JP4354877B2 - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に適用される光走査装置に関し、詳しくは、被走査面をレーザ光等で走査して、被走査面に静電潜像を形成する光走査光学装置に関するものである。
レーザプリンタ等の画像形成装置には、被走査面としての感光体の表面をレーザ光で走査して静電潜像を形成する光走査装置が備えられている。この光走査装置は、レーザ光源、コリメ−タレンズ(第1の光学系)、シリンドリカルレンズ(第2の光学系)、ポリゴンミラー(光偏向器)、走査結像素子(第3の光学系)及びこれらを収容するハウジングから主に構成されており、レーザ光源から発せられたレーザ光を、コリメ−タレンズを通過させた後、シリンドリカルレンズで光束を絞り高速回転するポリゴンミラーに入射し、このポリゴンミラーで走査し、走査結像素子を通過させて、感光体の表面に導いて露光走査する。
上述の走査結像素子の主な目的は、感光体上におけるレーザのビームスポット径を可能な限り小さくすることと、感光体上におけるレーザのビームを略一定の速度で走査することである。これらの目的を満足するために、走査結像素子に振動等の悪影響が及ばないように、走査結像素子はハウジングに固定されている。
また、従来では、走査結像素子としての光学レンズと、この光学レンズを保持するための保持部よりも高さの低い領域との間に接着剤層を設けることによって、光学レンズを固定する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、ハウジングに走査結像素子の主走査方向における略中央部をハウジングに固定するための第1の突起と、主走査方向における両端部をそれぞれ支持する第2の突起部と、上記走査結像素子を第1の突起部に固定する固定手段を有する光走査装置が提案されている(例えば特許文献2参照)。
実開昭62−173707号公報 特開平11−142758号公報
近年、レーザプリンタ等の画像形成装置のプリント速度の高速化、及び画像形成装置の小型化が加速している。高速化の影響として、ポリゴンモータの回転数が上昇し、ポリゴンスキャナの発熱量が増えている。オイル同圧軸受を使用したポリゴンモータでは、かつて25,000rpmくらいが限界とされてきたが、技術の進歩で40,000rpmを超えるような領域まで使用可能になってきている。
ただ、回転数の上昇で温度が上昇する傾向は同じで、ポリゴンスキャナの周囲をアルミダイキャストで覆い放熱効果を高めたり、ポリゴンモータのドライバ部(PCB)を軸受部と離し、光走査装置外部に設置して内部に熱がこもらないような対策が取られている。
一方小型化の影響としては、画像形成装置内部のスペ−スが減少し、空気の流れが悪くなることで熱がたまりやすくなり、こちらも装置内部の温度を上昇させる原因になっている。また、フルカラ−の画像形成装置においては省スペ−ス、低コスト化の観点から偏向器を1個にして、折り返しミラーを多用してできるだけコンパクトにハウジングに納めようとしている。そうした場合、ミラー等が風の流れを遮り、熱が溜まりやすくなっている。
この対策方法としては、ファン等により強制的に風を起こし、画像形成装置外部に放熱することで温度上昇を抑えている。どちらのケ−スも別部品を追加することでコストアップになると共に、部品設置のスペ−ス確保のためにさらに風が流れ難くなるという悪循環になっている。
このような画像形成装置、特に1つのハウジングに複数の光学系を有するようなカラ−画像形成装置では、装置内部温度変化により光走査装置の樹脂ハウジングが伸縮したり、走査結像素子がプラスチックで作られていると走査結像素子(レンズ)自体が変形して色ずれが発生してしまう。
そのため、ハウジング本体を冷却させるためにファンを追加して、ハウジング自体の変形による色ずれは低減されてきたが、ハウジングの蓄熱によるレンズ(特にポリゴンモータに最も近いレンズ)の温度偏差による色ずれが問題になっている。
光走査装置内部の温度を上昇させる原因として、ポリゴンミラーを回転させるポリゴンモータの発熱が挙げられる。対策方法としては、ハウジング自体をアルミダイキャスト等で成形すれば放熱効果が上がり温度低下が期待できるが、2次加工が増えることなどで高価になり、かつ重量も増えてくる。
本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、樹脂ハウジングからポリゴンモータの熱が樹脂レンズに伝わりにくくでき、従ってレンズの熱変形による色ずれを無くし、経時的にも良好な画像を得ることができ、コストを抑えることもできる光走査装置とこれを使用した画像形成装置を得ることを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、光偏向器によって偏向した光束を被走査面上にスポットとして集光するfθレンズを備えた画像形成装置の光走査装置において、前記fθレンズを収納するハウジングが樹脂成形品によって構成され、該ハウジングには、前記fθレンズを位置固定するための突起が複数箇所設けられ、前記ハウジングの前記突起は、その先端部を前記fθレンズの対向面に点で接触させることにより、前記fθレンズの副走査方向の高さを決定するための点接触の複数の突起と、その側面を前記fθレンズの側面に線で接触させることにより、前記fθレンズの光軸方向を決定するための線接触の複数の突起とを備え、前記fθレンズの主走査方向における略中央部の位置に、前記fθレンズの主走査方向位置を決定する円柱状突起が設けられ、前記fθレンズの前記円柱状突起を、前記ハウジングのベースの上面に設けられた穴に入れて前記穴の内壁面に突き当てることによって前記fθレンズが主走査方向に位置決めされるように構成し、前記ハウジングの前記穴は、前記円柱状突起が主走査方向に移動可能な空間を有し、前記fθレンズの主走査方向位置を決定する前記円柱状突起の側面と前記ハウジングの前記穴の内壁面とは、副走査方向に沿った線接触とされ、前記ハウジングの前記ベースは、前記fθレンズを固定するための接着剤を塗布する面を有し、前記fθレンズと前記ハウジングの前記ベースの接着剤を塗布する面とは、副走査方向の高さを決定するための前記点接触の突起によって、直接接することが無いように隙間を開けて配置されると共に、前記隙間に前記接着剤が入り込むことによって固定されるように構成された光走査装置を最も主要な特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の光走査装置において、請求項1記載の光走査装置において、前記fθレンズはハウジングに対し、前記各突起および円柱状突起との接触部分並びに前記ベースに対する部分的接着部以外は隔離している光走査装置を特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の光走査装置を有する画像形成装置を特徴とする。
本発明によれば、光偏向器によって偏向した光束を被走査面上にスポットとして集光するfθレンズを備えた画像形成装置の光走査装置において、前記fθレンズを収納するハウジングが樹脂成形品によって構成され、該ハウジングには、前記fθレンズを位置固定するための突起が複数箇所設けられ、前記ハウジングの前記突起は、その先端部を前記fθレンズの対向面に点で接触させることにより、前記fθレンズの副走査方向の高さを決定するための点接触の複数の突起と、その側面を前記fθレンズの側面に線で接触させることにより、前記fθレンズの光軸方向を決定するための線接触の複数の突起とを備え、前記fθレンズの主走査方向における略中央部の位置に、前記fθレンズの主走査方向位置を決定する円柱状突起が設けられ、前記fθレンズの前記円柱状突起を、前記ハウジングのベースの上面に設けられた穴に入れて前記穴の内壁面に突き当てることによって前記fθレンズが主走査方向に位置決めされるように構成し、前記ハウジングの前記穴は、前記円柱状突起が主走査方向に移動可能な空間を有し、前記fθレンズの主走査方向位置を決定する前記円柱状突起の側面と前記ハウジングの前記穴の内壁面とは、副走査方向に沿った線接触とされ、前記ハウジングの前記ベースは、前記fθレンズを固定するための接着剤を塗布する面を有し、前記fθレンズと前記ハウジングの前記ベースの接着剤を塗布する面とは、副走査方向の高さを決定するための前記点接触の突起によって、直接接することが無いように隙間を開けて配置されると共に、前記隙間に前記接着剤が入り込むことによって固定されるように構成されたことを特徴とする光走査装置により、樹脂ハウジングを伝わるポリゴンモータ熱がfθレンズなどの樹脂レンズに伝わりにくくしているので、fθレンズなどのレンズの熱変形による色ずれを無くすることができ、経時でも良好な画像を得ることができる。また、ポリゴンモータをアルミダイキャストで覆ったり、ポリゴンモータ基板分割したり、ハウジングをアルミダイキャスト等の金属で作らなくても良いので、コストを抑えることが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例を示す画像形成装置の全体構成図であり、フルカラ−のプリンタの一例を示している。図1に示す構成の画像形成装置は、像担持体として4つの感光体ドラムを備えたタンデム型でフルカラ−の電子写真方式の画像形成装置であり、装置本体1内には、4個の像担持体ユニットである感光体ユニット2A、2B、2C、2Dを備え、これらの感光体ユニット2A、2B、2C、2Dは、装置本体1に対してそれぞれ着脱可能に装着されている。
この画像形成装置において、装置本体1内の略中央部には、転写材(通常の記録用紙(普通紙)、厚紙、OHP用紙等)Pを感光体ユニット2A、2B、2C、2Dの転写部に担持搬送するための転写ベルト3が配設されており、この転写ベルト3は複数のローラ間に張装され、図中の矢印A方向に回動可能となっている。そして、転写ベルト3の図1で上側の面には、4個の感光体ユニット2A、2B、2C、2Dにそれぞれ設けられている感光体ドラム5が接触するように、その感光体ユニット2A、2B、2C、2Dをそれぞれ配設している。
また、この画像形成装置では、転写ベルト3を使用したローラ曲率分離方式を採用しており、転写ベルト3の内側には4つの転写ブラシ57が4個の感光体ドラム5に対応してそれぞれ設けられている。また、上記感光体ユニット2A、2B、2C、2Dに対応させて、それぞれ使用する現像剤(トナー)の色が異なる現像装置10A、10B、10C、10Dが配設されている。
さらに、この画像形成装置では、装置本体1内の上記画像形成装置の上方には書込みユニット6が配設され、上記転写ベルト3の下方には両面ユニット7が配設されている。また、この画像形成装置では、装置本体1の図中左方に、画像形成後の転写材Pを反転させて排出したり、両面ユニット7へ搬送したりする反転ユニット8が装着されている。
さらに、装置本体1内の転写ベルト3と反転ユニット8の間には、画像が転写された転写材Pの画像を定着する定着装置9が設けられている。そして、この定着装置9の転写材搬送方向下流側には反転搬送路20を分岐させて形成し、そこに搬送した転写材Pを排紙ローラ対25により排紙トレイ26上に排出可能にしている。
また、装置本体1内の下部には、上下2段にサイズの異なる転写材(普通紙等)Pを収納可能な給紙カセット11、12をそれぞれ配設している。さらに、装置本体1の右側面には、手差しトレイ13が図中の矢印B方向に開閉可能に設けられており、この手差しトレイ13を開放することにより、そこから転写材(ハガキ、厚紙、OHP用紙等の特殊紙)を手差し給紙できるようにしている。
感光体ユニット2A、2B、2C、2Dは、同一の構成をしたユニットであり、例えば感光体ユニット2Aはイエロー(Y)色に対応する画像を形成し、感光体ユニット2Bはマゼンタ(M)色に対応する画像を形成し、感光体ユニット2Cはシアン(C)色に対応する画像を形成し、感光体ユニット2Dはブラック(BK)色に対応する画像を形成する(尚、各感光体ユニット2A、2B、2C、2Dと形成する画像の色の組み合わせは、上記のものに限るものではない)。そして、これらの感光体ユニット2A、2B、2C、2Dは、転写ベルト3による転写材Pの搬送方向に所定の間隔をおいてそれぞれ配置されている。
図1に示した画像形成装置の現像装置10A、10B、10C、10Dは、構成が全て同一のものであり、それらは使用するトナーの色のみが異なる。そして、現像装置10Aは現像剤としてイエロー(Y)色のトナーを使用し、現像装置10Bは現像剤としてマゼンタ(M)色のトナーを使用し、現像装置10Cは現像剤としてシアン(C)色のトナーを使用し、現像装置10Dは現像剤としてブラック(BK)色のトナーを使用する。
書込みユニット6は、各色用の4つの光源ユニットにレーザダイオ−ド(LD)を用い、2つの六面の回転多面鏡(ポリゴンミラー)22a、22bで4つのビーム走査光学系からなる書込みユニットである。ここで、図2に書込みユニット6の光学系の断面構成図を示す。また、図3に書込みユニットの光学系を上方から見た平面図を示す。
書込みユニット6は、図3に示すように、レーザダイオ−ド(LD)からなる光源を有する4つのLDユニット61Y、61M、61C、61BKを備えており、イエロー用LDユニット61Yとブラック用LDユニット61BKからのレーザビームは、シリンダレンズ62Y、62BKを通り、反射ミラー63BK、63Yによって下側のポリゴンミラー22bのミラー面に入射し、ポリゴンモータ21によってポリゴンミラー22bが回転することによりレーザビームが偏向走査され、上下2層構成のfθレンズ(2層fθレンズ)23、35を通り、ミラー27、41によって折り返される。
ポリゴンモータ21、ポリゴンミラー22a、22bは、光偏向器を構成している。光偏向器は金属材料からなる密閉外殻を持たない。つまり、ポリゴンモータをアルミダイキャストで覆ったり、ポリゴンモータ基板分割したり、ハウジングをアルミダイキャスト等の金属で作らなくても良いので、コストを抑えることが可能となる。
また、マゼンタ用のLDユニット61Mとシアン用LDユニット61Cからのレーザビームは、シリンダレンズ62M、62Cを通り、上側のポリゴンミラー22aのミラー面に入射し、ポリゴンモータ21によってポリゴンミラー22bが回転することによりレーザビームが偏向走査され、2層fθレンズ23、35を通り、ミラー31、36によって折り返される。
さらに、各色のレーザビームに対応して主走査方向の画像書き出し位置より前方にシリンダミラー64Y、64M、64C、64BKと同期検知センサ65Y、65M、65C、65BKが備わっており、2層fθレンズ23、35を通った各色のレーザビームがシリンダ−ミラー64Y、64M、64C、64BKによって反射集光されて同期検知センサ65Y、65M、65C、65BKに入射するような構成になっており、この同期検知センサ65Y、65M、65C、65BKによって各色の走査開始の同期検知信号が検出される。
また、図3の例では、各色のレーザビームに対応して主走査方向の走査終端位置にもシリンダミラー66Y、66M、66C、66BKと検知センサ67Y、67M、67C、67BKが設けられており、走査終端側の検知手段が検知される。(尚、この走査終端側の検知手段は設けなくても良い)。
上記の同期検知用のシリンダミラー64Y、64M、64C、64BKと同期検知センサ65Y、65M、65C、65BKは、各色毎に1つずつ設けても良いが、ブラック用のLDユニット61BKからのレーザビームとシアン用のLDユニット61Cからのレーザビームとで共通のシリンダミラーと同期検知センサを使用し、同様にイエロー用のLDユニット61Yからのレーザビームとマゼンタ用のLDユニット61Mからのレーザビームとで共通のシリンダミラーと同期検知センサを使用するようにすれば、部品数を削減できてコストの低減を図れる。但しこの場合は、同じセンサに2つのレーザビームが入射することになるので、各レーザビームのポリゴンミラー22a、22bへの入射角を異なるようにすることで、それぞれのレーザビームがセンサに入射するタイミングを変え、それぞれの信号を検出できるようにしている。
また、図3からもわかるようにポリゴンモータ21により回転される2つのポリゴンミラー22a、22bにより、イエロー用の走査ビーム及びマゼンタ用の走査ビーム、シアン用の走査ビーム及びブラック用の走査ビームとを右と左に分けて偏向走査するようになっており、イエローとマゼンタの走査ビームに対してブラックとシアンの走査方向を逆方向に走査するようになっている。
図2に示すように、各光学素子はハウジング101に収納され、塵やホコリの侵入を防いでいる。ポリゴンミラー22a、22bにより偏向走査されるイエロー用の走査ビーム及びマゼンタ用の走査ビームは、2層fθレンズ23の上下をそれぞれ通り、イエロー用の走査ビームは、ミラー27に反射されて長尺WTL(レンズ母線の曲り(湾曲)を調整可能な長尺トロイダルレンズ)24を通って、ミラー28、29を介して感光体ユニット2Aの感光体ドラム5に照射され、イエロー用の静電潜像が書き込まれる。また、マゼンタ用の走査ビームは、ミラー31に反射されて長尺WYL32を通って、ミラー33、34を介して感光体ユニット2Bの感光体ドラム5上に照射され、マゼンタ用の静電潜像が書き込まれる。
さらに、シアン用の走査ビーム及びブラック用の走査ビームは、2層fθレンズ35の上下をそれぞれ通り、シアン用の走査ビームは、ミラー36に反射されて長尺WTL37を通って、ミラー38、39を介して感光体ユニット2Cの感光体ドラム5に照射され、シアン用の静電潜像が書き込まれる。また、ブラック用の走査ビームは、ミラー41に反射されて長尺WYL42を通って、ミラー43、44を介して感光体ユニット2Dの感光体ドラム5上に照射され、ブラック用の静電潜像が書き込まれる。
図1に示す画像形成装置において、両面ユニット7は、対をなす搬送ガイド板45A、45Bと、対をなす複数の搬送ローラ46とからなり、転写材の両面に画像を形成する両面画像形成モード時には、片面に画像が形成されて反転ユニット8の反転搬送路54に搬送されてスイッチバックされた転写材Pを受け入れて、それを感光体ユニット2A、2B、2C、2Dが設けられている作像部に向けて再搬送する。
また、反転ユニット8は、それぞれ対をなす複数の搬送ローラと、対をなす複数の搬送ガイド板とからなり、上述したように両面画像を形成する際の転写材Pを表裏反転させて機外に排出する働きをする。さらに、2段の給紙カセット11、12が設けられている給紙部には、記録用紙等の転写材Pを1枚ずつ分離して給紙する分離給紙部55、56がそれぞれ設けられている。
以上の構成からなる画像形成装置においては、作像動作を開始させると、感光体ユニット2A、2B、2C、2Dの各感光体ドラム5が図1の時計回り方向にそれぞれ回転する。そして、その感光体ドラム5の表面が、その感光体ドラム5と各帯電装置の帯電ローラ14との間に電圧が印加されることにより一様に帯電される。そして、感光体ユニット2Aの感光体ドラム5の帯電面には、書込みユニット6によりイエロー色の画像に対応するレーザビームが照射される。
また、感光体ユニット2Bの感光体ドラム6の帯電面には、書込みユニット6によりマゼンタ色の画像に対応するレーザビームが、感光体ユニット2Cの感光体ドラム5の帯電面にはシアン色の画像に対応するレーザビームが、さらに感光体ユニット2Dの感光体ドラム5の帯電面には、ブラック色の画像に対応するレーザビームがそれぞれ照射され、そこに各色に対応した潜像が形成される。そして、その各潜像は感光体ドラム5が回転することにより現像装置10A、10B、10C、10Dの位置に達すると、そこでイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーにより現像されて、4色のトナー像となる。
一方、給紙部の2段の給紙カセット11、12のうち選択された給紙段の給紙カセットから転写材Pが分離給紙部55あるいは56により給紙され、その転写材Pが感光体ユニット2Aの直前に設けられたレジストローラ対59の位置まで搬送された後、そのレジストローラ対59により、各感光体ドラム5上に形成されているトナー像と一致する正確なタイミングで、転写材Pが感光体ユニット2Aの感光体ドラム5と転写ベルト3との間に向けて搬送される。その際、転写材Pは転写ベルト3の入口付近に配設されている紙吸着ローラ58によりプラスの極性に帯電され、それにより転写ベルト3の表面に静電的に吸着される。
そして、転写材Pは、転写ベルト3に吸着した状態で、その転写ベルト3の矢印A方向への回動により同方向に搬送されながら、図1で上側の面にイエロー、シアン、マゼンタ、ブラック色の各トナー像が順次転写されていき、感光体ユニット2Dを通過したときには4色重ね合わせのフルカラ−のトナー画像が形成される。
フルカラ−のトナー画像が形成された転写材Pは、定着装置9で熱と加圧力が加えられることによりトナー像が溶融定着され、その後は指定されたモードに応じた排紙系を通って、装置本体1の上部の排紙トレイ26に反転排紙されたり、定着装置9から直進して、反転ユニット8内を通ってストレ−ト排紙されたりする。あるいは、両面画像形成モードが選択されているときには、前述した反転ユニット8内の反転搬送路54に送り込まれた後、スイッチバックされて両面ユニット7に搬送され、そこから再給紙されて感光体ユニット2A、2B、2C、2Dが設けられている作像部で、裏面に画像が形成された後に排出される。以後、2枚以上の画像形成が指示されているときには、上述にした作像プロセスが繰り返される。
以上、画像形成装置の基本的な構成・動作の一例について説明したが、このような画像形成装置においては、画像出力の高速化、高記録密度化が要求されているが、高速化、高密度化に伴いポリゴンモータの回転数が多くなり、25,000rpm超の回転数になると騒音や発熱が増大する傾向にある。そのため、図3においてポリゴンモータ21を壁102で囲み、ポリゴンミラー22a、22bへのレーザ光の入射、出射を防音ガラス103a、103bを透過させて行う。ポリゴンモータ21を壁102で覆うことで書込みユニット6外への騒音が低減できる。また、防音ガラス103a、103bを設置することで、ポリゴンモータ21の熱の拡散を抑えることができる。
ポリゴンモータ熱の拡散は2層fθレンズ(光学系部材)23、35に温度偏差を生じさせ、回転方向上流側で温度上昇が大きくなっていた。防音ガラス103a、103bを追加することで、2層fθレンズ23、35の温度偏差によるレンズ変形色ずれを防止することができる。ここには図で示していないが、ポリゴンモータ21と2層fθレンズ23、35の間に折り返しミラーを設けて、風が直接2層fθレンズ23、35に当たらないようにしても良い。
図4は、2層fθレンズ23、35近傍の拡大斜視図である。図5は、2層fθレンズ23、35を突起111、112を主走査方向で切断してB方向から見た断面図である。図6は、2層fθレンズ23、35を突起112を副走査方向で切断してC方向から見た断面図である。
ハウジング116は樹脂成形品で、樹脂製の2層fθレンズ23、35を位置固定するための突起(載置部材)が複数箇所設けられている。複数の突起111、112は2層fθレンズ23、35の副走査方向高さを決定するためのものであり、先端部は球状又は針状にして2層fθレンズ23、35と点で接触するようにしておく。複数の突起114、115は2層fθレンズ23、35の光軸方向を決定する突き当て部材で、2層fθレンズ23、35とは側面が線で接触するように先端は楕円形状にしておく。
図5において、2層fθレンズ23、35の主走査方向における略中央部の位置に設けられた円柱状突起119はその主走査方向位置を決定するためのものである。突起119は、ハウジング116のベース113の上面に設けた穴118に入れてその内壁面に突き当てることで2層fθレンズ23、35が主走査方向に位置決めされる。穴118は、柱状突起119が主走査方向に移動可能な空間を有している。その際、2層fθレンズ23、35の、主走査方向位置を決定する円柱状突起119の側面とハウジング116の穴118の内壁面とは、副走査方向(図中高さ方向)に沿った線接触とされている。
図5、6で示すように、ベース113は、突起等で決定された2層fθレンズ23、35を固定するための接着剤117塗布面を有しており、2層fθレンズ23、35とベース113の接着剤117塗布面とが直接接することが無いように、副走査方向の高さを決定するための点接触の複数の突起111、112によって、0.1mm程度隙間を開けておき、その隙間に接着剤117が入り込むようにしておく。接着剤117は紫外線硬化型のものがよく使われている。
このように、光学系(2層fθレンズ23、35など)と樹脂ハウジング116とは、副走査方向の高さを決定するための点接触の突起111、112、および、光軸方向を決定するための線接触の突起114、115、および、円柱状突起119との接触部分、並びに、ベース113の接着剤117塗布面に対する部分的接着部以外は直接接していないので、樹脂ハウジング116を伝わるポリゴンモータ熱が樹脂レンズ(2層fθレンズ23、35など)に伝わりにくくなり、レンズ(2層fθレンズ23、35など)の熱変形による色ずれを無くすことができる。
本発明の画像形成装置の全体構成例を示す概略構成図。 本発明の画像形成装置の書込みユニット構成例の断面図。 本発明の画像形成装置の書込みユニット光学系の平面図。 本発明の書込みユニット光学系のfθレンズ近傍の斜視図。 本発明のfθレンズの突起部の副走査方向から見た断面図。 本発明のfθレンズの突起部の主走査方向からの断面図。
符号の説明
1 装置本体、2A、2B、2C、2D 感光体ユニット、3 転写ベルト、5 感光体ドラム、6 書込みユニット、7 両面ユニット、8 反転ユニット、9 定着装置、10A、10B、10C、10D 現像装置、11、12 給紙カセット、13 手差しトレイ、14 帯電ローラ、20 反転搬送路、21 ポリゴンモータ、22a、22b ポリゴンミラー、23、35 fθレンズ、25 排紙ローラ対、26 排紙トレイ、27、28、29 ミラー、39、41、43、44 ミラー、42 長尺WYL、46 搬送ローラ、55、56 分離給紙部、58 紙吸着ローラ、59 レジストローラ対、61Y、61M、61C、61BK LDユニット、62Y、62M、62C、62BK シリンダレンズ、64Y、64M、64C、64BK シリンダミラー、65Y、65M、65C、65BK 同期検知センサ 、66Y、66M、66C、66BK シリンダミラー、101 ハウジング、102 壁、103a、103b 防音ガラス、111、112、114、115 突起、116 ハウジング、117 接着剤、118 穴、119 円柱状突起

Claims (3)

  1. 光偏向器によって偏向した光束を被走査面上にスポットとして集光するfθレンズを備えた画像形成装置の光走査装置において、
    前記fθレンズを収納するハウジングが樹脂成形品によって構成され、
    該ハウジングには、前記fθレンズを位置固定するための突起が複数箇所設けられ、
    前記ハウジングの前記突起は、その先端部を前記fθレンズの対向面に点で接触させることにより、前記fθレンズの副走査方向の高さを決定するための点接触の複数の突起と、その側面を前記fθレンズの側面に線で接触させることにより、前記fθレンズの光軸方向を決定するための線接触の複数の突起とを備え、
    前記fθレンズの主走査方向における略中央部の位置に、前記fθレンズの主走査方向位置を決定する円柱状突起が設けられ、
    前記fθレンズの前記円柱状突起を、前記ハウジングのベースの上面に設けられた穴に入れて前記穴の内壁面に突き当てることによって前記fθレンズが主走査方向に位置決めされるように構成し、
    前記ハウジングの前記穴は、前記円柱状突起が主走査方向に移動可能な空間を有し、
    前記fθレンズの主走査方向位置を決定する前記円柱状突起の側面と前記ハウジングの前記穴の内壁面とは、副走査方向に沿った線接触とされ、
    前記ハウジングの前記ベースは、前記fθレンズを固定するための接着剤を塗布する面を有し、
    前記fθレンズと前記ハウジングの前記ベースの接着剤を塗布する面とは、副走査方向の高さを決定するための前記点接触の突起によって、直接接することが無いように隙間を開けて配置されると共に、前記隙間に前記接着剤が入り込むことによって固定されるように構成されたことを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1記載の光走査装置において、前記fθレンズはハウジングに対し、前記各突起および円柱状突起との接触部分並びに前記ベースに対する部分的接着部以外は隔離していることを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項1または2に記載の光走査装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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