JP2012051862A - 液晶性化合物、配向性単分子膜、及び、配向性単分子膜の製造方法 - Google Patents

液晶性化合物、配向性単分子膜、及び、配向性単分子膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機半導体層や発光層といった有機活性層を構成する有機機能性分子の規則的な配列の向上に資する液晶性化合物、配向性単分子膜、及び、配向性単分子膜の製造方法を提供する。
【解決手段】液晶性化合物は、両末端に反応性基を備えている。液晶状態にて異方性を有し、SiO基板等に両末端の反応性基が結合することで、液晶性化合物の分子が一定方向に、且つ、基板に沿って配列した配向性単分子膜が得られる。この配向性単分子膜上に有機半導体層や発光層といった有機活性層を形成することで、これらを構成する有機機能性分子も所望の配列をとることができ、電荷移動特性や発光特性の制御が可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶性化合物、配向性単分子膜、及び、配向性単分子膜の製造方法に関する。
近年、有機機能性材料を用いた有機FETデバイスや有機ELデバイス等の薄膜デバイスが注目されている。これらのデバイスには有機半導体層や発光層といった有機活性層が形成されており、デバイスの機能向上・新機能発現のためには、有機活性層内での特定方向への電荷移動や偏光発光などが求められる。
例えば、有機FETでは、絶縁層上に有機半導体層が形成され、その上にソース及びドレインが形成されており、有機半導体層を電荷が移動することにより、ソース−ドレイン間に電流が流れる。高性能な有機FETを得るためには、有機半導体層において、ソース−ドレイン方向への電荷移動特性が優れることが望ましい。電荷移動特性は有機半導体層を構成する有機分子の配列に大きく影響され、規則的に有機分子が配列していることが望ましく、例えば、有機FETではペンタセンやアントラセン等の有機分子の6員環がソース−ドレイン方向に対向して規則的に配列していることが望ましい。
有機半導体層の形成において、有機分子の結晶性を向上させるべく、絶縁層等の基板表面をOTS(Octadecyltrichlorosilane)やHMDS(Hexamethyldisilazane)等の有機ケイ素化合物で処理した後、ペンタセン等の有機半導体材料を製膜し、基板上に有機半導体層を形成することが行われている。
また、特許文献1及び特許文献2に開示されている液晶性化合物を絶縁層に結合させ、その上に有機半導体材料を結合させることも考えられる。
特開平8−262452号公報 特開平11−149077号公報
特許文献1、2に開示されている液晶性化合物を基板上に結合させて単分子膜を製造した場合、片末端の反応性基が基板と結合するのみであり、液晶性化合物の分子配向は基板に垂直になる。この単分子膜上に有機半導体層を形成すると、有機分子が特定の方向に配向した単結晶が複数集合した多結晶が形成されることになり、有機半導体層全体から見れば有機分子の配向が一定していない状態となる。
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、有機半導体層や発光層といった有機活性層を構成する有機機能性分子の規則的な配列の向上に資する液晶性化合物、配向性単分子膜、及び、配向性単分子膜の製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様に係る液晶性化合物は、下式1で表されることを特徴とする。

(式1中、Meは液晶性基であり、下式(11)〜(15)のいずれか(ただし、式(11)〜(15)中、Aは下式(21)〜(27)のいずれかであり、液晶性基中にAが二つある場合は、これらが同一でも異なっていてもよい)で表され、


Sp及びSpはスペーサーであり、それぞれ下式(31)〜(34)のいずれか(ただし、式(31)〜(34)中、nは1〜20)で表され、

An及びAnは反応性基であり、それぞれ一般式(41)〜(47)のいずれか(ただし、式(41)及び(42)において、Rはアルキル基、式(41)〜(43)において、XはF、Cl、Br、I、OR(Rは炭素原子が1〜10個で形成される直鎖状あるいは分岐状アルキル基)、OHのいずれか)で表される。)
本発明の第2の態様に係る配向性単分子膜は、
上記の液晶性化合物の両末端の反応性基がそれぞれ基板に結合し、膜状に形成されている、
ことを特徴とする。
また、前記液晶性化合物の分子が一定方向に、且つ、前記基板の表面に沿って配列していることが望ましい。
本発明の第3の態様に係る配向性単分子膜の製造方法は、
上記の液晶性化合物を液晶状態にし、前記液晶性化合物の分子を一定方向に配向させる工程と、
前記液晶性化合物を基板に接触させ、前記基板に前記液晶性化合物の両末端の反応性基を結合させる工程と、
洗浄して前記基板に結合していない前記液晶性化合物を除去して前記液晶性化合物の単分子膜を形成する工程と、を備える、
ことを特徴とする。
また、直線状の溝が形成された配向膜を準備し、前記配向膜上にて前記液晶性化合物を液晶状態にして前記液晶性化合物の分子を前記溝と平行に配向させてもよい。
また、前記液晶性化合物を加熱して等方性液体状態にした後、冷却して液晶状態にしてもよい。
本発明に係る液晶性化合物は、両末端に反応性基を備えている。液晶状態にて異方性を有し、SiO基板等に両末端の反応性基が結合することで、液晶性化合物の分子が一定方向に、且つ、基板に沿って配列した配向性単分子膜が得られる。この配向性単分子膜上に有機半導体層や発光層といった有機活性層を形成することで、これらを構成する有機機能性分子も所望の配列をとることができ、電荷移動特性や発光特性の制御が可能である。このため、有機FETや有機EL等のエレクトロデバイスへの利用が期待される。
配向性単分子膜の模式図である。 配向性単分子膜にペンタセンを配列させた模式図である。 配向性単分子膜の製造方法を示す工程図である。 液晶性化合物の末端基と基板との結合の様子を示す模式図である。 化合物1及び化合物2のDSC測定結果である。 配向性単分子膜のAFM画像である。
まず、本実施の形態に係る液晶性化合物について説明する。
液晶性化合物は、下式(1)で表され、細長い棒状の分子構造をした化合物である。
式(1)中、Meは、液晶性基(メソゲン基)である。液晶性基とは、液晶性を発現させる中核的分子構造、いわゆるメソゲンを含み、かつスペーサーと結合する基である。
式(1)中のMeは、具体的には下式(11)〜(15)で表される。
なお、式(12)〜(15)中、Aは具体的には式(21)〜(27)で表される官能基のいずれかであり、これらは単一であっても異なっていてもよい。
また、(1)中、Sp及びSpは、いわゆるスペーサーである。スペーサーは2官能性の分子であり、具体的には式(31)〜(34)のいずれかで表される。なお、式(31)〜(34)中、nは1〜20である。
また、式(1)中、An及びAnは反応性基であり、An及びAnは、それぞれ式(41)〜(47)のいずれかで表される。ここで、式(41)及び(42)において、Rはアルキル基、式(41)〜(43)において、XはF、Cl、Br、I、OR(Rは炭素原子が1〜10個で形成される直鎖状あるいは分岐状アルキル基)、OHのいずれかである。
上記の液晶性化合物は、後述の実施例に記すように、液晶性基を有する化合物にスペーサーを結合させ、両末端に反応性基を結合させることで得られる。
液晶性化合物は細長い棒状の分子構造をしており、液晶状態においては異方性を有するので、分子が全て平行に配列する特性を備える。そして、両末端に反応性基を備えていため、液晶状態において両末端が適当な基板材料と結合すると、分子は基板表面に沿って配列する。
基板材料として、SiO基板等、金属酸化物性の基板に液晶性化合物を結合させる場合、反応性基が式(41)〜(45)であることが好ましい。また、Au基板に結合させる場合、反応性基が式(46)であることが好ましい。また、Si基板に結合させる場合、式(47)であることが好ましい。
続いて、上述した液晶性化合物を用いた配向性単分子膜について、図1を参照しつつ、説明する。
配向性単分子膜は、図1の模式図に示すように、液晶性化合物11の両末端の反応性基がそれぞれ基板12表面に結合しており、そして、液晶性化合物11の分子が一定方向に、且つ、基板12の表面に沿って配向した状態の単分子膜である。
基板12として、金属酸化物性の基板やAu基板、Si基板等、種々の素材から構成され得る。基板12が金属酸化物性の素材である場合、式(41)〜(45)で表される反応性基を両末端に有する液晶性化合物11が結合した配向性単分子膜となる。また、Au基板である場合、式(46)で表される反応性基を両末端に有する液晶性化合物11が結合した配向性単分子膜となる。また、Si基板である場合、式(47)で表される反応性基を両末端に有する液晶性化合物11が結合した配向性単分子膜となる。この配向性単分子膜は、液晶性化合物11の両末端の双方の反応性基が基板と結合することによって、膜状に形成されたものである。
配向性単分子膜は、液晶性化合物11の両末端が固定されているため、液晶性化合物11の各分子の配向秩序が保たれる。
このように、液晶性化合物11が基板12上に配列された配向性単分子膜は、例えば、有機FETの有機半導体層の形成に有用である。図2に、基板12上に、ペンタセンからなる有機半導体層を形成した模式図を示す。配向性単分子膜は、液晶性化合物11が基板12表面に規則正しく平行に配列しているため、ペンタセン分子も図2に示すように、基板表面に沿って平行に配列される。ペンタセン分子は互いに6員環が対向するよう配列され、ペンタセンからなる有機半導体層の上にソース及びドレインを形成すれば、電荷移動特性の優れた高性能で薄い有機FETが得られる。
また、有機ELの発光層を形成にも利用可能である。基板上に上記配向性単分子膜を形成した後に、発光性分子からなる発光層を形成すれば、発光性分子の配列を制御することができ、偏光発光等の制御が可能となる。
続いて、上記配向性単分子膜の製造方法について、図3を参照しつつ説明する。
まず、配向膜を準備する。この配向膜は、液晶性化合物を特定の方向に配列させるために用いる膜である。表面に複数の直線状の溝が平行に形成された配向膜を準備できればよく、本実施形態では一例としてラビング処理によるラビング配向膜22の形成について説明する。図3(A)に示すポリイミドフィルム等の膜21の表面に溝を形成する。膜21への溝の形成は、ラビング布を用いたラビング処理等で行えばよい。これにより、図3(B)に示すようにラビング配向膜22が得られる。ラビング配向膜22中の溝は直線状で、且つ一定方向に形成する。溝の幅はナノレベルであり、液晶性化合物11の棒状構造の分子が収まる程度であることが好ましい。
続いて、図3(C)に示すように、固体状の液晶性化合物11を準備したラビング配向膜22上に配置する。液晶性化合物11を加熱し、等方性液体状にし、ラビング配向膜22上に均一化させ、溝に充填されるようにする。
液晶性化合物11が等方性液体状になった後、冷却する。冷却後の温度は、液晶性化合物11が液晶状態を示す温度範囲(液晶温度範囲)を維持する。液晶性化合物11の分子は、ラビング配向膜22上で一部の分子が溝に収まり、溝対して平行に配列されるので、他の分子も追随して同じ向き、即ち、溝に対して平行に配列される。結果として、ラビング配向膜22上にある液晶性化合物11は、すべて同じ向きに配列させることができる。
その後、図3(D)に示すように、液晶性化合物11が液晶状態のまま、その上から基板12を接触させる。基板12と液晶性化合物11の両末端の反応性基が結合する。液晶性化合物11は液晶状態を保ったままであるため、液晶性化合物11は基板12表面に沿った状態で結合する。
なお、図4に基板12と液晶性化合物11の反応性基との結合について、具体例を挙げる。基板12がSiOである場合、通常、基板12表面には水酸基が存在している。そして、反応性基としてクロロシリル基を有する液晶性化合物11を基板12に接触させると、基板12表面の水酸基とクロロシリル基との反応が生じ結合する。
図3に戻り、十分に基板12と液晶性化合物11が結合した後、図3(E)に示すように、基板12をラビング配向膜22から離間させる。
その後、脱水トルエン等を用い、基板12を洗浄し、乾燥する。洗浄することで、基板12と結合していない液晶性化合物11が除去される。これにより、基板12上に液晶性化合物11の両末端の反応性基が結合した単分子膜が得られる。
<10−undecenoic acid[1,1’−biphenyl]−4,4’−diyl ester(以下、化合物1と記す)の合成>
まず、4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル(0.9g,4.8mmol)、撹拌子を入れたフラスコ内を真空にし、乾燥アルゴンで置換した。
続いて、フラスコ内に乾燥テトラヒドロフラン(THF)(30mL)、トリエチルアミン(NEt)(5mL)、10−ウンデセノイルクロリド(2.0g,9.9mmol)を加えて室温で12時間撹拌した。
反応溶液から副生した白色沈殿物(EtNHCl)を濾別した後、濾液から溶媒を除去した。
その後、ジクロロメタンと水を用いて有機層を抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した後、濾液から溶媒を除去して粗生成物を得た。
カラムクロマトグラフィー(充填剤:シリカゲル、展開溶媒:ジクロロメタン)を行った後、エタノールで再結晶を行い、目的物である化合物1を得た。
上記化合物1の合成における反応式を以下に示す。
なお、化合物1の同定はH NMR、EI−MS、FT−IRにより行った。その測定結果を以下に示す。
1H NMR (400MHz, CDCl3, ppm) : 7.55 (d, 4H, phenylene-H, J = 8.7Hz), 7.14 (d, 4H, phenylene-H, J =8.7Hz), 5.82 (ddt, 2H, CH2=CH-CH2-, J = 6.8, 10.2, 17.1Hz), 5.00 (ddt, 2H, CH2=CH-CH2-, J = 1.5, 2.1, 17.1Hz), 4.94 (ddt, 2H, CH2=CH-CH2-, J = 1.1, 2.1, 10.2Hz), 2.58 (t, 4H, -COOCH2-, J = 7.5Hz), 2.05 (dt, 4H, CH2=CH-CH2-, J = 6.8, 6.8Hz), 1.77 (tt, 4H,-COOCH2-CH2-, J = 7.5Hz), 1.28-1.48 (m, 20H, -CH2-).
EI-MS(m/z) : 518 (M+).
IR (cm-1) : 3080 (νC-H in vinyl), 3044 (νC-H in biphenyl), 2919 (νC-H in alkyl), 2850 (νC-H in alkyl), 1746 (νC=O), 1641(νC=C in vinyl), 1491(νC=C in biphenyl), 1211(νC-O).
<11−(dimethylchlorosilyl)undecanoic acid [1,1’−biphenyl]−4,4’−diyl ester(以下、化合物2と記す)の合成>
得られた化合物1(260mg,0.5mmol)、10wt%白金・活性炭素(10wt% Platinum on activated carbon, Pt on C)(触媒量)、及び撹拌子を入れたフラスコ内を真空にした後、乾燥アルゴンで置換した。
乾燥トルエン(2mL)、ジメチルクロロシラン(HMeSiCl)(470mg,5mmol)をフラスコ内に加え、室温で20時間撹拌した。
反応溶液を真空排気し、溶媒および過剰量のジメチルクロロシランを除去し、得られた残渣(黒色粘ちょう体)に乾燥ヘキサンを加え、アルゴン雰囲気下で海砂を用いて濾過を行い、白金・活性炭素を除去した。
濾液から溶媒を除去し、得られた白色固体をグローブボックス中で乾燥ヘキサンを用いて再結晶を行い、目的物である化合物2を得た。
上記化合物2の合成における反応式を以下に示す。
なお、化合物2の同定はH NMR、EI−MS、FT−IRにより行った。その測定結果を以下に示す。
1H NMR (400MHz, CDCl3, ppm) : 7.49 (d, 4H, phenylene-H, J = 8.7Hz), 7.14 (d, 4H, phenylene-H, J =8.7Hz), 2.58 (t, 4H, -COOCH2-, J = 7.5Hz), 1.77 (tt, 4H,-COOCH2-CH2-, J = 7.5Hz), 1.25-1.47 (m, 28H, -CH2-), 0.82 (t, 4H, -CH2Si(CH3)2Cl, J = 8.0Hz), 0.40 (s, 12H, - Si(CH3)2Cl).
EI-MS(m/z) : 706 (M+).
IR (cm-1) : 3042 (νC-H in biphenyl), 2919, 2850 (νC-H in alkyl),1746(νC=O), 1493 (νC=C in biphenyl), 1210 (νC-O), 469 (νSi-Cl).
得られた化合物1及び化合物2について、示差走査熱量(DSC)測定により確認した。DSC測定条件を以下に示す。
示差走査熱量(DSC)測定
用いた装置:島津製作所製DSC−60
測定雰囲気:窒素気流50[mL/min]
昇温・降温速度:1[degree/min]
DSC測定結果を図5に示す。化合物1では75〜110℃の範囲で液晶相を示した。また、化合物2では昇温過程で65〜80℃、冷却過程で50〜90℃の範囲で液晶性を示しており、液晶性化合物であることを確認した。
得られた化合物2を基板へ固定し、配向性単分子膜を得た。
まず、以下のようにして配向膜を作製した。液晶配向膜(日産化学社製・サンエバー SE−150)をガラス基板表面にスピンコートし、80℃で5分、250℃で1時間アニーリング処理した。
得られた膜表面をラビング布(吉川化工社製・YA−20−R)でラビング処理し、膜表面に一方向に複数の溝を形成した。その後、水/イソプロパノール(50/50 wt/wt)中で1分間超音波洗浄し、表面に溝を備えるラビング配向膜を得た。
得られたラビング配向膜を用い、以下のようにして配向性単分子膜を製造した。
化合物2が大気中の湿気と反応するので、一連の操作はグローブボックスを用いて乾燥アルゴン雰囲気下で行った。化合物2を配向膜上で90℃に加熱して、化合物2を融解させて等方性液体状にし、配向膜上に均一化させた。その後、液晶温度範囲(65〜80℃)まで冷却し、化合物2を液晶状態にした。
ここでマイカ基板(単分子膜を原子間力顕微鏡で観察するためにマイカを用いた)を液晶状態にした化合物2上に置き、化合物2をマイカ基板表面へ固定した。
マイカ基板を取り出し、マイカ基板に固定化されていない過剰量の化合物2を取り除くため、乾燥トルエン中に浸漬し、30秒間超音波洗浄を行った。
さらに無機成分の不純物を取り除く目的でメタノールですすぎ、得られた単分子膜を一晩デシケータ中で乾燥し、配向性単分子膜を得た。
得られた配向性単分子膜について、原子間力顕微鏡(AFM)測定を行った。AFM測定条件を以下に記す。
装置:Agilent Technologies(アジレント・テクノロジーズ)社製 PicoScan2500
測定モード:ACモード
カンチレバー:ナノワールド社製・PPP−FM(バネ定数:1.9N/m)
スキャン速度:1Line/sec
AFM画像を図6に示す。棒状の化合物2が基板に沿って、一定方向に規則的に配列していることが確認できる。
液晶性化合物は、両末端に反応性基を備えている。液晶状態にて異方性を有し、SiO基板等に両末端の反応性基が結合することで、液晶性化合物の分子が一定方向に、且つ、基板に沿って配列した配向性単分子膜が得られる。この配向性単分子膜上に有機半導体層や発光層を形成することで、これらを構成する分子も所望の配列をとることができ、電荷移動特性や発光特性の制御が可能である。このため、有機ELや有機FET等のエレクトロデバイスへの利用が期待される。
11 液晶性化合物
12 基板
21 膜
22 ラビング配向膜

Claims (6)

  1. 下式1で表されることを特徴とする液晶性化合物。

    (式1中、Meは液晶性基であり、下式(11)〜(15)のいずれか(ただし、式(11)〜(15)中、Aは下式(21)〜(27)のいずれかであり、液晶性基中にAが二つある場合は、これらが同一でも異なっていてもよい)で表され、


    Sp及びSpはスペーサーであり、それぞれ下式(31)〜(34)のいずれか(ただし、式(31)〜(34)中、nは1〜20)で表され、

    An及びAnは反応性基であり、それぞれ一般式(41)〜(47)のいずれか(ただし、式(41)及び(42)において、Rはアルキル基、式(41)〜(43)において、XはF、Cl、Br、I、OR(Rは炭素原子が1〜10個で形成される直鎖状あるいは分岐状アルキル基)、OHのいずれか)で表される。)
  2. 請求項1に記載の液晶性化合物の両末端の反応性基がそれぞれ基板に結合し、膜状に形成されている、
    ことを特徴とする配向性単分子膜。
  3. 前記液晶性化合物の分子が一定方向に、且つ、前記基板の表面に沿って配列している、
    ことを特徴とする請求項2に記載の配向性単分子膜。
  4. 請求項1に記載の液晶性化合物を液晶状態にし、前記液晶性化合物の分子を一定方向に配向させる工程と、
    前記液晶性化合物を基板に接触させ、前記基板に前記液晶性化合物の両末端の反応性基を結合させる工程と、
    洗浄して前記基板に結合していない前記液晶性化合物を除去して前記液晶性化合物の単分子膜を形成する工程と、を備える、
    ことを特徴とする配向性単分子膜の製造方法。
  5. 直線状の溝が形成された配向膜を準備し、前記配向膜上にて前記液晶性化合物を液晶状態にして前記液晶性化合物の分子を前記溝と平行に配向させる、
    ことを特徴とする請求項4に記載の配向性単分子膜の製造方法。
  6. 前記液晶性化合物を加熱して等方性液体状態にした後、冷却して液晶状態にする、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の配向性単分子膜の製造方法。
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