JP4356190B2 - 射出成形装置および射出成形装置の制御方法 - Google Patents

射出成形装置および射出成形装置の制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形装置および射出成形装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、射出成形装置では、成形型のキャビティに成形材料を射出する際に、分割された成形型を型締装置によって一定の型締力で型締した状態で行う。
上記の成形型の型締力は、成形型の型分割面から成形材料が漏れ出して成形品にバリが発生するのを防ぐために必要な値とする必要があるが、従来においては、安全を図る観点からバリの発生するのを防ぐために必要な型締力よりも十分に大きな型締力としていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、成形型を型締すると、成形型の型分割面には型締力に応じた圧力が作用する。この成形型の型分割面に作用する圧力が大きいほど、型分割面が劣化しやすく、また、成形型の型分割面に作用する時間が長いほど、型分割面が劣化しやすい。
従来においては、成形型に一定で大きな型締力を長時間にわたって印加していたため、成形型の型分割面が劣化しやすいという不利益が存在した。
特に、型分割面の面積が狭い成形型や、十分な強度をもっていない材料で形成された成形型では、成形型の型分割面が劣化しやすく、成形型の寿命が短くなりやすいという不利益が存在した。
【0004】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであって、成形型の型分割面の摩耗、劣化を防ぐことができ、成形型の寿命を延ばすことができる射出成形装置および射出成形装置の制御方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の射出成形装置の制御方法は、射出シリンダの射出ノズルから成形型内に成形材料を射出し、前記成形型内への前記成形材料の充填によって発生する前記成形型内の圧力の変化に応じて、前記成形型の型締力を前記成形型の型分割面からの前記成形材料の漏れを抑止するのに必要な値に制御する。
【0006】
また、好適には、本発明の射出成形装置の制御方法は、前記射出ノズル内の圧力を検出し、当該検出圧力に基づいて前記成形型内の圧力の変化を間接的に検出する。
【0007】
さらに、好適には、本発明の射出成形装置の制御方法は、検出した前記射出ノズル内の圧力の変化に基づいて、前記成形材料の前記前記成形型内への充填完了直前に発生する前記射出ノズル内の圧力の変化勾配を算出し、前記成形型の型締力を前記変化勾配に応じて上昇させる。
【0008】
本発明の射出成形装置は、成形型を型締めする型締手段と、前記成形型内に成形材料を射出する射出ノズルを備えた射出シリンダと、前記射出ノズルから前記成形型内への前記成形材料の充填によって発生する前記成形型内の圧力の変化に応じて、前記成形型の型締力を前記成形型の型分割面からの前記成形材料の漏れを抑止するのに必要な値に制御する型締力制御手段とを有する。
【0009】
また、好適には、本発明の射出成形装置は、射出ノズル内の圧力を検出する圧力センサを有し、前記型締力制御手段は、前記圧力センサの検出圧力に基づいて、前記成形型内の圧力の上昇を間接的に検出する。
【0010】
さらに、好適には、本発明の射出成形装置は、前記型締力制御手段は、前記圧力センサの検出圧力に基づいて、前記成形材料の前記成形型内への充填完了直前に発生する前記射出ノズル内の圧力の変化勾配を算出し、前記成形型の型締力を前記変化勾配に応じて上昇させる。
【0011】
本発明では、成形型の型締力を、成形材料の充填によって発生する成形型内の圧力の変化に応じて、型分割面からの成形材料の漏れを抑止するのに必要な値に制御する。
すなわち、成形型の型分割面には、成形材料の漏れを抑止するのに必要な圧力のみが作用し、必要以上の圧力が作用しない。
また、成形材料の充填によって発生する成形型内の圧力の変化に応じて型締力が制御されるため、成形型内の圧力が低いときには型締力も低く制御され、長時間にわたって成形型の型分割面に高い圧力が作用することがない。
【0012】
また、本発明では、成形型内の圧力の変化を射出ノズル内の圧力から間接的に検出し、圧力センサを成形型に直接設けることなく、成形型内の圧力の変化が検出される。射出ノズルに圧力センサを設けることで、圧力センサが成形品に触れることがなく、また、成形型毎に圧力センサを設ける必要がなくなる。
射出ノズル内の圧力は、成形型内への成形材料の充填状況に応じて変化するが、たとえば、成形材料の粘度が異なると、同じ充填状況でもその大きさが異なるため、成形型内への成形材料の充填状況を正確に把握できない場合もある。
このため、射出ノズル内の圧力の変化勾配を算出することで、成形材料の充填状況を適切に把握でき、この変化勾配に応じて型締力を制御することで、より適切な型締力となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る射出成形装置の断面図である。
図1において、射出成形装置1は、射出部11と、型締装置51と、制御装置81とを備える。なお、型締装置51は、本発明の型締手段の一具体例に対応している。
射出部11は、先端に射出ノズル14を備えた射出シリンダ12と、射出シリンダ12内に移動自在に内蔵された射出スクリュー13と、射出スクリュー13を駆動する油圧シリンダ15とを備える。
【0014】
射出シリンダ12は、たとえば、ゴム材料や樹脂材料からなる成形材料Mが供給される供給口12aを備えている。射出シリンダ12は、図示しないが、側壁に加熱流体が通過する流路が形成されており、この流路に加熱流体を供給することで加熱される。これにより、供給口12aに供給された成形材料Mは、加熱溶融する。
射出シリンダ12の先端に設けられた射出ノズル14は、供給口12aを通じて射出シリンダ12内に供給された成形材料Mを射出スクリュー13の駆動に応じて射出する。
この射出ノズル14は、後述する型締装置51によって型締される成形型90内に形成されるキャビティCに連通しており、射出ノズル14から射出された成形材料MはキャビティCに充填される。
【0015】
射出ノズル14には、射出ノズル14内の圧力を検出する圧力センサ20が設けられており、この圧力センサ20の検出信号20sは、アンプ21に入力され、アンプ21で増幅されて制御装置81に入力される。
【0016】
油圧シリンダ15は、ピストン16を内蔵しており、このピストン16に連結されたピストンロッド17が射出スクリュー13の端部と接続されている。
ピストンロッド17には、射出スクリュー13の射出シリンダ12に対する位置を検出するための位置センサ19が設けられている。
この位置センサ19には、たとえば、ポテンショメータを用いることができる。
位置センサ19の検出した検出信号19sは、制御装置81に入力される。
【0017】
油圧シリンダ15は、可変容量ポンプ26にサーボバルブ25を介して接続されており、可変容量ポンプ26から供給される圧油によってピストン16が駆動される。
サーボバルブ25は、制御装置81によって弁の開度が制御され、可変容量ポンプ26から供給される圧油の油圧を調整し、油圧シリンダ15によって駆動される射出スクリュー13の位置、速度および圧力を制御する。
【0018】
型締装置51は、固定ダイプレート55と、可動ダイプレート56と、連結板57と、連結ロッド58と、油圧シリンダ52とを備えている。なお、本実施形態に係る型締装置51は、いわゆる直圧式であるが、直圧式の代りにトグル機構を用いて成形型を型締するトグル式を用いることも可能である。
【0019】
油圧シリンダ52は、連結板57に固定されており、ピストン53を内蔵している。このピストン53に連結されたピストンロッド54の端部が可動ダイプレート56に連結されている。
この油圧シリンダ52は、可変容量ポンプ61にサーボバルブ62を介して接続されており、可変容量ポンプ61から供給される圧油によってピストン53が駆動される。
【0020】
サーボバルブ62は、制御装置81によって弁の開度が制御され、可変容量ポンプ61から供給される圧油の油圧を調整し、油圧シリンダ52によって駆動されるピストン53の位置および可動ダイプレート56に対する押圧力を制御する。
【0021】
固定ダイプレート55の一面側には、射出シリンダ12が設けられ、他方面画は、成形型90のうちの固定型92を保持している。
この固定ダイプレート55は、連結板57と複数(4本)の連結ロッド58によって連結されている。
【0022】
可動ダイプレート56は、各連結ロッド58が挿入され、固定ダイプレート55と連結板57との間で移動自在に保持されている。
可動ダイプレート56は、油圧シリンダ52のピストンロッド54と連結されており、油圧シリンダ52を駆動することによって矢印A1またはA2の向きに駆動される。
可動ダイプレート56は、固定型92に対向する側に可動型91を保持している。
【0023】
型締装置51は、型開状態から油圧シリンダ52を駆動して可動ダイプレート56を矢印A2の向きに移動させて固定型92と可動型91とを接触させ、さらに、可動ダイプレート56を油圧シリンダ52で押圧することにより、固定型92と可動型91とを型締する。
固定型92と可動型91との間の型締力は、油圧シリンダ52の押圧力に応じて制御することができる。なお、連結ロッド58には油圧シリンダ52の押圧力に応じた張力が作用することから、たとえば、図示しない歪みゲージ等を用いて連結ロッド58の伸びを測定することで、型締力を測定することができる。
【0024】
ここで、図2は、上記の型締装置51によって型締される成形型90の一例を示す断面図である。
成形型90によって成形される成形品は、たとえば、直径が104mm程度のオイルシールである。
成形型90は、分割された可動型91および固定型92からなり、この成形型90が閉じた状態では、可動型91の型分割面91aと固定型92の型分割面92aとが接触する。
固定型92には、射出ノズル14から射出される成形材料Mの流路92bが形成されており、この流路92bは可動型91と固定型92とで形成されるキャビティCに連通している。
【0025】
この成形型90を型締装置51によって型締すると、可動型91の型分割面91aおよび固定型92の型分割面92aには、型締力に応じた圧力が作用する。
たとえば、型締力が一定の場合には、型分割面91aおよび型分割面92aの面積が小さいほど、型分割面91aおよび型分割面92aに作用する圧力は大きくなる。
【0026】
一方、成形型90の流路92bを通じてキャビティCに成形材料Mを充填していくと、キャビティCには成形材料Mの充填状況に応じて圧力が発生する。
キャビティCに発生する圧力は、可動型91の型分割面91aと固定型92の型分割面92aとを開く向きの力として作用する。このため、型締装置51の型締力がキャビティCに発生する圧力よりも小さいと、可動型91の型分割面91aと固定型92の型分割面92aとの間から成形材料Mが漏れ出し、成形品にばりが発生してしまう。
このため、型締装置51の型締力は、可動型91の型分割面91aと固定型92の型分割面92aとの間から成形材料Mが漏れ出すのを防ぐ値にする必要がある。
【0027】
制御装置81は、マイクロプロセッサ82と、メモリ83と、入力部84,86と、出力部85,87とを備える。
制御装置81は、本発明の型締力制御手段の一具体例に対応しており、基本的には、射出部11における射出動作を制御するとともに、型締装置51の動作および型締力を制御する。
制御装置81は、具体的には、射出ノズル14から成形型90のキャビティCへ充填される成形材料Mによって発生するキャビティC内の圧力の変化を圧力センサ20の検出信号20sに基づいて、成形型90のキャビティC内の圧力の変化を間接的に検出し、この圧力の変化に応じて、成形型90の型締装置51による型締力を成形型90の型分割面91a,91bから成形材料Mの漏れを抑止するのに必要な値に制御する。なお、制御装置81詳細な制御方法については後述する。
【0028】
メモリ83は、射出部11における射出動作を制御するためのプログラムや、型締装置51の動作および型締力を制御するためのプログラムや、射出成形に必要な各種データを記憶保持している。
【0029】
マイクロプロセッサ82は、制御装置81を総合的に制御するとともに、メモリ83に記憶保持されたプログラムにしたがって、射出部11および型締装置51の駆動制御を行う。
具体的には、マイクロプロセッサ82は、可変容量ポンプ26およびサーボバルブ25を制御する制御指令87sa,87sbを出力部87に出力する。
また、マイクロプロセッサ82は、可変容量ポンプ61およびサーボバルブ62を制御する制御指令85sa,85sbを出力部85に出力して、型締装置51の動作を制御する。
なお、マイクロプロセッサ82およびメモリ83による、型締装置51の具体的な制御方法については後述する。
【0030】
入力部86は、油圧シリンダ15のピストンロッド17に対して設けられた位置センサ19の検出信号19sを所定のデータ形式に変換してマイクロプロセッサ82に出力する。この入力部86には、たとえば、位置センサ19にポテンショメータを用いた場合にはA/D変換器等が用いられる。
【0031】
出力部87は、マイクロプロセッサ82から出力された可変容量ポンプ26に対する駆動信号を所定の形式の駆動信号87saに変換して可変容量ポンプ26に出力する。
また、出力部87は、マイクロプロセッサ82から出力されたサーボバルブ25の弁の開度を制御する制御指令を所定の形式の制御指令87sbに変換してサーボバルブ25に出力する。
【0032】
入力部84は、圧力センサ20の検出信号20sがアンプ21を介して入力され、この検出信号20sを所定の形式のデータに変換してマイクロプロセッサ82に出力する。
出力部85は、マイクロプロセッサ82から出力されたサーボバルブ62の弁の開度を制御する制御指令を所定の形式の制御指令85sbに変換してサーボバルブ62に出力する。
【0033】
次に、上記構成の射出成形装置1を用いた本発明の制御方法について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、射出シリンダ12の供給口12aから、成形材料Mを所定量供給する(ステップS1)。成形材料Mとして、たとえば、ゴム材料を用いた場合には、フープ状の材料が供給され、樹脂材料を用いた場合には、ペレット状の材料が供給される。
射出シリンダ12に供給された成形材料Mは、射出シリンダ12による加熱によって溶融する。
【0034】
一方、制御装置81は、油圧シリンダ52を駆動して型締装置51に装着された成形型90を型閉状態とする(ステップS2)。このとき、成形型90に対する型締力Fを零、あるいは、型締力Fが最終的な型締力Feの20%以下になるように型締装置51を制御する。すなわち、成形型90に型締力Fを印加しない、あるいは、型締力Fを比較的低い値にする。
【0035】
次いで、射出部11の油圧シリンダ15によって射出スクリュー13を駆動制御して、射出シリンダ12に供給された溶融した成形材料Mを成形型90のキャビティCに向けて射出する(ステップS3)。
特に限定されないが、射出スクリュー13は、たとえば、一定速度で駆動される。
【0036】
これと同時に、制御装置81は、射出ノズル14に設けられた圧力センサ20が検出した射出ノズル14内の圧力Pを所定のサンプリング間隔、たとえば、10ms毎に取り込む(ステップS4)。
【0037】
さらに、制御装置81は、取り込んだ射出ノズル14内の圧力Pから、圧力Pの変化勾配(変化率)ΔP/Δtを逐次算出する(ステップS5)。
圧力Pの変化勾配ΔP/Δtは、上記のように10ms毎に取り込んだ圧力Pを、たとえば、200msのスパンで移動平均して逐次求める。
【0038】
ここで、図4に、射出ノズル14から成形材料Mを成形型90のキャビティCに向けた射出したときの、射出スクリュー13の位置と射出ノズル14内の圧力Pおよび成形型90のキャビティC内の圧力Paとの関係を示す。
図4に示すように、射出開始時点t1から射出ノズル14内の圧力Pは急上昇し、ピーク値Pkをとった後に下降する。
一方、射出開始初期では、成形型90のキャビティC内の圧力Paは、射出ノズル14内の圧力Pが上昇しても、成形材料Mが充填されておらず、低い値となっている。
【0039】
成形型90のキャビティCへの成形材料Mの充填が進行してキャビティC内が成形材料Mによって満たされてくると、図4に時点t2で示すように、成形型90のキャビティC内の圧力Paは上昇する。
このキャビティC内の圧力Paの上昇に応じて、射出ノズル14内の圧力Pも上昇する。
また、キャビティC内の圧力Paが上昇すると、成形型90の固定型92の型分割面92aと可動型91の型分割面91aとを開く力が作用するが、この型開力は、変化勾配ΔP/Δtの大きさに応じたものとなる。
【0040】
制御装置81では、逐次算出している圧力Pの変化勾配ΔP/Δtから、成形材料Mの充填によるキャビティC内の圧力の上昇(変化)を検出する(ステップS6)。
すなわち、成形型90のキャビティC内の圧力が低く、変化していない状態では、変化勾配ΔP/Δtの値は零あるいは非常に小さな値をとるため、圧力Pの変化勾配ΔP/Δtが所定のしきい値を越えたかを判断することで、キャビティC内の圧力の上昇を検出することができる。
【0041】
制御装置81は、変化勾配ΔP/Δtから、成形材料Mの充填によるキャビティC内の圧力の上昇を検出したら、変化勾配ΔP/Δtの値に応じて型締装置51の型締力Fを制御する(ステップS7)。
変化勾配ΔP/Δtは、図4に示すように、キャビティC内の圧力Paの上昇に応じて、すなわち、射出ノズル14内の圧力Pの上昇に応じて増加する。
したがって、制御装置81は、変化勾配ΔP/Δtの増加に応じて、油圧シリンダ52の押圧力を制御して型締力Fを増加させる。
【0042】
このとき、制御装置81は、成形型90の固定型92の型分割面92aと可動型91の型分割面91aの間から、成形材料Mの漏れを抑止するのに必要な最小限の値となるように型締力Fを制御する。
成形材料Mの漏れを抑止するのに必要な最小限の値となるように型締力Fを特定するには、制御装置81は、たとえば、成形材料Mの漏れを抑止するのにに必要となる最小限の型締力データを予め記憶保持しておく。型締力は、成形品の投影面積等によって決まるため、制御装置81のメモリ83に成形品毎の型締力データを予め用意しておく。また、記憶保持しておく、型締力データは、変化勾配ΔP/Δtに対応して保持しておく。
そして、記憶保持している型締力データから、算出した変化勾配ΔP/Δtに対応する型締力を選択し、当該型締力となるように油圧シリンダ52の押圧力を制御する。
【0043】
このような構成とすることで、図4に示すように、型締力Fは、変化勾配ΔP/Δtの値に比例して上昇し、かつ、必要最小限の値に制御される。
【0044】
制御装置81は、成形材料Mの成形型90のキャビティCへの充填が完了したら、射出スクリュー13の移動を停止し、キャビティCに充填された成形材料Mに一定の圧力を加え、これを保持する保圧動作に切り換える(ステップS8)。
また、制御装置81は、射出動作から保圧動作への切り換えを、たとえば、射出スクリュー13の位置が所定の切換位置に到達したかを検出することによって行う。あるいは、算出した変化勾配ΔP/Δtが所定のしきい値に達したかを検出することで、射出動作から保圧動作への切り換えを行うことができる。
【0045】
成形型90のキャビティCへ成形材料Mを充填し、設定加硫時間が経過したのち、成形型90の可動金型91を開き、成形品を取り出す(ステップS9)。
以上のような工程を経て、最終的に成形品が得られる。
【0046】
以上のように、本実施形態によれば、成形材料Mが成形型90のキャビティCに充填されてキャビティC内の圧力Paが上昇するまでは、成形型90の可動型91と固定型92との間に型締力Fを作用させない、あるいは、低い型締力Fしか作用させないため、可動型91の型分割面91aおよび固定型92の型分割面92aに高い圧力が作用せず、型分割面91aおよび型分割面92aの劣化を防ぐことができる。
また、キャビティC内の圧力Paの変化(上昇)に応じて、型締力Fを型分割面91aおよび型分割面92aから成形材料Mが漏れだすのを抑制するのに必要最小限の値に制御するので、型分割面91aおよび型分割面92aに不必要に高い圧力が作用せず、型分割面91aおよび型分割面92aの劣化を防ぐことができる。
さらに、本実施形態では、キャビティC内の圧力Paが上昇したら型締力Fを上昇させるため、射出工程の一部でしか高い圧力が型分割面91aおよび型分割面92aに作用せず、型分割面91aおよび型分割面92aに長時間圧力が作用するのを回避できるので、型分割面91aおよび型分割面92aの劣化を防ぐことができる。
【0047】
また、本実施形態では、キャビティC内の圧力Paの上昇、すなわち、キャビティCへの成形材料Mの充填状況を射出ノズル14に設けた圧力センサ20によって間接的に検出する。
このため、異なる成形型90毎に圧力センサ20を設ける必要がなく、また、成形型90に圧力センサ20を直接設けないので、成形品に圧力センサ20が接触して接触痕が発生することがない。
【0048】
また、本実施形態では、キャビティC内の圧力Paの上昇を圧力センサ20の検出した射出ノズル14内の圧力Pから直接検出するのではなく、変化勾配ΔP/Δtを逐次算出し、この変化勾配ΔP/Δtから検出する。さらに、本実施形態では、型締力Fの制御を変化勾配ΔP/Δtの値に応じて制御する。
たとえば、特開平8−323825号公報に記載されているように、射出ノズル14内の圧力は、成形材料Mの粘度に依存することが知られている。すなわち、成形材料Mの粘度が異なると、射出スクリュー13が同じ位置でも射出ノズル14内の圧力Pの値が異なる。具体的には、成形材料Mの粘度が高いと、射出ノズル14内の圧力も相対的に高くなり、成形材料Mの粘度が低いと、射出ノズル14内の圧力も相対的に低くなる傾向にある。
【0049】
このため、成形材料Mの粘度がショット間で変化すると、キャビティC内の圧力Paの上昇時点t2の検出が正確にできなくなり、また、型締力Fの制御も最適に行えなくなる可能性がある。
一方、変化勾配ΔP/Δtは、成形材料Mの粘度への依存性が低く、このため、本実施形態では、キャビティC内の圧力Paの上昇時点t2の検出を正確に行うことができ、かつ、型締力Fを最適に制御することができる。
【0050】
本発明は、上述した実施形態に限定されない。
上述した実施形態では、圧力センサ20を射出ノズル14に設ける構成としたが、成形型90に設けて、キャビティCへの成形材料Mの充填状況を直接検出することも可能である。
また、変化勾配ΔP/Δtを用いずに、射出ノズル14内の圧力Pから直接にキャビティC内の圧力Paの上昇時点t2の検出および型締力Fの制御を行う構成とすることも可能である。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、成形型の型分割面の摩耗、劣化を防ぐことができ、成形型の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る射出成形装置の構成図である。
【図2】成形型の構造の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の射出成形装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図4】射出スクリュー13の位置と射出ノズル14内の圧力Pおよび成形型90のキャビティC内の圧力Paとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…射出成形装置
11…射出部
12…射出シリンダ
13…射出スクリュー
14…射出ノズル
15…油圧シリンダ
19…位置センサ
20…圧力センサ
21…アンプ
51…型締装置
52…油圧シリンダ
55…固定ダイプレート
56…可動ダイプレート
57…連結板
58…連結ロッド
81…制御装置
82…マイクロプロセッサ
83…メモリ
84…入力部
85…出力部
86…入力部
87…出力部
90…成形型
91…可動型
92…固定型

Claims (2)

  1. 射出シリンダの射出ノズルから成形型内に成形材料を射出し、前記成形型内への前記成形材料の充填によって発生する前記成形型内の圧力の変化に応じて、前記成形型の型締力を制御する方法であって、
    前記射出ノズル内の圧力を検出し、当該検出圧力に基づいて前記成形型内の圧力の変化を間接的に検出するとともに、前記検出した前記射出ノズル内の圧力に基づいて、前記成形材料の前記成形型内への充填完了直前に発生する前記射出ノズル内の圧力の変化勾配を算出し、前記成形型の型締力を前記変化勾配に応じて上昇させ、
    前記成形型の型締力を前記成形型の型分割面からの前記成形材料の漏れを抑止するのに必要な値に制御する
    射出成形装置の制御方法。
  2. 成形型を型締めする型締手段と、
    前記成形型内に成形材料を射出する射出ノズルを備えた射出シリンダと、
    射出ノズル内の圧力を検出する圧力センサと、
    前記射出ノズルから前記成形型内への前記成形材料の充填によって発生する前記成形型内の圧力の変化に応じて、前記成形型の型締力を前記成形型の型分割面からの前記成形材料の漏れを抑止するのに必要な値に制御する型締力制御手段と、を有し、
    前記型締力制御手段は、前記圧力センサの検出圧力に基づいて、前記成形型内の圧力の変化を間接的に検出するとともに、前記成形材料の前記成形型内への充填完了直前に発生する前記射出ノズル内の圧力の変化勾配を算出し、
    前記成形型の型締力を、前記成形型の型分割面からの前記成形材料の漏れを抑止するのに必要な値に前記変化勾配に応じて上昇させる
    射出成形装置。
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