JP4353511B2 - ゲル化剤およびその製造方法 - Google Patents

ゲル化剤およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4353511B2
JP4353511B2 JP2003292298A JP2003292298A JP4353511B2 JP 4353511 B2 JP4353511 B2 JP 4353511B2 JP 2003292298 A JP2003292298 A JP 2003292298A JP 2003292298 A JP2003292298 A JP 2003292298A JP 4353511 B2 JP4353511 B2 JP 4353511B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gelling agent
carbazolyl group
gelling
isoleucine derivative
gel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003292298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005060524A (ja
Inventor
隆史 加藤
一博 籔内
佑介 栃木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2003292298A priority Critical patent/JP4353511B2/ja
Publication of JP2005060524A publication Critical patent/JP2005060524A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4353511B2 publication Critical patent/JP4353511B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Indole Compounds (AREA)

Description

本発明は、有機溶媒または液晶性化合物に混合されてゲル化性混合物を形成するゲル化剤およびその製造方法に関する。
近年、ゲル化剤として、分子間相互作用によって分子が繊維状に集合して繊維状分子集合体を形成する自己組織性低分子よりなるものが注目されている。
このようなゲル化剤は、例えば物理ゲルを構成する材料として期待されている。ゲル化剤を用いた物理ゲルとしては、例えばゲル化剤と、液晶性化合物とよりなる液晶性組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特願2002−4462
しかしながら、ゲル化剤としては、機能性部位としてカルバゾール部位が導入されてなる分子構造を有する自己組織性低分子よりなるものは知られていない。
本発明は、繊維状分子集合体を形成する自己組織性低分子について研究を重ねた結果、完成されたものであって、その第1の目的は、イソロイシン誘導体にカルバゾール部位が導入されてなる分子構造を有する新規なゲル化剤を提供することにある。
本発明の第2の目的は、新規なゲル化剤を製造する方法を提供することにある。
本発明のゲル化剤は、カルバゾリル基を有するイソロイシン誘導体よりなることを特徴とする。
本発明のゲル化剤は、下記一般式(1)で表されるカルバゾリル基を有するイソロイシン誘導体よりなることが好ましい。
Figure 0004353511
〔式中、mは6以上の整数を示す。〕
本発明のゲル化剤は、下記一般式(2)で表されるカルバゾリル基を有するイソロイシン誘導体よりなることを特徴とする。
Figure 0004353511
〔式中、nは1以上の整数を示す。〕
本発明のゲル化剤は、下記式(1)で表されるカルバゾリル基を有するイソロイシン誘導体よりなることを特徴とする。
Figure 0004353511
本発明のゲル化剤の製造方法は、下記式(2)で表される骨格を有するイソロイシン誘導体と、カルバゾリル基を有する化合物とをジクロロメタンおよび1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩の存在下において反応させることによりカルバゾリル基を有するイソロイシン誘導体を得ることを特徴とする。

Figure 0004353511
本発明のゲル化剤は、イソロイシン誘導体に、優れた光導電性および光屈折性を有するカルバゾール化合物に由来のカルバゾール部位が導入されてなる分子構造を有するイソロイシン誘導体よりなるゲル化剤である。
このゲル化剤は、優れたゲル化形成能を有すると共に、カルバゾール部位よりなる機能性部位が導入されていることから、光・電子機能を有する繊維状分子集合体を形成することのできる可能性がある。
本発明のゲル化剤の製造方法によれば、イソロイシン誘導体にカルバゾール部位が導入されてなる新規なゲル化剤を製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のゲル化剤の好ましい具体例としては、上記一般式(1)で表されるカルバゾリル基を有するイソロイシン誘導体(以下、「カルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(1)」ともいう。)よりなるもの、上記一般式(2)で表されるカルバゾリル基を有するイソロイシン誘導体(以下、「カルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(2)」ともいう。)よりなるものおよび上記式(1)で表されるカルバゾリル基を有するイソロイシン誘導体(以下、「カルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(3)」ともいう。)よりなるものが挙げられる。
ここに、本明細書中において、カルバゾリル基は、任意の置換基を有するものであってもよい。
一般式(1)において、mは6以上の整数である。
カルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(1)は、一般式(1)のmが大きいものほど融点が低くなり、そのカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(1)よりなるゲル化剤を混合してなるゲル化性混合物は、構成要素であるカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(1)の融点が低いものほどゲル−ゾル転移温度が低いものとなる。
一般式(2)において、nは1以上の整数である。
カルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(2)は、一般式(2)のnが大きいものほど融点が低くなり、そのカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(2)よりなるゲル化剤を混合してなるゲル化性混合物は、構成要素であるカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(2)の融点が低いものほどゲル−ゾル転移温度が低いものとなる。
以上のカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(1)、カルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(2)およびカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(3)よりなるゲル化剤は、本発明のゲル化剤として好ましいものであり、本発明のゲル化剤は、これらに限定されるものではなく、カルバゾリル基を有するイソロイシン誘導体(以下、「カルバゾリル基含有イソロイシン誘導体」ともいう。)よりなるものであればよい。
具体的に、本発明のゲル化剤を構成するカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体は、下記式(3)で表されるイソロイシン誘導体の末端のベンジルオキシカルボニル基およびアルキル基の少なくとも一方がカルバゾリル基に置換されてなる分子構成を有するものであればよい。
Figure 0004353511
以上のようなカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体よりなるゲル化剤は、上記式(2)で表される骨格を有するイソロイシン誘導体(以下、「原料イソロイシン誘導体」ともいう。)と、カルバゾリル基を有する化合物(以下、「原料カルバゾール誘導体」ともいう。)とをジクロロメタンおよび1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩の存在下において反応させることにより製造することができる。
この反応において、原料イソロイシン誘導体のモル数と、原料カルバゾール誘導体のモル数とは、実質的に同等であって等量関係にあることが好ましい。
ジクロロメタンの使用量は、原料イソロイシン誘導体100質量部に対して、5,000〜10,000質量部であることが好ましい。
また、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩の使用量は、原料イソロイシン誘導体100質量部に対して、120〜200質量部であることが好ましい。
反応温度は、例えば20〜30℃、反応時間は、例えば3〜6時間である。
下記反応式(1)に、カルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(1)を生成する場合の合成工程を示し、下記反応式(2)に、カルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(2)を生成する場合の合成工程を示し、下記反応式(3)に、カルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(3)を生成する場合の合成工程を示す。
Figure 0004353511
〔式中、mは6以上の整数を示す。〕
Figure 0004353511
〔式中、nは1以上の整数を示す。〕
Figure 0004353511
カルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(2)およびカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(3)を生成するための反応系には、4 −(N, N−ジメチルアミノ)ピリジンが存在することが好ましい。
その理由は、高い収率を得ることができるためである。
また、4 −(N, N−ジメチルアミノ)ピリジンは、カルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(1)を生成するための反応系にも用いることができる。
本発明のゲル化剤は、上述の製造方法以外の方法によっても製造することができる。
以上のようなゲル化剤は、有機溶媒または液晶性化合物に対して良好なゲル形成能を有すると共に、カルバゾール部位に由来の光導電性などの光・電子機能を有する繊維状分子集合体を形成することができる可能性があるものである。
このようなゲル化剤は、物理ゲルを構成する材料として好適に用いることができ、また、このゲル化剤を用いたゲル化性混合物は、液晶表示素子として好適に用いることができる可能性がある。
有機溶媒としては、例えば酢酸エチル、エタノール、メタノール、アセトン、四塩化炭素、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、N, N−ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。
液晶性化合物としては、4−ペンチル−4’−シアノビフェニル、4−オクチル−4’−シアノビフェニル、4−オクチルオキシ−4’−シアノビフェニルなどを挙げることができる。
<実施例>
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(ゲル化剤の製造例1)
上記反応式(1)中の原料カルバゾール誘導体におけるmが12である化合物1.40gと、Z−L−イソロイシン1.06gと、ジクロロメタン52.8gと、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.920gとを混合し、この系を25℃で3時間反応させることにより、反応生成物を収率65%で得た。
得られた反応生成物は、下記の元素分析測定およびNMR測定(溶媒:重クロロホルム)の結果から、一般式(1)においてmが12であるカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(以下、「ゲル化剤(1)」ともいう。)であることが確認された。
このゲル化剤(1)は、融点が106℃であった。
(元素分析測定の結果)
計算値:C76.34,H8.60,N7.03%
測定値:C76.07,H8.37,N7.41%
(NMR測定の結果)
CDCl3 ,δ8.11−8.10(d,J=7.6Hz,2H),7.48−7.21(m,11H),5.76(m,1H),5.30(m,1H),5.10(s,2H),4.32−4.28(t,J=7.2Hz,2H),3.94−3.90(t,J=6.8Hz,1H),3.21(m,2H),1.89−1.85(m,4H),1.47−1.23(m,21H),0.93−0.88(m,6H)
(ゲル化剤(1)のゲル形成能の確認)
ゲル化剤(1)について、種々の有機溶媒および液晶性化合物に対するゲル形成能を調べたところ、このゲル化剤(1)は、有機溶媒である酢酸エチル、アセトン、四塩化炭素、ベンゼン、トルエンに対して良好なゲル形成能を示し、液晶性化合物である4−ペンチル−4’−シアノビフェニル、4−オクチル−4’−シアノビフェニルに対して良好なゲル形成能を示すことが確認された。
また、ゲル化剤(1)と、当該ゲル化剤(1)がゲル形成能を示す有機溶媒および液晶性化合物とよりなるゲル化性混合物の各々を走査型電子顕微鏡によって観察したところ、これらのゲル化性混合物を構成する有機溶媒および液晶性化合物の等方相中において、細く長い繊維が互いに絡み合ってなる網目構造を有するゲル化剤(1)由来の繊維状分子集合体が形成されていることが確認された。
(ゲル化剤(1)を用いたゲル化性混合物の特性確認)
液晶性化合物である4−オクチル−4’−シアノビフェニルに対して3質量%のゲル化剤(1)を混合してなるゲル化性混合物のゾル−ゲル転移温度を測定したことろ、15℃であった。
また、液晶性化合物である4−オクチル−4’−シアノビフェニルに対して1〜3質量%のゲル化剤(1)を添加し、一方向に配向させたスメクチックA相中における繊維状分子集合体の形成状態を走査型電子顕微鏡および偏光顕微鏡によって観察したところ、液晶分子の配向方向に対して平行な方向に優先的に繊維が成長することが確認された。
更に、4−オクチル−4’−シアノビフェニルに対して10質量%のゲル化剤(1)を添加したゲル化性混合物を、2枚のガラス板により形成された厚さ5μmのセルに封入し、25〜80℃の温度範囲において、紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、ゲル状態で350nmにあったピークが、ゾル状態においては347nmにシフトした。このスペクトルのピークのシフトは、繊維状分子集合体中においてカルバゾリル基がスタックしていることに起因すると考えられる。結果を図1に示す。
図1においては、ゲル状態における紫外可視吸収スペクトルを実線で示し、ゾル状態における紫外可視吸収スペクトルを破線で示した。
(ゲル化剤の合成例2)
上記反応式(1)中の原料カルバゾール誘導体におけるmが6である化合物1.06gと、z−L−イソロイシン1.12gと、ジクロロメタン39.6gと、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩1.60gとを混合し、この系を25℃で12時間反応させることにより、反応生成物を収率44%で得た。
得られた反応生成物は、下記の元素分析測定およびNMR測定(溶媒:重クロロホルム)の結果から、一般式(1)においてmが6であるカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(以下、「ゲル化剤(2)」ともいう。)であることが確認された。
このゲル化剤(2)は、融点が172℃であった。
(元素分析測定の結果)
計算値:C74.82,H7.65,N8.18%
測定値:C74.88,H8.04,N8.48%
(NMR測定の結果)
CDCl3 ,δ8.13−8.11(d,J=7.6Hz,1H),8.11−8.10(d,J=6.8Hz,1H),7.50−7.21(m,11H),5.77−5.76(m,1H),5.29−5.27(m,1H),5.09(s,2H),4.31−4.29(t,J=7.6Hz,2H),3.93−3.88(m,1H),3.26−3.16(m,2H),1.87(m,4H),1.45−1.39(m,7H),0.93−0.88(m,6H)
(ゲル化剤(2)のゲル形成能の確認)
ゲル化剤(2)について、種々の有機溶媒および液晶性化合物に対するゲル形成能を調べたところ、このゲル化剤(2)は、有機溶媒である四塩化炭素、ベンゼンに対して良好なゲル形成能を示すことが確認された。
また、ゲル化剤(2)と、当該ゲル化剤(2)がゲル形成能を示す有機溶媒とよりなるゲル化性混合物の各々を走査型電子顕微鏡によって観察したところ、これらのゲル化性混合物を構成する有機溶媒の等方相中において、細く長い繊維が互いに絡み合ってなる網目構造を有するゲル化剤(2)由来の繊維状分子集合体が形成されていることが確認された。
(ゲル化剤の合成例3)
上記反応式(2)中の原料カルバゾール誘導体におけるnが6である化合物0.502gと、反応式(2)中の原料イソロイシン誘導体として表されている化合物0.661gと、ジクロロメタン53.1gと、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.487gと、4 −(N, N−ジメチルアミノ)ピリジン0.0210gとを混合し、この系を25℃で24時間反応させることにより、反応生成物を収率30%で得た。
得られた反応生成物は、下記の元素分析測定およびNMR測定(溶媒:重クロロホルム)の結果から、一般式(2)においてnが6であるカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(以下、「ゲル化剤(3)」ともいう。)であることが確認された。
このゲル化剤(3)は、融点が138℃であった。
(元素分析測定の結果)
計算値:C78.25,H10.54,N6.37%
測定値:C78.31,H10.62,N6.66%
(NMR測定の結果)
CDCl3 ,δ8.11−8.10(d,J=8.0Hz,2H),7.48−7.39(m,4H),7.24−7.21(m,2H),6.02−6.00(d,J=8.8Hz,1H),5.75(m,1H),4.32−4.28(t,J=7.2Hz,2H),4.17−4.13(t,J=8.4Hz,1H),3.29−3.26(m,1H),3.19−3.15(m,1H),2.17−2.13(t,J=8.0Hz,2H),1.89−1.86(t,J=7.2Hz,2H),1.25(m,40H)
(ゲル化剤(3)のゲル形成能の確認)
ゲル化剤(3)について、種々の有機溶媒および液晶性化合物に対するゲル形成能を調べたところ、このゲル化剤(3)は、有機溶媒である酢酸エチル、エタノール、メタノール、アセトン、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、N, N−ジメチルホルムアミドに対して良好なゲル形成能を示し、液晶化化合物である4−オクチル−4’−シアノビフェニルに対して良好なゲル形成能を示すことが確認された。
また、ゲル化剤(3)と、当該ゲル化剤(3)がゲル形成能を示す有機溶媒および液晶性化合物とよりなるゲル化性混合物の各々を走査型電子顕微鏡によって観察したところ、これらのゲル化性混合物を構成する有機溶媒および液晶性化合物の等方相中において、細く長い繊維が互いに絡み合ってなる網目構造を有するゲル化剤(3)由来の繊維状分子集合体が形成されていることが確認された。
(ゲル化剤(3)を用いたゲル化性混合物の特性確認)
液晶性化合物である4−オクチル−4’−シアノビフェニルに対して3質量%のゲル化剤(3)を混合してなるゲル化性混合物のゾル−ゲル転移温度を測定したことろ、40℃であった。
また、4−オクチル−4’−シアノビフェニルに対して0.5質量%のゲル化剤(3)を添加し、一方向に配向させたスメクチックA相中における繊維状分子集合体の形成状態を走査型電子顕微鏡および偏光顕微鏡によって観察したところ、液晶分子の配向方向に対して垂直な方向および平行な方向に優先的に繊維が成長することが確認された。
(ゲル化剤の合成例4)
上記反応式(2)中の原料カルバゾール誘導体におけるnが1である化合物0.382gと、反応式(2)中の原料イソロイシン誘導体として表されている化合物0.651gと、ジクロロメタン31.0gと、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.496gと、4 −(N, N−ジメチルアミノ)ピリジン0.0244gとを混合し、この系を25℃で26時間反応させることにより、反応生成物を収率78%で得た。
得られた反応生成物は、下記の元素分析測定およびNMR測定(溶媒:重クロロホルム)の結果から、一般式(2)においてnが1であるカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(以下、「ゲル化剤(4)」ともいう。)であることが確認された。
このゲル化剤(4)は、融点が234℃であった。
(元素分析測定の結果)
計算値:C77.37,H10.08,N7.12%
測定値:C77.25,H9.95,N7.43%
(NMR測定の結果)
CDCl3 ,δ8.13−8.11(d,J=7.6Hz,2H),7.49−7.46(m,4H),7.36−7.28(m,2H),5.89−5.86(d,J=8.6Hz,1H),5.59(m,1H),4.96(s,1H),4.17−4.11(t,J=7.2Hz,2H),3.15−3.06(m,2H),1.70−1.65(m,2H),1.39−1.25(m,32H),0.90−0.85(t,J=6.3Hz,3H),0.72−0.63(m,6H)
(ゲル化剤(4)のゲル形成能の確認)
ゲル化剤(4)について、種々の有機溶媒および液晶性化合物に対するゲル形成能を調べたところ、このゲル化剤(4)は、有機溶媒である酢酸エチル、エタノール、クロロホルム、ベンゼン、テトラヒドロフラン、N, N−ジメチルホルムアミドに対して良好なゲル形成能を示し、液晶性化合物である4−ペンチル−4’−シアノビフェニル、4−オクチル−4’−シアノビフェニル、4−オクチルオキシ−4’−シアノビフェニルに対して良好なゲル形成能を示すことが確認された。
また、ゲル化剤(4)と、当該ゲル化剤(4)がゲル形成能を示す有機溶媒および液晶性化合物とよりなるゲル化性混合物の各々を走査型電子顕微鏡によって観察したところ、これらのゲル化性混合物を構成する有機溶媒および液晶性化合物の等方相中において、細く長い繊維が互いに絡み合ってなる網目構造を有するゲル化剤(4)由来の繊維状分子集合体が形成されていることが確認された。
(ゲル化剤(4)を用いたゲル化性混合物の特性確認)
液晶性化合物である4−オクチル−4’−シアノビフェニルに対して3質量%のゲル化剤(4)を混合してなるゲル化性混合物のゾル−ゲル転移温度を測定したことろ、106℃であった。
また、液晶性化合物である4−オクチルオキシ−4’−シアノビフェニルに対して3質量%のゲル化剤(4)を混合してなるゲル化性混合物のゾル−ゲル転移温度を測定したことろ、108℃であった。
更に、4−オクチルオキシ−4’−シアノビフェニルに対して0.2質量%のゲル化剤(4)を添加し、一方向に配向させたスメクチックA相中における繊維状分子集合体の形成状態を走査型電子顕微鏡および偏光顕微鏡によって観察したところ、液晶分子の配向方向に対して垂直な方向に優先的に繊維が成長することが確認された。
(ゲル化剤の合成例5)
上記反応式(3)中の原料カルバゾール誘導体として表されている化合物0.232gと、反応式(3)中の原料イソロイシン誘導体として表されている化合物0.384gと、ジクロロメタン66.3gと、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.491gと、4 −(N, N−ジメチルアミノ)ピリジン0.0122gとを混合し、この系を25℃で27時間反応させることにより、反応生成物を収率50%で得た。
得られた反応生成物は、下記の元素分析測定およびNMR測定(溶媒:重ジメチルスルホキシド)の結果から、一般式(3)で表されるカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(以下、「ゲル化剤(5)」ともいう。)であることが確認された。
このゲル化剤(5)は、融点が191℃であった。
(元素分析測定の結果)
計算値:C75.33,H9.82,N6.94%
測定値:C75.14,H9.68,N7.27%
(NMR測定の結果)
6 −DMSO,δ11.16(s,1H),8.07(m,1H),8.01−7.97(t,J=7.2Hz,2H),7.90−7.88(d,J=8.0Hz,1H),7.43−7.41(d,J=8.0Hz,1H),7.31−7.27(t,J=6.8Hz,1H),7.13−7.09(t,J=7.2Hz,1H),6.96(s,1H),6.82−6.80(d,J=8.4Hz,1H),4.64(s,2H),4.24−4.20(m,1H),3.12−3.08(t,J=7.2Hz,1H),2.99−2.96(t,J=7.2Hz,1H),1.73(m,1H),1.36(m,2H),1.21(m,32H),0.86−0.78(m,9H)
(ゲル化剤(5)のゲル形成能の確認)
ゲル化剤(5)について、種々の有機溶媒および液晶性化合物に対するゲル形成能を調べたところ、このゲル化剤(5)は、有機溶媒である酢酸エチル、エタノール、アセトン、クロロホルム、ベンゼン、N, N−ジメチルホルムアミドに対して良好なゲル形成能を示し、液晶性化合物である4−ペンチル−4’−シアノビフェニル、4−オクチル−4’−シアノビフェニル、4−オクチルオキシ−4’−シアノビフェニルに対して良好なゲル形成能を示すことが確認された。
また、ゲル化剤(5)と、当該ゲル化剤(5)がゲル形成能を示す有機溶媒および液晶性化合物とよりなるゲル化性混合物の各々を走査型電子顕微鏡によって観察したところ、これらのゲル化性混合物を構成する有機溶媒および液晶性化合物の等方相中において、太い繊維が互いに絡み合ってなる網目構造を有するゲル化剤(5)由来の繊維状分子集合体が形成されていることが確認された。
(ゲル化剤(5)を用いたゲル化性混合物の特性確認)
液晶性化合物である4−オクチル−4’−シアノビフェニルに対して3質量%のゲル化剤(5)を混合してなるゲル化性混合物のゾル−ゲル転移温度を測定したことろ、65℃であった。
また、液晶性化合物である4−オクチルオキシ−4’−シアノビフェニルに対して3質量%のゲル化剤(5)を混合してなるゲル化性混合物のゾル−ゲル転移温度を測定したことろ、67℃であった。
以上の結果から、実施例1〜実施例5に係るゲル化剤は、イソロイシン誘導体にカルバゾール部位が導入されてなる分子構造を有し、有機溶媒または液晶性化合物に対して良好なゲル形成能を有するものであることが確認された。
また、特に、実施例1、実施例3〜実施例5に係るゲル化剤を含有するゲル化性混合物は、液晶表示素子として好適に用いることができる可能性を有するものであることが確認された。
更に、実施例1〜実施例2に係るゲル化剤により、これらのゲル化剤を構成するカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(1)は、一般式(1)のnが大きいものほど融点が低くなり、そのカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(1)よりなるゲル化剤を混合してなるゲル化性混合物は、構成要素であるカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(1)の融点が低いものほどゲル−ゾル転移温度が低いものとなることが確認された。
実施例3〜実施例4に係るゲル化剤により、これらのゲル化剤を構成するカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(2)は、一般式(2)のmが大きいものほど融点が低くなり、そのカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(2)よりなるゲル化剤を混合してなるゲル化性混合物は、構成要素であるカルバゾリル基含有イソロイシン誘導体(2)の融点が低いものほどゲル−ゾル転移温度が低いものとなることが確認された。
本発明のゲル化剤は、物理ゲルを構成する材料として好適に用いることができ、また、このゲル化剤を用いたゲル化性混合物は、液晶表示素子として好適に用いることができる可能性がある。
実施例1に係るゲル化性混合物の紫外可視吸収スペクトルを示す説明図である。

Claims (5)

  1. カルバゾリル基を有するイソロイシン誘導体よりなることを特徴とするゲル化剤。
  2. 下記一般式(1)で表されるカルバゾリル基を有するイソロイシン誘導体よりなることを特徴とする請求項1に記載のゲル化剤。
    Figure 0004353511
    〔式中、mは6以上の整数を示す。〕
  3. 下記一般式(2)で表されるカルバゾリル基を有するイソロイシン誘導体よりなることを特徴とする請求項1に記載のゲル化剤。
    Figure 0004353511
    〔式中、nは1以上の整数を示す。〕
  4. 下記式(1)で表されるカルバゾリル基を有するイソロイシン誘導体よりなることを特徴とする請求項1に記載のゲル化剤。
    Figure 0004353511
  5. 下記式(2)で表される骨格を有するイソロイシン誘導体と、カルバゾリル基を有する化合物とをジクロロメタンおよび1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩の存在下において反応させることによりカルバゾリル基を有するイソロイシン誘導体を得ることを特徴とするゲル化剤の製造方法。
    Figure 0004353511
JP2003292298A 2003-08-12 2003-08-12 ゲル化剤およびその製造方法 Expired - Fee Related JP4353511B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003292298A JP4353511B2 (ja) 2003-08-12 2003-08-12 ゲル化剤およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003292298A JP4353511B2 (ja) 2003-08-12 2003-08-12 ゲル化剤およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005060524A JP2005060524A (ja) 2005-03-10
JP4353511B2 true JP4353511B2 (ja) 2009-10-28

Family

ID=34369687

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003292298A Expired - Fee Related JP4353511B2 (ja) 2003-08-12 2003-08-12 ゲル化剤およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4353511B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102109545B1 (ko) * 2016-12-22 2020-05-12 삼성에스디아이 주식회사 유기 광전자 소자용 조성물, 유기 광전자 소자 및 표시 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005060524A (ja) 2005-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5635035B2 (ja) キラルドーパント、それを用いた液晶混合物および液晶ディスプレイ
JP6241702B2 (ja) メカノクロミック材料
JP4005571B2 (ja) 両親媒性ヘキサペリヘキサベンゾコロネン誘導体
JP5522447B2 (ja) アゾ−ホウ素錯体化合物およびその製造方法
JP4353511B2 (ja) ゲル化剤およびその製造方法
US20070015927A1 (en) New phosphoramidite compounds
JP3763495B2 (ja) ピリジニウム型イオン性化合物誘導体、その製造方法及び液晶物質
JP4257434B2 (ja) シリル置換基を有する新規カルバゾール誘導体
US20050199855A1 (en) Gelling agent and production method thereof
CN110642840B (zh) 巴比妥酸衍生物与制备方法及其在数据加密解密中的应用
KR20140107975A (ko) 굽은핵형 반응성 메소젠 화합물 및 이의 혼합물의 광경화에 의한 저복굴절성 액정성 배향 필름
JP3536480B2 (ja) 4,5−ジハロゲノ−6−ジハロゲノメチルピリミジン及びその製法
TWI271431B (en) High birefringent liquid crystal compound and composition thereof
JP2012051862A (ja) 液晶性化合物、配向性単分子膜、及び、配向性単分子膜の製造方法
JP3851992B2 (ja) 非対称アジン類の製造方法
CN113816974B (zh) 一种卟啉共价连接均三氮杂蔻化合物及其制备和应用
Zhang et al. Dual physical stimuli fluorescence response of an α-cyanostilbene derivative for dynamic information storage
JP2687022B2 (ja) 光学活性な液晶性化合物
JPH0656703A (ja) パーフルオロアルキル置換ビフェニル誘導体の製造方法
JP3127603B2 (ja) 新規ジベンゾペンタレン誘導体及びその製造方法
SU732267A1 (ru) Карборансодержащие алифатические нитрилы как промежуточный продукт в синтезе карборанилпропионовой кислоты
JP3845719B2 (ja) メソ−置換ポルフイリン誘導体化合物の製造方法
JP2022510713A (ja) 蛍光化合物、その製造方法及びその用途
JPH04182485A (ja) オクタキス(アルコキシフェニル)フタロシアニン系化合物およびその遷移金属錯体
KR101153020B1 (ko) 소자 적용이 가능한 신규의 겔화제

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050916

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080725

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090714

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090727

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120807

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120807

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130807

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees