JP4352419B2 - 整畦機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば畦の造成作業や修復作業等に用いられる整畦機に関するものである
【0002】
【従来の技術】
従来この種の整畦機としては、特開昭51−141212号公報、実公昭51−47785号公報、実開昭53−102411号公報、実開昭53−20316号公報、特開昭51−100409号公報、実開昭60−119209号公報、実開昭61−175905号公報、特開昭61−47103号公報、特開昭61−212202号公報、実開昭62−1507号公報、実開昭61−158105号公報、実開平3−79605号公報、実開平5−60207号公報に示す構造のものが知られている。
【0003】
これらの従来構造にあっては、走行機体に三点リンク式連結機構により整畦作業機の機枠を上下動可能に連結し、機枠に盛土機構としての旧畦上に土を跳ね上げる回転ロータをその回転軸線を畦造成方向と平行又は交差する方向に設け、機枠に回転ロータの上方及び畦の上方にカバー部材を設け、回転ロータの進行方向後方位置に畦の上面及び畦の一方側面に合わせた形状の整畦体を設け、かつ該走行機体の動力取出軸を駆動源として整畦体を往復畦叩動作させるクランク式又は油圧式の畦叩機構を設け、走行機体を旧畦に沿って走行させ、回転ロータで圃場中の泥土を旧畦上に盛り上げ、この盛土を整畦体の畦叩き動作により叩き付けるようにして構成したものである。
【0004】
また他の従来構造にあっては、整畦機構として、走行機体の動力取出軸を駆動源として整畦体を振動動作させる振動機構を設けて構成し、旧畦上に盛り上げられた盛土を整畦体の振動動作により締め付けるように構成したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来構造の場合、整畦作業機を三点リンク式連結機構により上下動作させることにより作業内容及び作業条件等に対応させることはできるものの、走行機体の進行方向に対して側方方向に移動させ得ない構造であり、このため、走行機体の車輪や履帯の配設位置上から走行機体の側方位置に突出配置される構造の整畦作業機においては、運搬時や不使用時等の非作業時等において、側方に突出した整畦作業機の存在により小回り走行を阻害したり、側方に偏位した重量により走行機体の運転走行操作の不安定性を招くおそれがあるという不都合を有している。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、走行機体に連結機構により連結部材を連結し、該連結部材に整畦作業機を配備可能な取付部材を配設し、該整畦作業機は旧畦上に土を盛り上げる盛土機構と、畦面を圧接回転により回転整畦可能な回転整畦体とからなり、該回転整畦体の外周面部分に圧締面部を間隔を置いて複数個形成すると共に該回転整畦体の回転方向前方位置の圧締面部側から隣る後方位置の圧締面部に至る圧締板体を配設し、かつ、該隣る圧締面部の間に通穴を形成し、さらに、該連結部材と取付部材との間に該取付部材を上記走行機体の一方側方位置又は中程後方位置に位置変更させる位置変更機構を配設し、上記取付部材に上記整畦作業機の駆動源となる動力入手軸を配設し、該動力入手軸と走行機体の動力取出軸との間に動力伝導機構を配設してなり、上記位置変更機構として、上記連結部材と上記取付部材との間に二個の作動リンクを枢着ピンにより枢着架設してなるリンク機構と、該リンク機構を作動させる往復動用アクチュエータとを備えてなり、かつ、上記動力伝導機構として、上記連結部材に上記一方の作動リンクの基部側の枢着ピンの軸線と同軸上にして駆動軸を縦設すると共に上記取付部材に該一方の作動リンクの先端部側の枢着ピンの軸線と同軸上にして従動軸を縦設し、該駆動軸と従動軸との間に巻掛伝導機構を架設し、該駆動軸と上記走行機体の動力取出軸との間に伝導機構を配設し、上記取付部材に上記整畦作業機の駆動源となる動力入手軸を配設し、該動力入手軸と該従動軸との間に伝導機構を配設して構成したことを特徴とする整畦機にある。
【0007】
又、請求項2記載の発明は、上記圧締板体を可撓性板材により形成してなることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1乃至図9は本発明の実施の形態例を示し、1は走行機体であって、この場合車輪1aを備えたトラクタが用いられ、走行機体1の後部に三点リンク式の連結機構2により連結部材3を上下動可能に連結している。
【0009】
この場合、連結機構2は、走行機体1としてのトラクタの後部の左右下部に一対の下部リンク4・4がピン4aにより枢着突設され、走行機体1に左右一対の油圧アーム5が作動軸5aを中心として上下揺動操作自在に突設され、かつ、走行機体1の後部の上部に上部リンク6がピン6aにより枢着突設され、下部リンク4・4と油圧アーム5との間に吊下アーム5bを枢着架設し、しかして、左右一対の下部リンク4・4の先端部にピン4b・4bにより連結部材3の下部両側部を枢着連結すると共に上部リンク6の先端部にピン6bにより連結部材3の上部を連結し、これら三点支持リンク構造及び油圧アーム5の上下揺動により連結部材3を上下揺動自在に設けて構成している。
【0010】
7は取付部材であって、整畦作業機体Qを取付可能に構成されている。
【0011】
8は位置変更機構であって、上記連結部材3と上記取付部材7との間に四個の枢着ピン9・9・10・10により枢着架設された二個の作動リンク11・12からなるリンク機構13と、このリンク機構13を作動させる往復動用アクチュエータ14としての電動シリンダとを備えてなり、連結部材3にブラケット3aを突設し、ブラケット3aに往復動用アクチュエータ14の筒部14aをピン14bにより枢着し、往復動用アクチュエータ14の進退ロッド14cを一方の作動リンク11にピン14dにより枢着連結し、かつ、この場合、リンク機構13は枢着ピン9・9・10・10間のピッチを等長として平行リンク機構が形成され、しかして、この往復動用アクチュエータ14により一方の作動リンク11を基部側の枢着ピン9を中心として揺動旋回させてリンク機構13を駆動し、取付部材7を連結部材3に対して走行機体1の一方側方位置D又は中程後方位置Eの間で位置変更するように構成している。
【0012】
この場合、上記取付部材7に整畦作業機Qの駆動源となる動力入手軸15を横設し、動力入手軸15と走行機体1の動力取出軸16との間に動力伝導機構17を配設して構成している。
【0013】
この上記動力伝導機構17は、上記連結部材3に上記一方の作動リンク11の基部側の枢着ピン9の軸線と同軸上にして駆動軸18を縦設すると共に取付部材7に一方の作動リンク11の先端部側の枢着ピン10の軸線と同軸上にして従動軸19を縦設し、駆動軸18と従動軸19との間に巻掛伝導機構20を架設し、駆動軸18と走行機体1の動力取出軸16との間に伝導機構21を配設し、取付部材7に上記整畦作業機Qの駆動源となる動力入手軸15を配設し、動力入手軸15と従動軸19との間に伝導機構22を配設して構成している。
【0014】
この場合、上記巻掛伝導機構20は、上記駆動軸18の上端部にスプロケット20aを取付け、上記従動軸19にスプロケット20bを取付け、スプロケット20aとスプロケット20bとの間にチェーン20cを掛回し、一方の作動リンク11にチェーンカバー20dを取付けてなり、又、上記伝導機構21は、取付部材7に主軸21aを横設し、主軸21aと走行機体1の動力取出軸16とを自在継手21bにより連結し、主軸21aと駆動軸18との間に歯車機構21cを介装してなり、又、上記伝導機構22は動力入手軸15と従動軸19との間に歯車機構22aを介装して構成されている。
【0015】
この場合、整畦作業機Qは盛土機構Q1、整畦機構Q2及び前処理機構Q3からなり、上記取付部材7に機枠23を上記動力入手軸15の軸線を中心として走行機体1の進行方向に上下傾動自在に枢着し、取付部材7と機枠23との間に角度調節機構24を配設し、角度調節機構24はハンドル24aの回動により図示種略の螺子機構により機枠23を動力入手軸15を中心として上下傾動させる構造となっており、この機枠23の前部に第一動力軸25を横設すると共に後部に第二動力軸26を横設し、更に機枠23の上部に第三動力軸27を横設し、動力入手軸15と第一動力軸25との間にチェーン機構25aを介装し、動力入手軸15と第二動力軸26との間にチェーン機構26aを介装し、動力入手軸15と第三動力軸27との間にチェーン機構27aを介装し、第一動力軸25に盛土機構Q1を接続すると共に第二動力軸26に整畦機構Q2を接続し、第三動力軸27に前処理機構Q3を接続して構成している。
【0016】
そして、盛土機構Q1として、上記機枠23の前部に軸受筒28を取付け、軸受筒28に盛土ロータ29のロータ軸29aを進行方向前方に或る角度β分傾けると共に下向きに或る角度α分傾けて軸受し、ロータ軸29aに複数個のロータ刃29bを突設し、ロータ軸29aと第一動力軸25との間に歯車機構29cを介装し、軸受筒28にロータ刃29bを覆うカバー部材29dを取付け、しかして、第一動力軸25により盛土ロータ29を回転させ、盛土ロータ29の回転により畦際の泥土を旧畦上に連続的に削土して跳ね上げて盛り上げるように構成している。
【0017】
又、整畦機構Q2として、機枠23の後部に軸受筒30を取付け、軸受筒30に回転軸30aを上向きに或る角度θ分傾けて軸受し、回転軸30aと第二動力軸26との間に歯車機構30bを介装し、回転軸30aに回転整畦体31のロータ筒軸31aを着脱自在に取付け、ロータ筒軸31aに複数個の対向配置されたリング材31b及びリング材31b間に間隔を置いて放射状に架設された複数個の桟材31cからなる鼓形状のロータ枠体31dをアーム31eにより取付け、各桟材31cの外周面を圧締面部Kに形成すると共に隣り合う圧締面部K・Kの間を通穴Fとして形成し、各圧締面部Kに回転方向後方位置に圧締面部Kに至る長さの圧締板体Gの基部辺縁部をボルト32により固着し、圧締板体Gは可撓性を有するナイロン樹脂や塩化ビニール樹脂、板バネに用いられるバネ鋼製等の金属板材等により製作され、無負荷時には板状に略平らとなり、外的負荷により弧状に撓み得ると共に負荷解除により自己弾性により略平らに復元変形する材質が用いられ、しかして、第二動力軸26により回転整畦体31を回転軸線Pを中心として図中矢印方向に強制回転させ、回転整畦体31の滑り回転接触により畦Wの一方側面W2及び畦Wの上面W1を締圧整畦するように構成している。
【0018】
そして又、前処理機構Q3として、機枠23の上部に中間軸筒33を突設し、中間軸筒33に中間軸34を横設し、中間軸筒33に支持枠体35を中間軸34の軸線を中心として揺動自在に取付け、中間軸筒33と支持枠体35との間に角度調節機構36を架設し、角度調節機構36はハンドル36aの回動により図示種略の螺子機構により支持枠体35を第三動力軸27を中心として上下揺動させる構造となっており、支持枠体35の先端部に削土ロータ37のロータ軸37aを横設し、ロータ軸37aに複数個のロータ刃37bを放射状に突設し、中間軸34と第三動力軸27とを連結し、ロータ軸37aと中間軸34との間にチェーン機構38を介装し、支持枠体35に覆いカバー37cを取り付け、しかして、第三動力軸27により削土ロータ37を回転させ、上記盛土ロータ29の進行方向前方位置の旧畦の上面部分を削土ロータ37によって削土するように構成して構成している。
【0019】
この実施の形態例は上記構成であるから、走行機体1に連結機構2により連結部材3を連結し、整畦作業機Qを取付部材7に取付け、取付部材7に配設された動力入手軸15に整畦作業機Qの動力伝達系統を連結することになり、位置変更機構8により取付部材7を連結部材3に対して走行機体1の一方側方位置D又は中程後方位置Eに位置変更させることもができ、従って、走行機体1の車輪1aや履帯の配設位置上から走行機体の側方位置に突出配置される構造の整畦作業機Qにおいて一方側方位置Dから中程後方位置Eに位置変更させることにより運搬時や不使用時等の非作業時等での、走行機体1の小回り走行性及び走行機体1の安定走行性を高めることができると共に運搬及び保管の融通性を高めることができる。
【0020】
又、この場合、上記整畦作業機Qは旧畦上に土を盛り上げる盛土機構Q1と、畦面を圧接回転により回転整畦可能な回転整畦体31をもつ整畦機構Q2とを備えているから、走行機体1を旧畦に沿って走行させ、走行機体1に配備された動力取出軸16を駆動回転させると、一方では盛土機構Q2としての盛土ロータ29が回転して畦際の圃場泥土を旧畦上に連続的に跳ね上げて盛り上げ、カバー部材29dは泥土飛散を防止し、整畦機構Q2の回転整畦体31は回転し、旧畦上に盛り上げられた土を回転整畦体31の畦Wの一方側面W2及び畦Wの上面W1への回転接触により締圧整畦することができ、構造を簡素化することができると共に回転整畦体31の回転すべり接触により畦Wの一方側面W2及び畦Wの上面W1を円滑に締圧整畦することができ、それだけ良好な整畦作業を行うことができ、又、この場合、位置変更機構8として、連結部材3と取付部材7との間に二個の作動リンク11・12を枢着ピン9・9・10・10により枢着架設してなるリンク機構13と、このリンク機構13を作動させる往復動用アクチュエータ14とにより構成しているので、整畦作業機体Qを図9の一方側方位置D又は図2の中程後方位置Eに配置する場合には、往復動用アクチュエータ14によりリンク機構13を駆動させ、リンク機構13の作動リンク11・12により取付部材7を位置変更させることができ、又、この場合、リンク機構13は平行リンク機構からなるので、整畦作業機Qを平行運動させることができ、それだけ整畦作業機Qと畦Wとの相対関係を維持しつつ位置変更させることができ、使用の快適性を高めることができ、又、この場合、動力伝導機構17として、上記連結部材3に上記一方の作動リンク11の基部側の枢着ピン9の軸線と同軸上にして駆動軸18を縦設すると共に上記取付部材7に一方の作動リンク11の先端部側の枢着ピン10の軸線と同軸上にして従動軸19を縦設し、駆動軸18と従動軸19との間に巻掛伝導機構20を架設し、駆動軸18と走行機体1の動力取出軸16との間に伝導機構21を配設し、取付部材7に整畦作業機Qの駆動源となる動力入手軸15を配設し、動力入手軸15と従動軸19との間に伝導機構22を配設しているから、動力伝導機構17を簡素化することができ、製作コストの低減を図ることができると共に位置変更作業を円滑に行うことができる。
【0021】
又、この場合、回転整畦体31の外周面部分に圧締面部K・Kを間隔を置いて複数個形成すると共に回転整畦体31の回転方向前方位置の圧締面部K側から隣る後方位置の圧締面部Kに至る圧締板体Gを配設しているので、図6の如く、回転整畦体31の図中矢印方向としての走行機体1の前進を助長する方向の回転に伴い圧締板体Gは徐々に盛土を締圧すると共に圧締面部Kにより圧締板体Gを介して強く締圧され、この複数個の圧締面部Kの存在により断続的に締圧され、複数個の圧締面部Kの存在により、回転整畦体31の全外周面で締圧する構造に比べて締圧面積が小さくなることにより締圧力を大きくすることができ、それだけ強固に畦を締め付けることができ、走行機体1の走行速度に対して回転整畦体31の回転速度を高めることにより回転整畦体31の圧締板体Gは畦面に回転滑り接触し、この回転すべり接触により畦Wの一方側面W2及び畦Wの上面W1を円滑かつ強固に締圧整畦することができ、一層堅牢な畦を得ることができる。
【0022】
又、この際、上記隣る圧締面部K・Kの間に通穴Fを形成しているので、通穴Fにより一層断続的に畦面を締圧することになり、それだけ強固に締圧することができると共に通穴Fの存在により回転整畦体31の外周面部分への土の付着現象を抑制することができ、良好な整畦作業を行うことができ、又、圧締板体Gを可撓性板材により形成しているので、圧締板体Gは平ら状から撓み動作G1しつつ盛土を徐々に締圧することができ、盛土を確実に締圧することができる。
【0023】
又、この際、回転整畦体31の回転軸線Pは畦Wの一方側面W1の側方から畦W側へ斜め上方に向かう所定角度θの上向き方向に配置しているので、回転整畦体31によりなされる畦Wの一方側面W2への土の押し付け送り長さを長くすることができ、それだけ土の締圧を良好なものとすることができると共に回転整畦体31の垂直方向の高さを低くすることができ、それだけ装置全体の機高を低くすることができて小型化を図ることができ、又、この場合、上記盛土機構Q2の盛土ロータ29のロータ軸29aを進行方向前方に或る角度β分傾けると共に下向きに或る角度α分傾けて配設しているから、盛土ロータ29の回転により畦際の圃場面M及び旧畦Wの側部の土を整畦機構Q2側としての旧畦の斜め後方に向けて跳ね上げて盛り上げることができ、盛土効率を高めることができる。
【0024】
又、この場合、前処理機構Q3により旧畦面を予め削土でき、この削土された畦面上に盛土機構Q2により盛土することになるから、旧畦土と盛土との結着性を高めることができ、それだけ強固な畦を得ることができる。
【0025】
又、この場合、上記取付部材7に整畦作業機Qの機枠23を上記動力入手軸15の軸線を中心として上下傾動自在に枢着し、取付部材7と機枠23との間に角度調節機構24を配設して構成しているから、整畦作業機Qを略中程部を中心として、整畦作業機Qの前部及び後部の水平度などの傾斜調節を行うことができ、整畦作業機Qと畦や圃場面との相対関係を良好に調節することができる。
【0026】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、例えば盛土機構Q2として、畦造成方向に対して交差する方向の回転軸線をもつ回転ロータを採用することもでき、又、上記実施の形態例における回転整畦体31を油圧式や偏心ウエイト方式の振動機構により振動させたり、又、クランク方式や油圧方式からなる畦叩き機構により畦叩き運動させる付加構造を採用することもあり、又、上記圧締面部Kの圧締面を回転整畦体31の回転方向前方から後方に向かうに従って次第に外方に突出する形状とすることもあり、又、圧締板体Gを非可撓性材や弾性復元しない材質の板材により形成し、この圧締板体Gを回転整畦体13の回転方向前方位置の圧締面部K側から隣る後方位置の圧締面部Kの外面としての圧締面に至るように配設し、かつ、圧締板体Gが回転整畦体31の回転方向前方から後方に向かうに従って外方に突出するように配設することもあり、その他、圧締面部K及び通穴Fの個数や形状、圧締板体Gの大きさや材質等は適宜変更して設計され、又、位置変更機構8の構造も同様に適宜変更され、又、往復動用アクチュエータ14として油圧シリンダを採用することもできる。
【0027】
【発明の効果】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、走行機体に連結機構により連結部材を連結し、整畦作業機を取付部材に取付け、取付部材に配設された動力入手軸に整畦作業機の動力伝達系統を連結することになり、位置変更機構により取付部材を連結部材に対して走行機体の一方側方位置又は中程後方位置に位置変更させることもができ、従って、走行機体の車輪や履帯の配設位置上から走行機体の側方位置に突出配置される構造の整畦作業機において一方側方位置から中程後方位置に位置変更させることにより運搬時や不使用時等の非作業時等での、走行機体の小回り走行性及び走行機体の安定走行性を高めることができると共に運搬及び保管の融通性を高めることができ、かつ、上記整畦作業機は旧畦上に土を盛り上げる盛土機構と、畦面を圧接回転により回転整畦可能な回転整畦体とを備えているから、走行機体を旧畦に沿って走行させると、一方では盛土機構が回転して畦際の圃場泥土を旧畦上に盛り上げ、旧畦上に盛り上げられた土は回転整畦体の畦の一方側面及び畦の上面への回転接触により締圧整畦され、構造を簡素化することができると共に回転整畦体の回転すべり接触により畦の一方側面及び畦の上面を円滑に締圧整畦することができ、それだけ良好な整畦作業を行うことができ、さらに、位置変更機構として、連結部材と取付部材との間に二個の作動リンクを枢着ピンにより枢着架設してなるリンク機構と、このリンク機構を作動させる往復動用アクチュエータとにより構成しているので、整畦作業機体を一方側方位置又は中程後方位置に配置する場合には、往復動用アクチュエータによりリンク機構を駆動させ、リンク機構の作動リンクにより取付部材7を位置変更させることができ、さらに、動力伝導機構として、上記連結部材に上記一方の作動リンクの基部側の枢着ピンの軸線と同軸上にして駆動軸を縦設すると共に上記取付部材に一方の作動リンクの先端部側の枢着ピンの軸線と同軸上にして従動軸を縦設し、駆動軸と従動軸との間に巻掛伝導機構を架設し、駆動軸と走行機体の動力取出軸との間に伝導機構を配設し、取付部材に整畦作業機の駆動源となる動力入手軸を配設し、動力入手軸と従動軸との間に伝導機構を配設しているから、動力伝導機構を簡素化することができ、製作コストの低減を図ることができると共に位置変更作業を円滑に行うことができ、かつ、回転整畦体の外周面部分に圧締面部を間隔を置いて複数個形成すると共に回転整畦体の回転方向前方位置の圧締面部側から隣る後方位置の圧締面部に至る圧締板体を配設しているので、回転整畦体の回転に伴い圧締板体は徐々に盛土を締圧すると共に圧締面部により圧締板体を介して強く締圧され、この複数個の圧締面部の存在により断続的に締圧され、複数個の圧締面部の存在により、回転整畦体の全外周面で締圧する構造に比べて締圧面積が小さくなることにより締圧力を大きくすることができ、それだけ強固に畦を締め付けることができ、走行機体の走行速度に対して回転整畦体の回転速度を高めることにより回転整畦体の圧締板体は畦面に回転滑り接触し、この回転すべり接触により畦の一方側面及び畦の上面を円滑かつ強固に締圧整畦することができ、一層堅牢な畦を得ることができ、さらに、上記隣る圧締面部の間に通穴を形成しているので、通穴により一層断続的に畦面を締圧することになり、それだけ強固に締圧することができると共に通穴の存在により回転整畦体の外周面部分への土の付着現象を抑制することができ、良好な整畦作業を行うことができる。
【0028】
又、請求項2記載の発明にあっては、圧締板体を可撓性板材により形成しているので、圧締板体は平ら状から撓み動作しつつ盛土を徐々に締圧することができ、盛土を確実に締圧することができる。
【0029】
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態例の全体側面図である。
【図2】 本発明の実施の形態例の平面図である。
【図3】 本発明の実施の形態例の後面図である。
【図4】 本発明の実施の形態例の側面図である。
【図5】 本発明の実施の形態例の部分断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態例の部分断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態例の部分断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態例の部分断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態例の平面図である。
【符号の説明】
Q 整畦作業機
Q1 盛土機構
W 畦
D 一方側方位置
E 中程後方位置
K 圧締面部
G 圧締板体
F 通穴
1 走行機体
2 連結機構
3 連結部材
7 取付部材
8 位置変更機構
9 枢着ピン
10 枢着ピン
11 作動リンク
12 作動リンク
13 リンク機構
14 往復動用アクチュエータ
17 動力伝導機構
18 駆動軸
19 従動軸
20 巻掛伝導機構
21 伝導機構
22 伝導機構
Claims (2)
- 走行機体に連結機構により連結部材を連結し、該連結部材に整畦作業機を配備可能な取付部材を配設し、該整畦作業機は旧畦上に土を盛り上げる盛土機構と、畦面を圧接回転により回転整畦可能な回転整畦体とからなり、該回転整畦体の外周面部分に圧締面部を間隔を置いて複数個形成すると共に該回転整畦体の回転方向前方位置の圧締面部側から隣る後方位置の圧締面部に至る圧締板体を配設し、かつ、該隣る圧締面部の間に通穴を形成し、さらに、該連結部材と取付部材との間に該取付部材を上記走行機体の一方側方位置又は中程後方位置に位置変更させる位置変更機構を配設し、上記取付部材に上記整畦作業機の駆動源となる動力入手軸を配設し、該動力入手軸と走行機体の動力取出軸との間に動力伝導機構を配設してなり、上記位置変更機構として、上記連結部材と上記取付部材との間に二個の作動リンクを枢着ピンにより枢着架設してなるリンク機構と、該リンク機構を作動させる往復動用アクチュエータとを備えてなり、かつ、上記動力伝導機構として、上記連結部材に上記一方の作動リンクの基部側の枢着ピンの軸線と同軸上にして駆動軸を縦設すると共に上記取付部材に該一方の作動リンクの先端部側の枢着ピンの軸線と同軸上にして従動軸を縦設し、該駆動軸と従動軸との間に巻掛伝導機構を架設し、該駆動軸と上記走行機体の動力取出軸との間に伝導機構を配設し、上記取付部材に上記整畦作業機の駆動源となる動力入手軸を配設し、該動力入手軸と該従動軸との間に伝導機構を配設して構成したことを特徴とする整畦機。
- 上記圧締板体を可撓性板材により形成してなることを特徴とする請求項1記載の整畦機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27957599A JP4352419B2 (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | 整畦機 |
Applications Claiming Priority (1)
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