JP2606977Y2 - 射出成形装置 - Google Patents

射出成形装置

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JP2606977Y2 JP1993032147U JP3214793U JP2606977Y2 JP 2606977 Y2 JP2606977 Y2 JP 2606977Y2 JP 1993032147 U JP1993032147 U JP 1993032147U JP 3214793 U JP3214793 U JP 3214793U JP 2606977 Y2 JP2606977 Y2 JP 2606977Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、射出成形装置に関し、
特に射出圧力および射出速度を多段に切り替えながら射
出を行う射出成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形は、加熱溶融したプラスチック
スあるいはゴムなどの成形材料を成形型のキャビティ内
に射出充填し、冷却後成形品として取り出すことにより
行われる。この種の射出成形機は、成形材料を加熱溶融
する可塑化装置、成形材料を射出する射出装置、成形型
を保持して開閉および締め付けを行う型締め装置、およ
びこれら各装置の作動を自動制御するための制御装置な
どで構成されている。
【0003】ところで、射出成形の生産性を高めるため
には、熱可塑性樹脂では成形型温度を低く、熱硬化性樹
脂では成形型温度を高く保持しながら、キャビティ内へ
高射出圧で高速充填を行うことが効果的である。ところ
が、高射出圧のまま充填を完了するとキャビティ内に高
圧のストレスが蓄積され、これによりバリ漏れが生じる
虞があるため、成形型の型締め力を大きく設定しておく
必要がある。したがって、高射出圧および高速充填を行
うと射出成形機が大型で且つ高価なものとなってしまう
という問題があった。
【0004】そこで従来より、充填を完了する直前で射
出圧を低圧に切り替えて、低圧のまま射出を完了するこ
とにより型締め力を低減する方法が採用されている。そ
して、このような切替制御は、射出装置の射出スクリュ
ーの位置、速度、あるいは加速度を基準にして行うこと
が試みられている。例えば、射出速度の減速現象を利用
して充填工程から保圧工程への切替え制御を行う場合に
は、射出スクリューをノズル方向に押し出す際に、この
射出スクリュー位置を検出し、この位置情報を時間で微
分することにより射出速度を求めることが行われてい
る。
【0005】この場合、図5に示す「充填」位置にて金
型キャビティ内に溶融材料が満たされ、これによって材
料の流動が妨げられることから、このときの油圧は、そ
れまでの流動状態から圧縮状態へと変化し、金型キャビ
ティ内の材料圧力が急上昇することになる。
【0006】これと同時に、油圧によって生じる射出圧
力P1 は「充填」位置から急上昇する(図5に示すA
点)一方で、油流量の低下にともなって射出速度V1
急減する(図5に示すB点)。このとき、油圧源である
油圧ポンプの特性が大きく影響し、図6に示す特性を備
えた可変容量ポンプを用いた場合には、図5に示す射出
速度V1 の変化は、図6に示す特性線上に沿って推移す
ることになる。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、射出ス
クリューの位置に基づいて射出圧を切り替える手法は、
位置センサにより検出される射出スクリューの押し出し
位置と、実際にキャビティ内に注入される成形材料の射
出量とが正確に対応していることを前提としているとこ
ろ、成形材料の材質が変更されたり、同一材料であって
も製造ロットが異なったり、あるいは成形装置間の特性
が異なったり、さらに、成形型の容積に差があると、当
初設定した射出スクリューの押し出し位置における成形
材料の射出量が変動し、そのため、実際のキャビティ内
においては、一次射出圧から二次射出圧への切り替えが
最適のタイミングで行われないことがあった。
【0008】さらに射出スクリューの速度に基づいて射
出圧を切り換える方法は、図7(A)に示す定常射出状
態における速度変化量VX を基準として射出圧の切替え
タイミングを設定すると、図7(B)に示すような非定
常射出状態では、図7(A)にて設定された速度変化量
X が検出されたときに一義的に射出圧が切り替えられ
ることから、適切な切替えタイミングよりも早く射出圧
を切り替えてしまい、その結果、保圧工程の射出圧で充
填を行うことになる。そのため、金型キャビティ内に溶
融材料が十分に満たされず、充填不足の製品が発生して
しまう。
【0009】逆に、同様の事情によって速度変化量V X
を過大に設定すると適切な切替えタイミングよりも遅く
射出圧を切り替えることになり、つまりは充填工程の射
出圧で保圧を行うことになり、その結果、材料圧力の上
昇によってキャビティ内から材料が漏れる、いわゆるバ
リ漏れが生じることになる。
【0010】かかる品質面の問題を解消するために、成
形された成形品を人手によって逐一確認し、最適な射出
圧の切り替えタイミングに適宜変更することも試みられ
たが、このような人手による作業をともなう限り、射出
成形の完全自動化は困難な状況にあった。
【0011】ちなみに、このような問題は多段圧力制御
をともなう射出成形にのみ限定されず、単一圧力制御の
射出成形でも同様に生じていた。というのも、キャビテ
ィ内への充填完了を正確に検知する必要性は、単一圧力
制御の射出成形にもあるからである。
【0012】本考案は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、成形材料の材質や製造ロッ
トの相違、使用する射出成形装置や成形型が相違して
も、射出条件を適切なタイミングで切り替え、充填不足
や充填過大(バリ漏れ)などの充填不良を防止すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案の射出成形装置は、押出機の射出用圧力シリ
ンダに圧力流体を供給して射出スクリューをノズル
向に所定圧力で移動させ、前記ノズル(4)から溶融状
態の成形材料を所定の射出圧力で射出する射出成形装置
において、前記射出スクリュー(3)の位置(S)を検
出する位置センサ(5)と、制御手段(6)と、事前に
算出した充填直前の位置(S1 )および事前に算出した
速度変化量(VX )を前記制御手段(6)に設定する設
定手段(6e、6d)とを具備する。前記制御手段は、
(a)前記位置センサ(5)からの位置検出信号を入力
してその値を微分して前記射出スクリュー(3)の移動
速度(Vt )を連続的に検出し、(b)前記入力した射
出スクリュー(3)の位置(S)が前記予め設定された
充填直前の位置(S1 )に達したとき前記検出した射出
スクリューの移動速度(Vs1)を記憶し、かつ、該記憶
した移動速度から前記設定した速度変化量(VXを減
じて速度変化値(V s1 −V X を算出し、前記射出スク
リュー(3)が前記充填直前の位置を通過した後、前記
連続的に検出した移動速度(V t が前記移動速度から
前記設定した速度変化量(V X )を減じて算出した速度
変化値(V s1 −V X )より小さくなったとき、前記射出
用圧力シリンダ(2)に供給される前記圧力流体の圧力
または流量を切り換える。
【0014】
【作用】事前に、充填直前の位置(S 1 )およびこの充
填直前位置における速度変化量(V X )を求めておき、
制御手段(6)に設定しておく。成形型の注入口に押出
機のノズルを押し当てて、この押出機の射出用圧力シリ
ンダに圧力流体を供給して射出スクリューをノズル方向
に所定圧力で移動させることにより射出成形を行うが、
射出圧の多段制御(例えば、高圧と低圧の2段)を行う
場合は、まず、制御手段に設定された一次射出圧力・一
次射出流量で射出を行うように制御手段から油圧装置に
信号を出力する。
【0015】これと同時に、位置センサによる射出スク
リューの現在位置を制御手段に取り込みながら、この現
在位置の情報から射出スクリューの移動速度を逐次演算
する。そして、射出スクリューが予め設定された充填直
前の位置に達したときの移動速度を記憶する。
【0016】本考案では、キャビティ内における成形材
料の充填状態は、射出スクリューの移動速度の変化量を
観察すれば検出することができるという知見に基づいて
いるが、さらに、移動速度の変化量を観察するに際し
て、その基準となる移動速度を、固定の速度ではなく、
充填直前の位置で実測した移動速度(上記記憶した移動
速度)としている。さらに、この実測移動速度に、事前
に求めて設定手段で設定された速度変化量(V X )を乗
じて速度変化値を算出する。明らかなように、この速度
変化値は、個々の射出作業において行った充填直前の移
動速度に設定した速度変化量を乗じているので、充填直
前に記憶した移動速度に応じて変化する。
【0017】制御手段は、この充填直前の位置を経過し
た後、連続的に検出した移動速度の 単位時間当たりの速
度変化量が、上記速度変化値より大きく低下したとき、
適切な切替えタイミングとして認識し、油圧装置へフィ
ードバック制御するように、制御手段から油圧装置に、
圧力流体の圧力・流量を一次射出圧・流量から二次射出
圧・流量に切り替える信号を出力する。これにより、射
出する材質(の流動条件)、製造ロット、使用する射出
成形装置や成形型が相違しても、射出圧力を最適なタイ
ミングで切り替えることができ、充填不足や充填過大な
どの充填不良を有効に防止することができる。
【0018】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本考案の一実施例に係る射出成形装置を
示すブロック図、図2は同実施例に係る制御手段におけ
る処理手順を説明するフローチャートである。図3は同
実施例の切替え制御を説明するグラフであって、(A)
は定常射出状態、(B)は非定常射出状態における射出
位置・射出圧力と時間との関係を説明するグラフであ
る。また、図4は射出スクリュ位置と製品容積との関係
を示すグラフであって、同実施例の射出成形装置におい
て充填直前のスクリュ位置S1 を決定する方法を説明す
るためのグラフである。
【0019】本実施例の射出成形装置は、成形材料を成
形型7に注入するための押出機1、この押出機1に供給
する油圧と油流量とを制御する圧力制御弁8および流量
制御弁9、これらの圧力制御弁8および流量制御弁9を
制御する制御手段6から構成されている。
【0020】成形型7は、例えば上型と下型とからな
り、これら上下型が組み合わされることにより内部にキ
ャビティ7aが形成される。図示はしないが、上型およ
び下型は、それぞれ加熱盤および断熱盤を介してダイプ
レートに装着されており、いずれかのダイプレートが他
のダイプレートに対して接近離反移動可能に構成されて
いる。
【0021】押出し機1は、成形材料をノズル4から成
形型7に形成されたキャビティ7a内に注入するための
装置であり、内部に射出スクリュー3が軸方向移動自在
に挿入された加熱シリンダ10を有している。この加熱
シリンダ10には、温度調節された加熱媒体を流すため
の流路が形成されており、射出スクリュー3の回転によ
って加熱シリンダ10の内部に導入される成形材料を加
熱して成形材料の可塑化状態を維持する可塑化装置を構
成している。
【0022】一方、射出スクリュー3は、図示しないス
クリュー駆動用油圧モータで回転しながら射出用油圧シ
リンダ2の進退移動によって加熱シリンダ10内を移動
する。この射出用油圧シリンダ2を駆動させる油圧装置
は、可変容量ポンプ(油圧ポンプ)11と、この可変容
量ポンプ11から圧送される圧力流体の圧送方向を切り
替えるための方向切替え弁9(以下、流量制御弁9とも
いう)と、圧力流体の圧力を所定圧に保つための電磁リ
リーフ弁8(以下、圧力制御弁8ともいう)とから構成
されており、この油圧装置を構成する機器の駆動制御は
制御手段6により行われる。
【0023】射出シリンダ2のピストン2aの前後には
流量制御弁9を介して可変容量ポンプ11から圧力流体
が送られ、これにより射出スクリュー3を軸方向上下に
駆動させるようになっている。また、可変容量ポンプ1
1と流量制御弁9との間には圧力制御弁8が装着されて
おり、制御手段6からの信号に基づいて(インターフェ
ースI/Fを介して)、可変容量ポンプ11から送られ
る圧力流体の圧力が調節されるようになっている。
【0024】図1において符号「5」は位置センサであ
り、射出スクリュー3の軸方向の位置を検出して制御手
段6のインターフェースI/Fに入力される。また、流
量制御弁9から送られる油流路には圧力センサ12が取
り付けられており、射出用油圧シリンダ2に供給される
油圧値を制御手段6のインターフェースI/Fに入力さ
れる
【0025】制御手段6には、一次射出圧P1 (充填工
程)と二次射出圧P2 (保圧工程)とを設定するための
圧力設定器6a、および一次射出速度V1 (充填工程)
と二次射出速度V2 (保圧工程)とを設定するための速
度設定器6bが接続されており、射出を行う前に予め所
定の圧力および速度(実際には速度Vを流量Qに換算し
た値)が入力される。
【0026】また、本実施例の制御手段6には、射出時
間T1 を設定するための射出時間設定器6c、速度変化
量VX を設定するための速度変化量設定器6d、および
充填直前のスクリュー位置S1 を設定するためのスクリ
ュー位置設定器6eがそれぞれ接続されている。これら
射出時間T1 、速度変化量VX 、および充填直前のスク
リュー位置S1 の各値を射出時間設定器6c、速度変化
量設定器6d、および、スクリュー位置設定器6eに設
定する。この充填直前のスクリュー位置S1 の求め方に
ついては後述する。
【0027】制御手段6の中央演算処理部(CPU)6
fでは、制御手段6に内蔵されたタイマーによる時間を
入力しながら、位置センサ5からの変位情報に基づい
て、これを1回微分し、射出スクリューの速度Vt =Δ
S/Δtを逐次演算する。また、射出スクリュー3が充
填直前のスクリュー位置S1 に達したときの速度VS1
記憶しておき、この速度VS1を基準にしてその後の実際
の速度Vt の変化量によって切替えタイミングを決定す
る。
【0028】次に作用を説明する。まず最初に、本考案
者らは、射出成形を行うにあたり、キャビティ内に成形
材料が充填された時点の確認を、どのパラメータを用い
て判断することが最も現実的かを検証するために、図3
に示すように、射出時間に対する射出スクリューの位置
・速度の関係をプロットしてみた。
【0029】ところで、キャビティ内に成形材料を注入
してゆくと必然的に型内圧力が上昇するので、キャビテ
ィ内に成形材料が実際に充満したかどうかは、この型内
圧力を基準として判断することが最も好ましいといえる
が、量産ラインで型内圧力を全数検出することは現実的
には困難である。
【0030】しかしながら、図3(A)のデータによれ
ば、型内圧力がある一定の値以上になると、射出スクリ
ュー3の速度Vが急減することが理解される。これは、
以下の理由による。すなわち、射出スクリュー3がノズ
ル方向に移動し始め、キャビティ7a内への成形材料の
射出が開始されると、この状態からキャビティ7a内に
材料が充填されるまでの間は、徐々にキャビティ内に材
料が注入されて行くので、射出スクリュー3は射出用油
圧シリンダ2に所定圧力で押されながら前進し続ける。
【0031】射出初期においては、キャビティ7a内は
全く空の状態であるため、当初多量の成形材料が注入さ
れることになり、射出スクリュー3の速度Vが設定射出
速度まで上昇する。このようにしてキャビティ内に成形
材料がゆきわたると射出スクリュー3の速度Vが一定と
なる。
【0032】そして、キャビティ内全てに成形材料がゆ
きわたると、射出スクリュー3はキャビティ内圧力を上
昇させるためにのみ前進するため、射出スクリュー3の
変位量Sは減少し、速度Vも急減するのである。本実施
例では、この速度の変化量VX が大きいことに着目し、
この時点を一次射出から二次射出への切り替えタイミン
グとして用いている。
【0033】ところが、図3(A)に示すように、射出
が定常に行われた場合には速度の変化量VX のみをもっ
て射出圧の切替えタイミングとすることができるが、
3(B)に示すように、充填工程の途中で射出速度Vが
非定常に変化した場合には、何れの時点の射出速度を基
準にして速度変化量VX を検出すればよいのかが不明に
なり、これが原因で充填不足や充填過大などの不良が発
生していた。そこで、本実施例では、充填直前の位置S
1 を予め仮設定しておき、この充填直前の位置S1 にお
ける射出速度VS1を基準にして速度変化量VX を検出す
るようにしている。
【0034】この充填直前の射出スクリュー位置S1
以下のようにして決定する。図4に示すように、充填直
前の位置、すなわち、キャビティ内に溶融材料が満たさ
れた状態であって、未だ保圧工程に移行していない状態
では、製品容積(つまりキャビティ容積)は射出スクリ
ューの断面積と移動距離との積で表されることから、充
填直前のスクリュー位置S1 =製品容積/射出スクリュ
ーの断面積が成立する。実際の充填位置は、この直前位
置S1 から射出スクリュー3が前進してキャビティ内の
材料圧力が上昇を開始しはじめた位置であるから、図4
に示すように、諸条件によって変動幅を有することにな
る。ただし、少なくとも充填直前の射出スクリュー位置
1 から速度変化量VX を検出すれば、真の充填位置が
求まると言える。
【0035】このような原理を利用して射出成形を行う
場合には以下のように操作する。まず、一次射出(充填
工程)における油圧装置の油圧P1 と油流量Q1 (射出
速度V1 の換算値)、および二次射出(保圧工程)にお
ける油圧装置の油圧P2と油流量Q2 (射出速度V2
換算値)とを、圧力設定器6aおよび速度設定器6bか
ら制御手段6の中央演算処理部6fに入力される(ステ
ップ1)。
【0036】次いで、押出し機1全体を成形型7に近付
け、押出し機1のノズル4をキャビティ7aの注入口に
当接させて、射出開始信号に基づいて可変容量ポンプ1
1から所定油圧P1 、所定油流量Q1 の圧力流体を射出
用油圧シリンダ2に供給する。これにより射出用油圧シ
リンダ2が駆動して、射出スクリュー3がノズル方向に
押し出される。
【0037】同時に、射出スクリュー3の現在位置Sを
逐次位置センサ5で計測し、この位置情報を、制御装置
6のインターフェースI/Fを介して中央演算処理部6
fに取り込み、中央演算処理部6fに内蔵されたタイマ
ーによって射出スクリュー3の速度Vt を演算する(ス
テップ2,3)。この射出スクリュー3の速度Vt は、
射出スクリュー3の変位を時間tで1回微分することに
より求めることができる。
【0038】射出スクリュー3が、射出用圧力シリンダ
2により駆動され、ノズル方向へ移動すると、加熱シリ
ンダ10内に供給された成形材料は、ノズル4から注入
口を介してキャビティ7a内に射出されキャビティ内に
充填される。
【0039】次に、位置センサ5から入力された射出ス
クリュー3の現在位置Sが、予めスクリュー位置設定器
6eに入力されている充填直前のスクリュー位置S1
達すると(ステップ4)、この位置における射出スクリ
ュー3の速度VS1を中央演算処理部6fに記憶しておき
(ステップ5)、その後位置センサ5から中央演算処理
部6fに入力され演算により求められる射出スクリュー
3の速度Vt と比較する(ステップ6)。具体的には、
実際の射出スクリュー3の速度Vt が、記憶されている
充填直前の位置S1 における速度VS1から速度変化量V
X を減じた値より小さくなった時点を検出し、この時点
を二次射出工程への切替えタイミングとして認識する。
【0040】このようにして一次射出工程から二次射出
工程へ移行する最適のタイミングを判断すると、圧力設
定器6aおよび速度設定器6bに設定入力された二次射
出工程における圧力流体の油圧P2 信号と油流量Q2
号とをインターフェースI/Fを介して圧力制御弁8お
よび流量制御弁9に出力し(ステップ7)、圧力P1
りも低い圧力P2 を有する圧力流体を、射出用油圧シリ
ンダ2に供給して射出スクリュー3を作動させ、二次射
出を行なう。最後に射出時間T1 となると射出を終了す
る(ステップ8)。
【0041】なお、以上説明した実施例は、本考案の理
解を容易にするために記載されたものであって、本考案
を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上述した実施例に開示された各要素は、本考案の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【0042】
【考案の効果】本考案の射出成形装置は、位置センサに
より検出された射出スクリューの位置情報から射出スク
リューの移動速度を演算し、位置センサにより検出され
た射出スクリューの位置が予め設定された充填直前位置
に達したときの射出スクリューの移動速度を記憶し、そ
の後、記憶した移動速度に予め設定された速度変化量を
乗じて算出した速度変化値以上に実際の射出速度が変化
したとき切替えタイミング判断して、射出用圧力シリ
ンダに供給される圧力流体の圧力または流量を制御する
ようにしている。その結果、製造ロットの相違等による
材料粘度の変動があっても、そのような変動に影響され
ずに適切な切替えタイミングを決定でき、充填不足や充
填過大などの充填不良の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係る射出成形装置を示すブ
ロック図である。
【図2】同実施例に係る制御手段における処理手順を説
明するフローチャートである。
【図3】同実施例の切替え制御を説明するグラフであっ
て、(A)は定常射出状態、(B)は非定常射出状態に
おける射出位置・射出速度と時間との関係を説明するグ
ラフである。
【図4】射出スクリュ位置と製品容積との関係を示すグ
ラフであって、同実施例の射出成形装置において充填直
前のスクリュ位置S1 を決定する方法を説明するための
グラフである。
【図5】従来の射出成形装置における射出速度変化を検
出して切替え制御を説明するグラフである。
【図6】可変容量ポンプの特性を示すグラフである。
【図7】従来の射出成形装置における充填不良品の発生
理由を説明するグラフであって、(A)は定常射出状
態、(B)は非定常射出状態における射出圧力・射出速
度と時間との関係を説明するグラフである。
【符号の説明】
1…押出機 2…射出用圧力シリンダ 2a…ピストン 3…射出スクリュー 4…ノズル 5…位置センサ 6…制御手段 6a…圧力設定器 6b…速度設定器 6c…射出時間設定器 6d…速度変化量設定器 6e…スクリュー位置設定器 6f…中央演算処理部(CPU) 7…成形型 7a…キャビティ 8…圧力制御弁 9…流量制御弁 10…加熱シリンダ 11…可変容量ポンプ(油圧ポンプ) 12…圧力センサ P1 …一次射出圧 P2 …二次射出圧 V1 …一次射出速度 V2 …二次射出速度 VX …速度変化量 S1 …充填直前のスクリュー位置 T1 …射出時間

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】押出機(1)の射出用圧力シリンダ(2)
    に圧力流体を供給して射出スクリュー(3)をノズル
    (4)方向に所定圧力で移動させ、前記ノズル(4)
    から溶融状態の成形材料を所定の射出圧力で射出する射
    出成形装置において、 前記射出スクリュー(3)の位置(S)を検出する位置
    センサ(5)と、 制御手段(6)と、 事前に算出した充填直前の位置(S1 )および事前に算
    出した速度変化量(VX )を前記制御手段(6)に設定
    する設定手段(6e、6d)とを具備し、 前記制御手段は、 前記位置センサ(5)からの位置検出信号を入力してそ
    の値を微分して前記射出スクリュー(3)の移動速度
    (Vt )を連続的に検出し、 前記入力した射出スクリューの位置(S)が前記予め設
    定された充填直前の位置(S1 )に達したとき前記検出
    した射出スクリューの移動速度(Vs1)を記憶し、か
    つ、該記憶した移動速度から前記設定した速度変化量
    (VXを減じて速度変化値(V s1 −V X を算出し、 前記射出スクリュー(3)が前記充填直前の位置を通過
    した後、前記連続的に検出した移動速度(V t が前記
    移動速度から前記設定した速度変化量(V X )を減じて
    算出した速度変化値(V s1 −V X )より小さくなったと
    、前記射出用圧力シリンダ(2)に供給される前記圧
    力流体の圧力または流量を切り換える、 ことを特徴とする射出成形装置。
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