JPH072034U - 射出成形装置 - Google Patents

射出成形装置

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JPH072034U
JPH072034U JP3214793U JP3214793U JPH072034U JP H072034 U JPH072034 U JP H072034U JP 3214793 U JP3214793 U JP 3214793U JP 3214793 U JP3214793 U JP 3214793U JP H072034 U JPH072034 U JP H072034U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】射出条件を適切なタイミングで切り替え、充填
不足や充填過大などの充填不良を防止する。 【構成】押出機1の射出用圧力シリンダ2に圧力流体を
供給して射出スクリュー3をノズル4方向に所定圧力で
移動させ、ノズル4から溶融状態の成形材料を所定の射
出圧力で射出する射出成形装置である。射出スクリュー
3の位置Sを検出する位置センサ5と制御手段6とを有
し、制御手段は、射出スクリュー3の移動速度Vt を演
算し、位置センサ5により検出された射出スクリューの
位置Sが予め設定された充填直前の位置S1 に達したと
きの射出スクリューの移動速度V S1を記憶する。また、
この記憶された充填直前の位置S1 における移動速度V
S1と予め設定された速度変化量VX とに基づいて切替え
タイミングを判断し、射出用圧力シリンダ2に供給され
る圧力流体の圧力または流量を制御する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、射出成形装置に関し、特に射出圧力および射出速度を多段に切り替 えながら射出を行う射出成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
射出成形は、加熱溶融したプラスチックスあるいはゴムなどの成形材料を成形 型のキャビティ内に射出充填し、冷却後成形品として取り出すことにより行われ る。この種の射出成形機は、成形材料を加熱溶融する可塑化装置、成形材料を射 出する射出装置、成形型を保持して開閉および締め付けを行う型締め装置、およ びこれら各装置の作動を自動制御するための制御装置などで構成されている。
【0003】 ところで、射出成形の生産性を高めるためには、熱可塑性樹脂では成形型温度 を低く、熱硬化性樹脂では成形型温度を高く保持しながら、キャビティ内へ高射 出圧で高速充填を行うことが効果的である。 ところが、高射出圧のまま充填を完了するとキャビティ内に高圧のストレスが 蓄積され、これによりバリ漏れが生じる虞があるため、成形型の型締め力を大き く設定しておく必要がある。したがって、高射出圧および高速充填を行うと射出 成形機が大型で且つ高価なものとなってしまうという問題があった。
【0004】 そこで従来より、充填を完了する直前で射出圧を低圧に切り替えて、低圧のま ま射出を完了することにより型締め力を低減する方法が採用されている。 そして、このような切替制御は、射出装置の射出スクリューの位置、速度、あ るいは加速度を基準にして行うことが試みられている。 例えば、射出速度の減速現象を利用して充填工程から保圧工程への切替え制御 を行う場合には、射出スクリューをノズル方向に押し出す際に、この射出スクリ ュー位置を検出し、この位置情報を時間で微分することにより射出速度を求める ことが行われている。
【0005】 この場合、図5に示す「充填」位置にて金型キャビティ内に溶融材料が満たさ れ、これによって材料の流動が妨げられることから、このときの油圧は、それま での流動状態から圧縮状態へと変化し、金型キャビティ内の材料圧力が急上昇す ることになる。
【0006】 これと同時に、油圧によって生じる射出圧力P1 は「充填」位置から急上昇す る(図5に示すA点)一方で、油流量の低下にともなって射出速度V1 が急減す る(図5に示すB点)。このとき、油圧源である油圧ポンプの特性が大きく影響 し、図6に示す特性を備えた可変容量ポンプを用いた場合には、図5に示す射出 速度V1 の変化は、図6に示す特性線上に沿って推移することになる。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、射出スクリューの位置に基づいて射出圧を切り替える手法は、 位置センサにより検出される射出スクリューの押し出し位置と、実際にキャビテ ィ内に注入される成形材料の射出量とが正確に対応していることを前提としてい るところ、成形材料の材質が変更されたり、同一材料であっても製造ロットが異 なったり、あるいは成形装置間の特性が異なったり、さらに、成形型の容積に差 があると、当初設定した射出スクリューの押し出し位置における成形材料の射出 量が変動し、そのため、実際のキャビティ内においては、一次射出圧から二次射 出圧への切り替えが最適のタイミングで行われないことがあった。
【0008】 例えば、図7(A)に示す定常射出状態における速度変化量VX を基準として 射出圧の切替えタイミングを設定すると、図7(B)に示すような非定常射出状 態では、図7(A)にて設定された速度変化量VX が検出されたときに一義的に 射出圧が切り替えられることから、適切な切替えタイミングよりも早く射出圧を 切り替えてしまい、その結果、保圧工程の射出圧で充填を行うことになる。その ため、金型キャビティ内に溶融材料が十分に満たされず、充填不足の製品が発生 してしまう。
【0009】 逆に、同様の事情によって適切な切替えタイミングよりも遅く射出圧を切り替 えた場合には、充填工程の射出圧で保圧を行うことになり、その結果、材料圧力 の上昇によってキャビティ内から材料が漏れる、いわゆるバリ漏れが生じること になる。
【0010】 かかる品質面の問題を解消するために、成形された成形品を人手によって逐一 確認し、最適な射出圧の切り替えタイミングに適宜変更することも試みられたが 、このような人手による作業をともなう限り、射出成形の完全自動化は困難な状 況にあった。
【0011】 ちなみに、このような問題は多段圧力制御をともなう射出成形にのみ限定され ず、単一圧力制御の射出成形でも同様に生じていた。というのも、キャビティ内 への充填完了を正確に検知する必要性は、単一圧力制御の射出成形にもあるから である。
【0012】 本考案は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、成形材 料の材質や製造ロットの相違、使用する射出成形装置や成形型が相違しても、射 出条件を適切なタイミングで切り替え、充填不足や充填過大などの充填不良を防 止することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案の射出成形装置は、押出機の射出用圧力シ リンダに圧力流体を供給して射出スクリューをノズル方向に所定圧力で移動させ 、前記ノズルから溶融状態の成形材料を所定の射出圧力で射出する射出成形装置 において、 前記射出スクリューの位置を検出する位置センサと、 前記位置センサ(5)からの情報に基づいて前記射出スクリューの移動速度を 演算し、前記位置センサにより検出された前記射出スクリューの位置が予め設定 された充填直前の位置に達したときの前記射出スクリューの移動速度を記憶する と共に、この記憶された充填直前の位置における前記射出スクリューの移動速度 と予め設定された速度変化量とに基づいて切替えタイミングを判断し、前記射出 用圧力シリンダに供給される圧力流体の圧力または流量を制御する制御手段とを 有することを特徴としている。
【0014】
【作用】
成形型の注入口に押出機のノズルを押し当てて、この押出機の射出用圧力シリ ンダに圧力流体を供給して射出スクリューをノズル方向に所定圧力で移動させる ことにより射出成形を行うが、射出圧の多段制御(例えば、高圧と低圧の2段) を行う場合は、まず、制御手段に設定された一次射出圧力・一次射出流量で射出 を行うように制御手段から油圧装置に信号を出力する。
【0015】 これと同時に、位置センサによる射出スクリューの現在位置を制御手段に取り 込みながら、この現在位置の情報から射出スクリューの移動速度を逐次演算する 。そして、射出スクリューが予め設定された充填直前の位置に達したときの移動 速度を記憶し、この移動速度とその後の実際の移動速度とを比較する。
【0016】 本考案では、キャビティ内における成形材料の充填状態は、射出スクリューの 移動速度の変化量を観察すれば検出することができるという知見に基づいている が、さらに、移動速度の変化量を観察するに際して、その基準となる移動速度を 充填直前の位置の移動速度としている。
【0017】 そして、この充填直前の位置における移動速度から所定の速度変化量が生じた ときを適切な切替えタイミングとして認識し、油圧装置へフィードバック制御す るように、制御手段から油圧装置に、圧力流体の圧力・流量を一次射出圧・流量 から二次射出圧・流量に切り替える信号を出力する。 これにより、射出する材質、製造ロット、使用する射出成形装置や成形型が相 違しても、射出圧力を最適なタイミングで切り替えることができ、充填不足や充 填過大などの充填不良を有効に防止することができる。
【0018】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 図1は本考案の一実施例に係る射出成形装置を示すブロック図、図2は同実施 例に係る制御手段における処理手順を説明するフローチャートである。 図3は同実施例の切替え制御を説明するグラフであって、(A)は定常射出状 態、(B)は非定常射出状態における射出位置・射出圧力と時間との関係を説明 するグラフである。 また、図4は射出スクリュ位置と製品容積との関係を示すグラフであって、同 実施例の射出成形装置において充填直前のスクリュ位置S1 を決定する方法を説 明するためのグラフである。
【0019】 本実施例の射出成形装置は、成形材料を成形型7に注入するための押出機1、 この押出機1に供給する油圧と油流量とを制御する圧力制御弁8および流量制御 弁9、これらの圧力制御弁8および流量制御弁9を制御する制御手段6から構成 されている。
【0020】 成形型7は、例えば上型と下型とからなり、これら上下型が組み合わされるこ とにより内部にキャビティ7aが形成される。図示はしないが、上型および下型 は、それぞれ加熱盤および断熱盤を介してダイプレートに装着されており、いず れかのダイプレートが他のダイプレートに対して接近離反移動可能に構成されて いる。
【0021】 押出し機1は、成形材料をノズル4から成形型7に形成されたキャビティ7a 内に注入するための装置であり、内部に射出スクリュー3が軸方向移動自在に挿 入された加熱シリンダ10を有している。この加熱シリンダ10には、温度調節 された加熱媒体を流すための流路が形成されており、射出スクリュー3の回転に よって加熱シリンダ10の内部に導入される成形材料を加熱して成形材料の可塑 化状態を維持する可塑化装置を構成している。
【0022】 一方、射出スクリュー3は、図示しないスクリュー駆動用油圧モータで回転し ながら射出用油圧シリンダ2の進退移動によって加熱シリンダ10内を移動する 。この射出用油圧シリンダ2を駆動させる油圧装置は、可変容量ポンプ(油圧ポ ンプ)11と、この可変容量ポンプ11から圧送される圧力流体の圧送方向を切 り替えるための方向切替え弁9(以下、流量制御弁9ともいう)と、圧力流体の 圧力を所定圧に保つための電磁リリーフ弁8(以下、圧力制御弁8ともいう)と から構成されており、この油圧装置を構成する機器の駆動制御は制御手段6によ り行われる。
【0023】 射出シリンダ2のピストン2aの前後には流量制御弁9を介して可変容量ポン プ11から圧力流体が送られ、これにより射出スクリュー3を軸方向上下に駆動 させるようになっている。 また、可変容量ポンプ11と流量制御弁9との間には圧力制御弁8が装着され ており、制御手段6からの信号に基づいて(インターフェースI/Fを介して) 、可変容量ポンプ11から送られる圧力流体の圧力が調節されるようになってい る。
【0024】 図1において符号「5」は位置センサであり、射出スクリュー3の軸方向の位 置を検出して制御手段6のインターフェースI/Fに出力する。 また、流量制御弁9から送られる油流路には圧力センサ12が取り付けられて おり、射出用油圧シリンダ2に供給される油圧値を制御手段6のインターフェー スI/Fに出力する。
【0025】 制御手段6には、一次射出圧P1 (充填工程)と二次射出圧P2 (保圧工程) とを設定するための圧力設定器6a、および一次射出速度V1 (充填工程)と二 次射出速度V2 (保圧工程)とを設定するための速度設定器6bが接続されてお り、射出を行う前に予め所定の圧力および速度(実際には速度Vを流量Qに換算 した値)が入力される。
【0026】 また、本実施例の制御手段6には、射出時間T1 を設定するための射出時間設 定器6c、速度変化量VX を設定するための速度変化量設定器6d、および充填 直前のスクリュー位置S1 を設定するためのスクリュー位置設定器6eがそれぞ れ接続されている。これら射出時間T1 、速度変化量VX 、および充填直前のス クリュー位置S1 の各値については、予め経験的に適切な値を求めておき、それ ぞれの値を射出時間設定器6c、速度変化量設定器6e、およびスクリュー位置 設定器6eに入力する。この充填直前のスクリュー位置S1 の求め方については 後述する。
【0027】 制御手段6の中央演算処理部(CPU)6fでは、制御手段6に内蔵されたタ イマーによる時間を入力しながら、位置センサ5からの変位情報に基づいて、こ れを1回微分し、射出スクリューの速度Vt =ΔS/Δtを逐次演算する。また 、射出スクリュー3が充填直前のスクリュー位置S1 に達したときの速度VS1を 記憶しておき、この速度VS1を基準にしてその後の実際の速度Vt の変化量によ って切替えタイミングを決定する。
【0028】 次に作用を説明する。 まず最初に、本考案者らは、射出成形を行うにあたり、キャビティ内に成形材 料が充填された時点の確認を、どのパラメータを用いて判断することが最も現実 的かを検証するために、図3に示すように、射出時間に対する射出スクリューの 位置・速度の関係をプロットしてみた。
【0029】 ところで、キャビティ内に成形材料を注入してゆくと必然的に型内圧力が上昇 するので、キャビティ内に成形材料が実際に充満したかどうかは、この型内圧力 を基準として判断することが最も好ましいといえるが、量産ラインで型内圧力を 全数検出することは現実的には困難である。
【0030】 しかしながら、図3(A)のデータによれば、型内圧力がある一定の値になる と、射出スクリュー3の速度Vが急減することが理解される。 これは、以下の理由による。 すなわち、射出スクリュー3がノズル方向に移動し始め、キャビティ7a内へ の成形材料の射出が開始されると、この状態からキャビティ7a内に材料が充填 されるまでの間は、徐々にキャビティ内に材料が注入されて行くので、射出スク リュー3は射出用油圧シリンダ2に所定圧力で押されながら前進し続ける。
【0031】 射出初期においては、キャビティ7a内は全く空の状態であるため、当初多量 の成形材料が注入されることになり、射出スクリュー3の速度Vが急増する。 このようにしてキャビティ内の比較的抵抗が小さい部分に成形材料がゆきわた ると、キャビティ内の流動抵抗が一旦上昇するため、射出スクリュー3の速度V は徐々に減少し始め、さらに注入を継続すると、キャビティ内の流動抵抗が大き い部分にも成形材料が行きわたり始めることになり、このとき、射出スクリュー 3の速度Vが一定となる。
【0032】 そして、キャビティ内全てに成形材料がゆきわたると、射出スクリュー3はキ ャビティ内圧力を上昇させるためにのみ前進するため、射出スクリュー3の変位 量Sは減少し、速度Vも急減するのである。本実施例では、この速度の変化量V X が大きいことに着目し、この時点を一次射出から二次射出への切り替えタイミ ングとして用いている。
【0033】 ところが、図2(A)に示すように、射出が定常に行われた場合には速度の変 化量VX のみをもって射出圧の切替えタイミングとすることができるが、図2( B)に示すように、充填工程の途中で射出速度Vが非定常に変化した場合には、 何れの時点の射出速度を基準にして速度変化量VX を検出すればよいのかが不明 になり、これが原因で充填不足や充填過大などの不良が発生していた。 そこで、本実施例では、充填直前の位置S1 を予め仮設定しておき、この充填 直前の位置S1 における射出速度VS1を基準にして速度変化量VX を検出するよ うにしている。
【0034】 この充填直前の射出スクリュー位置S1 は以下のようにして決定する。 図4に示すように、充填直前の位置、すなわち、キャビティ内に溶融材料が満 たされた状態であって、未だ保圧工程に移行していない状態では、製品容積(つ まりキャビティ容積)は射出スクリューの断面積と移動距離との積で表されるこ とから、 充填直前のスクリュー位置S1 =製品容積/射出スクリューの断面積 が成立する。実際の充填位置は、この直前位置S1 から射出スクリュー3が前進 してキャビティ内の材料圧力が上昇を開始しはじめた位置であるから、図4に示 すように、諸条件によって変動幅を有することになる。ただし、少なくとも充填 直前の射出スクリュー位置S1 から速度変化量VX を検出すれば、真の充填位置 が求まると言える。
【0035】 このような原理を利用して射出成形を行う場合には以下のように操作する。 まず、一次射出(充填工程)における油圧装置の油圧P1 と油流量Q1 (射出 速度V1 の換算値)、および二次射出(保圧工程)における油圧装置の油圧P2 と油流量Q2 (射出速度V2 の換算値)とを、圧力設定器6aおよび速度設定器 6bから制御手段6の中央演算処理部6fに出力する(ステップ1)。
【0036】 次いで、押出し機1全体を成形型7に近付け、押出し機1のノズル4をキャビ ティ7aの注入口に当接させて、射出開始信号に基づいて可変容量ポンプ11か ら所定油圧P1 、所定油流量Q1 の圧力流体を射出用油圧シリンダ2に供給する 。これにより射出用油圧シリンダ2が駆動して、射出スクリュー3がノズル方向 に押し出される。
【0037】 同時に、射出スクリュー3の現在位置Sを逐次位置センサ5で計測し、この位 置情報を、制御装置6のインターフェースI/Fを介して中央演算処理部6fに 取り込み、中央演算処理部6fに内蔵されたタイマーによって射出スクリュー3 の速度Vt を演算する(ステップ2,3)。この射出スクリュー3の速度Vt は 、射出スクリュー3の変位を時間tで1回微分することにより求めることができ る。
【0038】 射出スクリュー3が、射出用圧力シリンダ2により駆動され、ノズル方向へ移 動すると、加熱シリンダ10内に供給された成形材料は、ノズル4から注入口を 介してキャビティ7a内に射出されキャビティ内に充填される。
【0039】 次に、位置センサ5から入力された射出スクリュー3の現在位置Sが、予めス クリュー位置設定器6eに入力されている充填直前のスクリュー位置S1 に達す ると(ステップ4)、この位置における射出スクリュー3の速度VS1を中央演算 処理部6fに記憶しておき(ステップ5)、その後位置センサ5から中央演算処 理部6fに入力され演算により求められる射出スクリュー3の速度Vt と比較す る(ステップ6)。 具体的には、実際の射出スクリュー3の速度Vt が、記憶されている充填直前 の位置S1 における速度VS1から速度変化量VX を減じた値より小さくなった時 点を検出し、この時点を二次射出工程への切替えタイミングとして認識する。
【0040】 このようにして一次射出工程から二次射出工程へ移行する最適のタイミングを 判断すると、圧力設定器6aおよび速度設定器6bに設定入力された二次射出工 程における圧力流体の油圧P2 信号と油流量Q2 信号とをインターフェースI/ Fを介して圧力制御弁8および流量制御弁9に出力し(ステップ7)、圧力P1 よりも低い圧力P2 を有する圧力流体を、射出用油圧シリンダ2に供給して射出 スクリュー3を作動させ、二次射出を行なう。 最後に射出時間T1 となると射出を終了する(ステップ8)。
【0041】 なお、以上説明した実施例は、本考案の理解を容易にするために記載されたも のであって、本考案を限定するために記載されたものではない。したがって、上 述した実施例に開示された各要素は、本考案の技術的範囲に属する全ての設計変 更や均等物をも含む趣旨である。
【0042】
【考案の効果】
本考案の射出成形方法および射出成形装置は、位置センサにより検出された射 出スクリューの位置情報から射出スクリューの移動速度を演算し、位置センサに より検出された射出スクリューの位置が予め設定された充填直前位置に達したと きの射出スクリューの移動速度を記憶すると共に、この記憶されている充填直前 位置における移動速度と予め設定された速度変化量とに基づいて切替えタイミン グを判断して、射出用圧力シリンダに供給される圧力流体の圧力または流量を制 御するようにしている。 その結果、適切な切替えタイミングを実現することができ、製造ロットの相違 等により材料粘度が変動しても、充填不足や充填過大などの充填不良の発生を防 止することができる。
【提出日】平成6年3月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】 さらに、射出スクリューの速度に基づいて射出圧を切り換える手法は、図7( A)に示す定常射出状態における速度変化量VX を基準として射出圧の切替えタ イミングを設定すると、図7(B)に示すような非定常射出状態では、図7(A )にて設定された速度変化量VX が検出されたときに一義的に射出圧が切り替え られることから、適切な切替えタイミングよりも早く射出圧を切り替えてしまい 、その結果、保圧工程の射出圧で充填を行うことになる。そのため、金型キャビ ティ内に溶融材料が十分に満たされず、充填不足の製品が発生してしまう。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】 逆に、同様の事情によって速度変化量VX を過大に設定すると適切な切替えタ イミングよりも遅く射出圧を切り替えることとなり、つまりは充填工程の射出圧 で保圧を行うことになり、その結果、材料圧力の上昇によってキャビティ内から 材料が漏れる、いわゆるバリ漏れが生じることになる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】 本考案は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、成形材 料の材質や製造ロットの相違、使用する射出成形装置や成形型が相違しても、射 出条件を適切なタイミングで切り替え、充填不足や充填過大(バリ洩れ)などの 充填不良を防止することを目的とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】 図1において符号「5」は位置センサであり、射出スクリュー3の軸方向の位 置を検出して制御手段6のインターフェースI/Fに入力される。 また、流量制御弁9から送られる油流路には圧力センサ12が取り付けられて おり、射出用油圧シリンダ2に供給される油圧値を制御手段6のインターフェー スI/Fに入力される
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】 また、本実施例の制御手段6には、射出時間T1 を設定するための射出時間設 定器6c、速度変化量VX を設定するための速度変化量設定器6d、および充填 直前のスクリュー位置S1 を設定するためのスクリュー位置設定器6eがそれぞ れ接続されている。これら射出時間T1 、速度変化量VX 、および充填直前のス クリュー位置S1 各値を射出時間設定器6c、速度変化量設定器6d、および スクリュー位置設定器6eに設定する 。この充填直前のスクリュー位置S1 の求 め方については後述する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】 しかしながら、図3(A)のデータによれば、型内圧力がある一定の値以上に なると、射出スクリュー3の速度Vが急減することが理解される。 これは、以下の理由による。 すなわち、射出スクリュー3がノズル方向に移動し始め、キャビティ7a内へ の成形材料の射出が開始されると、この状態からキャビティ7a内に材料が充填 されるまでの間は、徐々にキャビティ内に材料が注入されて行くので、射出スク リュー3は射出用油圧シリンダ2に所定圧力で押されながら前進し続ける。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】 射出初期においては、キャビティ7a内は全く空の状態であるため、当初多量 の成形材料が注入されることになり、射出スクリュー3の速度Vが設定射出速度 迄上昇する 。 このようにしてキャビティ内に成形材料がゆきわたる迄射出スクリュー3の速 度Vが一定となる
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】 このような原理を利用して射出成形を行う場合には以下のように操作する。 まず、一次射出(充填工程)における油圧装置の油圧P1 と油流量Q1 (射出 速度V1 の換算値)、および二次射出(保圧工程)における油圧装置の油圧P2 と油流量Q2 (射出速度V2 の換算値)とを、圧力設定器6aおよび速度設定器 6bから制御手段6の中央演算処理部6fに入力される(ステップ1)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係る射出成形装置を示すブ
ロック図である。
【図2】同実施例に係る制御手段における処理手順を説
明するフローチャートである。
【図3】同実施例の切替え制御を説明するグラフであっ
て、(A)は定常射出状態、(B)は非定常射出状態に
おける射出位置・射出圧力と時間との関係を説明するグ
ラフである。
【図4】射出スクリュ位置と製品容積との関係を示すグ
ラフであって、同実施例の射出成形装置において充填直
前のスクリュ位置S1 を決定する方法を説明するための
グラフである。
【図5】従来の射出成形装置における切替え制御を説明
するグラフである。
【図6】従来の可変容量ポンプの特性を示すグラフであ
る。
【図7】従来の射出成形装置における充填不良品の発生
理由を説明するグラフであって、(A)は定常射出状
態、(B)は非定常射出状態における射出圧力・射出速
度と時間との関係を説明するグラフである。
【符号の説明】
1…押出機 2…射出用圧力シリンダ 2a…ピストン 3…射出スクリュー 4…ノズル 5…位置センサ 6…制御手段 6a…圧力設定器 6b…速度設定器 6c…射出時間設定器 6d…速度変化量設定器 6e…スクリュー位置設定器 6f…中央演算処理部(CPU) 7…成形型 7a…キャビティ 8…圧力制御弁 9…流量制御弁 10…加熱シリンダ 11…可変容量ポンプ(油圧ポンプ) 12…圧力センサ P1 …一次射出圧 P2 …二次射出圧 V1 …一次射出速度 V2 …二次射出速度 VX …速度変化量 S1 …充填直前のスクリュー位置 T1 …射出時間
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月28日
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係る射出成形装置を示すブ
ロック図である。
【図2】同実施例に係る制御手段における処理手順を説
明するフローチャートである。
【図3】同実施例の切替え制御を説明するグラフであっ
て、(A)は定常射出状態、(B)は非定常射出状態に
おける射出位置・射出速度と時間との関係を説明するグ
ラフである。
【図4】射出スクリュ位置と製品容積との関係を示すグ
ラフであって、同実施例の射出成形装置において充填直
前のスクリュ位置S1 を決定する方法を説明するための
グラフである。
【図5】従来の射出成形装置における射出速度変化を検
出して切替え制御を説明するグラフである。
【図6】可変容量ポンプの特性を示すグラフである。
【図7】従来の射出成形装置における充填不良品の発生
理由を説明するグラフであって、(A)は定常射出状
態、(B)は非定常射出状態における射出圧力・射出速
度と時間との関係を説明するグラフである。
【符号の説明】 1…押出機 2…射出用圧力シリンダ 2a…ピストン 3…射出スクリュー 4…ノズル 5…位置センサ 6…制御手段 6a…圧力設定器 6b…速度設定器 6c…射出時間設定器 6d…速度変化量設定器 6e…スクリュー位置設定器 6f…中央演算処理部(CPU) 7…成形型 7a…キャビティ 8…圧力制御弁 9…流量制御弁 10…加熱シリンダ 11…可変容量ポンプ(油圧ポンプ) 12…圧力センサ P1 …一次射出圧 P2 …二次射出圧 V1 …一次射出速度 V2 …二次射出速度 VX …速度変化量 S1 …充填直前のスクリュー位置 T1 …射出時間
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】押出機(1)の射出用圧力シリンダ(2)
    に圧力流体を供給して射出スクリュー(3)をノズル
    (4)方向に所定圧力で移動させ、前記ノズル(4)か
    ら溶融状態の成形材料を所定の射出圧力で射出する射出
    成形装置において、 前記射出スクリュー(3)の位置(S)を検出する位置
    センサ(5)と、 前記位置センサ(5)からの情報に基づいて前記射出ス
    クリュー(3)の移動速度(Vt )を演算し、前記位置
    センサ(5)により検出された前記射出スクリューの位
    置(S)が予め設定された充填直前の位置(S1 )に達
    したときの前記射出スクリューの移動速度(VS1)を記
    憶すると共に、この記憶された充填直前の位置(S1
    における前記射出スクリューの移動速度(VS1)と予め
    設定された速度変化量(VX )とに基づいて切替えタイ
    ミングを判断し、前記射出用圧力シリンダ(2)に供給
    される圧力流体の圧力または流量を制御する制御手段
    (6)とを有することを特徴とする射出成形装置。
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