JP4353550B2 - 自己潤滑性を有する炭素系複合摺動材料とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素系摺動材料及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭素からなる摺動材料は、耐熱性、耐薬品性に優れ、しかも軽量であるという優れた利点を持っており、従来の金属系、および高分子系の摺動材料が使用できない高温や腐食性などの雰囲気下で使用されている。従来の炭素からなる摺動材料は主にガラス状炭素からなる材料と黒鉛質の等方性炭素からなる材料とに分類される。ガラス状炭素からなる摺動材は摩擦係数が低く、比摩耗量が小さいといった優れた摺動特性を示すが、高硬度で耐機械衝撃性が弱いために、加工性が劣る。一方、黒鉛質の等方性炭素からなる摺動材は自己潤滑性を有するが、機械的強度が劣る。またこれら従来の炭素からなる摺動材は板形状体やブロック形状体から切削加工により作成するために無駄になる材料の量が多く、煩雑な製造工程を経るため、コストが高くなる欠点を有している。その上任意且つ複雑な形状体を得ることが困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は従来の炭素からなる材料よりも良好な自己潤滑性を有し、摩擦係数が低く比摩耗量が小さいといった摺動特性に優れ、耐機械衝撃性、機械的強度に優れ、任意且つ複雑な形状に成形が可能な炭素系複合摺動材料を簡便な工程で安価に提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、このような実状に鑑み、優れた摺動特性や耐機械衝撃性を有する上、任意形状を有する摺動材料を安易に得ることを開発の課題として鋭意研究の結果、焼成後実質的に零でない炭素残査収率を示す熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、天然高分子および合成高分子の1種または2種以上の混合物をアモルファス炭素の出発原料とし、自己潤滑性、耐機械衝撃性をもたせることを目的として黒鉛、ダイヤモンド、グラファイトクラスターダイヤモンド、フラーレンおよびカーボンブラックからなる群から選ばれた1種または2種以上の炭素粉末の混合物を混合し、必要とされる形状に賦形後、焼成することにより得られた炭素系複合摺動材料は、優れた摺動特性、耐機械衝撃性を有する上、より簡便な工程で製造しうることなど前記課題が効果的に解決しうる事実を確認した。
【0005】
アモルファス炭素の出発原料としては、好ましくは不活性ガス雰囲気中での焼成により5%以上の炭化収率を示す有機物質が使用される。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル−ポリ酢酸ビニル共重合体、ポリアミド等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、イミド樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、リグニン、セルロース、トラカントガム、アラビアガム、糖類等の縮合多環芳香族を分子の基本構造内にもつ天然高分子物質、および前記には包含されない、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、コプナ樹脂等の縮合多環芳香族を分子の基本構造内にもつ合成高分子物質が挙げられる。使用する組成物の種類と量は、目的とする摺動材料の特性、強度、形状により適宜選択され、単独でも2種以上の混合体でも使用することができるが、特にフラン樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することが好ましく、摺動材料としての必要な特性と形状を賦与するためにもその使用量は30重量部以上が好ましい。
【0006】
前述の炭素粉末としては、黒鉛、ダイヤモンド、グラファイトクラスターダイヤモンド、フラーレンおよびカーボンブラック等がある。使用する炭素粉末の種類と量も目的とする摺動材料の特性、強度、形状により適宜選択され、単独でも2種以上の混合体でも使用することができるが、特に摺動特性制御の簡易さ、及び自己潤滑性を高める観点から黒鉛を使用することが好ましい。
【0007】
前述の賦形方法には、圧縮成形、トランスファ成形、押し出し成形、射出成形、真空成形および吹込成形等の、一般的に普及している成形方法が挙げられる。前述の樹脂と炭素粉末の混合物の性状および賦形形状により適宜選択使用することが好ましい。
【0008】
以下に本発明による炭素系摺動材料の製造方法を説明する。まず、組成物と炭素粉末とを混練機を用いてよく混合させる。得られた混合物を混合物の性状、賦形形状により選択した成形方法を用いて賦形する。次に賦形体を炭素前駆体化処理し、得られた炭素前駆体を窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中または真空雰囲気下にて1000℃以上、好ましくは2000℃程度まで加熱昇温し、炭素粉末とアモルファス炭素からなる炭素系複合摺動材料を得る。昇温速度が大きいと賦形体の形状が変形したり微細なクラックが発生する等の欠陥が生じるため昇温速度は500℃までは毎時100℃以下好ましくは毎時50℃以下が適切である。
【0009】
【実施例】
以下に、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって何等限定されるものではない。
【0010】
(実施例1)
フラン樹脂(日立化成社製 ヒタフランVF−303)80重量%に天然黒鉛微粉末(日本黒鉛社製 平均粒度5μm)20重量%を混合してポニーミキサーにて攪拌した後、押し出し成形機を用いてフィルム状に成形した。該フィルムを真空成形機にて円盤状に賦形した。これを耐熱セラミック板に挟み、真空焼成炉中で500℃までを毎時25℃の昇温速度で昇温し、その後1400℃までを毎時100℃で昇温し、1400℃で3時間保持した後自然冷却して焼成を完了し、厚さ1.0mmの摺動特性試験片を得た。得られた試験片を、ピン−円板型摩擦試験機を用いて、該試験片とR0.5mmのアルミナのピンを組み合わせ、すべり速度0.05〜1.5m/秒、荷重19.6N、摺動時間22時間の条件下で摺動試験を実施した。更に得られた試験片を長さ50mm、幅10mmの大きさに切断し、圧縮試験機を用いて曲げ強度測定および弾性率測定をするとともに40gの鉄球を落下させて試験片が破壊される高さを測定した。
【0011】
結果を表−1に示す。結果では以下に述べる比較例1、2よりも優れた摺動特性、高い機械的強度を有することがわかった。
【0012】
(実施例2)
フラン樹脂(日立化成社製 ヒタフランVF−303)60重量%にカーボンブラック(三菱化成社製 一次粒子径5nm)40重量%を混合し、ヘンシェルミキサーにて混合し、次いで120℃に加熱したロールミキサーにて混練をおこなった。該混練物を圧縮成形機を使用して円盤状に賦形した。窒素雰囲気中の焼成炉で500℃までを毎時25℃の昇温速度で昇温し、その後1400℃までを毎時100℃で昇温し、1400℃で3時間保持した後自然冷却して焼成を完了し、厚さ1.0mmの摺動特性試験片を得た。実施例1と同様に摺動試験、曲げ強度試験、耐機械衝撃性試験を実施した。
【0013】
結果を表−1に示す。結果では以下に述べる比較例1、2よりも優れた摺動特性、高い機械的強度を有することがわかった。
【0014】
(比較例1)
フラン樹脂(日立化成社製 ヒタフランVF−303)を製膜機を用いてフィルム状に成形した。該フィルムを円盤状に切断し、これを窒素雰囲気中の焼成炉で500℃までを毎時25℃の昇温速度で昇温し、その後1400℃までを毎時100℃で昇温し、1400℃で3時間保持した後自然冷却して焼成を完了し、厚さ1.0mmの摺動特性試験片を得た。実施例1と同様に摺動試験、曲げ強度試験、耐機械衝撃性試験を実施した。結果を表−1に示す。
【0015】
(比較例2)
黒鉛質等方性炭素材料(東洋炭素社製)のブロックを円盤状に切削加工し、厚さ1.0mmの摺動特性試験片を得た。実施例1と同様に摺動試験、曲げ強度試験、耐械衝撃性試験を実施した。結果を表−1に示す。
【0016】
Figure 0004353550
【0017】
【発明の効果】
本発明の炭素系複合摺動材料は表1から明らかな様に平均摩擦係数、比摩耗量が小さく、摺動特性に優れている。また既存のプラスチックの成形方法を用いた本発明では焼成後に加工することなく任意の形状体を得ることが出来るようになった。そして従来の炭素材料とは異なり簡便な工程で、製造コストも低く抑えることが可能となった。

Claims (6)

  1. アモルファス炭素とアモルファス炭素中に均一に分散した平均粒度5μm以下の炭素粉末の複合体で構成され、平均摩擦係数が0.17以下である炭素系複合摺動材料。
  2. 炭素粉末は、黒鉛、ダイヤモンド、グラファイトクラスターダイヤモンド、フラーレンおよびカーボンブラックからなる群から選ばれた1種または2種以上の混合物からなることを特徴とする請求項1記載の炭素系複合摺動材料。
  3. アモルファス炭素は、焼成後実質的に零でない炭素残査収率を示す熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、天然高分子および合成高分子の1種または2種以上の混合物を出発原料とすることを特徴とする請求項1記載の炭素系複合摺動材料。
  4. アモルファス炭素の出発原料に平均粒度5μm以下の炭素粉末を混合し、任意の形状に賦形後、焼成して、アモルファス炭素とアモルファス炭素中に均一に分散した炭素粉末の複合体であって、平均摩擦係数が0.17以下であるものを得ることを特徴とする炭素系摺動材料の製造方法。
  5. 炭素粉末は、黒鉛、ダイヤモンド、グラファイトクラスターダイヤモンド、フラーレンおよびカーボンブラックからなる群から選ばれた1種または2種以上の混合物からなることを特徴とする請求項4記載の炭素系複合摺動材料の製造方法。
  6. アモルファス炭素は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、天然高分子および合成高分子の1種または2種以上の混合物を出発原料とすることを特徴とする請求項4記載の炭素系摺動材料の製造方法。
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