JP4352756B2 - 自動車シート用のダンパ及びこのダンパを具備した自動車シート機構 - Google Patents

自動車シート用のダンパ及びこのダンパを具備した自動車シート機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のシート、例えば横方向に回動自在にされたリヤシートにおいて、横方向に跳ね上げられたリヤシートの戻りの回動エネルギを吸収して、リヤシートの急激な戻りをなくし得る自動車シート用のダンパ及びこのダンパを具備した自動車シート機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2000−142196号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
自動車では、車内空間を広くするためにリヤシートを横方向に跳ね上げるようにすることが提案されているが、斯かるリヤシートを横方向に跳ね上げる場合(上げ方向の横回動の場合)には少々の大きな力を加えてもリヤシートの自重が作用してストッパ等への激突の問題がそれ程生じないが、元に戻す場合(下げ方向の横回動の場合)にはリヤシートの自重の影響により急激に横方向に下げられてストッパ等に激突して不快な大きな音が生じることになる。このリヤシートの下げ方向の横回動をゆっくりと行わせるために、横回動エネルギを吸収するダンパを用いるとよいのであるが、斯かるダンパとしては流体を利用したものが知られており、この流体を利用したダンパでは大きな減衰力を得るには大型にならざるを得ない上に、流体の漏出を阻止するための大掛かりなシールを必要とする。特に、大きな車内居住空間を確保するために、リヤシートに対して後方向に背もたれを回動させてリヤシートに対して背もたれを伸ばし、その後、リヤシートを横方向に跳ね上げるようにした自動車シート機構に対するダンパでは、背もたれ及びリヤシートの合計荷重に基づく大きな回動エネルギを減衰する必要があるために、単に流体を利用した小型のダンパでは、目的の大きな減衰を得ることが困難である。
【0004】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、大きな減衰力を得ることができる上に小型にでき、特に背もたれを伸ばして又は背もたれを折り畳んで、その後、シートを横方向に跳ね上げるようにした又はシートを後方に回動するようにした自動車のシートに好適なダンパ及びこのダンパを具備した自動車シート機構を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様の自動車シート用のダンパは、自動車のシートが回動自在に設置されるシャーシに対して固定されるようになっている固定部材と、この固定部材に対して回転自在であって固定部材との間で隙間を形成する回転体と、隙間に配されたシリコーン系未加硫ゴムと、自動車のシートの一方の方向の回動においては、当該一方の方向の回動を回転体に伝達して回転体に回転を生じさせる一方、自動車のシートの他方の方向の回動においては、当該他方の方向の回動の回転体への伝達を禁止するようになっている一方向クラッチ手段とを具備している。
【0006】
第一の態様のダンパによれば、固定部材に対する回転体の回転でシリコーン系未加硫ゴムに剪断変形を生じさせ、この剪断変形でもって減衰機能を得るようにしているために、摩耗の虞もない上に、漏出防止のためのシールを省き得て、軽量且つ小型でも大きな減衰力を容易に得ることができ、しかも、一方向クラッチ手段でもって、自動車のシートの一方の方向の回動、例えばシートの跳ね上げ横回動又はシートの前方戻し回動では、シリコーン系未加硫ゴムによる減衰機能を生じさせないようにし、自動車のシートの他方の方向の回動、例えばシートの戻し下げ横回動又はシートの後倒下げ回動では、シリコーン系未加硫ゴムによる減衰機能を生じさせるようにしているために、自動車のシートの跳ね上げ又は前方戻しを容易に行い得る上に、シートの横方向の戻し下げ又は後倒下げ回動においてストッパ等への激突による不快な大きな音が生じることがない。
【0007】
本発明の第二の態様の自動車シート用のダンパでは、上記の第一の態様のダンパにおいて、固定部材は、自動車のシートが上げ下げ方向に回動自在に設置されるシャーシに対して固定されるようになっており、一方向クラッチ手段は、自動車のシートの下げ方向の横回動においては、当該下げ方向の横回動を回転体に伝達して回転体に回転を生じさせる一方、自動車のシートの上げ方向の横回動においては、当該上げ方向の横回動の回転体への伝達を禁止するようになっており、本発明の第三の態様の自動車シート用のダンパでは、上記の第一の態様のダンパにおいて、固定部材は、自動車のシートが前後方向に回動自在に設置されるシャーシに対して固定されるようになっており、一方向クラッチ手段は、自動車のシートの後方向の回動においては、当該後方向の回動を回転体に伝達して回転体に回転を生じさせる一方、自動車のシートの前方向の回動においては、当該前方向の回動の回転体への伝達を禁止するようになっている。
【0008】
上記のいずれかの態様のダンパにおいては、本発明の第四の態様の自動車シート用のダンパのように、回転体は、中央軸部と、この中央軸部に同心に配された複数の円筒部とを具備しており、固定部材は、中央軸部に同心に配された複数の円筒部を具備していると共に、当該複数の円筒部のうちの最内周側の円筒部で中央軸部に摺動自在に嵌合されて回転体を回転自在に支持しており、回転体の複数の円筒部と固定部材の複数の円筒部とは、シリコーン系未加硫ゴムが配された隙間をもって互いに径方向において重合しているとよく、この場合、好ましくは本発明の第五の態様の自動車シート用のダンパのように、回転体は、その複数の円筒部の軸方向の一方の端部に一体的に形成された閉塞部と、この閉塞部の軸方向の端面に設けられた凹所又は突起とを具備しており、固定部材は、その円筒部の軸方向の一方の端部に一体的に形成された閉塞部と、閉塞部に一体的に形成されていると共にシャーシに対して固定するための取り付け部とを具備している。
【0009】
第五の態様のダンパのように、回転体が凹所又は突起を具備し、固定部材が取り付け部を具備していると、凹所又は突起と取り付け部とでダンパを両持ち支持できる結果、ダンパをシャーシに対してしっかりと固定できる。
【0010】
また上記の第一から第三のいずれかの態様のダンパにおいては、本発明の第六の態様の自動車シート用のダンパのように、固定部材は二部材からなっており、一方の部材は、中央軸部と、この中央軸部の軸方向の一端部側に同心に配された複数の円筒部とを具備しており、他方の部材は、中央軸部の軸方向の他端部側に同心に配された複数の他の円筒部を具備しており、複数の他の円筒部のうちの最内周側の円筒部は、中央軸部の軸方向の他端部に嵌合、固着されており、回転体は、中央軸部に同心に配されていると共に軸方向に並んだ二組の複数の円筒部と、この二組の複数の円筒部の間に配されていると共に当該二組の複数の円筒部の夫々に一体的に形成された閉塞部とを具備していると共に、固定部材の二部材の間で中央軸部に回転自在に支持されており、固定部材の両複数の円筒部と回転体の二組の複数の円筒部とは、シリコーン系未加硫ゴムが配された隙間をもって互いに径方向において重合していてもよく、この場合には、好ましくは本発明の第七の態様の自動車シート用のダンパのように、固定部材の一方の部材は、中央軸部の軸方向の一端部及び複数の円筒部の軸方向の一方の端部の夫々に一体的に形成された閉塞部と、この閉塞部に一体的に形成されていると共にシャーシに対して固定するための取り付け部を有しており、固定部材の他方の部材は、その複数の他の円筒部の軸方向の一方の端部に一体的に形成された他の閉塞部と、この閉塞部の軸方向の端面に設けられた凹所又は突起を具備している。
【0011】
第七の態様のダンパのように、固定部材が取り付け部と凹所又は突起とを具備していると、取り付け部と凹所又は突起とでダンパを両持ち支持できる結果、第五の態様のダンパと同様に、ダンパをシャーシに対してしっかりと固定できる。
【0012】
本発明において一方向クラッチ手段は、その第八の態様の自動車シート用のダンパのように、一端部が自由端となって回転体の円筒状の外周面に巻回されていると共に、他端部が自動車のシートに取り付けられるようになっているコイルばねを具備しているとよい。
【0013】
第八の態様のダンパによれば、一方向クラッチ手段が回転体の外周面に巻回されたコイルばねを具備しているために、斯かるコイルばねの拡径と縮径とによる一方向クラッチ作用で、自動車のシートの一方の方向の回動では、シリコーン系未加硫ゴムによる減衰機能を生じさせないようにし、自動車のシートの他方の回動では、シリコーン系未加硫ゴムによる減衰機能を生じさせることができる結果、極めて簡単な機構により、例えば、自動車のシートの跳ね上げ又は前方戻しを容易に行い得る上に、シートの横方向の戻し下げ又は後倒下げ回動においてストッパ等への激突による不快な大きな音を生じさせないようにし得る。
【0014】
上記の第一から第三のいずれかの態様のダンパにおいては、更に本発明の第九の態様の自動車シート用のダンパのように、固定部材は、ハウジング部材と、このハウジング部材に螺着又は嵌着された蓋部材とを具備しており、ハウジング部材は、外側円筒部と、この外側円筒部の内側において外側円筒部と同心に配された内側円筒部と、外側円筒部及び内側円筒部の軸方向の一端部を閉塞するように外側円筒部及び内側円筒部に一体的に形成された閉塞部とを具備しており、蓋部材は、外側円筒部の軸方向の他端部に螺着又は嵌着されており、回転体は、外側円筒部の内側であって内側円筒部の外側において外側円筒部と同心に配されている外周側円筒部と、この外周側円筒部に連結されていると共に内側円筒部の内側において外周側円筒部と同心に配されている内周側円筒部とを具備しており、外側円筒部及び内側円筒部のうちの少なくとも一方と外周側円筒部とは、シリコーン系未加硫ゴムが配された隙間をもって互いに径方向において重合していてもよく、斯かる第九の態様の自動車シート用のダンパでは、本発明の第十の態様の自動車シート用のダンパのように、回転体は、外周側円筒部と内周側円筒部との間であって内側円筒部の内側に配された中間円筒部を更に具備しており、中間円筒部と内側円筒部とは、シリコーン系未加硫ゴムが配された隙間をもって互いに径方向において重合していてもよい。
【0015】
第九又は第十の態様の自動車シート用のダンパでは、一方向クラッチ手段は、本発明の第十一の態様の自動車シート用のダンパのように、軸方向において内周側円筒部と並置された円筒体と、一端部が自由端となって内周側円筒部及び円筒体の夫々の外周面に巻回されているコイルばねとを具備しているとよく、この場合、円筒体は、本発明の第十二の態様の自動車シート用のダンパのように、その内部に挿通される軸部材と係合して軸部材と共に回転されるように、その内周面に互いに対向する平坦面を有していても、本発明の第十三の態様の自動車シート用のダンパのように、その内部に挿通される軸部材を締め付けて軸部材と共に回転されるように、軸方向に関してその環状の一方の端面からその環状の他方の端面まで伸びたスリットを有して縮径自在であってもよい。
【0016】
第十一から第十三のいずれかの態様の自動車シート用のダンパにおいて、コイルばねは、その他端部で円筒体に連結されていてもよいが、本発明の第十四の態様の自動車シート用のダンパのように、円筒体を締め付ける程度の内径を有しており、その他端部でも自由端となっていてもよく、また第十一の態様の自動車シート用のダンパにおいては、コイルばねは、本発明の第十五の態様の自動車シート用のダンパのように、その他端部で回転体に連結されていると共に、その内部に挿通される軸部材を締め付けて軸部材と共にその自由端である一端部が回転されるような内径を有していてもよい。
【0017】
本発明において、シリコーン系未加硫ゴムは、その第十六の態様の自動車シート用のダンパのように、30から420の可塑度を有していればよいが、好ましくは、本発明の第十七の態様の自動車シート用のダンパのように、60から320の可塑度を有しており、より好ましくは、本発明の第十八の態様の自動車シート用のダンパのように、160から320の可塑度を有している。
【0018】
本発明におけるシリコーン系未加硫ゴムの可塑度は、ASTM等により規格化されたウィリアム可塑度計で測定した値であって、具体的には、上下2枚の平行板に直径約1.43cm、高さ1.27cmの円柱形で容積2ccのシリコーン系未加硫ゴムをはさみ、70℃〜100℃で5kgの荷重により圧縮し、3分間加圧後のシリコーン系未加硫ゴムの高さ(mm/100)により表したものである。
【0019】
本発明においては、シリコーン系未加硫ゴムは、上述のように、30から420の可塑度を有していればよいが、30より小さい可塑度であると、流動し易くなって隙間に配されたシリコーン系未加硫ゴムに対して漏出を防止するための大層なシールを必要とする上に、大きな減衰力を期待できなくなり、420より大きい可塑度であると、隙間を形成する回転体及び固定部材の夫々の面とのなじみが殆どなくなり、回転体及び固定部材の互いの相対的な回転においてシリコーン系未加硫ゴムに対して回転体及び固定部材のうちの一方が滑ってシリコーン系未加硫ゴムの変形による実質的な減衰力を得られ難くなり、また、滑りを防止するために斯かるシリコーン系未加硫ゴムに接する回転体及び固定部材の面を凹凸面としてシリコーン系未加硫ゴムを掴むようにしても、420より大きい可塑度のシリコーン系未加硫ゴムは極めて脆いために、回転体及び固定部材の互いの相対的な回転においてシリコーン系未加硫ゴムがたやすくせん断(分断)されて、これによってもシリコーン系未加硫ゴムの変形に基づく減衰力を得られなくなる。
【0020】
また、シリコーン系未加硫ゴムは、回転体及び固定部材の間の隙間に充填されるのであるが、その可塑度が420より大きいと、隙間に空洞(未充填部分)なしにシリコーン系未加硫ゴムを充填することが極めて困難となり、シリコーン系未加硫ゴムを充填した後に、回転体及び固定部材とシリコーン系未加硫ゴムとの間に空洞が生じていると、所望の減衰を得られなくなる虞がある。
【0021】
斯かるシールの不要性及び得られる減衰力の大きさ、なじみ性、脆性、充填の容易性及び耐久性等の観点からシリコーン系未加硫ゴムの可塑度は、好ましくは、上述の通り、60から320、より好ましくは、160から320である。可塑度が60以上であると、シリコーン系未加硫ゴムの流動性が殆どなくなり、簡単なシール機構でシリコーン系未加硫ゴムの漏出を防止でき、可塑度が160以上であると、シール機構をほぼ省略できる上に、比較的大きな減衰力を得られるようになる。一方、シリコーン系未加硫ゴムは、その可塑度が420より大きいと、上述のように回転体及び固定部材の接触面とのなじみ性がなくなる上に、脆くなってたやすくせん断されるのであるが、可塑度が320以下であるシリコーン系未加硫ゴムでは、回転体及び固定部材の夫々の面とのなじみ性が向上して、回転体及び固定部材の互いの相対的な回転において回転体及び固定部材の夫々の面に対してそれ程滑ることなしにシリコーン系未加硫ゴムに変形が生じて目的とする減衰が得られ易くなる上に、脆弱性がなくなって回転体及び固定部材の互いの相対的な回転に応じて好ましく可塑変形して、シリコーン系未加硫ゴムを掴む凹凸面を形成した回転体及び固定部材を用いても、シリコーン系未加硫ゴムがぼろぼろにせん断されるような事態を避けることができる。
【0022】
また本発明においては、シリコーン系未加硫ゴムは、上記のような可塑度をもったものが好ましいのであるが、斯かる可塑度に代えて、その第十九の態様の自動車シート用のダンパのように、10から150ML 1+4 (100℃)のムーニー粘度を有していてもよいが、好ましくは、本発明の第二十の態様の自動車シート用のダンパのように、36から72ML 1+4 (100℃)のムーニー粘度を有しており、より好ましくは、本発明の第二十一の態様の自動車シート用のダンパのように、66から72ML 1+4 (100℃)のムーニー粘度を有していてもよい。
【0023】
上記の可塑度を有するシリコーン系未加硫ゴムと同様に、10ML 1+4 (100℃)より小さいムーニー粘度を有するシリコーン系未加硫ゴムであると、流動し易くなって隙間に配されたシリコーン系未加硫ゴムに対して漏出を防止するための大層なシールを必要とする上に、大きな減衰力を期待できなくなり、150ML 1+4 (100℃)を超えるムーニー粘度を有するシリコーン系未加硫ゴムでは、隙間を形成する回転体及び固定部材の夫々の面とのなじみが殆どなくなり、回転体及び固定部材の互いの相対的な回転においてシリコーン系未加硫ゴムに対して回転体及び固定部材が滑ってシリコーン系未加硫ゴムの変形による実質的な減衰力を得られ難くなり、また、滑りを防止するために斯かるシリコーン系未加硫ゴムに接する回転体及び固定部材の面を凹凸面としてシリコーン系未加硫ゴムを掴むようにしても、150ML 1+4 (100℃)より大きいムーニー粘度のシリコーン系未加硫ゴムは極めて脆いために、回転体及び固定部材の互いの相対的な回転においてシリコーン系未加硫ゴムがたやすくせん断(分断)されて、これによってもシリコーン系未加硫ゴムの変形に基づく減衰力を得られなくなり、斯かるシールの不要性及び得られる減衰力の大きさ、なじみ性、脆性、充填の容易性及び耐久性等の観点からシリコーン系未加硫ゴムは、好ましくは、上述の通り、36から72ML 1+4 (100℃)のムーニー粘度を有しており、より好ましくは、66から72ML 1+4 (100℃)のムーニー粘度を有している。
【0024】
本発明において、シリコーン系未加硫ゴムは、好ましくはその第二十二の態様の自動車シート用のダンパのように、シリコーン変性エチレンプロピレンゴムからなる。
【0025】
シリコーン系未加硫ゴムがシリコーン変性エチレンプロピレンゴムからなっていると、耐久性、耐候性に優れて好ましい自動車シート用のダンパを提供できる。
【0026】
本発明においては、回転体及び固定部材は、シリコーン系未加硫ゴムに接する凹凸面を有しているとよく、この凹凸面は、回転体及び固定部材の相対的な回転において当該凹凸面の近傍のシリコーン系未加硫ゴムの凹凸面に対する滑りを阻止するようになっていてもよい。凹凸面は、離散的に配された突起若しくは凹溝又は連続した突起若しくは凹溝で具体化してもよいが、梨子地状又はしぼ状の凹凸面で具体化してもよい。
【0027】
斯かる凹凸面は、凹凸面の近傍のシリコーン系未加硫ゴムを掴むように機能し、これにより回転体及び固定部材の間の相対的な回転において当該回転体及び固定部材とシリコーン系未加硫ゴムとの間の滑りを防止でき、シリコーン系未加硫ゴムに所望の塑性変形を生じさせて、シリコーン系未加硫ゴムに目的のエネルギを吸収させることができる。上述のように、シリコーン系未加硫ゴムとこれに接する回転体及び固定部材の面とがよくなじんで、回転体及び固定部材とシリコーン系未加硫ゴムとの間に滑りが生じない場合又はその滑りを許容する場合には、斯かる凹凸面とすることなしに、平滑面としてもよい。
【0028】
本発明の第一の態様の自動車シート機構は、上記のいずれかの態様のダンパと、自動車のシャーシに対して回動自在に設けられたシートと、このシートに対して回動自在に設けられた背もたれとを具備している。
【0029】
斯かる第一の態様の自動車シート機構によれば、シリコーン系未加硫ゴムでもって減衰機能を得るようにしているために、上記のダンパによる効果を得ることができると共に、シート、例えばリヤシートの急激な戻り又は急激な後倒をなくし得る。なお、本発明による上記のいずれの態様のダンパ及び自動車シート機構も、フロントシート及びリヤシート等の自動車のシートのいずれにも適用できるのであるが、好ましくは、リヤシートに適用する。
【0030】
第一の態様の自動車シート機構において、背もたれは、本発明の第二の態様の自動車シート機構のように、シートに対して後方向に回動自在に設けられていても、本発明の第三の態様の自動車シート機構のように、シートに対して前方向に回動自在に設けられていてもよい。
【0031】
第一から第三のいずれかの態様の自動車シート機構において、シートは、本発明の第四の態様の自動車シート機構のように、ダンパを貫通して配された軸部材を介して自動車のシャーシに対して回動自在に設けられており、この場合、軸部材は、シートの回動と共に回転されるようになっている。斯かる第四の態様の自動車シート機構によれば、軸部材の回りにコンパクトにダンパを配置できる。
【0032】
次に本発明及びその実施の形態を、図に示す好ましい例を参照して説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1から図5において、本例の自動車シート機構1は、自動車シート用のダンパ2と、自動車のシャーシに対して軸心Xを中心とすると共に上げ下げ方向の横方向の回動、即ち横回動R1の方向に回動自在に設けられたシート、本例ではリヤシート3と、リヤシート3に対して後方向R2に回動自在に設けられた背もたれ4と、リヤシート3に対して横方向R3に回動自在に設けられた脚5とを具備している。
【0034】
ダンパ2は、自動車のリヤシート3が横回動R1の方向に回動自在に設置されるシャーシに対して固定されるようになっている固定部材12と、固定部材12に横回動R1の方向に回転自在に支持されると共に、固定部材12との間で隙間13を形成し、一方向クラッチ手段16を介して自動車のリヤシート3の横回動R1が伝達されるようになっている回転体11と、隙間13に配されたシリコーン系未加硫ゴム15と、自動車のリヤシート3の下げ方向の横回動R1(リヤシート3を図4及び図5に示す元の位置に戻す下げ回動)においては、当該下げ方向の横回動R1を回転体11に伝達して回転体11に軸心Xの周りでの回転を生じさせる一方、自動車のリヤシート3の上げ方向の横回動R1(リヤシート3を図6に示す位置にもたらす跳ね上げ回動)においては、当該上げ方向の横回動R1の回転体11への伝達を禁止するようになっている一方向クラッチ手段16とを具備している。
【0035】
回転体11は、円柱状の中央軸部21と、中央軸部21に同心に配された複数の円筒部22及び23と、複数の円筒部22及び23並びに中央軸部21の軸方向の一方の端部に一体的に形成された円板状の閉塞部25と、閉塞部25の軸方向の端面に設けられた円形の凹所26と、中央軸部21の軸方向の他方の端部に嵌着された環状の抜け止め部材27とを具備している。
【0036】
固定部材12は、中央軸部21に同心に配された複数の円筒部41及び42と、円筒部41及び42の軸方向の一方の端部に一体的に形成された閉塞部43と、閉塞部43に一体的に形成されていると共に固定用ボルト44の挿通用の貫通孔45を有した板状の取り付け部46と、閉塞部43に形成されていると共に抜け止め部材27が配されている凹所47とを具備していると共に、複数の円筒部41及び42のうちの最内周側の円筒部41で中央軸部21に摺動自在に嵌合されて回転体11を軸心Xを中心として回転できるように回転自在に支持している。
【0037】
回転体11の複数の円筒部22及び23と固定部材12の複数の円筒部41及び42とは、シリコーン系未加硫ゴム15が密に配された隙間13をもって互いに径方向において重合している。
【0038】
10から150ML 1+4 (100℃)のムーニー粘度、好ましくは36から72ML 1+4 (100℃)のムーニー粘度、より好ましくは66から72ML 1+4 (100℃)のムーニー粘度、更により具体的には実質的に70ML 1+4 (100℃)のムーニー粘度を有すると共にシリコーン変性エチレンプロピレンゴムからなるシリコーン系未加硫ゴム15は、回転体11及び固定部材12に密に接して隙間13に充填されている。
【0039】
自動車のリヤシート3の下げ方向の横回動R1においては、リヤシート3の下げ方向の横回動R1を回転体11に伝達して回転体11を同方向に回転させるようにする一方、自動車のリヤシート3の上げ方向の横回動R1においては、リヤシート3の下げ方向の横回動R1の回転体11への伝達を禁止する本例の一方向クラッチ手段16は、一端部72が自由端となって回転体11の円筒状の外周面73、具体的には、円筒部23の外周面73に巻回されていると共に、ループ状に曲げられた他端部71がヒンジ機構82を介して自動車のリヤシート3に取り付けられるようになっているコイルばね74を具備している。
【0040】
コイルばね74は、自動車のリヤシート3の上げ方向の横回動R1でヒンジ機構82を介して同方向に回転されようとすると、外周面73に接触して巻回された部位で拡径するような巻回方向をもって巻回されている結果、斯かるリヤシート3の上げ方向の横回動R1の回転体11への伝達を禁止して、回転体11と固定部材12との間に軸心Xの回りでの横回動R1の方向の相対的な回転を生じないようにし、而して、シリコーン系未加硫ゴム15の剪断変形による自動車のリヤシート3の上げ方向の横回動R1に対する抵抗を発生させないようにする一方、自動車のリヤシート3の下げ方向の横回動R1でヒンジ機構82を介して同方向に回転されようとすると、外周面73に接触して巻回された部位で縮径するような巻回方向をもって巻回されている結果、リヤシート3の下げ方向の横回動R1を回転体11に伝達して、回転体11と固定部材12との間に軸心Xの回りでの横回動R1の方向の相対的な回転を生じさせ、而して、シリコーン系未加硫ゴム15の剪断変形による自動車のリヤシート3の下げ方向の横回動R1に対する抵抗を発生させ、当該リヤシート3の下げ方向の横回動R1のエネルギを部分的にシリコーン系未加硫ゴム15により吸収させるようになっている。
【0041】
リヤシート3は、自動車のシャーシに固着された基台81にダンパ2及びヒンジ機構82を介して横回動R1の方向に回動自在に取り付けられており、こうしてリヤシート3は、基台81を介して自動車のシャーシに対して横回動R1の方向に回動自在に設けられている。
【0042】
ヒンジ機構82は、基台81に固着されたブラケット83と、一端部84では、ブラケット83の一方の軸受部85に軸部材86を介して横回動R1の方向に回動自在に連結されており、他端部87では、リヤシート3に固着された一方のアーム部材88と、一端部89では、ダンパ2の回転体11の凹所26に横回動R1の方向に回転自在に挿着された軸部材24を支持しており、他端部90では、リヤシート3に固着された他方のアーム部材91とを有している。
【0043】
ダンパ2の固定部材12の取り付け部46は、軸受部85及び92を橋絡するブラケット83の取り付け部93に固定用ボルト44を介して固着されている。
【0044】
ループ状に曲げられたコイルばね74の他端部71は、取り付けピン等を介してアーム部材91の他端部90に固着されており、こうして、他端部71は、ヒンジ機構82を介して自動車のリヤシート3に取り付けられており、コイルばね74は、リヤシート3が横回動R1の方向に回動されると、同方向に回転されるようになっている。
【0045】
背もたれ4は、リヤシート3に公知のヒンジ機構95(図6参照)を介してリヤシート3に対して後方向R2に回動自在に取り付けられており、脚5もまた、公知のヒンジ機構96を介してリヤシート3に対して横方向R3に回動自在に取り付けられている。ヒンジ機構95及び96のロック機構等は、公知であるので詳細な説明を省く。
【0046】
ダンパ2を具備した以上の自動車シート機構1によれば、図6に示すように背もたれ4を後方向R2に回動後、リヤシート3を横回動R1において上げ方向に回動させ、更に、脚5をリヤシート3に対して横方向R3に回動させることにより、大きな車内居住空間を提供することができる。
【0047】
そして、自動車シート機構1によれば、リヤシート3の上げ方向の横回動R1では、アーム部材91を介して同方向に回転されるコイルばね74は、外周面73に接触して巻回された部位で拡径するようになっている結果、外周面73に対して空転してリヤシート3の上げ方向の横回動R1を回転体11に伝達せず、回転体11と固定部材12との間に軸心Xの回りでの横回動R1の方向の相対的な回転を生じさせず、而して、シリコーン系未加硫ゴム15による減衰機能を生じさせないようにしているために、リヤシート3の横方向の跳ね上げを容易に行い得、一方、リヤシート3の下げ方向の横回動R1では、アーム部材91を介して同方向に回転されるコイルばね74は、外周面73に接触して巻回された部位で縮径するようになっている結果、外周面73にきつく巻きつけられてリヤシート3の下げ方向の横回動R1を回転体11に伝達し、回転体11と固定部材12との間に軸心Xの回りでの横回動R1の方向の相対的な回転を生じさせ、而して、シリコーン系未加硫ゴム15に剪断変形を生じさせ、リヤシート3の回動エネルギをシリコーン系未加硫ゴム15の剪断変形により吸収するようにしているために、リヤシート3の急激な戻し下げ方向の横回動R1を避けることができ、リヤシート3の急激な戻りをなくし得、ストッパ等への激突による不快な大きな音の発生をなくし得る。
【0048】
そしてダンパ2によれば、シリコーン系未加硫ゴム15の剪断変形でもって減衰機能を得るようにしているために、摩耗の虞もない上に、漏出防止のためのシールを省き得て、しかも、軽量且つ小型でも大きな減衰力を容易に得ることができ、その上、回転体11が凹所26で軸部材24を介してアーム部材91に支持されている一方、固定部材12が取り付け部46で取り付け部93に支持されて、ダンパ2が両持ち支持されているために、ダンパ2は、シャーシに対してしっかりと固定されることになる。
【0049】
上記のダンパ2では、固定部材12を一体物から構成したが、これに代えて、図7に示すように、固定部材12を二部材151及び152から構成してもよい。即ち、図7に示すダンパ2において、固定部材12の一方の部材151は、中央軸部153と、中央軸部153の軸方向の一端部154側に同心に配された複数の円筒部155及び156と、中央軸部153の軸方向の一端部154並びに複数の円筒部155及び156の軸方向の一方の端部の夫々に一体的に形成された閉塞部157と、閉塞部157に一体的に形成されていると共にシャーシに対して固定するための取り付け部46とを具備しており、固定部材12の他方の部材152は、中央軸部153の軸方向の他端部160側に同心に配された複数の円筒部161及び162と、複数の円筒部161及び162の軸方向の一方の端部に一体的に形成された他の閉塞部163と、閉塞部163の軸方向の端面に設けられた凹所26とを具備しており、複数の円筒部161及び162のうちの最内周側の円筒部161は、中央軸部153の軸方向の他端部160にセレーション(凹凸)結合をもって嵌合、固着されている。
【0050】
斯かる固定部材12を具備した図7に示すダンパ2において、一体物からなる回転体11は、中央軸部153に同心に配されていると共に軸方向に並んだ二組の複数の円筒部171、172及び173並びに174、175及び176と、二組の複数の円筒部171、172及び173並びに174、175及び176の間に配されていると共に当該二組の複数の円筒部171、172及び173並びに174、175及び176の夫々に一体的に形成された円環状の閉塞部177とを具備していると共に、固定部材12の二部材151及び152の間で中央軸部153に回転自在に支持されており、固定部材12の両複数の円筒部155及び156並びに161及び162と回転体11の二組の複数の円筒部171、172及び173並びに174、175及び176とは、シリコーン系未加硫ゴム15が密に配された隙間13をもって互いに径方向において重合している。
【0051】
図7に示すダンパ2において、一方向クラッチ手段16のコイルばね74は、一端部72が自由端となって回転体11の円筒状の外周面178、具体的には、円筒部173及び176並びに閉塞部177の外周面178に巻回されていると共に、ループ状に曲げられた他端部71がヒンジ機構82のアーム部材91を介して自動車のリヤシート3に取り付けられるようになっている。
【0052】
図7に示すダンパ2は、図1に示すダンパ2と同様にその取り付け部46でブラケット83の取り付け部93に固定用ボルト44を介して固着されると共に、凹所26で当該凹所26に嵌着された軸部材24を介してアーム部材91に支持される。
【0053】
図7に示すダンパ2を具備した自動車シート機構1においても、リヤシート3の上げ方向の横回動R1では、アーム部材91を介して同方向に回転されるコイルばね74は、外周面178に接触して巻回された部位で拡径するようになっている結果、外周面178に対して空転してリヤシート3の上げ方向の横回動R1を回転体11に伝達しなく、回転体11と固定部材12との間に軸心Xの回りでの横回動R1の方向の相対的な回転を生じさせず、而して、シリコーン系未加硫ゴム15による減衰機能を生じさせないようにしているために、リヤシート3の横方向の跳ね上げを容易に行い得、一方、リヤシート3の下げ方向の横回動R1では、アーム部材91を介して同方向に回転されるコイルばね74は、外周面178に接触して巻回された部位で縮径するようになっている結果、外周面178にきつく巻きつけられてリヤシート3の下げ方向の横回動R1を回転体11に伝達し、回転体11と固定部材12との間に軸心Xの回りでの横回動R1の方向の相対的な回転を生じさせ、而して、シリコーン系未加硫ゴム15に剪断変形を生じさせ、リヤシート3の回動エネルギをシリコーン系未加硫ゴム15の剪断変形により吸収するようにしているために、リヤシート3の急激な戻し下げ方向の横回動R1を避けることができ、リヤシート3の急激な戻りをなくし得、ストッパ等への激突による不快な大きな音の発生をなくし得、その上、シリコーン系未加硫ゴム15の剪断変形でもって減衰機能が得られるために、摩耗の虞もない上に、漏出防止のためのシールを省き得て、しかも、軽量且つ小型でも大きな減衰力を容易に得ることができると共に、回転体11が凹所26で軸部材24を介してアーム部材91に支持されている一方、固定部材12が取り付け部46で取り付け部93に支持されてダンパ2が両持ち支持されているために、ダンパ2はシャーシに対してしっかりと固定されることになる。
【0054】
ところで上記では、リヤシート3が横回動R1の方向に回動自在に設置された自動車シート機構1の例であるが、これに代えて、図8に示すようにリヤシート3が前後方向R4に回動自在に設置された自動車シート機構1にダンパ2を用いてもよい。
【0055】
図8に示す自動車シート機構1では、ダンパ2は、サイドフレーム101内に収容されており、ダンパ2の固定部材12は、その取り付け部46が自動車のサイドフレーム101又は床板102に固着されて自動車のシャーシに対して固定されており、凹所26に配されていると共にサイドフレーム101に回転自在に支持された軸部材24は、リヤシート3に一端104で固着されたシートブラケット105の他端106の孔に挿着されて、シートブラケット105を回転自在に支持しており、ループ状に曲げられたコイルばね74の他端部71は、図示しないがシートブラケット105の他端106に植設されていると共にサイドフレーム101の円弧状の長孔を通ってサイドフレーム101内に伸長したピンに取り付けられており、リヤシート3の前後方向R4の回動は、シートブラケット105を介してコイルばね74の他端部71に伝達されるようになっており、背もたれ4は、リヤシート3に対して前方向R5に回動自在に設けられている。なお、リヤシート3に一端115で固着された他方のシートブラケット116は、その他端117で軸等を介して自動車の他方のサイドフレーム(図示せず)に前後方向R4に回動自在に支持されている。
【0056】
そして図8に示す自動車シート機構1では、背もたれ4を前方向R5に回動してリヤシート3に重ね合わせた後(折り畳んだ後)、リヤシート3を前後方向R4において後方に回動させた後に更に下げ方向に回動させて、自動車の床板102に形成された凹所121に収容することにより、図9に示すように大きな車内居住空間を提供することができ、また図9に示す状態で、リヤシート3を凹所121から取り出すように上げ方向に回動させた後に前後方向R4において前方に回動させてサイドフレーム101に取り付けられたストッパ122に当接させ、その後、背もたれ4を回動することにより元に戻すことができる。
【0057】
図8に示す自動車シート機構1では、コイルばね74は、リヤシート3の前後方向R4における下げ方向を含む後方の回動では縮径し、リヤシート3の前後方向R4における上げ方向を含む前方の回動では拡径するようになっており、而して、本例では、一方向クラッチ手段16は、リヤシート3の前後方向R4における後方の回動では、当該後方の回動を回転体11に伝達して回転体11に回転を生じさせて、回転体11と固定部材12との間に前後方向R4における下げ方向を含む後方の回動に基づく相対的な回転を生じさせる一方、リヤシート3の前後方向R4における上げ方向を含む前方の回動では、当該前方向の回動の回転体11への伝達を禁止して、回転体11と固定部材12との間の前後方向R4における上げ方向を含む前方の回動に基づく相対的な回転を生じさせないように、換言すれば、リヤシート3の前後方向R4における下げ方向を含む後方の回動では、シリコーン系未加硫ゴム15を剪断変形させる一方、リヤシート3の前後方向R4における上げ方向を含む前方の回動では、シリコーン系未加硫ゴム15を剪断変形させないようになっている。
【0058】
図8に示す自動車シート機構1では、ダンパ2をサイドフレーム101内に収容したが、これに代えて、サイドフレーム101外に設置してもよく、また、他方のシートブラケット116側にもダンパ2を設置してもよい。
【0059】
また上記のいずれのダンパ2も、閉塞部25及び163に凹所26を設けて凹所26に軸部材24を装着したが、斯かる凹所26に代えて、閉塞部25及び163に突起を設けてこの突起を軸部材24として用いてもよい。
【0060】
更に自動車シート機構1及びダンパ2としては、図10から図12に示すように構成してもよい。図10から図12に示すダンパ2は、固定部材212と、固定部材212に対して前後方向R4に回転自在であって固定部材212との間で隙間213を形成する回転体211と、隙間213に配されたシリコーン系未加硫ゴム215と、リヤシート3の前後方向R4における後方への回動においては、当該後方の回動を回転体211に伝達して回転体211に回転を生じさせる一方、リヤシート3の前後方向R4における前方への回動においては、当該前方の回動の回転体211への伝達を禁止するようになっている一方向クラッチ手段216とを具備している。
【0061】
リヤシート3が前後方向R4に回動自在に設置されるシャーシに対して固定されるようになっている固定部材212は、ハウジング部材221と、ハウジング部材221に螺着又は嵌着、本例ではねじ部222を介して螺着された環状の蓋部材223とを具備しており、ハウジング部材221は、外側円筒部224と、外側円筒部224の内側に外側円筒部224と同心に配された内側円筒部225と、外側円筒部224及び内側円筒部225の軸方向の一端部を閉塞するように外側円筒部224及び内側円筒部225に一体的に形成された円環板状の閉塞部226とを具備しており、蓋部材223は、外側円筒部224の軸心X方向の他端部の内周面にねじ部222を介して螺着されており、回転体211は、外側円筒部224の内側であって内側円筒部225の外側において外側円筒部224と同心に配されている外周側円筒部227と、外周側円筒部227に連結されていると共に内側円筒部225の内側において外周側円筒部227と同心に配されている内周側円筒部228と、外周側円筒部227と同心に配されていると共に外周側円筒部227と内周側円筒部228との間であって内側円筒部225の内側に配された中間円筒部229とを一体的に具備しており、外側円筒部224及び内側円筒部225と外周側円筒部227とは、シリコーン系未加硫ゴム215が配された隙間213をもって互いに径方向において重合しており、中間円筒部229と内側円筒部225とは互いに径方向において重合している。尚、斯かる中間円筒部229と内側円筒部225とをシリコーン系未加硫ゴム215が配された隙間をもって互いに径方向において重合させてもよい。
【0062】
一方向クラッチ手段216は、軸心X方向において内周側円筒部228と並置された鍔付きの円筒体231と、一端部232が自由端となって内周側円筒部228及び円筒体231の夫々の円筒状の外周面233及び234に巻回されているコイルばね235とを具備しており、円筒体231は、その内部に挿通される軸部材236の一端部251に形成された平坦面(二面幅部)237と係合して軸部材236と共に回転されるように、その内周面に互いに対向する一対の平坦面238を有している。
【0063】
コイルばね235は、円筒体231の外周面234を締め付ける程度の内径を有しており、本例ではその他端部241でも自由端となっているが、これに代えて、他端部241において円筒体231に固着されて連結されていてもよい。
【0064】
固定部材212は、外側円筒部224においてボルト、溶接等により取り付け部材245の基部246に固着されており、取り付け部材245は、基部246に加えて、基部246に一体的に形成された一対の軸支持部247を有しており、基部246のボルト孔248に挿入されたボルト等を介して自動車のシャーシに固着されており、斯かる取り付け部材245を介して固定部材212は、リヤシート3が回動自在に設置されるシャーシに対して固定されるようになっている。
【0065】
軸部材236は、平坦面237を有したその一端部251でダンパ2及び一対の軸支持部247を貫通していると共に鍔付きブッシュ252及び253を介して一対の軸支持部247に前後方向R4に回転自在に支持されており、一端部251がダンパ2及び軸支持部247から抜け出さないように当該一端部251にはワッシャ254を介してナット255が固着されている。軸部材236の他端部256も、一端部251と同様に他の取り付け部材257を介して前後方向R4に回転自在に支持されており、取り付け部材257は、取り付け部材245と同様にボルト等を介して自動車のシャーシに固着されている。
【0066】
軸部材236は、その一端部251側で、リヤシート3に一端で固着されたシートブラケット261の他端の孔を貫通してしかもシートブラケット261の他端に溶接等により固着されている一方、その他端部256側で、リヤシート3に一端で固着された他のシートブラケット262の他端の孔を貫通してしかもシートブラケット262の他端に溶接等により固着されており、こうしてリヤシート3は、ダンパ2を貫通して配された軸部材236並びにシートブラケット261及び267を介して自動車のシャーシに対して回動自在に設けられており、軸部材236は、リヤシート3の前後方向R4の回動と共に同方向に回転されるようになっている。
【0067】
軸部材236には、一端がシートブラケット261に他端が軸部材236に夫々固着されたコイルばね265と、一端がシートブラケット262に他端が軸部材236に夫々固着されたコイルばね266とが同心に軸部材236を取り巻いて配されており、コイルばね265は、リヤシート3の前後方向R4における後方への回動をその弾性力により補助し、コイルばね266は、リヤシート3の前後方向R4における前方への回動をその弾性力により補助するようになっている。
【0068】
図10から図12に示す自動車シート機構1において、図13に示すように凹所121にリヤシート3及び背もたれ4を収容するために、リヤシート3の前後方向R4における後方の回動がコイルばね265の弾性力による補助と共に行われると、軸部材236の同方向の回転と共に円筒体231も同方向に回転され、円筒体231のこの回転で円筒体231の外周面233を締め付けて配されたコイルばね235は縮径される結果、内周側円筒部228の外周面233もまたコイルばね235によって締め付けられ、これにより内周側円筒部228は、軸部材236の前後方向R4における後方の回動と共に回転される結果、回転体211と固定部材212との間に前後方向R4における後方の回動に基づく相対的な回転が生じ、シリコーン系未加硫ゴム215に剪断変形が生じ、リヤシート3の回動エネルギがシリコーン系未加硫ゴム215の剪断変形により吸収されるようになっており、これに対して、リヤシート3の前後方向R4における前方の回動が行われると、軸部材236の同方向の回転と共に円筒体231も同方向に回転され、円筒体231のこの回転で円筒体231の外周面233を締め付けて配されたコイルばね235は拡径される結果、内周側円筒部228の外周面233のコイルばね235もまた拡径され、これにより円筒体231はコイルばね235及び内周側円筒部228に対して空転し、回転体211と固定部材212との間に相対的な回転が生じなく、而して、シリコーン系未加硫ゴム15による減衰機能が生じないで、リヤシート3の前後方向R4における前方の回動は、コイルばね266の弾性力による補助でもってスムーズになされる。
【0069】
このように一方向クラッチ手段216でも、リヤシート3の前後方向R4における後方の回動では、当該後方の回動を回転体211に伝達して回転体211に回転を生じさせて、回転体211と固定部材212との間に前後方向R4における後方の回動に基づく相対的な回転を生じさせる一方、リヤシート3の前後方向R4における前方の回動では、当該前方向の回動の回転体211への伝達を禁止して、回転体211と固定部材212との間の前後方向R4における前方の回動に基づく相対的な回転を生じさせないように、換言すれば、リヤシート3の前後方向R4における後方の回動では、シリコーン系未加硫ゴム215を剪断変形させる一方、リヤシート3の前後方向R4における前方の回動では、シリコーン系未加硫ゴム215を剪断変形させないようになっている。
【0070】
そして、図10から図12に示す自動車シート機構1によれば、ダンパ2を貫通して配されていると共にリヤシート3の回動と共に回転されるようになっている軸部材236を介してリヤシート3が自動車のシャーシに対して回動自在に設けられているために、軸部材236の回りにコンパクトにダンパ2を配置できる。
【0071】
図10から図12に示す自動車シート機構1においては、軸部材236の一端部251側のみにダンパ2を設ける代わりに、軸部材236の他端部256側にも同様にしてダンパ2を設けてもよい。
【0072】
ところで、図10から図12に示す自動車シート機構1では、軸部材236の回転と共に円筒体231を回転させるために、互いに係合する平坦面237及び平坦面238を軸部材236と円筒体231との夫々に設けたが、これに代えて、図14及び図15に示すように、内部に挿通される軸部材236の一端部251を締め付けて軸部材236と共に前後方向R4に回転されるように、軸心X方向に関して環状の一方の端面271から環状の他方の端面272まで伸びたスリット273を有して縮径自在である円筒体274を用いてもよく、円筒体274は、鍔付き円筒体231に代えて、軸心X方向において内周側円筒部228と並置されている。図10から図12に示す自動車シート機構1では、軸部材236の回転で、軸部材236を締め付けた円筒体274も回転し、円筒体274を締め付けて巻かれたコイルばね235が円筒体274の回転により縮径又は拡径されて上記と同様の動作を行うようになっている。尚、図14に示すダンパ2は、蓋部材223がナット255側に配されて軸部材236の一端部251に装着されている。
【0073】
また図16及び図17に示す自動車シート機構1のように、円筒体274を省略してコイルばね235を直接的に軸部材236の一端部251に接触するようにする一方、コイルばね235をその他端部241で回転体211の内周側円筒部228に連結してもよく、この場合、コイルばね235は、その内部に挿通される軸部材236の一端部251を締め付けて軸部材236と共にその自由端である一端部232が回転されるような内径を有しており、ハウジング部材221は、外側円筒部224及び内側円筒部225に加えて、内側円筒部225及び中間円筒部229の内周側であってこれらと同心にしかもコイルばね235を取り巻いて閉塞部226に一体的に形成された更なる円筒部281を有している。
【0074】
図16及び図17に示すコイルばね235を有した一方向クラッチ手段216では、リヤシート3の前後方向R4における後方の回動による軸部材236の同方向の回転で、コイルばね235は縮径されて軸部材236の一端部251にきつく巻き付いて軸部材236の回転と共に回転されることになり、これにより回転体211を同方向に回転させることになる一方、リヤシート3の前後方向R4における前方の回動による軸部材236の同方向の回転で、コイルばね235は拡径されて軸部材236の一端部251に緩く巻き付く結果、軸部材236をコイルばね235に対して空転させ、これにより回転体211へのリヤシート3の前後方向R4における前方の回動を伝達させなくなる。
【0075】
図16及び図17に示すダンパ2のように、中間円筒部229と内側円筒部225とは、シリコーン系未加硫ゴム215が配された隙間213をもって互いに径方向において重合していてもよい。
【0076】
図16及び図17に示す一方向クラッチ手段216を有したダンパ2及び斯かるダンパ2を具備した自動車シート機構1でも、前記同様の効果を得ることができる上に、円筒体231又は274を省略し得るので更なるコスト低下を図り得る。
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、大きな減衰力を得ることができる上に小型にでき、特に背もたれを伸ばして又は背もたれを折り畳んで、その後、シートを横方向に跳ね上げるようにした又はシートを後方に回動するようにした自動車のシートに好適なダンパ及びこのダンパを具備した自動車シート機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車シート用のダンパの好ましい実施の形態の一例の断面説明図である。
【図2】図1に示す例のII−II線矢視断面図である。
【図3】図1に示す例の左側面図である。
【図4】図1に示す例を用いた自動車シート機構の一例の斜視図である。
【図5】図4に示す例において一部を切り欠いた斜視図である。
【図6】図4に示す例の動作説明図である。
【図7】本発明の好ましい実施の形態の他の例の断面説明図である。
【図8】本発明の好ましい実施の形態の更に他の例の説明図である。
【図9】図8の例の動作説明図である。
【図10】本発明の好ましい実施の形態の更に他の例の説明図である。
【図11】図10の例の一部の拡大断面説明図である。
【図12】図10の例の一部の拡大断面説明図である。
【図13】図10の例の動作説明図である。
【図14】本発明の好ましい実施の形態の更に他の例の説明図である。
【図15】図14の例に用いた円筒体の説明図である。
【図16】本発明の好ましい実施の形態の更に他の例の説明図である。
【図17】図14の例に用いたコイルばねの説明図である。
【符号の説明】
1 自動車シート機構
2 ダンパ
3 リヤシート
11 回転体
12 固定部材
13 隙間
15 シリコーン系未加硫ゴム
16 一方向クラッチ手段

Claims (26)

  1. 自動車のシートが回動自在に設置されるシャーシに対して固定されるようになっている固定部材と、この固定部材に対して回転自在であって固定部材との間で隙間を形成する回転体と、隙間に配されたシリコーン系未加硫ゴムと、自動車のシートの一方の方向の回動においては、当該一方の方向の回動を回転体に伝達して回転体に回転を生じさせる一方、自動車のシートの他方の方向の回動においては、当該他方の方向の回動の回転体への伝達を禁止するようになっている一方向クラッチ手段とを具備した自動車シート用のダンパ。
  2. 固定部材は、自動車のシートが上げ下げ方向に回動自在に設置されるシャーシに対して固定されるようになっており、一方向クラッチ手段は、自動車のシートの下げ方向の横回動においては、当該下げ方向の横回動を回転体に伝達して回転体に回転を生じさせる一方、自動車のシートの上げ方向の横回動においては、当該上げ方向の横回動の回転体への伝達を禁止するようになっている請求項1に記載の自動車シート用のダンパ。
  3. 固定部材は、自動車のシートが前後方向に回動自在に設置されるシャーシに対して固定されるようになっており、一方向クラッチ手段は、自動車のシートの後方向の回動においては、当該後方向の回動を回転体に伝達して回転体に回転を生じさせる一方、自動車のシートの前方向の回動においては、当該前方向の回動の回転体への伝達を禁止するようになっている請求項1に記載の自動車シート用のダンパ。
  4. 回転体は、中央軸部と、この中央軸部に同心に配された複数の円筒部とを具備しており、固定部材は、中央軸部に同心に配された複数の円筒部を具備していると共に、当該複数の円筒部のうちの最内周側の円筒部で中央軸部に摺動自在に嵌合されて回転体を回転自在に支持しており、回転体の複数の円筒部と固定部材の複数の円筒部とは、シリコーン系未加硫ゴムが配された隙間をもって互いに径方向において重合している請求項1から3のいずれか一項に記載の自動車シート用のダンパ。
  5. 回転体は、その複数の円筒部の軸方向の一方の端部に一体的に形成された閉塞部と、この閉塞部の軸方向の端面に設けられた凹所又は突起とを具備しており、固定部材は、その円筒部の軸方向の一方の端部に一体的に形成された閉塞部と、閉塞部に一体的に形成されていると共にシャーシに対して固定するための取り付け部とを具備している請求項4に記載の自動車シート用のダンパ。
  6. 固定部材は二部材からなっており、一方の部材は、中央軸部と、この中央軸部の軸方向の一端部側に同心に配された複数の円筒部とを具備しており、他方の部材は、中央軸部の軸方向の他端部側に同心に配された複数の他の円筒部を具備しており、複数の他の円筒部のうちの最内周側の円筒部は、中央軸部の軸方向の他端部に嵌合、固着されており、回転体は、中央軸部に同心に配されていると共に軸方向に並んだ二組の複数の円筒部と、この二組の複数の円筒部の間に配されていると共に当該二組の複数の円筒部の夫々に一体的に形成された閉塞部とを具備していると共に、固定部材の二部材の間で中央軸部に回転自在に支持されており、固定部材の両複数の円筒部と回転体の二組の複数の円筒部とは、シリコーン系未加硫ゴムが配された隙間をもって互いに径方向において重合している請求項1から3のいずれか一項に記載の自動車シート用のダンパ。
  7. 固定部材の一方の部材は、中央軸部の軸方向の一端部及び複数の円筒部の軸方向の一方の端部の夫々に一体的に形成された閉塞部と、この閉塞部に一体的に形成されていると共にシャーシに対して固定するための取り付け部を有しており、固定部材の他方の部材は、その複数の他の円筒部の軸方向の一方の端部に一体的に形成された他の閉塞部と、この閉塞部の軸方向の端面に設けられた凹所又は突起を具備している請求項6に記載の自動車シート用のダンパ。
  8. 一方向クラッチ手段は、一端部が自由端となって回転体の円筒状の外周面に巻回されていると共に、他端部が自動車のシートに取り付けられるようになっているコイルばねを具備している請求項1から7のいずれか一項に記載の自動車シート用のダンパ。
  9. 固定部材は、ハウジング部材と、このハウジング部材に螺着又は嵌着された蓋部材とを具備しており、ハウジング部材は、外側円筒部と、この外側円筒部の内側において外側円筒部と同心に配された内側円筒部と、外側円筒部及び内側円筒部の軸方向の一端部を閉塞するように外側円筒部及び内側円筒部に一体的に形成された閉塞部とを具備しており、蓋部材は、外側円筒部の軸方向の他端部に螺着又は嵌着されており、回転体は、外側円筒部の内側であって内側円筒部の外側において外側円筒部と同心に配されている外周側円筒部と、この外周側円筒部に連結されていると共に内側円筒部の内側において外周側円筒部と同心に配されている内周側円筒部とを具備しており、外側円筒部及び内側円筒部のうちの少なくとも一方と外周側円筒部とは、シリコーン系未加硫ゴムが配された隙間をもって互いに径方向において重合している請求項1から3のいずれか一項に記載の自動車シート用のダンパ。
  10. 回転体は、外周側円筒部と内周側円筒部との間であって内側円筒部の内側に配された中間円筒部を更に具備しており、中間円筒部と内側円筒部とは、シリコーン系未加硫ゴムが配された隙間をもって互いに径方向において重合している請求項9に記載の自動車シート用のダンパ。
  11. 一方向クラッチ手段は、軸方向において内周側円筒部と並置された円筒体と、一端部が自由端となって内周側円筒部及び円筒体の夫々の外周面に巻回されているコイルばねとを具備している請求項9又は10に記載の自動車シート用のダンパ。
  12. 円筒体は、その内部に挿通される軸部材と係合して軸部材と共に回転されるように、その内周面に互いに対向する平坦面を有している請求項11に記載の自動車シート用のダンパ。
  13. 円筒体は、その内部に挿通される軸部材を締め付けて軸部材と共に回転されるように、軸方向に関してその環状の一方の端面からその環状の他方の端面まで伸びたスリットを有して縮径自在である請求項11に記載の自動車シート用のダンパ。
  14. コイルばねは、円筒体を締め付ける程度の内径を有しており、その他端部でも自由端となっている請求項11から13のいずれか一項に記載の自動車シート用のダンパ。
  15. コイルばねは、その他端部で回転体に連結されていると共に、その内部に挿通される軸部材を締め付けて軸部材と共にその自由端である一端部が回転されるような内径を有している請求項11に記載の自動車シート用のダンパ。
  16. シリコーン系未加硫ゴムは、30から420の可塑度を有している請求項1から15のいずれか一項に記載の自動車シート用のダンパ。
  17. シリコーン系未加硫ゴムは、60から320の可塑度を有している請求項1から15のいずれか一項に記載の自動車シート用のダンパ。
  18. シリコーン系未加硫ゴムは、160から320の可塑度を有している請求項1から15のいずれか一項に記載の自動車シート用のダンパ。
  19. シリコーン系未加硫ゴムは、10から150ML 1+4(100℃)のムーニー粘度を有している請求項1から15のいずれか一項に記載の自動車シート用のダンパ。
  20. シリコーン系未加硫ゴムは、36から72ML 1+4 (100℃)のムーニー粘度を有している請求項1から15のいずれか一項に記載の自動車シート用のダンパ。
  21. シリコーン系未加硫ゴムは、66から72ML 1+4 (100℃)のムーニー粘度を有している請求項1から15のいずれか一項に記載の自動車シート用のダンパ。
  22. シリコーン系未加硫ゴムは、シリコーン変性エチレンプロピレンゴムからなる請求項1から21のいずれか一項に記載の自動車シート用のダンパ。
  23. 請求項1から22のいずれか一項に記載の自動車シート用のダンパと、自動車のシャーシに対して回動自在に設けられたシートと、このシートに対して回動自在に設けられた背もたれとを具備している自動車シート機構。
  24. 背もたれは、シートに対して後方向に回動自在に設けられている請求項23に記載の自動車シート機構。
  25. 背もたれは、シートに対して前方向に回動自在に設けられている請求項23又は24に記載の自動車シート機構。
  26. シートは、ダンパを貫通して配された軸部材を介して自動車のシャーシに対して回動自在に設けられており、軸部材は、シートの回動と共に回転されるようになっている請求項23から25のいずれか一項に記載の自動車シート機構。
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