JP2002276420A - 蓄熱装置を備えた内燃機関 - Google Patents

蓄熱装置を備えた内燃機関

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JP2002276420A
JP2002276420A JP2001081301A JP2001081301A JP2002276420A JP 2002276420 A JP2002276420 A JP 2002276420A JP 2001081301 A JP2001081301 A JP 2001081301A JP 2001081301 A JP2001081301 A JP 2001081301A JP 2002276420 A JP2002276420 A JP 2002276420A
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temperature
cooling water
engine
internal combustion
cylinder
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Kazuki Iwatani
一樹 岩谷
Makoto Suzuki
鈴木  誠
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】蓄熱装置から熱の供給が開始された後に、複数
個所で検出された温度に基づいて、気筒毎に運転制御を
行う技術を提供し、以て、内燃機関始動直後のエミッシ
ョンの悪化を防止する。 【解決手段】熱媒体を循環させる循環系Cと、熱を内燃
機関1に供給する熱供給手段23と、内燃機関1又は循
環系Cを循環する熱媒体の温度を少なくとも2個所で計
測する温度計測手段35と、温度計測手段35により計
測された少なくとも2個所の温度に基づいて内燃機関1
の運転制御を気筒2毎に行う制御手段22と、を具備し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄熱装置を備えた
内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、内燃機関は、燃焼室周辺の温度
が所定温度に達していない状態で運転されると、燃焼室
に供給される燃料の霧化の悪化や、壁面近くでの消炎が
発生し、炭化水素(HC)の排出量の増加や燃費の悪化
を誘発する。
【0003】そこで、内燃機関が運転中に発する熱を蓄
えておき、蓄えた熱を機関停止中、又は、機関始動時に
内燃機関に供給して内燃機関の温度を上昇させる蓄熱装
置を備えた内燃機関が知られている。この種の内燃機関
においては、温められた状態で当該内燃機関を始動する
ことができるため、冷間始動時に行われている一般的な
運転制御とは異なった制御を行うことが必要となる。例
えば、冷間時に機関を始動させるときには燃料噴射量の
増量制御が行われることが一般的であるが、蓄熱装置か
ら熱を供給されて温度が上昇した機関を始動するとき
に、同様の燃料噴射量の増量制御が行われると、燃料の
供給が過剰となり炭化水素(HC)の排出量が増加する
虞がある。そこで、実際の内燃機関の温度に基づいて燃
料噴射量を決定して上記問題の解決が図られた。
【0004】例えば、特開平10−37785号公報で
は、蓄熱装置の出口部近辺の温度を検出する蓄熱装置内
部温度センサと、内燃機関内部を循環する冷却水の温度
を検出する水温センサと、冷却水が所定温度よりも高い
ときに冷却水温度に応じた燃料増量補正量を減少側に修
正する制御装置とを備えている。
【0005】このように構成された内燃機関の蓄熱装置
では、蓄熱装置内部温度センサは、蓄熱装置の内部若し
くは当該蓄熱装置の出口近辺の温度を検出する。制御装
置は、内燃機関の始動時において前記蓄熱装置内部温度
センサにより検出された冷却水の温度が所定温度よりも
高いときに、冷却水温度に応じた燃料増量補正量を減少
側に修正する。
【0006】即ち、内燃機関の始動時において、蓄熱装
置で蓄えられた熱を内燃機関の早期暖機に利用する場
合、従来既存の内燃機関の蓄熱装置では過剰な燃料増量
補正を行う虞があるが、このような構成の内燃機関の蓄
熱装置によれば、過剰な燃料増量補正を抑制することが
できる。
【0007】この結果、内燃機関の低温始動時における
燃料増量補正を適正に実施して、以てエミッション性能
の悪化を抑制できる。
【0008】併せて、既存の水温センサの応答性に関係
なく、適正な燃料増量補正が実施される。これは、実際
の冷却流体温度の変動に対して水温センサの応答性が悪
いという問題を解決するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、内燃機関の
内部を循環する冷却水は、内燃機関に熱を供給しながら
該内燃機関内部を循環するため、温度が徐々に低下して
しまう。すると、蓄熱装置から内燃機関に冷却水が流入
する流入口近辺の温度が高くなり、内燃機関から蓄熱装
置に冷却水が流出する流出口近辺の温度が低くなるた
め、内燃機関内部で冷却水の温度は不均一となる。この
ような内燃機関の内部を流通する冷却水の温度差に起因
して、内燃機関内部の壁面等の温度は場所によって異な
ることになる。
【0010】従って、内燃機関の所定の個所で温度を計
測しても、その温度が当該内燃機関の総ての個所の温度
を代表しているとは限らない。
【0011】特に、複数の気筒を備えた内燃機関におい
ては、各気筒の壁面温度が異なることになるので、総て
の気筒で共通の運転制御を行っても、総ての気筒で適正
な運転制御が行われているとは限らない。特に、内燃機
関を昇温させるために冷却水を循環させた直後は、内燃
機関内部の温度差が大きいために適正な運転制御が行わ
れない可能性が高い。
【0012】また、内燃機関の所定の1個所で計測され
た温度に基づいて、内燃機関内の任意の個所の温度を推
定することも考えられるが、所定の1箇所と任意の個所
との温度の相関関係を求めるのは困難である。特に、内
燃機関を昇温させるために冷却水の循環が複数回行われ
た場合には、その都度、温度の前記相関関係が異なり、
従って温度の推定は更に困難となる。
【0013】そこで、少なくとも2箇所において温度を
計測し、気筒近辺の温度を気筒毎に推定し、求められた
結果に基づいて気筒毎に運転制御を行えば、上述の問題
を解決することができる。
【0014】本発明は、以上の問題を解決するためにな
されたものであり、蓄熱装置から熱の供給が開始された
後に、複数個所で検出された温度に基づいて、気筒毎に
運転制御を行う技術を提供し、以て、内燃機関始動直後
のエミッションの悪化を防止することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に本発明の蓄熱装置を備えた内燃機関は、以下の手段を
採用した。
【0016】即ち、熱を蓄える蓄熱装置を具備した内燃
機関であって、熱媒体を循環させる循環系と、前記循環
系を循環する熱媒体を介して前記蓄熱装置が蓄えた熱を
前記内燃機関に供給する熱供給手段と、前記内燃機関の
温度を少なくとも2個所で計測する温度計測手段と、前
記計測された温度に基づいて前記内燃機関の運転制御を
気筒毎に行う制御手段と、を具備することを特徴とす
る。
【0017】このように構成された蓄熱装置を備えた内
燃機関では、内燃機関の運転中に発生した熱が、内燃機
関の運転停止後においても蓄熱装置により保存される。
この蓄熱装置により蓄えられた熱は、熱媒体を介して循
環系を循環し、内燃機関に供給される。
【0018】このようにして、機関始動前においても当
該内燃機関の温度を上昇させることができる。
【0019】少なくとも2個所に設けられた温度計測手
段は、内燃機関の温度を計測する。本発明においては、
吸入空気の温度上昇、及び、噴射燃料の霧化等に大きな
影響を与えるインテークポートの壁面温度を計測するこ
とが好適である。
【0020】そして、制御手段は、前記温度計測手段に
より計測された温度に基づいて例えば、燃料噴射量、燃
料噴射時期、点火時期等を補正して気筒毎に運転制御を
実施する。運転制御には、例えば、少なくとも2個所の
温度と運転制御に用いられる各種数値の補正量との関係
をマップ化して記憶させておいたものを用いてもよい。
このようなマップを用いると、前記温度計測手段によ
り、少なくとも2個所で温度を計測すれば気筒毎の運転
制御が可能となる。
【0021】尚、前記温度計測手段は、少なくとも2気
筒について、それら気筒の温度を直接計測するものであ
ってもよいし、例えばそれら気筒近傍に存在する熱媒体
の温度等、それら気筒の温度を反映する他の情報を把握
することにより、それら気筒の温度を間接的に計測する
ものであってもよい。
【0022】本発明においては、前記制御手段は、前記
内燃機関の始動時において、その運転制御を気筒毎に行
うことができる。
【0023】機関始動に先立って行われる蓄熱装置から
の熱供給に起因して生じる当該機関の熱分布の偏りを、
各気筒の運転制御に反映することができるようになり、
当該機関の始動時、特に始動直後、気筒間でばらつく運
転状態の乱れを、全気筒について均一的に安定させるこ
とができるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る内燃機関の蓄
熱装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明
する。ここでは、本発明に係る内燃機関の蓄熱装置を車
両駆動用のガソリン機関に適用した場合を例に挙げて説
明する。
【0025】図1は、本発明に係る内燃機関の蓄熱装置
を適用するエンジン1とその冷却水が循環する冷却水通
路(循環通路)A、B、Cとを併せ示す概略構成図であ
る。
【0026】図1に示すエンジン1は、4つのシリンダ
2を有する水冷式の4サイクル・ガソリン機関である。
【0027】エンジン1の外郭は、シリンダヘッド1
a、シリンダヘッド1aの下部に連結されたシリンダブ
ロック1b、シリンダブロック1bの更に下部に連結さ
れたオイルパン1cを備えて構成される。
【0028】エンジン1は、各シリンダ2の燃焼室に燃
料を噴射供給する燃料噴射弁5を備えている。
【0029】シリンダ2内部にはピストン3が挿入さ
れ、当該ピストン3にはコネクティングロッド4の一端
側が接続され、コネクティングロッド4の他端側は図示
しないクランクシャフトに接続されている。
【0030】シリンダヘッド1a及びシリンダブロック
1bには冷却水が循環するための通路であるウォータジ
ャケット23が設けられている。このウォータジャケッ
ト23の入口には、冷却水をエンジン1外部から吸い込
み、エンジン1内部に吐出させるウォータポンプ6が設
けられている。このウォータポンプ6は、エンジン1の
出力軸の回転トルクを駆動源として作動するポンプであ
る。即ち、ウォータポンプ6は、エンジン1が運転され
ているときに限り作動する。
【0031】また、エンジン1には、ウォータジャケッ
ト23内の冷却水の温度に応じた信号を発信するエンジ
ン内冷却水温度センサ29が取り付けられている。更
に、エンジン1の1番シリンダインテークポートの壁面
には、壁面の温度に応じた信号を発信する1番シリンダ
インテーク壁温センサ35が取り付けられている。一
方、エンジン1の4番シリンダインテークポートの壁面
には、壁面の温度に応じた信号を発信する4番シリンダ
インテーク壁温センサ36が取り付けられているエンジ
ン1に冷却水を循環させるための通路は、ラジエータ9
を循環する循環通路A、ヒータコア13を循環する循環
通路B、蓄熱装置10を循環する循環通路Cに分別され
る。各循環通路の一部には他の循環通路と共有されてい
る個所がある。
【0032】循環通路Aは、主に、冷却水の熱をラジエ
ータ9から放出させることにより、冷却水の温度を低下
させる機能を有する。
【0033】循環通路Aは、ラジエータ入口側通路A
1、ラジエータ出口側通路A2、ラジエータ9、ウォー
タジャケット23で構成されている。シリンダヘッド1
aには、ラジエータ入口側通路A1の一端が接続され、
ラジエータ入口側通路A1の他端は、ラジエータ9の入
口に接続される。ラジエータ入口側通路A1の途中には
ECU22からの信号により開閉する遮断弁31が介在
する。
【0034】ラジエータ9の出口には、ラジエータ出口
側通路A2の一端が接続され、ラジエータ出口側通路A
2の他端はシリンダブロック1bに接続されている。ラ
ジエータ9の出口からシリンダブロック1bに至るラジ
エータ出口側通路A2上には、冷却水の温度が所定温度
になると開弁するサーモスタット8が設けられている。
また、ラジエータ出口側通路A2とシリンダブロック1
bとは、ウォータポンプ6が介在して接続されている。
【0035】循環通路Bは、主に、冷却水の熱をヒータ
コア13から放出させることにより、車室内雰囲気温度
を上昇させる機能を有する。
【0036】循環通路Bは、ヒータコア入口側通路B
1、ヒータコア出口側通路B2、ヒータコア13で構成
されている。ヒータコア入口側通路B1の一端は、ラジ
エータ入口側通路A1の途中に接続される。シリンダヘ
ッド1aからこの接続部までの通路は、ラジエータ入口
側通路A1と共用になる。又、ヒータコア入口側通路B
1の他端は、ヒータコア13の入口に接続される。ヒー
タコア13の出口には、ヒータコア出口側通路B2の一
端が接続され、ヒータコア出口側通路B2の他端は、ラ
ジエータ出口側通路A2の途中のサーモスタット8とウ
ォータポンプ6との間に接続されている。この接続部か
らシリンダブロック1bまでの通路は、ラジエータ出口
側通路A2と共用となる。更に、ウォータジャケット2
3も共用される。
【0037】循環通路Cは、主に、冷却水の熱を蓄え、
又、この蓄えた熱を放出してエンジン1を温める機能を
有する。
【0038】循環通路Cは、蓄熱装置入口側通路C1、
蓄熱装置出口側通路C2、蓄熱装置10で構成されてい
る。蓄熱装置入口側通路C1の一端は、ラジエータ入口
側通路A1の途中に接続される。シリンダヘッド1aか
らこの接続部までの通路は、循環通路A及びBと共用さ
れる。また、蓄熱装置入口側通路C1の他端は、蓄熱装
置10の入口に接続される。蓄熱装置10の出口には、
蓄熱装置出口側通路C2の一端が接続され、蓄熱装置出
口側通路C2の他端は、シリンダヘッド1aに接続され
ている。エンジン1の内部では、循環通路A及びBとウ
ォータジャケット23を一部共用する。又、蓄熱装置1
0の入口及び出口には、冷却水を図1中の矢印方向にの
み流通させるためのワンウェイバルブ11が設けられて
いる。蓄熱装置10の内部には、蓄熱装置内に蓄えられ
た冷却水の温度に応じて信号を発信する蓄熱装置内冷却
水温度センサ28が設けられている。更に、蓄熱装置入
口側通路C1の途中で、且つ、ワンウェイバルブ11の
上流側には、電動ウォータポンプ12が介在している。
【0039】このように構成された循環通路では、循環
通路Aにおいては、エンジン1が運転中には、図示しな
いクランクシャフトの回転トルクがウォータポンプ6の
入力軸へ伝達されると、ウォータポンプ6は、図示しな
いクランクシャフトから該ウォータポンプ6の入力軸へ
伝達された回転トルクに応じた圧力で冷却水を吐出す
る。即ち、エンジン1が停止中にはウォータポンプ6が
停止するので、冷却水が循環通路Aを循環することはな
い。
【0040】前記ウォータポンプ6から吐出された冷却
水は、ウォータジャケット23を流通する。このとき
に、シリンダヘッド1a及びシリンダブロック1bと冷
却水との間で熱の移動が行われる。シリンダ2内で燃焼
により発生した熱の一部は、シリンダ2の壁面へ伝わ
り、更にシリンダヘッド1a及びシリンダブロック1b
の内部を伝わってシリンダヘッド1a及びシリンダブロ
ック1b全体の温度が上昇する。シリンダヘッド1a及
びシリンダブロック1bに伝わった熱の一部は、ウォー
タジャケット23内部の冷却水に伝わり、当該冷却水の
温度を上昇させる。また、その分熱を失ったシリンダヘ
ッド1a及びシリンダブロック1bの温度は低下する。
このようにして、温度が上昇した冷却水は、シリンダブ
ロック1bからラジエータ入口側通路A1へ流出する。
【0041】ラジエータ入口側通路A1へ流出した冷却
水は、当該ラジエータ入口側通路A1を流通し遮断弁3
1に到達する。遮断弁31は、ECU22からの信号に
より、エンジン1の運転中には開弁され、エンジン1の
停止中には閉弁される。エンジン1の運転中には、冷却
水は遮断弁31を通過してラジエータ入口側通路A1を
流通した後ラジエータ9に流入する。ラジエータ9で
は、外気と冷却水との間で熱の移動が行われる。温度が
高くなっている冷却水の熱の一部は、ラジエータ9の壁
面へ伝わり、更にラジエータ9の内部を伝わってラジエ
ータ9全体の温度が上昇する。ラジエータ9に伝わった
熱の一部は、外気に伝わり、当該外気の温度を上昇させ
る。また、その分熱を失った冷却水の温度は低下する。
温度が低下した冷却水は、ラジエータ9から流出する。
【0042】ラジエータ9から流出した冷却水は、ラジ
エータ出口側通路A2を流通してサーモスタットに到達
する。ここで、サーモスタット8は、ヒータコア出口側
通路B2を流通する冷却水の温度が所定温度に達すると
ワックスの熱膨張により自動的に開弁する。即ち、ヒー
タコア出口側通路B2を流通する冷却水の温度が所定温
度に達していなければ、ラジエータ出口側通路A2は遮
断され冷却水は流通しない。
【0043】サーモスタット8が開弁しているときに
は、当該サーモスタット8を通過した冷却水はウォータ
ポンプ6に流入する。
【0044】このようにして、ラジエータ9で温度が下
降した冷却水は、再びウォータポンプ6からウォータジ
ャケット23へ吐出され温度が上昇する。
【0045】一方、ラジエータ入口側通路A1を流通す
る冷却水の一部は、ヒータコア入口側通路B1に流入す
る。ヒータコア入口側通路B1に流入した冷却水は、当
該ヒータコア入口側通路B1を流通して、ヒータコア1
3に到達する。ヒータコア13は、車室内で空気と熱交
換を行い、熱の移動により昇温された空気は図示しない
送風機により車室内を循環し、車室内雰囲気温度が上昇
する。その後、冷却水は、ヒータコア13から流出し、
ヒータコア出口側通路B2を流通し、ラジエータ出口側
通路A2に到達する。このときに、サーモスタット8が
開弁しているときには、循環通路Aを流通する冷却水と
合流してウォータポンプ6へ流入する。一方、サーモス
タット8が閉弁しているときには、循環通路Bを流通し
てきた冷却水のみがウォータポンプ6に流入する。
【0046】このようにして、ヒータコア13で温度が
下降した冷却水は、再びウォータポンプ6からウォータ
ジャケット23へ吐出される。
【0047】また、ラジエータ入口側通路A1を流通す
る冷却水の一部は、蓄熱装置入口側通路C1に流入す
る。蓄熱装置入口側通路C1に流入した冷却水は、当該
蓄熱装置入口側通路C1を流通して電動ウォータポンプ
12に到達する。電動ウォータポンプ12は、ECU2
2からの信号により作動して、所定の圧力で冷却水を吐
出する。
【0048】電動ウォータポンプ12が作動している場
合には、冷却水は所定の圧力で吐出され、蓄熱装置入口
側通路C1を流通してワンウェイバルブ11を通過し、
蓄熱装置10に到達する。
【0049】蓄熱装置10は、外側容器10aと内側容
器10bとの間に真空の断熱空間が設けられ、冷却水注
入管10cから流入した冷却水は、冷却水注出管10d
から流出する。蓄熱装置10の内部に流入した冷却水
は、外部から断熱された状態となり保温される。蓄熱装
置10から流出した冷却水は、ワンウェイバルブ11を
通過し、蓄熱装置出口側通路C2を流通してシリンダヘ
ッド1aに流入する。
【0050】以上述べたように構成されたエンジン1に
は、当該エンジン1を制御するための電子制御ユニット
(ECU:Electronic Control Unit)22が併設され
ている。このECU22は、エンジン1の運転条件や運
転者の要求に応じてエンジン1の運転状態を制御し、
又、エンジン1の運転停止中にはエンジン1の昇温制御
(エンジンプレヒート制御)を行うユニットである。
【0051】ECU22には、クランクポジションセン
サ27、蓄熱装置内冷却水温度センサ28、エンジン内
冷却水温度センサ29、1番シリンダインテーク壁温セ
ンサ35、4番シリンダインテーク壁温センサ36、ア
クセル開度センサ37等の各種センサが電気配線を介し
て接続され、上記した各種センサの出力信号がECU2
2に入力されるようになっている。
【0052】また、ECU22は、燃料噴射弁5、電動
ウォータポンプ12、遮断弁31等を制御することが可
能なように、これら燃料噴射弁5、電動ウォータポンプ
12、遮断弁31等と電気配線を介して接続されてい
る。
【0053】ここで、図2に示すように、ECU22
は、双方向性バス350によって相互に接続された、C
PU351と、ROM352と、RAM353と、バッ
クアップRAM354と、入力ポート356と、出力ポ
ート357とを備えるとともに、前記入力ポート356
に接続されたA/Dコンバータ(A/D)355を備え
ている。
【0054】前記入力ポート356は、クランクポジシ
ョンセンサ27のようにデジタル信号形式の信号を出力
するセンサの出力信号を入力し、それらの出力信号をC
PU351やRAM353へ送信する。
【0055】前記入力ポート356は、蓄熱装置内冷却
水温度センサ28、エンジン内冷却水温度センサ29、
バッテリー30、1番シリンダインテーク壁温センサ3
5、4番シリンダインテーク壁温センサ36、アクセル
開度センサ37等のように、アナログ信号形式の信号を
出力するセンサのA/D355を介して入力し、それら
の出力信号をCPU351やRAM353へ送信する。
【0056】前記出力ポート357は、燃料噴射弁5、
電動ウォータポンプ12、遮断弁31等と電気配線を介
して接続され、CPU351から出力される制御信号
を、前記した燃料噴射弁5、電動ウォータポンプ12、
遮断弁31等へ送信する。
【0057】前記ROM352は、燃料噴射弁5を制御
するための燃料噴射制御ルーチン、エンジン1に熱を供
給するためのエンジンプレヒート制御ルーチン、内燃機
関1の始動時にシリンダ2毎に運転制御を行うための始
動時運転制御ルーチン等のアプリケーションプログラム
を記憶している。
【0058】前記ROM352は、上記したアプリケー
ションプログラムに加え、各種の制御マップを記憶して
いる。前記制御マップは、例えば、エンジン1の運転状
態と基本燃料噴射量(基本燃料噴射時間)との関係を示
す燃料噴射量制御マップ、エンジン1の運転状態と基本
燃料噴射時期との関係を示す燃料噴射時期制御マップ、
1番シリンダインテーク壁温センサ35及び4番シリン
ダインテーク壁温センサ36と燃料噴射補正量との関係
を示す燃料噴射量補正制御マップ、1番シリンダインテ
ーク壁温センサ35及び4番シリンダインテーク壁温セ
ンサ36と燃料噴射時期との関係を示す燃料噴射時期補
正制御マップ等である。
【0059】前記RAM353は、各センサからの出力
信号やCPU351の演算結果等を格納する。前記演算
結果は、例えば、クランクポジションセンサ27がパル
ス信号を出力する時間的な間隔に基づいて算出される機
関回転数である。これらのデータは、クランクポジショ
ンセンサ27がパルス信号を出力する都度、最新のデー
タに書き換えられる。
【0060】前記バックアップRAM354は、エンジ
ン1の運転停止後もデータを記憶可能な不揮発性のメモ
リである。
【0061】次に、本実施の形態に係るエンジン1の昇
温制御(以下、「エンジンプレヒート制御」と称す
る。)後のシリンダ2毎の運転制御ついてその概要を説
明する。
【0062】エンジン1の運転中に、ECU22が電動
ウォータポンプ12に信号を送り、当該電動ウォータポ
ンプ12を作動させると、循環通路Cに冷却水が循環す
る。すると、蓄熱装置10の内部には、エンジン1で昇
温された冷却水が流通し、蓄熱装置10の内部は温度の
高い冷却水で満たされる。そして、エンジン1が停止し
た後、ECU22が電動ウォータポンプ12の作動を停
止すれば、蓄熱装置10に温度の高い冷却水を蓄えるこ
とができる。蓄えられた冷却水は、蓄熱装置10の保温
効果により温度の低下が抑制される。
【0063】ECU22は、蓄熱装置10に蓄えられた
温度の高い冷却水をエンジン1の停止中にシリンダヘッ
ド1aに循環させ、当該シリンダヘッド1aの昇温制御
を行う。ここで、エンジン1が停止するとウォータポン
プ6も停止するために、エンジン1の停止中には電動ウ
ォータポンプ12を作動させて冷却水を循環させること
とする。
【0064】電動ウォータポンプ12は、エンジン1の
停止中においてもECU22からの信号に基づいて作動
し、所定の圧力で冷却水を吐出する。吐出された冷却水
は、蓄熱装置入口側通路C1を流通してワンウェイバル
ブ11を通過し、蓄熱装置10に到達する。このときに
蓄熱装置10に流入する冷却水は、エンジン1の停止中
に温度が低下した冷却水である。
【0065】蓄熱装置10の内部に貯留された冷却水
は、冷却水注出管10dを介して蓄熱装置10から流出
する。このときに蓄熱装置10から流出する冷却水は、
エンジン1の運転中に蓄熱装置10に流入し、当該蓄熱
装置10により保温された温度の高い冷却水である。蓄
熱装置10から流出した冷却水は、ワンウェイバルブ1
1を通過し、蓄熱装置出口側通路C2を流通してシリン
ダヘッド1aに流入する。
【0066】シリンダヘッド1aに流入した冷却水は、
ウォータジャケット23を流通する。ウォータジャケッ
ト23では、シリンダヘッド1aと冷却水との間で熱交
換が行われる。冷却水が持つ熱の一部は、シリンダヘッ
ド1aの内部を伝わってシリンダヘッド1a全体の温度
が上昇する。また、その分熱を失った冷却水の温度は低
下する。
【0067】このようにして、温度が低下した冷却水
は、シリンダブロック1bから流出し、蓄熱装置入口側
通路C1を流通して電動ウォータポンプ12に到達す
る。
【0068】ここで、エンジン1の停止中には、ECU
22からの信号により遮断弁31は閉弁されるため、ヒ
ータコア13及びラジエータ9には冷却水が循環される
ことはない。よって、ヒータコア13及びラジエータ9
において熱の移動が行われることにより冷却水の温度が
不必要に低下することはない。
【0069】このように、ECU22は、エンジン1の
始動に先立ち電動ウォータポンプ12を作動させること
により、シリンダヘッド1aの昇温(エンジンプレヒー
ト制御)を行う。
【0070】しかし、シリンダヘッド1aに流入した冷
却水は、ウォータジャケット23内で熱を当該シリンダ
ヘッド1aに供給しながら流通するため、流通している
途中で温度が低下していく。このように温度が低下した
冷却水からシリンダヘッド1aが供給される熱量は、冷
却水の温度が低下する前に供給される熱量よりも少ない
ため、冷却水が循環した直後にはシリンダヘッド1aの
内部では、温度が不均一となる。
【0071】つまり、冷却水の入口側に位置する1番シ
リンダ2と、出口側に位置する4番シリンダ2とでは、
1番シリンダ2の壁温の方が高くなる。
【0072】図4は、冷却水循環開始後のエンジン1内
部温度の推移を示すタイムチャート図である。1番と4
番とのインテーク壁温に差異が生じているのが判る。特
に、冷却水循環直後にインテーク壁温が上昇し、1番と
4番とのインテーク壁温に大きな差異が生じる。この差
異は時間が経過するに従って小さくなるが、1番と4番
とのインテーク壁温の関係には相関が無いことが判る。
1番と4番とのインテーク壁温の間に相関関係が存在す
れば1番シリンダ2の壁温を計測することにより、4番
シリンダ2の壁温を推定することが可能となるが、この
関係を求めることは困難である。同様に、1番シリンダ
2の壁温から2番及び3番シリンダ2の壁温を推定する
ことも困難である。特に、エンジン1の始動タイミング
が何等かの原因で延期された場合には、冷却水の循環が
複数回行われることがあるが、このときの各シリンダ2
のインテーク壁温の相関関係は、その都度異なるものと
なる。
【0073】そこで、本実施の形態においては、1番シ
リンダインテーク壁温センサ35及び4番シリンダイン
テーク壁温センサ36を設けて1番及び4番シリンダ2
のインテーク壁温を求めると共に、2番及び3番シリン
ダ2のインテーク壁温を推定することとする。2番及び
3番シリンダ2のインテーク壁温の推定には、1番シリ
ンダインテーク壁温センサ35及び4番シリンダインテ
ーク壁温センサ36の出力信号と3番又は4番シリンダ
2の壁温との関係をマップ化したものが使用される。
又、1番シリンダインテーク壁温センサ35及び4番シ
リンダインテーク壁温センサ36の出力信号と各シリン
ダ2の燃料噴射量の補正量及び燃料噴射時期の補正量と
の関係をマップ化しておいてもよい。
【0074】ここで、機関始動時においては、燃料の噴
射量は通常増量補正されるが、シリンダ2の壁温が高い
ときにはこの増量補正量は少なくてよい。即ち、蓄熱装
置10から熱の供給があった場合には、4番シリンダ2
に比べて1番シリンダ2の燃料噴射量の増量補正量は少
なくすることができる。これは、2番及び3番シリンダ
2についても当て嵌まり、1番シリンダ2の増量補正量
が一番少なく2番、3番、4番シリンダ2の順に燃料噴
射の増量補正量を多くする必要がある。
【0075】ところで、エンジン1内部の温度の不均衡
は、時間が経過するに従って平衡状態に近づく。そこ
で、本実施の形態においては、1番シリンダインテーク
壁温センサ35及び4番シリンダインテーク壁温センサ
36との出力値に基づいて、シリンダ2毎に燃料噴射量
の増量補正量等を内燃機関1が始動されるまで繰り返し
算出する。
【0076】次に、本実施の形態に係るエンジンプレヒ
ート及びシリンダ2毎の運転制御フローについて説明す
る。
【0077】図3は、エンジンプレヒート及びシリンダ
2毎の運転制御のフローを表すフローチャート図であ
る。
【0078】ステップS101では、ECU22にトリ
ガー信号が入力されたときに、ECU22が起動して本
制御を開始する。
【0079】本制御実行開始条件となるトリガー信号に
は、例えば、図示しないドア開閉センサが発信する運転
席側のドアの開閉信号が挙げられる。車両運転者が、車
両に搭載されたエンジン1を始動するには、その前に車
両のドアを開いて乗車する動作が当然に伴う。そこで、
車両のドアの開閉が検知された場合に、ECU22が起
動して本制御を行う。
【0080】ステップS102では、CPU351は、
RAM353にアクセスし、蓄熱装置内冷却水温度セン
サ28の出力信号を読み込む。
【0081】ステップS103では、エンジンプレヒー
ト制御の実行条件が成立しているか否かを判定する。こ
こで判定に用いられる要素は、エンジン内冷却水温度セ
ンサ29の出力信号である。エンジン内冷却水温度セン
サ29の出力信号に基づいてCPU351は、ウォータ
ジャケット23内の冷却水温度Twを算出し、算出され
た温度が所定温度(例えば45℃)よりも低いか否かを
判定する。算出された温度が所定温度よりも低いと判定
された場合には、エンジン1へ冷却水を循環させるため
にステップS104へ進む。一方、否定判定がなされた
場合には冷却水の循環を行わずにステップS114へ進
む。
【0082】ここで、ウォータジャケット23内の温度
が所定温度(例えば45℃)よりも高いときは、冷却水
を循環させても効果が小さく、又、電動ウォータポンプ
12の電力消費を無くすためにエンジン1の昇温は行わ
ないこととする。電動ウォータポンプ12を駆動する電
力は、車両に搭載されたバッテリー30から供給される
が、この電力には限りがあるために、このように電力消
費量を低減することは重要である。
【0083】ステップS104では、CPU351は、
ステップS102で読み込んだ蓄熱装置内冷却水温度セ
ンサ28の出力信号に基づいて、電動ウォータポンプ1
2を作動させる時間を決定する。
【0084】蓄熱装置内冷却水温度センサ28の出力信
号と電動ウォータポンプ12を作動させる時間との関係
は予めマップ化しておき、ROM352に記憶させてお
く。CPU351は、読み込んだ蓄熱装置内冷却水温度
センサ28の出力信号と前記マップとに基づいて電動ウ
ォータポンプ12を作動させる時間を算出し、算出結果
をRAM353に記憶させる。
【0085】ステップS105では、CPU351は、
電動ウォータポンプ12に電力を供給し、該電動ウォー
タポンプ12を作動させる(エンジン1のプレヒートを
行う)。また、エンジンプレヒート制御実行中であるこ
とを運転者に知らせるために警告灯(図示省略)を点灯
させる。
【0086】ステップS106では、CPU351は、
ステップS105で電動ウォータポンプ12が作動を開
始してから、ステップS104で算出された時間が経過
したか否か判定する。CPU351は、RAM353に
アクセスし、電動ウォータポンプ12が作動を開始して
から経過した時間を読み出す。この時間がステップS1
04で算出された時間よりも長い場合には、ステップS
107へ進む。一方、否定判定がなされた場合には、ス
テップS105へ進み、引き続き電動ウォータポンプ1
2を作動させる。
【0087】ステップS107では、CPU351は、
電動ウォータポンプ12の作動を停止させる。
【0088】ステップS108では、CPU351は、
RAM353にアクセスし、1番シリンダインテーク壁
温センサ35及び4番シリンダインテーク壁温センサ3
6の出力信号を読み込む。
【0089】ステップS109では、CPU351は、
シリンダ2毎の運転制御に用いる補正量を決定する。
【0090】先ず、CPU351は、1番シリンダイン
テーク壁温センサ35と、4番シリンダインテーク壁温
センサ36との出力信号に基づいて燃料噴射量の補正係
数を算出する。
【0091】この補正係数は、基本となる燃料噴射量に
追加される補正燃料噴射量を算出するときに用いられ、
次式によって燃料噴射量が修正される。
【0092】 修正燃料噴射量=基本燃料噴射量+補正燃料噴射量 ここで、補正燃料噴射量=基本燃料噴射量×補正係数 である。補正係数を求めるには、1番シリンダインテー
ク壁温センサ35及び4番シリンダインテーク壁温セン
サ36の出力信号と1番乃至4番シリンダの補正係数と
の関係を予めマップ化しROM352に記憶させてお
く。CPU351は、RAM353にアクセスし、1番
シリンダインテーク壁温センサ35及び4番シリンダイ
ンテーク壁温センサ36の出力信号を読み出し、ROM
352のマップに代入して、各シリンダ2の補正係数を
算出することができる。この算出値は、RAM353に
記憶される。
【0093】次に、CPU351は、1番シリンダイン
テーク壁温センサ35と、4番シリンダインテーク壁温
センサ36との出力信号に基づいて燃料噴射時期の補正
係数を算出する。
【0094】この補正係数は、基本となる燃料噴射時期
を補正する補正燃料噴射時期を算出するときに用いら
れ、次式によって燃料噴射時期が修正される。
【0095】修正燃料噴射時期=基本燃料噴射時期+補
正燃料噴射時期 ここで、補正燃料噴射時期=基本燃料噴射時期×補正係
数 である。補正係数を求めるには、1番シリンダインテー
ク壁温センサ35及び4番シリンダインテーク壁温セン
サ36の出力信号と1番乃至4番シリンダの補正係数と
の関係を予めマップ化しROM352に記憶させてお
く。CPU351は、RAM353にアクセスし、1番
シリンダインテーク壁温センサ35及び4番シリンダイ
ンテーク壁温センサ36の出力信号を読み出し、ROM
352のマップに代入して、各シリンダ2の補正係数を
算出することができる。この算出値は、RAM353に
記憶される。
【0096】ステップS110では、CPU351は、
ステップS105で点灯させた警告灯を消灯させ、運転
者にエンジンの昇温が完了し、且つ、シリンダ2毎の運
転制御の準備が整ったことを知らせる。
【0097】ステップS111では、CPU351は、
エンジン1が始動されたか否かを判定する。CPU35
1は、RAM353にアクセスし、クランクポジション
センサ27の出力信号が更新されているか否かを判定す
ることにより、エンジン1が始動されたか否かを判定す
ることができる。エンジン1が運転されているとCPU
351が判定したときには、ステップS112へ進む。
一方、否定判定がなされた場合には、ステップS105
乃至ステップS107で昇温されたエンジン1の温度が
低下し、再び昇温する必要が生じる可能性があるために
ステップS108へ進む。
【0098】ステップS112では、CPU351は、
シリンダ2毎の燃料噴射制御を開始する。
【0099】CPU351は、ステップS109で決定
した補正係数に基づいて燃料噴射制御を開始する。
【0100】CPU351は、先ず、燃料噴射弁5から
噴射される燃料量を決定し、次いで燃料噴射弁5から燃
料を噴射する時期を決定する。
【0101】燃料噴射量を決定する場合は、CPU35
1は、RAM353に記憶されているクランクポジショ
ンセンサ27の出力信号(機関回転数)とエアフローメ
ータ(図示省略)の出力信号(吸入空気量)とを読み出
す。CPU351は、燃料噴射量制御マップへアクセス
し、前記機関回転数及び前記吸入空気量に対応した基本
燃料噴射量(基本燃料噴射時間)を算出する。
【0102】そして、CPU351は、補正係数に基づ
いて基本燃料噴射量を修正する。
【0103】修正された基本燃料噴射量は次式によって
表される。
【0104】 修正燃料噴射量=基本燃料噴射量+補正燃料噴射量 ここで、補正燃料噴射量=基本燃料噴射量×補正係数 である。
【0105】そして、CPU351は、吸気温度センサ
(図示省略)等の出力信号値等に基づいて前記修正燃料
噴射時間を補正し、最終的な燃料噴射時間を決定する。
【0106】燃料噴射時期を決定する場合は、CPU3
51は、RAM353に記憶されているクランクポジシ
ョンセンサ27の出力信号(機関回転数)とエアフロー
メータ(図示省略)の出力信号(吸入空気量)とを読み
出す。CPU351は、燃料噴射時期制御マップへアク
セスし、前記機関回転数及び前記吸入空気量に対応した
基本燃料噴射時期を算出する。
【0107】そして、CPU351は、補正係数に基づ
いて基本燃料噴射時期を修正する。
【0108】修正された基本燃料噴射時期は次式によっ
て表される。
【0109】修正燃料噴射時期=基本燃料噴射時期+補
正燃料噴射時期 ここで、補正燃料噴射時期=基本燃料噴射時期×補正係
数 である。
【0110】そして、CPU351は、吸気温度センサ
(図示省略)等の出力信号値等に基づいて前記修正燃料
噴射時期を補正し、最終的な燃料噴射時期を決定する。
【0111】その後、CPU351は、前記修正燃料噴
射時期とクランクポジションセンサ27の出力信号とを
比較し、前記クランクポジションセンサ27の出力信号
が前記燃料噴射開始時期と一致した時点で燃料噴射弁5
に対する駆動電力の印加を開始する。CPU351は、
燃料噴射弁5に対する駆動電力の印加を開始した時点か
らの経過時間が前記修正燃料噴射時間に達した時点で燃
料噴射弁5に対する駆動電力の印加を停止する。
【0112】ステップS113では、CPU351は、
シリンダ2毎の燃料噴射制御を終了するための条件が成
立しているか否か判定する。このときにCPU351
は、RAM353にアクセスし、エンジン1が始動して
から所定時間(例えば15秒)経過したか否か、又は、
アクセル開度センサ37からの出力信号を読み出してア
クセルが踏まれたか否かを判定する。これは、所定時間
(例えば15秒)が経過し、又は、アクセルが踏まれる
とシリンダ2の壁温は上昇し、シリンダ2間の温度差が
小さくなるために、シリンダ2毎に燃料噴射制御を行う
必要がなくなるためである。肯定判定がなされた場合に
は、ステップS114へ進む。一方、否定判定がなされ
た場合には、ステップS112へ進んでシリンダ2毎の
燃料噴射制御を続行する。
【0113】尚、判定の条件としては他に、ウォータジ
ャケット23内部の冷却水温度が所定温度に達したか否
か、又は、インテーク壁面温度が所定温度に達したか否
かを基準としてもよい。
【0114】ステップS114では、CPU351は、
通常の燃料噴射制御を開始する。
【0115】即ち、シリンダ2毎の修正燃料噴射量及び
修正燃料噴射時期に基づいた燃料噴射制御を終了し、全
シリンダ2で共通の燃料噴射量及び燃料噴射時期に基づ
いた燃料噴射制御を開始する。
【0116】このようにして、エンジン1の始動直後に
おいてシリンダ2毎に壁面温度が異なっても、シリンダ
2毎の壁温に基づいてシリンダ2毎の運転制御を行うこ
とができる。
【0117】本実施の形態においては、1番シリンダイ
ンテーク壁温センサ35及び4番シリンダインテーク壁
温センサ36の出力信号に基づいて各シリンダ2の燃料
噴射量及び燃料噴射時期を決定したが、これに替えて、
ウォータジャケット23内部の冷却水の温度を2箇所以
上で計測しても同様の制御を行うことができる。
【0118】また、2番シリンダ2及び3番シリンダ2
のインテーク側の壁温を計測すると、より精度の高い制
御を行うことができる。
【0119】本発明においては、複数の温度マップを有
していてもよい。冷却水の循環が複数回行われると、そ
の都度、シリンダ2間の温度の相関関係は異なるので、
冷却水を循環させた回数や循環開始からの経過時間によ
ってマップを切り替えると、より精度の高い温度の推定
及びシリンダ2毎の運転制御を行うことができる。
【0120】
【発明の効果】本発明に係る蓄熱装置を備えた内燃機関
では、内燃機関の運転停止中に蓄熱装置に蓄えられた熱
を当該内燃機関に供給することができる。そして、機関
停止中に複数箇所で温度を計測して、機関始動時の運転
制御を補正するための補正量を気筒毎に求めることがで
きる。機関始動後は、気筒毎の補正量に基づいた運転制
御を気筒毎に行うことができる。
【0121】以て、機関始動時のエミッションの悪化を
抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る内燃機関の蓄熱装置を適用する
エンジンとその冷却水が循環する冷却水通路とを併せ示
す図である。
【図2】 ECUの内部構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明に係るエンジンプレヒート及びシリン
ダ毎の運転制御のフローを表すフローチャート図であ
る。
【図4】 冷却水循環開始後のエンジン内部温度の推移
を示すタイムチャート図である。
【符号の説明】
1・・・・エンジン 1a・・・シリンダヘッド 1b・・・シリンダブロック 1c・・・オイルパン 2・・・・シリンダ 3・・・・ピストン 4・・・・コネクティングロッド 5・・・・燃料噴射弁 6・・・・ウォータポンプ 8・・・・サーモスタット 9・・・・ラジエータ 10・・・蓄熱装置 10a・・外側容器 10b・・内側容器 10c・・冷却水注入管 10d・・冷却水注出管 11・・・ワンウェイバルブ 12・・・電動ウォータポンプ 13・・・ヒータコア 22・・・ECU 23・・・ウォータジャケット 27・・・クランクポジションセンサ 28・・・蓄熱装置内冷却水温度センサ 29・・・エンジン内冷却水温度センサ 30・・・バッテリー 31・・・遮断弁 35・・・1番シリンダインテーク壁温センサ 36・・・4番シリンダインテーク壁温センサ 37・・・アクセル開度センサ A・・・・循環通路 A1・・・ラジエータ入口側通路 A2・・・ラジエータ出口側通路 B・・・・循環通路 B1・・・ヒータコア入口側通路 B2・・・ヒータコア出口側通路 C・・・・循環通路 C1・・・蓄熱装置入口側通路 C2・・・蓄熱装置出口側通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // F02N 17/06 F02N 17/06 D Fターム(参考) 3G084 BA13 BA30 CA01 DA10 EA11 FA00 FA10 FA20 FA38 3G301 HA01 JA21 KA01 MA11 NA08 NC01 NC02 PE00Z PE03Z PE08Z PF03Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱を蓄える蓄熱装置を具備した内燃機関で
    あって、 熱媒体を循環させる循環系と、 前記循環系を循環する熱媒体を介して前記蓄熱装置が蓄
    えた熱を前記内燃機関に供給する熱供給手段と、 前記内燃機関の温度を少なくとも2個所で計測する温度
    計測手段と、 前記計測された温度に基づいて前記内燃機関の運転制御
    を気筒毎に行う制御手段と、 を具備することを特徴とする蓄熱装置を備えた内燃機
    関。
  2. 【請求項2】前記制御手段は、前記内燃機関の始動時に
    おいて、その運転制御を気筒毎に行うことを特徴とする
    請求項1に記載の蓄熱装置を備えた内燃機関。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015055226A (ja) * 2013-09-13 2015-03-23 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関の冷却装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015055226A (ja) * 2013-09-13 2015-03-23 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関の冷却装置

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