運転停止時から所定期間が経過するまで制御装置の作動状態を維持する。
【0016】
この場合、上記した所定期間内に車両からの降車を目的とした乗降用ドアの開扉に関連したタイミング要素が発生しても、制御装置が加熱装置を作動させることがない。更に、内燃機関の運転停止時から所定期間が経過した時点で制御装置の作動が停止されるため、内燃機関の運転停止後において不必要に制御装置が作動されることもない。
【0017】
本発明に係る内燃機関において、乗降用ドアの開扉に関連したタイミング要素としては、例えば、(1)乗降用ドアの開扉、(2)乗降用ドアの解錠などを例示することができる。
【0018】
本発明に係る内燃機関において、所定期間としては、(1)内燃機関の運転停止時から所定時間が経過するまでの期間、(2)内燃機関の運転停止時から乗降用ドアの開扉に関連したタイミング要素が発生するまでの期間、等を例示することができる。尚、上記した(1)における所定時間は、内燃機関を搭載した車両の乗員が内燃機関の運転停止から降車までに要する時間より長く設定されることが好ましい。
【0019】
本発明に係る内燃機関において、制御装置が車両に搭載されたバッテリの電力を駆動源として作動するよう構成されている場合には、作動維持手段は、内燃機関が運転停止された時点から所定期間は、バッテリから制御装置に対する電力供給を継続させるようにしてもよい。
【0020】
次に、本発明は、上記した課題を解決するために以下のような手段を採用してもよい。すなわち、本発明にかかる内燃機関は、
内燃機関を加熱する加熱装置と、
前記内燃機関を搭載する車両に設けられた乗降用ドアと、
前記内燃機関が運転停止状態にあり且つ前記乗降用ドアの開扉に関連したタイミング要素が発生した時に起動され、加熱実行条件の成立を条件として前記加熱装置を作動させる制御装置と、
前記タイミング要素が発生した時点から所定時間以内に前記内燃機関の始動要求が発生しない場合は、前記制御装置の作動を停止させる作動停止手段と、
を備えるようにしてもよい。
【0021】
この発明は、内燃機関を搭載した車両の乗降用ドアの開扉に関連したタイミング要素が発生した時点で起動され、加熱装置によって内燃機関を加熱する制御装置を備えた内燃機関において、前記タイミング要素が発生した時点から所定時間以内に内燃機関の始動要求が発生しない場合には制御装置の作動を停止させることを最大の特徴としている。
【0022】
かかる内燃機関では、内燃機関が運転停止状態にあるときに車両の乗降用ドアの開扉に関連したタイミング要素が発生すると、制御装置が起動されて加熱実行条件が成立しているか否か判別する。
【0023】
前記した加熱実行条件としては、例えば、内燃機関の温度が所定温度未満である、加熱装置が内燃機関を加熱可能な状態にある、等の条件を例示することができる。
【0024】
上記したような加熱実行条件が成立している場合は、制御装置は、加熱手段を作動させる。そして、前記タイミング要素が発生した時点から所定時間以内に内燃機関の始動要求が発生すれば、内燃機関が始動される。この場合、内燃機関が始動前に予め加熱されているため、始動性の向上が図られるとともに、始動時及び始動後における排気エミッションと燃料消費率の向上などが図られる。
【0025】
一方、前記したタイミング要素が発生した時点から所定時間以内に内燃機関の始動要求が発生しない場合には、作動停止手段が制御装置の作動を停止させる。この場合、内燃機関が運転停止状態にあるときに内燃機関の始動を目的としない乗降用ドアの開扉が行われても、制御装置が不要に作動されることがなくなる。
【0026】
本発明に係る内燃機関において、乗降用ドアの開扉に関連したタイミング要素としては、例えば、(1)乗降用ドアの開扉、(2)乗降用ドアの解錠、(3)車両に取り付けられた盗難防止装置の作動解除などを例示することができる。
【0027】
本発明に係る内燃機関において、所定時間は、乗降用ドアの開扉から内燃機関の始動要求が発生するまでの時間に基づいて定められることが好ましい。
【0028】
本発明に係る内燃機関において、作動停止手段は、前記タイミング要素が発生した時点で加熱実行条件が不成立であれば、制御装置の作動を直ちに停止させるようにしてもよい。
【0029】
これは、前記タイミング要素が発生した時点で加熱実行条件が不成立である場合には、内燃機関を始動前に加熱する必要がないため、前記タイミング要素が発生した時点から始動要求が発生するまでの期間において制御装置を作動させておく必要がないからである。言い換えれば、内燃機関を加熱する必要がない場合には、内燃機関の始動要求が発生した時点で制御装置が起動されても、始動性の悪化、排気エミッションの悪化、燃料消費率の悪化などが発生し難いからである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る内燃機関の予熱装置の具体的な実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0031】
<実施の形態1>
先ず、本発明に係る内燃機関1の第1の実施の形態について図1〜図6に基づいて説明する。
【0032】
図1は、本発明を適用する内燃機関の冷却水循環系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、水冷式のガソリン機関またはディーゼル機関であり、シリンダヘッド1aとシリンダブロック1bとを備えている。
【0033】
シリンダヘッド1aとシリンダブロック1bとには、冷却水が流通するためのヘッド側冷却水通路2aとブロック側冷却水通路2bとが各々形成され、それらヘッド側冷却水通路2aとブロック側冷却水通路2bが相互に連通している。
【0034】
ヘッド側冷却水通路2aには、第1冷却水通路4が接続され、その第1冷却水通路4はラジエター5の冷却水流入口に接続されている。ラジエター5の冷却水流出口には第2冷却水通路6が接続されている。
【0035】
第2冷却水通路6は、サーモスタットバルブ7に接続されている。サーモスタットバルブ7には、前記した第2冷却水通路6に加え、第3冷却水通路8とバイパス通路9とが接続されている。
【0036】
サーモスタットバルブ7は、該サーモスタットバルブ7を流れる冷却水の温度が所定の開弁温度:T1未満であるときは第2冷却水通路6を遮断して第3冷却水通路8とバイパス通路9とを導通させ、該サーモスタットバルブ7を流れる冷却水の温度が前記開弁温度:T1以上であるときはバイパス通路9を遮断して第2冷却水通路6と第3冷却水通路8とを導通させるよう構成されている。
【0037】
前記第3冷却水通路8は、機械式ウォーターポンプ10の冷却水吸込口に接続されている。機械式ウォーターポンプ10は、内燃機関1の図示しない出力軸(クランクシャフト)の回転トルクを駆動源として冷却水の流れを発生させるものであり、前記した冷却水吸込口から冷却水を吸い込むとともに、吸い込んだ冷却水を冷却水吐出口から吐出するよう構成されている。前記機械式ウォーターポンプ10の冷却水吐出口は、ブロック側冷却水通路2bに接続されている。
【0038】
前記したバイパス通路9は、前記した第1冷却水通路4、ラジエター5、及び第2冷却水通路6を迂回する通路であり、ヘッド側冷却水通路2aと接続されている。
【0039】
次に、前記した第1冷却水通路4の途中には、ヒータホース11が接続されている。このヒータホース11は、前記した第3冷却水通路8の途中に接続されている。
【0040】
前記ヒータホース11の途中には、室内暖房用空気と冷却水との間で熱交換を行うヒータコア12が設けられている。
【0041】
前記ヒータコア12と前記第3冷却水通路8との間に位置するヒータホース11の途中には、第1バイパス通路13aが接続されている。第1バイパス通路13aは、電動ウォーターポンプ14の冷却水吸込口に接続されている。
【0042】
前記電動ウォーターポンプ14は、バッテリ43から出力される電力を駆動源として冷却水の流れを発生させるよう構成され、前記冷却水吸込口から冷却水を吸い込むとともに、吸い込んだ冷却水を冷却水吐出口から吐出する。
【0043】
前記電動ウォーターポンプ14の冷却水吐出口には、第2バイパス通路13bが接続されている。第2バイパス通路13bは、蓄熱容器15の冷却水入口15aに接続されている。
【0044】
前記蓄熱容器15は、冷却水を蓄熱状態で貯蔵する容器であり、前記冷却水入口15aから冷却水が流入するとそれと入れ代わりに該蓄熱容器15内に貯蔵されていた冷却水を冷却水出口15bから排出するよう構成されている。
【0045】
前記蓄熱容器15の冷却水出口15bには、第3バイパス通路13cが接続されている。前記第3バイパス通路13cは、前記第1冷却水通路4と前記ヒータコア12との間に位置するヒータホース11の途中に接続されている。
【0046】
なお以下では、第1冷却水通路4とヒータコア12との間に位置するヒータホース11において、前記第3バイパス通路13cとの接続部位を基準にして第1冷却水通路4側の部位を第1ヒータホース11aと称し、ヒータコア12側の部位を第2ヒータホース11bと称する。ヒータコア12と第3冷却水通路8との間に位置するヒータホース11において、第1バイパス通路13aとの接続部位を基準にしてヒータコア12側の部位を第3ヒータホース11cと称し、第3冷却水通路8側の部位を第4ヒータホース11dと称する。
【0047】
前記した第1ヒータホース11aと第2ヒータホース11bと第3バイパス通路13cとの接続部位には、流路切換弁16が設けられている。流路切換弁16は、電動モータ等によって駆動され、第1ヒータホース11aと第2ヒータホース11bと第3バイパス通路13cの何れか一を遮断するよう構成されている。
【0048】
また、前記第3バイパス通路13cにおいて蓄熱容器15の冷却水出口15bの近傍には、蓄熱容器15から排出される冷却水の温度(容器出口水温)に対応した電気信号を出力する容器出口水温センサ17が設けられており、前記第1冷却水通路4においてヘッド側冷却水通路2aの近傍には、該第1冷却水通路4を流通する冷却水の温度(機関側水温)に対応した電気信号を出力する機関側水温センサ18が設けられている。
【0049】
このように構成された内燃機関1の冷却水循環系には、内燃機関1の運転状態や冷却水循環系における冷却水の流れを制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)20が併設されている。このECU20は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAMなどから構成される算術論理演算回路であり、バッテリ25の電力を駆動源として作動するよう構成されている。
【0050】
前記ECU20には、前述した容器出口水温センサ17及び機関側水温センサ18に加え、内燃機関1を搭載した車両の室内に設けられたイグニッションスイッチ21とスタータスイッチ22とヒータスイッチ23が接続されるとともに、内燃機関1を搭載した車両に設けられた乗降用ドア(好ましくは、運転座席の乗降用ドア)の開扉を検出するドアスイッチ24が接続されている。
【0051】
また、前記ECU20には、電動ウォーターポンプ14と流路切換弁16とが電気的に接続され、ECU20が電動ウォーターポンプ14及び流路切換弁16を制御することが可能となっている。
【0052】
例えば、ECU20は、内燃機関1が冷間始動後の暖機運転状態にある場合のように、機関側水温センサ18の出力信号(機関側水温)がサーモスタットバルブ7の開弁温度:T1より低い場合には、電動ウォーターポンプ14を停止させるべくバッテリ25から電動ウォーターポンプ14への電力供給を遮断するとともに、第1ヒータホース11aを遮断すべく流路切換弁16を制御する。
【0053】
この場合、電動ウォーターポンプ14が作動せずに機械式ウォーターポンプ10が作動するとともに、サーモスタットバルブ7が第2冷却水通路6を遮断し且つ第3冷却水通路8とバイパス通路9を導通させるため、図2に示されるように、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水通路2b→ヘッド側冷却水通路2a→バイパス通路9→サーモスタットバルブ7→第3冷却水通路8→機械式ウォーターポンプ10の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0054】
図2に示されるような循環回路が成立すると、ヘッド側冷却水通路2a及びブロック側冷却水通路2bから流出した冷却水がラジエター5を迂回して流れるため、比較的低温の冷却水がラジエター5によって不要に冷却されることがなく、その結果、内燃機関1の暖機が妨げられることがない。
【0055】
その後、内燃機関1の暖機が進行して機関側水温センサ18の出力信号(機関側水温)がサーモスタットバルブ7の開弁温度:T1以上まで上昇すると、ECU20は、機関側水温がサーモスタットバルブ7の開弁温度:T1未満である場合と同様に、電動ウォーターポンプ14を停止させるべくバッテリ25から電動ウォーターポンプ14への電力供給を遮断するとともに、第1ヒータホース11aを遮断すべく流路切換弁16を制御する。
【0056】
この場合、電動ウォーターポンプ14が作動せずに機械式ウォーターポンプ10が作動するとともに、サーモスタットバルブ7がバイパス通路9を遮断し且つ第2冷却水通路6と第3冷却水通路8を導通させるため、図3に示されるように、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水通路2b→ヘッド側冷却水通路2a→第1冷却水通路4→ラジエター5→第2冷却水通路6→サーモスタットバルブ7→第3冷却水通路8→機械式ウォーターポンプ10の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0057】
図3に示されるような循環回路が成立すると、内燃機関1が発生する熱を吸収した比較的高温な冷却水がラジエター5を流通することになるため、冷却水の熱がラジエター5において大気中へ放出され、それにより冷却水の吸熱能力が再生されるとともに冷却水の温度が低下する。ラジエター5において吸熱能力が再生された冷却水は、内燃機関1のヘッド側冷却水通路2a及びブロック側冷却水通路2bへ再流入して内燃機関1が発生する熱を好適に吸収する。この結果、内燃機関1の過熱が防止される。
【0058】
また、内燃機関1が暖機完了後の通常運転状態にあるときにヒータスイッチ23がオフからオンへ切り換えられると、ECU20は、電動ウォーターポンプ14を停止させるべくバッテリ25から電動ウォーターポンプ14への電力供給を遮断するとともに、第3バイパス通路13cを遮断すべく流路切換弁16を制御する。
【0059】
この場合、電動ウォーターポンプ14が作動せずに機械式ウォーターポンプ10のみが作動し、サーモスタットバルブ7がバイパス通路9を遮断し且つ第2冷却水通路6と第3冷却水通路8を導通させ、さらに流路切換弁16が第1ヒータホース11aと第2ヒータホース11bを導通させるため、図4に示されるように、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水通路2b→ヘッド側冷却水通路2a→第1冷却水通路4→ラジエター5→第2冷却水通路6→サーモスタットバルブ7→第3冷却水通路8→機械式ウォーターポンプ10の順に冷却水が流れる第1の循環回路が成立すると同時に、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水通路2b→ヘッド側冷却水通路2a→第1冷却水通路4→第1ヒータホース11a→流路切換弁16→第2ヒータホース11b→ヒータコア12→第3ヒータホース11c→第4ヒータホース11d→第3冷却水通路8→機械式ウォーターポンプ10の順に冷却水が流れる第2の循環回路が成立する。
【0060】
図4に示されるような第2の循環回路が成立すると、内燃機関1が発生する熱を吸収した高温な冷却水が第1冷却水通路4→第1ヒータホース11a→流路切換弁16→第2ヒータホース11bを介してヒータコア12へ流入するため、ヒータコア12において冷却水の熱が室内暖房用空気へ伝達され、その結果、室内暖房用空気が暖められる。
【0061】
ところで、内燃機関1が冷間状態で始動される場合は、図示しない燃焼室周辺の温度が低くなるため、燃料噴射弁から噴射された燃料が霧化(あるいは気化)し難く、且つ、吸気ポートの壁面や燃焼室の壁面へ付着し易くなるため、燃焼室内に可燃性の高い混合気を形成し難くなり、その結果、始動性の悪化や、始動時及び始動後における未燃燃料成分の排出量増加(排気エミッションの悪化)などが誘発される可能性がある。更に、内燃機関1が冷間始動される場合には、動弁機構、ピストン、コネクティングロッド、クランクシャフト等のクリアランスが適正でないため、フリクションロスが増大し、始動性の悪化や燃料消費率の悪化が誘発される可能性もある。
【0062】
これに対し、スタータスイッチ22がオフからオンへ切り換えられる前の特定のタイミング要素が発生した時点で内燃機関1を予熱することが好ましい。そこで、本実施の形態では、スタータスイッチ22がオフからオンへ切り換えられる前の特定のタイミング要素が発生した時点でバッテリ25からECU20に対する電力供給を開始することによりECU20を起動させ、ECU20が内燃機関1の予熱処理を行うようにした。
【0063】
前記した特定のタイミング要素は、内燃機関1の始動が図られる前に必然的に発生する事象であることが好ましく、このような事象としては、内燃機関1が搭載された車両への乗車に付随した乗降用ドアの開扉や乗降用ドアの解錠などが挙げられる。
【0064】
上記したような特定のタイミング要素が発生すると、バッテリからECU20に対する駆動電力の供給が開始されてECU20が起動される。ECU20は、起動後直ちに機関側水温センサ18の出力信号(機関側水温)を読み込み、その機関側水温が所定温度未満であるか否かを判別する。
【0065】
上記した所定温度は、内燃機関1の暖機完了後における冷却水温度に基づいて設定される温度であり、例えば、50℃程度に設定される。
【0066】
特定のタイミング要素が検出された時点における機関側水温が前記所定温度未満である場合には、ECU20は、以下に示すような予熱処理を実行する。
【0067】
すなわち、ECU20は、電動ウォーターポンプ14を作動させるべくバッテリ25から電動ウォーターポンプ14へ駆動電力を供給させるとともに、第2ヒータホース11bを遮断すべく流路切換弁16を制御する。
【0068】
この場合、機械式ウォーターポンプ10が作動せずに電動ウォーターポンプ14のみが作動するとともに、第1ヒータホース11aと第3バイパス通路13cとが導通するため、図5に示されるように、電動ウォーターポンプ14→第2バイパス通路13b→蓄熱容器15→第3バイパス通路13c→流路切換弁16→第1ヒータホース11a→第1冷却水通路4→ヘッド側冷却水通路2a→ブロック側冷却水通路2b→機械式ウォーターポンプ10→第3冷却水通路8→第4ヒータホース11d→第1バイパス通路13a→電動ウォーターポンプ14の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0069】
図5に示されるような循環回路が成立すると、電動ウォーターポンプ14から吐出された冷却水が第2バイパス通路13bを介して蓄熱容器15へ流入する。蓄熱容器15へ冷却水が流入すると、それと入れ代わりに蓄熱容器15内に元々貯蔵されていた高温な温水(以下、蓄熱温水と称する)が該蓄熱容器15から流出する。
【0070】
蓄熱容器15から流出した蓄熱温水は、第3バイパス通路13c→流路切換弁16→第1ヒータホース11a→第1冷却水通路4を介してヘッド側冷却水通路2aへ流入し、次いでヘッド側冷却水通路2aからブロック側冷却水通路2bへ流入する。
【0071】
蓄熱容器15からの蓄熱温水がヘッド側冷却水通路2a及びブロック側冷却水通路2bへ流入すると、ヘッド側冷却水通路2a及びブロック側冷却水通路2bに元々滞留していた低温の冷却水がヘッド側冷却水通路2a及びブロック側冷却水通路2bから流出する。
【0072】
このようにしてヘッド側冷却水通路2a及びブロック側冷却水通路2bに蓄熱温水が充満すると、蓄熱温水の熱がヘッド側冷却水通路2a及びブロック側冷却水通路2bの壁面を介して内燃機関1へ伝達され、内燃機関1が好適に昇温する。
【0073】
この結果、内燃機関1の燃焼室周りの温度が高められるため、燃料の霧化が促進されるとともに壁面付着燃料量が減少し、始動性の向上と未燃燃料成分の排出量減少が図られる。更に、内燃機関1の昇温により、動弁機構、ピストン、コネクティングロッド、クランクシャフト等のクリアランスが適正値に近似するため、フリクションロスが低下して始動性の向上や燃料消費率の向上が図られる。
【0074】
また、特定のタイミング要素が検出された際の機関側水温が所定温度以上である場合は、ECU20は、内燃機関1の温度が始動性の悪化、排気エミッションの悪化、燃料消費率の悪化などの不具合を生じない程度に高いと判定して、上記したような予熱処理の実行を見合わせる。
【0075】
ところで、内燃機関1の運転を停止させるべくイグニッションスイッチ21がオンからオフへ切り換えられると、バッテリ25からECU20に対する駆動電力の供給も停止されてECU20が作動停止するため、その後に車両からの降車を目的とした乗降用ドアの開扉や乗降用ドアの解除が発生すると、ECU20が再起動されしてしまう。
【0076】
この場合、ECU20は、乗降用ドアの開扉又は乗降用ドアの解錠が内燃機関1の始動を目的とした車両への乗車に起因したものであるか、或いは車両の駐停車を目的とした車両からの降車に起因したものであるかを区別することができないため、内燃機関1の次回の始動時まで作動し続けることになる。その結果、バッテリ25の電力が不要に消費されてしまい、バッテリ25の蓄電量が過剰に低下する、所謂バッテリ25あがりが発生する虞がある。
【0077】
更に、上記したような要因によってECU20が再起動された時に機関側水温センサ18の出力信号(機関側水温)が所定温度を下回っていると、ECU20が予熱処理を実行することになるため、蓄熱容器15に蓄えられた熱が不要に消費されてしまい、内燃機関1の次回の始動時において内燃機関1を有効に予熱することができなくなる虞もある。
【0078】
そこで、本実施の形態における内燃機関1では、ECU20は、内燃機関1が運転停止された時点から所定期間内は、バッテリ25から当該ECU20に対する電源供給を継続させるようにした。
【0079】
上記した所定期間は、内燃機関1が運転停止された時点から所定時間が経過するまでの期間、又は、内燃機関1が運転停止された時点から降車に伴う乗降用ドアの開扉若しくは乗降用ドアの解錠が発生するまでの期間とすることが好ましい。
【0080】
このように内燃機関1が運転停止された時点から所定期間内においてバッテリ25からECU20に対する電源供給が継続された場合には、ECU20は、内燃機関1の運転停止後における降車を目的とした乗降用ドアの開扉又は乗降用ドアの解錠を認識することが可能となる。
【0081】
この結果、ECU20が不要に予熱処理を行うことがなくなり、蓄熱容器15に蓄えられた熱が不要に消費されることがない。
【0082】
更に、バッテリ25からECU20に対する電力供給は、内燃機関1が運転停止された時点から所定期間後に停止されるため、バッテリ25に蓄えられた電力が不要に消費されることもなくなる。
【0083】
以下、本実施の形態における内燃機関の作用について述べる。ここでは、内燃機関1の始動が図られる前に必然的に発生するタイミング要素として乗降用ドアの開扉を例に挙げて説明する。
【0084】
ECU20は、内燃機関1が運転停止されたこと、言い換えれば、イグニッションスイッチ21がオンからオフへ切り換えられたことをトリガとして図6に示すようなECU電源制御ルーチンを実行する。このECU電源制御ルーチンは、予めECU20のROMに記憶されているルーチンである。
【0085】
ECU電源制御ルーチンでは、ECU20は、先ずS601において、内燃機関1の運転が停止されたか否か、すなわち、イグニッションスイッチ21がオンからオフへ切り換えられたか否かを判別する。
【0086】
前記S601において内燃機関1の運転が停止されていないと判定された場合は、ECU20は、本ルーチンの実行を終了する。
【0087】
一方、前記S601において内燃機関1の運転が停止されたと判定された場合は、ECU20は、S602へ進み、カウンタ:Cを起動させる。このカウンタ:Cは、内燃機関1が運転停止された時点からの経過時間を計時するカウンタである。
【0088】
S603では、ECU20は、ドアスイッチ24がオフからオンへ切り換えられたか否かを判別する。すなわち、ECU20は、内燃機関1が搭載された車両の乗降用ドアが開扉されたか否かを判別する。
【0089】
前記S603においてドアスイッチ24がオフからオンへ切り換えられたと判定された場合は、ECU20は、車両からの降車を目的として乗降用ドアが開扉されたとみなし、S605へ進む。S605では、ECU20は、バッテリ25から当該ECU20に対する電力供給を遮断する。
【0090】
一方、前記S603においてドアスイッチ24がオフからオンへ切り換えられていないと判定された場合は、ECU20は、S604へ進み、カウンタ:Cの計測時間が所定時間以上であるか否かを判別する。
【0091】
前記S604においてカウンタ:Cの計測時間が所定時間未満であると判定された場合は、ECU20は、前記S603以降の処理を再度実行する。
【0092】
前記S604においてカウンタ:Cの計測時間が所定時間以上であると判定された場合は、ECU20は、車両の運転者が運転座席の乗降用ドア以外から降車したとみなし、S605においてバッテリ25から当該ECU20に対する電力供給を遮断する。
【0093】
このようにECU20がECU電源制御ルーチンを実行することにより、内燃機関1が運転停止された時点から所定時間が経過するまでの期間又は内燃機関1が運転停止された時点から降車を目的として乗降用ドアの開扉が発生するまでの期間においてバッテリ25からECU20に対する電源供給が継続されることになる。
【0094】
すなわち、ECU20がECU電源制御ルーチンを実行することにより、内燃機関1が運転停止された時点から所定時間が経過するまでの期間又は内燃機関1が運転停止された時点から降車を目的として乗降用ドアの開扉が発生するまでの期間においてECU20の作動が維持されることになる。
【0095】
このように内燃機関1が運転停止された時点から所定期間内においてECU20の作動が維持された場合には、ECU20は、内燃機関1の運転停止後における降車を目的とした乗降用ドアの開扉又は乗降用ドアの解錠を認識することが可能となる。
【0096】
この結果、ECU20が不要に予熱処理を行うことがなくなり、蓄熱容器15に蓄えられた熱が不要に消費されることがない。
【0097】
更に、バッテリ25からECU20に対する電力供給は、内燃機関1が運転停止された時点から所定期間後に停止されるため、バッテリ25に蓄えられた電力が不要に消費されることもなくなる。
【0098】
<実施の形態2>
次に、本発明に係る内燃機関の第2の実施の形態について図7に基づいて説明する。ここでは前述した第1の実施の形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略するものとする。
【0099】
前述した第1の実施の形態と本実施の形態との差異は、前述した第1の実施の形態では内燃機関1の運転が停止された後にECU20の電源制御が行われるのに対し、本実施の形態では内燃機関1が始動される前にECU20の電源制御が行われる点にある。
【0100】
内燃機関1の始動が図られる前に必然的に発生するタイミング要素に従ってECU20の起動及び予熱処理の実行が行われる内燃機関、特に乗降用ドアの開扉に関連したタイミング要素(例えば、乗降用ドアの開扉、乗降用ドアの解錠、或いは盗難防止装置の作動解除など)に従ってECU20が起動される内燃機関では、車両の室内からの荷物の積み降ろし等を目的とした乗降用ドアの開扉、言い換えれば、内燃機関1の始動を目的としない乗降用ドアの開扉が発生する場合があり、そのような場合にもECU20が起動されることになる。
【0101】
内燃機関1の始動を目的としない乗降用ドアの開扉によりECU20が起動された場合に、ECU20は、当該乗降用ドアの開扉が内燃機関1の始動を目的としたものであるか否かを区別することはできないため、内燃機関1の次回の始動が図られるまで継続して作動することとなる。
【0102】
このように内燃機関1の始動が図られないままECU20が作動し続けると、バッテリ25に蓄えられた電力が不要に消費され、バッテリ上がりが発生する可能性もある。
【0103】
そこで、本実施の形態に係る内燃機関1では、内燃機関1が運転停止状態にある状況下で、乗降用ドアの開扉、乗降用ドアの解錠、或いは盗難防止装置の作動解除等の特定のタイミング要素が発生した場合に、前記特定のタイミング要素が発生した時点から所定時間以内に内燃機関1の始動要求(スタータスイッチ22のオフからオンへの切り換え)が発生しなければ、バッテリ25からECU20に対する電力供給を停止するようにした。
【0104】
但し、前記した所定時間以内に乗降用ドアの開扉、乗降用ドアの施錠、盗難防止装置の作動などが発生した時は、その時点でバッテリ25からECU20に対する電力供給を遮断するものとする。
【0105】
以下、本実施の形態における内燃機関の作用について述べる。ここでは、内燃機関1の始動が図られる前に必然的に発生するタイミング要素として乗降用ドアの開扉を例に挙げて説明する。
【0106】
ECU20は、内燃機関1が運転停止状態にあるときに乗降用ドアの開扉が発生したことをトリガとして、図7に示すようなECU電源制御ルーチンを実行する。このECU電源制御ルーチンは、予めECU20のROMに記憶されているルーチンである。
【0107】
ECU電源制御ルーチンでは、ECU20は、先ずS701において、ドアスイッチ24がオフからオンへ切り換えられたか否かを判別する。
【0108】
前記S701においてドアスイッチ24がオフからオンへ切り換えられていないと判定された場合は、ECU20は、S708へ進み、バッテリ25から当該ECU20に対する電力供給を遮断して本ルーチンの実行を終了する。
【0109】
前記S701においてドアスイッチ24がオフからオンへ切り換えられたと判定された場合は、ECU20は、S702へ進み、カウンタ:Cを起動させる。このカウンタ:Cは、乗降用ドアの開扉が発生した時点からの経過時間を計測するカウンタである。
【0110】
S703では、ECU20は、予熱実行条件が成立しているか否かを判別する。すなわち、ECU20は、機関側水温センサ18の出力信号(機関側水温)が所定温度未満であるか否かを判別する。
【0111】
前記S703において予熱実行条件が成立していないと判定された場合は、ECU20は、S708へ進み、バッテリ25から当該ECU20に対する電力供給を直ちに遮断する。
【0112】
一方、前記S703において予熱実行条件が成立していると判定された場合は、ECU20は、S704へ進み、予熱処理を実行する。具体的には、ECU20は、電動ウォーターポンプ14を作動させるべくバッテリ25から電動ウォーターポンプ14へ駆動電力を供給させるとともに、第2ヒータホース11bを遮断すべく流路切換弁16を制御することにより、前述した図5の説明で述べたような循環回路を成立させる。
【0113】
S705では、ECU20は、スタータスイッチ22がオフからオンへ切り換えられたか否か、言い換えれば内燃機関1の始動要求が発生したか否かを判別する。
【0114】
前記S705においてスタータスイッチ22がオフからオンへ切り換えられたと判定された場合は、ECU20は、本ルーチンの実行を終了する。この場合、内燃機関1は、前記した予熱処理によって昇温した状態で始動されることになるため、始動性が向上するとともに、始動時及び始動後における排気エミッションや燃料消費率の向上が図られることになる。
【0115】
一方、前記S705においてスタータスイッチ22がオフからオンへ切り換えられていないと判定された場合は、ECU20は、S706へ進み、ドアスイッチ24が再度オフからオンへ切り換わったか否かを判別する。
【0116】
前記S706においてドアスイッチ24が再度オフからオンへ切り換えられたと判定された場合は、ECU20は、前記S701で発生した乗降用ドアの開扉が内燃機関1の始動を目的としたものではないとみなし、S708においてバッテリ25から当該ECU20に対する電力供給を遮断して本ルーチンの実行を終了する。
【0117】
また、前記S706においてドアスイッチ24が再度オフからオンへ切り換えられていないと判定された場合は、ECU20は、S707へ進み、前記カウンタ:Cの計測時間が所定時間以上であるか否かを判別する。
【0118】
前記S707において前記カウンタ:Cの計測時間が所定時間未満であると判定された場合は、ECU20は、前述したS705以降の処理を再度実行する。
【0119】
前記S707において前記カウンタ:Cの計測時間が所定時間以上であると判定された場合、つまり、内燃機関1の始動が図られないまま所定時間が経過した場合には、ECU20は、前記したS701で発生した乗降用ドアの開扉が内燃機関1の始動を目的としたものではないとみなし、S708においてバッテリ25から当該ECU20に対する電力供給を遮断し、本ルーチンの実行を終了する。
【0120】
このようにECU20がECU電源制御ルーチンを実行することにより、内燃機関1の始動を目的としない乗降用ドアの開扉が発生した場合に、ECU20が不要に作動し続けることがなくなるため、バッテリ25に蓄えられた電力が不要に消費されることがなく、バッテリ上がりの発生が防止されることとなる。
【0121】
また、内燃機関1の始動を目的としない乗降用ドアの開扉が発生した場合に予熱実行条件が成立していると、蓄熱容器15に蓄えられた熱が不要に消費されるものの、バッテリ25に蓄えられた電力が不要に消費されることがないため、バッテリ上がりによって内燃機関1が始動不能に陥ることがなくなる。
【0122】
尚、前述した第1の実施の形態に係るECU電源制御と第2の実施の形態に係るECU電源制御とは、同一の内燃機関に対して適用されるようにしてもよい。すなわち、内燃機関の運転が停止された時点で特定のタイミング要素が発生した場合には前述した図6の説明で述べたようなECU電源制御が実行され、内燃機関が運転停止状態にあるときに特定のタイミング要素が発生した場合には前述した図7の説明で述べたようなECU電源制御が実行されるようにすればよい。
【0123】
この場合、内燃機関が搭載された車両からの降車を目的として乗降用ドアの開扉等が発生した場合、及び、内燃機関が搭載された車両からの荷物の積み降ろし等を目的として乗降用ドアの開扉等が発生した場合に、ECUが不要に作動されることがなくなる。
【0124】
この結果、内燃機関の始動を目的としない乗降用ドアの開扉等が行われた場合にECUが不要に作動される事態がより一層発生し難くなり、以てバッテリ電力の不要な消費を抑制し易くなる。
【0125】
また、前述した第1及び第2の本実施の形態では、本発明に係る加熱装置として、第1バイパス通路13a、第2バイパス通路13b、第3バイパス通路13c、電動ウォーターポンプ14、蓄熱容器15、及び流路切換弁16からなる蓄熱機構を例に挙げて説明したが、これに限られるものではなく、例えば、(1)内燃機関1の潤滑油を蓄熱状態で貯蔵しておくとともに貯蔵された潤滑油を内燃機関1の始動前に内燃機関1へ供給する機構、(2)内燃機関1と独立した燃焼室を有し、その燃焼室から排出される高温な燃焼ガスを内燃機関1の始動前に内燃機関1の吸気通路やブローバイガス通路などに供給する機構などであってもよい。
【0126】
【発明の効果】
本発明によれば、内燃機関を搭載した車両の乗降用ドアの開扉に関連したタイミング要素が発生した時点で起動され、加熱装置によって内燃機関を加熱する制御装置を備えた内燃機関において、制御装置の不要な作動およびまたは加熱装置の不要な作動を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用する内燃機関の冷却水循環系の概略構成を示す図
【図2】 内燃機関が冷間状態で運転されているときの冷却水の流れを示す図
【図3】 内燃機関の暖機完了後における冷却水の流れを示す図
【図4】 ヒータスイッチがオンであるときの冷却水の流れを示す図
【図5】 予熱処理の実行時における冷却水の流れを示す図
【図6】 第1の実施の形態におけるECU電源制御ルーチンを示すフローチャート図
【図7】 第2の実施の形態におけるECU電源制御ルーチンを示すフローチャート図
【符号の説明】
1・・・・内燃機関
1a・・・シリンダヘッド
1b・・・シリンダブロック
2a・・・ヘッド側冷却水通路
2b・・・ブロック側冷却水通路
11・・・ヒータホース
13a・・第1バイパス通路
13b・・第2バイパス通路
13c・・第3バイパス通路
14・・・電動ウォーターポンプ
15・・・蓄熱容器
16・・・流路切換弁
20・・・ECU
21・・・イグニッションスイッチ
22・・・スタータスイッチ
23・・・ヒータスイッチ
24・・・ドアスイッチ
25・・・バッテリ

Claims (5)

  1. 内燃機関を加熱する加熱装置と、
    前記内燃機関を搭載する車両に設けられた乗降用ドアの開扉に関連したタイミング要素の発生を検出する検出手段と
    前記内燃機関が運転停止状態にあり且つ前記検出手段が前記タイミング要素の発生を検出した時に起動され、加熱実行条件の成立を条件として前記加熱装置を作動させる制御装置と、
    前記内燃機関が運転停止された時点から所定期間は前記制御装置の作動状態を維持することにより、前記所定期間内に前記検出手段が前記タイミング要素の発生を検出しても前記加熱装置が作動させられないようにする作動維持手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記所定期間は、前記内燃機関が運転停止された時点から所定時間が経過するまでの期間であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記所定期間は、前記内燃機関が運転停止された時点から前記タイミング要素が発生するまでの期間であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  4. 前記制御装置は、車両に搭載されたバッテリの電力を駆動源として作動するよう構成され、
    前記作動維持手段は、前記内燃機関が運転停止された時点から所定期間は、前記バッテリから前記制御装置に対する電力供給を継続させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一に記載の内燃機関。
  5. 前記タイミング要素は、前記内燃機関が搭載された車両に設けられた乗降用ドアの開扉およびまたは前記乗降用ドアの解錠であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一に記載の内燃機関。
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