JP4720231B2 - 液体噴射装置及び液体噴射装置のクリーニング方法 - Google Patents
液体噴射装置及び液体噴射装置のクリーニング方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4720231B2 JP4720231B2 JP2005076868A JP2005076868A JP4720231B2 JP 4720231 B2 JP4720231 B2 JP 4720231B2 JP 2005076868 A JP2005076868 A JP 2005076868A JP 2005076868 A JP2005076868 A JP 2005076868A JP 4720231 B2 JP4720231 B2 JP 4720231B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tube
- rotation
- section
- unit
- motor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
このため、インクジェット式記録装置には、これらの現象を回避するためヘッドクリーニング装置が備えられている。
ポンプとしては、比較的構造が簡単で、且つ小型化が図り易いチューブポンプが用いられている(例えば、特許文献1)。
しかし、プーリ2がチューブ1を押し潰した状態が長く続くと、チューブ1の内壁同士が接触した状態で張り付き、インクがチューブ1内を通過し難くなり、ポンプの機能が損なわれる等の問題が生じる。
このため、回転板4には、プーリ2がチューブ1との距離を変更するための案内溝3が形成されている。具体的には、案内溝3の図において下側の端部が吸引端部3aとなり、上側の端部がレリース端部3bとなっている。
すなわち、チューブポンプがインクを吸引するときは、プーリ2が吸引位置である例えば、吸引端部3aに配置される。すると、プーリ2がチューブ1を押し潰すように配置され、この状態でプーリ2を図の矢印方向に移動させると、インクが吸引される。
以上のように、チューブポンプは、インクを吸引するときは、プーリ2の位置を吸引端部3aに配置する。そして、インクの吸引が終わると、プーリ2が案内溝3内を通って、レリース端部3bまで移動させられる構成となり、チューブ1の内壁が張り付いた状態で放置されることを防いでいる。したがって、インクが通過し難いチューブポンプとなることを未然に防いでいる。
そこで、チューブ1の内壁が張り付かないような材質にして、案内溝3を廃止することが考えられる。通常、インクジェット式記録装置では、印字をしていない時には、インクを吐出する記録ヘッドからのインクの蒸発を防ぐためにキャップで記録ヘッド面を覆う。このときキャップに接続するチューブポンプのチューブ1が押し潰されている状態であると、記録ヘッドからチューブポンプまでの空間は密閉状態となる。
ここで圧力変化が生じると、密閉状態のため圧力変化を吸収できず、記録ヘッドからインクを吐出するノズルに圧力がかかり、ノズル内のインクメニスカスが破壊されて、次回の印字時に正常な印字ができなくなるという問題が発生する。
そのため、インクジェット式記録装置ではクリーニングなどでポンプを使用するとき以外は、プーリ2でチューブ1を押し潰さないようにする必要があり、案内溝3を廃止することができなかった。
そして、案内溝3があると、プーリ2を吸引端部3aからレリース端部3bへ移動させる動作が必要である。
また、プーリ2が案内溝3内を確実に移動する機構を形成する必要があるため、製造コストが上昇するという問題もあった。
すなわち、当接部をチューブ部に沿って非吸引区間に移動させるだけで、当接部を吸引位置からレリース位置に移動させることができる。
したがって、従来のように、当接部を吸引位置からレリース位置に移動させるためカム等の特別な機構が必要ないので、チューブポンプの製造コストを低減することができる。
また、このようなカム等の特別な機構を形成することにより発生するカム等の動作不良の発生も未然に防止することができる。これにより、チューブポンプの液体吸引機能の不良の発生も防ぐことができる。
例えば、カム機構の動作不良で、当接部が吸引位置からレリース位置に移動せず、チューブ部の内壁の張り付き等が生じることを未然に防止することができる。このため、このチューブ部の内壁の張り付き等で生じるチューブポンプの液体の吸引機能の不良等を未然に防ぐことができる。
さらに、インク等の液体を吐出する記録ヘッドをキャップで覆っていても、チューブ部は押し潰されないので、圧力変動などにより、記録ヘッドのノズル内のインクメニスカスが破壊されることを抑制することができる。
すなわち、最大負荷部と非吸引区間とはチューブ部において固定位置に形成されている。このため、両者の相対位置は一定である。したがって、当接部が最大負荷部で停止したことを回転停止検出部で検出すれば、回転トルク制御部は、当接部を最大負荷部の位置から非吸引区間の位置に容易に移動させることができる。
前記構成によれば、回転停止検出部は、モータ部の回転の停止を電流波形の形状変化及び/又は電流波形の面積変化に基づいて検出する構成となっているので、モータ部の回転の停止を容易且つ迅速に判断することができる。
前記構成によれば、当接部を非吸引区間に配置させるための位相検出手段を有するので、容易且つ迅速に当接部をレリース位置等に配置することができる。
前記構成によれば、当接部が非吸引区間に達したときに、モータ部の回転トルクの伝達を解除させ、当接部を非吸引区間に配置させるための当接部配置手段を有する。このため、当接部配置手段によって当接部を正確に非吸引区間に配置させることができる。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明のチューブポンプを有する液体噴射装置の第1の実施の形態にかかるインクジェット式記録装置(以下「記録装置」という)10を示す概略斜視図である。
(記録装置10の全体構成の概略について)
図1に示すように、記録装置10は、フレーム11を有し、フレーム11にはプラテン12が配置されている。このプラテン12上には、図示しない紙送り機構により用紙Pが給送される構成となっている。
また、キャリッジ13は、ガイド部材14を介してプラテン12の長手方向へ移動可能に支持され、キャリッジモータ15によりタイミングベルト16を介して往復運動される構成となっている。
具体的には、記録ヘッド20は、インクを吐出するノズルを有し、圧電振動子の伸縮等によりノズルからインク滴が吐出される構成となっている。
キャリッジ13上には、インクを収容するインクカートリッジ17が着脱可能に搭載され、インクカートリッジ17から記録ヘッド20へインクが供給される構成となっている。
すなわち、キャリッジ13がプラテン12に沿って移動しながら、印刷データに基づいて、圧電振動子が伸縮されることで、記録ヘッド20から用紙Pにインクが吐出されて、印刷が行われる構成となっている。
キャリッジ13は、プラテン12に沿って移動することで、印刷領域TとホームポジションHとの間を移動可能な構成となっている。
ホームポジションHには、図1に示すように、ヘッドクリーニング機構30が配置されている。ヘッドクリーニング機構30には、キャップホルダ31とチューブポンプ100を有している。キャップホルダ31は、図示しない公知の昇降手段により上下動可能にフレーム11に設置されている。
また、ヘッドクリーニング機構30は、キャップ32を有している。キャップ32は、その上端縁が記録ヘッド20のノズルプレート等に当接して、記録ヘッド20のノズルを封止することが可能な構成となっている。
キャップ32には、その底部に図2に示すように、シート状のスポンジ32aが配置されている。このスポンジ32aは、キャップ32が記録ヘッド20に当接した状態で、記録ヘッド20のノズルと所定間隔をおいて対向し、記録ヘッド20のノズルから吐出されるインクを吸収する構成となっている。
さらに、図2に示すように、キャップ32には、その底面を貫通するように排出口32bが形成されている。
チューブポンプ100は、キャップ32が記録ヘッド20のノズルを封止した状態で、キャップ32内を減圧し、負圧にし、記録ヘッド20のノズルからインクを吸引し、フレーム11内に設けられている廃インクタンク33にインクを排出する構成となっている。
図3は、チューブポンプ100の主な構成等を示す概略図である。図3に示すように、チューブポンプ100は、液体である例えば、インクを吸引するためのチューブ部であるチューブ110を有している。
チューブ110は、円環状に湾曲させた可撓性チューブの両端を同方向に引き出して同一平面内で束ねる、円環形状を成している。
また、チューブポンプ100は、チューブ110の内周に沿って移動可能に配置されている単一の円柱部材の当接部である例えば、プーリ120を有している。プーリ120はプーリ中心軸121を中心に回転可能な構成となっている。
また、このプーリ120をチューブ110の内周に沿って移動させるために、チューブポンプ100は回転板130を有している。
この回転板130にモータ部である例えば、ステッピングモータ150が接続されている。
ステッピングモータ150が駆動すると、回転板130が回り、回転板130の回転でプーリ120がチューブ110の内周側を転動しながら移動する構成となっている。したがって、ステッピングモータ150は、プーリ120をチューブ110に沿って移動させるための回転トルクを発生させるモータ部の一例となっている。
一方、チューブ110は、図3に示すように、その構造上、円環形状の基端部であり、チューブ110を束ねた部分には、リークポイント111が形成される。
リークポイント111では、プーリ120とチューブ110との間に空間が存在するため、プーリ120によりチューブ110の押し潰さない部分である。
このため、プーリ120が図3のリークポイント111に位置するときは、プーリ120がチューブ110を押し潰さないので、チューブポンプ100を非吸引状態とすることができる構成となっている。
また、リークポイント111以外のチューブ110の部分が、プーリ120がチューブ110を押し潰しながら移動して、インクを吸引する吸引区間の一例となっている。
そして、ステッピングモータ駆動制御部151には、ステッピングモータ駆動用データ格納部152が接続されている。このステッピングモータ駆動用データ格納部152には、ステッピングモータ150の回転トルクに相当する電流値情報を段階的に小さくするための回転トルク漸減情報である例えば、電流値漸減等データ152aが格納されている。
電流値漸減等データ152aとしては、例えば、1.2Aから0.05Aずつ電流値を下げる等の電流値情報である。
また、ステッピングモータ駆動用データ格納部152には、停止電流値データ152bが格納される構成となっている。この停止電流値データ152bについては後述する。
すると、ステッピングモータ150が同じ回転トルクでプーリ120を移動させようとしても負荷の大小によってプーリ120の移動が妨げられることがある。
図4は、DCモータで回転板130を回し、プーリ120を移動させたときの負荷変動を電流値で示したグラフである。
図4の矢印は図3と同様に回転板130の回転方向を示すが、負荷(電流値)が一定している状態から急に負荷(電流値)が増大することが示されている(図4の矢印A参照)。この矢印Aは、図3の矢印Aに対応し、リークポイント111の直前の位置である。
したがって、プーリ120の移動による負荷(電流値)変動において大きな差が生じることはない。
その状態で、プーリ120がさらに進むと、プーリ120は、この盛り上がった矢印Aの部分を乗り越えるために、負荷(電流値)が増すことになり、図4に示すように、急に負荷(電流値)が増加するのである。
リークポイント111は、チューブ110からの反発力が小さいため、プーリ120は図5(a)に示すように、両側のチューブ110に挟まれるように、リークポイント111に安定して配置される。
その後、プーリ120が図5(a)の矢印方向へ更に移動しようとすると、プーリ120の移動しようとする力によって図5(b)に示すようにリークポイント111の直後である矢印Cの部分に大きな変形が生じる。
すなわち、プーリ120は、チューブ110からの反発力が最も弱いリークポイント111から変形によりチューブ110が盛り上がるように形成されている部分を昇るように移動しなければならない。
そこで、この矢印Cの部分は、図4の矢印Cで示すように最も負荷(電流値)が増大する部分となる。図4では、矢印Cの部分は負荷が「0.03Nm(0.7A)」となっている。
したがって、図4の矢印Bの部分から矢印Cの部分へ、すなわち、最小の負荷から最大の負荷へ急激に、プーリ120が移動する場合は、ステッピングモータ150の回転トルクが過負荷となり、ステッピングモータ150が停止することになる。
図4の場合は電流値0.7Aに相当する回転トルクで、矢印C部分を超えることができるが、電流値を0.65Aに設定すれば、矢印Cの部分を超えることなく、又は脱調を起こさせ、プーリ120の移動が停止することになる。
このように、矢印Cの部分は、プーリ120がチューブ110に沿って移動する際に、ステッピングモータ150の回転負荷が最大となる最大負荷部の一例となっている。
また、この矢印Cの部分は、固定であるため、固定の最大負荷部の一例となっている。
そして、矢印Cの部分とリークポイント111との距離は明らかであるため、ステッピングモータ駆動制御部151が、その距離分、ステッピングモータ150を回すことで、プーリ120をリークポイント111に配置させることができる構成となっている。
すなわち、従来のように、カム機構等を用いなくても、プーリ120をリークポイント111へ移動させることで、プーリ120をインクの吸引位置からレリース位置(非吸引位置)へと変化させることができる。
すなわち、リークポイント111では、チューブ110とプーリ120との間の距離が他の部分より大であるため、プーリ120がチューブ110を押し潰すことがない。このため、チューブ110の内壁同士が接触状態に維持されず、相互に張り付きインクの流れを阻害等することを未然に防ぐことができる。
このように、本実施の形態では、カム機構等を用いることなくチューブポンプ100の吸引機能の不良等の発生を未然に防ぐことができるので、カム機構の動作不良により生じるチューブポンプの吸引機能の不良の発生も未然に防ぐことができる。
さらに、カム機構等を用いないためチューブポンプ100の製造コストを低減させることができる。
チューブ110にへたり等が生じると、図5の矢印C部分の変形の程度が変わるため、ステッピングモータ150に対する回転負荷が変動するためである。
具体的には、例えば、当初、電流値1.2Aでステッピングモータ100を駆動させ、その後、1回転毎に0.05Aだけ電流値を下げる。すると、電流値が0.65Aまで下がると初めて、ステッピングモータ150は脱調等により停止する。そこで、この0.65Aを停止電流値としている。
図6は、電流波形の一例を示す図であり、(a)はステッピングモータ150が回転しているときの電流波形を示し、(b)はステッピングモータ150の回転が停止したときの電流波形を示すグラフである。
図6(a)の斜線で示した部分が、対象となる電流波形Mである。この電流波形Mの左側の立ち上がり部分は、図示されているように、斜めとなっている。これは、ステッピングモータ150の相切替に対してステッピングモータ150のロータが回転しているので、逆起電力が発生し、電流が遅れて入ってくるためである。
これは、ステッピングモータ150のロータが停止状態であるため、電流が遅れて入ることがないためである。
このように、電流波形の立ち上がり部分等の形状を判断することでステッピングモータ150が駆動(回転)しているか停止しているかを容易且つ迅速に判定することが可能となる。
具体的には、図6(a)の電流波形Mの斜線部分の面積の方が、図6(b)の電流波形Sの面積より小さいため、電流波形の面積変化を比べることでも、容易にステッピングモータ150が停止したか否かを判定することができる。
なお、電流波形の立ち上がり部分等の形状と、面積の変化とを併せて判断することも可能であり、この場合はより確実にステッピングモータ150の停止を判断することができる。
具体的には、電流波形が図6(b)となったときに、ステッピングモータ150が停止したと判断する。
すなわち、波形解析部153は、ステッピングモータ150の回転が図4の矢印Cの部分で停止したことを検出する回転停止検出部の一例である。
また、チューブポンプ100には、図3に示すように、波形解析用データ格納部155を有している、この波形解析用データ格納部155は、電流波形が図6のいずれの電流波形に該当するか否かを波形解析部153が判断するための判断用データを格納している。
具体的には、ステッピングモータ駆動制御部151は、ステッピングモータ駆動用データ格納部152の電流値漸減等データ152aを参照して、最初、1.2Aでモータを駆動させる。そして、0.05Aずつ電流値を下げ、波形解析部153がモータの停止を検知した電流値、例えば0.65Aを停止電流値とするように構成されている。
したがって、ステッピングモータ駆動制御部151は、波形解析部153の検出結果に基づいてプーリ120をリークポイント111に配置させる構成となっている。
このように、停止電流値データ152bが、ステッピングモータ駆動用データ格納部152内に登録されているので、その後、ステッピングモータ駆動制御部151が、次回の停止電流値を求める際の最初の電流値として、格納されている停止電流値データ152bを利用することができる。
すなわち、上述のように、最初から1.2Aとせず、前回の停止電流値データ152bである0.65Aに、例えば0.1Aを加えた0.75Aを初期値とすることができる。
そして、この0.75Aから段階的に0.05Aずつ電流値を下げることで迅速に停止電流値を求めることができる。
最初に、ヘッドクリーニング機構30を用いたクリーニング工程の全体について説明する。図7はクリーニング工程を示す概略フローチャートである。
先ず、図7のST11に示すようにキャップ32が閉状態となる。すなわち図3のキャップ32が上昇し、記録ヘッド20のノズルプレート面に当接して、キャップ32が閉空間となる。
次に、ST12に示すようにポンプモータであるステッピングモータ140を正転させる。具体的には、図3のプーリ120が矢印方向(時計回り方向)に移動することでキャップ側110aに負圧を発生させ、チューブポンプ100がインクの吸引を行う。
ST12は、吸引区間と非吸引区間とを移動してインクを吸引する吸引ステップの一例である。
このときのチューブポンプ100の回転トルクは、電流値で「1.2A程度」となる。このため。図4に示すように、矢印C部分で大きな負荷がかかってもプーリ120は停止することがない。
そこで、キャップ32内の雰囲気を負圧状態から時間をかけて大気圧状態に変えるステップである。
キャップ32内の負圧が解除された後、キャップ32は下降し、記録ヘッド20から離間する。
以上でクリーニングのための工程が終了する。このため、プーリ120をレリース位置に移動させる工程、すなわち、リークポイント111への移動工程が行われる(ST17)。
先ず、図8のST21に示すようにキャップ32を開状態とし、次に、ポンプモータの電流値を「1.2A」とする(ST22)。すなわち、図3のステッピングモータ駆動部制御部151がステッピングモータ駆動用データ格納部152内の電流値データ「1.2A」に従いステッピングモータ150を駆動させる。
次に、ST23に示すようにポンプモータを正転させる。すなわち、図3の矢印方向にプーリ120が1回転するように動作させる。
このとき、図3の波形解析部153がステッピングモータ150の電流波形を解析する。そして、ST24のように、電流波形を解析し、プーリ120が動作波形か否かを判断する。
すなわち、波形解析部153は、取得したステッピングモータ150の電流波形が、図6(b)のような、ステッピングモータ150が停止している電流波形か否かを判断する。具体的には、上述のように、その立ち上がり部等の形状や面積の変化等に基づいて判断する。
次に、ST25で、ポンプモータ電流値を「0.05A」だけ段階的に下げ、再びST23及びST24を行う。
本実施の形態では、ステッピングモータ150が脱調等により停止するのは、図4に示すように、例えば「0.65A」であるから、ステッピングモータ150の電流値が「0.65A」まで下がるまで、ST23乃至ST25が繰り返される。
そして、電流値が「0.65A」まで下がったときに初めて、電流波形が図6(b)の波形となり、図3の波形解析部153がステッピングモータ150の停止を把握する。
そして、そのときの電流値「0.65A」が図3の停止電流値データ152bとなる。
このように、電流値を段階的に下げ、最初のステッピングモータ150の停止の波形を把握することで、ステッピングモータ駆動制御部151は、図4の矢印C部分によってステッピングモータ150が停止したことを認識することができる。
また、プーリ120は常に、同じ位置で停止することになる。すなわち、図5(b)の位置、すなわちリークポイント111より矢印C部分に少し登ったところで停止する。
これにより、図5(b)の位置にあったプーリ120は矢印と反対方向に1/4回転(周)移動する程度にステッピングモータ150を駆動させる。
これにより、図5(b)のプーリ120は、リークポイント111へ戻るように移動する。このとき、図4の矢印A部分の負荷に相当する電流値は「0.5A」であり、電流値「0.45A」より大きいため、プーリ120は矢印Aの部分を昇ることなく、図5(a)に示すように、リークポイント111に正確に配置される。
以上のようにST24にて、プーリ120は、毎回必ず、リークポイント111に位置するように制御することができる。また、本実施の形態ではリークポイント111を、次回のインクの吸引動作の開始点としている。このため、毎回、必ず特定の位置からプーリ120がチューブ110に沿って吸引を開始するので、インクの吸引量のバラツキが生じないチューブポンプ100となっている。
次に、ST28でキャップ32を閉めることで、リークポイント移動工程は終了し、クリーニング工程も終了する。
なお、ST17のリークポイント移動工程は、ST15のポンプモータ正転の後に行っても良い。このとき、ポンプモータを正転させ、キャップ32内のインクを排出し、ポンプモータを減速させる工程と同期して、リークポイント移動工程(ST17)を行うことも可能である。
図9は、本発明の第2の実施の形態にかかる記録装置のチューブポンプ200を示す概略斜視図である。本実施の形態にかかる記録装置は、上述の記録装置10と多くの構成が共通するため、共通の構成は同一符号等として、説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
先ず、図9に示すように、チューブポンプ200はポンプフレーム201を有し、このポンプフレーム201内に、図3のチューブ110、回転板130及びプーリ120等が格納されている。
このポンプフレーム201から突出するように検出用回転軸202が形成されている。この検出用回転軸202は、図3の回転板130と一体に回転する構成となっている。
この検出用回転軸202の先端には検出用回転板203が取り付けられており、この検出用回転板203には、切り欠き部203aが形成されている。
すなわち、図9に示すように、発光部241aからの光は検出用回転板203によって遮られ、受光部241bで光を検出することができないが、検出用回転板203の切り欠き部203aの部分では、発光部241aの光を受光部241bが受光できる。
したがって、切り欠き部231aの位置を光センサ241で検知することで、プーリ120がチューブ110のどの部分に位置しているかを把握することができる。換言すれば、切り欠き部203aの通過を光センサ141が検知し、次に、切り欠き部203aの通過を検知したときは、プーリ120がチューブ110を1回転(周)したことになる。
そして、位置検出装置240が切り欠き部203aを検出したときに、プーリ120がリークポイント111に位置するように構成されている。
したがって、チューブポンプ200は、インクの吸引が終了し、プーリ120をリークポイント111へ移動させるときは、位置検出装置240の位相に基づき、光センサ241が光を受光したタイミングでステッピングモータ150の回転を止めることで、容易且つ迅速にプーリ120をリークポイント11に配置することができる。
すなわち、位相検出装置240は、プーリ120をリークポイント111に配置させるための位相検出手段の一例である。
図10は、本発明の第3の実施の形態にかかる記録装置のチューブポンプ300を示す概略分解斜視図である。本実施の形態にかかる記録装置は、上述の記録装置10と多くの構成が共通するため、共通の構成は同一符号等として、説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
本実施の形態ではチューブポンプ300は、第1の実施の形態のチューブ110、プーリ120及び回転板130等が収容されているポンプ本体310を有している。この回転板130と同期して回転する回転軸305aと、第2回転板305bが形成されている。
すなわち、第2回転板305bと回転軸305aが回転することで、回転板130が回転する構成となっている。
そして、第2回転板305bは、回転軸ストッパ304、第2の複合歯車303、第1の複合歯車302等を介してモータ301に接続されている。
したがって、モータ301の回転は、これらを介して第2の回転板305bに伝達させる構成となっている。
そして、この回転軸ストッパ104には、アームストッパ306が係止可能に配置されている。
すなわち、アームストッパ306の係止凸部306aが回転軸ストッパ304の係止凹部304bと係止したときに、回転軸ストッパ304は、第2の回転板305bと離間しモータ301の回転を伝達しない位置に移動する。これによりポンプ本体310内のプーリ120もその移動を停止する。
したがって、アームストッパ306を操作することで、プーリ120をリークポイント111に正確に配置させることができる。
このアームストッパ306、回転軸ストッパ304等が、プーリ120がリークポイント111に達したときに、モータ301の回転トルクの伝達を解除させ、プーリ120をリークポイント111に配置させるための当接部配置手段の一例となっている。
図11は、本発明の第4に実施の形態にかかる記録装置のチューブポンプ400の要部を示す概略説明図である。本実施の形態にかかる記録装置は、上述の記録装置10と多くの構成が共通するため、共通の構成は同一符号等として、説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
本実施の形態では、チューブポンプ400のチューブ410の形状がU字状となっている点及び2つのプーリ420a、420bがある点、さらに、リークポイントの位置が上述の各実施の形態と異なる。
このため、図11の破線で示した位置に2つのプーリ420a、420bが配置されたときは、いずれのプーリ420a、420bもチューブ410を押し潰していないため、この区間は非吸引区間であるリークポイントとなる。
すなわち、この170度の範囲が、吸引区間の一例である。また、2つのプーリ420a、420bは円柱部材でなっているので、本実施の形態では、2つの円柱部材のプーリ420a等が同時にリークポイントに配置される構成となっている。
本発明では、上述のチューブポンプ100等に代えて、本実施の形態にかかるチューブポンプ400を記録装置10に適用することができる。
図12は、本発明の第5の実施の形態にかかる記録装置のチューブポンプ500の要部を示す概略説明図である。本実施の形態にかかる記録装置は、上述の記録装置10と多くの構成が共通するため、共通の構成は同一符号等として、説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
本実施の形態のチューブポンプ500は、図12に示すように、一部を円環状に湾曲させたポンプフレーム(図示せず)でその外周を支持した可撓性のチューブ510と、この可撓性のチューブ510の円環状の内周を転動させるプーリ520を有している。
このプーリ520が移動することにより、キャップ32側からインクを吸引し、廃インクタンク33側にインクを排出する構成となっている。
そして、本実施の形態では、チューブ510同士が交差している部分がリークポイント511となる。
本発明では、上述のチューブポンプ100等に代えて、本実施の形態にかかるチューブポンプ500を記録装置10に適用することができる。
Claims (5)
- 液体を吸引するチューブ部と、前記チューブ部に沿って移動可能に配置される当接部と、前記当接部を前記チューブ部に沿って移動させるための回転トルクを発生させるモータ部と、を有するチューブポンプを備える液体噴射装置であって、
前記モータ部の前記回転トルクを変化させる回転トルク制御部と、
前記モータ部の回転が停止したことを検出する回転停止検出部と、
前記当接部が前記チューブ部を押し潰しながら移動して液体を吸引する吸引区間と、
前記当接部が前記チューブ部を押し潰さない非吸引区間と、を備え、
前記チューブ部は、前記当接部が前記チューブ部に沿って移動する際に、前記モータ部の回転負荷が最大となる最大負荷部を有し、
前記回転トルク制御部は、前記回転停止検出部が、前記最大負荷部により前記モータ部の回転が停止したことを検出した場合に、前記当接部を前記非吸引区間に配置する液体噴射装置。 - 液体を吸引するチューブ部と、前記チューブ部に沿って移動可能に配置される当接部と、
前記当接部を前記チューブ部に沿って移動させるための回転トルクを発生させるモータ部と、を有するチューブポンプを備える液体噴射装置であって、
前記当接部が前記チューブ部を押し潰しながら移動して液体を吸引する吸引区間と、
前記当接部が前記チューブ部を押し潰さない非吸引区間と、
前記モータ部の前記回転トルクを変化させる回転トルク制御部と、
前記モータ部の回転が停止したことを検出する回転停止検出部と、を備え、
前記チューブ部は、前記当接部が前記チューブ部に沿って移動する際に、前記モータ部の回転負荷が最大となる固定の最大負荷部を有し、
前記回転トルク制御部は、液体の吸引後において前記回転停止検出部が、前記最大負荷部により前記モータ部の回転が停止したことを検出した場合には、前記当接部を前記非吸引区間に配置する液体噴射装置。 - 前記回転停止検出部は、前記モータ部の回転の停止を電流波形の形状変化又は電流波形の面積変化に基づいて検出する、
請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置。 - 前記当接部が前記非吸引区間に達したときに、前記モータ部の回転トルクの伝達を解除させる当接部配置手段を有する請求項1乃至請求項3に記載の液体噴射装置。
- 液体を吸引するチューブ部と、前記チューブ部に沿って移動可能に配置される当接部と、
前記当接部を前記チューブ部に沿って移動させるための回転トルクを発生させるモータ部と、前記当接部が前記チューブ部を押し潰しながら移動して液体を吸引する吸引区間と、前記当接部が前記チューブ部を押し潰さない非吸引区間と、前記モータ部の前記回転トルクを変化させる回転トルク制御部と、前記モータ部の回転が停止したことを検出する回転停止検出部と、を有するチューブポンプを備える液体噴射装置のクリーニング方法であって、
前記チューブポンプの前記当接部が、前記吸引区間と前記非吸引区間を移動して液体を吸引する液体吸引ステップと、
前記液体吸引ステップ後、前記モータ部の回転が停止したか否かを判定する停止判定ステップと、
前記停止判定ステップにより前記モータ部の回転が停止したと判定された場合に、前記当接部を前記非吸引区間に配置させるリークポイント移動ステップと、
を有する液体噴射装置のクリーニング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005076868A JP4720231B2 (ja) | 2005-03-17 | 2005-03-17 | 液体噴射装置及び液体噴射装置のクリーニング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005076868A JP4720231B2 (ja) | 2005-03-17 | 2005-03-17 | 液体噴射装置及び液体噴射装置のクリーニング方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006256110A JP2006256110A (ja) | 2006-09-28 |
JP4720231B2 true JP4720231B2 (ja) | 2011-07-13 |
Family
ID=37095846
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005076868A Expired - Fee Related JP4720231B2 (ja) | 2005-03-17 | 2005-03-17 | 液体噴射装置及び液体噴射装置のクリーニング方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4720231B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004042577A (ja) * | 2002-07-16 | 2004-02-12 | Dainippon Printing Co Ltd | 駆動制御チューブポンプおよびインクジェット記録装置 |
JP2004076868A (ja) * | 2002-08-20 | 2004-03-11 | Piolax Inc | 部品の取付構造 |
JP2004136508A (ja) * | 2002-10-16 | 2004-05-13 | Seiko Epson Corp | 液体噴射装置 |
-
2005
- 2005-03-17 JP JP2005076868A patent/JP4720231B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004042577A (ja) * | 2002-07-16 | 2004-02-12 | Dainippon Printing Co Ltd | 駆動制御チューブポンプおよびインクジェット記録装置 |
JP2004076868A (ja) * | 2002-08-20 | 2004-03-11 | Piolax Inc | 部品の取付構造 |
JP2004136508A (ja) * | 2002-10-16 | 2004-05-13 | Seiko Epson Corp | 液体噴射装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006256110A (ja) | 2006-09-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0540344B1 (en) | Recovery mechanism and an ink jet recording apparatus using the recovery mechanism | |
US7575296B2 (en) | Liquid ejection apparatus with liquid wiper device | |
US6189998B1 (en) | Space saving ink jet recovery device and ink jet recording apparatus using the same | |
US8602521B2 (en) | Cap device, maintenance device, and liquid ejecting apparatus | |
JP5957960B2 (ja) | 液体噴射装置 | |
WO2005100031A1 (ja) | 液体噴射装置のクリーニング方法及び液体噴射装置 | |
JP4356070B2 (ja) | 液体噴射装置 | |
JP4720231B2 (ja) | 液体噴射装置及び液体噴射装置のクリーニング方法 | |
JP4586978B2 (ja) | 記録ヘッドのキャッピング装置、記録装置、および、液体噴射装置。 | |
JP4655142B2 (ja) | 液体噴射装置 | |
JP5274115B2 (ja) | インクジェット記録装置及びその制御方法 | |
JP4835834B2 (ja) | 記録ヘッドのキャッピング装置、記録装置および液体噴射装置 | |
JP2006249933A (ja) | チューブポンプ、液体噴射装置及びチューブポンプの制御方法 | |
JP4687274B2 (ja) | 液体噴射装置および液体払拭装置 | |
JP2007152584A (ja) | 液体噴射装置及び液体噴射装置におけるフラッシング方法 | |
JP2006257974A (ja) | チューブポンプ、液体噴射装置及びチューブポンプの制御方法 | |
JP4687397B2 (ja) | 液体噴射装置およびそのポンプ制御方法 | |
JP2006242145A (ja) | チューブポンプ、液体噴射装置及びチューブポンプの制御方法 | |
JP2006258051A (ja) | チューブポンプ、液体噴射装置及びチューブポンプの制御方法 | |
JP4687444B2 (ja) | チューブポンプ及び液体噴射装置 | |
JP2001138545A (ja) | インクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドのクリーニング制御方法 | |
JPH1067116A (ja) | インクジェット方式の画像形成装置 | |
US5934889A (en) | Pump driven by cam having the cylinder supported by the cam shaft | |
JP2019199022A (ja) | インクジェット記録装置、および回復装置 | |
JP2007205222A (ja) | チューブポンプ及び液体噴射装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20070404 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20071205 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100901 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100907 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101102 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101130 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110118 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110308 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110321 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140415 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |