JP4356070B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ノズル開口から液滴を吐出する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置に関する。
従来の液体噴射装置の代表例としては、画像記録用のインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置がある。その他の液体噴射装置としては、例えば液晶ディスプレー等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッドを備えた装置、有機ELディスプレー、面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッドを備えた装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料噴射ヘッドを備えた装置等が挙げられる。
液体噴射装置の代表例であるインクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。
このようなインクジェット式記録装置は、一般に、キャリッジに搭載されて記録紙等の記録媒体の幅方向(ヘッド走査方向)に往復移動するインクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)と、記録媒体をヘッド走査方向と直交する方向(媒体送り方向)に移動させる媒体送り手段と、を備えている。
インクジェット式記録装置においては、印刷データに対応して記録ヘッドより記録媒体に対してインク滴(液滴)を吐出させることで印刷が行われる。そして、キャリッジ上に搭載される記録ヘッドを、例えばブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色のインクの吐出が可能なものとすることにより、ブラックインクによるテキスト印刷ばかりでなく、各インクの吐出割合を変えることによりフルカラー印刷を可能としている。
インクジェット式記録装置においては、使用開始時において記録ヘッド内のインク流路にインクを充填するために、或いはインク溶媒の揮散によるノズル開口の目詰まりを防止するために、記録ヘッドのノズル開口からインクを強制的に吸引排出させるインク吸引機能を備えている。記録ヘッドの目詰まりを解消するために、或いは記録ヘッド内の残留気泡を排出するために実施されるインクの強制的な排出処理は、クリーニング操作と呼ばれる。そして、このクリーニング操作は、記録装置における長時間の休止後に印刷を再開する場合や、ユーザが印字かすれ等の印字品質不良を認識し、クリーニングスイッチを操作した場合等に実行される。
クリーニング操作においては、記録ヘッドのノズル形成面をキャッピング手段により封止し、キャッピング手段内に負圧を作用させることで、記録ヘッドのノズル開口よりインクを排出させるとともに、キャッピング手段内に排出されたインクを吸引して廃インクタンクに送り出す。その後、ゴムなどの弾性板からなるワイピング手段により、記録ヘッドのノズルプレートのノズル形成面を払拭(ワイピング)するシーケンスが実行される。
キャッピング手段内に負圧を与えるための手段としては、比較的構造が簡単で小形化が図りやすく、しかもインクを吸引および排出する機構部分で汚染を生じさせない、いわゆるチューブポンプが一般に用いられている。このチューブポンプは、図15に示したように、一部を円環状に湾曲させてポンプフレーム(図示せず)でその外周を支持した可撓性チューブ50と、紙送りモータ等の動力を利用して可撓性チューブ50の円環状部の内周を転動させるローラ部材51とを備えている。
そして、このチューブポンプにおいては、ローラ部材51が可撓性チューブ50の円環状部を順次押し潰しながら回転し、これにより、可撓性チューブ50内に圧力を発生させてキャッピング手段に負圧を与える。このようにして記録ヘッドから負圧により強制的にインクを排出させるとともに、さらにキャッピング手段内に排出されたインクを吸引して廃インクタンクに送り出す。
また、チューブポンプの構造としては、図15に示したような、円環状に湾曲させたチューブ50同士を互いに逆方向に引き出して交差させる構造に代えて、図16に示したように、円環状に湾曲させた可撓性チューブ50の両端を同方向に引き出して同一平面内で束ねる構成が提案されている。この構成によれば、図15に示したチューブポンプのようなチューブ交差部が存在しないので、チューブポンプ全体としての厚みが薄くなり、例えばポンプ容量を増やすために2本のチューブ50を並置したような場合でも、その厚みはチューブ径の2倍に収まる。
特開平7−253082号公報 特開2003−239872号公報 特開2002−130153号公報
上述した従来のインクジェット式記録装置においては、停止状態にあるチューブポンプを始動させる際、ローラ部材51の始動位置を制御することなく、任意の位置からローラ部材51が回転を始めるようにしていた。
ところが、図15又は図16に示したチューブポンプは、その構造上、ローラ部材51の始動位置によって吸引量が変化してしまう。このため、特に吸引量(回転量)の設定値が小さい場合、ローラ部材51の始動位置が変わることによって実際の吸引量にバラツキが生じてしまうという問題があった。
この問題について詳述すると、図15又は図16に示したチューブポンプにおいては、その構造上、可撓性チューブ50をローラ部材51によって押しつぶすことができない位置、即ちリークポイントが存在し、このリークポイントにローラ部材51が停止した場合には、チューブポンプにおいて流体の漏洩が生じ得る。具体的には、図15に示したチューブポンプにおいては可撓性チューブ50同士が交差している部分Xがリークポイントとなり、図16に示したチューブポンプにおいては可撓性チューブ50同士を束ねた部分Xがリークポイントとなる。
そして、吸引操作の開始時において、図17(a)に示したようにリークポイントXから遠い位置からローラ部材51が始動した場合には、始動開始位置からリークポイントXまでの距離が長いので、それに応じて吸引量が増大する。一方、図17(b)に示したようにリークポイントXに近い位置からローラ部材51が始動した場合には、回転開始後に少し負圧が生じた時点でリークポイントXに達し、そこでのリークによって負圧の大きさが減少し、それに応じて吸引量が減少してしまう。
図17(c)は、ポンプ回転時間[秒]と負圧の大きさ[−Pa]との関係を示したグラフであり、同グラフ中の符号Aは図17(a)の状態から吸引操作を開始した場合の負圧曲線を示し、符号Bは図17(b)の状態から吸引操作を開始した場合の負圧曲線を示している。さらに、図17(c)のグラフでは、リークポイントを持たないポンプにおける負圧曲線を比較のために示している。
図17(c)から分かるように、ケースA及びケースBのいずれにおいても、ローラ部材51がリークポイントXに達した時点で負圧の大きさが減少してしまうので、リークポイントを持たないポンプに比べると吸引量が低下している。そして、リークポイントXでのリークに伴う吸引量の低下の度合いが、ケースA(図17(a))の場合よりもケースB(図17(b))の場合の方が大きい。
このように、リークポイントXを有するチューブポンプにおいては、ローラ部材51の始動位置が変わることによって実際の吸引量にバラツキが生じてしまい、吸引量の設定値が小量の場合には±30%程度のバラツキが発生し、吸引量の設定値が中量の場合には±10%程度のバラツキが発生する。なお、吸引量の設定値が大量の場合には±5%程度のバラツキとなり、この程度のバラツキは許容範囲と考えられるので、大量吸引の場合にはローラ部材51の始動位置は問題とならない。
また、吸引操作の終了時にチューブポンプを停止させた際、ローラ部材51がリークポイントXの位置で停止すると、チューブポンプによって一旦吸引したインクが、負圧状態にあるキャッピング手段側に逆流してしまう。このようなインクの逆流が生じると、キャッピング手段の内部の負圧解除が正常に行われず、混色や不吐出等の印刷不良を引き起こす原因となる。
さらに、従来のポンプチューブの中には、U字状に湾曲させた可撓性チューブに一対のローラ部材を押圧する型式のものがある。この種のポンプチューブにおいては、ローラ部材の公転動作に伴って、一対のローラ部材のうちの一つだけでチューブを押圧している状態と、両方のローラ部材でチューブを押圧している状態とが発生する。そして、両方のローラ部材がチューブに押圧されている状態では、一つのローラ部材がチューブに押圧されている状態に比べて、チューブポンプの駆動源であるモータに対する負荷が2倍になってしまう。
そして、両方のローラ部材による押圧状態がローラ部材の公転開始の直後に発生すると、ローラ部材の公転速度が設定値に達する前にポンプのモータに高負荷が加えられることになる。ローラ部材の公転速度が小さい状態においてはローラ部材の慣性力も小さいので、ポンプのモータに高負荷が加えられるとモータが脱調してしまう可能性がある。
このモータの脱調の問題は、図17(a)、(b)に示した円環状チューブを有するチューブポンプのリークポイントXの位置においても起こり得る。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたものであって、その目的とするところは、チューブポンプによる液体吸引操作における吸引量のバラツキをなくすことができる液体噴射装置を提供することにある。
また、本発明は、吸引終了時におけるチューブポンプのリークを防止することができる液体噴射装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、チューブポンプの駆動源の動作不良を防止することができる液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明による液体噴射装置は、液滴が吐出されるノズル開口を有する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面を封止して密閉空間を形成し得るキャッピング手段と、前記ノズル形成面を封止した前記キャッピング手段の内部の流体を排出するチューブポンプであって、円環状に湾曲させて両端を同方向に引き出して同一平面内で束ねた可撓性のチューブ部材と、前記チューブ部材の円環状の湾曲部を内側から押圧して変形させながら前記湾曲部の内周を転動することにより前記チューブ部材内に負圧を発生させるローラ部材と、を有し、前記ローラ部材による前記湾曲部の押圧変形量が前記チューブ部材内に負圧を発生させるのに不十分となるリークポイントが前記チューブ部材を束ねた部分に存在し、前記ローラ部材を前記湾曲部の内周に沿って転動させながら複数回公転させることで前記負圧が増大するチューブポンプと、前記湾曲部の内周に沿った前記ローラ部材の公転動作の位相を検出する位相検出手段と、前記チューブポンプの動作を制御する制御手段であって、前記ローラ部材を複数回公転させた後で、前記位相検出手段により検出された前記ローラ部材の公転動作の位相に関する情報に基づいて、前記ローラ部材を前記リークポイントを外した所定の位置に停止させる機能を有する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、好ましくは、前記所定の位置は、前記湾曲部において前記リークポイントに対向する位置である。
また、好ましくは、前記制御手段は、吸引操作の終了時に前記チューブポンプを停止させる際に前記ローラ部材を前記所定の位置に停止させる機能を有する。
また、好ましくは、前記チューブポンプは、前記ローラ部材を逆転させることにより前記チューブ部材に対する前記ローラ部材の押圧状態が解除されるように構成されており、前記制御手段は、吸引操作の終了時に前記ローラ部材を停止させた後、前記ローラ部材を逆転させて前記所定の位置に停止させる機能を有する。
上記課題を解決するために、本発明の参考例による液体噴射装置は、液滴が吐出されるノズル開口を有する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面を封止して密閉空間を形成し得るキャッピング手段と、前記ノズル形成面を封止した前記キャッピング手段の内部の流体を排出するチューブポンプであって、湾曲部を有する可撓性のチューブ部材と、前記チューブ部材を押圧して変形させながら前記湾曲部の内周を転動するローラ部材と、を有するチューブポンプと、前記湾曲部の内周に沿った前記ローラ部材の公転動作の位相を検出する位相検出手段と、前記位相検出手段により検出された前記ローラ部材の公転動作の位相に関する情報に基づいて前記チューブポンプの前記ローラ部材の公転動作を制御する制御手段であって、液体吸引に必要な負圧を発生し得ない低速回転にて前記ローラ部材を所定の位置に移動させた後、液体吸引に必要な負圧を発生し得る高速回転にて前記ローラ部材を公転させる機能を有する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、好ましくは、前記制御手段は、前記ローラ部材の公転動作を停止させることなく前記低速回転から前記高速回転に切り換える。
また、好ましくは、前記制御手段は、前記低速回転にて前記ローラ部材を前記所定の位置に移動させた後、前記ローラ部材の公転動作を一旦停止させ、しかる後に前記高速回転を開始する。
上述の本発明及びその参考例において、好ましくは、前記チューブ部材の前記湾曲部は円環状を成している。
また、好ましくは、前記位相検出手段は、前記ローラ部材の公転動作に同期して回転する回転体と、前記回転体の回転動作の位相を検出する検出器と、を有する。
また、好ましくは、前記回転体は切り欠き部を有し、前記検出器は前記切り欠き部における検出信号の変化に基づいて前記回転体の回転動作の位相を検出する。
また、好ましくは、前記検出器は、前記回転体に向けて光を放射する発光部と、前記発光部から放射された光を受ける受光部と、を有する。
以上述べたように本発明によれば、位相検出手段により検出されたローラ部材の公転動作の位相に関する情報に基づいて、制御手段がローラ部材を所定の位置にて停止させることができるので、リークポイントが存在するチューブポンプにおいても、チューブポンプの始動時におけるローラー部材の始動位置を常に一定にすることが可能であり、これにより、例えば吸引量が少ない吸引操作を実施する場合でも、実際の吸引量にバラツキが生じることを防止することができる。
しかも、上述した所定の位置をチューブポンプのリークポイントから外れた位置に設定すると共に、制御手段によって、吸引操作終了時におけるローラ部材の停止位置を、リークポイントから外れた所定の位置とすることによって、吸引操作終了時におけるチューブポンプでのリークを防止してインクの逆流を阻止することができる。
また、本発明の参考例によれば、位相検出手段により検出されたローラ部材の公転動作の位相に関する情報に基づいて、制御手段が、液体吸引に必要な負圧を発生し得ない低速回転にてローラ部材を所定の位置に移動させた後、液体吸引に必要な負圧を発生し得る高速回転にてローラ部材を公転させることができるので、ポンプ駆動源への負荷が高くなるポイントが存在するチューブポンプにおいても、当該高負荷ポイントに対する上述の所定の位置の関係を最適化することによって、チューブポンプの駆動源の動作不良を防止することができる。
以下、本発明による液体噴射装置の一実施形態としてのインクジェット式記録装置について図面を参照して説明する。
本実施形態によるインクジェット式記録装置は、複数のノズル開口のそれぞれに連通する各圧力室に対応して設けられた各圧力発生素子により、各圧力室内のインクに圧力変動を生じさせて各ノズル開口からインク滴(液滴)を吐出させるインクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッドの一例)を備えている。圧力発生素子としては、例えば圧電振動子を用いることができる。
図1は、本実施形態によるインクジェット式記録装置の概略構成を示した斜視図である。図1中符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はキャリッジモータ2により駆動されるタイミングベルト3を介して、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向に往復移動されるように構成されている。プラテン5は、記録紙6(記録媒体の一例)をその裏面から支持して記録ヘッド12に対する記録紙6の位置を規定する。
記録ヘッド12は、キャリッジ1の記録紙6に対向する側に搭載されている。また、キャリッジ1には、記録ヘッド12にインクを供給するインクカートリッジ7が着脱可能に装着されている。
図2に示したように記録ヘッド12には複数のノズル開口14及びこれらに連通する複数の圧力室15が形成されており、圧力室15内のインクに圧力変動を生じさせてノズル開口14からインク滴を吐出させることができる。
図1に示したように、インクジェット式記録装置の非印刷領域であるホームポジション(図1中、右側)にはキャッピング手段13が配置されている。このキャッピング手段13は、キャリッジ1に搭載された記録ヘッド12がホームポジションに移動した時に、図2に示した位置から上昇して記録ヘッド12のノズル形成面に押し当てられ、ノズル形成面との間に密閉空間を形成するように構成されている。そして、キャッピング手段13の下方には、キャッピング手段13により形成された密閉空間に負圧を与えてインクを吸引するためのチューブポンプ10が配置されている。
キャッピング手段13の印刷領域側の近傍には、ゴムなどの弾性板を備えたワイピング手段11が記録ヘッド12の移動軌跡に対して例えば水平方向に進退できるように配置されている。このワイピング手段11は、キャリッジ1がキャッピング手段13上を移動するに際して、必要に応じて記録ヘッド12のノズル形成面を払拭することができるように構成されている。
このインクジェット式記録装置は、さらに、記録ヘッド12により印刷(記録)が行われる記録紙6をヘッド走査方向に対して直交する紙送り方向に間欠的に搬送する紙送り機構を備えている。
図3はチューブポンプ10の内部構造を示し、図3に示したようにこのチューブポンプ10は、円環状に湾曲させた可撓性チューブの両端を同方向に引き出して同一平面内で束ねる形式のものである。チューブポンプ10は、円環状部20aを含むチューブ部材20と、チューブ部材20の円環状部20aの内周を転動するローラ部材21と、このローラ部材21を回転可能に支持すると共に回転軸25a周りに回転する回転板25と、回転板25を回転させることによりローラ部材21を公転させて、チューブ部材20の円環状部20aの内周に沿ってローラ部材21を転動させるモータ(駆動源)22と、有する。このモータ22は、紙送り機構のモータ等で兼用することができる。このチューブポンプ10は、ローラ部材21による押圧変形量が不十分となるリークポイントXを含んでいる。
なお、チューブポンプの構成としては、図3に示したような円環状に湾曲させた可撓性チューブの両端を同方向に引き出して同一平面内で束ねる形式に代えて、円環状に湾曲させたチューブ同士を互いに逆方向に引き出して交差させる構成(図15参照)を採用することもできる。
図4は、本実施形態におけるチューブポンプ10の概観を示した斜視図であり、図4中の符号24はポンプフレームを示し、このポンプフレーム24の内部に、図3に示したチューブ部材20の円環状部20aが収納されている。即ち、ポンプフレーム24の内面に、可撓性のチューブ部材20の外形を円環状に規制する支持面が形成されている。
図4に示したように、ポンプフレーム24の一側面から、ローラ部材21の公転動作に伴って回転する回転板25の回転軸25a(図3)と一体に回転する検出用回転軸26が突出している。この検出用回転軸26の先端には回転円板(回転体)27が取り付けられており、この回転円板27には切り欠き部27aが形成されている。
また、回転円板27の近傍には、回転円板27の回転動作の位相を検出するための光センサ28が、その発光部28a及び受光部28bによって回転円板27を非接触にて挟み込むようにして配置されている。この光センサ28は、回転円板27の切り欠き部27aにおける検出信号の変化に基づいて回転円板27の回転動作の位相を検出する。上述した検出用回転軸26、回転円板27及び光センサ28は、ローラ部材21の公転動作の位相を検出するための位相検出手段29を構成している。
図5は、本実施形態によるインクジェット式記録装置におけるクリーニング操作(吸引操作)を制御する制御回路等を示したブロック図である。図5に示したようにチューブポンプ10を構成するチューブ部材20の一端はキャッピング手段13に連通しており、他端は廃液タンク23に連通している。これにより、キャッピング手段13の内部空間に排出されたインク廃液は、チューブポンプ10を介して廃液タンク23に廃棄することができる。
図5中の符号30はホストコンピュータであり、このホストコンピュータ30にはプリンタドライバ31が搭載されている。そして、プリンタドライバ31のユーティリティ上で、入力装置およびディスプレイを利用して、既知の用紙サイズ、印刷モードの選択、フォント等のデータおよび印刷指令等が入力されるように構成されている。
そして、プリンタドライバ31から印刷制御手段32に対して印刷データが送出され、印刷制御手段32は受け取った印刷データに基づいてビットマップデータを生成し、このビットマップデータに基づいてヘッド駆動手段33により駆動信号を発生させて、記録ヘッド12からインクを吐出させるように構成されている。
ヘッド駆動手段33は、印刷データに基づく駆動信号の他に、クリーニング制御手段34の一部を構成するフラッシング制御手段35からのフラッシング指令信号を受けてフラッシングのための駆動信号を記録ヘッド12に出力するようにも構成されている。
クリーニング制御手段34は、さらに、インク吸引制御手段36を有しており、このインク吸引制御手段36は、クリーニング操作としてインク吸引を実施する際にチューブポンプ10の駆動を制御する。また、クリーニング制御手段34は、キャッピング手段13による記録ヘッド12のノズル形成面の封止状態/非封止状態を切換操作する。
また、キャリッジ駆動制御手段37は、印刷制御手段32及びクリーニング制御手段34からの駆動信号に基づいて、キャリッジ1を所定のポジションに移動させる。
以下、インク吸引制御手段36による制御内容について説明する。
インク吸引制御手段36は、位相検出手段29により検出されたローラ部材21の公転動作の位相に関する情報に基づいて、ローラ部材21を所定の待機位置に停止させる機能を有している。ここで、所定の待機位置とは、図3に示したリークポイントXを外した位置であり、好ましくは、チューブ部材20の円環状部20aにおいてリークポイントXに対向する位置P(図3に波線で示した位置)である。
そして、インク吸引制御手段36は、吸引操作終了時にチューブポンプ10を停止させる際に、位相検出手段29からの信号に基づいて、ローラ部材21を所定の待機位置Pに停止させる。なお、このリークポイントXに対向する所定の待機位置Pは、チューブ部材20の円環状部20a全体の中で最も押しつぶしやすい位置であり、この位置でローラ部材21を停止させることにより、チューブポンプ10のリークを確実に防止することができる。
図6は、インク吸引制御手段36における制御シーケンスの一例を示しており、前回の吸引操作が終了して、キャリッジ1の移動と共にキャッピング手段13が開放されたら(ステップ1)、光センサ28の検出信号がオンかオフかを判定する(ステップ2)。ここで、光センサ28の検出信号がオンになるのは、回転円板27の切り欠き部27aが光センサ28の位置に来て、発光部28aから放射された光が切り欠き部28aを通過して受光部28bに到達する場合である。一方、光センサ28の検出信号がオフになるのは、回転円板27の切り欠き部27a以外の部分が光センサ28の位置に来て、発光部28aから放射された光が回転円板27で遮断されて受光部28bに到達しない場合である。
そして、ステップ2において光センサ28がオフであると判定された場合には、モータ22を正転させ、光センサ28がオンになるまでローラ部材21を回転させる(ステップ3)。一方、ステップ2において光センサ28がオンであると判定された場合には、ステップ3を飛ばしてステップ4に進む。
ステップ4においては、モータ22を正転させて、光センサ28がオンからオフに変化するまでローラ部材21を公転させる。そして、光センサ28がオンからオフに変化した時点から、所定の回転量だけモータ22を正転させ、これによりローラ部材21を所定の回転量だけ公転させる(ステップ5)。このステップ5によって、ローラ部材21は、図3に示した所定の待機位置Pに配置される。
このようにしてローラ部材21を所定の待機位置Pに配置した状態で、キャリッジ1を移動させてキャッピング手段13により記録ヘッド12のノズル形成面を封止する(ステップ6)。そして、この状態でモータ22を正転させてローラ部材21を公転させ、キャッピング手段13の内部を排気して記録ヘッド12のノズル開口からインクを吸引する(ステップ7)。
このステップ7においてインク吸引操作を開始する際には、ローラ部材21は常に所定の待機位置Pから始動するので、例えば吸引量が少ない吸引操作を実施する場合でも、実際の吸引量にバラツキが生じることがない。
以上述べたように本実施形態によれば、インク吸引制御手段36は、位相検出手段29により検出されたローラ部材21の公転動作の位相に関する情報に基づいて、少なくとも次回の吸引動作を実施する前に、ローラ部材21を所定の待機位置Pにて停止させるようにしたので、チューブポンプ10の始動時におけるローラー部材21の始動位置が常に一定となる。このため、例えば吸引量が少ない吸引操作を実施する場合でも、実際の吸引量にバラツキが生じることを防止することができる。
しかも、本実施形態においては、上述した所定の待機位置Pを、チューブポンプ10のリークポイントXから外れた位置に設定すると共に、インク吸引制御手段36によって、吸引操作の終了時におけるローラ部材21の停止位置が所定の待機位置Pになるようにしたので、吸引操作終了時におけるチューブポンプ10でのリークを防止してインクの逆流を阻止することができる。
また、吸引操作が終了してチューブポンプ10を停止させた後は、キャッピング手段13内の負圧と記録ヘッド12内の負圧とが均衡状態となるのを待ってキャッピング手段13を開放するが、キャップ内負圧とヘッド内負圧とが均衡状態に移行する間にもインクは流れ続ける。従って、前記の如く吸引操作後のポンプ停止時におけるチューブポンプ10のリークを防止することにより、インク吸引量の減少を防止することができる。
なお、上述の実施形態においては、図3に示したように単一のローラ部材21を有するチューブポンプ10を例にとって説明したが、本発明の参考例が適用される液体噴射装置におけるチューブポンプは単一のローラ部材を有するタイプには限られず、例えば、図7(a)、(b)に示したような、一対のローラ部材21をチューブ部材20のU字状部20bに押圧するタイプのチューブポンプ10Aに適用することもできる。この種のチューブポンプ10Aにおいては、ローラ部材21がU字状のチューブ部材20を押圧変形させる区間を180度とすることによって、リークポイントをなくすことができる。
また、図7(a)、(b)に示したチューブポンプ10Aにおいては、回転板25に形成された屈曲した案内孔25bの中にローラ部材21の回転軸21aが挿入されており、回転板25の回転方向が切り替わることにより、ローラ部材21の回転軸21aが案内溝25bの端部間を移動する。図7(a)は、吸引操作時において回転板25が正転している状態を示しており、図7(b)は回転板25が逆転している状態を示している。
図7(b)から分かるように、回転板25の逆転時にローラ部材21の回転軸21aが位置している案内溝25bの端部は、案内溝25bの他方の端部よりも回転板25の半径方向内側に位置している。このため、このタイプのチューブポンプ10Aにおいては、回転板25を逆転させることにより、チューブ部材20に対するローラ部材21の押圧を解除することができる。
図8は、クリーニング制御手段34によって実行される吸引操作の他の制御シーケンスを示しており、ここでは、図7(a)、(b)に示したチューブポンプ10Aを使用している。
まず、キャリッジ1を移動させ、キャッピング手段13は開放状態とする(ステップ10)。この状態でチューブポンプ10のローラ部材21を低速にて正転方向に約1回転させ、ローラ部材21とチューブ部材21とを噛み合わせる(ステップ11)。次に、キャリッジ1を移動させ、キャッピング手段13によって記録ヘッド12のノズル形成面を密閉する(ステップ12)。
そして、キャッピング手段13を閉鎖状態としてローラ部材21の低速回転を継続する(ステップ13)。このときのローラ部材21の公転速度は、インク吸引に必要な大きさの負圧が発生しない程度の低速である。ローラ部材21を低速回転させながら、光センサ28の検出信号がオンになったか否かを判定する(ステップ14)。
光センサ28の検出信号がオンとなったら、低速回転状態にあるローラ部材21を、その回転動作を停止させることなく、インク吸引に必要な大きさの負圧を発生させる高速回転に切り換える(ステップ15)。ここで、光センサ28の検出信号のオフからオンへの切り替わりは、ローラ部材21の公転動作の1回転以内に行われるので、ローラ部材21の低速回転時におけるインクの吸引がより一層確実に防止される。
そして、インク吸引ステップ(ステップ15)では、必要吸引量の大小に応じた所定の回数だけローラ部材21が公転される。
インク吸引ステップが終了したら、負圧が解除されるまで約3秒間待った後(ステップ16)、キャリッジ1を移動してキャッピング手段13を開放状態とする(ステップ17)。この状態でローラ部材21を高速にて約5回転正転させて、キャッピング手段13内のインクを吸引排出する(ステップ18)。
次に、ワイピング手段11によって記録ヘッド12のノズル形成面を払拭する(ステップ19)。
最後に、ローラ部材21を高速にて約2回転逆転させて、チューブ部材20に対するローラ部材21の押圧状態を解除する(ステップ20)。
図8に示した上述の吸引操作シーケンスによれば、低速回転によるローラ部材21の位置合わせ操作から連続して高速回転による吸引操作を実施するようにしたので、吸引操作シーケンスの所要時間を短縮することができる。
また、図8に示した上述の吸引操作シーケンスは、吸引操作シーケンス中のチューブポンプ10Aのモータ22の負荷変動による脱調を防止する上でも有効であり、この点について図9(a)乃至(c)を参照して説明する。
図9(a)に示した一対のローラ部材21の両方がチューブ部材20のU字状部20bに押圧されている状態においては、図9(b)に示した一方のローラ部材21のみがチューブ部材20のU字状部20bに押圧されている状態に比べて、図9(c)に示したようにチューブポンプ10のモータ22に対する負荷が約2倍になる。
そこで、図8に示した上述の吸引操作シーケンスにおいて、ステップ13における低速回転中にローラ部材21を図9(a)に示した最大負荷位置を通過させ、その直後にステップ15においてローラ部材21の公転動作を高速回転に切り換えるように、ローラ部材21の公転動作を制御する。このようにすれば、モータ22の大きなトルクが得られる低速回転中に最大負荷位置を通過させることによりモータ22の脱調が防止され、しかも、ローラ部材21が再び最大負荷位置に到達した時点ではローラ部材21が十分に速い公転速度となっているので、ローラ部材21はその慣性力によって最大負荷位置を確実に通過し、ここでもまたモータ22の脱調を防止することができる。
図10は、クリーニング制御手段34によって実行される吸引操作の他の制御シーケンスを示している。
まず、キャリッジ1を移動させ、キャッピング手段13は開放状態とする(ステップ30)。この状態でチューブポンプ10のローラ部材21を低速にて正転方向に約1回転させ、ローラ部材21とチューブ部材21とを噛み合わせる(ステップ31)。
ローラ部材21の低速回転を継続させながら、光センサ28の検出信号がオンになったか否かを判定する(ステップ32)。このときのローラ部材21の公転速度は、インク吸引に必要な大きさの負圧が発生しない程度の低速である。
光センサ28の検出信号がオンとなったら、ローラ部材21の低速回転を継続させながら、キャリッジ1を移動させ、キャッピング手段13によって記録ヘッド12のノズル形成面を密閉する(ステップ33)。
続いて、ローラ部材21の回転速度を、インク吸引に必要な大きさの負圧を発生させる高速回転に切り換える(ステップ34)。そして、このインク吸引ステップでは、必要吸引量の大小に応じた所定の回数だけローラ部材21が公転される。
インク吸引ステップが終了したら、負圧が解除されるまで約3秒間待った後(ステップ35)、キャリッジ1を移動してキャッピング手段13を開放状態とする(ステップ36)。この状態でローラ部材21を高速にて約5回転正転させて、キャッピング手段13内のインクを吸引排出する(ステップ37)。
次に、ワイピング手段11によって記録ヘッド12のノズル形成面を払拭する(ステップ38)。
最後に、ローラ部材21を高速にて約2回転逆転させて、チューブ部材20に対するローラ部材21の押圧状態を解除する(ステップ39)。
図10に示した上述の吸引操作シーケンスによれば、低速回転によるローラ部材21の位置合わせ操作から連続して高速回転による吸引操作を実施するようにしたので、吸引操作シーケンスの所要時間を短縮することができると共に、チューブポンプ10Aのモータ22の負荷変動による脱調を防止することができる。
図11は、クリーニング制御手段34によって実行される吸引操作の他の制御シーケンスを示している。
まず、キャリッジ1を移動させ、キャッピング手段13は開放状態とする(ステップ40)。この状態でチューブポンプ10のローラ部材21を低速にて正転方向に約1回転させ、ローラ部材21とチューブ部材21とを噛み合わせる(ステップ41)。
ローラ部材21の低速回転を継続し(ステップ42)、光センサ28の検出信号がオンになったか否かを判定する(ステップ43)。光センサ28の検出信号がオンとなったら、ローラ部材21の回転を停止する(ステップ44)。
続いて、キャリッジ1を移動させ、キャッピング手段13によって記録ヘッド12のノズル形成面を密閉する(ステップ45)。そして、インク吸引に必要な大きさの負圧を発生させる高速回転にてローラ部材21を公転させる(ステップ46)。このインク吸引ステップでは、必要吸引量の大小に応じた所定の回数だけローラ部材21が公転される。
インク吸引ステップにおいて所定の回数だけローラ部材21を公転させたら、光センサ28の検出信号がオンになったか否かを判定し、(ステップ47)、光センサ28の検出信号がオンになったら、ローラ部材21の公転動作を停止する(ステップ48)。このときのローラ部材21の停止位置は、レリースポイント以外の特定の位置である。
続いて、負圧が解除されるまで約3秒間待った後(ステップ49)、キャリッジ1を移動してキャッピング手段13を開放状態とする(ステップ50)。この状態でローラ部材21を高速にて約5回転正転させて、キャッピング手段13内のインクを吸引排出する(ステップ51)。
次に、ワイピング手段11によって記録ヘッド12のノズル形成面を払拭する(ステップ52)。
最後に、ローラ部材21を高速にて約2回転逆転させて、チューブ部材20に対するローラ部材21の押圧状態を解除する(ステップ53)。
図11に示した上述の吸引操作シーケンスによれば、インク吸引操作終了時におけるローラ部材21の正転停止の位置を所定位置に制御するようにしたので、今回のインク吸引操作シーケンスにおけるローラ部材21の正転停止時から、次回のインク吸引操作シーケンスにおける高速回転開始時(インク吸引開始時)までのローラ部材21の公転回数を一定とすることにより、インク吸引開始時におけるローラ部材21の位置を一定とすることができる。
図12は、クリーニング制御手段34によって実行される吸引操作の他の制御シーケンスを示している。
まず、キャリッジ1を移動させ、キャッピング手段13は開放状態とする(ステップ60)。この状態でチューブポンプ10のローラ部材21を低速にて正転方向に約1回転させ、ローラ部材21とチューブ部材21とを噛み合わせる(ステップ61)。
次に、キャリッジ1を移動させ、キャッピング手段13によって記録ヘッド12のノズル形成面を密閉する(ステップ62)。続いて、ローラ部材21の回転速度を、インク吸引に必要な大きさの負圧を発生させる高速回転に切り換える(ステップ63)。このインク吸引ステップでは、必要吸引量の大小に応じた所定の回数だけローラ部材21が公転される。
インク吸引ステップが終了したら、負圧が解除されるまで約3秒間待った後(ステップ64)、キャリッジ1を移動してキャッピング手段13を開放状態とする(ステップ65)。この状態でローラ部材21を高速にて約5回転正転させて、キャッピング手段13内のインクを吸引排出する(ステップ66)。
次に、ワイピング手段11によって記録ヘッド12のノズル形成面を払拭する(ステップ67)。
そして、ローラ部材21を高速にて約2回転逆転させて、チューブ部材20に対するローラ部材21の押圧状態を解除する(ステップ68)。
続いて、ローラ部材21の回転速度を低速に切り換えて低速回転を継続させながら(ステップ69)、光センサ28の検出信号がオンになったか否かを判定する(ステップ70)。光センサ28の検出信号がオンとなったら、ローラ部材21の公転動作を停止する(ステップ71)。
図12に示した上述の吸引操作シーケンスによれば、インク吸引操作シーケンス終了時におけるローラ部材21の逆転停止時の位置を所定位置に制御するようにしたので、今回の吸引操作シーケンスにおけるローラ部材21の逆転停止時から、次回のインク吸引操作シーケンスにおける高速回転開始時(インク吸引開始時)までのローラ部材21の公転回数を一定とすることにより、インク吸引開始時におけるローラ部材21の位置を一定とすることができる。
以上、図8、図10、図11及び図12を参照して各種の吸引操作シーケンスについて説明したが、これらの説明から明らかなように、光センサ28によるローラ部材21の位置検出は、キャップ開状態、キャップ閉状態、及びキャップ開からキャップ閉への移行状態のいずれの状態において実施しても有効である。このように本発明は、各種の吸引操作シーケンスに幅広く適用することができる
また、図8、図10、図11及び図12に示した各種の吸引操作シーケンスを適宜組み合わせて実施することも可能であり、この場合でも、位相検出後のローラ部材21の公転回数を制御することにより、単一の光センサ28を用いてそれぞれの停止位置を個別に設定することができる。
また、本発明は、図13(a)に示したような、一対のローラ部材21をU字状のチューブ部材20に押圧する型式で且つリークポイントの存在するチューブポンプ10Bに適用することもできる。このチューブポンプ10Bにおいては、ローラ部材21がチューブ部材20のU字状部20cを押圧変形させる区間が180度よりも小さく、例えば170度である。このため、図13(a)で破線で示した位置にローラ部材21が来たときには、いずれのローラ部材21もチューブ部材20を押し潰しておらず、チューブポンプ10Bがリーク状態となる。
なお、図13(a)に示したチューブポンプ10Bの負荷曲線は図13(b)のようになる。上述の図9(c)に示した負荷曲線との比較から明らかなように、図13(a)に示した170度押圧型のチューブポンプ10Bは、図7(a),(b)に示した180度押圧型のチューブポンプ10Aに比べて最大負荷が小さい。
そして、図13(a)に示したチューブポンプ10Bに対して上述した各種吸引操作シーケンスを適用することにより、モータ22の脱調を防止できることに加えて、吸引量のバラツキを防止することができ、しかも、ポンプ停止時のポンプリークによるインクの逆流も防止することができる。
また、図3に示したチューブポンプ10においても、図14(a)乃至(c)に示したようにリークポイントXの部分でポンプ負荷が変動するが、上述した各種吸引操作シーケンスを適用することによって、図3に示したチューブポンプ10においてもモータ22の脱調を防止することができる。
本発明による液体噴射装置の一実施形態としてのインクジェット式記録装置の概略構成を示した斜視図。 図1に示したインクジェット式記録装置の記録ヘッド、キャリッジ、インクカートリッジ、及びキャッピング手段の部分を拡大して示した図。 図1に示したインクジェット式記録装置のチューブポンプの内部構造を拡大して示した図。 図1に示したインクジェット式記録装置のチューブポンプの概観を示した斜視図。 図1に示したインクジェット式記録装置における記録ヘッドのクリーニング操作(吸引操作)を制御する制御回路等を示したブロック図。 図1に示したインクジェット式記録装置のインク吸引制御手段における制御シーケンスの一例を示した図。 本発明の参考例が適用されたインクジェット式記録装置の他のチューブポンプの内部構造を拡大して示した図であり、(a)は正転時の状態を示し、(b)は逆転時の状態を示している。 本発明の参考例が適用されたインクジェット式記録装置における他の吸引操作シーケンスを示したフローチャート。 図7に示したチューブポンプの特性を説明するための図であり、(a)は一対のローラ部材の公転角度が90度又は270度の状態を示し、(b)は同公転角度が0度又は180度の状態を示し、(c)は同チューブポンプの負荷特性を示している。 本発明の参考例が適用されたインクジェット式記録装置における他の吸引操作シーケンスを示したフローチャート。 本発明の参考例が適用されたインクジェット式記録装置における他の吸引操作シーケンスを示したフローチャート。 本発明の参考例が適用されたインクジェット式記録装置における他の吸引操作シーケンスを示したフローチャート。 本発明が適用されたインクジェット式記録装置の他のチューブポンプを説明するための図であり、(a)は同チューブポンプの概略構造を示し、(b)は同チューブポンプの負荷特性を示している。 図3に示したチューブポンプの特性を説明するための図であり、(a)はローラ部材の公転角度が0度の状態を示し、(b)は同公転角度が180度の状態を示し、(c)は同チューブポンプの負荷特性を示している。 従来のインクジェット式記録装置におけるチューブポンプの一例を示した図。 従来のインクジェット式記録装置におけるチューブポンプの他の例を示した図。 従来のインクジェット式記録装置におけるチューブポンプの特性を説明するための図であり、(a)はリークポイントから正転方向に少し進んだ位置からローラ部材が始動する様子を示し、(b)はリークポイントから少し手前の位置からローラ部材が始動する様子を示し、(c)はポンプ回転時間と負圧の大きさを示したグラフである。
符号の説明
10、10A、10B チューブポンプ
12 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)
13 キャッピング手段
14 ノズル開口
15 圧力室
20 チューブ部材
20a チューブ部材の円環状部
20b チューブ部材のU字状部
21 ローラ部材
22 モータ(駆動源)
24 ポンプフレーム
25 回転板
25a 回転板の回転軸(ローラ部材の公転軸)
25b 案内溝
26 検出用回転軸
27 回転円板(回転体)
28 光センサ
28a 光センサの発光部
28b 光センサの受光部
29 位相検出手段
30 ホストコンピュータ
31 プリンタドライバ
32 印刷制御手段
33 ヘッド駆動手段
34 クリーニング制御手段
35 フラッシング制御手段
36 インク吸引制御手段
37 キャリッジ駆動制御手段

Claims (7)

  1. 液滴が吐出されるノズル開口を有する液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドのノズル形成面を封止して密閉空間を形成し得るキャッピング手段と、
    前記ノズル形成面を封止した前記キャッピング手段の内部の流体を排出するチューブポンプであって、円環状に湾曲させて両端を同方向に引き出して同一平面内で束ねた可撓性のチューブ部材と、前記チューブ部材の円環状の湾曲部を内側から押圧して変形させながら前記湾曲部の内周を転動することにより前記チューブ部材内に負圧を発生させるローラ部材と、を有し、前記ローラ部材による前記湾曲部の押圧変形量が前記チューブ部材内に負圧を発生させるのに不十分となるリークポイントが前記チューブ部材を束ねた部分に存在し、前記ローラ部材を前記湾曲部の内周に沿って転動させながら複数回公転させることで前記負圧が増大するチューブポンプと、
    前記湾曲部の内周に沿った前記ローラ部材の公転動作の位相を検出する位相検出手段と、
    前記チューブポンプの動作を制御する制御手段であって、前記ローラ部材を複数回公転させた後で、前記位相検出手段により検出された前記ローラ部材の公転動作の位相に関する情報に基づいて、前記ローラ部材を前記リークポイントを外した所定の位置に停止させる機能を有する制御手段と、を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記所定の位置は、前記湾曲部において前記リークポイントに対向する位置である請求項1記載の液体噴射装置。
  3. 前記制御手段は、吸引操作の終了時に前記チューブポンプを停止させる際に前記ローラ部材を前記所定の位置に停止させる機能を有する請求項1又は2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記チューブポンプは、前記ローラ部材を逆転させることにより前記チューブ部材に対する前記ローラ部材の押圧状態が解除されるように構成されており、
    前記制御手段は、吸引操作の終了時に前記ローラ部材を停止させた後、前記ローラ部材を逆転させて前記所定の位置に停止させる機能を有する請求項1記載の液体噴射装置。
  5. 前記位相検出手段は、前記ローラ部材の公転動作に同期して回転する回転体と、前記回転体の回転動作の位相を検出する検出器と、を有する請求項1乃至のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  6. 前記回転体は切り欠き部を有し、前記検出器は前記切り欠き部における検出信号の変化に基づいて前記回転体の回転動作の位相を検出する請求項記載の液体噴射装置。
  7. 前記検出器は、前記回転体に向けて光を放射する発光部と、前記発光部から放射された光を受ける受光部と、を有する請求項記載の液体噴射装置。
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